JP2005033257A - 自動利得制御装置 - Google Patents

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Atsushi Mino
敦 三野
Kazuo Takayama
一男 高山
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Abstract

【課題】回路規模を増大させることなく、車載環境による複雑な電界変動に対応できる自動利得制御装置を提供すること。
【解決手段】ベースバンド信号のI軸成分およびQ軸成分をもとに該ベースバンド信号の振幅値を求める振幅検出部11と、該振幅値を平均化して平均振幅値を算出する平均化フィルタ12と、所望振幅値と前記平均振幅値との誤差を検出し、該誤差に応じて利得調整信号S1を出力する誤差検出部13と、利得調整信号S1をもとに、可変増幅器3fに印加する電圧を設定し、可変増幅器3fの利得制御を行うIF利得制御部16と、利得調整信号S1をもとに、LNA3bに印加する電圧を設定し、LNA3bの利得制御を行うRF利得制御部17と、を備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル無線端末の受信系等に用いられ、該デジタル無線端末に受信されるデジタル信号の受信状態に応じて該デジタル無線端末の利得を制御する自動利得制御装置に関し、特に、車載用デジタル無線端末に好適な自動利得制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、デジタルテレビ受信装置等のデジタル無線端末では、該デジタル無線端末のアンテナから受信したRF帯のデジタル変調信号(RF信号)をもとにベースバンド信号を生成する場合、このRF信号がIF帯のデジタル変調信号(IF信号)にダウンコンバートされ、得られたIF信号が、デジタル処理によって復調される。この場合、受信されたRF信号は、帯域フィルタ(BPF)を介して低雑音増幅器(LNA)を通過し、局部発振器に接続された混合器に入力される。この混合器に入力されたRF信号は、この局部発振器から発振された信号と混合されて、IF信号にダウンコンバートされる。この混合器から出力されたIF信号は、BPFを介して可変増幅器に入力されて増幅され、さらに、アナログ/デジタル変換器(AD変換器)に入力されてデジタル化される。その後、デジタル化されたIF信号は、デジタル復調器よって復調され、これによって、ベースバンド信号が生成される。
【0003】
ここで、受信されるRF信号の受信電界レベルが変動する場合、この受信電界レベルに応じて、上述した可変増幅器の利得を制御する自動利得制御装置(AGC装置)をデジタル無線端末に設けて、該デジタル無線端末のデジタル復調器に入力されるIF信号の信号レベルを一定にする必要がある。このAGC装置として、たとえば、RF信号の受信レベル変動量を検出し、検出した受信レベル変動量に応じて、IF信号の平均振幅値算出パラメータを調整し、調整された平均振幅値算出パラメータを用いて算出されたIF信号の平均振幅値をもとに、上述した可変増幅器の利得制御を行うものがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−44169号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたAGC装置では、受信されたRF信号の受信レベル変動量に応じ、デジタル化されたIF信号の平均振幅値を算出して、デジタル復調器が正常動作するための理想振幅値と該平均振幅値との誤差を検出し、該誤差をもとに可変増幅器の利得制御を行うように構成されている。したがって、IF信号を増幅する可変増幅器の利得制御とRF信号を増幅するLNAの利得制御とを同時に行って、デジタル復調器に入力されるIF信号の信号レベルを一定にする場合、上述した特許文献1に記載されたAGC装置では、この誤差をもとにLNAの利得制御を行う制御回路を新規に設けなければならず、AGC装置の回路規模が増大するという問題点があった。
【0006】
なお、車載環境下では、デジタル無線端末に受信されるRF信号の受信電界レベルが複雑に変動するため、IF信号を増幅する可変増幅器の利得とRF信号を増幅するLNAの利得とを同時に制御できるAGC装置を用いなければ、このデジタル無線端末のデジタル復調器に入力されるIF信号の信号レベルを一定にすることは困難である。したがって、車載用デジタル無線端末を実現するためには、このAGC装置がデジタル回路によって構成されるとともに、その回路規模を小型化することが不可欠である。
【0007】
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、回路規模を増大させることなく、車載環境による複雑な電界変動に対応できる自動利得制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる自動利得制御装置は、受信されたRF信号を増幅するRF信号増幅手段の利得を制御するとともに、前記RF信号から変換されたIF信号を増幅するIF信号増幅手段の利得を制御して、直交復調される前記IF信号の振幅を所望振幅値に調整する自動利得制御装置において、前記IF信号に対する直交復調処理によって生成されたベースバンド信号のI軸成分およびQ軸成分をもとに該ベースバンド信号の振幅値を求め、該振幅値を平均化した平均振幅値を算出し、前記所望振幅値と前記平均振幅値との誤差を検出し、該誤差に応じて、前記RF信号増幅手段および前記IF信号増幅手段の利得調整に関する利得調整情報を出力する利得調整手段と、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報をもとに、前記IF信号増幅手段に印加する電圧を設定し、前記IF信号増幅手段の利得制御を行うIF利得制御手段と、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報をもとに、前記RF信号増幅手段に印加する電圧を設定し、前記RF信号増幅手段の利得制御を行うRF利得制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この請求項1の発明によれば、利得調整手段が、前記IF信号に対する直交復調処理によって生成されたベースバンド信号のI軸成分およびQ軸成分をもとに該ベースバンド信号の振幅値を求め、該振幅値を平均化した平均振幅値を算出し、前記所望振幅値と前記平均振幅値との誤差を検出し、該誤差に応じて、前記RF信号増幅手段および前記IF信号増幅手段の利得調整に関する利得調整情報を出力し、IF利得制御手段が、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報をもとに、前記IF信号増幅手段に印加する電圧を設定し、前記IF信号増幅手段の利得制御を行い、RF利得制御手段が、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報をもとに、前記RF信号増幅手段に印加する電圧を設定し、前記RF信号増幅手段の利得制御を行うようにし、車載環境に起因する電界変動に応じて、前記IF信号の振幅値を前記所望振幅値に調整でき、車載用のデジタルテレビ用受信装置に好適な自動利得制御装置を小規模な回路構成で実現している。
【0010】
また、請求項2にかかる自動利得制御装置は、上記発明において、前記利得調整手段から入力された利得調整情報をもとに前記ベースバンド信号の平均受信電力を求め、該平均受信電力に対応する平均受信電力情報を出力する平均受信電力処理手段と、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記IF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第1フィルタのフィルタ係数を設定する第1フィルタ係数設定手段と、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記RF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第2フィルタのフィルタ係数を設定する第2フィルタ係数設定手段と、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記平均振幅値を出力する前記利得調整手段の平均化フィルタのフィルタ係数を設定する平均化フィルタ係数設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この請求項2の発明によれば、平均受信電力処理手段が、前記利得調整手段から入力された利得調整情報をもとに前記ベースバンド信号の平均受信電力を求め、該平均受信電力に対応する平均受信電力情報を出力し、第1フィルタ係数設定手段が、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記IF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第1フィルタのフィルタ係数を設定し、第2フィルタ係数設定手段が、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記RF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第2フィルタのフィルタ係数を設定し、平均化フィルタ係数設定手段が、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記平均振幅値を出力する前記利得調整手段の平均化フィルタのフィルタ係数を設定するようにし、一つの前記平均受信電力情報を用いて前記平均化フィルタ、前記第1フィルタ、および前記第2フィルタの各応答速度を個別に自動設定し、車載環境で発生する様々な電界変動に対して、常時最適な応答速度で前記IF信号増幅手段の利得制御と前記RF信号増幅手段の利得制御とを行うことができる自動利得制御装置を小規模な回路構成で実現している。
