JP2005032770A - 基板処理装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理の途中で基板を任意に取り出して搬送搬出することができる基板処理装置およびその方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで単一のセルを構成し、そのセルを並設して構成された基板処理装置において、異常発生を検出すれば、その異常発生に関わった基板に対して異常発生時以降の基板処理を行わずに搬送搬出するアボート処理を実行する。このアボート処理は、異常発生に関わった基板が各セル間で搬送されて、最終的にインデクサセルC1のカセットに収納されることで行われる。このような搬送制御により、処理の途中で異常に関わった基板を任意に取り出して搬送搬出することができる。
【選択図】 図19

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶表示器のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板(以下、単に基板と称する)に対して基板処理を行う基板処理装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような基板処理装置は、例えば、フォトレジスト膜を基板に塗布形成し、フォトレジスト膜が塗布されたその基板に対して露光処理を行い、さらに露光処理後の基板を現像するフォトリソグラフィ工程に用いられている。かかる基板処理装置では、塗布処理や現像処理などの各処理を行う処理部を並設して構成し、各処理部の間にわたって基板を搬送する搬送機構を備えている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−332476号公報(第4−5頁、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来装置の場合には、以下のような問題がある。
すなわち、基板処理の途中で中止させて基板を搬送搬出したい場合がある。例えば、基板処理中に異常が発生したときには、基板処理が正常に行われない場合があり、処理部を並設している関係で、その異常発生に関わった基板も、正常な基板と同様に、それ以降の基板処理が行われてしまう。従って、異常発生に関わった基板については、本来ならば再生処理(以下、再生処理を『リワーク』とも呼ぶ)を行わなければならないにも関わらず、それ以降の基板処理が無駄に行われてしまう。例えば、フォトリソグラフィ工程においてフォトレジスト膜の塗布処理中に異常が発生したときには、本来ならば基板上のフォトレジスト膜を剥離するリワークを行い、フォトレジスト膜の塗布処理から基板処理を行わなければならないにも関わらず、それ以降の露光処理および現像処理が無駄に行われてから、リワークが行われてしまう。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、処理の途中で基板を任意に取り出して搬送搬出することができる基板処理装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで単一の処理ブロックを構成し、処理ブロックを並設して構成される基板処理装置であって、各処理ブロックの主搬送機構を制御する制御手段と、所定の基板または基板群について処理の終了指示を前記制御手段に与える終了指示手段とを備え、前記制御手段は、終了指示手段からの指示に基づいて、前記指示のあった基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する処理ブロックに基板を受け渡して、基板を搬送搬出させるように各主搬送機構を制御することを特徴とするものである。
【0007】
〔作用・効果〕請求項1に記載の発明によれば、基板処理が、並設された複数個の処理ブロックで順に行われる。各処理ブロックでは各々の主搬送機構が、隣接する処理ブロックから受け入れられた基板の搬送、処理部に対して基板の受け渡し、および隣接する処理ブロックへ払い出す基板の搬送を並行して行う。つまり、各処理ブロックの主搬送機構は同時並行的に作動する。さらに、終了指示手段は所定の基板または基板群について処理の終了指示を制御手段に与え、制御手段は、終了指示手段からの指示に基づいて、指示のあった基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する処理ブロックに基板を受け渡して、基板を搬送搬出させるように各主搬送機構を制御する。この搬送制御により、所定の基板以外の基板または基板群は、各処理ブロック内で基板処理および基板搬送が行われつつ、隣接する各処理ブロック間で搬送がそれぞれ行われ、所定の基板または基板群は、それが処理されている処理以降の基板処理を行わずに、隣接する処理ブロックに受け渡されて搬送搬出されるので、処理の途中で基板を任意に取り出して搬送搬出することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで単一の被制御ユニットを構成し、被制御ユニットを並設して構成される基板処理装置であって、各被制御ユニットに、その被制御ユニットに基板を受け入れるために基板を載置する入口基板載置部と、その被制御ユニットから基板を払い出すために基板を載置する出口基板載置部とを区別して配設し、前記装置は、各被制御ユニットの主搬送機構の基板受け渡し動作を制御するユニット制御手段を各被制御ユニットごとに備えるとともに、所定の基板または基板群について処理の終了指示を前記ユニット制御手段に与える終了指示手段とを備え、各ユニット制御手段は、処理部に対する基板の受け渡しおよび基板載置部に対する基板の受け渡しを含む一連の基板搬送に係る制御を、各々独立して行い、終了指示手段からの指示に基づいて、前記指示のあった基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する被制御ユニットに、入口基板載置部または出口基板載置部を介して基板を受け渡して、基板を搬送搬出させるように各主搬送機構を制御することを特徴とするものである。
【0009】
〔作用・効果〕この構成によれば、制御面からも基板処理装置のスループットを向上させることを意図している。この構成に係る発明の制御方式はいわゆる分散制御である。そのために、被制御ユニット間の基板の受け渡しを、区別された入口基板載置部と出口基板載置部とを介して行うようにしている。これにより、各被制御ユニットの制御手段は、入口基板載置部に置かれた基板の受け取りから始まって、出口基板載置部に基板を置くことによって完結する一連の制御を行うだけでよい。つまり、隣接する被制御ユニットの主搬送機構の動きを考慮する必要がない。従って、被制御ユニットの制御手段の負担が少なくなり、基板処理装置のスループットを向上させることができる。また、被制御ユニットの増減を比較的簡単に行うこともできる。これに対して、従来の基板処理は、基板搬送機構や各処理部を集中制御している関係で、基板搬送機構や各処理部の動作順序の決定作業(スケジューリング)が複雑であり、そのことがスループットの向上を妨げる一因ともなっている。
【0010】
また、被制御ユニットにおいても請求項1に記載の発明と同様であり、請求項2に記載の発明によれば、所定の基板以外の基板または基板群は、各被制御ユニット内で基板処理および基板搬送が行われつつ、隣接する各被制御ユニット間で搬送がそれぞれ行われ、所定の基板または基板群は、それが処理されている処理以降の基板処理を行わずに、隣接する被制御ユニットに受け渡されて搬送搬出されるので、処理の途中で基板を任意に取り出して搬送搬出することができる。
【0011】
なお、上述した発明において、入口基板載置部および出口基板載置部は、1つの被制御ユニットを基準にして、基板載置部の機能を捉えたものである。つまり、ある被制御ユニットの出口基板載置部は、その被制御ユニットに隣接する被制御ユニットを基準にすれば入口基板載置部に相当する。このように、隣接する被制御ユニット間では、出口基板載置部と入口基板載置部とが一致している。
【0012】
また、上述した各発明において、所定の基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに搬送搬出する処理(以下、この処理を「アボート処理」とも呼ぶ)の具体例として、以下のようなものが挙げられる。
【0013】
アボート処理の具体的な一例として、処理対象の基板を収納するカセットが載置されるカセット載置部を有し、そのカセットから未処理の基板または基板群を順に取り出して処理ブロックまたは被制御ユニットへ払い出すとともに、処理された基板または基板群を処理ブロックまたは被制御ユニットから受け取ってカセット内へ順に収納するインデクサを、処理ブロックまたは被制御ユニットとして備えている場合には、各々の主搬送機構は、アボートの対象となっている(すなわち指示のあった)基板または基板群をインデクサに渡すように搬送をそれぞれ行うことで、それが処理されている処理以降の処理を行わずに基板処理を終了する(請求項3に記載の発明)。
【0014】
この発明によれば、アボートの対象となっている基板または基板群をインデクサに戻してアボート処理を行うことで、それ以外の基板または基板群については、通常の搬送が行われるとともに通常の基板処理が行われる。
【0015】
アボート処理の具体的な他の一例として、終了指示手段は、各々の処理ブロックまたは被制御ユニットの処理部にも基板処理の終了指示を与え、各々の主搬送機構は、アボート処理の対象となっている基板または基板群、およびそれ以外の基板または基板群を順に受け渡して搬送を行い、各々の処理ブロックまたは被制御ユニットの処理部は、終了指示手段からの指示に基づいて、アボートの対象となっている基板または基板群のみ基板処理を行わないことで、それが処理されている処理以降の処理を行わずに基板処理を終了する(請求項4に記載の発明)。
【0016】
この発明によれば、アボート処理の対象となっている基板または基板群、およびそれ以外の基板または基板群を順に受け渡して搬送を行うので、請求項3に記載の発明のようにインデクサに基板を渡す作業のためにそれ以外の基板の搬送が一時的に滞ることなく基板の搬送を円滑に行うことができる。
【0017】
また、基板処理装置に連設される外部装置と処理部ブロックまたは被制御ユニットとの間で基板の受け渡しを中継するインターフェイスを、処理ブロックまたは被制御ユニットとして備えた場合、請求項4に記載の発明において、指示のあった基板または基板群が、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットにまで搬送されたとき、主搬送機構は、指示のあった基板または基板群のみを、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットに留めて、それ以外の基板または基板群を、外部装置に渡し、外部装置から後者(指示のあった基板以外)の基板または基板群が、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットにまで搬送された後に、主搬送機構は、留めておいた前者(指示のあった)基板または基板群、および後者の基板または基板群を順に受け渡して搬送を行う(請求項5に記載の発明)。
【0018】
この発明によれば、指示のあった基板または基板群のみを、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットに留めることで、それらの基板が外部装置へ流入するのを防止することができる。例えば、それらの基板の情報が外部装置に送られて処理を煩雑になるのを防止することができる。
【0019】
なお、基板処理中において異常が発生した場合には、終了指示のあった(所定の)基板または基板群は、異常発生に関わった基板または基板群となる。この場合には、基板処理過程における異常を検出する異常検出手段を備え、終了指示手段は、異常検出手段からの異常検出を知らされることにより、異常発生に関わった基板または基板群について処理の終了指示を制御手段またはユニット制御手段に与えるの(請求項6に記載の発明)がより好ましい。基板処理中において異常が発生したのを利用して基板処理の終了指示を与えるので、異常発生以降の処理を即座に終了することができる。そして、処理の途中で異常発生に関わった基板を任意に取り出して搬送搬出することができ、異常発生に関わった基板について異常発生以降の処理を無駄に行わない。
【0020】
上述した異常検出手段の具体的な一例として、処理部が、基板を支持して処理を行う支持手段を備えた場合には、支持手段による基板の支持に関連する異常を検出する(請求項7に記載の発明)。異常検出手段の具体的な他の一例として、処理部が、基板に処理液を供給して基板処理を行う処理液供給手段を備えた場合には、処理液供給手段による処理液の供給に関連する異常を検出する(請求項8に記載の発明)。異常検出手段の具体的なさらなる他の一例として、基板を検査する検査手段である(請求項9に記載の発明)。
【0021】
また、請求項10に記載の発明は、基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで単一の処理ブロックを構成し、隣接する処理ブロックの間で基板を搬送して、各処理ブロックの処理部で基板処理を行う基板処理方法であって、所定の基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する処理ブロックに基板を受け渡して、基板を搬送搬出させることを特徴とするものである。
【0022】
〔作用・効果〕請求項10に記載の発明によれば、所定の基板以外の基板または基板群は、各処理ブロック内で基板処理および基板搬送が行われつつ、隣接する各処理ブロック間で搬送がそれぞれ行われ、所定の基板または基板群は、それが処理されている処理以降の基板処理を行わずに、隣接する処理ブロックに受け渡されて搬送搬出されるので、処理の途中で基板を任意に取り出して搬送搬出することができる。
【0023】
また、請求項11に記載の発明は、基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで、かつ前記主搬送機構の基板受け渡し動作を独立して行う被制御ユニットを構成し、隣接する被制御ユニットの間で基板を搬送して、各被制御ユニットの処理部で基板処理を行う基板処理方法であって、所定の基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する被制御ユニットに基板を受け渡して、基板を搬送搬出させることを特徴とするものである。
【0024】
〔作用・効果〕請求項11に記載の発明によれば、所定の基板以外の基板または基板群は、各被制御ユニット内で基板処理および基板搬送が行われつつ、隣接する各被制御ユニット間で搬送がそれぞれ行われ、所定の基板または基板群は、それが処理されている処理以降の基板処理を行わずに、隣接する被制御ユニットに受け渡されて搬送搬出されるので、処理の途中で基板を任意に取り出して搬送搬出することができる。
【0025】
また、上述した各発明(請求項10,11に記載の発明)において、所定の基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに搬送搬出する処理、すなわちアボート処理の具体例は、上述した請求項3〜5に記載の発明と同様である(請求項12〜14に記載の発明)。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は実施例に係る基板処理装置の平面図、図2はその正面図、図3は熱処理部の正面図である。
【0027】
ここでは、半導体ウエハ(以下、単に「基板」という)に、反射防止膜やフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、露光された基板に現像処理などの薬液処理を行う基板処理装置を例に採って説明する。もちろん、本発明に係る基板処理装置が取り扱い得る基板は、半導体ウエハに限らず、液晶表示器用のガラス基板など種々の基板を含む。また、薬液処理は、フォトレジスト膜などの塗布形成処理や現像処理に限らず、種々の薬液処理を含む。
【0028】
図1を参照する。本実施例に係る基板処理装置は大きく分けて、インデクサブロック1と、基板に対して所要の薬液処理を行う3つの処理ブロック(具体的には反射防止膜用処理ブロック2、レジスト膜用処理ブロック3、および現像処理ブロック4)と、インターフェイスブロック5とからなり、これらのブロックを並設して構成されている。インターフェイスブロック5には、本実施例に係る基板処理装置とは別体の外部装置である露光装置(ステッパー)STPが並設される。以下、各ブロックの構成を説明する。
【0029】
まず、インデクサブロック1について説明する。インンデクサブロック1は、基板Wを多段に収納するカセットCからの基板の取り出しや、カセットCへの基板Wの収納を行う機構である。具体的には、複数個のカセットCを並べて載置するカセット載置台6と、各カセットCから未処理の基板Wを順に取り出すとともに、各カセットCへ処理済の基板Wを順に収納するインデクサ用搬送機構7とを備えている。インデクサ用搬送機構7は、カセット載置台6に沿って(Y方向に)水平移動可能な可動台7aを備えている。この可動台7aに基板Wを水平姿勢で保持する保持アーム7bが搭載されている。保持アーム7bは、可動台7a上を昇降(Z方向)移動、水平面内の旋回移動、および旋回半径方向に進退移動可能に構成されている。
