JP2005034154A - 完全ヒト抗体の調製 - Google Patents

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Abstract

【課題】 予め決定された抗原を、この抗原にすでに曝露されたヒトドナーに依存せずに認識する、完全ヒト抗体を調製する方法を提供すること。
【解決手段】 抗原を認識する完全ヒト抗体を調製する方法であって、以下:
(a)未処置のヒトドナーから一群のリンパ球を提供する工程;
(b)インビトロで、該抗原を用いて該リンパ球を免疫する工程;
(c)該免疫されたリンパ球をヘテロミエローマ細胞株と融合して、トリオーマ細胞を形成する工程;
(d)該抗原を認識する抗体を産生するトリオーマ細胞を同定する工程;および
(e)工程(d)において同定された該トリオーマ細胞によって産生された該抗体を収集する工程、
を包含する、方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、目的の任意の抗原に対する完全ヒト抗体の調製の方法、および得られる抗体に関する。
(発明の背景)
ヒト化モノクローナル抗体は、ウイルス疾患に対する治療目的で、首尾よく使用されている(非特許文献1参照)。これらの疾患は、伝統的に、感染性疾患(例えば、RSウイルス(RSV)による感染)である。しかし、最近、抗体は、多くの他の障害の治療において次第に使用されるようになっており、これらの障害としては、自己免疫障害および悪性腫瘍様転移性乳癌、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球白血病および急性骨髄性白血病が挙げられる(非特許文献1および非特許文献22を参照)。血管形成術の間の器官の拒絶または血液凝集に対する予防的な使用もまた、達成されている。
ヒト化抗体は、代表的に、抗原特異性のために重要ではないマウス抗体の領域を、ヒト対応物で置き換えることによって調製される。従って、得られる抗体は、残留マウス配列を有し、この配列は、ヒト患者に投与される場合、しばしば、この患者において免疫学的応答を引き起こす(ヒト抗マウス応答)。従って、非ヒト配列を回避する、完全ヒト抗体を調製することが望ましい。完全ヒト抗体は、例えば、ファージディスプレイ技術を使用してヒト抗体ライブラリーを構築およびスクリーニングすることによってか、免疫されたヒトドナー由来のリンパ球を重症複合型免疫不全(SCID)マウスに移植することによってか、またはヒト免疫グロブリン遺伝子を保有するトランスジェニックマウスを操作することによって、報告されている(非特許文献21参照)。病原体に対する完全ヒト抗体もまた、臍帯血の広範なスクリーニングによって単離されており、これは、天然の多反応性IgMレパートリーを含む(例えば、特許文献5を参照のこと)。しかし、これらの方法は、低い親和性を有する抗体を生じるか、または所望の免疫応答を有するヒトドナーに依存するかのいずれかである。
HIVに対する化学療法は、しばしば、重篤な副作用および薬物耐性によって妨害されているので、HIVに対する完全ヒト抗体が、治療的に価値がある。特に興味深いものは、gp120(HIVのエンベロープ糖タンパク質)を認識する抗体である。標的細胞へのHIVの侵入は、標的細胞上での、gp120の、CD4およびコレセプター(CCR5またはCXCR4)との連続的相互作用によって開始される(非特許文献6を参照)。gp120は、5つの定常領域(C1〜C5)および5つの可変ループ(V1〜V5)から構成される。CD4のgp120への結合は、大きい結合エネルギーを生じ、このエネルギーは、gp120のコンホメーション変化を引き起こし、コレセプター結合部位(gp120のV3〜C4)を露出させる。引き続いて、このコレセプターは、gp120に結合し、ウイルスおよび細胞膜の融合をもたらし、続いて、細胞にウイルスが侵入する。従って、CD4結合部位またはコレセプター結合部位を認識する抗体は、HIV侵入を妨害し、そしてこのウイルスが細胞内で複製することを防止する。
gp120に対する完全ヒト抗体が、報告されている。特許文献2は、クローン的に感染した患者由来のgp120に対する4つの中和huMAbを開示するが、これらの全てが、CD4結合領域と反応する。特許文献3は、血清陽性の患者由来の別のIgG1中和huMAbを明らかにし、これもまた、gp120のCD4結合領域と反応性である。全抗体分子に加えて、同じ領域に作用する免疫グロブリンフラグメント(Fab)が、感染したドナーの骨髄から得られた(特許文献4および6を参照)。
しかし、CD4結合部位よりむしろコレセプター結合部位を認識する治療抗体は、以下の理由により好ましい。第一に、超微細構造の研究は、成熟HIV粒子が、gp120ノブを含む約72のスパイクを有することを示唆する(非特許文献15を参照)。末梢リンパ球上のCD4分子の平均数は、65,330±6,049であると報告されている(非特許文献13を参照)。さらに、CD4とgp120との間の親和性は高く、低いナノモル濃度の範囲のKd(すなわち、0.2〜30nM)を有する(非特許文献23および10を参照)。一緒になって、CD4と、gp120のCD4結合部位(どちらも豊富である)との間の結合の全体の強度(親和力)は、非常に高い。従って、多量の抗体が、gp120のCD4結合部位とCD4との間の相互作用をブロックするのみでなく、特に、非常に高い親和性を有する抗体は、上記親和性を克服するために必要とされる。対照的に、コレセプター結合部位は、gp120がすでにCD4に結合するまで、効果的に露出されない。従って、HIVの、標的細胞に対する結合をブロックするためには、コレセプター結合部位に結合する抗体は実質的により少なく、そしてこれらの抗体の親和性は、HIV感染を効果的に阻害するほどには特に高い必要はない。
gp120を標的化する治療抗体を調製する際のさらなる問題は、gp120の一次構造(すなわち、アミノ酸配列)が、異なるHIV−1株の間で非常に可変性であることである(非特許文献12、9、14、および20を参照)。実際に、単一の患者の配列単離体でさえも、変動を示す(非特許文献8を参照)。従って、gp120上のコンホメーションエピトープを認識し得る、複数のHIV株に対する治療および/または予防の目的で使用され得る、完全ヒト抗体が望ましい。理想的な抗体は、gp120のコレセプター結合領域(特に、コンホメーションエピトープ)を認識する。
本願の上記および他の箇所において引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許出願または特許の開示が、その全体が参考として援用されるように具体的にかつ個々に示される場合と同じ程度まで、その全体が本明細書中に参考として援用される。
Figure 2005034154
Figure 2005034154
Figure 2005034154
本発明によると、以下の項目1〜37が提供され、上記目的が達成される。
(項目1)
抗原を認識する完全ヒト抗体を調製する方法であって、以下:
(a)未処置のヒトドナーから一群のリンパ球を提供する工程;
(b)インビトロで、該抗原を用いて該リンパ球を免疫する工程;
(c)該免疫されたリンパ球をヘテロミエローマ細胞株と融合して、トリオーマ細胞を形成する工程;
(d)該抗原を認識する抗体を産生するトリオーマ細胞を同定する工程;および
(e)工程(d)において同定された該トリオーマ細胞によって産生された該抗体を収集する工程、
を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、工程(b)の前に、前記リンパ球から、CD8細胞およびCD56細胞を除去する工程をさらに包含する、方法。
(項目3)
項目1または2に記載の方法であって、工程(d)の前に、第2抗原を用いて、工程(c)の前記トリオーマ細胞をスクリーニングする工程、それによって、前記抗原および該第2抗原の両方を認識する抗体を産生する細胞を選択する工程、をさらに包含する、方法。
(項目4)
項目1〜3のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗体が、約30nM以下のKdで前記抗原を認識する、方法。
(項目5)
項目1〜4のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗体が、IgG抗体である、方法。
(項目6)
項目1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗体が、IgG1抗体である、方法。
(項目7)
項目1〜6のいずれか一項に記載の方法であって、工程(d)の前記トリオーマ細胞が、細胞培養物中において、少なくとも約3ヶ月間、前記抗体を産生し得る、方法。
(項目8)
項目1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、工程(d)の前記トリオーマ細胞が、細胞培養物中において、少なくとも約6ヶ月間、前記抗体を産生し得る、方法。
(項目9)
項目1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、工程(d)の前記トリオーマ細胞が、細胞培養物中において、少なくとも約9ヶ月間、前記抗体を産生し得る、方法。
(項目10)