【0012】
また、請求項3にかかる自動利得制御装置は、上記発明において、前記IF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第1フィルタの第1フィルタ係数、前記RF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第2フィルタの第2フィルタ係数、および前記平均振幅値を出力する前記利得調整手段の平均化フィルタの第3フィルタ係数の少なくとも一つが予め格納された記憶手段を有し、該記憶手段から前記第1フィルタ係数、前記第2フィルタ係数、および前記第3フィルタ係数の少なくとも一つを読み出して、前記第1フィルタのフィルタ係数、前記第2フィルタのフィルタ係数、および前記平均化フィルタのフィルタ係数の少なくとも一つを個別に設定するフィルタ係数設定手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
この請求項3の発明によれば、フィルタ係数設定手段が、前記IF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第1フィルタの第1フィルタ係数、前記RF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第2フィルタの第2フィルタ係数、および前記平均振幅値を出力する前記利得調整手段の平均化フィルタの第3フィルタ係数の少なくとも一つが予め格納された記憶手段を有し、該記憶手段から前記第1フィルタ係数、前記第2フィルタ係数、および前記第3フィルタ係数の少なくとも一つを読み出して、前記第1フィルタのフィルタ係数、前記第2フィルタのフィルタ係数、および前記平均化フィルタのフィルタ係数の少なくとも一つを個別に設定するようにし、受信電界レベルの変動に応じて、適宜最適な応答速度を設定することができ、車載環境で発生する様々な電界変動に対して、適宜最適な応答速度で前記IF信号増幅手段の利得制御と前記RF信号増幅手段の利得制御とを行うことができる自動利得制御装置を小規模な回路構成で容易に実現している。
【0014】
また、請求項4にかかる自動利得制御装置は、上記発明において、前記ベースバンド信号の信号レベルに対応する動作開始情報が予め格納された記憶手段を有し、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報と前記記憶手段から読み出した前記動作開始情報とをもとに、前記RF利得制御手段に対して、前記RF信号増幅手段の利得制御を開始する動作タイミングを設定する動作開始点設定手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
この請求項4の発明によれば、動作開始点設定手段が、前記ベースバンド信号の信号レベルに対応する動作開始情報が予め格納された記憶手段を有し、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報と前記記憶手段から読み出した前記動作開始情報とをもとに、前記RF利得制御手段に対して、前記RF信号増幅手段の利得制御を開始する動作タイミングを設定するようにし、前記IF信号増幅手段の利得制御動作と前記RF信号増幅手段の利得制御動作との割合を適宜調整することができ、これによって、特性の異なる様々なチューナに対応でき、チューナに対する汎用性を高めた自動利得制御装置を容易に実現している。
【0016】
また、請求項5にかかる自動利得制御装置は、上記発明において、前記IF利得制御手段に配置され、前記IF信号増幅手段に印加すべき電圧に対応するデジタル信号のハイレベルに対応した複数の矩形波を合成し、該電圧をPWM信号に変換する第1PWM変換手段と、前記RF利得制御手段に配置され、前記RF信号増幅手段に印加すべき電圧に対応するデジタル信号のハイレベルに対応した複数の矩形波を合成し、該電圧をPWM信号に変換する第2PWM変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項5の発明によれば、第1PWM変換手段が、前記IF利得制御手段に配置され、前記IF信号増幅手段に印加すべき電圧に対応するデジタル信号のハイレベルに対応した複数の矩形波を合成して、該電圧をPWM信号に変換し、第2PWM変換手段が、前記RF利得制御手段に配置され、前記RF信号増幅手段に印加すべき電圧に対応するデジタル信号のハイレベルに対応した複数の矩形波を合成して、該電圧をPWM信号に変換するようにし、単純な回路構成によって、前記IF信号増幅手段に所望電圧を印加するとともに前記IF信号増幅手段に所望電圧を印加することができ、当該自動利得制御装置の小規模化を促進している。
【0018】
また、請求項6にかかる自動利得制御装置は、上記発明において、前記利得調整手段は、前記ベースバンド信号のI軸成分をもとに該I軸成分の絶対値を求めるとともに前記ベースバンド信号のQ軸成分をもとに該Q軸成分の絶対値を求め、該I軸成分の絶対値と該Q軸成分の絶対値とを加算処理して前記ベースバンド信号の振幅値を検出する振幅検出手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
この請求項6の発明によれば、前記利得調整手段が、前記ベースバンド信号のI軸成分をもとに該I軸成分の絶対値を求めるとともに前記ベースバンド信号のQ軸成分をもとに該Q軸成分の絶対値を求め、該I軸成分の絶対値と該Q軸成分の絶対値とを加算処理して前記ベースバンド信号の振幅値を検出する振幅検出手段を備えるようにし、前記振幅値を検出する処理時間を短縮して前記利得調整手段の応答速度の低下を防止し、車載環境で発生する急激な電界変動に対応できる自動利得制御装置を小規模な回路構成で実現している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明にかかる自動利得制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1である自動利得制御装置(AGC装置)を用いたデジタルテレビ用の受信装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、受信装置1は、アンテナ2、チューナ3、AD変換器4、デジタル直交復調器5、LPF6〜9、およびAGC装置10を有する。また、チューナ3は、BPF3a,3e、LNA3b、混合器3c、局部発振器3d、および可変増幅器3fを有する。
【0022】
放送局からOFDM方式で送信された複数チャンネルのRF信号は、アンテナ2に受信され、チューナ3のBPF3aを通過してLNA3bに入力される。BPF3aは、この複数チャンネルのRF信号から特定チャンネルのRF信号を取り出し、LNA3bは、AGC装置10が出力したRF利得制御信号SRFによって利得制御され、BPF3aによって取り出された特定チャンネルのRF信号の振幅値を増幅する。つぎに、増幅されたRF信号は、局部発振器3dと接続された混合器3cに入力される。局部発振器3dは、混合器3cに入力されるRF信号に比して十分大きい局部周波数を有する局部信号を発信し、混合器3cは、この局部信号を用いて、入力されたRF信号をIF信号にダウンコンバートする。
【0023】
混合器3cによってダウンコンバートされたIF信号は、BPF3eを通過して可変増幅器3fに入力される。BPF3eは、入力されたIF信号から特定周波数帯域のIF信号を取り出し、可変増幅器3fは、AGC装置10が出力したIF利得制御信号SIFによって利得制御され、BPF3eによって取り出された特定周波数帯域のIF信号の振幅値を増幅する。