【0030】
上述したインデクサブロック1に隣接して反射防止膜処理ブロック2が設けられている。図4に示すように、インデクサブロック1と反射防止膜処理ブロック2との間には、雰囲気遮断用の隔壁13が設けられている。この隔壁13にインデクサブロック1と反射防止膜処理ブロック2との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1、PASS2が上下に近接して設けられている。
【0031】
上側の基板載置部PASS1はインデクサブロック1から反射防止膜処理ブロック2へ基板Wを払い出すために、下側の基板載置部PASS2は反射防止膜処理ブロック2からインデクサブロック1へ基板Wを戻すために、それぞれ設けられている。反射防止膜処理ブロック2を基準にして言えば、基板載置部PASS1は、反射防止膜処理ブロック2に基板Wを受け入れるための入口基板載置部に相当する。特に、インデクサブロック1から露光装置STPに向かって流れる基板Wの搬送方向を順方向とした場合に、基板載置部PASS1は、基板Wを順方向に搬送するときに使われる送り用入口基板載置部に相当する。一方、基板載置部PASS2は、反射防止膜処理ブロック2から基板Wを払い出すための出口基板載置部であり、特に、基板Wを逆方向(本実施例では、露光装置STPからインデクサブロック1に向かって流れる基板Wの搬送方向)に搬送するときに使われる戻り用出口基板載置部に相当する。
【0032】
基板載置部PASS1、PASS2は、隔壁13を部分的に貫通して設けられている。なお、基板載置部PASS1、PASS2は、固定設置された複数本の支持ピンから構成されており、この点は後述する他の基板載置部PASS3〜PASS10も同様である。また、基板載置部PASS1、PASS2には、基板Wの有無を検出する図示しない光学式のセンサが設けられており、各センサの検出信号に基づいてインデクサ用搬送機構7や、後述する反射防止膜用処理ブロック2の第1の主搬送機構10Aが、基板載置部PASS1、PASS2に対して基板を受け渡しできる状態であるかどうかを判断するようになっている。同様のセンサは他の基板載置部PASS3〜PASS10にも設けられている。
【0033】
反射防止膜処理ブロック2について説明する。反射防止膜処理ブロック2は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、フォトレジスト膜の下部に反射防止膜を塗布形成するための機構である。具体的には、基板Wの表面に反射防止膜を塗布形成する反射防止膜用塗布処理部8と、反射防止膜の塗布形成に関連して基板Wを熱処理する反射防止膜用熱処理部9と、反射防止膜用塗布処理部8および反射防止膜用熱処理部9に対して基板Wの受け渡しをする第1の主搬送機構10Aとを備える。
【0034】
反射防止膜処理ブロック2は、第1の主搬送機構10Aを挟んで反射防止膜用塗布処理部8と反射防止膜用熱処理部9とが対向して配置されている。具体的には、塗布処理部8が装置正面側に、熱処理部9が装置背面側に、それぞれ位置している。このように薬液処理部と熱処理部とを主搬送機構を挟んで対向配置する点は、他のレジスト膜用処理ブロック3および現像処理ブロック4においても同様である。このような配置にすれば、薬液処理部と熱処理部とが隔たるので、薬液処理部が熱処理部から受ける熱的影響を抑えることができる。また、本実施例では、熱処理部9の正面側に図示しない熱隔壁を設けて、反射防止膜用塗布処理部8への熱的影響を回避している。同様な熱隔壁は、他のレジスト膜用処理ブロック3および現像処理ブロック4にも設けられている。
【0035】
反射防止膜用塗布処理部8は、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの反射防止膜用塗布処理部8a〜8c(以下、特に区別しない場合は符号「8」で示す)を上下に積層配置して構成されている。各塗布処理部8は、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック11や、このスピンチャック11上に保持された基板W上に反射防止膜用の塗布液を供給するノズル12などを備えている。
【0036】
反射防止膜用熱処理部9は、図3に示すように、基板Wを所定の温度にまで加熱する複数個の加熱プレートHP、加熱された基板Wを常温にまで冷却する複数個の冷却プレートCP、レジスト膜と基板Wとの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気で基板Wを熱処理する複数個のアドヒージョン処理部AHLなどの熱処理部を含む。これらの熱処理部9の下部には、ヒータコントローラ(CONT)が配設され、また熱処理部9の上部(図3中に「×」印で示した個所)には配管配線部や、予備の空きスペースが割り当てられている。
【0037】
反射防止膜用熱処理部9は、各熱処理部(HP,CP,AHL)を上下に積層配置して構成されているとともに、積層配置された一群の熱処理部が複数例(本実施例では2列)にわたり並設されている。薬液処理部を上下に積層配置している点、および上下に積層配置した一群の熱処理部を複数列にわたり並設している点は、他のレジスト膜用処理ブロック3および現像処理ブロック4においても同様である。
【0038】
上述したように各処理ブロック2〜4で薬液処理部や熱処理部を上下に積層配置することにより、基板処理装置の占有スペースを小さくすることができる。また、積層配置した一群の記熱処理部を複数列にわたり並設することにより、熱処理部のメンテナンスが容易になるとともに、熱処理部に必要なダクト配管や給電設備をあまり高い位置にまで引き延ばす必要がなくなるという利点がある。
【0039】
第1の主搬送機構10Aについて説明する。なお、後述する他のレジスト膜用処理ブロック3、現像処理ブロック4、およびインターフェイスブロック5にそれぞれ備えられた第2、第3、第4の各主搬送機構10B、10C、10Dも同様に構成されている。以下、第1〜第4の主搬送機構10A〜10Dを特に区別しない場合は、主搬送機構10として説明する。
【0040】
図6を参照する。同図(a)は主搬送機構10の平面図、(b)はその正面図である。主搬送機構10は、基板Wを水平姿勢で保持する2個の保持アーム10a、10bを上下に近接して備えている。保持アーム10a、10bは、先端部が平面視で「C]の字状になっており、この「C」の字状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピン10cで基板Wの周縁を下方から支持するようになっている。主搬送機構10の基台10dは装置基台に対して固定設置されている。この基台10d上に螺軸10eが回転可能に立設支持されている。基台10dに螺軸10eを回転駆動するモータ10fが設けられている。螺軸10eに昇降台10gが螺合されており、モータ10fが螺軸10eを回転駆動することにより、昇降台10gがガイド軸10jに案内されて昇降移動するようになっている。昇降台10g上にアーム基台10hが縦軸心周りに旋回可能に搭載されている。昇降台10gにはアーム基台10hを旋回駆動するモータ10iが設けられている。アーム基台10h上に上述した2つの保持アーム10a、10bが上下に配設されている。各保持アーム10a、10bは、アーム基台10h内に装備された駆動機構(図示せず)によって、各々が独立してアーム基台10hの旋回半径方向に進退移動可能に構成されている。
【0041】
上述した反射防止膜処理ブロック2に隣接してレジスト膜処理ブロック3が設けられている。図4に示すように、反射防止膜処理ブロック2とレジスト膜処理ブロック3との間にも、雰囲気遮断用の隔壁13が設けられている。この隔壁13に反射防止膜処理ブロック2とレジスト膜処理ブロック3との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS3、PASS4が上下に近接して設けられている。
【0042】
上述した基板載置部PASS1、PASS2の場合と同様に、上側の基板載置部PASS3が基板Wの払出し用、下側の基板載置部PASS4が基板Wの戻し用になっているとともに、これらの基板載置部PASS3、PASS4は隔壁13を部分的に貫通している。ここで、基板載置部PASS3は、反射防止膜処理ブロック2を基準にして言えば、送り用出口基板載置部に相当し、レジスト膜処理ブロック3を基準にして言えば、送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS4は、反射防止膜処理ブロック2を基準にして言えば、戻り用入口基板載置部に相当し、レジスト膜処理ブロック3を基準にして言えば、戻り用出口基板載置部に相当する。これらの基板載置部PASS3、PASS4の下側には、基板Wを大まかに冷却するために水冷式の2つの冷却プレートWCPが隔壁13を貫通して上下に設けられている。
【0043】
レジスト膜用処理ブロック3について説明する。レジスト膜用処理ブロック3は、反射防止膜が塗布形成された基板W上にフォトレジスト膜を塗布形成する機構である。なお、本実施例では、フォトレジストとして化学増幅型レジストを用いている。レジスト膜用処理ブロック3は、反射防止膜が塗布形成された基板Wにフォトレジスト膜を塗布形成するレジスト膜用塗布処理部15と、フォトレジスト膜の塗布形成に関連して基板を熱処理するレジスト膜用熱処理部16と、レジスト膜用塗布処理部15およびレジスト膜用熱処理部16に対して基板Wの受け渡しをする第2の主搬送機構10Bとを備える。
【0044】
レジスト膜用塗布処理部15は、図2に示すように、同様の構成を備えた3つのレジスト膜用塗布処理部15a〜15c(以下、特に区別しない場合は符号「15」で示す)を上下に積層配置して構成されている。各塗布処理部15は、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック17や、このスピンチャック17上に保持された基板W上にレジスト膜用の塗布液を供給するノズル18などを備えている。
【0045】
レジスト膜用熱処理部16は、図3に示すように、基板Wを所定の温度にまで加熱する基板仮置部付きの複数個の加熱部PHP、基板Wを常温にまで高い精度で冷却する複数個の冷却プレートCPなどの熱処理部を含む。各熱処理部が上下に積層されるとともに並列配置されている点は、反射防止膜用処理ブロック2の場合と同様である。
【0046】
基板仮置部付きの加熱部PHPについて説明する。
図7を参照する。同図(a)は加熱部PHPの破断側面図、(b)は破断平面図である。加熱部PHPは、基板Wを載置して加熱処理をする加熱プレートHPと、この加熱プレートHPから離れた上方位置または下方位置(本実施例では上方位置)に基板Wを載置しておく基板仮置部19と、加熱プレートHPと基板仮置部19との間で基板Wを搬送する熱処理部用のローカル搬送機構20とを備えている。加熱プレートHPには、プレート表面に出没する複数本の可動支持ピン21が設けられている。加熱プレートHPの上方には加熱処理時に基板Wを覆う昇降自在の上蓋22が設けられている。基板仮置部19には基板Wを支持する複数本の固定支持ピン23が設けられている。
【0047】
ローカル搬送機構20は、基板Wを水平姿勢で保持する保持プレート24を備え、この保持プレート24がネジ送り駆動機構25によって昇降移動されるとともに、ベルト駆動機構26によって進退移動されるようになっている。保持プレート24は、これが加熱プレートHPや基板仮置部19の上方に進出したときに、可動支持ピン21や固定支持ピン23と干渉しないように複数本のスリット24aが形成されている。また、ローカル搬送機構20は、加熱プレートHPから基板仮置部19へ基板Wを搬送する過程で基板を冷却する手段を備えている。この冷却手段は、例えば保持プレート24の内部に冷却水流路24bを設け、この冷却水流路24bに冷却水を流通させることによって構成されている。
【0048】
上述したローカル搬送機構20は、加熱プレートHPおよび基板仮置部19を挟んで第2の主搬送機構10Bとは反対側、すなわち装置背面側に設置されている。そして、加熱プレートHPおよび基板仮置部19を覆う筐体27の上部、すなわち基板仮置部19を覆う部位には、その正面側に第2の主搬送機構10Bの進入を許容する開口部19aが、その背面側にはローカル搬送機構20の進入を許容する開口部19bが、それぞれ設けられている。また、筐体27の下部、すなわち加熱プレートHPを覆う部位は、その正面側が閉塞し、その背面側にローカル搬送機構20の進入を許容する開口部19cが設けられている。
【0049】
上述した加熱部PHPに対する基板Wの出し入れは以下のようにして行われる。まず、主搬送機構10(レジスト膜用処理ブロック3の場合は、第2の主搬送機構10B)が基板Wを保持して、基板仮置部19の固定支持ピン23の上に基板Wを載置する。続いてローカル搬送機構20の保持プレート24が基板Wの下側に進入してから少し上昇することにより、固定支持ピン23から基板Wを受け取る。基板Wを保持した保持プレート24は筐体27から退出して、加熱プレートHPに対向する位置にまで下降する。このとき加熱プレートHPの可動支持ピン21は下降しているとともに、上蓋22は上昇している。基板Wを保持した保持プレート24は加熱プレートHPの上方に進出する。可動支持ピン21が上昇して基板Wを受け取った後に保持プレート24が退出する。続いて可動支持ピン21が下降して基板Wを加熱プレートHP上に載せるとともに、上蓋22が下降して基板Wを覆う。この状態で基板Wが加熱処理される。加熱処理が終わると上蓋22が上昇するとともに、可動支持ピン21が上昇して基板Wを持ち上げる。続いて保持プレート24が基板Wの下に進出した後、可動支持ピン23が下降することにより、基板Wが保持プレート24に受け渡される。基板Wを保持した保持プレート24が退出して、さらに上昇して基板Wを基板仮置部19に搬送する。基板仮置部19内で保持プレート24に支持された基板Wが、保持プレート24が有する冷却機能によって冷却される。保持プレート24は、冷却した(常温に戻した)基板Wを基板仮置部19の固定支持ピン23上に移載する。この基板Wを主搬送機構10が取り出して搬送する。
【0050】
以上のように、主搬送機構10は、基板仮置部19に対して基板Wの受け渡しをするだけで、加熱プレートHPに対して基板の受け渡しをしないので、主搬送機構10が温度上昇するのを回避することができる。また、加熱プレートHPに基板Wを出し入れするための開口部19cが、主搬送機構10が配置された側とは反対側に位置しているので、開口部19cから漏れ出た熱雰囲気で主搬送機構10が温度上昇することがなく、またレジスト膜用塗布処理部15が開口部19cから漏れ出た熱雰囲気で悪影響を受けることもない。
【0051】
上述したレジスト膜処理ブロック3に隣接して現像処理ブロック4が設けられている。図4に示すように、レジスト膜処理ブロック3と現像処理ブロック4との間にも、雰囲気遮断用の隔壁13が設けられており、この隔壁13に両処理ブロック3、4間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS5,6と、基板Wを大まかに冷却するために水冷式の2つの冷却プレートWCPが上下に積層して設けられている。ここで、基板載置部PASS5は、レジスト膜処理ブロック3を基準にして言えば、送り用出口基板載置部に相当し、現像処理ブロック4を基準にして言えば、送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS6は、レジスト膜処理ブロック3を基準にして言えば、戻り用入口基板載置部に相当し、現像処理ブロック4を基準にして言えば、戻り用出口基板載置部に相当する。
【0052】
現像処理ブロック4について説明する。現像処理ブロック4は、露光された基板Wに対して現像処理をする機構である。具体的には、露光された基板Wに現像処理をする現像処理部30と、現像処理に関連して基板を熱処理する現像用熱処理部31と、現像処理部30および現像用熱処理部31に対して基板Wの受け渡しをする第3の主搬送機構10Cとを備える。
【0053】
現像処理部30は、図2に示すように、同様の構成を備えた5つの現像処理部30a〜30e(以下、特に区別しない場合は符号「30」で示す)を上下に積層配置して構成されている。各現像処理部30は、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック32や、このスピンチャック32上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル33などを備えている。
【0054】
現像用熱処理部31は、図3に示すように、各々複数個の加熱プレートHP、基板仮置部付きの加熱部PHP、冷却プレートCPなどの熱処理部を含む。各熱処理部が上下に積層されるとともに並列配置されている点は、他の処理ブロック2、3の場合と同様である。現像用熱処理部31の右側(インターフェイスブロック5に隣接している側)の熱処理部の列には、現像処理ブロック4と、これに隣接するインターフェイスブロック5との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS7、PASS8が上下に近接して設けられている。上側の基板載置部PASS7が基板Wの払出し用、下側の基板載置部PASS8が基板Wの戻し用になっている。ここで、基板載置部PASS7は、現像処理ブロック4を基準にして言えば、送り用出口基板載置部に相当し、インターフェイスブロック5を基準にして言えば、送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS8は、現像処理ブロック4を基準にして言えば、戻り用入口基板載置部に相当し、インターフェイスブロック5を基準にして言えば、戻り用出口基板載置部に相当する。
