JP2005033847A - モータの整流子 - Google Patents

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弘祥 豊島
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Abstract

【課題】小型モータに使用される整流子において、スリットの溝の空間をばらつきなく広く確保することを目的とする。
【解決手段】隣合う整流子片14のカーリング円弧部18の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部にエッジ除去空間35を施こす。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯用電子機器の携帯カメラのレンズアクチュエータ等の駆動用として用いられる小型直流モータの整流子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、携帯情報端末などの電子機器に、小型カメラを搭載した製品が市場に現れ始めてきている。それらの小型カメラの画素数も11万画素や35万画素のものが主流である。携帯電話に搭載の小型カメラの画素数は年々増加の傾向にあり、一般のデジタルカメラ市場の低級画素数クラスのものの牙城をとり込んできている。
【0003】
そうした社会市場環境において、携帯電話に搭載の小型カメラで撮影した画像は携帯電話の液晶モニタで確認することが可能であり、最近は2画面の液晶モニタを備えた携帯電話もある。デジタルカメラと同様に携帯電話にカード型メモリーを装着して、そのメモリーに撮影した画像を保存する。必要な時にメモリカードからPCで取り込んでプリントしたりする。また、ネットワーク接続機能を備えた携帯電話であれば、撮影した画像をそのままネットワークを介して相手に送信することが可能である。またさらには、FOMAのような携帯電話ではTV電話として利用することも可能である。
【0004】
携帯電話に取付けられる小型カメラは、携帯電話本体に取り付けられているために、最近に薄型携帯電話の指向から、搭載する小型カメラも携帯電話の本体の厚さ以内である必要があるうえに、液晶モニタも大型になってきて、搭載する設置面積も限られた大きさである。たとえば、10mm角の大きさで厚さ的にも10mm程度であるコンパクトな携帯電話搭載小型カメラでなくてはならない。
デジタルカメラの機能から推測して、携帯電話の小型カメラもズーム機能やフォーカス機能を備えたものが必要と考えられて開発がなされつつある。
【0005】
デジタルカメラではスペース的にも余裕があって、ズームやフォーカス用駆動モータとしては、小型直流モータやステッピングモータなどが使用されている。
【0006】
そうしたモータの直径は6mm〜12mm程度のものが多く、あらゆる分野で広く使用されている小型モータで対応できている。その小型モータは長円筒型、長小判円筒型である。モータの構成的にも、シャフトが比較的に大きく、モータの整流子も何ら問題なく製作できていた。このような分野における小型モータの整流子としては、組立式整流子とモールド式整流子の2種が一般に用いられている。
【0007】
組立式整流子は、通常は、耐熱性のある異方性熱可塑性樹脂やガラス含有率の高い樹脂などで射出成形されるホルダーと複数個の整流子片と絶縁リングから形成され、そのホルダーは円筒部があって、その円筒部の一端側にはその円筒径よりも大きなフランジ部が形成されている。また個々の整流子片はカーリング円弧部と突起状の端子部からなり、その端子部をフランジ部に当接させ、またカーリング円筒部をホルダーの円筒部の外周部に複数個円筒状に配列させ、その際には整流子片を電気的に独立させるように微小の隙間(スリットという)を設けて組み立てられる(例えば特許文献1、特許文献2参照)。その後、これら整流子片が配列されたホルダー円筒部の先端から電気的絶縁性のある絶縁リングを圧入し、ホルダーのフランジ部に整流子片の端子部が当接するまで差し込んで複数個の整流子片を固定する。その場合、ホルダーのフランジ部と円筒部の境部には整流子片が規則正しく配置できるように、係合部を設けている。この組立式整流子はホルダーの成形性や部品の精度を押さえ込まなくては信頼性のある作業ができないので、小さな部材を組立する組立体であるので精度の点では今一歩ではあったが、製品単価を抑えないといけない場合には相当のコストダウンが期待できる。
【0008】
また、モールド式整流子は、パイプ状の銅あるいは銀合金素材板等を、プレス打ち抜き加工により素材板の端部の一方から切り起こして端子部を形成し、さらにその隣の端部を切り越こして端子部を形成し、順次素材板の端部に複数個の端子部を形成させ、パイプ状円筒部の内部と端子部の内側部を耐熱性に富む熱硬化性樹脂または耐熱性の高い熱可塑性樹脂にてインサートモールド成形し、その成形樹脂部をホルダーする。このときはまだ、パイプ状の円筒部は繋がっているので、本来の整流子にするために、ホルダーをハンドリングすることができる場合にはその円筒状素材の外周面の芯振れがなくなるように旋盤加工をする。小型の整流子の時には芯振れが成形時は生じないように工夫をし、ラッピング工程でその芯振れを幾分修正する。さらに、円周状の素材部を等分にフライス加工で、スリット溝を作成して、複数の整流子片を作成する。モールド整流子の場合は、インサート成形、機械加工方式が必然的に必要であるので、ここの工程で手間がかかるために加工工数が多くなり、コストダウンの要求に応えることができなかった場合がある(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
【0009】
この組立整流子とモールド整流子を比較した場合、スリット溝の形成が異なる。モールド整流子のスリットは機械加工であるために、軸に向かって溝幅は均一であるうえに、スリット溝幅のばらつきは少ない。組立整流子の場合は、薄い板状のクラッド材をプレス打ち抜き加工をして、その一部をカーリング加工して円弧部を形成するため、カーリングする板の外周円弧長さと内周円弧長さはカーリングする前素材では同じ長さであった。カーリングすることで素材は伸びて、外周円弧長さと内周円弧長さはほぼ同一の開き角をもつカーリング円弧部になる。カーリング工程のばらつきにとって、開き角にもばらつきが生じ、実際には組み立てる際に整流子片同士を同一の隙間では配置できない。したがって、組立整流子のスリット溝は溝幅にばらつきがあるうえに、溝の深さ方向においても溝幅のばらつきがある。
【0010】
小型モータが携帯用電子機器の携帯カメラのレンズアクチュエータ等の駆動用として用いられる小型直流モータのサイズ程度、直径で4mm以下の場合には、組立整流子のスリット溝幅のばらつき等が無視できないレベルになってきた。
【0011】
スリット溝幅がばらつくことはブラシの摺動による火花放電と摩擦によってブラシ寿命が短いモータができる。さらには、ブラシと整流子の摺動にはブラシ飛びいう問題もあり、ブラシ寿命に大きく影響する課題が小型モータになれば顕著になってくる。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−92793号公報(第6−7頁、図1、図6)