項目1〜9のいずれか一項に記載の方法であって、工程(d)の前記トリオーマ細胞が、細胞培養物中において、少なくとも約12ヶ月間、前記抗体を産生し得る、方法。
(項目11)
項目1〜10のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗原が、HIV抗原である、方法。
(項目12)
項目11に記載の方法であって、前記抗原が、gp120由来である、方法。
(項目13)
項目12に記載の方法であって、前記抗原が、gp120のコレセプター結合領域を含む、方法。
(項目14)
項目1〜13のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗原が、T−ヘルパー配列を含む、方法。
(項目15)
単離された完全ヒト抗体、またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体が、HIVの少なくとも2つの株を認識する、抗体またはフラグメント。
(項目16)
項目15に記載の抗体またはフラグメントであって、HIVの少なくとも2つの株のgp120を認識する、抗体またはフラグメント。
(項目17)
項目16に記載の抗体またはフラグメントであって、gp120のコレセプター結合領域を認識する、抗体またはフラグメント。
(項目18)
項目15に記載の抗体またはフラグメントであって、配列番号2〜17からなる群より選択される、少なくとも2つの配列を認識する、抗体またはフラグメント。
(項目19)
項目15〜18のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメントであって、前記抗体が、IgGである、抗体またはフラグメント。
(項目20)
項目15〜18のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメントであって、前記抗体が、IgG1である、抗体またはフラグメント。
(項目21)
項目15〜20のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメントを含む、組成物。
(項目22)
項目21に記載の組成物であって、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤をさらに含む、組成物。
(項目23)
HIV感染を予防、処置、または改善するための方法であって、該方法が、有効量の項目21に記載の組成物を、それが必要な被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目24)
項目23に記載の方法であって、前記被験体が、AIDSに罹患している、方法。
(項目25)
少なくとも2つの異なる抗原を認識する完全ヒト抗体を調製する方法であって、以下:
(a)未処置のヒトドナーから一群のリンパ球を提供する工程;
(b)インビトロで、第1抗原を用いて該リンパ球を免疫する工程;
(c)該免疫されたリンパ球をヘテロミエローマ細胞株と融合して、トリオーマ細胞を形成する工程;
(d)該トリオーマ細胞を第2抗原を用いてスクリーニングして、該第1抗原および該第2抗原の両方を認識する抗体を産生する細胞を同定する工程;ならびに
(e)工程(d)において同定された該トリオーマ細胞によって産生された該抗体を収集する工程、
を包含する、方法。
(項目26)
項目25に記載の方法であって、前記第1抗原および前記第2抗原が、微生物由来である、方法。
(項目27)
項目25に記載の方法であって、前記第1抗原および前記第2抗原が、微生物の2つの異なる株由来である、方法。
(項目28)
項目27に記載の方法であって、前記微生物が、HIVである、方法。
(項目29)
項目28に記載の方法であって、前記第1抗原および前記第2抗原が、gp120由来である、方法。
(項目30)
抗原を用いてリンパ球のインビトロ免疫の効率を増加する方法であって、以下:
(a)リンパ球の集団を提供する工程;
(b)該集団からCD8細胞およびCD56細胞を除去する工程;ならびに
(c)インビトロで、該リンパ球の集団を該抗原と接触させる工程、
を包含する、方法。
(項目31)
項目30に記載の方法であって、前記CD8細胞および前記CD56細胞が、CD8およびCD56に特異的な磁気ビーズを使用することによって除去される、方法。
(項目32)
インビトロ細胞集団であって、以下:
(a)未処置のヒトドナーから末梢血単核細胞を提供する工程;
(b)該末梢血単核細胞からCD8細胞およびCD56細胞を除去する工程;ならびに
(c)インビトロで、工程(b)の該細胞を抗原と接触させて、該抗原を認識する抗体を該細胞により産生させる工程、
を包含する、方法によって調製されたインビトロ細胞集団。
(項目33)
抗体産生細胞であって、該抗体産生細胞が、項目32に記載の細胞集団をクローン条件下で培養し、そして前記抗原を認識する抗体を産生するクローンを単離することによって調製される、抗体産生細胞。
(項目34)
項目33に記載の抗体産生細胞であって、HIV gp120を認識する抗体を産生する、抗体産生細胞。
(項目35)
項目34に記載の抗体産生細胞であって、HIVの異なる株由来の少なくとも2つのgp120分子を認識する抗体を産生する、抗体産生細胞。
(項目36)
HIV感染を予防、処置、または改善することが必要な被験体において、HIV感染を予防、処置、または改善するための、項目21に記載の組成物。
(項目37)
項目36に記載の組成物であって、前記被験体が、AIDSに罹患している、組成物。
(発明の要旨)
本発明は、予め決定された抗原を、この抗原にすでに曝露されたヒトドナーに依存せずに認識する、完全ヒト抗体を調製する方法を提供する。この目的で、ネイティブなヒトドナー由来のリンパ球が、インビトロで、目的の抗原に接触され、そしてこの抗原に対する抗体を産生する細胞が同定される。リンパ球は、インビボではなくインビトロで免疫されるので、どの抗原、または抗原のどの部分が、この抗体によって認識されるかを制御することが可能である。従って、この方法は、生命を脅かす微生物に対する抗体の調製において、特に有用である。なぜなら、この方法は、生命を脅かす微生物で、ヒトは言うまでもなく、動物を免疫する必要がないからである。
好ましい抗原は、HIVのgp120糖タンパク質、またはその免疫原性フラグメントである。より好ましくは、この抗原は、gp120のコレセプター結合部位を含むペプチドである。抗原性バリエーションに起因して、gp120に対する広範なスペクトルの抗体を産生することは、長い間問題であり、そしてgp120に対する既存の抗体は、代表的に、1つのみのサブタイプのgp120、またはHIVの1つの分岐群(clade)さえも認識する。本発明は、少なくとも2つの異なる抗原を認識する抗体を作製する方法を、さらに提供する。従って、リンパ球を1つの抗原で免疫し、そして免疫されたリンパ球を、別の抗原でスクリーニングすることによって、両方の抗原を認識する完全ヒト抗体が得られ得る。
抗体産生の能力を拡張するために、抗体産生細胞は、必要に応じて、種々のさらなる処理に供され得る。例えば、これらの細胞は、ヘテロミエローマ細胞と融合されて、トリオーマ(trioma)細胞を形成し得、これは、長期間生存し得、そして抗体を安定に産生し得る。
従って、本発明の1つの局面は、抗原を認識する完全ヒト抗体を調製する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)未処置の(naive)ヒトドナーから得られた、リンパ球の群を提供する工程;
(b)これらのリンパ球を、インビトロで、抗原で免疫する工程;
(c)免疫されたリンパ球を、ヘテロミエローマ細胞株と融合させて、トリオーマ細胞を形成する工程;
(d)抗原を認識する抗体を産生するトリオーマ細胞を同定する工程;および
(e)工程(d)において同定されたトリオーマ細胞から産生される抗体を収集する工程。
この方法は、工程(b)の前に、リンパ球からCD8細胞およびCD56細胞を除去する工程をさらに包含し得る。さらに、または代替的に、この方法は、工程(c)のトリオーマ細胞を、工程(d)の前に、第2抗原を用いてスクリーニングする工程をさらに包含し得、これによって、上記抗原と第2抗原との両方を認識する抗体を同定し得る。
トリオーマ細胞が、クローン条件で培養される場合、モノクローナル抗体が、本発明を使用して調製され得る。あるいは、本発明を使用して得られた抗体産生細胞の群から、ポリクローナル抗体が調製され得、これらは、個々のクローンとして培養されない。この抗体は、好ましくは、約100nM以下、約30nM以下、約10nM以下、約3nM以下、または約1nM以下のKdで抗原を認識する。この抗体は、好ましくは、IgG抗体であり、特に、IgG1である。
完全ヒト抗体を産生する、抗体産生細胞(例えば、上記トリオーマ細胞)を調製するための方法もまた、提供される。特に、これらの細胞は、延長された時間(例えば、細胞培養中で少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約15ヶ月、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約21ヶ月、または少なくとも約24ヶ月)にわたって、抗体を産生し得る。
