JP2005032794A - 印刷用マスク及びそれを用いた部品実装基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができるとともに、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れ、さらにスキージの耐久性も向上できる印刷用マスクを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の印刷用マスクは、下面を基板に当接させ上面にスキージを摺動させてパターン孔1,2,3を介して前記基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスクであって、パターン孔3の開口部4内に前記スキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部4を複数に区画する1以上の連結部5を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の印刷用マスクは、下面を基板に当接させ上面にスキージを摺動させてパターン孔1,2,3を介して前記基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスクであって、パターン孔3の開口部4内に前記スキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部4を複数に区画する1以上の連結部5を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品実装基板を構成する基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスク及びそれを用いた部品実装基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子部品等の部品を基板に半田付けする場合には、基板の表面に銅箔等で形成された電極に応じてパターン孔が形成された印刷用マスクの下面を基板に当接させ、スキージを印刷用マスクの上面を摺動させることにより、印刷用マスクの上面のクリーム半田をパターン孔を介して基板の表面の電極上に印刷する。クリーム半田の印刷後、印刷用マスクを基板の上から取り外した後、部品をクリーム半田が印刷された電極の上に載置する。次いで、部品が載置された基板をリフロ炉等で加熱することにより半田を溶融固化させて部品が基板に半田付けされる。
【0003】
近年、電子製品の発する電磁波による電磁波障害を防止するために、部品実装基板において、特に動作周波数の高い電子部品の周囲を、ステンレス製等の金属製等の薄板で形成されたシールドケースを半田付けして取り囲む回路設計が採用されている。大型の部品であるシールドケースの半田付けの際には、シールドケースと基板の電極との間に欠陥のない適正な半田フィレットを形成する必要がある。半田付けがなされてなくシールドケースと電極との間に隙間がある場合には、その隙間から電磁波がシールドケース外に漏れる可能性が高くなり、また半田付けされていない銅箔等の電極は腐食し易いので、部品実装基板の信頼性が低下するおそれがあるからである。
【0004】
そこで、シールドケース等の大型の電子部品を基板に半田付けする方法や、クリーム半田の印刷欠陥を防ぐための種々の技術が開発されている。
【0005】
シールドケース等の大型の電子部品を基板に半田付けする方法としては、例えば、(特許文献1)の〔従来の技術〕に記載されているように、「スクリーンでクリーム半田を基板の電子部品を実装する電極に印刷した後に電子部品を載置し、次に基板の上にシールドケースを載置した後ディスペンサで基板とシールドケースの接触面にクリーム半田を塗布し、次いでクリーム半田を溶融固化させる方法」が知られている。しかしながら、この方法では、電子部品とシールドケースとに対して別途にクリーム半田を塗布していたので多くの作業時間を要し作業性に欠けるという問題点を有していた。また、ディスペンサを用いて塗布するクリーム半田は、印刷用のクリーム半田と比べて高価であるため、部品が実装された基板のコストが高価になるという課題を有していた。
【0006】
そこで、シールドケース等の大型の部品を基板に半田付けする作業性に優れた方法として、例えば、(特許文献1)に、「基板に設けられた銅箔部の上の電子部品及びシールドケースの半田付け位置に応じたスクリーンを用いて前記銅箔部の上に半田を塗布した後、塗布された半田上に前記電子部品と前記シールドケースを載置してから半田を固着させるシールドケースの基板半田付け方法」が記載されている。
【0007】
また、クリーム半田の印刷欠陥を防ぐ技術として、(特許文献2)に「印刷マスクが接する部分を高硬度弾性体で形成した板状高硬度弾性体部と、スキージホルダーと、前記スキージホルダーと前記板状高硬度弾性部との間に設けた板状低硬度弾性体で形成した板状低硬度弾性体部と、を備えた印刷用スキージ」が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−111580号公報
【特許文献2】
特開平8−108519号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
【0010】
(1)(特許文献1)に記載の技術では、クリーム半田を印刷する際に、シールドケース等の大型の部品の半田付けのために形成された大面積のパターン孔内に、ゴム製等で形成されたスキージの一部が変形して入り込み、電極上のクリーム半田が掻き取られて抉れや窪み等の印刷欠陥が発生し易いという課題を有していた。これらの印刷欠陥が発生すると、印刷されるクリーム半田の量が局所的に著しく少ない部分が発生し、適正量の半田フィレットが形成されない、半田付けされない箇所が発生する等の半田付け不良が発生し、製造された部品実装基板の信頼性が低下するという課題を有していた。特に、近年、クリーム半田として、溶融時の濡れ性がSn−Pb共晶半田よりも乏しい鉛フリー半田が多く用いられる傾向にあるため、抉れ等の印刷欠陥が、そのまま半田付け不良の原因となり易いという課題を有していた。
【0011】
(2)また、近年、肉厚の薄い印刷用マスクが用いられているため、抉れや窪み等の印刷欠陥による半田付け不良が発生し易くなっている。基板に搭載される部品の小型化や高密度化による電極の狭ピッチ化に伴い、ブリッジの発生を防止するために電極上に印刷されるクリーム半田の量を最少化させる必要があり、そのため肉厚の薄い印刷用マスクが使用されるからである。
【0012】
(3)肉厚が薄く大面積のパターン孔が形成された印刷用マスクは、肉厚が薄いため印刷用マスクの機械的強度が乏しく耐久性に欠けるという問題点を有していた。
【0013】
(4)ゴム製等で形成されたスキージが印刷用マスクのパターン孔を通過するときに、変形してパターン孔内に入り込むので、スキージの破損や磨耗が激しくスキージの耐久性が低下するという課題を有していた。
【0014】
本発明は上記課題を解決するもので、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができるとともに、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れ、さらにスキージの耐久性も向上できる印刷用マスクを提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、工数を大幅に削減し作業性と生産性に優れるとともに半田付け不良の発生が少なく信頼性に優れた部品実装基板が得られ、さらに印刷用のクリーム半田を用いて多様な部品を実装することができコストダウンが可能な部品実装基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の印刷用マスクは、下面を基板に当接させ上面にスキージを摺動させてパターン孔を介して前記基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスクであって、前記パターン孔の開口部内に前記スキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部を複数に区画する1以上の連結部を備えた構成を有している。
【0017】
この構成により、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができるとともに、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れるとともに、スキージの耐久性も向上できる印刷用マスクを提供することができる。
【0018】
また、本発明の部品実装基板の製造方法は、パターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部を複数に区画する1以上の連結部を備えた印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷する印刷工程と、前記印刷工程でクリーム半田が印刷された基板の所定箇所に部品を載置する部品載置工程と、前記部品載置工程で部品が載置された基板を加熱して前記クリーム半田を溶融固化させ前記部品を前記基板に固着させる半田溶融固化工程と、を備えた構成を有している。