【0055】
インターフェイスブロック5について説明する。インターフェイスブロック5は、本基板処理装置とは別体の外部装置である露光装置STPに対して基板Wの受け渡しをする機構である。本実施例装置におけるインターフェイスブロック5には、露光装置STPとの間で基板Wの受け渡しをするためのインターフェイス用搬送機構35の他に、フォトレジストが塗布された基板Wの周縁部を露光する2つのエッジ露光部EEWと、現像処理ブロック4内に配設された基板仮置部付きの熱処理部PHPおよびエッジ露光部EEWに対して基板Wを受け渡しする第4の主搬送機構10Dを備えている。
【0056】
エッジ露光部EEWは、図2に示すように、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック36や、このスピンチャック36上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器37などを備えている。2つのエッジ露光部EEWは、インターフェイスブロック5の中央部に上下に積層配置されている。このエッジ露光部EEWと現像処理ブロック4の熱処理部とに隣接して配置されている第4の主搬送機構10Dは、図6で説明した主搬送機構10と同様の構成を備えている。
【0057】
図2および図5を参照する。図5はインターフェイスブロック5の側面図である。2つのエッジ露光部EEWの下側に、基板戻し用のバッファRBFがあり、さらにその下側に2つの基板載置部PASS9、PASS10が積層配置されている。基板戻し用のバッファRBFは、故障などのために現像処理ブロック4が基板Wの現像処理をすることができない場合に、現像処理ブロック4の加熱部PHPで露光後の加熱処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。このバッファRBFは、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚から構成されている。基板載置部PASS9、PASS10は、第4の主搬送機構10Dとインターフェイス用搬送機構35との間で基板Wの受け渡しを行うためのもので、上側が基板払出し用、下側が基板戻し用になっている。
【0058】
インターフェイス用搬送機構35は、図1および図5に示すように、Y方向に水平移動可能な可動台35aを備え、この可動台35a上に基板Wを保持する保持アーム35bを搭載している。保持アーム35bは、昇降・旋回および旋回半径方向に進退移動可能に構成されている。インターフェイス用搬送機構35の搬送経路の一端(図5中に示す位置P1)は、積層された基板載置部PASS9、PASS10の下方にまで延びており、この位置P1で露光装置STPとの間で基板Wの受け渡しを行う。また、搬送経路の他端位置P2では、基板載置部PASS9、PASS10に対する基板Wの受け渡しと、送り用バッファSBFに対する基板Wの収納と取り出しとを行う。送り用バッファSBFは、露光装置STPが基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するもので、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚から構成されている。
【0059】
以上のように構成された基板処理装置は、インデクサブロック1、各処理ブロック2、3、4、およびインターフェイスブロック5内に清浄空気がダウンフローの状態で供給されており、各ブロック内でパーティクルの巻き上がりや気流によるプロセスへの悪影響を回避している。また、各ブロック内は装置の外部環境に対して若干陽圧に保たれて、外部環境からのパーティクルや汚染物質の侵入などを防いでいる。特に、反射防止膜用処理ブロック2内の気圧はインデクサブロク1内の気圧よりも高くなるように設定されている。これにより、インデクサブロック1内の雰囲気が反射防止膜用処理ブロック2に流入しないので、外部の雰囲気の影響を受けずに各処理ブロック2、3、4で処理を行うことができる。
【0060】
次に本実施例に係る基板処理装置の制御系、特に基板搬送に係る制御手法について説明する。
上述したインデクサブロック1、反射防止膜用処理ブロック2、レジスト膜用処理ブロック3、現像処理ブロック4、およびインターフェイスブロック5は、本実施例に係る基板処理装置を機構的に分割した要素である。具体的には、各ブロックは、各々個別のブロック用フレーム(枠体)に組み付けられ、各ブロック用フレームを連結して基板処理装置が構成されている(図8(a)参照)。
【0061】
一方、本発明の特徴の1つとして、基板搬送に係る被制御ユニットの単位を機械的要素である各ブロックとは別に構成している。すなわち、基板に所要の処理を行う処理部と、前記処理部に対して基板の受け渡しをする単一の主搬送機構とを含んで単一の被制御ユニットを構成し、前記被制御ユニットを並設して基板処理装置を構成している。各被制御ユニットには、その被制御ユニットに基板を受け入れるために基板を載置する入口基板載置部と、その被制御ユニットから基板を払い出すために基板を載置する出口基板載置部とが区別して設けられている。そして、各被制御ユニットの主搬送機構は、入口基板載置部と出口基板載置部とを介して、互いに基板の受け渡しを行い、かつ、各被制御ユニットの主搬送機構の基板受け渡し動作を少なくとも制御するユニット制御手段を各被制御ユニットごとに備え、各ユニット制御手段は、前記処理部に対する基板の受け渡しおよび前記基板載置部に対する基板の受け渡しを含む一連の基板搬送に係る制御を、各々独立して行うようになっている。
【0062】
以下、本実施例装置における被制御ユニットの単位を「セル」という。実施例装置の制御系を構成する各セルの配置を図8(b)に示す。
【0063】
インデクサセルC1は、カセット載置台6とインデクサ用搬送機構7とを含む。このセルC1は、結果として機械的に分割した要素であるインデクサブロック1と同じ構成になっている。反射防止膜用処理セルC2は、反射防止膜用塗布処理部8と反射防止膜用熱処理部9と第1の主搬送機構10Aとを含む。このセルC2も、結果として機械的に分割した要素である反射防止膜用処理ブロック2と同じ構成になっている。レジスト膜用処理セルC3は、レジスト膜用塗布処理部15とレジスト膜用熱処理部16と第2の主搬送機構10Bとを含む。このセルC3も、結果として機械的に分割した要素であるレジスト膜用処理ブロック3と同じ構成になっている。
【0064】
一方、現像処理セルC4は、現像処理部30と、露光後加熱に使われる熱処理部(実施例では、加熱部PHP)を除いた現像用熱処理部31と、第3の主搬送機構10Cとを含む。このセルC3は、露光後加熱に使われる加熱部PHPを含んでいない点で、機械的に分割した要素である現像処理ブロック4とは異なる構成になっている。
【0065】
露光後加熱用処理セルC5は、露光された基板Wを現像前に加熱処理する露光後加熱用の熱処理部(実施例では、現像処理ブロック4に設けられた加熱部PHP)と、エッジ露光部EEWと、第4の主搬送機構10Dとを含む。このセルC5は、機械的に分割した要素である現像処理ブロック4とインターフェイスブロック5とにまたがるもので、本実施例装置の特徴的なセルである。このように露光後加熱用の熱処理部(加熱部PHP)と第4の主搬送機構10Dとを含んで1つのセルを構成しているので、露光された基板を速やかに加熱部PHPに搬入して熱処理を行うことができる。これは露光後の加熱を速やかに行う必要がある化学増幅型フォトレジストを用いた場合に好適である。
【0066】
なお、上述した基板載置部PASS7、PASS8は、現像処理セルC4の第3の主搬送機構10Cと、露光後加熱用処理セルC5の第4の主搬送機構10Dとの間の基板Wの受け渡しに介在する。ここで、基板載置部PASS7は、現像処理セルC4を基準にして言えば、送り用出口基板載置部に相当し、露光後加熱用処理セルC5を基準にして言えば、送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS8は、現像処理セルC4を基準にして言えば、戻り用入口基板載置部に相当し、露光後加熱用処理セルC5を基準にして言えば、戻り用出口基板載置部に相当する。
【0067】
インターフェイスセルC6は、外部装置である露光装置STPに対して基板Wの受け渡しをするインターフェイス用搬送機構35を含む。このセルC6は、第4の主搬送機構10Dやエッジ露光部EEWを含まない点で、機械的に分割した要素であるインターフェイスブロック5とは異なる構成になっている。なお、上述した基板載置部PASS9、PASS10は、露光後加熱用処理セルC5の第4の主搬送機構10Dと、インターフェイス用搬送機構35との間の基板Wの受け渡しに介在する。ここで、基板載置部PASS9は、露光後加熱用処理セルC5を基準にして言えば、送り用出口基板載置部に相当し、インターフェイスセルC6を基準にして言えば、送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS10は、露光後加熱用処理セルC5を基準にして言えば、戻り用入口基板載置部に相当し、インターフェイスセルC6を基準にして言えば、戻り用出口基板載置部に相当する。
【0068】
本実施例装置は、上述した6つのセルC1〜C6を並設して構成されており、各セルC1〜C6間の基板の受け渡しは、基板載置部PASS1〜PASS10を介して行われる。換言すれば、本発明における単一の被制御ユニット(セル)は、単一の主搬送機構を含み、その主搬送機構が、特定の入口基板載置部から受け取った基板を特定の出口基板載置部に置くまでに、基板の受け渡しを行う処理部を含んで構成される。
【0069】
図9(a)に示すように、セルC1〜C6は、各々のセルの主搬送機構(インデクサ用搬送機構7およびインターフェイス用搬送機構35を含む)の基板受け渡し動作を少なくとも制御するセルコントローラ(ユニット制御手段)CT1〜CT6を個別に備えている。各セルコントローラCT1〜CT6は、所定の入口基板載置部に置かれた基板の受け取りから始まって、所定の出口基板載置部に基板を置くことによって完結する一連の制御を、各々独立して行うようになっている。具体的には、各セルC1〜C6のセルコントローラCT1〜CT6は、所定の基板載置部に基板を置いたという情報を、隣のセルのセルコントラーラに送り、その基板を受け取ったセルのセルコントローラは、所定の基板載置部から基板を受け取ったという情報を元のセルのセルコントローラに返すという情報のやり取りを行う。このような情報のやり取りは、各セルコントローラCT1〜CT6に接続されて、これらを統括的に管理するメインコントローラ(主制御手段)MCを介して行われる。メインコントローラMCは、データ設定部HCに接続され、データ設定部HCとの間で通信可能に構成されている。メインコントローラMCは、本発明における終了指示手段にも相当する。
【0070】
各セルコントローラCT1〜CT6は、隣接するセル内での主搬送機構の動きを考慮することなく、各セル内の基板の受け渡しだけを対象にして制御を進めている。従って、各セルコントローラCT1〜CT6の制御の負担が少なくなる。これに対して、従来の基板処理装置の制御手法によると、図9(b)に示すように、各ブロック1〜5が基板処理のスケジュール管理用のコントローラCT0に基板搬送に係る情報を与えて、コントローラCT0が統括的に基板搬送を管理しているので、コントローラCT10の負担が多くなる。
【0071】
以上のように本実施例によれば各セルのコントローラCT1〜CT6の制御負担が少なくなるので、それだけ基板処理装置のスループットを向上させることができる。また、図9(b)に示した従来の制御手法によると、新たに処理部を追加すると、コントローラCT0のスケジュール管理用のプログラムを大幅に修正する必要が生じるが、本発明に係る制御手法によれば、新たにセルを追加しても、隣接するセルに影響を与えないので、セルの追加を容易に行うことができる。追加するセルの種類は特に限定されないが、例えば、レジスト膜用処理セルC3と現像処理セルC4との間に、基板Wに塗布されたレジスト膜の厚みを検査したり、あるいは現像後のレジスト膜の線幅を検査する検査用セルを追加してもよい。この場合、検査用セルは、本実施例装置の他のセルと同様に、基板を検査する基板検査部と、この検査部に対して基板を搬送する基板検査用の主搬送機構とを含んで構成される。また、検査用セルと隣接セルとの間の基板の受け渡しは、入口基板載置部と出口基板載置部とを介して行われる。
【0072】
本実施例に係る基板処理装置の他の特徴は、被制御ユニットである反射防止膜用処理セルC2、レジスト膜用処理セルC3、および現像処理セルC4が、主搬送機構を使って基板Wを特定の位置から別の位置に搬送する工程を1工程とした場合に、各セルC2、C3、C4の第1、第2、第3の主搬送機構10A、10B、10Cは、略同数の搬送工程を負担している点にある。詳しくは、後述する本実施例装置の動作説明で明らかにするが、図10に示したように、上記主搬送機構10A、10B、10Cは、略6つの搬送工程を負担している。
【0073】
本実施例装置において、主搬送機構10が1搬送工程に要する時間は約4秒である。したがって、各セルC2〜C3において、主搬送機構10は6搬送工程を負担するので、各セルC2〜C3は24秒に1回の割合(24秒の処理周期)で基板Wを隣接するセルに排出することになる。つまり、本実施例装置は、1時間あたり150枚の基板Wを処理することができる。仮に、1つの主搬送機構が負担する搬送工程の数が、他の主搬送機構に比べて多くなると、その主搬送機構が属するセルの処理周期によって、基板処理装置のスループットが決定される。例えば、セルC2、C4の各主搬送機構10A、10Cが各々5つの搬送工程を負担し、セルC3の主搬送機構10Bが8つの搬送工程を負担する場合、セルC2〜C4間では、セルC3の処理周期(この場合、32秒)でしか基板Wが流れないので、セルC2、C4の主搬送機構10A、10Cに余裕があったとしても、その基板処理装置は1時間あたり112.5枚しか基板Wを処理することができない。
【0074】
これに対して本実施例装置では、反射防止膜用処理セルC2、レジスト膜用処理セルC3、および現像処理セルC4の各主搬送機構10A、10B、10Cが略同数の搬送工程を負担するので、いずれか1つの主搬送機構が早く搬送処理の限界に陥ることが回避でき、結果として、基板処理装置のスループットを向上させることができる。
【0075】
一方、現像処理セルC4に隣接する露光後加熱用処理セルC5に関しては、そのセルC5に属する第4の主搬送機構10Dの負担する搬送工程が5つに設定されている。露光後加熱用処理セルC5は、基板Wが露光されてから加熱処理を行うまでの時間を厳密に管理する必要があるので、第4の主搬送機構10Dの搬送負担に余裕をもたせる意味で、その搬送負担を他のセルに比べて低く設定してある。第4の主搬送機構10Dに特に余裕をもたせる必要がなければ、本処理セルC5は、1搬送工程分だけの空きをもっていることになる。この空き搬送工程を利用して、露光後加熱用処理セルC5に新たな処理部、例えば基板Wの検査部を追加することも可能である。基板検査部を追加してもセルC5の主搬送機構10Dは、他のセルの主搬送機構と同様に6つの搬送工程を負担することになる。つまり、搬送工程に余裕のあるセルC5に基板検査部を追加しても、セルC5の処理周期は他のセルと同じ24秒になるだけであるので、基板処理装置のスループットが低下することはない。
【0076】
次に、本実施例に係る基板処理装置の動作を説明する。特に、反射防止膜用処理セルC2、レジスト膜用処理セルC3、現像処理セルC4、および露光後加熱用処理セルC5の各主搬送機構10A〜10Dによる各搬送工程については図10を参照されたい。
【0077】
まず、インデクサセルC1(インデクサブロック1)のインデクサ用搬送機構7が、所定のカセットCに対向する位置にまで水平移動する。続いて、保持アーム7bが昇降および進退移動することにより、そのカセットCに収納されている未処理の基板Wを取り出す。保持アーム7bに基板Wを保持した状態で、インデクサ用搬送機構7が、基板載置部PASS1、PASS2に対向する位置にまで水平移動する。そして、保持アーム7b上の基板Wを基板払出し用の上側の基板載置部PASS1に載置する。基板戻し用の下側の基板載置部PASS2に処理済みの基板Wが載置されている場合、インデクサ用搬送機構7は、その処理済みの基板Wを保持アーム7b上に受け取って、所定のカッセトCに処理済みの基板Wを収納する。以下、同様にカセットCから未処理基板Wを取り出して基板載置部PASS1に搬送するとともに、処理済み基板Wを基板載置部PASS2から受け取ってカセットCに収納するという動作を繰り返し行う。
【0078】