本発明において使用される抗原は、好ましくは、HIV抗原であり、より好ましくは、HIV gp120分子、またはgp120分子のフラグメントである。特に、この抗原は、gp120のコレセプター結合領域由来のペプチドである。
本発明の別の局面は、本発明の方法に従って調製された、完全ヒト抗体を提供する。特に、これらの抗体は、HIV抗原(例えば、gp120)を認識し得、そして好ましくは、2つの異なるHIV株由来の抗原を認識し得る。この抗体は、より好ましくは、3つ以上のHIV株、サブタイプ、または分岐群を認識し得る。完全ヒト抗体は好ましくは、HIVの少なくとも2つの株由来のコレセプター結合領域を認識する。例えば、この抗体は、gp120の異なるコレセプター結合領域を含む、少なくとも2つの抗原(例えば、配列番号2〜17からなる群より選択される抗原)を認識する。これらの抗体は、好ましくは、IgGであり、特に、IgGI1抗体である。これらの抗体を含有する薬学的組成物もまた提供され、この組成物は、薬学的に受容可能なキャリアおよび/または賦形剤を含有し得る。
本発明のなお別の局面は、HIV感染を防止するか、処置するか、または軽減するための方法を提供し、この方法は、有効量の本発明の抗体、またはこの抗体を含有する組成物を、この処置の必要な被験体に投与する工程を包含する。特に、この方法は、AIDSを予防するか、処置するか、または軽減するために、使用され得る。
本発明のさらなる局面は、少なくとも2つの異なる抗原を認識する、完全ヒト抗体を調製する方法を提供し、この方法は、以下を包含する:
(a)ネイティブなヒトドナー由来のリンパ球の群を提供する工程;
(b)このリンパ球を、第1抗原で、インビトロで免疫する工程;
(c)免疫されたリンパ球を、ヘテロミエローマ細胞株と融合させて、トリオーマ細胞を形成する工程;
(d)このトリオーマ細胞を第2抗原でスクリーニングして、第1抗原と第2抗原との両方を認識する抗体を産生するトリオーマ細胞を同定する工程;および
(e)工程(d)において同定されたトリオーマ細胞によって産生された抗体を収集する工程。
第1抗原および第2抗原は、任意の目的の抗原であり得る。例えば、第1抗原および第2抗原は、独立して、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、炭水化物、脂質、糖脂質、細胞、ウイルス、細菌、真菌、プリオンおよび寄生生物からなる群より選択され得る。これらの抗原は好ましくは、微生物由来であり、例えば、微生物の2つの異なる株由来の表面抗原である。この微生物は、好ましくは、HIVであり、そして抗原は、好ましくはgp120である。従って、第1抗原および第2抗原は、HIVの異なる株由来のgp120分子であり得、特に、そのコレセプター結合領域であり得る。
本発明の別の局面は、抗原でリンパ球をインビトロで免疫する効力を増加させる方法を提供し、この方法は、以下を包含する:
(a)リンパ球の集団を提供する工程;
(b)この集団からCD8細胞およびCD56細胞を除去する工程;ならびに
(c)このリンパ球の集団をインビトロで抗原と接触させる工程。
CD8細胞およびCD56細胞は、当該分野において確立された任意の方法を使用して、除去され得る。例えば、これらの細胞は、それぞれCD8およびCD56に特異的な抗体を使用して、除去され得る。1つの実施形態において、これらの抗体は、磁気ビーズに付着される。
本発明のさらなる局面は、以下の工程を包含する方法によって調製される細胞集団を提供する:
(a)未処置のヒトドナー由来のリンパ球を提供する工程;
(b)このリンパ球からCD8細胞およびCD56細胞を取り除く工程;および、
(c)インビトロで工程(b)の細胞を抗原と接触させて、この抗原を認識する抗体を産生する細胞を得る工程。
リンパ球は、末梢血単核細胞として提供され得る。この細胞集団は、さらに希釈され、そして個々のクローンとして培養され、そして所望の抗体を産生するクローンが、同定され得る。従って、クローン条件下で上記の細胞集団を培養し、そして上記抗原を認識する抗体を産生するクローンを単離することによって調製される、抗体産生細胞もまた提供される。この抗体産生細胞は、EBVで感染され得るかまたは融合パートナーと融合され得る。好ましくは、これらの細胞は、長期にわたって(例えば、細胞培養において、少なくとも約3ヶ月、約6ヶ月、約9ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約21ヶ月、または約24ヶ月)抗体を産生する能力を有する。その抗原は、好ましくは、HIV抗原であり、より好ましくは、gp120由来の抗原であり、そして最も好ましくは、gp120のコレセプター結合領域である。特に、これらの細胞は、少なくとも2つの異なるHIV株からgp120分子を認識する抗体を産生する能力を有する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、すでに抗原に曝されているヒトドナーに依存することなく、所定の抗原を認識する完全ヒト抗体を調製する方法を提供する。このために、未処置のヒトドナー由来のリンパ球が、インビトロで、目的の抗原で免疫され、この抗原に対する抗体を産生する細胞が、同定および選択される。このリンパ球は、インビボではなくインビトロで免疫されるので、どの抗原またはどの抗原の一部がその抗体によって認識されるのかを制御することが可能である。好ましい抗原は、HIVのgp120、特に、gp120のコレセプター結合領域である。
さらに詳細に本発明を記載する前に、本願において使用される用語は、他に示されない限り、以下のように定義される。
(定義)
「完全ヒト抗体」は、排他的にヒト配列を含む抗体である。この抗体は、好ましくは、モノクローナル抗体である。
「未処置のヒトドナー」は、目的の抗原に曝されておらず、免疫細胞または免疫因子の供給源としての役割を果たす、ヒトである。未処置のドナーは、目的の抗原に対する検出可能な循環抗体を含まない。代表的には、未処置のヒトドナーは、抗HIV抗体にネガティブである、一貫してスクリーニングされた健康な規則的血液ドナーである。
細胞または動物を抗原で「免疫する」とは、細胞または動物を抗原に曝す動作をいう。この細胞または動物は、この細胞または動物の間で抗原と接触させる任意の様式で、免疫され得る。
「ヘテロミエローマ(heteromyeloma)細胞株」は、2つの異なる骨髄腫細胞の融合物由来の細胞株である。2つの異なる骨髄腫細胞は、好ましくは、ヒト骨髄腫細胞およびマウス骨髄腫細胞である。ヘテロミエローマ細胞株は、当該分野で公知である。例えば、米国特許第6,228,361号およびChinら(2001)は、種々のヘテロミエローマ細胞株の調製、特徴付けおよび使用を記載している。
「トリオーマ(trioma)細胞」は、細胞とヘテロミエローマ細胞との融合産物である。
「融合パートナー」は、有益な目的のために、抗体産生細胞と融合するために使用され得る細胞である。代表的には、この融合は、長期の抗体産生を導く。従って、この融合パートナーへの融合がないと、この抗体産生細胞は、培地中で抗体を産生しなくなる。しかし、この融合パートナーへの融合の際に、培地中で少なくとも約3ヶ月、好ましくは、少なくとも約6ヶ月、約9ヶ月、約12ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月またはそれ以上の間、抗体を産生する融合細胞が選択され得る。融合パートナーとしては、骨髄腫細胞およびヘテロミエローマ細胞が挙げられるがこれらに限定されない。
疾患状態または医学的状態を「処置または改善する」とは、その疾患状態もしくは医学的状態の症状を軽減もしくは排除するか、またはこの疾患状態/医学的状態の進行を遅らせることを意味する。この軽減は、好ましくは、少なくとも約10%、より好ましくは、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%である。
疾患状態または医学的状態を「予防する」とは、この疾患状態または医学的状態の症状を示さない被験体において対策をとることを意味し、ここで、結果として、この被験体は、この疾患状態/医学的状態を発症しないか、またはより低い程度までしかこの疾患状態/医学的状態を発症しない。
「有効量」は、意図される効果を生じるのに十分な、薬剤の量である。例えば、疾患を処置または改善するために使用される抗体について、有効量は、この疾患の症状を軽減もしくは排除するかまたはこの疾患の進行を遅らせるのに十分な抗体の量である。
「サンプル」は、物質、材料または集団の、アリコートまたは代表的な部分である。例えば、サンプルは、水、汚水、油、砂、血液、生物学的組織、尿または糞のサンプルであり得る。
「生物学的サンプル」は、生物学的被験体(例えば、動物、植物または微生物)から回収されたサンプルである。
(方法)
本発明は、ヒトを含めた任意の動物を免疫する必要なしに、完全ヒト抗体を調製するための方法を提供する。この抗体を作製するために、未処置のヒトドナー由来のリンパ球を、インビトロで目的の抗原と接触させる。次いで、免疫化リンパ球を、クローン条件下で培養し、そして所望の抗体を産生するクローンを同定する。抗体のクローニングおよび特徴付けを容易にするために、この免疫化細胞を、必要に応じて、EBVで感染し得る。あるいは、またはそれに加えて、この免疫化細胞をまた、長期にわたる安定な抗体産生のために、融合パートナー(特に、ヘテロミエローマ細胞株)に融合し得る。