【0019】
この構成により、工数を大幅に削減し作業性と生産性に優れるとともに半田付け不良の発生が少なく信頼性に優れ、さらに印刷用のクリーム半田を用いて多様な部品を実装することができコストダウンが可能な部品実装基板が得られる部品実装基板の製造方法を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の印刷用マスクは、下面を基板に当接させ上面にスキージを摺動させてパターン孔を介して前記基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスクであって、前記パターン孔の開口部内に前記スキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部を複数に区画する1以上の連結部を備えた構成を有している。
【0021】
この構成により、以下のような作用が得られる。
【0022】
(1)パターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され開口部を複数に区画する1以上の連結部が形成されているので、クリーム半田の印刷時に、連結部が形成されてない場合や連結部がスキージの摺動方向と平行方向に形成された場合と比較して、スキージが開口部に入り込もうと変形する印刷用マスクの肉厚方向の変形量を小さくすることができ、スキージが開口部内に入り込み難いので、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができる。
【0023】
(2)連結部がパターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田の印刷時に開口部内に入り込んだスキージの変形が、スキージの摺動に伴って連結部に沿って徐々に復元されるため、スキージの復元力によって印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。連結部を有しなかったり連結部がスキージの摺動方向と平行方向や直交方向に形成されている場合は、開口部内に入り込んで変形したスキージが開口部の縁部で一気に復元するため、スキージの復元力が大きく印刷されたクリーム半田が掻き出され易いからである。
【0024】
(3)開口部内に連結部が形成されているので、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れる。
【0025】
(4)連結部が形成されているので、ゴム製等で形成されたスキージが印刷用マスクのパターン孔を通過するときに、変形してパターン孔内に入り込むのを防止することができ、スキージの磨耗等を抑制してスキージの耐久性を向上させることができる。
【0026】
ここで、印刷用マスクとしては、ステンレス製等の金属製や合成樹脂製、ガラス製等で板状に形成されたものが用いられる。
【0027】
開口部の位置や大きさとしては、部品が半田付けされる基板の電極の位置や大きさに応じて、適宜選択することができる。シールドケース等の大型の部品を半田付けする場合には、開口部の面積は、半田付けされる電極の面積の1〜3倍の範囲に形成することができる。基板に印刷されるクリーム半田の量を多くして、半田フィレットの体積を増やし部品を基板に強固に固着させるためである。
【0028】
ここで、開口部の面積が半田付けされる電極の面積の1倍より小さくなるにつれ印刷されるクリーム半田の量が少なく形成される半田フィレットが小さくなり半田付け不良が発生し易くなる傾向がみられ、3倍より大きくなると半田ボールが形成され易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0029】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷用マスクであって、前記連結部が、前記基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成された構成を有している。
【0030】
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
【0031】
(1)連結部が、基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田が印刷された基板の電極に部品を載置した後クリーム半田を溶融すると、部品の電極側面は溶融したクリーム半田で濡れ、基板の電極の上に負の大きな曲率を有する接触面を形成する。溶融したクリーム半田は、接触面の表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)に半田フィレットを形成していくため、部品の電極側面と溶融したクリーム半田との接触面は平面方向に広がり、基板の電極全面を半田で濡らすことができるとともに部品の電極側面との間で適正量の半田フィレットを形成することができる。
【0032】
ここで、部品としては、シールドケース、大型コイル、アルミ電解コンデンサ、フィルタ、パワートランジスタ、リブ付きアース端子等の実装される電極面積が大きく大面積のパターン孔が形成されるものが用いられる。
【0033】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の印刷用マスクであって、前記連結部の傾斜角度が、前記スキージの摺動方向及び/又は前記部品の前記電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成された構成を有している。
【0034】
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
【0035】
(1)連結部の傾斜角度が、スキージの摺動方向及び/又は部品の電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成されているので、連結部で開口部を所望する大きさや数に区画することができ開口部の周部の機械的強度を高め耐久性に優れるとともに、変形したスキージが開口部内に入り込み難く、さらに変形したスキージの復元力を小さくすることができ、印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。
【0036】
ここで、連結部の傾斜角度が、スキージの摺動方向や部品の電極側面に対して30°より小さくなるにつれ印刷用マスクの肉厚方向へのスキージの変形量が大きくなりスキージが開口部に入り込み易く、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりする印刷欠陥が発生し易くなる傾向がみられ、60°より大きくなるにつれクリーム半田の印刷時に開口部内に変形して入り込んだスキージが開口部の縁部で一気に復元し印刷されたクリーム半田が掻き出され易く印刷欠陥が発生し易くなる傾向がみられる。特に、20°より小さくなるか70°より大きくなると、これらの傾向が著しくなるので、いずれも好ましくない。
【0037】
本発明の請求項4に記載の部品実装基板の製造方法は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷する印刷工程と、前記印刷工程でクリーム半田が印刷された基板の所定箇所に部品を載置する部品載置工程と、前記部品載置工程で部品が載置された基板を加熱して前記クリーム半田を溶融固化させ前記部品を前記基板に固着させる半田溶融固化工程と、を備えた構成を有している。
【0038】
この構成により、以下のような作用が得られる。
【0039】
(1)クリーム半田の印刷不良が発生するのを防止することができるとともに、基板に載置された部品の半田付け不良が発生するのを防止することができるため、ディスペンサを用いてクリーム半田を基板に塗布したり半田コテを用いて半田付けをすることなく、印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷した後、シールドケース等の大型の部品やコンデンサ等の小型の部品を基板に載置しクリーム半田を溶融するだけで欠陥のない部品実装基板を製造することができ作業性と生産性に優れるとともに、信頼性に優れた部品実装基板を製造することができる。
【0040】
ここで、部品載置工程としては、連結部を除いて印刷・形成されたクリーム半田の壁面と部品の電極側面とが斜交するように、印刷されたクリーム半田の上に部品を載置するものが用いられる。これにより、半田溶融固化工程において溶融したクリーム半田は、表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)に半田フィレットを形成していくため、部品の電極側面と溶融したクリーム半田との接触面は電極の平面方向に広がり、電極全面を半田で濡らすことができるとともに部品の電極側面との間で適正量の半田フィレットを形成することができる。
