JP2005032354A - 記録再生装置及び記録再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射型偏光コリニア記録再生方式を利用しながらも高精度なトラッキングを可能とすること。
【解決手段】本発明の記録再生装置1は、トラッキンググルーブが設けられたホログラム型の光記録媒体10への情報の記録及び光記録媒体10からの情報の再生を行い、光源20と、トラッキング用光検出器70と、入射光の偏光面を回転させて偏光面が互いに異なる光をそれぞれ出射する第1及び第2部分を備えた二分割旋光用光学素子308と対物レンズ309とを含んだ光学系30と、対物レンズ309と光記録媒体10とをトラック方向に対して交差する方向に相対移動させる駆動機構40とを具備し、二分割旋光用光学素子308は、第1部分と第2部分との境界がトラック方向に対して交差するように配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録再生装置及び記録再生方法に係り、特にはホログラム型の光記録媒体への情報の記録及びそれからの情報の再生を行う記録再生装置及び記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高密度画像データなどの容量の大きな情報を書き込み可能な記録媒体として光記録媒体がある。そのような光記録媒体としては、光磁気記録媒体や相変化光記録媒体などの書換可能型光記録媒体や追記型光記録媒体が既に実用化されているが、光記録媒体に対する大容量化への要求は高まる一方である。そこで、近年、三次元的に情報を記録可能なホログラム型の光記録媒体が注目されている。
【0003】
ホログラム型の光記録技術では、情報を記録するに際し、一般に、二次元的な強度分布が与えられた情報光と強度がほぼ一定な参照光とを感光性の記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせる。また、書き込んだ情報を読み出す際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射する。この参照光は、記録層内部に形成された光学特性分布により変調され、先の情報光に対応した強度分布を有する再生光として記録層から出射する。
【0004】
この技術では、記録層内に光学特性分布が三次元的に形成されるため、或る情報光により情報が書き込まれた領域と他の情報光により情報が書き込まれた領域とを部分的に重ね合わせること,すなわち多重記録,が可能である。特に反射型偏光コリニア記録再生方式を利用した場合には、再生時に優れた信号対雑音比(SN比)を実現できるとともに、透過型の記録再生方式と比較して、光学系の位置合わせが容易となる(例えば、以下の特許文献1を参照のこと)。
【0005】
ところで、ホログラム型の光記録技術では、通常、他の光記録技術と比較して、記録や再生に遥かに微弱な光を利用する。これは、光磁気記録技術や相変化光記録技術などの光記録技術では、光照射により生じる熱を利用して無機材料からなる記録層に記録マークを形成するのに対し、ホログラム型の光記録技術では、通常、記録層には光重合性等の有機材料を使用するためである。このような理由から、ホログラム型の光記録技術では、トラッキングに利用する光は、記録層における光反応を誘起しない程度に十分に微弱であるか、或いは、記録層における光反応を誘起し得ない波長を有するものであることが必要である。
【0006】
しかしながら、反射型偏光コリニア記録再生方式を利用した場合、一般的には、トラッキングに利用する光、情報光、及び参照光に同一の光学系を共用することとなる。そのため、トラッキングに利用する光の波長と、情報光や参照光の波長とは同一であることが必要である。
【0007】
したがって、反射型偏光コリニア記録再生方式を利用した場合、トラッキングには、情報光や参照光と同一の波長を有し且つ十分に微弱な光を利用せざるを得ない。そのため、反射型偏光コリニア記録再生方式を利用した場合には、記録再生ヘッドと記録トラックとの相対位置情報に対応した信号を十分に大きな信号強度で得ることができず、その結果、高精度なトラッキングを行うことが不可能となる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−123949