HIV gp120のコレセプター結合部位を、本発明を立証するための抗原として使用した。従って、ペプチドを、HIVの異なるサブタイプ由来の、gp120のV3ループの配列に従って合成した(実施例1)。上で議論されるように、このgp120配列は、高度に可変性である。従って、種々のペプチドが調製された。これらのペプチドとしては、サブタイプA〜H、サブタイプJ、サブタイプKおよびサブタイプO1〜O4由来のコンセンサス配列、ならびにBサブタイプの2つの異なるクレードであるMNおよびIIIB由来の配列(表1)が挙げられる。その抗原に対する免疫応答を増強するために、gp120 V3サブタイプB MN株配列をまた、T細胞エピトープ配列に連結して、ハイブリッド抗原(表2)を形成した。
このペプチド抗原は、実施例2に記載されるような2工程の免疫化手順(Chinら、1995;Zafiropoulosら、1997)において、未処置のヒトドナー由来の末梢血単核細胞(PBMC)にインビトロで添加された。伝統的に、インビトロで免疫されるべき細胞を、L−ロイシル−L−ロイシンメチルエステル(LeuLeuOMe)で処理して、免疫化プロセスを阻害し得る細胞を除去する。本発明者らは、免疫化前の、PBMCからのCD8細胞およびCD56細胞の除去が、インビトロでの免疫化の効率を上昇させることを企図した。従って、伝統的な処理(LeuLeuOMe)の効果は、CD8細胞の除去、CD56細胞の除去、またはCD8細胞とCD56細胞との両方の除去の効果と比較された。実際に、CD8細胞とCD56細胞との両方を除去した場合、特異的抗体産生細胞の数は、有意に高かった(表3)。それによって、必要に応じて、LeuLeuOMe処理と組み合わせて、免疫化前にCD8細胞およびCD56細胞をリンパ球から除去することが好ましい。
免疫化後、細胞は、所望の特異性を有する抗体の産生についてスクリーニングされる。このスクリーニング工程は、当該分野で公知の任意の方法によって(代表的には、細胞を免疫させる抗原を用いた固相酵素免疫検定法(ELISA)を使用することによって)、行われ得る。実施例3において、代替方法が記載されており、ここで、HIVの1つのクレードである、サブタイプBのMN株由来のコレセプター結合領域を使用して、リンパ球を免疫し、そしてHIVの別のクレードである、サブタイプBのIIIB株由来の対応する領域を使用して、その免疫化細胞をスクリーニングした。従って、得られる抗体は、両方の株のgp120コレセプター結合領域を認識する。実際には、わずかな例外において、この抗体は、表1において列挙されるほとんど全てのV3コンセンサスペプチドを認識した。それによって、本発明は、実質的な抗原バリエーションを受ける病原体に対する診断適用および治療用適用において使用され得る、広域スペクトルの抗体を提供する。少なくとも2つの抗原(第一の抗原および第二の抗原)を認識する完全ヒト抗体を作製するための方法が、さらに提供される。この方法は、未処置のヒトドナー由来のリンパ球の群を、第一の抗原と接触させる工程、および第二の抗原を用いて抗体産生細胞についてスクリーニングする工程を包含する。次いで、このように同定された細胞によって産生された抗体を収集して、第一の抗原と反応させ、これらの抗体が両方の抗原を認識することを確認し得る。
さらに、上記の抗体は、MN株由来の抗原またはIIIB株由来の抗原のいずれとも強く反応したが、これらの抗原が変性された場合、その反応性は有意に低かった。これらの結果は、この抗体が、いずれの抗原の直鎖状配列でもなく、それらの抗原によって共有されるコンホメーションエピトープを認識することを示している。従って、本発明はまた、コンホメーションエピトープ(特に、2つ以上の抗原によって共有されるコンホメーションエピトープ)に特異的な完全ヒト抗体を調製する方法を提供する。
融合の代わりに、インビトロ免疫化細胞を使用して、抗体ライブラリーを構築し得、次いで、目的の抗体を、このライブラリーから同定し得る。従って、インビトロでの免疫化後、抗体産生細胞は、その抗原を用いて同定され得る(この段階における細胞は、必要に応じて、EBVで感染され得る)。次いで、これらの抗体産生細胞を使用して、ファージディスプレイライブラリーが構築され、その抗原を用いてこのライブラリーをスクリーニングすることによって、目的の抗体フラグメントを含むファージが同定され得る。ファージディスプレイライブラリーを構築する方法は、当該分野で公知である(例えば、
Figure 2005034154
を参照のこと)。
この実施形態は、1つの抗原を使用して細胞を免疫し、第二の抗原を使用して抗体についてスクリーニングする場合に、特に有用である。例えば、リンパ球は、第一の抗原で免疫され、抗体産生細胞は、この免疫化細胞を第二の抗原と反応させることによって同定され、そしてこの抗体産生細胞を使用して、ファージディスプレイライブラリーが構築され得る。次いで、抗原を用いてこのライブラリーをスクリーニングして、目的の抗体フラグメントを含むクローンを同定する。抗原の一様に広範な範囲を認識するクローンを同定するために、第三の抗原を使用して、そのファージライブラリーをスクリーニングし得る。次いで、この第三の抗原を認識する任意のクローンの特異性は、この第一の抗原および第二の抗原を用いて決定され得る。この様式で同定された抗体フラグメントは、これらの抗体フラグメント間で共有されるコンホメーションエピトープに結合させることによって、3つ全ての抗原を認識する可能性が高い。
本発明の別の局面は、疾患を有する被験体を処置するための治療方法を提供し、この方法は、本発明に従って調製された抗体を被験体に投与する工程を包含し、ここで、この抗体は、疾患を処置または改善し得る。同様に、この抗体は、人々がこの疾患に罹患するのを防ぐために使用され得る。例えば、人々は、遺伝的疾患または他の素因化された疾患に対する高い危険性のある群に属し得るか、微生物感染が広がっている領域に居住し得るか、あるいは彼らの職業に起因してしばしば病原体に接触しなければならないかもしれない。この局面の実施のために有用な抗体は、当該分野で公知の方法によって決定され得る。例えば、病原体または毒素を中和する抗体の能力は、予防、処置または改善におけるその抗体の能力の指標として測定され得る。好ましくは、抗体の量は、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約60%、約70%、約80%または約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%の中和を達成するために使用される。
好ましくは、疾患は、微生物によって引き起こされる腫瘍または感染性疾患である。腫瘍は、好ましくは、以下からなる群より選択される:造血性悪性腫瘍(例えば、リンパ腫、白血病、および骨髄腫);腺癌のような癌腫(これは、食道、肺、胸部、卵巣、肝臓、子宮内膜、頸部、結腸、膵臓、前立腺、胃、腸、直腸、または子宮における原発腫瘍部位を有し得る);および扁平上皮癌腫(これは、口腔、舌、咽頭、食道、肺、皮膚、膀胱、頸部、眼瞼、結膜、膣などに原発起源を有し得る)。他のクラスの処置され得る腫瘍の型としては、以下が挙げられる:肉腫(例えば、線維肉腫、筋原性肉腫);神経腫;黒色腫;栄養膜腫瘍および生殖細胞腫瘍;神経内分泌腫瘍および神経外胚葉腫瘍。特に、腫瘍は、転移性胸部癌、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病からなる群より選択される。
微生物は、好ましくはHIVである。しかし、他のヒト慢性ウイルス感染(例えば、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、1型ヒトTリンパ球向性ウイルスおよび2型ヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV−1およびHTLV−2)、パルボウイルス、ヒト疱疹ウイルス(1型および2型の単純疱疹ウイルス(HSV)を含む)、エプスタイン−バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)ならびにヒト疱疹ウイルス6(HHV−6))は、本発明を用いて、予防、処置または改善され得る。細胞内で複製する他の因子(例えば、病原性原生生物(例えば、トリパノソーマ、マラリアおよびトキソプラズマ);細菌(例えば、ミコバクテリア、サルモネラ、トラコーマクラミジアおよびリステリア);および真菌(例えば、カンジダ)による感染はまた、慢性になり得、従って本発明を用いての処置/予防に対する良好な候補である。
本発明が適用可能である他の病状としては、例えば、毒素による中毒が挙げられる。毒素としては、微生物および動物の毒素、例えば、エンテロトキシン、外毒素、内毒素、グリオトキシン、オクラトキシン(ochartoxin)、アフラトキシンおよび毒液が挙げられる。
本発明はさらに、ヒト細胞へのHIVの結合をブロックする方法およびヒト細胞のHIVによる感染を防ぐ方法を提供する。これらの方法は、本発明に従って調製される抗HIV抗体(例えば、実施例4に記載される抗体)と、ヒト細胞とを接触させる工程を包含する。これらのヒト細胞は、好ましくは、ヒト中に位置し、ここで有効量の抗体が、HIV結合をブロックするか、またはHIVによる感染を防ぐためにヒトに投与される。
これらの抗体は、当該分野で公知の適切な方法(例えば、脈管内、鞘内、静脈内、筋内、非経口、皮下、延髄内、腹腔内、局所的、経口、直腸、膣、鼻腔、肺および腫瘍内の経路を介する)によって投与され得る。