【0041】
半田溶融固化工程としては、部品が載置された基板をリフロ炉等で加熱しクリーム半田を溶融固化させるものが用いられる。
【0042】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0043】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における印刷用マスクのパターン孔を示す模式図である。
【0044】
図中、1は実施の形態1における印刷用マスクのパターン孔である。印刷用マスクのパターン孔1は、ステンレス製等の金属製や合成樹脂製等で形成された板状の所定箇所に形成されている。2はIC,コンデンサ,抵抗等の電子部品が載置される基板の電極の位置や大きさに応じて形成されたパターン孔、3はパターン孔2の周囲に形成されステンレス製等の金属製の薄板で四角形の枠状に形成されたシールドケースが固着される電極の位置や大きさに応じて形成されたパターン孔、4はパターン孔3の開口部、5はパターン孔3の開口部4内にスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され開口部4を複数に区画する連結部、θは連結部5とスキージの摺動方向や載置される部品の電極側面とのなす角を示す連結部5の傾斜角度であり、本実施の形態1では、θは20〜70°好ましくは30〜60°に形成されている。
【0045】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における印刷用マスクを用いた部品実装基板の製造方法について、以下図面を参照しながら説明する。
【0046】
図2は本発明の実施の形態1における印刷用マスクを用いて電極に印刷されたクリーム半田の状態を示す模式図である。
【0047】
図2において、10はプリント基板等の基板の表面に銅箔等で形成された電極、11は印刷用マスクのパターン孔3の連結部5を除く開口部4を介して基板の電極10の上に印刷されたクリーム半田、11aは連結部5を除いて印刷・形成されたクリーム半田の壁面、11bは溶融した半田、12はステンレス製等の金属製の薄板で形成された部品としてのシールドケース、12aは部品としてのシールドケース12の側面からなる電極側面、13は電極側面12aと溶融したクリーム半田の壁面11aとの間に形成された接触面である。なお、本実施の形態1においては、印刷用マスクのパターン孔2の開口部4の幅は、基板の電極10の幅の1〜3倍に形成されている。
【0048】
部品実装基板の製造方法は、初めに、印刷用マスクの上面にスキージを摺動させてパターン孔2,3を介してクリーム半田を基板の電極10等に印刷する(印刷工程、図2(a)参照)。印刷用マスクのパターン孔3の開口部4内にはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され開口部4を複数に区画する連結部5が形成されているので、摺動するスキージの先端が開口部4に入り込もうとするのを連結部5で抑えてスキージの変形量を小さくすることができ、開口部4内にスキージが入り込む量を小さくすることができる。また、開口部4内に入り込んだスキージの変形が、スキージの摺動に伴って連結部5に沿って徐々に復元されるため、印刷されたクリーム半田がスキージの復元力によって抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。
【0049】
次に、印刷工程でパターン孔2を介して基板に印刷されたクリーム半田の上にIC,抵抗,コンデンサ等の電子部品を載置するとともに、パターン孔3を介してクリーム半田が印刷された基板の電極10に、連結部5を除いて印刷・形成されたクリーム半田の壁面11aと部品としてのシールドケース12の電極側面とが斜交するようにシールドケース12を載置する(部品載置工程、図2(b)参照)。
【0050】
次いで、ICやシールドケース等の部品が載置された基板をリフロ炉等を用いて加熱して、クリーム半田を溶融固化させ部品を基板に固着する(半田溶融固化工程)。
【0051】
半田溶融固化工程において、図2(c)に示すように、クリーム半田が加熱されて溶融した半田11bによってシールドケース12の電極側面12aが濡れ、電極側面12aと壁面11aとの間に負の大きな曲率を有する接触面13を形成する。溶融した半田11bは、接触面13の表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)に広がっていくため、図2(d)に示すように、電極側面12aと溶融した半田11bの壁面11aとの間に形成された接触面13は平面方向に広がり、図2(e)に示すように、電極10の全面を溶融した半田11bで濡らすことができる。
【0052】
以上のように、本発明の実施の形態1における印刷用マスクは構成されているので、以下のような作用が得られる。
【0053】
(1)パターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対し傾斜して開口部を複数に区画する1以上の連結部が形成されているので、スキージが開口部に入り込もうと変形する印刷用マスクの肉厚方向の変形量を小さくすることができ、スキージが開口部内に入り込み難いので、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができる。
【0054】
(2)連結部がパターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田の印刷時に開口部内に入り込んだスキージの変形が、スキージの摺動に伴って連結部に沿って徐々に復元されるため、スキージの復元力によって印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。
【0055】
(3)開口部内に連結部が形成されているので、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れる。
【0056】
(4)連結部が、基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田が印刷された電極に部品を載置した後クリーム半田を溶融すると、部品の電極側面は溶融したクリーム半田で濡れ負の大きな曲率を有する接触面を形成する。溶融したクリーム半田は、接触面の表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)で平面方向に広がるので基板の電極全面を半田で濡らすことができるとともに部品の電極側面との間で適正量の半田フィレットを形成することができる。
【0057】
(5)連結部の傾斜角度が、スキージの摺動方向及び/又は部品の電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成されているので、連結部で開口部を所望する大きさや数に区画することができ開口部の周部の機械的強度を高め耐久性に優れるとともに、変形したスキージが開口部内に入り込み難く、さらに変形したスキージの復元力を小さくすることができ、印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。
【0058】
(6)印刷用マスクのパターン孔の開口部の幅は、基板の電極の幅の1〜3倍に形成されており、印刷用マスクの開口部の面積が基板の電極の面積の1〜3倍に形成されているので、印刷されるクリーム半田の量を増やすことができ適量の半田フィレットを形成させるとともに半田ボールの発生を防止し半田付け不良の発生を防止することができる。
【0059】
(7)連結部が形成されているので、ゴム製等で形成されたスキージが印刷用マスクのパターン孔を通過するときに、変形してパターン孔内に入り込むのを防止することができ、スキージの磨耗等を抑制してスキージの耐久性を向上させることができる。
【0060】
また、以上のような本発明の実施の形態1における部品実装基板の製造方法によれば、以下のような作用が得られる。
【0061】
(1)クリーム半田の印刷不良が発生するのを防止することができるとともに、基板に載置された部品の半田付け不良が発生するのを防止することができるため、ディスペンサを用いてクリーム半田を基板に塗布したり半田コテを用いて半田付けをすることなく、印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷した後、シールドケース等の大型の部品やコンデンサ等の小型の部品を基板に載置しクリーム半田を溶融するだけで欠陥のない部品実装基板を製造することができ作業性に優れるとともに、信頼性に優れた部品実装基板を製造することができる。
【0062】
(2)印刷用のクリーム半田に比べて高価なディスペンサ用のクリーム半田や半田コテ用の半田を用いることなく部品実装基板を製造することができるので、コストダウンが可能である。