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、反射型偏光コリニア記録再生方式を利用しながらも高精度なトラッキングを可能とすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、トラッキンググルーブが設けられたホログラム型の光記録媒体への情報の記録及び前記光記録媒体からの前記情報の再生を行う記録再生装置であって、光源と、トラッキング用光検出器と、入射光の偏光面を回転させて偏光面が互いに異なる光をそれぞれ出射する第1及び第2部分を備えた二分割旋光用光学素子と、前記光記録媒体と前記二分割旋光用光学素子との間に介在した対物レンズとを含み、前記光源が放出する光を前記二分割旋光用光学素子及び前記対物レンズを介して前記光記録媒体へと導くとともに、前記光記録媒体から出力される反射光を前記対物レンズ及び前記二分割旋光用光学素子を介して前記トラッキング用光検出器へと導く光学系と、前記対物レンズと前記光記録媒体とをトラック方向に対して交差する方向に相対移動させる駆動機構とを具備し、前記二分割旋光用光学素子は、前記第1部分と前記第2部分との境界が前記トラック方向に対して交差するように配置されていることを特徴とする記録再生装置が提供される。
【0011】
また、本発明によると、記録時及び/または再生時に、入射光の偏光面を回転させて偏光面が互いに異なる光をそれぞれ出射する第1及び第2部分を備えた二分割旋光用光学素子と対物レンズとを介して光をトラッキンググルーブが設けられたホログラム型の光記録媒体へと導き、前記光記録媒体から前記対物レンズ及び前記二分割旋光用光学素子を介して出力される反射光を検出し、その出力に基づいて、前記対物レンズと前記光記録媒体とをトラック方向に対して交差する方向に相対移動させることを含み、前記二分割旋光用光学素子を前記第1部分と前記第2部分との境界が前記トラック方向に対して交差するように配置することを特徴とする記録再生方法が提供される。
【0012】
なお、ここで使用する用語「トラック方向」は、「トラッキンググルーブの長さ方向」を意味する。また、「トラック方向に対して交差する方向」は、トラッキンググルーブの対物レンズと対向した部分の長さ方向に対して交差する方向を意味する。例えば、トラッキンググルーブが互いに平行な直線状溝部で構成されている場合には、「トラック方向に対して交差する方向」は、上記直線状溝部に対して交差する方向を意味する。或いは、トラッキンググルーブが同心円状または渦巻線状の溝部で構成されている場合には、「トラック方向に対して交差する方向」は、例えば半径方向などのように円周方向に対して交差する方向を意味する。
【0013】
上記記録再生装置は、トラッキング用光検出器の出力に基づいて駆動機構の動作を制御する制御部をさらに具備していてもよい。
【0014】
また、この記録再生装置は、再生用光検出器をさらに具備していてもよい。この場合、光学系は、光記録媒体から出力される回折光を対物レンズ及び二分割旋光用光学素子を介して再生用光検出器へと導くように構成されていてもよい。
【0015】
上記光学系は、光源が放出する光を偏光面が互いに異なる第1及び第2光成分へと分離する第1偏光ビームスプリッタと、第1及び第2光成分の光路上であって第1偏光ビームスプリッタと二分割旋光用光学素子との間に配置された第2偏光ビームスプリッタと、第1及び第2偏光ビームスプリッタ間に配置され、第1光成分を記録すべき情報に対応して変調させる透過型空間光変調器と、第1光成分の光路上であって第1及び第2偏光ビームスプリッタ間に配置されたシャッタとをさらに含んでいてもよい。
【0016】
第1部分と第2部分との境界がトラック方向に対して為す角度は60°乃至120°の範囲内にあってもよい。
【0017】
上記トラッキンググルーブは、第1凹部と、トラック方向に対して直交する方向の寸法が第1凹部と比較してより大きい第2凹部とをトラック方向に交互に繋げた構造を有していてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同様または類似する機能を有する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置を概略的に示す図である。図2は、図1の記録再生装置に搭載可能なホログラム型光記録媒体の一例を概略的に示す部分切開斜視図である。図3は、図2の光記録媒体を概略的に示す平面図である。