反射防止膜用処理セルC2(反射防止膜用処理ブロック2)の動作を説明する。基板載置部PASS1(反射防止膜用処理セルC2を基準にして言えば「送り用入口基板載置部」)に未処理基板Wが置かれると、図10に示すように、セルC2の第1の主搬送機構10Aは、保持アーム10a、10bを基板載置部PASS1、PASS2に対向する位置にまで一体に昇降および旋回移動させる。そして、一方の保持アーム10bに保持している処理済みの基板Wを下側の戻し用の基板載置部PASS2(反射防止膜用処理セルC2を基準にして言えば「戻り用出口基板載置部」)に置き、その後、上側の送り用入口基板載置部PASS1に置かれている未処理基板Wを、空の状態になった一方の保持アーム10bを再び駆動して、その保持アーム10b上に受け取るという、保持アーム10bだけを使った処理済み基板Wおよび未処理基板Wの受け渡し動作を行う。
【0079】
具体的には、保持アーム10bを前進移動させて戻り用出口基板載置部PASS2上に処理済みの基板Wを置く。処理済みの基板Wを渡した保持アーム10bは元の位置にまで後退する。続いて、保持アーム10a、10bを一体に少し上昇させた後、空の状態になった保持アーム10bを再び前進移動させて送り用入口基板載置部PASS1上の未処理基板Wを保持アーム10b上に受け取る。基板Wを受け取った保持アーム10bは元の位置にまで後退する。
【0080】
上述したように、本実施例では、基板載置部PASS1、PASS2に対する処理済み基板Wおよび未処理基板Wの受け渡し動作を保持アーム10bだけを使って行っている。一方の保持アーム10aに保持した基板Wを基板載置部PASS2に渡した後は、両方の保持アーム10a、10bは空の状態になっているので、いずれの保持アーム10a、10bを使っても基板載置部PASS1の基板Wを受け取ることができる。しかし、本実施例では、後述する説明から明らかになるように、加熱プレートHPで処理されて加熱された基板Wを、上側に配置された保持アーム10aで受け取るために、元々空の状態にあった保持アーム10aを使わずに、保持アーム10bを再駆動して基板載置部PASS1の基板Wを受け取るように構成してある。
【0081】
以上の基板載置部PASS1、PASS2に対する未処理基板Wおよび処理済み基板Wの受け渡しは、図10中に第1の主搬送機構10Aの搬送工程(1+α)で示されている。ここで、「α」は、未処理基板Wを基板載置部PASS1から受け取るために、保持アーム10a、10bを基板載置部PASS2に対向する位置から基板載置部PASS1に対向する位置にまで少し上昇移動させた搬送工程を示している。上述したように、基板載置部PASS1、PASS2は上下に近接して配置されているので、基板載置部PASS1、PASS2間の移動に要する時間は僅かであり無視することができる。したがって、搬送工程(1+α)は、1搬送工程(本実施例では、主搬送機構を使って所定時間(例えば、4秒)以内に行われる基板の受け渡し動作)であるとして取り扱うことができる。
【0082】
基板載置部PASS1、PASS2に対する基板Wの受け渡しが終わると、第1の主搬送機構10Aは、基板Wを保持していない空の状態の保持アーム10aと、未処理基板Wを保持した保持アーム10bとを一体に昇降・旋回移動させて、反射防止膜用熱処理部9の所定の冷却プレートCPに対向させる。通常、この冷却プレートCPには、先行処理されている基板Wが入っている。そこで、先ず、空の保持アーム10aを前進移動させて、その冷却プレートCP上の冷却処理済みの基板Wを保持アーム10a上に受け取る。続いて未処理基板Wを保持した保持アーム10bを前進移動させて、未処理基板Wをその冷却プレートCP上に置く。冷却プレートCPに載せられた基板Wは、主搬送機構10Aが他の搬送動作を行っている間に、常温にまで精度よく冷却される。なお、2つの保持アーム10a、10bを使った冷却プレートCPへの基板Wの受け渡しは、保持アーム10a、10bの昇降動作を伴わずに行われるので、この冷却プレートCPに対する基板の受け渡しは、第1の主搬送機構10Aの1搬送工程内に行われる(図10中に示した第1の主搬送機構10Aの搬送工程(2)参照)。
【0083】
冷却プレートCPへの基板Wの受け渡しが終わると、冷却処理された基板Wを保持した保持アーム10aと空の保持アーム10bとを一体に昇降・旋回移動させて、所定の反射防止膜用塗布処理部8に対向させる。通常、この反射防止膜用塗布処理部8には、先行処理されている基板Wが入っている。そこで、先ず、空の保持アーム10bを前進移動させて、その反射防止膜用塗布処理部8にあるスピンチャック11上の処理済みの基板Wを保持アーム10b上に受け取る。続いて基板Wを保持した保持アーム10aを前進移動させて、基板Wをそのスピンチャック11上に置く。スピンチャック11上に載せられた基板Wは、主搬送機構10Aが他の搬送動作を行っている間に、反射防止膜が塗布形成される。スピンチャック11に対する基板の受け渡しは、図10中に示した第1の主搬送機構10Aの搬送工程(3)に相当する。なお、図10中の「BARC」は反射防止膜用塗布処理部8を意味する。
【0084】
スピンチャック11への基板Wの受け渡しが終わると、空の状態の保持アーム10aと、反射防止膜が塗布された基板Wを保持した保持アーム10bとを一体に昇降・旋回移動させて、所定の加熱プレートHPに対向させる。通常、この加熱プレートHPにも先行処理されている基板Wが入っているので、先ず、空の保持アーム10aを前進移動させて、その加熱プレートHP上の処理済みの基板Wを保持アーム10a上に受け取る。続いて、保持アーム10bを前進移動させて、基板Wを加熱プレートHP上に置く。加熱プレートHP上に載せられた基板Wは、主搬送機構10Aが他の搬送動作を行っている間に熱処理されて、基板W上の反射防止膜に含まれる余剰の溶剤が除去される。この加熱プレートHPに対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第1の主搬送機構10Aの搬送工程(4)に相当する。
【0085】
加熱プレートHPへの基板Wの載せ換えが終わると、熱処理された基板Wを保持した保持アーム10aと空の状態の保持アーム10bとを一体に昇降・旋回移動させて、隔壁13に設置された水冷式の冷却プレートWCPに対向させる。上述したと同様に、先ず、空の保持アーム10bを前進移動させて、その冷却プレートWCP上の処理済みの基板Wを保持アーム10b上に受け取る。続いて、保持アーム10aを前進移動させて、基板Wを冷却プレートWCP上に置く。冷却プレートWCP上に載せられた基板Wは、主搬送機構10Aが他の搬送動作を行っている間に大まかに冷却処理される。この冷却プレートWCPに対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第1の主搬送機構10Aの搬送工程(5)に相当する。
【0086】
冷却プレートWCPへの基板Wの載せ換えが終わると、空の状態の保持アーム10aと、大まかに冷却された基板Wを保持した保持アーム10bとを一体に上昇させて、冷却プレートWCPの上方に配設されている基板載置部PASS3、PASS4に対向させる。そして、保持アーム10bを前進移動させて上側の基板載置部PASS3(反射防止膜用処理セルC2を基準にして言えば「送り用出口基板載置部」)上に基板Wを置く。通常、下側の基板載置部PASS4(反射防止膜用処理セルC2を基準にして言えば「戻り用入口基板載置部」)に、レジスト膜用処理セルC3を介して現像処理セルC4から送られてきた現像処理済みの基板Wが置かれている。そこで、保持アーム10a、10bを一体に少し下降させた後、空の状態になった保持アーム10bを再び前進移動させて基板載置部PASS4上の現像処理済みの基板Wを保持アーム10b上に受け取る。
【0087】
基板載置部PASS3、PASS4に対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第1の主搬送機構10Aの搬送工程(6+α)に相当する。「α」は上述したと同様に、保持アーム10a、10bが僅かに昇降する短時間の搬送工程である。したがって、搬送工程(6+α)は1搬送工程であるとして取り扱うことができる。
【0088】
反射防止膜用処理セルC2に備えられた第1の主搬送機構10Aは、上述した搬送工程(1+α)から搬送工程(6+α)の各基板搬送を繰り返し行う。ここで、搬送工程(1+α)から搬送工程(6+α)を合計すると、第1の主搬送機構10Aは、略6つの搬送工程を負担することになる。1搬送工程に要する搬送時間を4秒とすると、第1の主搬送機構10Aは略24秒で基板搬送の1周期を完了する。換言すれば、24秒に1回(150枚/時間)の割合で基板Wが隣のレジスト膜用処理セルC3に払い出される。
【0089】
上述した説明から明らかなように、加熱プレートHPで加熱処理された基板Wは、常に上側の保持アーム10aで保持される。加熱された基板Wからの熱的影響は上方に強く及ぶので、加熱された基板Wの影響で下側の保持アーム10bが温度上昇するのを抑制することができる。この熱的影響をあまり受けていない下側の保持アーム10bを使って、反射防止膜用処理セルC2から次のレジスト膜用処理セルC3に基板Wを払い出すようにしているので、レジスト膜の塗付処理を受ける基板Wの温度変動を抑制することができる。
【0090】
なお、本実施例の反射防止膜用処理セルC2は、基板載置部PASS1、PASS2に対する基板Wの受け渡しと、基板載置部PASS3、PASS4に対する基板Wの受け渡しとの間に、偶数回の基板Wの受け渡し(すなわち、図10で「CP]、「BARC」、「HP」、「WCP」で表した各処理に伴う基板Wの受け渡し)を行う。このような場合、必ずしも上述したように、一方の保持アーム10bだけを使って基板載置部PASS1〜PASS4に対して基板Wの受け渡しを行う必要はなく、基板載置部PASS1、PASS2および基板載置部PASS3、PASS4に対してそれぞれ2つの保持アーム10a、10bを使って基板Wの受け渡しを行っても、加熱処理された直後の基板Wを保持する保持アームを、一方の保持アーム10aに固定することはできる。
【0091】
しかし、基板載置部PASS1、PASS2に対する基板Wの受け渡しと基板載置部PASS3、PASS4に対する基板Wの受け渡しとの間に行われる基板Wの受け渡し回数(基板の受け渡しを伴う処理の回数)が奇数回になった場合(後述する露光後加熱用処理セルC5のような場合)に、上記のように基板載置部PASS1、PASS2および基板載置部PASS3、PASS4の両方に対して2つの保持アーム10a、10b(1つの保持アームのみを使う場合も同様であるが)を使って基板Wの受け渡しを行うと、搬送行程の1サイクルごとに、基板Wを扱う保持アームが交互に入れ代わるので、加熱処理後の基板Wを一方の保持アーム10aだけで取り扱うことができなくなる。その結果、2つの保持アーム10a、10bが加熱された基板Wから熱的影響を受けて蓄熱し、他の基板Wに熱的悪影響を与えるという不具合を招く。
【0092】
これに対して、本実施例では、2つの保持アーム10a、10bのいずれかに基板Wを保持した状態で、2つの基板載置部に対して基板Wの受け渡しを行うにあたり、一方の保持アーム上の基板Wを先に一方の基板載置部に渡すことにより、一時的に2つの保持アーム10a、10bを空の状態にしているので、他方の基板載置部上の基板Wをいずれの保持アーム10a、10bを使っても受け取ることができる。従って、基板載置部PASS1、PASS2に対する基板Wの受け渡しと基板載置部PASS3、PASS4に対する基板Wの受け渡しとの間に、奇数回の基板Wの受け渡し(基板の受け渡しを伴う処理)がある場合には、一方の2つの基板載置部(例えば、上下に近接配置された送り用入口基板載置部と戻り用出口基板載置部)に対しては1つの保持アーム(例えば、保持アーム10b)を使って基板Wの受け渡しを行い、他方の2つの基板載置部(例えば、送り用出口基板載置部と戻り用入口基板載置部)に対しては2つの保持アーム10a、10bを使って基板Wの受け渡しを行うことにより、各処理に伴う基板Wの受け渡しを常に同じ保持アームを使って行うことができる。すなわち、保持アーム10a、10bのうち、加熱プレートHPで加熱処理がなされた基板Wを受け取る保持アームが毎搬送サイクルとも同じになるという条件を満たすように、空の状態の保持アーム10a、10bのうちの1つを駆動して、入口基板載置部に置かれている基板を受け取るようにしているのである。従って、保持アーム10a、10bから基板Wに与える熱的影響を抑制することができ、また、保持アーム10a、10bから基板Wに対して何らかの熱的影響が仮にあったとしても、その熱的影響が基板Wごとに変動するということがなく、基板Wに対する熱的影響の「変動」を最小限度に抑えることができ、もって基板処理の品質を安定させることができる。
【0093】
上記のような2つの基板載置部に対して一方の保持アーム10bだけを使って基板Wの受け渡しをする手法は、後述する他の処理セルC2〜C4(ただし、露光後加熱用処理セルC5を除く)においても同様である。なお、本発明はこのような基板Wの受け渡し手法に限定されるものでなく、保持アームから基板Wに与える熱的影響を考慮する必要がない場合などでは、全ての基板載置部に対して2つの保持アームを使って基板Wの受け渡しを行っても良い。
【0094】
レジスト膜用処理セルC3(レジスト膜用処理ブロック3)の動作を説明する。反射防止膜が塗付形成された基板Wが基板載置部PASS3(レジスト膜用処理セルC3を基準にして言えば「送り用入口基板載置部」)に置かれると、図10に示すように、セルC3の第2の主搬送機構10Bは、上述した第1の主搬送機構10Aの場合と同様に、一方の保持アーム10bに保持した現像処理済みの基板Wを基板載置部PASS4(レジスト膜用処理セルC3を基準にして言えば「戻り用出口基板載置部」)上に置く。そして、基板載置部PASS3上の基板Wを再び保持アーム10b上に受け取る。基板載置部PASS3、PASS4に対する基板Wの受け渡しは、図10中に第2の主搬送機構10Bの搬送工程(1+α)で示されている。上述したように、「α」は時間には無視することができるので、搬送工程(1+α)は1搬送工程として取り扱うことができる。
【0095】
基板載置部PASS3、PASS4に対する基板Wの受け渡しが終わると、第2の主搬送機構10Bは、空の状態の保持アーム10aと基板Wを保持した保持アーム10bとを、レジスト膜用熱処理部16の所定の冷却プレートCPに対向する位置にまで移動させる。そして、先ず、空の保持アーム10aを前進移動させて、その冷却プレートCP上の冷却処理済みの基板Wを受け取り、続いて保持アーム10bを前進移動させて、未処理基板Wをその冷却プレートCP上に置く。この冷却プレートCPに対する基板の受け渡しは、図10中に示した第2の主搬送機構10Bの搬送工程(2)に相当する。
【0096】
冷却プレートCPへの基板Wの載せ換えが終わると、冷却処理された基板Wを保持した保持アーム10aと空の状態の保持アーム10bとを、所定のレジスト膜用塗布処理部15に対向する位置にまで移動させる。先ず、空の保持アーム10bを前進移動させて、そのレジスト膜用塗布処理部15にあるスピンチャック17上の処理済みの基板Wを受け取るとともに、基板Wを保持した保持アーム10aを前進移動させて、その基板Wをスピンチャック17上に置く。スピンチャック17上に載せられた基板Wは、主搬送機構10Bが他の搬送動作を行っている間に、レジスト膜が塗布形成される。スピンチャック17に対する基板の受け渡しは、図10中に示した第2の主搬送機構10Bの搬送工程(3)に相当する。なお、図10中の「PR」はレジスト膜用塗布処理部15を意味する。
【0097】
スピンチャック17への基板Wの受け渡しが終わると、空の状態の保持アーム10aと、レジスト膜が塗布形成された基板Wを保持した保持アーム10bとを、所定の基板仮置部付きの加熱部PHPに対向させる。先ず、空の保持アーム10aを前進移動させて、その加熱部PHP上の基板仮置部19に載置されている処理済みの基板Wを受け取る。続いて、保持アーム10bを前進移動させて、未処理基板Wを基板仮置部19上に置く。基板仮置部19上に載せられた基板Wは、主搬送機構10Bが他の搬送動作を行っている間に、その加熱部PHPのローカル搬送機構20によって、その加熱部PHPの加熱プレートHP上に移されて熱処理される。この加熱プレートHP上で熱処理された基板Wは、同じローカル搬送機構20によって基板仮置部19に戻される。その基板Wは、ローカル搬送機構20の保持プレート24に保持されて基板仮置部19に戻され、基板載置部20内で保持プレート24の冷却機構によって冷却される。この加熱部PHPに対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第2の主搬送機構10Bの搬送工程(4)に相当する。
【0098】
加熱部PHPへの基板Wの受け渡しが終わると、熱処理された基板Wを保持した保持アーム10aと空の状態の保持アーム10bとを、レジスト膜用熱処理部16の冷却プレートCPに対向させる。そして、空の保持アーム10bを前進移動させて、その冷却プレートCP上の処理済みの基板Wを受け取るとともに、保持アーム10aを前進移動させて、未処理基板Wを冷却プレートCP上に置く。この冷却プレートCPに対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第2の主搬送機構10Bの搬送工程(5)に相当する。
【0099】