【0063】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における印刷用マスクのパターン孔の開口部と連結部を示す模式図であり、図4は本発明の実施の形態2における印刷用マスクの応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図であり、図5は本発明の実施の形態2における印刷用マスクの他の応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図であり、図6は本発明の実施の形態2における印刷用マスクの別の応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
図3において、4aはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成された連結部5によって複数の三角形状に区画されたパターン孔3の開口部である。開口部4aの面積を小さくすることができるので、パターン孔3の幅が狭い場合に適している。
【0065】
図4において、4bはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成された連結部5によって複数の台形状に区画されたパターン孔3の開口部である。開口部4bの面積を大きくすることができるので、パターン孔3の幅が広い場合やクリーム半田の濡れ性が乏しい場合に適している。
【0066】
図5において、4cはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成された連結部5によって2つの台形状が連設された形状に区画されたパターン孔3の開口部である。開口部4cの面積を大きくすることができるので、パターン孔3の幅が広い場合やクリーム半田の濡れ性が乏しい場合に適している。
【0067】
図6において、4dはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成された連結部5によって複数の三角形状に区画されたパターン孔3の縦横方向に配設された開口部である。各々の開口部4dを組み合せてパターン孔3の全体の形状や面積を自由にできるので、電極部分の形状が変形した部品や大面積の電極を有する部品等を実装するためのパターン孔3を形成する場合に適している。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明の印刷用マスク及びそれを用いた部品実装基板の製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
【0069】
請求項1に記載の発明によれば、
(1)パターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され開口部を複数に区画する1以上の連結部が形成されているので、クリーム半田の印刷時にスキージが開口部内に入り込み難いので、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができる印刷用マスクを提供することができる。
【0070】
(2)連結部がパターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田の印刷時に開口部内に入り込んだスキージの変形が、スキージの摺動に伴って連結部に沿って徐々に復元されるため、スキージの復元力によって印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止でき印刷欠陥の発生を防止できる印刷用マスクを提供することができる。
【0071】
(3)開口部内に連結部が形成されているので、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れた印刷用マスクを提供することができる。
【0072】
(4)連結部が形成されているので、ゴム製等で形成されたスキージが印刷用マスクのパターン孔を通過するときに、変形してパターン孔内に入り込むのを防止することができ、スキージの磨耗等を抑制してスキージの耐久性を向上させることができる印刷用マスクを提供することができる。
【0073】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)連結部が、基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田が印刷された電極に部品を載置した後クリーム半田を溶融すると、部品の電極側面は溶融したクリーム半田で濡れ負の大きな曲率を有する接触面が形成される。接触面は表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)で平面方向に広がっていくため、基板の電極全面を半田で濡らすことができるとともに部品の電極側面との間で適正量の半田フィレットを形成することができる半田付け不良の発生を防止することができる信頼性に優れた印刷用マスクを提供することができる。
【0074】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)連結部の傾斜角度が、スキージの摺動方向及び/又は部品の電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成されているので、連結部で開口部を所望する大きさや数に区画することができ開口部の周部の機械的強度を高め耐久性に優れるとともに、変形したスキージが開口部内に入り込み難く、さらに変形したスキージの復元力を小さくすることができ、印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止でき印刷欠陥の発生を防止する印刷用マスクを提供することができる。
【0075】
請求項4に記載の発明によれば、
(1)クリーム半田の印刷不良が発生するのを防止することができるとともに、基板に載置された部品の半田付け不良が発生するのを防止することができるため、ディスペンサを用いてクリーム半田を基板に塗布したり半田コテを用いて半田付けをすることなく、印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷した後、シールドケース等の大型の部品やコンデンサ等の小型の部品を基板に載置しクリーム半田を溶融するだけで欠陥のない部品実装基板を製造することができ工数を大幅に削減し作業性と生産性に優れるとともに、半田付け不良の発生が少なく信頼性に優れた部品実装基板が得られる部品実装基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における印刷用マスクのパターン孔を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1における印刷用マスクを用いて電極に印刷されたクリーム半田の状態を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態2における印刷用マスクのパターン孔の開口部と連結部を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態2における印刷用マスクの応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態2における印刷用マスクの他の応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図
【図6】本発明の実施の形態2における印刷用マスクの別の応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図
【符号の説明】
1,2,3 パターン孔
4 開口部
5 連結部
10 電極
11 クリーム半田
11a 壁面
11b 溶融した半田
12 シールドケース
12a 電極側面
13 接触面
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品実装基板を構成する基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスク及びそれを用いた部品実装基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子部品等の部品を基板に半田付けする場合には、基板の表面に銅箔等で形成された電極に応じてパターン孔が形成された印刷用マスクの下面を基板に当接させ、スキージを印刷用マスクの上面を摺動させることにより、印刷用マスクの上面のクリーム半田をパターン孔を介して基板の表面の電極上に印刷する。クリーム半田の印刷後、印刷用マスクを基板の上から取り外した後、部品をクリーム半田が印刷された電極の上に載置する。次いで、部品が載置された基板をリフロ炉等で加熱することにより半田を溶融固化させて部品が基板に半田付けされる。