【0024】
チューナ3から出力されたIF信号は、AD変換器4に入力され、AD変換器4によってデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換されたIF信号は、デジタル直交復調器5に入力される。デジタル直交復調器5は、入力されたIF信号に対して直交復調処理を行ってベースバンド信号を生成し、このベースバンド信号のQ軸成分に対応するQ軸信号SとI軸成分に対応するI軸信号Sとを出力する。その後、デジタル直交復調器5から出力されたQ軸信号SおよびI軸信号Sは、LPF6,7をそれぞれ通過し、AGC装置10に入力されるとともにFFT(Fast Fourier Transform)処理部等(図示せず)に入力される。このQ軸信号SおよびI軸信号SがFFT処理部に入力された場合、FFT処理部は、入力されたI軸信号SおよびQ軸信号Sを高速フーリエ変換し、OFDM復調処理を行う。
【0025】
一方、AGC装置10は、入力されたQ軸信号SおよびI軸信号Sをもとに、LNA3bに印加する電圧に対応するRF利得制御信号SRFと可変増幅器3fに印加する電圧に対応するIF利得制御信号SIFとを出力する。AGC装置10から出力されたRF利得制御信号SRFは、LPF8を通過してLNA3bに入力され、AGC装置10から出力されたIF利得制御信号SIFは、LPF9を通過して可変増幅器3fに入力される。この場合、LPF8は、このRF利得制御信号SRFを積分して、該RF利得制御信号SRFをアナログ信号に変換し、LPF9は、このIF利得制御信号SIFを積分して、該IF利得制御信号SIFをアナログ信号に変換する。LPF8,9によってそれぞれアナログ変換されたRF利得制御信号SRFおよびIF利得制御信号SIFは、LNA3bおよび可変増幅器3fに対する各印加電圧として、LNA3bおよび可変増幅器3fにそれぞれ入力され、LNA3bは、このRF利得制御信号SRFによって利得制御され、可変増幅器3fは、このIF利得制御信号SIFによって利得制御される。これによって、チューナ3は、受信装置1が正常動作するための理想振幅値のIF信号を出力するように制御される。すなわち、AGC装置10は、デジタル直交復調器5によって生成されたベースバンド信号のI軸成分およびQ軸成分をもとにLNA3bおよび可変増幅器3fの利得制御を行って、受信装置1がデジタルテレビ用受信装置として正常に動作するように、チューナ3から出力されるIF信号の振幅値を理想振幅値に調整する。
【0026】
図2は、この発明の実施の形態1であるAGC装置の構成例を示すブロック図である。図2において、AGC装置10は、振幅検出部11、平均化フィルタ12、誤差検出部13、アンプ14,19、係数設定部15、IF利得制御部16、RF利得制御部17、および動作開始点設定部18を有する。AGC装置10の信号入力端には、振幅検出部11が配置され、振幅検出部11の後段には、平均化フィルタ12、誤差検出部13、およびアンプ14が順次接続される。アンプ14の後段には、係数設定部15、IF利得制御部16、動作開始点設定部18がそれぞれ接続される。動作開始点設定部18の後段には、アンプ19およびRF利得制御部17が順次接続される。すなわち、AGC装置10は、アンプ14から出力された信号が、係数設定部15およびIF利得制御部16に入力されるとともに、動作開始点設定部18およびアンプ19を介して、RF利得制御部17に入力されるように構成される。さらに、係数設定部15は、平均化フィルタ12、IF利得制御部16の信号入力端に配置されたLPF16a、およびRF利得制御部17の信号入力端に配置されたLPF17aに接続される。
【0027】
振幅検出部11は、受信したベースバンド信号のI軸成分およびQ軸成分の各絶対値を求め、得られた各絶対値を加算して該ベースバンド信号の振幅値を出力するデジタル演算回路によって実現される。振幅検出部11は、図1に示したデジタル直交復調器5によって生成されたベースバンド信号のI軸信号SおよびQ軸信号Sを受信した場合、受信したI軸信号SおよびQ軸信号Sをもとに演算処理を行い、このベースバンド信号の振幅値を演算出力する。この場合、振幅検出部11は、演算出力したベースバンド信号の振幅値に対応する振幅値信号Sを出力する。なお、振幅検出部11の詳細な構成および振幅検出部11による演算処理の動作については、後述する。
【0028】
平均化フィルタ12は、フィルタ係数が可変であるLPFを用いて実現され、振幅検出部11から受信した振幅値信号Sの雑音を除去するとともに、この振幅値信号Sに対応するベースバンド信号の振幅値を平均化する(振幅平均化処理)。また、平均化フィルタ12は、係数設定部15から受信したフィルタ係数信号S2によってフィルタ係数が自動的に設定され、設定されたフィルタ係数によってフィルタ特性が決定される。一般に、LPFのフィルタ係数を変化させて該LPFのフィルタ特性を変化させた場合、このLPFの応答速度は、このフィルタ特性の変化にともなって変化する。すなわち、平均化フィルタ12は、受信したフィルタ係数信号S2によって自動的に設定されたフィルタ係数に応じて、上述した振幅平均化処理の応答速度を変化させる。
【0029】
ここで、このベースバンド信号は、OFDM方式によって多重化された信号であるため、振幅が異なる多数のキャリアを含んでいる。このため、このベースバンド信号の振幅値は、一定の振幅値を有するIF信号が直交復調された場合であっても、複雑に変動する。平均化フィルタ12は、振幅値信号Sを受信した場合、受信した振幅値信号Sに対応する振幅値の複雑なレベル変動を取り除き、この振幅値信号Sに対応するベースバンド信号の振幅値を平均化する。この場合、平均化フィルタ12は、平均化されたベースバンド信号の振幅値に対応する平均振幅値信号を出力する。
【0030】
誤差検出部13は、減算回路を用いて実現され、平均化フィルタ12から受信した平均振幅値信号に対応するベースバンド信号の平均振幅値と基準振幅値との差分を検出する。ただし、この基準振幅値は、図1に示した受信装置1がデジタルテレビ用受信装置として正常に動作するためのIF信号の理想振幅値である。したがって、この平均振幅値と基準振幅値との差分は、実際のベースバンド信号の平均振幅値と図1に示したチューナ3から出力されるIF信号の理想振幅値との誤差に相当する。すなわち、誤差検出部13は、実際のベースバンド信号の平均振幅値と基準振幅値との誤差を検出する。また、誤差検出部13は、検出した誤差が零になるように、チューナ3のLNA3bおよび可変増幅器3fの利得を調整する。この場合、誤差検出部13は、検出した誤差が零になるように調整されたLNA3bおよび可変増幅器3fの利得に対応する利得調整信号S1を出力する。アンプ14は、誤差検出部13による利得調整中の発振を防止するとともに、誤差検出部13から出力された利得調整信号S1を増幅する。なお、利得調整信号S1には、この調整された利得に関する情報の他に、実際のベースバンド信号の信号レベルに関する情報が含まれる。
【0031】
誤差検出部13から出力された利得調整信号S1は、アンプ14を通過し、その後、係数設定部15およびIF利得制御部16に入力されるとともに、動作開始点設定部18およびアンプ19を介して、RF利得制御部17に入力される。すなわち、利得調整信号S1に含まれる情報は、係数設定部15、IF利得制御部16、およびRF利得制御部17によって共用される。すなわち、上述した振幅検出部11、平均化フィルタ12、誤差検出部13、およびアンプ14を用いて構成された処理系は、LNA3bによるRF信号の利得および可変増幅器3fによるIF信号の利得を調整する利得調整部として機能する。
【0032】
係数設定部15は、平均化フィルタ15aおよび係数処理部15b〜15dを有する。平均化フィルタ15aは、アンプ14および係数処理部15b〜15dに接続される。また、係数処理部15bは平均化フィルタ12に接続され、係数処理部15cはLPF16aに接続され、係数処理部15dはLPF17aに接続される。
【0033】
平均化フィルタ15aは、LPFを用いて実現され、アンプ14を介して誤差検出部から受信した利得調整信号S1をもとに実際のベースバンド信号の平均受信電力を算出する。ここで、利得調整信号S1には、上述したように、実際のベースバンド信号の信号レベルに関する情報が含まれているので、平均化フィルタ15aは、利得調整信号S1を積分して、実際のベースバンド信号の平均受信電力を算出することができる。平均化フィルタ15aは、算出した平均受信電力に対応する平均受信電力信号を係数処理部15b〜15dに送出する。
【0034】
係数処理部15bは、デジタル演算回路を用いて実現され、平均化フィルタ15aから受信した平均受信電力信号に対応する平均受信電力と予め設定された係数演算パラメータとをもとに、平均化フィルタ12のフィルタ係数を演算出力する。