【特許文献2】
特開2000−253628号公報(第5頁、図2)
【特許文献3】
特開平8−126257号公報(第2頁、第5−6頁、図1、図10)
【特許文献4】
特開平5−236707号公報(第2−3頁、図2)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
まず、課題としてのスリット溝幅について説明するまえに、整流子ブラシの挙動について説明する。
【0014】
モータにおいて、ブラシの摺動による火花放電が起こりすぎるのも、全く発生しないのも、摩耗としては好ましくない場合がある。
まず、ブラシが整流子のスリット上にない場合では以下のようになる。
(a)電流はブラシと整流子の点接触部を通して流れている。電流値が小さい場合、接点の発熱も低く、摺動は問題なく行われるが、電流が大きい場合、接点の発熱も高く、金属の溶着が起こる。
(b)そして、モータは回転するので、接点も移動していき、金属の溶着が整流子円周面全体に広がり、金属摩耗がより促進される。
【0015】
次に、ブラシが整流子のスリットを飛び越える場合では以下のようになる。
(a)スリット部で回転する際、整流子片Aから整流子片Bへ移行する瞬間にスパークが主に整流子片A側に発生する。スパークが発生すれば周囲の空間の水分や気体と反応し、炭化物を生成しブラシや整流子に付着する。これをいわゆる黒化物と呼んでいる。
(b)黒化物は摺動によって整流子表面に拡散され、適度な量の場合ブラシと整流子との間に入り込み、接点潤滑剤として機能し、金属摩耗を緩和する。
(c)黒化物が多すぎるとブラシと整流子の間で絶縁物となって導通の妨げとなる。
従って、適当な黒化物を発生させることが、円滑な摺動を助ける重要な手段となる。
【0016】
スパークが発生しなければ、黒化物が発生しないので、接点の潤滑がうまく行かず常に金属同士の摺動となっている。その状態で負荷が増加して電流値が増えると、前述のように金属溶着が激しくなる。整流子は回転しているので、溶けた金属が整流子表面を覆い、メッキを施したような鏡面になる。さらに、溶けた金属がスリット部に達した時、つらら状にスリットをブリッジショートする。負荷の重たい状態が継続すればスパークが飛び、スリットをクリーニングし、黒化物も発生するが、一旦つらら状に成長した金属は容易に飛ばせないし、鏡面状になると黒化物による潤滑も効果がなくなる。そして負荷はまた軽くなり接点に対して不利な状態か続く。
【0017】
上記説明のように、黒化物はスリットに落ち込むので、ブラシとの摺動面は活性化する。スリットは非常に重要なものであって、ちょうどスリット上にブラシがある場合に、スパークが発生すると考えられるので、整流子片のスリット端面の形状は本来議論されることがほとんどなかった。整流子片のカーリングの曲率が大きい場合は整流子片の板厚が無視できるほどで、マクロ的にスパークの発生メカニズムを考えていた。整流子片のカーリングの曲率が小さい場合は整流子片の板厚が無視できなくなるので、板厚を考慮したカーリングを検討する必要がある。
【0018】
従来の整流子片のカーリング部で構成されるスリットは、図9に示されるような形状になっている。図9は整流子の設計目標モデルである。図9については実施例の中で説明するので省略する。
【0019】
小型の整流子になれば、図10に見られるように、スリット溝幅が円弧部の外周部では広く、内周部では狭くなっている。円弧状にカーリングして、正確な円弧を形成することが主になるので、円弧外周部を伸ばして、スリット溝幅がどこでも一定になるようにすることが大変になってくる。
【0020】
さらに、小型のモータでは無負荷回転数がかなり高速になるために、ブラシ飛びが発生しやすくなる。その対策としてスリット溝幅を狭めることになる。ブラシ飛びとは図7に示すように、スリット溝による段差Δdが影響し、スリット溝が大きくなれば、段差Δdも大きくなるので、スリット溝幅を小さくすることがブラシ飛び無くす方法でもある。同じスリット溝でも、高速になれば回転角速度が大きくなるので、フラシの飛ぶ力が増大する、このことからして段差量を抑えることがブラシ飛びに効果がある。
【0021】
またブラシ飛びが起こりやすいブラシ整流子の場合はスパークも飛びやく、ブラシ摩耗が多く。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、接点の潤滑を円滑に行いブラシ、整流子寿命を長くするスリットを形成すりための整流子片を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、樹脂成形されたホルダーと複数個の整流子片と絶縁リングを具備した組立整流子において、その部材は下記のように形成されている。
(1)ホルダーは軸方向に円筒状に円筒部を設け、その中心にはシャフト挿入用に穴が形成され、さらにその円筒部の一端側にその円筒部径よりも大きなフランジ部が形成されている。
(2)整流子片はカーリング円弧部と中心から放射状に略直角に折り曲がった端子部から形成されている。
(3)絶縁リングは電気的絶縁性のある材料をリング状にして形成されている。
【0023】
ホルダーのフランジ部に整流子片の端子部を合わせ、ホルダーの円筒部に整流子片のカーリング円弧部を合わせて、ホルダーの円筒部に複数個の整流子片を均等に配置し、絶縁リングをホルダーの円筒部側先端からホルダーのフランジ部に整流子片の端子部が当接するまで圧入差し込んで、複数個整流子片を固定して組み立てる組立整流子であって、隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部にエッジ除去空間を施したものである。
【0024】
これにより、整流子のスリット幅を狭くすることができ、さらにはスリット溝の空間を広く確保され、ブラシと整流子の接点部は円滑な摺動がなされ、ブラシ、整流子寿命を長くすることができ、小型モータの信頼性を向上することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、樹脂成形されたホルダーと複数個の整流子片と絶縁リングを具備し、前記ホルダーは軸方向に円筒状に円筒部を設け、その中心にはシャフト挿入用に穴が形成され、さらにその円筒部の一端側にその円筒部径よりも大きなフランジ部が形成され、さらに前記整流子片はカーリング円弧部と中心から放射状に略直角に折り曲がった端子部からなり、前記ホルダーのフランジ部に整流子片の端子部を合わせ、前記ホルダーの円筒部に整流子片のカーリング円弧部を合わせて装着した組立整流子において、ホルダーの円筒部に複数個の整流子片を均等に配置し、隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部にエッジ除去空間を施したことを特徴とするモータの整流子としたものであり、スリットの間隔を狭くすること、整流子のスリット段差を小さく、さらにはそのスリット溝幅のばらつきやスリット段差のばらつきなど、整流子片のばらつきによる整流子組立体のばらつきを抑えること、ブラシ飛びを抑えてブラシ整流子の信頼性を向上させ、さらにスリット溝空間を広く確保することで摺動粉による絶縁ショートなどの発生を抑制するという作用を有する。