【0003】
近年、電子製品の発する電磁波による電磁波障害を防止するために、部品実装基板において、特に動作周波数の高い電子部品の周囲を、ステンレス製等の金属製等の薄板で形成されたシールドケースを半田付けして取り囲む回路設計が採用されている。大型の部品であるシールドケースの半田付けの際には、シールドケースと基板の電極との間に欠陥のない適正な半田フィレットを形成する必要がある。半田付けがなされてなくシールドケースと電極との間に隙間がある場合には、その隙間から電磁波がシールドケース外に漏れる可能性が高くなり、また半田付けされていない銅箔等の電極は腐食し易いので、部品実装基板の信頼性が低下するおそれがあるからである。
【0004】
そこで、シールドケース等の大型の電子部品を基板に半田付けする方法や、クリーム半田の印刷欠陥を防ぐための種々の技術が開発されている。
【0005】
シールドケース等の大型の電子部品を基板に半田付けする方法としては、例えば、(特許文献1)の〔従来の技術〕に記載されているように、「スクリーンでクリーム半田を基板の電子部品を実装する電極に印刷した後に電子部品を載置し、次に基板の上にシールドケースを載置した後ディスペンサで基板とシールドケースの接触面にクリーム半田を塗布し、次いでクリーム半田を溶融固化させる方法」が知られている。しかしながら、この方法では、電子部品とシールドケースとに対して別途にクリーム半田を塗布していたので多くの作業時間を要し作業性に欠けるという問題点を有していた。また、ディスペンサを用いて塗布するクリーム半田は、印刷用のクリーム半田と比べて高価であるため、部品が実装された基板のコストが高価になるという課題を有していた。
【0006】
そこで、シールドケース等の大型の部品を基板に半田付けする作業性に優れた方法として、例えば、(特許文献1)に、「基板に設けられた銅箔部の上の電子部品及びシールドケースの半田付け位置に応じたスクリーンを用いて前記銅箔部の上に半田を塗布した後、塗布された半田上に前記電子部品と前記シールドケースを載置してから半田を固着させるシールドケースの基板半田付け方法」が記載されている。
【0007】
また、クリーム半田の印刷欠陥を防ぐ技術として、(特許文献2)に「印刷マスクが接する部分を高硬度弾性体で形成した板状高硬度弾性体部と、スキージホルダーと、前記スキージホルダーと前記板状高硬度弾性部との間に設けた板状低硬度弾性体で形成した板状低硬度弾性体部と、を備えた印刷用スキージ」が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−111580号公報
【特許文献2】
特開平8−108519号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
【0010】
(1)(特許文献1)に記載の技術では、クリーム半田を印刷する際に、シールドケース等の大型の部品の半田付けのために形成された大面積のパターン孔内に、ゴム製等で形成されたスキージの一部が変形して入り込み、電極上のクリーム半田が掻き取られて抉れや窪み等の印刷欠陥が発生し易いという課題を有していた。これらの印刷欠陥が発生すると、印刷されるクリーム半田の量が局所的に著しく少ない部分が発生し、適正量の半田フィレットが形成されない、半田付けされない箇所が発生する等の半田付け不良が発生し、製造された部品実装基板の信頼性が低下するという課題を有していた。特に、近年、クリーム半田として、溶融時の濡れ性がSn−Pb共晶半田よりも乏しい鉛フリー半田が多く用いられる傾向にあるため、抉れ等の印刷欠陥が、そのまま半田付け不良の原因となり易いという課題を有していた。
【0011】
(2)また、近年、肉厚の薄い印刷用マスクが用いられているため、抉れや窪み等の印刷欠陥による半田付け不良が発生し易くなっている。基板に搭載される部品の小型化や高密度化による電極の狭ピッチ化に伴い、ブリッジの発生を防止するために電極上に印刷されるクリーム半田の量を最少化させる必要があり、そのため肉厚の薄い印刷用マスクが使用されるからである。
【0012】
(3)肉厚が薄く大面積のパターン孔が形成された印刷用マスクは、肉厚が薄いため印刷用マスクの機械的強度が乏しく耐久性に欠けるという問題点を有していた。
【0013】
(4)ゴム製等で形成されたスキージが印刷用マスクのパターン孔を通過するときに、変形してパターン孔内に入り込むので、スキージの破損や磨耗が激しくスキージの耐久性が低下するという課題を有していた。
【0014】
本発明は上記課題を解決するもので、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができるとともに、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れ、さらにスキージの耐久性も向上できる印刷用マスクを提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、工数を大幅に削減し作業性と生産性に優れるとともに半田付け不良の発生が少なく信頼性に優れた部品実装基板が得られ、さらに印刷用のクリーム半田を用いて多様な部品を実装することができコストダウンが可能な部品実装基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の印刷用マスクは、下面を基板に当接させ上面にスキージを摺動させてパターン孔を介して前記基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスクであって、前記パターン孔の開口部内に前記スキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部を複数に区画する1以上の連結部を備えた構成を有している。
【0017】
この構成により、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができるとともに、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れるとともに、スキージの耐久性も向上できる印刷用マスクを提供することができる。
【0018】
また、本発明の部品実装基板の製造方法は、パターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部を複数に区画する1以上の連結部を備えた印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷する印刷工程と、前記印刷工程でクリーム半田が印刷された基板の所定箇所に部品を載置する部品載置工程と、前記部品載置工程で部品が載置された基板を加熱して前記クリーム半田を溶融固化させ前記部品を前記基板に固着させる半田溶融固化工程と、を備えた構成を有している。
【0019】
この構成により、工数を大幅に削減し作業性と生産性に優れるとともに半田付け不良の発生が少なく信頼性に優れ、さらに印刷用のクリーム半田を用いて多様な部品を実装することができコストダウンが可能な部品実装基板が得られる部品実装基板の製造方法を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の印刷用マスクは、下面を基板に当接させ上面にスキージを摺動させてパターン孔を介して前記基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスクであって、前記パターン孔の開口部内に前記スキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部を複数に区画する1以上の連結部を備えた構成を有している。
【0021】
この構成により、以下のような作用が得られる。
【0022】
(1)パターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され開口部を複数に区画する1以上の連結部が形成されているので、クリーム半田の印刷時に、連結部が形成されてない場合や連結部がスキージの摺動方向と平行方向に形成された場合と比較して、スキージが開口部に入り込もうと変形する印刷用マスクの肉厚方向の変形量を小さくすることができ、スキージが開口部内に入り込み難いので、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができる。
【0023】
(2)連結部がパターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田の印刷時に開口部内に入り込んだスキージの変形が、スキージの摺動に伴って連結部に沿って徐々に復元されるため、スキージの復元力によって印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。連結部を有しなかったり連結部がスキージの摺動方向と平行方向や直交方向に形成されている場合は、開口部内に入り込んで変形したスキージが開口部の縁部で一気に復元するため、スキージの復元力が大きく印刷されたクリーム半田が掻き出され易いからである。