サンプル中のHIVの存在を検出する方法もまた、提供される。この方法は、抗体とサンプル中に存在する任意のHIVとの間に抗体−抗原複合体を形成するために、本発明の抗体と適切なサンプルとを接触させる工程、およびそのように形成された任意の複合体の存在を検出し、それによってサンプル中のHIVの存在を検出する工程を包含する。1つの実施形態において、ヒト抗体は検出マーカーで標識される。この方法において有用である適切なサンプルとしては、ヒト被験体由来の生物学的流体、例えば、血液、血清、血漿、尿、鼻粘膜分泌物、口腔粘膜分泌物、膣粘膜分泌物、精液、肛門粘膜分泌物および漿膜流体が挙げられるが、これらに限定されない。
(組成物)
本発明の別の局面は、本発明に従って調製された完全ヒト抗体を含む組成物を提供する。好ましくは、この抗体は、高い親和性でその抗原に結合する。Kdは、好ましくは約100nM以下、より好ましくは約30nM以下、さらにより好ましくは約10nM以下、なおさらに好ましくは約3nM以下、そして最も好ましくは約1nM以下である。特に、抗体は、少なくとも2つの関連する抗原(例えば、抗原性のバリエーションのみに起因して異なる微生物抗原、または同じ遺伝子の対立遺伝子によってコードされるタンパク質)を認識し得る。
本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と組み合わせて、活性成分として1つ以上の抗体を含む、薬学的組成物を含む。本発明の組成物の調製において、活性成分/抗体は、通常、賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、あるいはカプセル、サシェ、紙または他の容器の形態であり得るこのようなキャリア内に封入される。薬学的に受容可能な賦形剤が希釈剤として働く場合、この賦形剤は、固体、半固体、または液体物質であり得、活性成分のためのビヒクル、キャリアまたは溶媒として作用する。従って、これらの組成物は、以下の形態であり得る:溶液(特に、滅菌の注射可能溶液)、錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、サシェ、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳化剤、シロップ、エアロゾル(固体または液体媒体中の)、例えば、10%重量までの抗体を含有する軟膏、軟ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセル、坐剤、および滅菌充填された散剤。
適切な賦形剤のある例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微小結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。処方物は、さらに以下を含み得る:潤沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油);湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;保存剤(例えば、メチルベンゾエートおよびプロプルヒドロキシベンゾエート);甘味剤;ならびに矯味剤。本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を使用することによる患者への投与後に、活性成分の迅速な放出、持続的な放出または遅延された放出を提供するように処方され得る。
錠剤のような固体組成物を調製するために、主な活性成分/抗体は、本発明の化合物の均質な混合物を含む固体予備処方組成物を形成するために、薬学的賦形剤と混合される。これらの予備処方組成物を均質であると言及する場合、活性成分が、この組成物が等しく有効な単位投薬形態(例えば、錠剤、丸剤およびカプセル)に容易に細分され得るように、組成物全体にわたって均一に分散されることを意味する。
本発明の錠剤または丸剤は、長期作用の利点を生じる投薬形態を提供するために、コーティングまたはさもなければ配合され得る。例えば、錠剤または丸剤は、内部投薬成分および外部投薬成分を含み得、後者は、前者の被覆形態である。2つの成分は、胃での分解を防ぐように作用する腸溶性層によって分けられ得、そして内部成分が十二指腸にインタクトなまま通過するのを可能にするか、放出を遅らせる。種々の物質は、このような腸溶性層またはコーティングのために使用され得、このような物質としては、多くのポリマー酸ならびにシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような物質とポリマー酸との混合物が挙げられる。
本発明の新規組成物が経口投与または注射のために組み込まれ得る液体形態としては、水溶液(例えば、PBS)、適切な味のついたシロップ、水性懸濁液または油性懸濁液、および食用油(例えば、コーン油、綿実油、ごま油、ココナッツ油、またはピーナッツ油)を含む味付けされた乳濁液、ならびにエリキシルおよび類似の薬学的ビヒクルが挙げられる。
吸入またはガス注入用の組成物としては、薬学的に受容可能な水性溶媒または有機溶媒中の溶液および懸濁液、あるいはそれらの混合物、ならびに粉末が挙げられる(例えば、米国特許第6,514,496号および同第6,592,904号を参照のこと)。液体組成物または固体組成物は、本明細書中に記載される適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。好ましくは、これらの組成物は、局所効果または全身効果について注射または鼻腔呼吸経路によって投与され得る。好ましくは、薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧され得る。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか、または噴霧デバイスはフェイスマスクテントもしくは断続性加圧呼吸器に装着され得る。溶液、懸濁液、または粉末の組成物は、好ましくは、適切な様式で処方物を送達するデバイスから経口または経鼻投与され得る。
本発明の方法において使用される別の好ましい処方物は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を使用する。このような経皮パッチは、制御された量の、本発明の抗体の連続的吸入または断続的吸入を提供するために使用され得る。薬学的因子の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第5,023,252号(参考として、本明細書中に援用される)を参照のこと。このようなパッチは、薬学的因子の連続的な送達、拍動性送達、または要求された送達のために構築され得る。
本発明における使用にとって適切な他の処方物は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesにおいて見出され得る。
さらに、細胞、特に、本発明に従って調製される抗体産生細胞が提供される。従って、本発明は、未処置のヒトドナーからPBMCを単離する工程、PBMCからCD8細胞およびCD56細胞を除去する工程、ならびに得られた細胞と抗原とを接触させる工程によって調製された細胞集団を提供する。本発明はさらに、上記の細胞集団から単離された細胞を提供し、これらの細胞は、抗原を認識する抗体を産生し得る。これらの細胞は、EBVに感染され得るか、または融合パートナー(例えば、骨髄腫細胞株またはヘテロミエローマ細胞株)と融合され得る。これらの細胞は、代表的に、少なくとも約3ヶ月、より好ましくは少なくとも約6ヶ月、約9ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約21ヶ月または約24ヶ月、そして最も好ましくは24ヶ月より長く、培養物中で抗体を産生し得る。
好ましくは、これらの細胞は、HIV抗原、特にgp120、そしてさらに特定するとgp120のコレセプター結合領域を認識する抗体を産生する。さらに、これらの細胞は、好ましくは、HIVの少なくとも2つの株、サブタイプまたはクレード由来の抗原を認識する抗体を産生し得る。好ましくは、抗体は、IgG抗体、特にIgG1である。
以下の実施例は、本発明を説明するために提供され、本発明の範囲を制限するように、多少なりとも解釈されるものではない。
以下の実施例において、以下の略号は、以下の意味を有する。定義されていない略号は、一般的に受け入れられる意味を有する。
℃=摂氏
hr=時間
min=分
sec=秒
μM=マイクロモル濃度
mM=ミリモル濃度
M=モル濃度
ml=ミリリットル
μl=マイクロリットル
mg=ミリグラム
μg=マイクログラム
Mab=モノクローナル抗体
huMab=ヒトモノクローナル抗体
DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地
MEM=改変イーグル培地
PBS=リン酸緩衝化生理食塩水
HANKS=ハンクス平衡塩溶液
FBS=胎仔ウシ血清
HIV=ヒト免疫不全ウイルス
HTLV=ヒトT細胞白血病ウイルス
HCV=C型肝炎ウイルス
HBsAg=B型肝炎表面抗原
ALT=アラニントランスフェラーゼ
PBMC=末梢血単核細胞
LeuLeuOMe=L−ロイシル−L−ロイシンメチルエステル