【0026】
請求項2に記載の発明は、エッジ除去空間が隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部が面取りにて形成されたことを特徴とする請求項1記載のモータの整流子としたものであり、面取り加工は整流子素形を打ち抜くプレス工程の過程に盛り込むことも可能となり、エッジ除去が確実になること、スリットの間隔を狭くすることが可能で、整流子のスリット段差を小さくしブラシ飛びを抑えてブラシ整流子の信頼性を向上させるという作用を有する。
【0027】
請求項3に記載の発明は、エッジ除去空間が隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部が面取りにて形成され、整流子片の板厚をt1として、板厚方向に影響する面取りの大きさをb1とすれば、0<b1≦0.8×t1の関係にある面取り大きさであることを特徴とする請求項2記載のモータの整流子としたものであり、エッジ除去が確実な寸法値であるので、エッジ除去空間がスリット溝空間を増大させて、摺動粉による絶縁ショートなどの発生を抑制させて、ブラシ整流子の信頼性を向上させるという作用を有する。
【0028】
請求項4に記載の発明は、エッジ除去空間が隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部がフレット形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載のモータの整流子としたものであり、エッジ部をブラスト等で加工することでバリ除去ができ、そのエッジ除去空間が形成されることでスリットの間隔を狭くすることが可能で、整流子のスリット段差を小さくし、ブラシ飛びを抑えてブラシ整流子の信頼性を向上させるという作用を有する。
【0029】
請求項5に記載の発明は、エッジ除去空間が隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部がフレット形状に形成され、整流子片の板厚をt1として、板厚方向に影響するフレットの大きさをb2とすれば、0<b2≦0.8×t1の関係にあるフレットの大きさであることを特徴とする請求項4記載のモータの整流子としたものであり、エッジ除去空間がスリット溝空間を増大させて、摺動粉による絶縁ショートなどの発生を抑制させて、ブラシ整流子の信頼性を向上させるという作用を有する。
【0030】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0031】
(実施例1)
図1は小型モータの断面図であって、図2は整流子の説明斜視図である。図3はブラケットの説明図である。実施例1における小型モータの全体の構成を説明する。図1に示すように、小型モータは、駆動マグネット1を内周面に取付けられたフレーム2と、そのフレーム2の内部に配設された回転子3とを備えている。前記回転子3にはシャフト4と、電機子5を備えている。その回転子3はフレーム2に設けられた焼結軸受6と、ブラケット7に設けられた焼結軸受8によって両端を回転自在に支持される。フレーム2は、有底中空筒状に形成される。その円筒部の内周部に駆動マグネット1が配設されたフレーム2の開口部には、その開口部に嵌合したブラケット7を備えている。フレーム2は、磁性鋼板を深絞り加工して製作される。ブラケット7も磁性鋼板をプレス絞り加工して製作されるが、ブラシ部の取り付けのために樹脂成形と一体的に形成される。モータによってはブラケットをすべて樹脂成型品で形成することもある。
【0032】
電機子5はシャフトに圧入固定された積層コア9のティース部にコイル10は巻回されている。だたし、積層コア9とコイル10との絶縁のために、コア9の表面には電着塗装などで絶縁処理されている。整流子11は、シャフト4に取付けられ、コイル10に電気的に接続されている。整流子11は、コイル10を接続するための3個の端子部12を有している。整流子は組立整流子である。
【0033】
図1ではわかりずらいので、図2をもとに整流子を説明する。組立式整流子は、前述説明の通り、通常は、耐熱性のある樹脂で射出成形されるホルダー13と複数個の整流子片14と絶縁リング15から形成され、そのホルダー13は円筒部16があって、その円筒部の一端側にはその円筒径よりも大きなフランジ部17が形成されている。また個々の整流子片14はカーリング円弧部18と突起状の端子部12からなり、その端子部12をフランジ部17に当接させ、またカーリング円弧部18をホルダー13の円筒部16の外周部に複数個円筒状に配列させ、その際には整流子片14を電気的に独立させるようにスリット19を設けて組み立てられる。その後、これら整流子片14が配列されたホルダー円筒部の先端から電気的絶縁性のある絶縁リング15を圧入し、ホルダー13のフランジ部17に整流子片14の端子部12が当接するまで差し込んで複数個の整流子片14を固定する。
【0034】
図3に示すように整流子11には、2組のブラシ20が摺動係合している。ブラシ20は、ブラケット7に一体に取付けられたブラシホルダ21により保持されている。ブラシホルダ21は、たとえば、絶縁性の合成樹脂またはガラス繊維入り合成樹脂などの絶縁材料により金属性ブラケット7に一体的に形成されている。ブラシホルダ21には、一対の接続端子22が取付けられている。ブラシ20は、接続端子22に電気的に接続されている。接続端子22の端部23は、ブラシホルダ21に設けられた切り込み穴に差し込んで、モータの外表面から外方に出ている。
【0035】
焼結軸受を説明するにあたって、焼結金属には図4に示すようにポーラス24(気孔などともいう)がある。本願のような小径モータではそのポーラスが問題になる。以下にその説明をする。フレーム2の有底部の中央部には焼結軸受6が圧入されている。焼結軸受6は円筒状の軸受であって、シャフト4が貫通している。シャフト4との摺動面は含油する油がにじみ出るようにポーラスが多数形成されている。シャフト径が0.6mm以下になってきると、従来では問題視されなかったポーラスの大きさが問題になってくるので、本実施例では、焼結粉末の粒子径を小さくするなどの対策をした焼結軸受を使用した。
【0036】
焼結材について説明し、それを軸受に使うことによる効果についても説明する。
【0037】
まず、焼結部品を作製する場合、製造工程は次のような工程をとる。ふるい分けした設定粒度で、化学組成の各成分の原料粉末と、潤滑剤を秤量混合して、その混合粉末を金型に充填して圧縮する。圧縮すると型の中で粉末粒子は移動し、さらに弾性変形を起こして粒子間の接触面積が広くなり、ついには粒子間の冷間接着が起こり高い密度の圧粉体が得られる。圧粉体では大部分が機械的にかみ合っている程度で、冷間接着された部分は全体に比べてごく少ないので、圧粉体の強度は低い。これを加熱によって、粒子間に充分な原子間結合を生じさせて、焼結部品をつくる。
【0038】