【0024】
(3)開口部内に連結部が形成されているので、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れる。
【0025】
(4)連結部が形成されているので、ゴム製等で形成されたスキージが印刷用マスクのパターン孔を通過するときに、変形してパターン孔内に入り込むのを防止することができ、スキージの磨耗等を抑制してスキージの耐久性を向上させることができる。
【0026】
ここで、印刷用マスクとしては、ステンレス製等の金属製や合成樹脂製、ガラス製等で板状に形成されたものが用いられる。
【0027】
開口部の位置や大きさとしては、部品が半田付けされる基板の電極の位置や大きさに応じて、適宜選択することができる。シールドケース等の大型の部品を半田付けする場合には、開口部の面積は、半田付けされる電極の面積の1〜3倍の範囲に形成することができる。基板に印刷されるクリーム半田の量を多くして、半田フィレットの体積を増やし部品を基板に強固に固着させるためである。
【0028】
ここで、開口部の面積が半田付けされる電極の面積の1倍より小さくなるにつれ印刷されるクリーム半田の量が少なく形成される半田フィレットが小さくなり半田付け不良が発生し易くなる傾向がみられ、3倍より大きくなると半田ボールが形成され易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0029】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷用マスクであって、前記連結部が、前記基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成された構成を有している。
【0030】
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
【0031】
(1)連結部が、基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田が印刷された基板の電極に部品を載置した後クリーム半田を溶融すると、部品の電極側面は溶融したクリーム半田で濡れ、基板の電極の上に負の大きな曲率を有する接触面を形成する。溶融したクリーム半田は、接触面の表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)に半田フィレットを形成していくため、部品の電極側面と溶融したクリーム半田との接触面は平面方向に広がり、基板の電極全面を半田で濡らすことができるとともに部品の電極側面との間で適正量の半田フィレットを形成することができる。
【0032】
ここで、部品としては、シールドケース、大型コイル、アルミ電解コンデンサ、フィルタ、パワートランジスタ、リブ付きアース端子等の実装される電極面積が大きく大面積のパターン孔が形成されるものが用いられる。
【0033】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の印刷用マスクであって、前記連結部の傾斜角度が、前記スキージの摺動方向及び/又は前記部品の前記電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成された構成を有している。
【0034】
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
【0035】
(1)連結部の傾斜角度が、スキージの摺動方向及び/又は部品の電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成されているので、連結部で開口部を所望する大きさや数に区画することができ開口部の周部の機械的強度を高め耐久性に優れるとともに、変形したスキージが開口部内に入り込み難く、さらに変形したスキージの復元力を小さくすることができ、印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。
【0036】
ここで、連結部の傾斜角度が、スキージの摺動方向や部品の電極側面に対して30°より小さくなるにつれ印刷用マスクの肉厚方向へのスキージの変形量が大きくなりスキージが開口部に入り込み易く、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりする印刷欠陥が発生し易くなる傾向がみられ、60°より大きくなるにつれクリーム半田の印刷時に開口部内に変形して入り込んだスキージが開口部の縁部で一気に復元し印刷されたクリーム半田が掻き出され易く印刷欠陥が発生し易くなる傾向がみられる。特に、20°より小さくなるか70°より大きくなると、これらの傾向が著しくなるので、いずれも好ましくない。
【0037】
本発明の請求項4に記載の部品実装基板の製造方法は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷する印刷工程と、前記印刷工程でクリーム半田が印刷された基板の所定箇所に部品を載置する部品載置工程と、前記部品載置工程で部品が載置された基板を加熱して前記クリーム半田を溶融固化させ前記部品を前記基板に固着させる半田溶融固化工程と、を備えた構成を有している。
【0038】
この構成により、以下のような作用が得られる。
【0039】
(1)クリーム半田の印刷不良が発生するのを防止することができるとともに、基板に載置された部品の半田付け不良が発生するのを防止することができるため、ディスペンサを用いてクリーム半田を基板に塗布したり半田コテを用いて半田付けをすることなく、印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷した後、シールドケース等の大型の部品やコンデンサ等の小型の部品を基板に載置しクリーム半田を溶融するだけで欠陥のない部品実装基板を製造することができ作業性と生産性に優れるとともに、信頼性に優れた部品実装基板を製造することができる。
【0040】
ここで、部品載置工程としては、連結部を除いて印刷・形成されたクリーム半田の壁面と部品の電極側面とが斜交するように、印刷されたクリーム半田の上に部品を載置するものが用いられる。これにより、半田溶融固化工程において溶融したクリーム半田は、表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)に半田フィレットを形成していくため、部品の電極側面と溶融したクリーム半田との接触面は電極の平面方向に広がり、電極全面を半田で濡らすことができるとともに部品の電極側面との間で適正量の半田フィレットを形成することができる。
【0041】
半田溶融固化工程としては、部品が載置された基板をリフロ炉等で加熱しクリーム半田を溶融固化させるものが用いられる。
【0042】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0043】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における印刷用マスクのパターン孔を示す模式図である。
【0044】
図中、1は実施の形態1における印刷用マスクのパターン孔である。印刷用マスクのパターン孔1は、ステンレス製等の金属製や合成樹脂製等で形成された板状の所定箇所に形成されている。2はIC,コンデンサ,抵抗等の電子部品が載置される基板の電極の位置や大きさに応じて形成されたパターン孔、3はパターン孔2の周囲に形成されステンレス製等の金属製の薄板で四角形の枠状に形成されたシールドケースが固着される電極の位置や大きさに応じて形成されたパターン孔、4はパターン孔3の開口部、5はパターン孔3の開口部4内にスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され開口部4を複数に区画する連結部、θは連結部5とスキージの摺動方向や載置される部品の電極側面とのなす角を示す連結部5の傾斜角度であり、本実施の形態1では、θは20〜70°好ましくは30〜60°に形成されている。
【0045】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における印刷用マスクを用いた部品実装基板の製造方法について、以下図面を参照しながら説明する。
【0046】
図2は本発明の実施の形態1における印刷用マスクを用いて電極に印刷されたクリーム半田の状態を示す模式図である。
【0047】
図2において、10はプリント基板等の基板の表面に銅箔等で形成された電極、11は印刷用マスクのパターン孔3の連結部5を除く開口部4を介して基板の電極10の上に印刷されたクリーム半田、11aは連結部5を除いて印刷・形成されたクリーム半田の壁面、11bは溶融した半田、12はステンレス製等の金属製の薄板で形成された部品としてのシールドケース、12aは部品としてのシールドケース12の側面からなる電極側面、13は電極側面12aと溶融したクリーム半田の壁面11aとの間に形成された接触面である。なお、本実施の形態1においては、印刷用マスクのパターン孔2の開口部4の幅は、基板の電極10の幅の1〜3倍に形成されている。