【0020】
まず、図1の記録再生装置について説明するのに先立ち、図2及び図3のホログラム型光記録媒体について簡単に説明する。
【0021】
図2に示すホログラム型光記録媒体10は、透明基板101を備えている。基板101の一方の主面上には、記録層102、及び保護層103が順次積層されている。また、基板101の他方の主面上には、反射層104が設けられている。すなわち、この光記録媒体10は、反射型光記録媒体である。
【0022】
透明基板101は、例えば、ガラスやポリカーボネート等によって形成され得る。基板101は、典型的には円盤状の形状を有しているが、カード状などのように他の形状を有していてもよい。ここでは、一例として、透明基板101は円盤状の形状を有していることとする。
【0023】
記録層102は、電磁波を照射したときに、その強度に応じて吸光係数や屈折率などの光学特性が変化する材料により形成されている。記録層102に用いられるホログラム記録材料は有機材料であっても無機材料であっても構わない。記録層102に使用可能な有機材料としては、例えば、フォトポリマー、フォトリフラクティブポリマー、フォトクロミック色素分散ポリマーなどを挙げることができる。また、記録層102に使用可能な無機材料としては、例えば、ニオブ酸リチウムやチタン酸バリウムなどを挙げることができる。
【0024】
反射層104は、例えばアルミニウムなどのように、情報光や参照光に関する反射率が高い材料によって形成されている。記録時には、記録層102に直接入射した情報光と反射層104の表面で反射された参照光との干渉縞等が、記録層102中に記録マークとして書き込まれる。
【0025】
反射層104の透明基板101との界面には、図3に示すように、トラッキンググルーブ105が設けられている。すなわち、透明基板101の反射層104側の主面には、トラッキンググルーブ105に対応した畝状凸部が設けられている。なお、反射層104の透明基板101側の主面には、透明基板101に設けた畝状凸部に起因して溝が生じている。この溝がトラッキンググルーブ105に相当している。
【0026】
図3に示す例では、トラッキンググルーブ105は、トラック方向であるx方向と交差する方向の寸法,例えばx方向と直交するy方向の幅,がより小さい第1凹部105aと、y方向の寸法がより大きい第2凹部105bとをx方向に交互に繋げた構造を有している。また、この例では、透明基板101は円盤状としているので、トラッキンググルーブ105は同心円状或いは渦巻線状に設ける。
【0027】
後述するように、第1凹部105aはトラッキングに利用する。他方、第2凹部105bは、記録層102に記録マークを形成するのに利用する。第1凹部105aの開口幅は、後で説明する参照光が反射層104の最上面に形成するビームスポット80の径よりも小さくする。他方、第2凹部105bの開口径は、ビームスポット80の径よりも大きくする。また、第1凹部105aの深さdは、干渉によるトラッキング信号への影響を避けるためには、透明基板101の屈折率をn、参照光の波長をλとした場合、λ/4nより小さくすることが望ましく、例えば、ほぼλ/8nと等しくなるように設定する。なお、通常、第2凹部105bの深さは、第1凹部105aの深さdと同一とする。
【0028】
次に、図1のホログラム型記録再生装置1について説明する。
図1に示すホログラム型記録再生装置1は、光源20と、光学系30と、光記録媒体10と、駆動機構40と、制御部50と、再生用光検出器60と、トラッキング用光検出器70とを含んでいる。
【0029】
光源20は、例えば、コヒーレントな直線偏光を出力するレーザである。レーザとしては、例えば、半導体レーザ、He−Neレーザ、アルゴンレーザ、YAGレーザなどを使用することができる。
【0030】