冷却プレートCPへの基板Wの受け渡しが終わると、空の状態の保持アーム10aと、冷却された基板Wを保持した保持アーム10bとを、基板載置部PASS5、PASS6に対向させる。続いて、保持アーム10bを前進移動させて上側の基板払出し用の基板載置部PASS5(レジスト膜用処理セルC3を基準にして言えば「送り用出口基板載置部」)上に基板Wを置くとともに、下側の基板戻し用の基板載置部PASS6(レジスト膜用処理セルC3を基準にして言えば「戻り用入口基板載置部」)に載置されている現像処理済みの基板Wを再び保持アーム10bで受け取る。
【0100】
基板載置部PASS5、PASS6に対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第2の主搬送機構10Bの搬送工程(6+α)に相当する。搬送工程(6+α)は1搬送工程であるとして取り扱われる。
【0101】
レジスト膜用処理セルC3に備えられた第2の主搬送機構10Bは、上述した搬送工程(1+α)から搬送工程(6+α)の各基板搬送を繰り返し行う。ここで、第2の主搬送機構10Bの搬送工程(1+α)から搬送工程(6+α)を合計すると、第2の主搬送機構10Bは、第1の主搬送機構10Aと同様に略6つの搬送工程を負担することになる。したがって、第2の主搬送機構10Bは、第1の主搬送機構10Aと同じ周期(この実施例では、略24秒)で基板搬送の1周期を完了する。換言すれば、24秒に1回(150枚/時間)の割合で基板Wが隣の現像処理セルC4に払い出される。
【0102】
現像処理セルC4の動作を説明する。レジスト膜が塗付形成された基板Wが基板載置部PASS5(現像処理セルC4を基準にして言えば「送り用入口基板載置部」)に置かれると、図10に示すように、セルC4の第3の主搬送機構10Cは、先ず保持アーム10bに保持した現像処理済みの基板Wを基板載置部PASS6(現像処理セルC4を基準にして言えば「戻り用出口基板載置部」)上に置き、その後、基板載置部PASS5上の基板Wを再び保持アーム10b上に受け取る。基板載置部PASS5、PASS6に対する基板Wの受け渡しは、図10中に第3の主搬送機構10Cの搬送工程(1+α)で示されている。
【0103】
基板載置部PASS5、PASS6に対する基板Wの受け渡しが終わると、第3の主搬送機構10Cは、空の状態の保持アーム10aと基板Wを保持した保持アーム10bとを、現像用熱処理部31の積層構造の中に配設された基板載置部PASS7、PASS8に対向する位置にまで移動させる。続いて、保持アーム10bを前進移動させて上側の基板払出し用の基板載置部PASS7(現像処理セルC4を基準にして言えば「送り用出口基板載置部」)上に、レジスト膜が塗付形成された基板Wを置き、その後、下側の基板戻し用の基板載置部PASS8(現像処理セルC4を基準にして言えば「戻り用入口基板載置部」)に載置されている露光後の加熱処理済みの基板Wを再び保持アーム10bで受け取る。基板載置部PASS7、PASS8に対する基板Wの受け渡しは、図10中に第3の主搬送機構10Cの搬送工程(2+α)で示されている。
【0104】
基板載置部PASS7、PASS8に対する基板Wの受け渡しが終わると、第3の主搬送機構10Cは、空の状態の保持アーム10aと、露光後の加熱処理済みの基板Wを保持した保持アーム10bとを、現像用熱処理部31の所定の冷却プレートCPに対向する位置にまで移動させる。そして、先ず、空の保持アーム10aを前進移動させて、その冷却プレートCP上の冷却処理済みの基板Wを受け取り、続いて保持アーム10bを前進移動させて、未処理基板Wをその冷却プレートCP上に置く。この冷却プレートCPに対する基板の受け渡しは、図10中に示した第3の主搬送機構10Cの搬送工程(3)に相当する。
【0105】
冷却プレートCPへの基板Wの受け渡しが終わると、冷却処理された基板Wを保持した保持アーム10aと空の状態の保持アーム10bとを、所定の現像処理部30に対向する位置にまで移動させる。先ず、空の保持アーム10bを前進移動させて、その現像処理部30にあるスピンチャック32上の処理済みの基板Wを受け取るとともに、基板Wを保持した保持アーム10aを前進移動させて、その基板Wをスピンチャック32上に置く。スピンチャック32上に載せられた基板Wは、主搬送機構10Cが他の搬送動作を行っている間に、現像処理される。スピンチャック32に対する基板の受け渡しは、図10中に示した第3の主搬送機構10Cの搬送工程(4)に相当する。なお、図10中の「SD」は現像処理部30を意味する。
【0106】
スピンチャック32への基板Wの受け渡しが終わると、空の状態の保持アーム10aと、現像処理された基板Wを保持した保持アーム10bとを、現像用熱処理部31の所定の加熱プレートHPに対向させる。先ず、空の保持アーム10aを前進移動させて、その加熱プレートHP上に載置されている処理済みの基板Wを受け取る。続いて、保持アーム10bを前進移動させて、未処理基板Wを加熱プレートHP上に置く。この加熱プレートHPに対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第3の主搬送機構10Cの搬送工程(5)に相当する。
【0107】
加熱プレートHPへの基板Wの載せ換えが終わると、加熱処理された基板Wを保持した保持アーム10aと空の状態の保持アーム10bとを、レジスト膜用処理セルC3の側にある隔壁13に設置された水冷式の冷却プレートWCPに対向させる。そして、空の保持アーム10bを前進移動させて、その冷却プレートWCP上の処理済みの基板Wを受け取るとともに、保持アーム10aを前進移動させて、未処理基板Wを冷却プレートWCP上に置く。この冷却プレートWCPに対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第3の主搬送機構10Cの搬送工程(6)に相当する。
【0108】
現像処理セルC4に備えられた第3の主搬送機構10Cは、上述した搬送工程(1+α)から搬送工程(6)の各基板搬送を繰り返し行う。ここで、第3の主搬送機構10Cの搬送工程(1+α)から搬送工程(6)を合計すると、第3の主搬送機構10Cは、第1、第2の主搬送機構10A、10Bと同様に略6つの搬送工程を負担することになる。したがって、第3の主搬送機構10Bは、第1、第2の主搬送機構10A、10Bと同じ周期(この実施例では、略24秒)で基板搬送の1周期を完了する。換言すれば、24秒に1回(150枚/時間)の割合で基板Wが隣の露光後加熱用処理セルC5に払い出される。
【0109】
露光後加熱用処理セルC5の動作を説明する。レジスト膜が塗付形成された基板Wが基板載置部PASS7(露光後加熱用処理セルC5を基準にして言えば「送り用入口基板載置部」)に置かれると、図10に示すように、セルC5の第4の主搬送機構10Dは、保持アーム10bに保持した露光後加熱処理済みの基板Wを基板載置部PASS8(露光後加熱用処理セルC5を基準にして言えば「戻り用出口基板載置部」)上に置き、その後で基板載置部PASS7上の基板Wを再び保持アーム10b上に受け取る。基板載置部PASS7、PASS8に対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第4の主搬送機構10Dの搬送工程(1+α)に相当する。
【0110】
基板載置部PASS7、PASS8に対する基板Wの受け渡しが終わると、第4の主搬送機構10Dは、空の状態の保持アーム10aと基板Wを保持した保持アーム10bとを、所定のエッジ露光部EEWに対向する位置にまで移動させる。そして、先ず、空の保持アーム10aを前進移動させて、そのエッジ露光部EEWのスピンチャック36上にある周辺露光済みの基板Wを受け取り、続いて保持アーム10bを前進移動させて、未処理基板Wをそのスピンチャック36上に置く。スピンチャック36上に載せられた基板Wは、主搬送機構10Dが他の搬送動作を行っている間に、その周縁部が露光される。このスピンチャック36に対する基板の受け渡しは、図10中に示した第4の主搬送機構10Dの搬送工程(2)に相当する。
【0111】
スピンチャック36に対する基板Wの受け渡しが終わると、第4の主搬送機構10Dは、周辺露光された基板Wを保持した保持アーム10aと空の状態の保持アーム10bとを、現像用熱処理部31にある冷却プレートCPに対向する位置にまで移動させる。そして、空の保持アーム10bを前進移動させて、その冷却プレートCP上の処理済みの基板Wを受け取るとともに、保持アーム10aを前進移動させて、周辺露光された基板Wを冷却プレートCP上に置く。この冷却プレートCPに対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第4の主搬送機構10Dの搬送工程(3)に相当する。
【0112】
冷却プレートCPに対する基板Wの受け渡しが終わると、第4の主搬送機構10Dは、空の状態の保持アーム10aと、冷却処理された基板Wを保持した保持アーム10bとを、基板載置部PASS9、PASS10に対向する位置にまで移動させる。続いて、保持アーム10bを前進移動させて上側の基板払出し用の基板載置部PASS9(露光後加熱用処理セルC5を基準にして言えば「送り用出口基板載置部」)上に基板Wを置くとともに、下側の基板戻し用の基板載置部PASS10(露光後加熱用処理セルC5を基準にして言えば「戻り用入口基板載置部」)に載置されている、露光装置STPで露光された基板Wを保持アーム10aで受け取る。基板載置部PASS9、PASS10に対する基板Wの受け渡しは、図10中に示した第4の主搬送機構10Dの搬送工程(4+α)に相当する。
【0113】
なお、本実施例では、基板載置部PASS9、PASS10に対してだけ、2つの保持アーム10a、10bを使って基板Wの受け渡しを行っている。これは、反射防止膜用処理セルC2で説明したように、基板載置部PASS9、PASS10に対する基板Wの受け渡しと、基板載置部PASS7、PASS8との間に、後述する加熱部PHPに対する基板Wの受け渡しを(1回:奇数回)行う関係で、基板載置部PASS9、PASS10に対して一方の保持アーム10bだけを使って基板の受け渡しを行うと、基板載置部PASS7、PASS8に対する基板Wの受け渡しに使う保持アームが、搬送行程の1サイクルごとに入れ代わるので、これを避けるためである。
【0114】
基板載置部PASS9、PASS10に対する基板Wの受け渡しが終わると、第4の主搬送機構10Cは、露光済みの基板Wを保持した保持アーム10aと空の状態の保持アーム10bとを、現像用熱処理部31にある所定の基板仮置部付きの加熱部PHPに対向する位置にまで移動させる。そして、先ず、空の保持アーム10bを前進移動させて、その加熱部PHP(具体的には、基板仮置部19の上)にある露光後の加熱処理済みの基板Wを受け取り、続いて保持アーム10aを前進移動させて、露光済みの基板Wを加熱部PHP(具体的には、基板仮置部19の上)に置く。基板仮置部19に置かれた基板Wは、主搬送機構10Dが他の搬送動作を行っている間に、ローカル搬送機構20によって加熱プレートHPに移されて加熱処理された後に、同じくローカル搬送機構20によって基板仮置部19に戻され、基板仮置部19内で冷却される。この加熱部PHPに対する基板の受け渡しは、図10中に示した第4の主搬送機構10Dの搬送工程(5)に相当する。
【0115】
露光後加熱用処理セルC5に備えられた第4の主搬送機構10Dは、上述した搬送工程(1+α)から搬送工程(5)の各基板搬送を繰り返し行う。ここで、第4の主搬送機構10Dの搬送工程(1+α)から搬送工程(5)を合計すると、第4の主搬送機構10Dは、第1〜第3の主搬送機構10A〜10Cよりも1つ少ない略5つの搬送工程を負担することになる。露光後加熱用処理セルC5だけをみれば、第4の主搬送機構10Dは、1搬送工程に要する時間を4秒とした場合に、20秒周期で動作可能であるが、他の第1〜第3の主搬送機構10A〜10Cが24秒周期で動くので、結局、露光後加熱用処理セルC5からは、他のセルと同様に、24秒に1回(150枚/時間)の割合で基板Wが隣のインターフェイスセルC6に払い出される。
【0116】
インターフェイスセルC6の動作を説明する。周辺露光された基板Wが基板載置部PASS9(インターフェイスセルC6を基準にして言えば「送り用入口基板載置部」)に置かれると、インターフェイスセルC6のインターフェイス用搬送機構35が基板載置部PASS9から基板Wを受け取って、隣接する露光装置STPに渡す。さらに、インターフェイス用搬送機構35は、露光装置STPから露光済みの基板Wを受け取って、その基板を基板戻し用の基板載置部PASS10(インターフェイスセルC6を基準にして言えば「戻り用出口基板載置部」)に載せる。インターフェイス用搬送機構35は、このような基板搬送動作を繰り返し行う。
【0117】
以上のように、本実施例に係る基板処理装置は、各セルC1〜C6が各コントローラCT1〜CT6の制御の下で、主搬送機構10(ただし、インデクサセルC1の場合はインデクサ用搬送機構7、インターフェイスセルC6の場合はインターフェイス用搬送機構35)を使って基板Wの搬送を行い、隣接するセル間では、基板搬送に関しては、基板載置部PASSに基板Wを置いたという情報と、基板を受け取ったという情報とをやり取りするだけである。つまり、各セルは、隣接するセルにおける基板搬送の状態を監視することなく、各セルが独立してセル内の基板搬送を独立して行っている。そのために各セルからの基板の払出しは必ずしも同時には行われず、多少の時間的ズレが生じる。しかし、この時間的ズレは、隣接セル間で基板を受け渡すために設けられた基板載置部に置かれる時間が多少長くなるか、あるいは短くなるかによって吸収されるので、セル間に基板受け渡しの時間的ズレが生じたために基板搬送に支障をきたすということはない。
【0118】
従って、本実施例装置によれば、各セルC1〜C6を制御するセルコントローラCT1〜CT6の負担が小さくなり、それだけ基板処理装置のスループットが向上するとともに、装置構成を簡素化することができる。また、適当なセル間に基板検査部と主搬送機構とを含む基板検査用セルを容易に設置することができるので、汎用性の高い基板処理装置を実現することもできる。さらに、他のセルに比べて、搬送工程の数が少ないセルを設けておくと(実施例装置では、露光後加熱用処理セルC5)、他のセルに影響を与えることなく、当該セルに新たな処理部(例えば、基板検査部)を容易に追加することができる。
【0119】
次に、レジスト膜用処理セルC3において、例えばスピンチャック17やノズル18などが故障してレジスト膜用塗布処理部15での基板Wに対するレジスト膜の塗布形成が失敗したときの基板搬送制御について、図11および図19に示した制御シーケンスおよび図12〜図18に示したフローチャートを参照して説明する。なお、後述する変形例も含めて、図11以降の図面では、異常発生に関わった基板を「異常基板」として略記して説明を行う。
【0120】
図12は、メインコントローラMCの動作説明に供するフローチャートであり、図13(a)は、レジスト膜用処理セルC3に関するセルコントローラCT3の動作説明に供するフローチャートであり、図13(b)は、レジスト膜用処理セルC3以外のセルC1,C2,C4〜C6に関する各セルコントローラCT1,CT2,CT4〜CT6の動作説明に供するフローチャートであり、図14および図15は、アボート処理前におけるレジスト膜用処理セルC3の動作説明に供するフローチャートであり、図16は、アボート処理におけるレジスト膜用処理セルC3の動作説明に供するフローチャートであり、図17は、アボート処理における反射防止膜用処理セルC2の動作説明に供するフローチャートであり、図18は、アボート処理におけるインデクサセルC1の動作説明に供するフローチャートであり、図19は、アボート処理における各セルC1〜C3の制御シーケンスである。
【0121】
ここで、本明細書中における「アボート(Abort)処理」とは、所定の動作(ここでは一連の基板処理)を完了せずに終了(中断)する処理を示す。また、図11の制御シーケンスにおいて、セルC3は異常に関わる被制御ユニット(セル)であって、セルC3以外のセルC1,C2,C4〜C6は、それ以外の被制御ユニット(セル)である。
【0122】
セルC3の第2の主搬送機構10Bは、図14に示すように、基板載置部PASS3,PASS4との基板Wの受け渡し(ステップU1)、冷却プレートCPとの基板Wの受け渡し(ステップU3)、レジスト膜用塗布処理部15のスピンチャック17との基板Wの受け渡し(ステップU5)、加熱部PHPとの基板Wの受け渡し(ステップU7)、冷却プレートCPとの基板Wの受け渡し(ステップU9)、基板載置部PASS5、PASS6との基板Wの受け渡し(ステップU11)をその順に行う。第2の主搬送機構10Bによる基板Wの一連の受け渡しの間に、スピンチャック17やノズル18などが故障してレジスト膜用塗布処理部15での基板Wに対するレジスト膜の塗布形成が失敗したとき、すなわち異常が発生したとき(ステップU2,U4,U6,U8,U10,U12)には、図15のフローに移行する。
【0123】
ここで、スピンチャック17やノズル18などが故障してレジスト膜用塗布処理部15での基板Wに対するレジスト膜の塗布形成が失敗したときには、レジスト膜の塗布形成中に異常を検出して、その異常検出をアラーム発生信号として送信することでその異常を知らせる。
【0124】