【0035】
なお、係数処理部15bは、フィルタ係数を出力するまでの各処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、これらの各処理プログラム等のデータを記憶するROM(Read Only Memory)、および平均化フィルタ15aから受信した平均受信電力または各演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)を有することで実現してもよい。この場合、係数処理部15bのRAMには、予め係数演算パラメータが格納され、係数処理部15bは、受信した平均受信電力信号に対応する平均受信電力とRAMから読み出した係数演算パラメータとを用いて、平均化フィルタ12のフィルタ係数を演算出力する。
【0036】
また、係数処理部15bは、平均化フィルタ15aから順次受信した各平均受信電力をRAMに記憶させてもよく、この場合、係数処理部15bは、RAMから読み出された各平均受信電力をもとに該平均受信電力の変動量を演算し、得られた平均受信電力の変動量とRAMから読み出された係数演算パラメータとを用いて、平均化フィルタ12のフィルタ係数を演算出力する。
【0037】
さらに、係数処理部15bのRAMに平均化フィルタ12のフィルタ係数を複数記憶させてもよい。この場合、係数処理部15bのROMには、平均化フィルタ15aから受信した平均受信電力または該平均受信電力の変動量に対するしきい値が予め記憶され、係数処理部15bは、平均化フィルタ15aから受信した平均受信電力と該平均受信電力に対するしきい値とを比較し、あるいは受信した各平均受信電力をもとに演算した該平均受信電力の変動量と該変動量に対するしきい値とを比較する。係数処理部15bは、この平均受信電力と該平均受信電力に対するしきい値との比較結果に応じて、または、平均受信電力の変動量と該変動量に対するしきい値との比較結果に応じて、RAMに記憶されたフィルタ係数を選択的に読み出す。
【0038】
その後、係数処理部15bは、演算出力したフィルタ係数または選択的に読み出したフィルタ係数に対応するフィルタ係数信号S2を平均化フィルタ12に送出し、これによって、平均化フィルタ12のフィルタ係数を自動的に設定する。なお、係数処理部15bが、上述したように、CPU、ROM、およびRAMを用いて実現される場合、CPUがROMに格納された処理プログラムを実行することによって、係数処理部15bによる各処理機能が実現される。
【0039】
係数処理部15cは、上述した係数処理部15bと同様の構成によって実現され、上述した係数処理部15bと同様に、平均化フィルタ15aから受信した平均受信電力をもとにLPF16aのフィルタ係数を演算出力し、または選択的に読み出す。その後、係数処理部15cは、得られたフィルタ係数に対応するフィルタ係数信号S3をLPF16aに送出し、これによって、LPF16aのフィルタ係数を自動的に設定する。
【0040】
係数処理部15dは、上述した係数処理部15b,15cと同様の構成によって実現され、上述した係数処理部15b,15cと同様に、平均化フィルタ15aから受信した平均受信電力をもとにLPF17aのフィルタ係数を演算出力し、または選択的に読み出す。その後、係数処理部15dは、得られたフィルタ係数に対応するフィルタ係数信号S4をLPF17aに送出し、これによって、LPF17aのフィルタ係数を自動的に設定する。
【0041】
一方、誤差検出部13から出力された利得調整信号S1は、アンプ14を介してIF利得制御部16に入力される。IF利得制御部16は、受信した利得調整信号S1をもとに、図1に示したチューナ3の可変増幅器3fに印加する電圧値を可変増幅器3fの定格電圧範囲で設定し、設定した印加電圧に対応するIF利得制御信号SIFを可変増幅器3f側に出力する。これによって、可変増幅器3fは、上述した平均振幅値と理想振幅値との誤差が零になるように、IF信号の振幅値を増幅する。
【0042】
IF利得制御部16は、信号入力端にLPF16aが配置され、信号出力端にPWM変換部16gが配置される。また、LPF16aからPWM変換部16gに向けて順次、クランプ回路16b、上限設定部16c、極性設定部16d、電圧調整部16e、およびマニュアル切換部16fが接続される。この場合、誤差検出部13から出力された利得調整信号S1は、アンプ14を介してLPF16aに入力され、LPF16aは、係数設定部15の係数処理部15cから受信したフィルタ係数信号S3をもとにフィルタ係数が設定され、設定されたフィルタ係数に応じた応答速度で利得調整信号S1を積分する。LPF16aによって積分された利得調整信号S1は、該利得調整信号S1に対応する利得でIF信号を増幅するための可変増幅器3fの印加電圧に関する情報を含む印加電圧信号として、LPF16aから出力される。
【0043】
つぎに、LPF16aから出力された印加電圧信号は、クランプ回路16bに入力される。クランプ回路16bは、受信した印加電圧信号の負成分を除去する。クランプ回路16bによって負成分が除去された印加電圧信号は、上限設定部16cに入力される。上限設定部16cは、受信した印加電圧信号に対応する印加電圧の上限値を設定し、これによって、この印加電圧信号に対応する印加電圧値は、可変増幅器3fの定格電圧以下の電圧値に調整される。
【0044】
上限設定部16cによって上限値が設定された印加電圧信号は、極性設定部16dを介して電圧調整部16eに入力される。電圧調整部16eは、加算回路を用いて実現され、予め設定されたオフセット値と受信した印加電圧信号に対応する印加電圧値とを加算する(電圧調整処理)。ここで、このオフセット値は、可変増幅器3fに印加される電圧値が可変増幅器3fの利得制御を安定的に行うために必要な電圧範囲内の値になるように、この印加電圧信号に対応する印加電圧値に加算される電圧値である。すなわち、電圧調整部16eは、受信した印加電圧信号に対して上述した電圧調整処理を行って、上述した電圧範囲内の印加電圧値が可変増幅器3fに印加されるように、この印加電圧信号に対応する印加電圧値を調整する。電圧調整部16eから出力される印加電圧信号は、上述したように、クランプ回路16bによって負成分が除去され、上限設定部16cによって上限値が設定され、さらに、電圧調整部16eによって電圧調整処理がなされた印加電圧値に対応している。この場合、電圧調整部16eは、この印加電圧値に対応する印加電圧信号S5を出力する。
【0045】
電圧調整部16eによって電圧調整処理がなされた印加電圧信号S5は、マニュアル切換部16fに入力される。マニュアル切換部16fは、固定電圧値が予め格納されたレジスタ等の記憶手段と出力信号を切り換える切換手段等とを用いて実現され、マニュアル切換部16fから出力される信号の切換処理を行い、この固定電圧値に対応する電圧信号または電圧調整部16eから受信した印加電圧信号S5を出力する。ただし、この固定電圧値は、ユーザによって予め設定された可変増幅器3fの印加電圧値である。マニュアル切換部16fは、この切換処理を行って、AGC装置10によって調整された印加電圧値に対応するデジタル信号またはユーザによって設定された固定の印加電圧値に対応するデジタル信号を出力する。なお、この切換処理は、ユーザが行う切換操作に基づいて実行される。
【0046】
マニュアル切換部16fから出力された印加電圧信号S5は、PWM変換部16gに入力される。PWM変換部16gは、受信したデジタル信号のハイレベルに対応した矩形波を所定周期毎に検出し、検出した複数の矩形波を所定周期毎に合成して、このデジタル信号をPWM信号に変換する(PWM変換処理)。したがって、PWM変換部16gが印加電圧信号S5を受信した場合、この印加電圧信号S5は、上述したPWM変換処理によって、ハイレベルに対応した各矩形波のパルス幅が可変増幅部3fへの印加電圧値に対応するPWM信号に変換される。この場合、PWM変換部16gは、印加電圧信号S5から変換したPWM信号をIF利得制御信号SIFとして出力する。なお、PWM変換部16gが行うPWM変換処理の具体的な説明は後述する。
【0047】
他方、誤差検出部13から出力された利得調整信号S1は、アンプ14を介して動作開始点設定部18に入力される。動作開始点設定部18は、減算器18aおよびレジスタ18bを有する。レジスタ18bには、ユーザによって設定された動作開始信号レベルが更新自在に格納され、減算器18aは、受信した利得調整信号S1に含まれる信号レベルからレジスタ18bに格納された動作開始信号レベルを減算する(レベル減算処理)。その後、減算器18aによってレベル減算処理がなされた利得調整信号S1は、アンプ19を介してRF利得制御部17に入力される。
【0048】