(材料および方法)
(培養材料)
この開示において使用した培養培地は、他に示されない限り、1×非必須アミノ酸(Life Technologies,Grand Island,NY)、10%胎仔ウシ血清(FBS;Life Technologies)ならびに50mg/mlのゲンタマイシンおよびカナマイシン(China Chemical & Pharmaceutical,Taipei,Taiwan)を補充したRPMI−1640(HyQTM;HyClone,Logan,UT)であった。
(ヒト末梢血単核細胞の調製)
HIV−1/2、HTLV−I/II、HCV、HBsAgついてネガティブスクリーニングされた、正常レベルのアラニントランスフェラーゼ(ALT)のを含む健康な血液ドナーからの軟膜を、Tainan Blood Center、Chinese Blood Services Foundation(Tainan,Taiwan)から入手した。末梢血単核細胞(PBMC)を、Ficoll−Paque(Amersham Bioscience AB,Uppsala,Sweden)での密度遠心分離(400×g)によって単離した。次いでこれらの細胞を、PBSで2回洗浄して、100×g遠心分離によって回収した。
(磁性細胞精製)
PBMCを、まず、CD45RO MACSマイクロビーズ(Miltenyi Biotec,Auburn CA)で磁性標識し、次いでVarioMACS(Miltenyi Biotec)機器を用いて分離した。まとめると、細胞を、超常磁性MACSマイクロビーズで特異的に標識した。磁性標識後、これらの細胞を、強い永久磁石に置いた分離カラムに通した。磁化可能なカラムマトリクスは、高勾配磁場を作るように働いた。磁性標識した細胞をカラム内に保持し、通過した未標識細胞から分離した。磁場からカラムを取り出した後、保持された細胞を溶出した。溶出したCD45RO細胞を、100×g遠心分離によって回収して、すぐに使用した。
(CD45ROT細胞置換因子)
CD45ROT細胞を、1×非必須アミノ酸、10%ヒト血清、50mg/mlゲンタマイシン/カナマイシン、50mM 2−メルカプトエタノールおよび10mg/mlヤマゴボウマイトジェン(PWM;Sigma Chemicals)を補充したRPMI−1640中、2×10細胞/mlの密度で、組織培養フラスコ中で培養した。24時間のインキュベーション後、細胞を遠心分離して、そして400×g遠心分離によって除去した。最終的に、CD45ROT細胞置換因子(すなわち、培地上清)を、培地上清を回収することによって調製し、0.45mmフィルタで濾過して、−20℃で凍結保存した。
(PBMCからの細胞傷害性細胞の枯渇)
細胞傷害性細胞集団(これは、インビトロでの免疫を阻害する)の除去を、L−ロイシル−L−ロイシンメチルエステル(LeuLeuOMe)処理または磁性細胞枯渇を使用することによって実行した。LeuLeuOMe処理を、以前に記載された(Ohlinら、1989;Chinら、1994;Chinら、1995)ように、PBMC(10細胞/ml)の懸濁液に、250mM L−ロイシル−L−ロイシンメチルエステルヒドロ−ブロミド(Sigma,St,Louis,MO)を添加することによって実行した。磁性枯渇を、上記の磁性細胞精製の節に記載したように、モノクローナル抗マウスCD8抗体および抗CD56抗体(Miltenyi Biotech)に結合体化されたコロイド超常磁性マイクロビーズを用いて実行した。
(インビトロ免疫)
PBMC、特に細胞傷害性細胞枯渇PBMCを、2工程免疫プロトコルを使用して、インビトロで免疫した。一次免疫を、ペプチド抗原(TT−V3B(MN))10nM、50mM 2−メルカプトエタノール、10%熱不活化ヒト血清、0.05ng/ml rIL2(Calbiochem、San Diego、CA)および25%(v/v)T細胞置換因子を含む培地中で、6日間細胞をインキュベートすることによって実施した。7日目に、一次免疫から細胞を収集し、そして40% Ficoll−Paqueを通して遠心分離した。二次免疫について、3×10細胞を、5mg/mlのCD40L(CD154;Vinci−Biochem、Vinci、Italy)で一晩免疫したフラスコ中で、ペプチド抗原と混合した。これらの細胞を、5%ヒト血清、50mM 2−メルカプトエタノールおよび10nMペプチド抗原を補充した培地中で、3〜5日間培養した。
(エプスタイン−バーウイルス(EBV)感染)
インビトロ免疫した細胞に、EBVを感染させた。簡潔には、10個のリンパ球を、EBV生成マーモセット細胞株B95−8(American Type Culture Collection、ATCC CRL 1612;Dr.L.−F.Shu.Tri Services General Hospital、Taipeiの厚意により提供された)由来の1mlのEBV含有上清と共に、時々再懸濁しながら、37℃で2時間インキュベートした。感染細胞を、支持細胞(10/ウェル)としての、マイトマイシン(Kyowa Hakkou Kogyo、Toyoko、Japan)処理したPBMCと一緒に、96ウェルプレート中に10/ウェルで播種した。
(電気融合による体細胞ハイブリダイゼーション)
体細胞ハイブリダイゼーションを、以前に記載されたような電気融合(Chinら、1994;Chinら、1995)によって実施した。簡潔には、リンパ芽球細胞を、24ウェル組織培養プレート(Nalge Nunc International、Roskilde、DK)において、等張培地(280mM ソルビトール、0.5mM 酢酸マグネシウム、0.1mM 酢酸カルシウムおよび1mg/ml BSA;pH6.9〜7.1)中で、1個のヒトリンパ芽球細胞に対して2個のヘテロミエローマ(heteromyeloma)細胞の比率で、ヘテロミエローマ(Chinら、2001)細胞と融合させた。BTX Electro Cell Manipulator Mode 200を使用して、細胞融合を、38V(200V/cm)で30秒間実施し、その後、285V(1500V/cm)で15マイクロ秒の持続時間の3回のパルスを実施した。これらの細胞を、融合後20〜30分間マイクロキュベット中に放置し、次いで、10% FCSを補充した培養培地中に穏やかに再懸濁した。抗原特異的ハイブリッドを選択し、そしてChinら、2001に記載されるようにクローニングした。
(ペプチド抗原とキャリアとの結合体化)
表1および2に示されるような合成ペプチドを、ELISAについてのアッセイ抗原として使用した。これらのペプチドの各々を凍結乾燥し、そしてSulfo−MBS(Pierce、Rockford、IL)を架橋剤として使用する、2工程反応によって、BSAと結合体化した。最初に、BSAを、2mlの蒸留水で再構成して、10mg/ml溶液を得た。200μlの再構成BSAを、試験管中で、100μlのSulfo−MBS溶液(2mg/ml)と混合し、そして室温で1時間攪拌した。マレイミド活性化BSA(約100μl)を、Sephadex G−10カラムで精製して、過剰な架橋剤を除去した。その後、結合体化緩衝液中のスルフヒドリル含有ペプチド(4mg/ml)500μlを添加し、そしてこの混合物を、室温で2時間インキュベートした。反応生成物を透析し、次いで、さらなる使用のために凍結乾燥した。ELISAについて、結合体(2mg/ml)を、100μl/ウェルで96ウェルマイクロタイタープレートに添加し、そしてこれらのプレートを、抗原の免疫のために、4℃で一晩インキュベートした。
(酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA))
抗原特異的ELISAを、最初に、1mg/mlバキュロウイルス発現組換えHIV−1 IIIBまたはMN gp120(ImmunoDiagnostics、Woburn、MA)、5mg/ml ヒトトランスフェリン(Sigma)、10mg/ウェルのウシ血清アルブミン(BSA;Sigma)または破傷風トキソイド(ADImmune Corporation、Taichung、Taiwan)を、マイクロタイタープレート上に室温で一晩コーティングすることによって、実施した。培養物上清を、0.5M 塩化ナトリウムおよび0.1% Tween−20を含む10mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)中で所望のレベルにまで希釈した。コーティングしたプレートを、希釈した培養物上清と共にインキュベートし、洗浄し、ヒトIgGおよびIgMに対するペルオキシダーゼ標識したヤギ抗体(Zymed Labratories、So.San Francisco、CA)と共にインキュベートし、そして100μlの発色性基質であるo−フェニレンジアミン(phenylaenediamine)(OPD)(Sigma)の添加によって、発色させた(15分間)。この反応を、1Mの硫酸を添加することによって、30分後に停止させ、そして吸光度を490nmで読み取った。
(競合的ELISA)