スピンチャック17の故障として、例えばレジスト膜の塗布形成中にスピンチャック17から基板Wが外れることが挙げられる。スピンチャック17は上述したように水平姿勢で基板Wを吸着保持しており、この吸着保持はスピンチャック17内から外部雰囲気に気体を引き込むことで行われる。基板Wがスピンチャック17から外れた場合には、スピンチャック17内の気圧が変化して低くなる。従って、気圧変動を検出する気圧計(図示省略)によってスピンチャック17が故障したか否かを検出すればよく、この気圧計が、本発明における異常検出手段に相当する。また、基板Wを吸着支持するスピンチャック17は、本発明における支持手段に相当する。
【0125】
ノズル18の故障として、例えばノズル18からのレジスト膜用の塗布液の供給が、ノズル18の吐出口が詰まって行われないことが挙げられる。上述したレジスト膜用の塗布液の供給が行われたか否かは、塗布液を供給する軌跡上や供給される基板上やノズル18の吐出口付近に光を照射し、その塗布液によって反射または透過された光の受信状態に基づく判断によって行われる。従って、反射または透過された光を受信する手段(図示省略)が、本発明における異常検出手段に相当する。また、塗布液を供給するノズル18は、本発明における処理液供給手段に相当する。
【0126】
このように、異常発生が認められた場合には、アラームが発生したことを報告するためにセルC3からセルC3に関するセルコントローラCT3にアラーム発生信号を送信する(図11,図15中のステップU21)。セルコントローラCT3側ではアラーム発生信号をセルC3から受信する(図11,図13(a)中のステップT1)と、アラーム発生信号をメインコントローラMCに送信する(図11,図13(a)中のステップT2)。
【0127】
メインコントローラMC側ではアラーム発生信号をセルコントローラCT3から受信する(図11,図12中のステップS1)と、レジスト膜の塗布形成が失敗した基板W、すなわち異常発生に関わった基板(図中では異常基板)WがインデクサセルC1のカセットCに回収可能か否かの確認をセルC3に対して行うために、回収確認信号をセルコントローラCT3に送信する(図11,図12中のステップS2)。セルコントローラCT3側では回収確認信号をメインコントローラMCから受信する(図11,図13(a)中のステップT3)と、回収確認信号をセルC3に送信する(図11,図13(a)中のステップT4)。
【0128】
セルC3側では回収確認信号をセルコントローラCT3から受信する(図11,図15中のステップU22)と、図15に示すようにインデクサセルC1のカセットCに回収可能か否かを判定し(ステップU23)、回収可能になるまで待機する。回収不可能の例として、セルC3の主搬送機構10Bの故障などが挙げられる。
【0129】
セルC3側で回収可能になれば、回収可能となってアラームが収束したことを報告するためにアラーム収束信号をセルコントローラCT3に送信する(図11,図15中のステップU24)。セルコントローラCT3側ではアラーム収束信号をセルC3から受信したか否かを判定し(図11,図13(a)中のステップT5)、受信するまで待機する。セルコントローラCT3側でアラーム収束信号を受信すれば、アラーム収束信号をメインコントローラMCに送信する(図11,図13(a)中のステップT6)。
【0130】
メインコントローラMC側ではアラーム収束信号をセルコントローラCT3から受信したか否かを判定し(図11,図12中のステップS3)、受信するまで待機する。メインコントローラMC側でアラーム収束信号を受信すれば、アボート処理を各セルで行わせるべくアボート要求信号をセルコントローラCT3に送信する(図11,図12中のステップS4)とともに、セルコントローラCT3以外の各セルコントローラCT1,CT2,CT4〜CT6にも送信する(図11,図12中のステップS5)。
【0131】
セルコントローラCT3側ではアボート要求信号をメインコントローラMCから受信する(図11,図13(a)中のステップT7)と、図16に示すアボート処理をセルC3で行う(図13(a)中のステップT8)ように制御する。各セルコントローラCT1,CT2,CT4〜CT6側ではアボート要求信号をメインコントローラMCから受信する(図11,図13(b)中のステップT9)と、反射防止膜用処理セルC2においては図17に示すアボート処理を行い(図13(b)中のステップT10)、インデクサセルC1においては図18に示すアボート処理を行う(図13(b)中のステップT10)ように制御する。
【0132】
図16〜図18に示すフローチャートおよび図19に示す制御シーケンスでは、後述する説明から明らかなように異常基板Wをレジスト膜用処理セルC3からインデクサセルC1に戻す処理であるので、セルC3よりも順方向の下手側のセルC4〜C6については、アボート処理は実際には行われない。なお、セルC3において、ステップU21でのアラーム発生信号の発生からアボート処理までの間は一連のレジスト膜用の塗布膜形成処理を中断してもよいし、アボート処理までは塗布膜形成処理を続行してもよい。ステップU21からアボート処理まではタイムラグが生じるので、異常基板Wのみ塗布膜形成処理を行わないのがより好ましい。
【0133】
アボート処理におけるセルC3では、図16に示すように、セルC3の第2の主搬送機構10Bの保持アーム10a,10bを空にする(ステップV1)。例えば、保持アーム10bから基板載置部PASS4に現像処理済みの基板Wを渡した(図14中のステップU1)後に、異常が発生したとき(ステップU2)には、基板載置部PASS4に基板Wを渡した後に基板載置部PASS3から保持アーム10bに基板Wを受け取らずに、保持アーム10a,10bを空にする。また、基板載置部PASS3から保持アーム10bに基板Wを受け取った(ステップU1)後に、異常が発生したとき(ステップU2)には、受け取った基板Wを基板載置部PASS3に再度渡して、保持アーム10a,10bを空にする。また、保持アーム10aからレジスト膜用塗布処理部15のスピンチャック17に基板Wを渡した(ステップU5)後に、異常が発生したとき(ステップU6)には、スピンチャック17に基板Wを渡す前にスピンチャック17から保持アーム10bに受け取った基板Wを加熱部PHPに渡して、保持アーム10a,10bを空にする。
【0134】
保持アーム10a,10bを空にした後、基板載置部PASS4に載置された基板Wがなくなったか否かを確認し(図16,図19中のステップV2)、なくなるまで待機する。先ず、インデクサセルC1においてカセットCに収納するスペースがあるか否かを確認し(図18,図19中のステップX1)、なくなるまで待機し、スペースがなくなれば、基板載置部PASS2に載置された(処理済みの)基板Wがあるか否かを確認し(図18,図19中のステップX2)、載置された基板Wがあるときに、セルC1のインデクサ用搬送機構7の保持アーム7bにその基板Wを受け取り(図18,図19中のステップX3)、保持アーム7bから受け取った基板Wをそのスペースに収納する(図18,図19中のステップX4)。そして、ステップX5に移行する。基板載置部PASS2に載置された基板Wがないときには、ステップX5に移行する。このように、ステップX2〜X4の処理で基板載置部PASS2に載置された基板Wがなくなる。
【0135】
一方、反射防止膜用セルC2において、基板載置部PASS2に載置された基板Wがなくなったか否かを確認し(図17,図19中のステップW1)、なくなるまで待機する。先ず、基板載置部PASS2に載置された基板Wがなくなれば、基板載置部PASS4に載置された基板Wがあるか否かを確認し(図17,図19中のステップW2)、載置された基板Wがあるときに、セルC2の第1の主搬送機構10Aの保持アーム10bにその基板Wを受け取り(図17,図19中のステップW3)、保持アーム10bから受け取った基板Wを基板載置部PASS2に載置する(図17,図19中のステップW4)。ステップW4の後は基板載置部PASS2に基板Wが再度載置されるので、ステップW1に戻る。基板載置部PASS4に載置された基板Wがないときには、ステップW5に移行する。このように、ステップW2〜W4の処理で基板載置部PASS4に載置された基板がなくなる。
【0136】
ステップW2〜W4の処理で基板載置部PASS4に載置された基板がなくなれば、セルC3において、図16,図19に示すようにステップV2での確認処理を終了して、レジスト膜の塗布形成が失敗した基板W、すなわち異常基板Wをスピンチャック11から保持アーム10bに受け取る(図16,図19中のステップV3)。受け取ったその基板Wを空いた基板載置部PASS4に渡す(図16,図19中のステップV4)。
【0137】
セルC2においては、基板載置部PASS4に載置された異常基板Wを保持アーム10bに受け取る(図17,図19中のステップW5)。受け取ったその基板Wを空いた基板載置部PASS2に渡す(図17,図19中のステップW6)。
【0138】
セルC1においては、基板載置部PASS2に載置された異常基板Wを保持アーム7bに受け取る(図18,図19中のステップX5)。受け取ったその基板WをカセットCの空いたスペースに収納する(図18,図19中のステップX6)。このように、異常基板Wについては、スピンチャック11から基板載置部PASS4に受け渡され(図16,図19中のステップV3,V4)、基板載置部PASS4からPASS2に受け渡され(図17,図19中のステップW5,W6)、基板載置部PASS2からインデクサセルC1のカセットCに収納される(図18,図19中のステップX5,X6)ことで、異常基板Wはレジスト膜用処理セルC3からインデクサセルC1に戻される。
【0139】
インデクサセルC1に戻した後はアボート処理が完了したとして、アボート完了信号をセルC1に関するセルコントローラCT1からメインコントローラMCに送信する(図11,図18,図19中のステップX7)ように制御する。メインコントローラMC側ではアボート完了信号をセルコントローラCT1から受信する(図11,図12中のステップS6)と、一連のレジスト膜の塗布形成が失敗したときの基板搬送制御が終了する。
【0140】
以上のように、本実施例によれば、異常基板(異常発生に関わった基板)W以外の基板Wは、各セルC1〜C6内で基板処理および基板搬送が行われつつ、各セルC1〜C6間で搬送がそれぞれ行われ、異常発生に関わった基板Wは、異常発生(ここではレジスト膜の塗布形成処理)以降の基板処理を行わずに、隣接する各セルC1〜C6に受け渡されて搬送搬出する処理が行われる。すなわち異常発生に関わった基板Wについてアボート処理が行われる。このことから、処理の途中で異常に関わった基板Wを任意に取り出して搬送搬出することができる。
【0141】
このようなアボート処理に関する基板搬送制御は、レジスト膜用処理セルC2だけに限らず、他のセルにおいても有効である。例えば、露光装置において露光不良となった基板Wに対して露光処理以降の処理(露光後の加熱処理や現像処理など)を終了させることが可能である。本実施例では露光装置(ステッパー)STPは外部装置であるが、このような基板Wに対してもインターフェイスセルC6を介して本実施例装置に渡した後、それ以降の露光後の加熱処理や現像処理などを行わずにインデクサセル1に即座に戻すことが可能である。
【0142】
本実施例では、アボート処理として、異常発生に関わった基板WをインデクサセルC1に戻すことで、それ以外の基板Wについては、通常の搬送が行われるとともに通常の基板処理が行われる。
【0143】
本実施例では、異常発生に関わった基板Wをアボート処理の対象としている。この異常が発生したのを利用して、アラーム発生信号をメインコントローラMCなどに送信して、メインコントローラMCが基板処理の終了指示(アボート要求信号)を与える(送信する)ので、異常発生以降の処理(本実施例では露光処理や現像処理などの処理)を即座に終了することができる。そして、処理の途中で異常発生に関わった基板Wを任意に取り出して搬送搬出することができ、異常発生に関わった基板Wについて異常発生以降の処理を無駄に行わない。
【0144】
本発明は、上述した実施例のものに限らず、例えば次のように変形実施することができる。
(1)上記実施例では、各処理ブロック2〜4や、各処理セルC2〜C5は、各々4つに基板載置部(すなわち、送り用入口基板載置部、戻り用入口基板載置部、送り用出口基板載置部、戻り用出口基板載置部)を備えていたが、少なくとも1つの処理ブロック(または、処理セル)が、さらに別の入口基板載置部と出口基板載置部)とを備えていてもよい。例えば、図20に示した基板処理装置は、反射防止膜用処理ブロック2が、送り用入口基板載置部PASS1、戻り用入口基板載置部PASS4、送り用出口基板載置部PASS3、戻り用出口基板載置部PASS2の他に、別の入口基板載置部PASS6と出口基板載置部PASS5とを備えている。この反射防止膜用処理ブロック2に基板載置部PASS3、PASS4を共用するように現像処理ブロック4が隣接するとともに、基板載置部PASS5、PASS6を共用するようにレジスト膜用処理部ブロック3が隣接している。この例によれば、反射防止膜用処理ブロック2で処理された基板Wは、出口基板載置部PASS5を介してレジスト膜用処理部ブロック3に送られ、このブロック3で処理された基板Wが入口基板載置部PASS6を介して反射防止膜用処理ブロック2に戻され、さらに基板載置部PASS3を介して現像処理ブロック4に送られる。現像処理された基板Wは、基板載置部PASS4を介して反射防止膜用処理ブロック2に戻された後、レジスト膜用処理部ブロック3を介さずに直接にインデクサブロック1に戻される。このように少なくとも1つの処理ブロック(処理セル)に、6つの、あるいはそれ以上の基板載置部を設けると、処理ブロック(あるいは、処理セル)の配置の自由度を向上させることができる。
【0145】
(2)実施例では、送り用入口基板載置部と戻り用出口基板載置部とを上下に近接配置されるとともに、戻り用入口基板載置部と送り用出口基板載置部とを上下に配置されたが、上記一対の基板載置部をそれぞれ横に並べて近接配置させてもよい。
【0146】
(3)実施例では各基板載置部PASS1〜PASS10は、それぞれ基板Wを1枚だけ載置する構造であったが、少なくともいずれか1つの基板載置部を複数枚の基板を多段に積層載置する、いわゆる棚構造を備えるようにしてもよい。このようにすれば、ある基板載置部に基板が置かれても、その基板をすぐに取りに行かなくても、後続の基板は別の段に載置される。これにより主搬送機構の制御に余裕ができるので、基板搬送の制御が容易になる。また、インターフェイスブロック5において、基板載置部PASS9を多段の棚構造に代えれば、これを送り用バッファSBFとして兼用させることができる。また、基板載置部PASS10を多段の棚構造に代えれば、これを基板戻し用のバッファRBFとして兼用させることができる。
【0147】
(4)実施例では各基板載置部PASS1〜PASS10は、基板Wが通過する開口部が開放状態のままであったが、これらの基板載置部を介して隣接する処理ブロック(処理セル)間で雰囲気の流入が問題になる場合には、そのような基板載置部の開口部にシャッタ機構を取りつけ、主搬送機構の保持アームが基板の受け渡しをするときだけシャッタ機構を開放し、その他のときはシャッタ機構を閉じるように構成しても良い。
【0148】
(5)実施例では各基板載置部PASS1〜PASS10は、基板Wを単に載置するだけであったが、基板載置部に基板Wを大まかに冷却する冷却手段(例えば、水冷式の冷却プレート)を設けても良い。例えば、反射防止膜用処理ブロック2の基板載置部PASS3や、現像処理ブロック4の基板載置部PASS6に、冷却手段を備えると、基板載置部に基板が置かれて待機している間に、基板を適正な温度にまで冷却して維持することができ、また、これらを冷却プレートWCPとして兼用させることもできる。
【0149】
(6)実施例では各基板載置部PASS1〜PASS10は固定設置されたものであったが、必要に応じて主搬送機構に向けて水平移動する水平移動機構に搭載するようにしてもよい。この構成によれば、主搬送機構の水平移動ストロークをあまり長く設定しなくても、基板載置部が水平移動することにより、基板受け渡し位置にまで基板を移動させることができるので、主搬送機構の構成上、あるいは配置上の制約が少なくなる。
【0150】
(7)実施例では、第1〜第4の主搬送機構10A〜10Dは水平方向には移動せずに、保持アームだけが昇降・旋回・進退移動可能に構成したが、これらの主搬送機構10A〜10Dが水平方向に移動するものであってもよい。
【0151】
(8)第1〜第4の主搬送機構10A〜10Dは、それぞれ2つの保持アーム10a、10bを備えていたが、単一の保持アーム、あるいは3つ以上の保持アームを備えるものであってもよい。
【0152】
(9)実施例では、露光後加熱用処理セルC5を、現像処理ブロック4とインターフェイスブロック5とに跨って配設したが、露光後加熱用処理セルC5を独立したブロック(個別のブロック用フレーム(枠体)に組み付けられた要素)として構成してもよい。
【0153】
(10)実施例では、反射防止膜用処理ブロック2とレジスト膜用処理ブロック3とを個別に設けたが、単一の処理ブロックで反射防止膜塗付処理とレジスト膜塗付処理を行うようにしてもよい。また、反射防止膜の塗布処理が不要である場合は、反射防止膜用処理ブロック2を備えなくてもよい。
【0154】