ここで、利得調整信号S1による信号レベルが動作開始信号レベルよりも大きい場合、RF利得制御部17は、レベル減算処理がなされた利得調整信号S1をもとに、LNA3bの利得を低下させる利得制御を行う。また、利得調整信号S1による信号レベルが動作開始信号レベル以下である場合、RF利得制御部17は、LNA3bの利得を低下させる利得制御を行わず、LNA3bは、RF利得制御部17に利得制御されていない初期の利得によって、RF信号の振幅値を増幅する。すなわち、上述した動作開始信号レベルは、RF利得制御部17がLNA3bに対して利得制御動作を開始する信号レベルとして設定され、この場合、動作開始点設定部18は、上述したレベル減算処理を行って、RF利得制御部17がLNA3bに対する利得制御を開始する動作タイミングを設定している。
【0049】
図3は、ベースバンド信号の信号レベルと可変増幅器3fの利得との関係、および、ベースバンド信号の信号レベルとLNA3bの利得との関係を例示する図である。なお、線L1は、ベースバンド信号の信号レベルと可変増幅器3fの利得との関係に対応し、線L2は、ベースバンド信号の信号レベルとLNA3bの利得との関係に対応する。
【0050】
図3に示すように、線L1は、信号レベルd1以下の信号レベル範囲において、初期の利得g2を呈し、信号レベルd1を超えた信号レベル範囲において、利得が変動している。すなわち、IF利得制御部16は、ベースバンド信号の信号レベルが信号レベルd1よりも大きい場合、受信した利得調整信号S1をもとに可変増幅器3fの利得制御を行う。この場合、信号レベルd1は、IF利得制御部16が可変増幅器3fに対して利得制御動作を開始する信号レベルに相当する。なお、信号レベルd1は、ユーザによって予め設定された固定値である。
【0051】
一方、線L2は、信号レベルd2以下の信号レベル範囲において、初期の利得g1を呈し、信号レベルd2を超えた信号レベル範囲において、利得が変動している。すなわち、RF利得制御部17は、ベースバンド信号の信号レベルが信号レベルd2よりも大きい場合、受信した利得調整信号S1をもとにLNA3bの利得制御を行う。この場合、信号レベルd2は、上述した動作開始信号レベルに相当する。なお、信号レベルd2は、信号レベルd1よりも大きい信号レベル範囲に設定されることが望ましい。
【0052】
ここで、信号レベルd2が、上述した動作開始信号レベルと同様に、レジスタ18bに更新自在に格納された場合、ユーザは、信号レベルd2を適宜変更することができ、上述した動作開始信号レベルを低レベル側または高レベル側にシフトできる。この場合、チューナ3全体の利得制御におけるIF利得制御部16による利得制御とRF利得制御部17による利得制御との割合が操作され、これによって、異なるチューナ特性を有する各チューナに対応したAGC装置を実現できる。
【0053】
その後、図2に示すRF利得制御部17は、受信した利得調整信号S1をもとに、図1に示したチューナ3のLNA3bに印加する電圧値をLNA3bの定格電圧範囲で設定し、設定した印加電圧に対応するRF利得制御信号SRFをLNA3b側に出力する。これによって、LNA3bは、RF利得制御信号SRFに対応する印加電圧が入力され、RF信号の振幅値を増幅する。
【0054】
RF利得制御部17は、信号入力端にLPF17aが配置され、信号出力端にPWM変換部17gが配置される。また、LPF17aからPWM変換部17gに向けて順次、クランプ回路17b、上限設定部17c、極性設定部17d、電圧調整部17e、およびマニュアル切換部17fが接続される。この場合、誤差検出部13から出力された利得調整信号S1は、アンプ14を介してLPF16aに入力され、LPF16aは、係数設定部15の係数処理部15dから受信したフィルタ係数信号S4をもとにフィルタ係数が設定され、設定されたフィルタ係数に応じた応答速度で利得調整信号S1を積分する。LPF17aによって積分された利得調整信号S1は、該利得調整信号S1に対応する利得でRF信号を増幅するためのLNA3bの印加電圧に関する情報を含む印加電圧信号として、LPF17aから出力される。
【0055】
つぎに、LPF17aから出力された印加電圧信号は、クランプ回路17bに入力される。クランプ回路17bは、受信した印加電圧信号の負成分を除去する。クランプ回路17bによって負成分が除去された印加電圧信号は、上限設定部17cに入力される。上限設定部17cは、受信した印加電圧信号に対応する印加電圧の上限値を設定し、これによって、この印加電圧信号に対応する印加電圧値は、LNA3bの定格電圧以下の電圧値に調整される。
【0056】
上限設定部17cによって上限値が設定された印加電圧信号は、極性設定部17dを介して電圧調整部17eに入力される。電圧調整部17eは、加算回路を用いて実現され、上述した電圧調整部16eと同様に機能する。すなわち、電圧調整部17eは、受信した印加電圧信号に対して電圧調整部16eと同様に電圧調整処理を行って、上述した電圧範囲内の印加電圧値がLNA3bに印加されるように、この印加電圧信号に対応する印加電圧値を調整する。電圧調整部17eから出力される印加電圧信号は、上述したように、クランプ回路17bによって負成分が除去され、上限設定部17cによって上限値が設定され、さらに、電圧調整部17eによって電圧調整処理がなされた印加電圧値に対応している。この場合、電圧調整部17eは、この印加電圧値に対応する印加電圧信号S6を出力する。
【0057】
電圧調整部17eによって電圧調整処理がなされた印加電圧信号S6は、マニュアル切換部17fに入力される。マニュアル切換部17fは、固定電圧値が予め格納されたレジスタ等の記憶手段と出力信号を切り換える切換手段等とを用いて実現され、上述したマニュアル切換部16fと同様に機能する。ただし、この固定電圧値は、ユーザによって予め設定されたLNA3bの印加電圧値である。
【0058】
マニュアル切換部17fから出力された印加電圧信号S6は、PWM変換部17gに入力される。PWM変換部17gは、上述したPWM変換部16gと同様に機能する。したがって、PWM変換部17gが印加電圧信号S6を受信した場合、この印加電圧信号S6は、上述したPWM変換処理によって、ハイレベルに対応した各矩形波のパルス幅がLNA3bへの印加電圧値に対応するPWM信号に変換される。この場合、PWM変換部17gは、印加電圧信号S6から変換したPWM信号をRF利得制御信号SRFとして出力する。
【0059】
つぎに、上述したPWM変換部16gが行うPWM変換処理を具体的に説明する。図4は、印加電圧信号S5のデジタル信号構成を例示して、PWM変換部16gが、電圧調整部16fから出力された印加電圧信号S5をIF利得制御信号SIFに変換するPWM変換処理を具体的に説明する図である。図4に示すように、印加電圧信号S5は、ハイレベル(たとえば1)に対応した矩形波(高の矩形波)が、周期t1内に3つ連続して存在し、周期t2内に2つ連続して存在し、周期t3内に1つ存在するデジタル信号である。
【0060】
PWM変換部16gが図4に例示される印加電圧信号S5を受信した場合、PWM変換部16gは、周期t1〜t3に存在する高の矩形波をそれぞれ検出する。つぎに、PWM変換部16gは、周期t1に存在する3つの高の矩形波を合成して、該3つの高の矩形波をパルス幅aの高の矩形波に変換し、周期t2に存在する2つの高の矩形波を合成して、該2つの高の矩形波をパルス幅bの高の矩形波に変換し、周期t3に存在する1つの高の矩形波をパルス幅cの高の矩形波に変換する。これによって、PWM変換部16gは、周期t1内にパルス幅aの高の矩形波が存在し、周期t2内にパルス幅bの高の矩形波が存在し、周期t3内にパルス幅cの高の矩形波が存在するPWM信号を生成する。その後、PWM変換部16gは、生成したPWM信号をIF利得制御信号SIFとして出力し、上述したPWM変換処理を達成する。ただし、パルス幅aは、印加電圧信号S5の一つの矩形波が有するパルス幅の3倍であり、パルス幅bは、この一つの矩形波が有するパルス幅の2倍であり、パルス幅cは、この一つの矩形波が有するパルス幅と同等である。
【0061】
なお、ここでは、PWM変換部16gによるPWM変換処理を具体的に説明したが、上述したPWM変換部17gは、PWM変換部16gと同様に機能するので、PWM変換部17gによるPWM変換処理の具体例は、上述したPWM変換部16gによるPWM変換処理の場合と同様に説明できる。
【0062】
また、PWM変換部16gによってPWM変換処理がなされる印加電圧信号S5として、周期t1内に3つ連続して存在し、周期t2内に2つ連続して存在し、周期t3内に1つ存在するデジタル信号を例示したが、これに限らず、所望の周期毎に所望数の高の矩形波が存在するデジタル信号に対して上述したPWM変換処理を行うことができ、さらに、この所望数の高の矩形波が所望の周期内において連続していなくても、上述したPWM変換処理を行うことができる。