huMAbの特異性を、競合的阻害ELISAによって確認した。簡潔には、0.1〜100mMのペプチド抗原を、希釈緩衝液(0.5M塩化ナトリウムおよび0.1% Tween 20(pH8.0))中にて、4℃で一晩、1nMの目的のhuMAbと共にインキュベートした。この混合物を、組換えgp120でコーティングしたELISAプレートに移した。37℃で2時間のインキュベーション後、プレートに結合したgp120特異的huMAbの量を、ヒトIgGに特異的なペルオキシダーゼ標識ヤギ抗体(Zymed Labratories、So.San Francisco、CA)を使用して評価した。
(HIV−1中和)
試験されるべきhuMAbを、96ウェルU底プレート(Nagle Nunc International)中、20μl/ウェルで、40μlのIL−2培養培地/ウェルと合わせた。huMAbを、所望の場合、最初に希釈し得る。次いで、14μlのHIV−1 MNまたはIIIBウイルス(500〜2500 TCID50)を各ウェルに添加し、そして37℃で1時間インキュベーシトした。その後、100μlのPBMC(500,000個の生存細胞を含む)を各ウェルに添加し、そして37℃で一晩インキュベートした。次いで、この培養物を、同じ培地で3回洗浄して、培地からウイルスを除去した。(PBMCの添加から)4日目に、25μlの培養物上清を、非放射性方法(RetroSysTM Innovagen AB、Lund、Sweden)による、逆転写酵素(RT)活性の測定のために、新たな96ウェルプレートの対応するウェルに移した。RT活性の減少を、ネガティブコントロール(huMabと同じ様式で希釈された、ヒト骨髄腫IgG1k(The Binding Site Limited、Birmingham、UK))に対して計算した。
(実施例1)
(ペプチド抗原の調製)
HIV−1 gp120のV3ループに対応する合成ペプチドを、表1に示す。
Figure 2005034154
アミノ酸残基およびアミノ酸配列を、Los Alamos National Laboratory(Los Alamos、NM;Korberら、2001を参照のこと)から得た。但し、サブタイプEコンセンサスの1つは、Shiinoら、2000から採用した。ダッシュ(−)は、アラインメント中の上の配列との一致を示し、そしてピリオド(.)は、欠失を示す。
HIV−1 gp120のV3ループ由来のペプチド配列を、表2に示す。例えば、T細胞エピトープおよびB細胞エピトープの両方を含む免疫原を生成するために、アミノ酸830〜844を含む破傷風毒素由来の「ヘルパー」配列(表2中のペプチド「TT」、配列番号20;Chinら、1994;Chinら、1995;Demotzら、1989を参照のこと)を、HIV−1 MN株のV3のフラグメント(表1中のペプチド「V3B(MN)」、配列番号6)と合わせて、TT−V3B(MN)(表2、配列番号1)を形成した。
Figure 2005034154
(実施例2)
(CD8集団およびCD56集団の除去は、抗原応答体の増加を生じた)
細胞傷害性細胞集団または阻害細胞集団の除去は、インビトロの抗原応答性において不可欠な役割を果たすので(Ohlinら、1989;1992)、細胞傷害性細胞の除去において有用であり得る異なる試薬の影響を、インビトロの免疫研究において比較した。これらの試薬としては、LeuLeuOMe、抗CD8抗体を使用する磁気細胞枯渇、抗CD56抗体を使用する磁気細胞枯渇、ならびに抗CD8抗体および抗CD56抗体の組み合わせを使用する磁気細胞枯渇が挙げられる。従って、末梢血単核細胞(PBMC)を、各試薬に供したか、またはコントロールとして、さらなる試薬に供しなかった(nil)。4つの異なるドナーからのPBMCを試験した。インビトロ免疫を、ペプチド抗原TT−V3B(MN)に対する一次免疫および二次免疫を含めて、材料および方法において記載したように実施した。免疫した細胞の寿命を延長させるため、これらの細胞を、次いで、上記のようにEBVに感染させた。各処理の効力を、特異的効率(すなわち、抗原TT−V3B(MN)に特異的な抗体を分泌した、培養プレート中のウェルの数)に基づいて評価した。
表3に示すように、CD8細胞またはCD56細胞の除去は、特異的効率の増加を生じた。CD8細胞およびCD56細胞の両方が除去された場合、この特異的効率は、さらにより高かった。この効果は、LeuLeuOMe処理(これは、最も一般に使用される方法である)の効果に勝った。処理なし(nil)では、抗体産生はスコアされなかった。従って、これらの結果は、CD8細胞およびCD56細胞の除去が、インビトロ免疫の効率を有意に改善したことを実証する。
Figure 2005034154
特異的効率を、以下のように規定する:
特異的抗体産生を含むウェルの数/EBV活性化およびインビトロ免疫の後に増殖するリンパ芽球細胞を含むウェルの数
リンパ芽球細胞を含むウェルを、以下の場合に、特異的抗体産生としてスコアした:
1.組換えgp120(IIIB)に対するELISA OD値が、ネガティブコントロールのOD値の、少なくとも5倍高かった場合;
2.反応性指数(RI)>2の場合(ここで、RI=[ODgp120(IIIB)−ODgp120(IIIB)に対する培地コントロール]/[ODBSA−ODBSAに対する培地コントロール])。
(実施例3)
(複数の抗原を認識する抗体の調製)
HIV処置の分野における主要な未解決の問題の1つは、広範なHIV改変体を中和する単一の試薬を如何にして開発するかである。コレセプター結合領域を認識する、今日までに報告された抗体のほとんどは、株特異的である。他方、本発明は、コレセプター結合領域中のコンフォメーションエピトープを認識する抗HIV抗体の産生を導く、免疫のための新規方法を提供する。従って、これらの抗体は、HIVの複数の株を認識する。この方法は、他の抗原/微生物も同様に認識する、広いスペクトルの抗体を調製するために使用され得る。
この実施例において、PBMCを、HIV−1の1つの株のコレセプター結合領域で免疫し、そして引き続いて、このコレセプター結合領域中に異なるアミノ酸配列を有する別のHIV株由来の抗原を用いたELISAによって、スクリーニングした。従って、HIV−1 MN株のgp120領域のアミノ酸配列に基づいて合成されたペプチドである、TT−V3B(MN)(表2を参照のこと)を免疫のために使用し、一方、異なる一次構造を有するIIIB株由来の組換えgp120配列(表1を参照のこと)を、スクリーニングのために使用した。
抗体産生細胞(これらは、両方の株のgp120を認識する抗体を産生する)を、このような免疫/スクリーニング手順を使用して得た。これらの抗体を、実施例4に記載されるように特徴付けた。
(実施例4)
(ヒトIgG1を安定に分泌する特異的トリオーマ細胞株の、生成および特徴付け)
長期抗体産生のために、上記実施例においてインビトロで生成された抗体産生細胞を不死化するために、これらの細胞を、ヘテロミエローマ細胞株と融合させた。(2年より長きにわたって)安定なヒトトリオーマ細胞株を、クローニングおよびスクリーニングの後に確立した。この細胞株から産生されたモノクローナル抗体を、LTC−gp120−IgG1kと称する。このhuMabは、k軽鎖を有するIgG1アイソタイプのものであり、そして生産性は、1mg/(10細胞×24時間)であった。図1は、LTC−gp120−IgG1kの特異性を実証する。この抗体は、gp120(IIIB)およびgp120(MN)の両方と強力に反応したが、無関係の抗原(例えば、破傷風トキソイド、トランスフェリンおよびBSA)とは、バックグラウンドレベルのみの反応性を示した。さらに、この抗体は、IIIBまたはMNのいずれかに起源する変性gp120との、かなり減少した反応性を示した。変性タンパク質中の線状エピトープのみが認識され得るので、これらの結果は、LTC−gp120−IgG1kが、いくつかのHIV−1株のgp120中に共通に見出されるコンフォメーションエピトープと反応することを示す。実際、DサブタイプおよびO1サブタイプ以外、このhuMabは、表1に列挙される全てのHIV−1株のV3コンセンサスペプチドを認識する。さらに、DサブタイプおよびO1サブタイプのペプチドについて観察された応答の減少は、これらのペプチドのC4領域の一部を付加することによって、レスキューされ得、huMabがコレセプター結合部位に結合することを確認した。抗体の特異性もまた、図4に示されるように、競合的ELISAを用いて確認した。
LTC−gp120−IgG1kは、HIV−1 IIIBおよびMNを、用量依存的な様式で中和した。このウイルスを、宿主細胞に感染し得る条件下で培養し、そして抗体を培養物に添加して、ウイルス活性に対するその影響を決定した。ウイルス逆転写酵素活性を、ウイルスの感染性の指標として測定した。図3に示されるように、0.38μg/mlの濃度の抗体は、このウイルスの逆転写酵素活性の90%の中和を生じた。従って、この抗体は、HIV感染に対する有効な治療剤または予防剤である。
本発明は、以前に抗原に曝露されたヒトドナーに頼ることなく、所定の抗原を認識する完全ヒト抗体を調製する方法を提供する。このために、未処置のヒトドナー由来のリンパ球を、目的の抗原を用いてインビトロで免疫し、そしてこの抗原に対する抗体を産生する細胞を同定する。リンパ球は、インビボではなく、インビトロで免疫されるので、どの抗原がこの抗体によって認識されるか、またはこの抗原のどの部分がこの抗体によって認識されるかを制御することが可能である。好ましい抗原は、HIVのgp120、特に、gp120のコレセプター結合領域である。