圧粉体は炉に入ると予備加熱ゾ−ンで、粉末に混合された潤滑剤は揮発または分解して脱出する。そして、圧粉体は、粒子相互の接近や隙間がまとまってポーラスを形成するので、寸法の変化が起こる。すなわち、原料粉末の粒径を通常のものに比べて、小さくすると表面に発生するポーラスの大きさも小さくなるので、シャフト径が0.6mm以下の場合には好適である。さらに、寸法変化を一般の焼結材よりも押さえる効果がある。それは密度が高くなる反面、焼結軸受の内部に形成されるポーラスの大きさなども小さくなるので、油を含浸させて使用する軸受であるために、あまり粒径を小さくしすぎて、油が含浸する量が極端に少なくなることが実験評価でわかっているので、組成金属などを考慮して決定している。小型モータは高速であるために、焼結軸受は高速対応であるために、含油する油は比較的粘度が低いものを使用した。
【0039】
フレーム2の有底側から飛び出したシャフト4はモータの出力側である。使用される形態によって、シャフト4の出力側はシャフトにギア部をローレット加工する場合や、樹脂ギアを圧入する場合など何らかの部材を付けることがある。
【0040】
図5に示すようにもう一方の軸受8は、シャフト4の反出力側を回転自在に支承している。焼結軸受8の近傍には、スラスト方向荷重を受けるためにシャフト4の端面は球状に加工され、スラスト板25にその端面が当接している。スラスト板25は厚さが薄く、樹脂材料でできているために、スラスト荷重を受けるためにはスラスト板25の下にもう少し強度のある材料でもって受ける必要がある。実施例では金属のブラッケット7で受けている。焼結軸受8はブラケット7に設けた凹部に圧入固定されている。
【0041】
焼結軸受8側の軸受構成は一般いわれるピボット軸受である。スラスト方向の荷重はシャフト先端の球部とスラスト板とのピボット軸受で構成されている。スラスト板には、低摺動樹脂材料を使用する。
【0042】
また、シャフトの先端球形状の半径をrとすると、最大面圧Pmaxと摩擦トルクTpは次式で求められる。
【0043】
Pmax=a×r^(−2/3)・・・(式1)
Tp=b×r^(1/3)・・・(式2)
ただし、aは係数、bは係数
ある半径rの場合の最大面圧Pmaxと摩擦トルクTpを1とした最大面圧、摩擦トルクのそれぞれの比率の関係を図6に示す。シャフト先端の半径rを小さくすると摩擦トルクは下がるが面圧が大きくなるので、スラスト材が樹脂の場合は面圧をあまり多くすることはかえって信頼性を損ねることがある。また、半径rを大きくすると、面圧は低下するが、摩擦トルクが増えてその損失トルクが熱となり温度が上昇して信頼性を損ねることがあるので、10000rpm回転以上の高速では、スラスト軸受のシャフト先端rとシャフト直径dとの関係を次式とするピボット軸受の設計にしてある。
【0044】
10d>r>1.5×d/2・・・(式3)
スラスト板25は一般的な高分子材料である。しかし、電池駆動、携帯タイプの装置にモータを使用する場合は、長期摩擦トルクを低減するために、潤滑性を優れたポリアセタール樹脂をスラスト板25に使用する樹脂選定をする。高温時での使用が多いときには耐熱性の優れるポリイミド樹脂、テフロン(R)樹脂を使用選定する。
【0045】
小型モータにおいて、接続端子22から、ブラシ20を通ってさらに整流子11を介してコイル10に電流を流せば、コア9に磁界が発生し、駆動マグネット1によって発生している磁界中にその回転子3がおかれることになるので、回転子3にトルクは作用することになり、回転子3は回転する。その回転を安定にするために、ブラシと整流子を用いて電流を必要なコイルに通電させ続けることができ、シャフト4が回転し、出力が得られる。
【0046】
次に、ブラシホルダ21とブラケット7とブラシ20と接続端子22の構成例について説明する。図1では説明するのに、わかりずらいので、図3を主に説明にする。図3はブラシ20が付いた状態のブラケット7を表す図である。
【0047】
ブラケット7はモータのシールド効果をより持たせるために、金属で形成されている。すなわち、金属板材をプレス加工にて、穴加工や曲げ加工を施している。モータが1W程度の直流モータでは樹脂性のブラケットであることが多い。本願のように携帯電話のカメラレンズ駆動モータのような小型モータでは、できるだけ薄いブラケットにするためには強度の関係から金属板で形成することが好ましい。さらに電機雑音などのことを用途が通信機器であることから判断しても明確なようにブラケットは金属板で形成される。金属板は当然導電性であることから、電気を流れる箇所とは絶縁がなされなくてはいけない。すなわち、ブラケット7には絶縁を兼ねたブラシホルダー21が一体で樹脂成形形成される。そのブラシホルダ21には電気配線をモータ外部に導き出すために取り出し口26が形成され、その取り出し口26に端部23を挿入することで、モータ内部から外部への電気を導きだすことができる。端部23は接続端子22の一方の端に形成され、もう一方にはブラシ20が取り付けられている。接続端子22はブラシ20の取り付け部と端部23はシャフト軸からみて90度離れた位置になる。それはモータ外部に出た端部23を半田接続して、リード線やフレキシブルプリント基板に接続することによって、半田熱でブラシホルダ21の樹脂が溶けて、挿入力が低下して、ブラシ位置が動いてしまい、ブラシと整流子の摺動位置がずれて頼性を損なうことないようにしている。またその半田熱が接続端子22を伝導する距離を稼いで、ブラシ20へ半田熱が伝わりにくくしている。そのため、接続端子22は放熱ができるように大きく、さらにはブラシ20から離れた位置に端部を形成する。また、焼結軸受8はブラケット7を凹部に加工した円筒部に圧入固定される。
【0048】
直流モータであるために、電気的入力としては例えばDC2.8Vでは−端子と+端子の2端子に電圧を印加する、すなわち、−端子は0Vを印加し、+端子には2.8Vを印加する。接続端子は基本的に2つ(一対)である。接続端子にはそれぞれブラシが取り付けられている。基本的にモータの整流子片が多数であっても、ブラシは2つである。
【0049】
図3に示すブラケット組立の組立を説明する。非常に一般的なものである。あらかじめ、ブラシ20はプレス加工で打ち抜き、それぞれがバラバラにならないように一部が連結した板状材に形成される。さらに接続端子も同様にプレス加工され、それがバラバラにならないように連結される。それぞれの連結された状態でブラシと接続端子を固定し、一方の連結部を残して、ブラシ組立部が形成される。さらにそのブラシ組立部に曲げ加工を施し、必要な曲げをして形成する。最終に残った連結部を切断して個々のブラシ組立を作る。このブラシ組立はブラシ20と接続端子22から構成されている。
【0050】
ブラシホルダ21を一体成形でブラケット7に形成し、ブラケット7の中央部の凹部にスラスト板を挿入してから焼結軸受8を圧入する。次に、そのブラシホルダ21の付いたブラケット7に、あらかじめ、ブラシ20を固定した接続端子22をそのブラシホルダ21の取り出し口に挿入する。
【0051】
ブラシ20にはよく防振ゴムが取り付けられているが本願の実施例1には防振ゴムは付いていない。防振ゴムを付けることが本来好ましいがスペース的に不可能である場合には、不具合現象の原因をよく把握して別の可能な工夫をするようにする。
【0052】