【0063】
つぎに、上述した振幅検出部11の詳細な構成および振幅検出部11による演算処理の動作について説明する。図5は、振幅検出部11の構成例を示すブロック図である。図5において、振幅検出部11は、正負判別回路11a、ビット反転回路11b、加算回路11c、および振幅値演算回路11dを有する。振幅検出部11の信号入力端には、正負判別回路11aが配置され、振幅検出部11の信号出力端には、振幅値演算回路11dが配置される。また、正負判別回路11aにはビット反転回路11bおよび振幅値演算回路11dが接続され、加算回路11cには、ビット反転回路11bおよび振幅値演算回路11dが接続される。
【0064】
正負判別回路11aは、I軸信号SおよびQ軸信号Sを受信し、受信したI軸信号SおよびQ軸信号Sの各最上位ビットを抽出し、抽出した各最上位ビットをもとに、I軸信号Sに対応するI軸成分が正の値であるか負の値であるかを判別するとともにQ軸信号Sに対応するQ軸成分が正の値であるか負の値であるかを判別する。この場合、正負判別回路11aは、抽出した最上位ビットが1である信号に対応する数値を負の値と判別し、抽出した最上位ビットが0である信号に対応する数値を正の値と判別する。その後、正負判別回路11aは、負の値と判別した数値に対応する信号として、負値信号S7をビット反転回路11bに送出し、正の値と判別した数値に対応する信号として、正値信号S8を振幅値演算回路11dに送出する。
【0065】
ビット反転回路11bは、論理否定回路を用いて実現され、受信した負値信号S7に対応する負の値を表すデジタル値の各ビットを0から1または1から0に反転し(ビット反転処理)、このデジタル値の各ビットの数値が反転されたデジタル値(ビット反転値)を出力する。この場合、ビット反転回路11bは、このビット反転値に対応する反転値信号S9を出力する。たとえば、ビット反転回路11bは、10011という5ビットのデジタル値に対応する負値信号S7を受信した場合、この5ビットのデジタル値に対してビット反転処理を行って、01100という5ビットのビット反転値を生成し、このビット反転値に対応する反転値信号S9を出力する。
【0066】
ビット反転回路11bから出力された反転値信号S9は、加算回路11cに入力される。加算回路11cは、受信した反転値信号s9に対応するビット反転値の最下位ビットの数値に1を加算する(加算処理)。すなわち、加算回路11cは、この加算処理を行って、上述した負値信号S7に対応する負の値を表すデジタル値の2の補数を出力する。この場合、加算回路11cは、この加算処理によって得られた2の補数に対応する補数信号S10を出力する。
【0067】
加算回路11cから出力された補数信号S10および正負判別回路11aから出力された正値信号S8は、振幅値演算回路11dに入力される。振幅値演算回路11dは、受信した正値信号S8に対応するデジタル値と補数信号S10に対応するデジタル値とを上述したI軸成分およびQ軸成分の各絶対値として設定するとともに、このI軸成分の絶対値|I|とQ軸成分の絶対値|Q|とを加算して振幅値|P|を出力する(振幅値演算処理)。この場合、振幅値|P|は、次式によって演算出力される。
|P|=|I|+|Q| ・・・(1)
その後、振幅値演算回路11dは、振幅値演算処理によって得られた振幅値|P|に対応する振幅値信号Sを出力する。
【0068】
ここで、振幅検出部11が、I軸信号SIに対応するI軸成分およびQ軸信号SQに対応するQ軸成分をもとに、ベースバンド信号の振幅値|P|を出力するまでの各処理について具体的に説明する。図6は、正の値を示すデジタル値が、正負判別回路11aに入力され、その後、振幅値演算回路11dに入力されるとともに絶対値として設定されるまでのビットの状態を例示する図である。図7は、負の値を示すデジタル値が、正負判別回路11aに入力され、その後、振幅値演算回路11dに入力されるとともに絶対値として設定されるまでのビットの状態を例示する図である。図8は、振幅値演算回路11dが、絶対値|I|および絶対値|Q|を用いて振幅値演算処理を行い、振幅値|P|を出力する場合の各デジタル値のビットの状態を例示する図である。なお、図6〜8では、12ビットのデジタル値を用いた場合を例示するが、この発明は、これに限らず、所望のビット数のデジタル値を用いてもよい。
【0069】
図6および図7において、I軸成分が正の値(たとえば145)を示すデジタル値に対応し、Q軸成分が負の値(たとえば−115)を示すデジタル値に対応している場合、正負判別回路11aは、I軸成分のデジタル値(000010010001)の12桁目の数値(0)を抽出し、このI軸成分のデジタル値が正の値であると判別する。この場合、正負判別回路11aは、このI軸成分のデジタル値に対応する正値信号S8を振幅値演算回路11dに送出する。振幅値演算回路11dは、受信した正値信号S8に対応するI軸成分のデジタル値(000010010001)を絶対値|I|として設定する。一方、正負判別回路11aは、Q軸成分のデジタル値(111110001101)の12桁目の数値(1)を抽出し、このQ軸成分のデジタル値が負の値であると判別する。この場合、正負判別回路11aは、このQ軸成分のデジタル値に対応する負値信号S7をビット反転回路11bに送出する。ビット反転回路11bは、受信した負値信号S7に対応するQ軸成分のデジタル値に対してビット反転処理を行って、このQ軸成分のビット反転値(000001110010)を演算出力し、このQ軸成分のビット反転値に対応する反転値信号S9を加算回路11cに送出する。加算回路11cは、受信した反転値信号S9に対応するQ軸成分のビット反転値の最下位ビットの数値に1を加算して、このQ軸成分の2の補数(000001110011)を演算出力し、このQ軸成分の2の補数に対応する補数信号S10を振幅値演算回路11dに送出する。振幅値演算回路11dは、受信した補数信号S10に対応するQ軸成分の2の補数(000001110011)を絶対値|Q|として設定する。
【0070】
図8において、振幅値演算回路11dは、得られた絶対値|I|および絶対値|Q|に対して振幅値演算処理を行い、振幅値|P|のデジタル値を出力する。この場合、絶対値|I|はI軸成分の正の値(たとえば145)を示し、絶対値|Q|はQ軸成分の正の値(たとえば115)を示し、振幅値演算回路11dは、式(1)に基づく振幅値|P|(たとえば260)を得るとともに該振幅値|P|のデジタル値(000100000100)を出力する。
【0071】
この実施の形態1では、IF利得制御部16およびRF利得制御部17が、ベースバンド信号の平均振幅値を用いて出力された一つの利得調整信号S1を共用して、IF信号の利得およびRF信号の利得をそれぞれ制御し、チューナから出力されるIF信号の振幅値を理想振幅値に調整しているので、車載用のデジタルテレビ用受信装置に用いられるAGC装置の回路規模を小型化することができる。
【0072】
また、係数設定部15が、この利得調整信号S1を共用し、この利得調整信号S1に含まれる信号レベル情報をもとに平均受信電力を求め、該平均受信電力をもとに平均化フィルタ12およびLPF16a,17aの各フィルタ係数をそれぞれ設定しているので、一つの平均受信電力を用いて平均化フィルタ12およびLPF16a,17aの各応答速度を個別に自動設定することができる。たとえば、車が停止している状態では、受信される信号の電界変動が小さく、この場合、係数設定部15は、応答速度を低下させるように、各フィルタのフィルタ係数を自動設定する。一方、車が移動している状態では、受信される信号の電界変動が大きく、この場合、係数設定部15は、応答速度を上昇させるように、各フィルタのフィルタ係数を自動設定する。これによって、車載環境で発生する様々な電界変動に対して、常時最適な応答速度でIF信号の利得およびRF信号の利得を制御できるAGC装置を小規模な回路構成で実現できる。
【0073】
さらに、IF利得制御部16が、IF信号を増幅する可変増幅器3fの印加電圧に対応する信号をPWM信号に変換して出力し、RF利得制御部17が、RF信号を増幅するLNA3bの印加電圧に対応する信号をPWM信号に変換して出力しているので、IF利得制御部16が可変増幅器3fの利得制御を行う場合、IF利得制御部16から出力されたPWM信号が、後段のLPF9によって積分された後に可変増幅器3fに入力されればよく、RF利得制御部17がLNA3bの利得制御を行う場合、RF利得制御部17から出力されたPWM信号が、後段のLPF8によって積分された後にLNA3bに入力されればよい。これによって、回路規模の小型化が促進されたAGC装置を容易に実現できる。また、このLPF8,9の各フィルタ係数を設定変更できるようにした場合、LPF8,9の各フィルタ係数を適宜更新することによって、可変増幅器3fおよびLNA3bの各印加電圧を微調整することができる。