(11)実施例では、アボート処理は、異常発生に関わった基板WをインデクサセルC1に戻す処理であったが、異常発生に関わった基板Wおよびそれ以外の正常な基板を順に受け渡して搬送を行い、異常発生に関わった基板Wのみそれが処理されている処理以降の基板処理を行わない処理であってもよい。以下、レジスト膜用処理セルC3のレジスト膜用塗布処理部15での基板Wに対するレジスト膜の塗布形成が失敗したときの基板搬送制御を例に採って、上述したアボート処理について、図21,図22に示したフローチャートおよび図23に示した制御シーケンスを参照して説明する。
【0155】
図21は、アボート処理におけるインデクサセルC1,インターフェイスセルC6以外の各セルC2〜C5の動作説明に供するフローチャートであり、図22は、インターフェイスセルC6の動作説明に供するフローチャートであり、図23は、アボート処理における各セルC2〜C6の制御シーケンスである。なお、メインコントローラMCや各セルコントローラCT1〜CT6の動作説明については、実施例における図12〜図15に示すフローチャートと同じなので、その動作説明について流用して、その説明については省略する。また、基板搬送制御に関する制御シーケンスについても、実施例における図11に示す制御シーケンスを流用して、そのシーケンスの説明については省略する。この変形例の場合には、本発明における終了指示手段でもあるメインコントローラMCが、基板処理の終了指示(アボート要求信号)を与える(送信する)際には、送信されたセル内の搬送機構の制御のみならず、送信されたセル内の処理部の制御も行われる。
【0156】
インデクサセルC1,インターフェイスセルC6を除いて、アボート処理における各セルC2〜C5では、各第1〜第4の主搬送機構10A〜10Dの保持アーム10a,10bが搬送している基板Wが、異常発生に関わった基板(図中では異常基板)Wか否かを確認する(図21,図23中のステップV21)。異常基板Wを搬送している場合にはステップV26に移行し、異常基板Wを搬送していない場合には、その搬送している基板Wを渡すべき処理部が出口基板載置部か否かを確認する(図21,図23中のステップV22)。
【0157】
処理部が出口基板載置部の場合にはステップV25に移行し、処理部が出口基板載置部以外の場合には、処理部に載置された次の基板Wを保持アーム10aまたは10bに受け取り、他方の保持アーム10bまたは10aから前の搬送基板Wをその処理部に渡す(図21,図23中のステップV23)。そして、この搬送基板Wは異常基板Wでないので、通常の基板処理を行うべくその処理部で基板処理を行わせ(図21,図23中のステップV24)、ステップV21に戻り、ステップV23で受け取った次の基板Wについて同様の処理を繰り返す。
【0158】
ステップV22で処理部が出口基板載置部の場合には、ステップV23での基板Wの受け渡しの順番(受け取り後に渡す)が逆になって、基板Wを渡した後に次の基板Wを受け取る。従って、ステップV25では、保持アーム10aまたは10bから前の搬送基板Wを出口基板載置部に渡し、出口基板載置部の下側に近接されている入口基板載置部に載置された次の基板Wを保持アーム10aまたは10bに受け取る。そして、ステップV21に戻り、ステップV25で受け取った次の基板Wについて同様の処理を繰り返す。
【0159】
ステップV21で異常基板Wを搬送している場合には、その搬送している異常基板Wを渡すべき処理部が出口基板載置部か否かを確認する(図21,図23中のステップV26)。処理部が出口基板載置部の場合にはステップV29に移行し、処理部が出口基板載置部以外の場合には、処理部に載置された次の基板Wを保持アーム10aまたは10bに受け取り、他方の保持アーム10bまたは10aから前の搬送基板Wをその処理部に渡す(図21,図23中のステップV27)。そして、この搬送基板Wは異常基板Wなので、異常発生時以降の基板処理を完了せずに終了すべくその処理部で基板処理を行わせずに(図21,図23中のステップV28)、ステップV21に戻り、ステップV27で受け取った次の基板Wについて同様の処理を繰り返す。
【0160】
ステップV28での具体的な処理としては、例えば、レジスト膜用処理セルC3の加熱部PHP上の基板仮置部19に基板Wが載置されたときには、その下方位置にある加熱プレートHP上に搬送せずに基板仮置部19に載置させた状態にすることで、レジスト膜の塗布形成直後の加熱処理を行わない。もちろん、加熱プレートHPに搬送した状態で加熱を停止することで加熱処理を行わないようにしてもよいが、次の正常な基板Wのとき加熱処理を行うために加熱プレートHPを再度に加熱する手間がかかるので、上述のように基板仮置部19に載置させた状態にするのが好ましい。
【0161】
また、ステップV28での具体的な処理として、例えば、露光後加熱用処理セルC5のエッジ露光部EEWのスピンチャック36上に基板Wが載置されたときには、光照射器37からの光の照射を停止したり、スピンチャック36による基板Wの回転を停止することで、基板Wの周縁部を露光する処理を行わない。
【0162】
また、ステップV28での具体的な処理として、例えば、現像処理セルC4の現像処理部30のスピンチャック32上に基板Wが載置されたときには、現像液を供給するノズル33からの現像液の供給を停止したり、スピンチャック32による基板Wの回転を停止することで、現像処理を行わない。
【0163】
ステップV22と同様に、ステップV25で処理部が出口基板載置部の場合には、ステップV27での基板Wの受け渡しの順番(受け取り後に渡す)が逆になって、基板Wを渡した後に次の基板Wを受け取る。従って、ステップV29では、保持アーム10aまたは10bから前の異常基板Wを出口基板載置部に渡し、出口基板載置部の下側に近接されている入口基板載置部に載置された次の基板Wを保持アーム10aまたは10bに受け取る。
【0164】
異常基板Wを出口基板載置部に渡すことで、出口基板載置部のあるセルC2〜C5から基板Wを払い出す。各セルC2〜C5において、図21に示すステップV21〜V29の処理を行い、基板Wを払い出す。ステップV21〜V29の処理によって、異常基板Wおよびそれ以外の基板Wは順に受け渡されて搬送が行われ、異常基板Wのみ異常発生時(ここではレジスト膜の塗布形成処理時)以降の基板処理が行われない。
【0165】
アボート処理におけるインターフェイスセルC6では、入口基板載置部PASS9に載置された基板Wが異常基板Wか否かを確認する(図22,図23中のステップW21)。載置された基板Wが異常基板Wの場合にはステップW24に移行し、載置された基板Wが正常な基板Wの場合には、載置された基板Wをインターフェイス用搬送機構35の保持アーム35bに受け取り、その基板Wを保持アーム35bから外部装置である露光装置(ステッパー)STPに渡す(図22,図23中のステップW22)。
【0166】
そして、露光装置STPで処理された基板Wを保持アーム35bに受け取り、保持アーム35bから出口基板載置部PASS10に渡し(図22,図34中のステップW23)、ステップW21に戻り、ステップW23で受け取った基板Wについて同様の処理を繰り返す。
【0167】
ステップW21で載置された基板Wが異常基板Wの場合には、載置された基板Wを保持アーム35bに受け取り、その異常基板Wを保持アーム35bから送り用バッファSBFまたは基板戻し用のバッファRBFに渡す(図22,図23中のステップW24)。このバッファSBF,RBFで載置された基板Wは、ステップW28まで待機される。
【0168】
次のステップW25で、異常基板Wよりも前に処理された基板Wを出口基板載置部PASS10に渡したか否かを確認する。前に処理された基板Wを出口基板載置部PASS10に渡した場合にはステップW28に移行し、前に処理された基板Wを出口基板載置部PASS10にまだ渡していない場合には、入口基板載置部PASS9に載置された基板Wを保持アーム35bに受け取り、その基板Wを保持アーム35bから露光装置STPに渡す(図22,図23中のステップW26)。
【0169】
そして、露光装置STPで処理された基板Wを保持アーム35bに受け取り、保持アーム35bから出口基板載置部PASS10に渡し(図22,図34中のステップW27)、ステップW25に戻り、ステップW27で出口基板載置部PASS10に渡した基板Wが、異常基板Wよりも前に処理された基板Wになるまで同様の処理を繰り返す。
【0170】
ステップW25で前に処理された基板Wを出口基板載置部PASS10に渡した場合には、それに続いてバッファSBF、RBFで待機されていた異常基板Wを出口基板載置部PASS10に渡す(図22,図23中のステップW28)。
【0171】
前に処理された基板Wに続いて異常基板Wを出口基板載置部PASS10に渡すことで、セルC6から基板Wを払い出す。異常基板WがインターフェイスセルC6にまで搬送されたときには、インターフェイスセルC6では、他のセルC2〜C5と違って、図22に示すステップW21〜W28の処理によって、その異常基板WのみをセルC6のバッファSBF,RBFに留め、それ以外の基板Wが露光装置STPからセルC6にまで搬送された後に、留めておいた異常基板Wおよびそれ以外の基板Wが順に受け渡されてセルC6内での搬送が行われる。
【0172】
セルC6内での搬送が終了すると、異常基板Wを含めたこれらの基板Wは、逆方向に、露光後加熱用処理セルC5、現像用セルC4,レジスト膜用処理セルC3,反射防止膜用処理セルC2の順に受け渡されて処理される。各セルC2〜C5内での処理は、ステップV21〜V29の処理と同じで、異常基板Wおよびそれ以外の基板は順に受け渡されて搬送が行われ、異常基板Wのみ基板処理が行われない。そして、セルC2の戻り用出口基板載置部PASS2から異常基板Wが払い出されて、インデクサセルC1に基板Wを渡して、異常基板Wについてのアボート処理が終了する。
【0173】
セルC6で、異常基板WのみをセルC6のバッファSBF,RBFに留めて待機させたのは、外部装置である露光装置STPにまで異常基板Wが流入するのを防止するためである。例えば、露光装置STPには露光処理される基板Wの情報が本実施例装置から送られるが、異常基板Wの情報までが露光装置STPに送られることで処理が煩雑になる。異常基板WのみをセルC6のバッファSBF,RBFに留めて待機させることで、上述した問題点を解決することができる。
【0174】
ただ、異常基板Wが流入しても構わない場合には、必ずしも異常基板WをバッファSBF,RBFに留めて待機させる必要はなく、異常基板Wも露光装置STPに送って、各基板Wを順に受け渡して搬送を行ってもよい。このとき、異常基板Wについては露光装置STPでも露光処理を行わない。
【0175】
なお、この変形例では、インターフェイスセルC6のバッファSBF,RBFで待機させることで異常基板Wを留めたが、留めて待機させる場所はバッファに限定されない。また、インターフェイスセルC6でなくとも、インターフェイスセルC6に隣接する露光後加熱用処理セルC5の例えば加熱部PHP上の基板仮置部19に留めて待機させてもよい。
【0176】
以上のように、この変形例によれば、アボート処理の対象となっている異常発生に関わった基板(異常基板)W、およびそれ以外の基板Wを順に受け渡して搬送を行うので、上述した実施例のようにインデクサセルC1に基板Wを渡す作業のためにそれ以外の基板Wの搬送が一時的に滞ることなく基板Wの搬送を円滑に行うことができる。
【0177】
なお、実施例では、アボート処理は異常発生に関わった基板WをインデクサセルC1に戻す処理であるとともに、この変形例では、アボート処理は異常発生に関わった基板Wおよびそれ以外の正常な基板Wを順に受け渡して搬送を行い、異常発生に関わった基板Wのみそれが処理されている処理以降の基板処理を行わない処理であった。従って、図11に示す制御シーケンスおよび図12に示すフローチャートのステップS4,S5でアボート要求信号を各セルコントローラCT1〜CT6に送信する際に、異常基板WをインデクサセルC1に戻す処理か、または異常基板Wのみそれが処理されている処理以降の基板処理を行わない処理かを選択させればよい。具体的には、オペレータ(術者)がデータ設定部HC(図9(a)参照)において選択入力し、その選択した情報をメインコントローラMCに送って、アボート要求信号として各セルコントローラCT1〜CT6に送信すればよい。
【0178】
(12)実施例では、例えばレジスト膜の塗布形成が失敗したのを検出して、その異常検出が知らされるごとにアボート処理が行われ、アボートの処理の対象は異常発生に関わった基板Wであったが、アボート処理の対象は異常発生に関わった基板Wに限定されない。任意の基板を所定の基板として、その所定の基板について処理の終了指示を与えればよい。例えば検査用セルで検査に不合格した基板Wをリワークさせないために、途中のセルにまで搬送されたこの不合格基板Wについてアボート処理する場合がある。この場合、アボート処理の対象は不合格基板Wとなる。以下、レジスト膜用処理セルC3まで搬送された不合格基板Wの基板搬送制御を例に採って、上述したアボート処理までの処理について説明する。
【0179】
図24は、レジスト膜用処理セルC3まで搬送された不合格基板の基板搬送制御に関する制御シーケンスであり、図25は、メインコントローラMCの動作説明に供するフローチャートであり、図26(a)は、レジスト膜用処理セルC3に関するセルコントローラCT3の動作説明に供するフローチャートであり、図26(b)は、レジスト膜用処理セルC3以外のセルC1,C2,C4〜C6に関する各セルコントローラCT1,CT2,CT4〜CT6の動作説明に供するフローチャートであり、図27は、アボート処理前における反射防止膜用処理セルC3の動作説明に供するフローチャートである。なお、アボート処理における各セルのフローチャートおよび制御シーケンスについては、アボートの対象が異常に係る基板Wから不合格基板Wに変わることを除けば、実施例における図16〜図18に示すフローチャートおよび図19に示す制御シーケンスと同じなので、その動作説明について流用して、その説明については省略する。また、図24に示す制御シーケンスおよび図25〜図27に示すフローチャートについても、実施例における図11に示す制御シーケンスおよび図12〜図15に示すフローチャートと同じステップについては同じ符号を付して、その部分の説明については省略する。
【0180】
不合格基板Wがレジスト膜用処理セルC3まで搬送された場合、そのセルC3では異常が発生しないので、実施例のように異常発生に関するアラーム発生信号の送受信(実施例の図11〜図14中のステップS1,T1,T2,U21)を行わず、回収確認信号の送受信から始まる。
【0181】
従って、実施例での図11,図12に示すメインコントローラMCのフローチャートのステップS1でのアラーム発生信号の受信を除けば、この変形例での図24,図25に示すメインコントローラMCのフローチャートでは、ステップS2以降の各処理は実施例と同じである。
【0182】
同様に、実施例での図11,図13に示す各セルコントローラCT1〜CT6のフローチャートのステップT1,T2でのアラーム発生信号の送受信を除けば、この変形例での図24,図26に示す各セルコントローラCT1〜CT6のフローチャートでは、ステップT1,T2以降の各処理は同じである。
【0183】
同様に、実施例での図11,図15に示すアボート処理前における反射防止膜用処理セルC3のフローチャートでのステップU21でのアラーム発生信号の送信を除けば、この変形例での図24,図27に示すアボート処理前における反射防止膜用処理セルC3のフローチャートでは、ステップU21以降の各処理は同じである。
【0184】
また、実施例での図14に示すフローチャートではセルC3での処理中に異常が発生するが、この変形例ではセルC3での処理中に異常が発生しないので、アボート処理前におけるセルC3の処理は、ステップU22で回収確認信号をセルコントローラCT3から受信してから始まる。
【0185】
先ず、メインコントローラMCは、不合格基板WがインデクサセルC1のカセットCに回収可能か否かを確認する回収確認信号をセルコントローラCT3に送信し(図24,図25中のステップS2)、セルコントローラCT3側では回収確認信号をメインコントローラMCから受信する(図24,図26(a)中のステップT3)と、回収確認信号をセルCに送信する(図24,図26(a)中のステップT4)。
【0186】
セルC3側では回収確認信号をセルコントローラCT3から受信する(図24,図27中のステップU22)と、回収可能か否かを判定し(図24,図27中のステップU23)、回収可能になるまで待機する。回収可能になればアラーム収束信号をセルコントローラCT3に送信し(図24,図27中のステップU24)、セルコントローラCT3側ではアラーム収束信号を受信すれば(図24,図26(a)中のステップT5)、アラーム収束信号をメインコントローラMCに送信する(図24,図26(a)中のステップT6)。
【0187】
メインコントローラMC側ではアラーム収束信号をセルコントローラCT3から受信すれば(図24,図25中のステップS3)、アボート要求信号を各セルコントローラCT1〜CT6に送信する(図24,図25中のステップS4,S5)。
【0188】
具体的には、オペレータがデータ設定部HC(図9(a)参照)において不合格基板Wを指定して、その指定された情報をメインコントローラMCに送って、アボート要求信号として各セルコントローラCT1〜CT6に送信して、不合格基板Wに対してそれが処理されている処理以降の基板処理を完了せずに終了するようにアボート制御する。
【0189】