ブラシは、整流子を回転摺動するに際して、整流子片のスリット間の段差のためにブラシが振動してチャタリングを生じ、大きく見ればブラシ飛びが生じ、ブラシ整流子の本来の作用である整流作用が悪くなる。その現象を防止するために、ブラシ飛びを無くせば良い。すなわち、一つの方法論として、ブラシ防振装置としてゴム系またはアクリル系の粘着剤の貼られたゴム板またはフィルムをブラシに貼付ける手段が採られる。
【0053】
このブラシ飛びは以下のようにモデルで説明される。
【0054】
図7はブラシ飛びの説明モデル図である。図7において、sは整流子片のスリット間隔で、r1は整流子の外周半径、nはモータの回転数、mはブラシの質量で、θはスリットの開き角であるとすると、スリットの段差Δdは扇形状であるので次式で表わされる。
【0055】
Δd=r1×(1−cos(θ/2))・・・(式4)
スリット間隔は構造寸法的に段差が決まれば決定されるが、以下の式で表される。
【0056】
s=2r1×sin(θ/2)・・・(式5)
また、スリット間をブラシが通る場合ブラシ位置は回転に伴って通常のブラシ位置▲1▼から図7に示すようにスリット間にまたがる位置▲2▼まで移動し、さらに回転にするにつれて、通常のブラシ位置▲1▼に戻る。ブラシ位置▲1▼からブラシ位置▲2▼までの時には、ブラシにはブラシが整流子の摺動部から飛びはねることはないが、ブラシ位置▲2▼からブラシ位置▲1▼になる過程でブラシに飛びはねることができる力が発生する。
【0057】
簡単には以下のように運動力学的に説明できる。すなわち、「運動量の変化は作用した力の力積に等しい」ということは、力学の書籍などから次の式で表されている。
【0058】
【数1】
Figure 2005033847
【0059】
一般に運動方程式ベクトルF=m×(ベクトルa)の運動中のある時間区間t=0〜tに、本願のブラシの説明ではブラシ位置▲2▼からブラシ位置▲1▼になる場合に作用した力の積分(力積)が、ブラシ位置▲2▼とブラシ位置▲1▼の速度(本願の場合はブラシの飛びの発生する方向で図7のy方向)の運動量変化で表せる。
【0060】
ブラシが整流子上にあるとすれば、ブラシは段差Δdの間を、すなわちモータがスリット間を回転する間、ブラシは上下に移動することになる。その移動する速度をVyとすれば、次式で表される。
【0061】
Vy=r1×ω×sin((θ/2)−ωt)・・・(式6)
ω=2πn/60・・・(式2)・・・(式7)
ωはモータの回転角速度(単位:rad/s)
nは回転数(単位:rpm)
tは時間となり、t=0はブラシの位置▲2▼の時をあらわす。
回転数n=10000rpm、r=0.4mm、s=0.1mmとして、(式6、式7)を数値計算してみと、図8のような結果となる。すなわち、ブラシ位置▲2▼の時の速度Vyが最大であって、段差Δdが小さくなるにしたがって速度も小さくなっていき、ブラシ位置▲1▼の時の速度はVy=0である。ブラシの段差による運度量の変化分が、力積となってブラシに摺動面からブラシが飛びはずれることが可能な力が作用する。図8から判断できるように、時間tを数値入力するので、角度ωtが入力パラメータになる。その角度によって、Vyの速度は一定に減少することがわかる。
【0062】
実際のブラシ整流子の関係では整流子の表面にブラシが摺動していても、初期ブラシ圧が作用していて、初期ブラシ圧以上の力積がブラシに作用しないと実際には整流子面からブラシは離れない。すなわち、力積による力が初期ブラシ圧以上にないとブラシ飛びは作用しない。
【0063】
上記のことから、ブラシ飛びをなくすための項目としては、
(1)スリット間隔を狭めること。
スリット間隔を小さくすることで、段差が小さくなり、飛びにくくなる。その反面、摺動による摩耗分がスリット間にたまって目詰まりを起こし、整流子間がショートすることにもなるので、あまりにも小さくはできない。組立上の精度からスリット間隔を狭めることは不可能のこともある。
(2)ブラシのバネ定数を大きくする
大きくすることは少々の段差変化に対しても、飛び量が少なくなる。ただ、ブラシ調整が非常に難しくなり、ブラシ圧のばらつきが大きくなるので、大きい圧力の場合にはブラシ摩耗が多くなる。
(3)段差のばらつきを小さくする
段差ばらつきを少なくするために、組立後に整流子面をラッピングする。ばらつきを是正するため組立時には注意して作業を実施する。
【0064】
本願では、スリット間隔について工夫を行った。まず、はじめにスリット間隔の設計はどのような図面になっているかを検討する。整流子片から形成されるスリットは図9に表すように設計されている。
【0065】
図9(a)は整流子片27の端面は整流子の円弧の中心Oになっている。その円弧の中心Oはモータシャフトの中心であるので、回転中心である。整流子片27は板厚t1である素材板をカーリングして円弧形状にしている。その円弧形状の整流子の内周円半径r1はホルダーの円筒部の外周半径に一致する。ブラシの摺動半径は整流子のカーリング円弧部の外周半径であって、(r1+t1)で表される。整流子片27の端面の延長線は中心Oを通るということは、整流子片27の両端面の角度θ1は、端面部どの位置であっても同じであることになる。従って、スリット間隔s1は隣り合う整流子片の端面の距離であるが、整流子の外周部の距離がスリット間s1であって、内側の端面ではs1よりも短くなる。比較的に大きな組立整流子の場合は図9(a)のように整流子の端面の決めている。この場合整流子片をプレスにて打ち抜く時には平面板上であるので、板の表裏では素材寸法は同じである。しかし、円弧形状にカーリングすることで、円弧の上下では円弧長さが異なる。内周円弧長よりも外周円弧長さは長い。それはカーリングする工程において、外周側が伸延することで、図9(a)の関係の整流子片27が可能となる。その伸延する程度などは円弧半径r1が小さくなればなるほど、制御が難しくなる。
【0066】
つぎに、図9(b)はスリット幅が整流子厚み方向で変化しない。このスリット幅が変化しないということは、組立整流子の場合にスリット加工する時にはスリット溝幅は変化しないことから、設計概念的に引き出される。図9(b)ではスリット幅はs2で表している。整流子板厚方向でそのスリット幅s2は一定である。カーリング円弧部の中心Oはスリットのセンターの延長線がその中心Oを通る。隣あうスリットのセンターの開き角をθ2とすれば、整流子片28の両端面の開き角はθ2と同じになる。ブラシの摺動半径は整流子片28のカーリング円弧部の外周半径であって、(r1+t1)で表される。円弧状にカーリングすることで。図9(a)と同様に、円弧の上下では円弧長さが異なる。内周円弧長よりも外周円弧長さは長い。それはカーリングする工程において、外周側が伸延することで、図9(b)の関係の整流子片28が可能となる。その伸延する程度などは円弧半径r1が小さくなればなるほど、制御が難しくなる。
【0067】
図9(a)(b)とも、カーリングする工程において、外周側が伸延することで設計意図した整流子片が可能となるが、小型モータになってくると、伸延の量をコントロールすることができなくなって、スリット幅のばらつきが大きくなる。そのスリット幅がばらつけば、幅の大きなものもできるので信頼性に影響するようになる。ブラシ飛びを無くすためにスリット幅を狭めようとすることが十分にできなくなる。