【0074】
また、RF利得制御部17がRF信号の利得制御を開始する動作開始信号レベルを予めレジスタに格納され、この動作開始信号レベルとベースバンド信号の信号レベルとをもとに、RF利得制御部17による利得制御の動作タイミングが設定されるように構成しているので、IF信号の利得制御動作とRF信号の利得制御動作との割合を適宜調整することができ、これによって、特性の異なる様々なチューナに対応でき、チューナに対する汎用性を高めたAGC装置を容易に実現できる。
【0075】
さらに、振幅検出部11が、デジタル演算回路を用いて構成され、ベースバンド信号のI軸成分およびQ軸成分の各絶対値を求め、得られたI軸成分の絶対値とQ軸成分の絶対値とを加算して、このベースバンド信号の振幅値を検出しているので、この振幅値を検出する各処理の時間を短縮して応答速度の低下を防止でき、これによって、車載環境で発生する急激な電界変動に対応できるAGC装置を小規模な回路構成で実現することができる。
【0076】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、利得調整信号S1をもとに平均受信電力を算出し、一つの該平均受信電力をもとに各フィルタのフィルタ係数を個別に自動設定していたが、この実施の形態2では、各フィルタのフィルタ係数を予めレジスタに格納し、格納した各フィルタ係数をフィルタ毎に読み出して、各フィルタのフィルタ係数を個別に設定している。
【0077】
図9は、この発明の実施の形態2であるAGC装置の構成例を示すブロック図である。このAGC装置20は、実施の形態1のAGC装置10係数設定部15の代わりに係数設定部21〜23を設け、係数設定部21が平均化フィルタ12に接続され、係数設定部22がLPF16aに接続され、係数設定部23がLPF17aに接続されている。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0078】
係数設定部21は、フィルタ係数を出力するまでの各処理を実行するCPU、これらの各処理プログラム等のデータを記憶するROM、およびユーザによって予め設定されたフィルタ係数等を記憶するレジスタ21aを有することで実現される。係数処理部21は、レジスタ21aに格納されたフィルタ係数を読み出し、読み出したフィルタ係数に対応するフィルタ係数信号S2を平均化フィルタ12に送出し、これによって、平均化フィルタ12のフィルタ係数を設定する。この場合、平均化フィルタ12は、設定されたフィルタ係数に応じた応答速度によって、上述した振幅平均化処理を行う。なお、係数処理部21による各処理機能は、CPUがROMに格納された処理プログラムを実行することによって実現される。
【0079】
係数処理部22は、上述した係数処理部21と同様の構成によって実現され、上述した係数処理部21と同様に、レジスタ22aに格納されたフィルタ係数を読み出す。その後、係数処理部22は、読み出したフィルタ係数に対応するフィルタ係数信号S3をLPF16aに送出し、これによって、LPF16aのフィルタ係数を設定する。この場合、LPF16aは、設定されたフィルタ係数に応じた応答速度で利得調整信号S1を積分する。
【0080】
係数処理部23は、上述した係数処理部21,22と同様の構成によって実現され、上述した係数処理部21,22と同様に、レジスタ23aに格納されたフィルタ係数を読み出す。その後、係数処理部23は、読み出したフィルタ係数に対応するフィルタ係数信号S4をLPF17aに送出し、これによって、LPF17aのフィルタ係数を設定する。この場合、LPF17aは、設定されたフィルタ係数に応じた応答速度で利得調整信号S1を積分する。
【0081】
なお、この実施の形態2では、フィルタ毎に係数設定部を設けて、各フィルタのフィルタ係数を個別に設定していたが、この発明は、これに限定されるものではなく、一つの係数設定部のレジスタに複数のフィルタ係数を格納させて、この一つの係数設定部が、複数のフィルタのフィルタ係数を個別に設定してもよい。
【0082】
この実施の形態2では、ユーザによって設定されたフィルタ係数がレジスタに予め格納され、AGC装置を構成する各フィルタのフィルタ係数が、このレジスタに格納されたフィルタ係数によって個別に設定されるので、受信信号の電界変動に応じて、適宜最適な応答速度を設定することができ、車載環境で発生する様々な電界変動に対して、適宜最適な応答速度でIF信号の利得およびRF信号の利得を制御できるAGC装置を小規模な回路構成で容易に実現できる。
【0083】
【発明の効果】
以上に説明したように、この請求項1の発明によれば、利得調整手段が、前記IF信号に対する直交復調処理によって生成されたベースバンド信号のI軸成分およびQ軸成分をもとに該ベースバンド信号の振幅値を求め、該振幅値を平均化した平均振幅値を算出し、前記所望振幅値と前記平均振幅値との誤差を検出し、該誤差に応じて、前記RF信号増幅手段および前記IF信号増幅手段の利得調整に関する利得調整情報を出力し、IF利得制御手段が、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報をもとに、前記IF信号増幅手段に印加する電圧を設定し、前記IF信号増幅手段の利得制御を行い、RF利得制御手段が、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報をもとに、前記RF信号増幅手段に印加する電圧を設定し、前記RF信号増幅手段の利得制御を行うので、車載環境に起因する電界変動に応じて、前記IF信号の振幅値を前記所望振幅値に調整でき、車載用のデジタルテレビ用受信装置に好適な自動利得制御装置を小規模な回路構成で実現できるという効果を奏する。
【0084】
また、請求項2の発明によれば、平均受信電力処理手段が、前記利得調整手段から入力された利得調整情報をもとに前記ベースバンド信号の平均受信電力を求め、該平均受信電力に対応する平均受信電力情報を出力し、第1フィルタ係数設定手段が、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記IF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第1フィルタのフィルタ係数を設定し、第2フィルタ係数設定手段が、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記RF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第2フィルタのフィルタ係数を設定し、平均化フィルタ係数設定手段が、前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記平均振幅値を出力する前記利得調整手段の平均化フィルタのフィルタ係数を設定しているので、一つの前記平均受信電力情報を用いて前記平均化フィルタ、前記第1フィルタ、および前記第2フィルタの各応答速度を個別に自動設定することができ、車載環境で発生する様々な電界変動に対して、常時最適な応答速度で前記IF信号増幅手段の利得制御と前記RF信号増幅手段の利得制御とを行える自動利得制御装置を小規模な回路構成で実現できるという効果を奏する。
【0085】
また、請求項3の発明によれば、フィルタ係数設定手段が、前記IF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第1フィルタの第1フィルタ係数、前記RF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第2フィルタの第2フィルタ係数、および前記平均振幅値を出力する前記利得調整手段の平均化フィルタの第3フィルタ係数の少なくとも一つが予め格納された記憶手段を有し、該記憶手段から前記第1フィルタ係数、前記第2フィルタ係数、および前記第3フィルタ係数の少なくとも一つを読み出して、前記第1フィルタのフィルタ係数、前記第2フィルタのフィルタ係数、および前記平均化フィルタのフィルタ係数の少なくとも一つを個別に設定しているので、受信電界レベルの変動に応じて、適宜最適な応答速度を設定することができ、車載環境で発生する様々な電界変動に対して、適宜最適な応答速度で前記IF信号増幅手段の利得制御と前記RF信号増幅手段の利得制御とを行える自動利得制御装置を小規模な回路構成で容易に実現できるという効果を奏する。
【0086】
また、請求項4の発明によれば、動作開始点設定手段が、前記ベースバンド信号の信号レベルに対応する動作開始情報が予め格納された記憶手段を有し、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報と前記記憶手段から読み出した前記動作開始情報とをもとに、前記RF利得制御手段に対して、前記RF信号増幅手段の利得制御を開始する動作タイミングを設定しているので、前記IF信号増幅手段の利得制御動作と前記RF信号増幅手段の利得制御動作との割合を適宜調整することができ、これによって、特性の異なる様々なチューナに対応でき、チューナに対する汎用性を高めた自動利得制御装置を容易に実現できるという効果を奏する。