【0048】
部品実装基板の製造方法は、初めに、印刷用マスクの上面にスキージを摺動させてパターン孔2,3を介してクリーム半田を基板の電極10等に印刷する(印刷工程、図2(a)参照)。印刷用マスクのパターン孔3の開口部4内にはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され開口部4を複数に区画する連結部5が形成されているので、摺動するスキージの先端が開口部4に入り込もうとするのを連結部5で抑えてスキージの変形量を小さくすることができ、開口部4内にスキージが入り込む量を小さくすることができる。また、開口部4内に入り込んだスキージの変形が、スキージの摺動に伴って連結部5に沿って徐々に復元されるため、印刷されたクリーム半田がスキージの復元力によって抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。
【0049】
次に、印刷工程でパターン孔2を介して基板に印刷されたクリーム半田の上にIC,抵抗,コンデンサ等の電子部品を載置するとともに、パターン孔3を介してクリーム半田が印刷された基板の電極10に、連結部5を除いて印刷・形成されたクリーム半田の壁面11aと部品としてのシールドケース12の電極側面とが斜交するようにシールドケース12を載置する(部品載置工程、図2(b)参照)。
【0050】
次いで、ICやシールドケース等の部品が載置された基板をリフロ炉等を用いて加熱して、クリーム半田を溶融固化させ部品を基板に固着する(半田溶融固化工程)。
【0051】
半田溶融固化工程において、図2(c)に示すように、クリーム半田が加熱されて溶融した半田11bによってシールドケース12の電極側面12aが濡れ、電極側面12aと壁面11aとの間に負の大きな曲率を有する接触面13を形成する。溶融した半田11bは、接触面13の表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)に広がっていくため、図2(d)に示すように、電極側面12aと溶融した半田11bの壁面11aとの間に形成された接触面13は平面方向に広がり、図2(e)に示すように、電極10の全面を溶融した半田11bで濡らすことができる。
【0052】
以上のように、本発明の実施の形態1における印刷用マスクは構成されているので、以下のような作用が得られる。
【0053】
(1)パターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対し傾斜して開口部を複数に区画する1以上の連結部が形成されているので、スキージが開口部に入り込もうと変形する印刷用マスクの肉厚方向の変形量を小さくすることができ、スキージが開口部内に入り込み難いので、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができる。
【0054】
(2)連結部がパターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田の印刷時に開口部内に入り込んだスキージの変形が、スキージの摺動に伴って連結部に沿って徐々に復元されるため、スキージの復元力によって印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。
【0055】
(3)開口部内に連結部が形成されているので、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れる。
【0056】
(4)連結部が、基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田が印刷された電極に部品を載置した後クリーム半田を溶融すると、部品の電極側面は溶融したクリーム半田で濡れ負の大きな曲率を有する接触面を形成する。溶融したクリーム半田は、接触面の表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)で平面方向に広がるので基板の電極全面を半田で濡らすことができるとともに部品の電極側面との間で適正量の半田フィレットを形成することができる。
【0057】
(5)連結部の傾斜角度が、スキージの摺動方向及び/又は部品の電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成されているので、連結部で開口部を所望する大きさや数に区画することができ開口部の周部の機械的強度を高め耐久性に優れるとともに、変形したスキージが開口部内に入り込み難く、さらに変形したスキージの復元力を小さくすることができ、印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止できる。
【0058】
(6)印刷用マスクのパターン孔の開口部の幅は、基板の電極の幅の1〜3倍に形成されており、印刷用マスクの開口部の面積が基板の電極の面積の1〜3倍に形成されているので、印刷されるクリーム半田の量を増やすことができ適量の半田フィレットを形成させるとともに半田ボールの発生を防止し半田付け不良の発生を防止することができる。
【0059】
(7)連結部が形成されているので、ゴム製等で形成されたスキージが印刷用マスクのパターン孔を通過するときに、変形してパターン孔内に入り込むのを防止することができ、スキージの磨耗等を抑制してスキージの耐久性を向上させることができる。
【0060】
また、以上のような本発明の実施の形態1における部品実装基板の製造方法によれば、以下のような作用が得られる。
【0061】
(1)クリーム半田の印刷不良が発生するのを防止することができるとともに、基板に載置された部品の半田付け不良が発生するのを防止することができるため、ディスペンサを用いてクリーム半田を基板に塗布したり半田コテを用いて半田付けをすることなく、印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷した後、シールドケース等の大型の部品やコンデンサ等の小型の部品を基板に載置しクリーム半田を溶融するだけで欠陥のない部品実装基板を製造することができ作業性に優れるとともに、信頼性に優れた部品実装基板を製造することができる。
【0062】
(2)印刷用のクリーム半田に比べて高価なディスペンサ用のクリーム半田や半田コテ用の半田を用いることなく部品実装基板を製造することができるので、コストダウンが可能である。
【0063】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における印刷用マスクのパターン孔の開口部と連結部を示す模式図であり、図4は本発明の実施の形態2における印刷用マスクの応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図であり、図5は本発明の実施の形態2における印刷用マスクの他の応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図であり、図6は本発明の実施の形態2における印刷用マスクの別の応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
図3において、4aはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成された連結部5によって複数の三角形状に区画されたパターン孔3の開口部である。開口部4aの面積を小さくすることができるので、パターン孔3の幅が狭い場合に適している。
【0065】
図4において、4bはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成された連結部5によって複数の台形状に区画されたパターン孔3の開口部である。開口部4bの面積を大きくすることができるので、パターン孔3の幅が広い場合やクリーム半田の濡れ性が乏しい場合に適している。
【0066】
図5において、4cはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成された連結部5によって2つの台形状が連設された形状に区画されたパターン孔3の開口部である。開口部4cの面積を大きくすることができるので、パターン孔3の幅が広い場合やクリーム半田の濡れ性が乏しい場合に適している。
【0067】
図6において、4dはスキージの摺動方向に対し傾斜して形成された連結部5によって複数の三角形状に区画されたパターン孔3の縦横方向に配設された開口部である。各々の開口部4dを組み合せてパターン孔3の全体の形状や面積を自由にできるので、電極部分の形状が変形した部品や大面積の電極を有する部品等を実装するためのパターン孔3を形成する場合に適している。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明の印刷用マスク及びそれを用いた部品実装基板の製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