【0068】
図10には、整流子片のカーリング工程において、外周側が伸延することで設計意図した整流子片(図9参照)にならなったときについて、説明するための図である。
図10(a)は整流子片29の円弧部の内周円弧長さでの開き角θ1であって、内周円弧長さと同じ長さを外周円弧に求めると同じ長さでの外周円弧の開き角はθ3で表す。常にθ3<θ1になっている。斜線部は図9(a)との差の部分31を表している。外周側が伸延することが全くないとブラシが摺動する側のスリット幅s3は、図9(a)で考えた時のスリット幅s1よりも大きくなってしまう。図10(a)では整流子片29のカーリング円弧部の端面の内周側先端部32は90度以下の鋭角な角部になる。あまり鋭角すぎると先端部が変形したりして取り扱いが難しくなる。このような整流子片29でスリット幅を狭める行為をすれば、内周円弧の先端部32同士の距離が設計目論見よりも小さくなる。絶縁をしないといけない整流子片29同士が接触しやすくなる。この内周円弧の先端部32について、本願の発明の趣旨が反映すれば、信頼性が向上する。
【0069】
同様に、図10(b)は整流子片30の円弧部の内周円弧長さでの開き角θ4であって、内周円弧長さと同じ長さを外周円弧に求めると同じ長さでの外周円弧の開き角はθ5で表す。常にθ5<θ4になっている。斜線部は図9(b)との差の部分33を表している。外周側が伸延することが全くないとブラシが摺動する側のスリット幅s4は、図9(b)で考えた時のスリット幅s2よりも大きくなってしまう。図1(b)では整流子片30のカーリング円弧部の端面の内周側先端部34は90度以下の鋭角な角部になる。あまり鋭角すぎると先端部が変形したりして取り扱いが難しくなる。このような整流子片でスリット幅を狭める行為をすれば、内周円弧の先端部34同士の距離が設計目論見よりも小さくなる。絶縁をしないといけない整流子片同士が接触しやすくなる。この内周円弧の先端部について、本願の発明の趣旨が反映すれば、信頼性が向上する。
【0070】
小型モータの整流子の寸法例を考えてみると、図11に示すように、整流子ホルダーの円筒部の半径が0.3mm(図9のr1=0.3mm)で、整流子片の板厚が0.1mm(図9のt1=0.1mm)であるとすると、整流子片のカーリング円弧部の内周部半径は0.3mmで外周部半径は0.4mmになる。整流子片の円弧部形状が図9(a)のように整流子円弧部端面が軸の中心になるように試みたが実際には、カーリング円弧形成時の素材の伸延がコントロールできず、図11(a)のようになった。ばらつきが多く、設計目論見通りの整流子片も得られたが、多量に作成する場合には、どちらかといえば、図11(a)のようになった。図11(a)の場合にはスリット間隔は外周部のスリット間隔0.12mmがブラシとの摺動に影響するのでその値で判断される。スリット間隔0.12mmである場合、図9(a)の設計目論見では、内周側が整流子間隔は0.07mmよりも広い。図11(a)は内周部の間隔が狭くなっている。このような整流子でスリット間隔をもう少し小さくすることは、例えば、スリット間隔0.1mmにすると内周側の整流子間距離は0.05mm程度になり、かなり狭くなる。組立のばらつきがあれば内周部整流子間距離はさらに小さなものになる。あまり、スリット間隔が短くなると、摺動粉によって目詰まりを起こし、整流子間がショートしてしまう。
【0071】
本願の発明では、整流子のカーリング円弧部の内周側円弧と端面部で形成される角部にエッジ除去空間35を設けること。この実施例ではエッジ除去空間35は面取りであって、スリット間隔を狭めることができるようにした。図11(b)は数値記載があるが、整流子のカーリング円弧部の内周側円弧と端面部で形成される角部に面取り施した整流子片を示す。
【0072】
図11(b)は整流子の板厚の40%程度のところの大きさで面取りしている。すなわち、板厚0.1mmであるので、面取り0.04mmである。この数値の場合、スリット間隔を狭めようとすれば、図11(b)に示すようにスリット間隔は0.1mmで整流子片間の距離の最短の間隔は0.07mmとなった。図11(a)の時の整流子片間の最短距離は同じであっても、スリット間隔は狭くなった。
【0073】
また、ブラシと整流子との摺動で発生する摺動粉は機械摩耗的な粉とスパークによる粉とがあるが、摺動粉は落下していき整流子ホルダ円筒部の方に付着していく。11(b)に示すように、角部の面取りによって、角部に面取り部の空間が形成されるので、整流子ホルダーの円筒部表面では整流子片の距離が長くなるので、またさらに、面取り部の空間に摺動粉が入り込むことができるので、摺動粉による目詰まりが発生しにくくなる。そのために、モータの信頼性が向上する。
【0074】
摺動粉の収納という点から考えれば、面取りの大きさは大きい方がいいが、整流子組立後に表面をラッピング加工するなど工程があるために、さらには、ブラシと整流子の接点の温度の上昇を抑えるための放熱を兼ねるためにも、面取り大きさは極端に大きくはできない。
【0075】
ラッピング材の表面あらさにも関係するが、通常に小型直流モータのラッピング材で検討していくと、面取り部の大きさは整流子片の板厚の80%までである。すなわち、整流子片の板厚t1であるとすると、面取り寸法は0.8t以下で行うことが好ましい。
【0076】
角部に面取り等を施すことは、ブラシ飛びをなくすための項目の(1)のスリット間隔を狭めることであった。
【0077】
ブラシ飛びをなくすための項目の(2)のブラシのバネ定数を大きくすることは本願では課題解決の手段としては方法は記載していない。本願ではこの対策方法は採りあげない。ブラシ飛びをなくすための項目(3)の方はとりあげた。
【0078】
ブラシ飛びをなくすための項目の(3)に段差のばらつきを小さくするとあるように、整流子の段差ばらつきを無くす手段を設けた。以下にその手段について説明する。整流子のカーリング円弧部の内周側円弧と端面部で形成される角部に発生するプレスバリがあるために、そのバリによってホルダーの円筒部にカーリング円弧部が密着した状態で組み立てられない。モールド整流子の場合はプレスバリの問題はないが、組立整流子の場合にはプレスバリが問題になってくる。モータが比較的に大きな場合はプレスバリは整流子組立工程の際に、押しつぶられるようにバリが形状を変えることで対応できていたが、小型モータの場合は整流子のカーリング円弧の曲率半径が小さく、整流子組立体自体にあまり大きな力を加えて組み立てることができないので、バリの影響がでやすい。バリがあると整流子片の板厚が見かけ上、厚くなるので、バリのレベルによって整流子片の見かけ上の板厚がばらつき、そのばらつきがスリット部段差ばらつきになる。そのバリを取り除くことでスリット段差ばらつきが抑えられる。そのバリを取り除く行為は、上述に説明した整流子のカーリング円弧部の内周側円弧と端面部で形成される角部に面取り等施すことに他ならない。
【0079】
バリをとるということであれば、面取り等の大きさは整流子板厚にあまり関係ないので、板厚t1とすれば大きさは0以上である。ただし0は含まない。
【0080】