【0087】
また、請求項5の発明によれば、第1PWM変換手段が、前記IF利得制御手段に配置され、前記IF信号増幅手段に印加すべき電圧に対応するデジタル信号のハイレベルに対応した複数の矩形波を合成して、該電圧をPWM信号に変換し、第2PWM変換手段が、前記RF利得制御手段に配置され、前記RF信号増幅手段に印加すべき電圧に対応するデジタル信号のハイレベルに対応した複数の矩形波を合成して、該電圧をPWM信号に変換しているので、単純な回路構成によって、前記IF信号増幅手段に所望電圧を印加するとともに前記IF信号増幅手段に所望電圧を印加することができ、当該自動利得制御装置の小規模化を促進することができるという効果を奏する。
【0088】
また、請求項6の発明によれば、前記利得調整手段が、前記ベースバンド信号のI軸成分をもとに該I軸成分の絶対値を求めるとともに前記ベースバンド信号のQ軸成分をもとに該Q軸成分の絶対値を求め、該I軸成分の絶対値と該Q軸成分の絶対値とを加算処理して前記ベースバンド信号の振幅値を検出する振幅検出手段を備えているので、前記振幅値を検出する処理時間を短縮して前記利得調整手段の応答速度の低下を防止でき、車載環境で発生する急激な電界変動に対応できる自動利得制御装置を小規模な回路構成で実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるAGC装置を用いたデジタルテレビ用の受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1であるAGC装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】ベースバンド信号の信号レベルとIF信号またはRF信号の各利得との関係を例示する図である。
【図4】PWM変換処理を具体的に説明する図である。
【図5】振幅検出部の構成例を示すブロック図である。
【図6】正の値を示すデジタル値が絶対値として設定されるまでのビットの状態を例示する図である。
【図7】負の値を示すデジタル値が絶対値として設定されるまでのビットの状態を例示する図である。
【図8】振幅値演算処理における各デジタル値のビットの状態を例示する図である。
【図9】この発明の実施の形態2であるAGC装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 受信装置
2 アンテナ
3 チューナ
3a,3e BPF
3b LNA
3c 混合器
3d 局部発振器
3f 可変増幅器
4 AD変換器
5 デジタル直交復調器
6〜9,16a,17a LPF
10,20 AGC装置
11 振幅検出部
11a 正負判別回路
11b ビット反転回路
11c 加算回路
11d 振幅値演算回路
12,15a 平均化フィルタ
13 誤差検出部
14,19 アンプ
15,21〜23 係数設定部
15b〜15d 係数処理部
16 IF利得制御部
17 RF利得制御部
16b,17b クランプ回路
16c,17c 上限設定部
16d,17d 極性設定部
16e,17e 電圧調整部
16f,17f マニュアル切換部
16g,17g PWM変換部
18 動作開始点設定部
18a 減算器
18b,21a〜23a レジスタ
S1 利得調整信号
S2〜S4 フィルタ係数信号
S5,S6 印加電圧信号
S7 負値信号
S8 正値信号
S9 反転値信号
S10 補数信号
I軸信号
振幅値信号
Q軸信号
IF IF利得制御信号
RF RF利得制御信号

Claims (6)

  1. 受信されたRF信号を増幅するRF信号増幅手段の利得を制御するとともに、前記RF信号から変換されたIF信号を増幅するIF信号増幅手段の利得を制御して、直交復調される前記IF信号の振幅を所望振幅値に調整する自動利得制御装置において、
    前記IF信号に対する直交復調処理によって生成されたベースバンド信号のI軸成分およびQ軸成分をもとに該ベースバンド信号の振幅値を求め、該振幅値を平均化した平均振幅値を算出し、前記所望振幅値と前記平均振幅値との誤差を検出し、該誤差に応じて、前記RF信号増幅手段および前記IF信号増幅手段の利得調整に関する利得調整情報を出力する利得調整手段と、
    前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報をもとに、前記IF信号増幅手段に印加する電圧を設定し、前記IF信号増幅手段の利得制御を行うIF利得制御手段と、
    前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報をもとに、前記RF信号増幅手段に印加する電圧を設定し、前記RF信号増幅手段の利得制御を行うRF利得制御手段と、
    を備えたことを特徴とする自動利得制御装置。
  2. 前記利得調整手段から入力された利得調整情報をもとに前記ベースバンド信号の平均受信電力を求め、該平均受信電力に対応する平均受信電力情報を出力する平均受信電力処理手段と、
    前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記IF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第1フィルタのフィルタ係数を設定する第1フィルタ係数設定手段と、
    前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記RF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第2フィルタのフィルタ係数を設定する第2フィルタ係数設定手段と、
    前記平均受信電力処理手段から入力された前記平均受信電力情報をもとに、前記平均振幅値を出力する前記利得調整手段の平均化フィルタのフィルタ係数を設定する平均化フィルタ係数設定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動利得制御装置。
  3. 前記IF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第1フィルタの第1フィルタ係数、前記RF利得制御手段に入力される信号の高周波成分を除去する第2フィルタの第2フィルタ係数、および前記平均振幅値を出力する前記利得調整手段の平均化フィルタの第3フィルタ係数の少なくとも一つが予め格納された記憶手段を有し、該記憶手段から前記第1フィルタ係数、前記第2フィルタ係数、および前記第3フィルタ係数の少なくとも一つを読み出して、前記第1フィルタのフィルタ係数、前記第2フィルタのフィルタ係数、および前記平均化フィルタのフィルタ係数の少なくとも一つを個別に設定するフィルタ係数設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動利得制御装置。
  4. 前記ベースバンド信号の信号レベルに対応する動作開始情報が予め格納された記憶手段を有し、前記利得調整手段から入力された前記利得調整情報と前記記憶手段から読み出した前記動作開始情報とをもとに、前記RF利得制御手段に対して、前記RF信号増幅手段の利得制御を開始する動作タイミングを設定する動作開始点設定手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動利得制御装置。
  5. 前記IF利得制御手段に配置され、前記IF信号増幅手段に印加すべき電圧に対応するデジタル信号のハイレベルに対応した複数の矩形波を合成し、該電圧をPWM信号に変換する第1PWM変換手段と、
    前記RF利得制御手段に配置され、前記RF信号増幅手段に印加すべき電圧に対応するデジタル信号のハイレベルに対応した複数の矩形波を合成し、該電圧をPWM信号に変換する第2PWM変換手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動利得制御装置。
  6. 前記利得調整手段は、前記ベースバンド信号のI軸成分をもとに該I軸成分の絶対値を求めるとともに前記ベースバンド信号のQ軸成分をもとに該Q軸成分の絶対値を求め、該I軸成分の絶対値と該Q軸成分の絶対値とを加算処理して前記ベースバンド信号の振幅値を検出する振幅検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動利得制御装置。
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