各セルコントローラCT1〜CT6側でアボート要求信号をメインコントローラMCから受信する(図24,図26中のステップT7,T9)と、インデクサセルC1,反射防止膜用処理セルC2、レジスト膜用処理セルC3においてアボート処理をそれぞれ行う(図24,図26中のステップT8,T10)ように制御する。各セルC1〜C3のアボート処理の対象は、実施例の異常基板Wから不合格基板Wに変更するだけである。
【0190】
各セルC1〜C3でアボート処理が完了すると、アボート完了信号をセルC1に関するセルコントローラCT1からメインコントローラMCに送信する(図24中のステップX7)ように制御し、メインコントローラMC側ではアボート完了信号をセルコントローラCT1から受信する(図24中のステップS6)と、一連の不合格基板Wの基板搬送制御が終了する。
【0191】
以上のように、この変形例によれば、不合格基板W以外の基板Wは、各セルC1〜C6内で基板処理および基板搬送が行われつつ、各セルC1〜C6間で搬送がそれぞれ行われ、不合格基板Wは、それが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する各セルC1〜C6に受け渡されて搬送搬出する処理が行われる。すなわち、不合格基板Wについてアボート処理が行われる。このことから、処理の途中で不合格基板Wを任意に取り出して搬送搬出することができる。なお、不合格基板Wに限定されず、任意の基板Wをアボートの対象として指定してアボート処理を行えばよい。
【0192】
この変形例では、実施例のアボート処理(不合格基板Wをインデクサセルに戻す処理)を組み合わせたが、変形例(11)のアボート処理(不合格基板Wおよびそれ以外の基板Wを順に受け渡して搬送を行い、不合格基板Wのみそれが処理されている処理以降の基板処理を行わない処理)を組み合わせてもよい。
【0193】
なお、検査用セルで検査に不合格した基板Wを異常発生に関わった基板Wとして検出して、その検出信号(アラーム発生信号)を実施例のように知らせてからアボート処理を行ってもよい。不合格になった基板Wとして、例えば基板Wに付着したパーティクルの粒径が所定以上の径の場合や、基板Wに付着したパーティクルの数が所定以上に達した場合や、基板Wに塗布形成された塗布膜(反射防止膜やレジスト膜など)の膜厚が所定値以上に変化した場合などが挙げられる。従って、粒径の大きさやパーティクルの数や基板Wの膜厚を測定する手段(図示省略)が本発明における異常検出手段に相当し、検査手段にも相当する。例えば、膜厚を測定する手段として、膜厚の断面を行って膜厚を測定する走査顕微鏡(SEM)や、膜厚を形成する領域とそれ例外の領域とからの分光反射スペクトルに基づいて膜厚を測定する分光器などが挙げられる。
【0194】
(13)実施例では、各基板処理は1枚ずつ基板を処理したが、例えば基板群(ロット)ごと基板を搬送して処理する場合にも本発明は適用することができる。
【0195】
ロットごと処理を行う場合には、検査用セルで検査に不合格した基板Wに属するロットを指定して、アボート処理を行えばよい。すなわち制御シーケンスは、上述した変形例(12)の図24と同様である。もちろん、実施例のように、異常発生に関連したロット(基板群)に対しても、アボート処理をおこなうことは可能である。
【0196】
(14)実施例では、各々のセルコントローラCT1〜CT6が、各セル内の基板の受け渡しだけを対象にした制御、いわゆる分散制御であったが、処理ブロックを並設して構成される基板処理装置にも本発明は適用することができる。この場合には、並設された複数個の処理ブロックで順に行われる。各処理ブロックでは各々の主搬送機構が、隣接する処理ブロックから入口基板載置部を介して受け入れられた基板の搬送、処理部に対して基板の受け渡し、および隣接する処理ブロックへ出口基板載置部を介して払い出す基板の搬送を並行して行う。つまり、各処理ブロックの主搬送機構は同時並行的に作動する。
【0197】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、所定の基板以外の基板または基板群は、各処理ブロックまたは被制御ユニット内で基板処理および基板搬送が行われつつ、隣接する各処理ブロックまたは被制御ユニット間で搬送がそれぞれ行われ、所定の基板または基板群は、それが処理されている処理以降の基板処理を行わずに、隣接する処理ブロックまたは被制御ユニットに受け渡されて搬送搬出されるので、処理の途中で基板を任意に取り出して搬送搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る基板処理装置の概略構成を示した平面図である。
【図2】実施例装置の概略構成を示した正面図である。
【図3】熱処理部の正面図である。
【図4】隔壁に設けられた基板載置部の周辺構成を示す破断正面図である。
【図5】インターフェイスブロックの概略構成を示す側面図である。
【図6】(a)は主搬送機構の概略構成を示す平面図、(b)はその正面図である。
【図7】(a)は基板仮置部付きの加熱部の破断側面図、(b)は破断平面図である。
【図8】(a)は実施例装置のブロック配置を示した平面図、(b)は実施例装置のセル配置を示した平面図である。
【図9】(a)は実施例装置の制御系を示したブロック図、(b)は比較のために示した従来装置の制御系のブロック図である。
【図10】第1〜第4の主搬送機構による基板搬送の流れを示した図である。
【図11】レジスト膜用塗布処理部での基板に対するレジスト膜の塗布形成が失敗したときの基板搬送制御に関する制御シーケンスである。
【図12】レジスト膜用塗布処理部での基板に対するレジスト膜の塗布形成が失敗したときの基板搬送制御に関するメインコントローラの動作説明に供するフローチャートである。
【図13】(a)はレジスト膜用処理セルに関するセルコントローラの動作説明に供するフローチャート、(b)はレジスト膜用処理セル以外のセルに関する各セルコントローラの動作説明に供するフローチャートである。
【図14】アボート処理前におけるレジスト膜用処理セルの動作説明に供するフローチャートである。
【図15】アボート処理前におけるレジスト膜用処理セルの動作説明に供するフローチャートである。
【図16】アボート処理におけるレジスト膜用処理セルの動作説明に供するフローチャートである。
【図17】アボート処理における反射防止膜用処理セルの動作説明に供するフローチャートである。
【図18】アボート処理におけるインデクサセルの動作説明に供するフローチャートである。
【図19】アボート処理における各セルの制御シーケンスである。
【図20】変形例に係る基板処理装置のレイアウトを示す図である。
【図21】変形例に係るアボート処理におけるインデクサセル,インターフェイスセル以外の各セルの動作説明に供するフローチャートである。
【図22】変形例に係るアボート処理におけるインデクサセルの動作説明に供するフローチャートである。
【図23】変形例に係るアボート処理における各セルの制御シーケンスである。
【図24】さらなる変形例に係る、レジスト膜用処理セルまで搬送された不合格基板の基板搬送制御に関する制御シーケンスである。
【図25】さらなる変形例に係るメインコントローラの動作説明に供するフローチャートである。
【図26】(a)はさらなる変形例に係るレジスト膜用処理セルに関するセルコントローラの動作説明に供するフローチャート、(b)はさらなる変形例に係るレジスト膜用処理セル以外のセルに関する各セルコントローラの動作説明に供するフローチャートである。
【図27】さらなる変形例に係るアボート処理前における反射防止膜用処理セルの動作説明に供するフローチャートである。
【符号の説明】
1 …インデクサブロック
2 …反射防止膜用処理ブロック
3 …レジスト膜用処理ブロック
4 …現像処理ブロック
5 …インターフェイスブロック
7 …インデクサ用搬送機構
10A〜10D …第1〜第4の主搬送機構
35 …インターフェイス用搬送機構
C1 …インデクサセル
C2 …反射防止膜用処理セル
C3 …レジスト膜用処理セル
C4 …現像処理セル
C5 …露光後加熱用処理セル
C6 …インターフェイスセル
W …基板
PASS1〜PASS10 …基板載置部
CT1〜CT6 …セルコントローラ
MC …メインコントローラ

Claims (14)

  1. 基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで単一の処理ブロックを構成し、処理ブロックを並設して構成される基板処理装置であって、
    各処理ブロックの主搬送機構を制御する制御手段と、
    所定の基板または基板群について処理の終了指示を前記制御手段に与える終了指示手段とを備え、
    前記制御手段は、終了指示手段からの指示に基づいて、前記指示のあった基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する処理ブロックに基板を受け渡して、基板を搬送搬出させるように各主搬送機構を制御することを特徴とする基板処理装置。
  2. 基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで単一の被制御ユニットを構成し、被制御ユニットを並設して構成される基板処理装置であって、
    各被制御ユニットに、その被制御ユニットに基板を受け入れるために基板を載置する入口基板載置部と、その被制御ユニットから基板を払い出すために基板を載置する出口基板載置部とを区別して配設し、
    前記装置は、
    各被制御ユニットの主搬送機構の基板受け渡し動作を制御するユニット制御手段を各被制御ユニットごとに備えるとともに、
    所定の基板または基板群について処理の終了指示を前記ユニット制御手段に与える終了指示手段とを備え、
    各ユニット制御手段は、処理部に対する基板の受け渡しおよび基板載置部に対する基板の受け渡しを含む一連の基板搬送に係る制御を、各々独立して行い、
    終了指示手段からの指示に基づいて、前記指示のあった基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する被制御ユニットに、入口基板載置部または出口基板載置部を介して基板を受け渡して、基板を搬送搬出させるように各主搬送機構を制御することを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、
    処理対象の基板を収納するカセットが載置されるカセット載置部を有し、そのカセットから未処理の基板または基板群を順に取り出して前記処理ブロックまたは被制御ユニットへ払い出すとともに、処理された基板または基板群を処理ブロックまたは被制御ユニットから受け取ってカセット内へ順に収納するインデクサを、処理ブロックまたは被制御ユニットとして備え、
    前記各々の主搬送機構は、前記指示のあった基板または基板群をインデクサに渡すように搬送をそれぞれ行うことで、それが処理されている処理以降の処理を行わずに基板処理を終了することを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、
    前記終了指示手段は、前記各々の処理ブロックまたは被制御ユニットの処理部にも基板処理の終了指示を与え、
    前記各々の主搬送機構は、前記指示のあった基板または基板群、およびそれ以外の基板または基板群を順に受け渡して搬送を行い、
    各々の処理ブロックまたは被制御ユニットの処理部は、前記終了指示手段からの指示に基づいて、指示のあった基板または基板群のみ基板処理を行わないことで、それが処理されている処理以降の処理を行わずに基板処理を終了することを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項4に記載の基板処理装置において、
    基板処理装置に連設される外部装置と前記処理部ブロックまたは被制御ユニットとの間で基板の受け渡しを中継するインターフェイスを、処理ブロックまたは被制御ユニットとして備え、
    前記指示のあった基板または基板群が、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットにまで搬送されたとき、前記主搬送機構は、指示のあった基板または基板群のみを、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットに留めて、それ以外の基板または基板群を、前記外部装置に渡し、
    外部装置から後者の基板または基板群が、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットにまで搬送された後に、主搬送機構は、留めておいた前者の基板または基板群、および後者の基板または基板群を順に受け渡して搬送を行うことを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板処理装置において、
    基板処理過程における異常を検出する異常検出手段を備え、
    前記所定の基板または基板群は、前記異常に関わった基板または基板群であって、
    前記終了指示手段は、前記異常検出手段から異常検出を知らされることにより、異常に関わった基板または基板群について処理の終了指示を前記制御手段またはユニット制御手段に与えることを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項6に記載の基板処理装置において、
    前記処理部は、基板を支持して処理を行う支持手段を備え、
    前記異常検出手段は、前記支持手段による基板の支持に関連する異常を検出することを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項6に記載の基板処理装置において、
    前記処理部は、基板に処理液を供給して基板処理を行う処理液供給手段を備え、
    前記異常検出手段は、前記処理液供給手段による処理液の供給に関連する異常を検出することを特徴とする基板処理装置。
  9. 請求項6に記載の基板処理装置において、
    前記異常検出手段は、基板を検査する検査手段であることを特徴とする基板処理装置。
  10. 基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで単一の処理ブロックを構成し、隣接する処理ブロックの間で基板を搬送して、各処理ブロックの処理部で基板処理を行う基板処理方法であって、
    所定の基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する処理ブロックに基板を受け渡して、基板を搬送搬出させることを特徴とする基板処理方法。
  11. 基板処理を行う処理部と、その処理部に対して基板の受け渡しを行う主搬送機構とを含んで、かつ前記主搬送機構の基板受け渡し動作を独立して行う被制御ユニットを構成し、隣接する被制御ユニットの間で基板を搬送して、各被制御ユニットの処理部で基板処理を行う基板処理方法であって、
    所定の基板または基板群に対してそれが処理されている処理以降の処理を行わずに、隣接する被制御ユニットに基板を受け渡して、基板を搬送搬出させることを特徴とする基板処理方法。
  12. 請求項10または請求項11に記載の基板処理方法において、
    処理対象の基板を収納するカセットが載置されるカセット載置部を有し、そのカセットから未処理の基板または基板群を順に取り出して他の処理ブロックまたは被制御ユニットへ払い出すとともに、処理された基板または基板群を他の処理ブロックまたは被制御ユニットから受け取ってカセット内へ順に収納するインデクサで、前記処理ブロックまたは被制御ユニットを構成し、
    前記各々の主搬送機構は、前記所定の基板または基板群をインデクサに渡すように搬送をそれぞれ行うことで、それが処理されている処理以降の処理を行わずに基板処理を終了することを特徴とする基板処理方法。
  13. 請求項10または請求項11に記載の基板処理方法において、
    前記各々の主搬送機構は、前記所定の基板または基板群、およびそれ以外の基板または基板群を順に受け渡して搬送を行い、
    各々の処理ブロックまたは被制御ユニットの処理部は、所定の基板または基板群のみ基板処理を行わないことで、それが処理されている処理以降の処理を行わずに基板処理を終了することを特徴とする基板処理方法。
  14. 請求項13に記載の基板処理方法において、
    基板処理装置に連設される外部装置と他の処理部ブロックまたは被制御ユニットとの間で基板の受け渡しを中継するインターフェイスで、前記処理ブロックまたは被制御ユニットを構成し、
    前記所定の基板または基板群が、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットにまで搬送されたとき、前記主搬送機構は、所定の基板または基板群のみを、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットに留めて、それ以外の基板または基板群を、前記外部装置に渡し、
    外部装置から後者の基板または基板群が、インターフェイス、あるいはこれに隣接する処理部ブロックまたは被制御ユニットにまで搬送された後に、主搬送機構は、留めておいた前者の基板または基板群、および後者の基板または基板群を順に受け渡して搬送を行うことを特徴とする基板処理方法。
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