図12(a)に示すように、整流子片の板厚をt1とすれば、エッジ除去空間が面取りで形成されている場合を示し、面取りの大きさb1は次式の関係にあるエッジ除去空間がプレス加工工程的に安定して生産可能である。
【0081】
0<b1≦0.8×t1・・・(式8)
図12(b)に示すように、整流子片の板厚をt1とすれば、エッジ除去空間がフレットで形成されている場合を示し、フレットの大きさb2が次式の関係にあること。バリを除去した程度から板厚に換算して80%程度がエッジ除去空間である場合を表現している。何らかのバリ処理がされていることになる。
【0082】
0<b2≦0.8×t1・・・(式9)
従来技術のところでも記載があるが、組立整流子について、もう少し具体的に一例を説明する。
(1)整流子片は、導電性の優れた銅系の金属板にブラシと摺動する箇所に対応した位置に貴金属からなるクラッド帯を形成したクラッド材を整流子の素材として、プレス加工にて形成される。クラッド材は銅等からなる金属素材に別個の貴金属板あるいは貴金属の薄い箔を加圧による圧着によって2種の金属を接合することによって形成されている。その貴金属クラッド帯は金系、銀系、パラジウム系に大きく大別されるが、小型整流子の場合は銀系、パラジウム系の場合が多く、(a)銀92wt%、銅6wt%、カドミウム2wt%の3元銀合金
(b)銀90wt%、銅10wt%
(c)銀92wt%、金2wt%、パラジウム2wt%、銅4wt%
(d)銀50wt%、パラジウム50wt%
(e)銀90wtt%、インジウム4wt%、パラジウム2wt%、金2wt%、スズ2wt%
などが多く用いられている。
【0083】
パラジウム系は整流子片側ではなく、ブラシ側に用いられることが多い。最近は環境問題のためにカドミウムフリーのクラッド帯が使用されている。銀が高価であることで、銀の含有量を少なくし、その代わりにビスマス系材料やニッケルを含有した複合グラッド帯なども使用されつつある。ビスマス系材料は超伝導材料であるので、今後使用が多くなっていく。グラッド材であるので、グラッド帯以外に母材金属がある。その母材金属の特性によっては、プレス工程での製品精度などに影響を与えるので、母材金属の材質にも注意を払わないといけない。母材金属として使用される材質として、銅、黄銅、白銅、青銅、洋白、ベリリウム銅など銅系材料である、銅と単純にいっても無酸素銅、タフピッチ銅、りん脱酸銅がある。ブラシとの摺動に直接関係がないので、あまり問題視はされないが、小型モータの整流子にあっては、無酸素銅が使用されることが多い。
(2)図13に示されるように、フープ状のグラッド材にグラッド帯37の位置を考慮して、整流子片のブランクをプレス機に打ち抜く。その際、個々の整流子片38は連結部39にて連結されているために、バラバラにはなっていない。帯状に金属板36に整流子片38の素形が連結部39をもって、連続的に形成される。連結部39は整流子片38のカーリング円弧部に設けられている。この状態ではまだ、整流子片38の素形はフラットな状態である。
(3)プレス加工によって、整流子片38の端面にはバリが発生している。次に、プレス工程において、整流子片38の素形で、カーリング円弧部の端面に相当する部分のバリを取り除くため、スリット溝の空間を確保するために、面取り等の工程を追加して、端面の角部の面取り部を形成する。また、バリ取りはプレス工程以外でもできるので、ブラシングやブラストや電解研磨、化学処理などで行える。そうした工程であってもいい。角部にバリ等がなくなっていること。カーリング円弧部を形成してから行ってもいい。
【0084】
また、素形形成時のプレス工程の際において面取り等の角部除去を行ってもいい。例えば、円筒部になる面から打ち抜き行為を板厚以下のでおこない、さらにその後に素形プレス工程を行うことで、角部にエッジではない形状が形成される。
(4)ブランク抜き工程によって得られた整流子片38の素形は、カーリング工程によって円筒状にカーリングする。そのカーリング工程で整流子片のカーリング円弧部を形成する。
(5)さらに、素形部から略直角に折り曲げることで端子部を形成する。形成後に連結部を切断して、個々の整流子片を作る。
【0085】
このようにして、整流子片が作られる。作られた整流子片には、カーリング円弧部の端面部には、内周側に角部除去による空間ができている。
【0086】
次に、プレス工程で作成した整流子片を使い、整流子組立を組み立てる。その組立工程を図14を主に用いて以下に説明する。図14は本発明の実施例による整流子の分解斜視図である。
(a)ホルダー13は耐熱性を有し、電気絶縁性を有したエンジニアリング樹脂を射出成形にて形成し、軸方向に円筒状に円筒部16を設け、その中心にはシャフト挿入用に穴40が形成され、さらにその円筒部16の一端側にその円筒部径よりも大きなフランジ部17が形成されている。また、ホルダー13のフランジ部17には整流子片14を所定位置に設置するための凹部41がある。またホルダー13の円筒部16の外周部の一部に凸部42がある。ホルダー円筒部の長さは、整流子片のカーリング円弧部の長さと略同じに設定されている。ただしスリット溝幅も考慮してである。
(b)ホルダー13のフランジ部17の形成された凹部41に整流子片14の端子部12を挿入し、その際に整流子片14のカーリング円弧部18はホルダー13の円筒部16に沿わせるように、整流子片14をホルダー13に装着する。図14の場合は整流子片14が3つの構造になっている。3つの整流子片14を均等にホルダー13の円筒部16に挿入して装着する。
(c)3つの整流子片14のカーリング円弧部18で形成された円筒部の外周に電気絶縁性を有する円環状の絶縁リング15を、その円筒部の先端から圧入挿入する。整流子片14が絶縁リング15とホルダー13のフランジ17とに挟み込まれた状態になり、整流子片14は固定される。絶縁リング15の圧入力でもって整流子片14は保持している。整流子片14同士が密接しないように、ホルダー13の円筒部16の外周部に設けた凸部42で行っている。この凸部42の寸法は整流子の板厚よりの小さな凸寸法である。整流子片14のカーリング円弧部の端面角部に形成した空間(エッジ除去空間)35によって、整流子片間距離が場所によって若干異なるので、そのことも考慮して、凸部42の大きさを決定している。凸部42の形状は整流子片14形状によって決定されるので、整流子片14の加工工程が確立した段階でホルダー13の凸部42の金型を微調して、ガタがないようにしている。
(d)その後、必要に応じて整流子片14の外周面をラッピングペーパでラッピング研磨することで、ラッピング仕上げを行い、本発明による組立整流子を組立ている。
【0087】
本実施例では3個の整流子片で形成された3極の整流子組立であるが、本発明は3極整流子には限らない。5極、8極等の整流子であっても、本発明の効果は同じようにある。
【0088】
【発明の効果】
上記実施例の記載から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、
(1)組立整流子のスリット溝幅のばらつき等が無視できるレベルになる。
(2)スリット溝幅がばらつきがなくなったので、ブラシの摺動による火花放電と摩擦によるブラシ寿命の短いモータがなくなった。
(3)ブラシと整流子の摺動にはブラシ飛びが減る。