図1は、破傷風トキソイド、ヒトトランスフェリン、ウシ血清アルブミン、ならびにHIV−1のIIIB株およびMN株由来の、未処置のgp120および10M尿素変性組換えgp120に対する、LTC−gp120−IgG1k huMAbの代表的なELISA反応性プロフィールを示す。 図2は、LTC−gp120−IgG1kと、gp120およびウイルスサブタイプの種々の領域由来の合成ペプチドとのELISA反応性プロフィールを示す。 図3は、huMAb LTC−gp120−IgG1kを用いたHIV−1中和アッセイを示す。中和を、ウイルスの逆転写酵素(RT)活性の相対阻害として測定した。使用したHIV株は、IIIB(黒四角)およびMN(白丸)であった。ヒト骨髄腫タンパク質(白三角)を、試験抗体の代わりにコントロールとして使用した。 図4は、LTC−gp120−IgG1kと、V3B(IIIB)ペプチド(黒四角)およびV3B(MN)ペプチド(白丸)との反応性を示した競合性ELISA分析を示す。ペプチドTT(白三角)を、コントロールとして使用した。gp120(IIIB)およびgp120(MN)へのLTC−gp120−IgG1kの結合から得られる平均のELISA読み取りを、それぞれ、AおよびBにおいて100%として設定した。競合ペプチドの濃度増加の存在下において、gp120(IIIB)への抗体結合も、gp120(MN)への抗体結合も減少した。

Claims (35)

  1. 抗原を認識する完全ヒト抗体を調製する方法であって、以下:
    (a)未処置のヒトドナーから一群のリンパ球を提供する工程;
    (b)インビトロで、該抗原を用いて該リンパ球を免疫する工程;
    (c)該免疫されたリンパ球をヘテロミエローマ細胞株と融合して、トリオーマ細胞を形成する工程;
    (d)該抗原を認識する抗体を産生するトリオーマ細胞を同定する工程;および
    (e)工程(d)において同定された該トリオーマ細胞によって産生された該抗体を収集する工程、
    を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、工程(b)の前に、前記リンパ球から、CD8細胞およびCD56細胞を除去する工程をさらに包含する、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、工程(d)の前に、第2抗原を用いて、工程(c)の前記トリオーマ細胞をスクリーニングする工程、それによって、前記抗原および該第2抗原の両方を認識する抗体を産生する細胞を選択する工程、をさらに包含する、方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗体が、約30nM以下のKdで前記抗原を認識する、方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗体が、IgG抗体である、方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗体が、IgG1抗体である、方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法であって、工程(d)の前記トリオーマ細胞が、細胞培養物中において、少なくとも約3ヶ月間、前記抗体を産生し得る、方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、工程(d)の前記トリオーマ細胞が、細胞培養物中において、少なくとも約6ヶ月間、前記抗体を産生し得る、方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、工程(d)の前記トリオーマ細胞が、細胞培養物中において、少なくとも約9ヶ月間、前記抗体を産生し得る、方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法であって、工程(d)の前記トリオーマ細胞が、細胞培養物中において、少なくとも約12ヶ月間、前記抗体を産生し得る、方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗原が、HIV抗原である、方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記抗原が、gp120由来である、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記抗原が、gp120のコレセプター結合領域を含む、方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法であって、前記抗原が、T−ヘルパー配列を含む、方法。
  15. 単離された完全ヒト抗体、またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体が、HIVの少なくとも2つの株を認識する、抗体またはフラグメント。
  16. 請求項15に記載の抗体またはフラグメントであって、HIVの少なくとも2つの株のgp120を認識する、抗体またはフラグメント。
  17. 請求項16に記載の抗体またはフラグメントであって、gp120のコレセプター結合領域を認識する、抗体またはフラグメント。
  18. 請求項15に記載の抗体またはフラグメントであって、配列番号2〜17からなる群より選択される、少なくとも2つの配列を認識する、抗体またはフラグメント。
  19. 請求項15〜18のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメントであって、前記抗体が、IgGである、抗体またはフラグメント。
  20. 請求項15〜18のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメントであって、前記抗体が、IgG1である、抗体またはフラグメント。
  21. 請求項15〜20のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメントを含む、組成物。
  22. 請求項21に記載の組成物であって、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤をさらに含む、組成物。
  23. HIV感染を予防、処置、または改善するための方法であって、該方法が、有効量の請求項21に記載の組成物を、それが必要な被験体に投与する工程を包含する、方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、前記被験体が、AIDSに罹患している、方法。
  25. 少なくとも2つの異なる抗原を認識する完全ヒト抗体を調製する方法であって、以下:
    (a)未処置のヒトドナーから一群のリンパ球を提供する工程;
    (b)インビトロで、第1抗原を用いて該リンパ球を免疫する工程;
    (c)該免疫されたリンパ球をヘテロミエローマ細胞株と融合して、トリオーマ細胞を形成する工程;
    (d)該トリオーマ細胞を第2抗原を用いてスクリーニングして、該第1抗原および該第2抗原の両方を認識する抗体を産生する細胞を同定する工程;ならびに
    (e)工程(d)において同定された該トリオーマ細胞によって産生された該抗体を収集する工程、
    を包含する、方法。
  26. 請求項25に記載の方法であって、前記第1抗原および前記第2抗原が、微生物由来である、方法。
  27. 請求項25に記載の方法であって、前記第1抗原および前記第2抗原が、微生物の2つの異なる株由来である、方法。
  28. 請求項27に記載の方法であって、前記微生物が、HIVである、方法。
  29. 請求項28に記載の方法であって、前記第1抗原および前記第2抗原が、gp120由来である、方法。
  30. 抗原を用いてリンパ球のインビトロ免疫の効率を増加する方法であって、以下:
    (a)リンパ球の集団を提供する工程;
    (b)該集団からCD8細胞およびCD56細胞を除去する工程;ならびに
    (c)インビトロで、該リンパ球の集団を該抗原と接触させる工程、
    を包含する、方法。
  31. 請求項30に記載の方法であって、前記CD8細胞および前記CD56細胞が、CD8およびCD56に特異的な磁気ビーズを使用することによって除去される、方法。
  32. インビトロ細胞集団であって、以下:
    (a)未処置のヒトドナーから末梢血単核細胞を提供する工程;
    (b)該末梢血単核細胞からCD8細胞およびCD56細胞を除去する工程;ならびに
    (c)インビトロで、工程(b)の該細胞を抗原と接触させて、該抗原を認識する抗体を該細胞により産生させる工程、
    を包含する、方法によって調製されたインビトロ細胞集団。
  33. 抗体産生細胞であって、該抗体産生細胞が、請求項32に記載の細胞集団をクローン条件下で培養し、そして前記抗原を認識する抗体を産生するクローンを単離することによって調製される、抗体産生細胞。
  34. 請求項33に記載の抗体産生細胞であって、HIV gp120を認識する抗体を産生する、抗体産生細胞。
  35. 請求項34に記載の抗体産生細胞であって、HIVの異なる株由来の少なくとも2つのgp120分子を認識する抗体を産生する、抗体産生細胞。
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