【0069】
請求項1に記載の発明によれば、
(1)パターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対し傾斜して形成され開口部を複数に区画する1以上の連結部が形成されているので、クリーム半田の印刷時にスキージが開口部内に入り込み難いので、基板に印刷されたクリーム半田がスキージで掻き出されたり抉られたりするのを防止することができ印刷欠陥の発生を防止することができる印刷用マスクを提供することができる。
【0070】
(2)連結部がパターン孔の開口部内にスキージの摺動方向に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田の印刷時に開口部内に入り込んだスキージの変形が、スキージの摺動に伴って連結部に沿って徐々に復元されるため、スキージの復元力によって印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止でき印刷欠陥の発生を防止できる印刷用マスクを提供することができる。
【0071】
(3)開口部内に連結部が形成されているので、肉厚が薄くても開口部の周部の機械的強度を高めることができ耐久性に優れた印刷用マスクを提供することができる。
【0072】
(4)連結部が形成されているので、ゴム製等で形成されたスキージが印刷用マスクのパターン孔を通過するときに、変形してパターン孔内に入り込むのを防止することができ、スキージの磨耗等を抑制してスキージの耐久性を向上させることができる印刷用マスクを提供することができる。
【0073】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)連結部が、基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成されているので、クリーム半田が印刷された電極に部品を載置した後クリーム半田を溶融すると、部品の電極側面は溶融したクリーム半田で濡れ負の大きな曲率を有する接触面が形成される。接触面は表面エネルギーを減少させて安定化させる方向(曲率を小さくする方向)で平面方向に広がっていくため、基板の電極全面を半田で濡らすことができるとともに部品の電極側面との間で適正量の半田フィレットを形成することができる半田付け不良の発生を防止することができる信頼性に優れた印刷用マスクを提供することができる。
【0074】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)連結部の傾斜角度が、スキージの摺動方向及び/又は部品の電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成されているので、連結部で開口部を所望する大きさや数に区画することができ開口部の周部の機械的強度を高め耐久性に優れるとともに、変形したスキージが開口部内に入り込み難く、さらに変形したスキージの復元力を小さくすることができ、印刷されたクリーム半田が抉られたり掻き出されたりするのを防止でき印刷欠陥の発生を防止する印刷用マスクを提供することができる。
【0075】
請求項4に記載の発明によれば、
(1)クリーム半田の印刷不良が発生するのを防止することができるとともに、基板に載置された部品の半田付け不良が発生するのを防止することができるため、ディスペンサを用いてクリーム半田を基板に塗布したり半田コテを用いて半田付けをすることなく、印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷した後、シールドケース等の大型の部品やコンデンサ等の小型の部品を基板に載置しクリーム半田を溶融するだけで欠陥のない部品実装基板を製造することができ工数を大幅に削減し作業性と生産性に優れるとともに、半田付け不良の発生が少なく信頼性に優れた部品実装基板が得られる部品実装基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における印刷用マスクのパターン孔を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1における印刷用マスクを用いて電極に印刷されたクリーム半田の状態を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態2における印刷用マスクのパターン孔の開口部と連結部を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態2における印刷用マスクの応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態2における印刷用マスクの他の応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図
【図6】本発明の実施の形態2における印刷用マスクの別の応用例であるパターン孔の開口部と連結部を示す模式図
【符号の説明】
1,2,3 パターン孔
4 開口部
5 連結部
10 電極
11 クリーム半田
11a 壁面
11b 溶融した半田
12 シールドケース
12a 電極側面
13 接触面
Claims (4)
- 下面を基板に当接させ上面にスキージを摺動させてパターン孔を介して前記基板にクリーム半田を印刷する印刷用マスクであって、
前記パターン孔の開口部内に前記スキージの摺動方向に対し傾斜して形成され前記開口部を複数に区画する1以上の連結部を備えていることを特徴とする印刷用マスク。 - 前記連結部が、前記基板に実装される部品の電極側面に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷用マスク。
- 前記連結部の傾斜角度が、前記スキージの摺動方向及び/又は前記部品の前記電極側面に対し20〜70°好ましくは30〜60°の角度で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷用マスク。
- 請求項1乃至3の内いずれか1に記載の印刷用マスクを用いてクリーム半田を基板に印刷する印刷工程と、前記印刷工程でクリーム半田が印刷された基板の所定箇所に部品を載置する部品載置工程と、前記部品載置工程で部品が載置された基板を加熱して前記クリーム半田を溶融固化させ前記部品を前記基板に固着させる半田溶融固化工程と、を備えていることを特徴とする部品実装基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003193433A JP2005032794A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | 印刷用マスク及びそれを用いた部品実装基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003193433A JP2005032794A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | 印刷用マスク及びそれを用いた部品実装基板の製造方法 |
Publications (1)
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---|---|
JP2005032794A true JP2005032794A (ja) | 2005-02-03 |
Family
ID=34204896
Family Applications (1)
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JP2003193433A Pending JP2005032794A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | 印刷用マスク及びそれを用いた部品実装基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005032794A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110868814A (zh) * | 2019-12-03 | 2020-03-06 | 华勤通讯技术有限公司 | 一种钢网 |
JP2022121537A (ja) * | 2020-01-22 | 2022-08-19 | マクセル株式会社 | メタルマスク |
JP7386514B2 (ja) | 2019-10-23 | 2023-11-27 | 株式会社ボンマーク | スクリーン印刷版 |
-
2003
- 2003-07-08 JP JP2003193433A patent/JP2005032794A/ja active Pending
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