(4)整流子片のカーリングの曲率が小さい場合でも、組立ばらつきの少ない組立整流子が可能になった。
(5)接点の潤滑を円滑に行い、ブラシ、整流子寿命を長くするスリットを形成することができる。
(6)スリット溝での段差量を小さくすることができる。
【0089】
以上のことによって、整流子のスリット幅を狭くすることができ、さらにはスリット溝の空間を広く確保され、ブラシと整流子の接点部は円滑な摺動がなされ、ブラシ、整流子寿命を長くすることができ、小型モータの信頼性を向上することができるという有利な効果が得られる。
【0090】
また、請求項2記載の発明によれば、面取り加工は整流子素形を打ち抜くプレス工程の過程に盛り込むことも可能となり、エッジ除去が確実になること、スリットの間隔を狭くすることが可能で、整流子のスリット段差を小さくしブラシ飛びを抑えてブラシ整流子の信頼性を向上させることができる。
【0091】
また、請求項3記載の発明によれば、エッジ除去が確実な寸法値であるので、エッジ除去空間がスリット溝空間を増大させて、摺動粉による絶縁ショートなどの発生を抑制させて、ブラシ整流子の信頼性を向上させることができる。
【0092】
さらに、請求項4記載の発明によれば、エッジ部をブラスト等で加工することでバリ除去ができ、そのエッジ除去空間が形成されることでスリットの間隔を狭くすることが可能で、整流子のスリット段差を小さくしブラシ飛びを抑えてブラシ整流子の信頼性を向上させるという効果を奏するものである。
【0093】
また、請求項5記載の発明によれば、エッジ除去空間がスリット溝空間を増大させて、摺動粉による絶縁ショートなどの発生を抑制させて、ブラシ整流子の信頼性を向上させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による小型モータの断面図
【図2】本発明の実施例1におけるモータの整流子の斜視図
【図3】本発明の実施例1によるブラケットの説明図
【図4】焼結軸受のポーラス図
【図5】本発明の実施例1によるピボットスラスト軸受を示す図
【図6】ピボット軸受の荷重を示す図
【図7】ブラシ飛びを説明するためのモデルを示す図
【図8】スリット部のブラシ位置によるブラシ速度を示す図
【図9】設計意図した整流子片を示す図
(a)は整流子片の端面が整流子の円弧の中心に向かう場合を示す図
(b)は整流子片同士のスリット溝幅は端面部同じ場合を示す図
【図10】整流子片のカーリング工程において、外周側が伸延することで設計意図した整流子片にならないことを説明するための図
(a)は整流子片の端面が整流子の円弧の中心に向かう設計意図を示す図
(b)は整流子片同士のスリット溝幅は端面部同じ設計意図を示す図
【図11】小型モータの整流子を示す図
(a)は本発明のエッジ除去空間が形成されていない整流子を示す図
(b)は本発明のエッジ除去空間が形成された整流子示す図
【図12】本発明の実施例1によるエッジ除去空間を示す図
(a)エッジ除去空間が面取りで形成された図
(b)エッジ除去空間がフレットで形成された図
【図13】本発明の実施例1によるフープ状の金属板を示す平面図
【図14】本発明の実施例1による整流子の分解斜視図
【符号の説明】
1 駆動マグネット
2 フレーム
3 回転子
4 シャフト
5 電機子
6、8 焼結軸受
7 ブラケット
9 コア
10 コイル
11 整流子
12 端子部
13 ホルダー
14、27、28、29、30、38 整流子片
15 絶縁リング
16 円筒部
17 フランジ部
18 カーリング円弧部
19 スリット
20 ブラシ
21 ブラシホルダ
22 接続端子
23 端部
24 ポーラス
25 スラスト板
26 取り出し口
31、33 差の部分
32、34 端面の内周側先端部
35 エッジ除去空間
36 金属板
37 グラッド帯
39 連結部
40 穴
41 凹部
42 凸部
Pmax 最大面圧
Tp 摩擦トルク
a、b 係数
r シャフトの先端球形状の半径
d シャフト径
t1 整流子片の板厚
b1 面取りの大きさ
b2 フレットの大きさ
Δd 整流子のスリット段差
r1 整流子の外周半径
n モータの回転数
m ブラシ質量
s スリット間隔
θ、θ1、θ2、θ3、θ4、θ5 スリットの開き角
Vy ブラシの上下に移動す速度
t 時間
ω モータの回転角速度

Claims (5)

  1. 樹脂成形されたホルダーと複数個の整流子片と絶縁リングを具備し、前記ホルダーは軸方向に円筒状に円筒部を設け、その中心にはシャフト挿入用に穴が形成され、さらにその円筒部の一端側にその円筒部径よりも大きなフランジ部が形成され、さらに前記整流子片はカーリング円弧部と中心から放射状に略直角に折り曲がった端子部からなり、前記ホルダーのフランジ部に整流子片の端子部を合わせ、前記ホルダーの円筒部に整流子片のカーリング円弧部を合わせて装着した組立整流子において、ホルダーの円筒部に複数個の整流子片を均等に配置し、隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部にエッジ除去空間を施したことを特徴とするモータの整流子。
  2. エッジ除去空間が隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部が面取りにて形成されたことを特徴とする請求項1記載のモータの整流子。
  3. エッジ除去空間が隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部が面取りにて形成され、整流子片の板厚をt1として、板厚方向に影響する面取りの大きさをb1とすれば、0<b1≦0.8×t1の関係にある面取り大きさであることを特徴とする請求項2記載のモータの整流子。
  4. エッジ除去空間が隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部がフレット形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載のモータの整流子。
  5. エッジ除去空間が隣合う整流子片のカーリング円弧部の端面側にある端面部と整流子片のカーリング円弧部の内周側円弧とで形成される角部がフレット形状に形成され、整流子片の板厚をt1として、板厚方向に影響するフレットの大きさをb2とすれば、0<b2≦0.8×t1の関係にあるフレットの大きさであることを特徴とする請求項4記載のモータの整流子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109273957A (zh) * 2018-10-16 2019-01-25 苏州昀冢电子科技有限公司 端子成型系统及端子制备工艺
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WO2021149571A1 (ja) * 2020-01-20 2021-07-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 整流子、電動機及び整流子の製造方法

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