光学系30は、この例では、ビームエキスパンダ301、旋光用光学素子302、偏光ビームスプリッタ303、透過型空間光変調器304、電磁シャッタ305、偏光ビームスプリッタ306、偏光ビームスプリッタ307、二分割旋光用光学素子308、対物レンズ309、ビームスプリッタ310、結像レンズ311、結像レンズ312を含んでいる。光学系30は、光源20が放射する光を二分割旋光用光学素子308及び対物レンズ309を介して光記録媒体10へと導くとともに、光記録媒体10から出力される回折光及び反射光を対物レンズ309及び二分割旋光用光学素子308を介して再生用光検出器60及びトラッキング用光検出器70へとそれぞれ導く。
【0031】
駆動機構40は、この例では、モータ401とアクチュエータ402とを含んでいる。モータ401のスピンドルは、光記録媒体10を回転可能に及び着脱可能に支持している。また、アクチュエータ402は、例えばピエゾアクチュエータであり、対物レンズ309を、図中、横方向に移動させる
制御部50は、トラッキング用光検出器70の出力などに基づいて駆動機構40の動作を制御する。この例では、制御部50は、主として、トラッキング用光検出器70の出力に基づいてアクチュエータ402の動作を制御する。
【0032】
再生用光検出器60は、例えば、二次元イメージセンサである。再生用光検出器60は、再生光が再生用光検出器60上に形成する再生画像の光強度分布を検出して、再生信号を外部へと出力する。
【0033】
トラッキング用光検出器70は、例えば、二分割光検出器である。トラッキング用光検出器70が二分割光検出器である場合、トラッキング用光検出器70は、その2つの画素間の境界がトラック方向に対して光学的に平行となるように配置する。トラッキング用光検出器70は、トラッキング誤差信号として差動信号を制御部50へと出力する。
【0034】
この記録再生装置1を用いた情報の記録及び再生は、例えば、以下の方法により行うことができる。まず、記録方法について説明する。
【0035】
光源20は、コヒーレントな直線偏光を出力する。
ビームエキスパンダ301は、光源20が放射する光ビームのビーム径を増加させ、平行光束として旋光用光学素子302に入射させる。
【0036】
旋光用光学素子302は、先の光ビームの偏波面を回転させるか、或いは、先の光ビームを円偏光または楕円偏光とすることにより、偏波面が紙面に平行な偏光成分(以下、P偏光成分という)と偏波面が紙面に垂直な偏光成分(以下、S偏光成分という)とを出射する。旋光用光学素子302としては、例えば、1/2波長板や1/4波長板を使用することができる。
【0037】
旋光用光学素子302を出射した光ビームのうち、S偏光成分は偏光ビームスプリッタ303により反射され、透過型空間光変調器304に入射する。また、P偏光成分は、偏光ビームスプリッタ303を透過する。このP偏光成分は、参照光として利用する。
【0038】
透過型空間光変調器304は、例えば、透過型液晶表示装置のようにマトリクス状に配列した多数の画素を有しており、それを出射する光をP偏光成分とS偏光成分との間で画素毎に切り替えることができる。このようにして、透過型空間光変調器304は、記録すべき情報に対応して二次元的な偏波面分布が与えられた情報光を出射する。
【0039】
透過型空間光変調器304を出射した情報光は、次いで、電磁シャッタ305に至る。記録時には、電磁シャッタ305は開いており、情報光はビームスプリッタ306に入射する。この情報光の一部は、ビームスプリッタ306により反射され、偏光ビームスプリッタ307に入射する。
【0040】
偏光ビームスプリッタ307は、先の情報光のうち、S偏光成分のみを反射し、P偏光成分は透過する。偏光ビームスプリッタ306により反射されたS偏光成分は、二次元的な強度分布が与えられた情報光として二分割旋光用光学素子308に入射する。
【0041】
二分割旋光用光学素子308は、図中、手前側の部分と奥側の部分との間で光学特性が互いに異なっている。具体的には、情報光のうち、例えば、二分割旋光用光学素子308の手前側部分(第1部分)に入射した光成分は偏波面を+45°回転させて出射し、奥側部分(第2部分)に入射した光成分は偏波面を−45°回転させて出射する。以下、S偏光成分の偏波面を+45°回転させたもの(或いは、P偏光成分の偏波面を−45°回転させたもの)をA偏光成分と呼び、S偏光成分の偏波面を−45°回転させたもの(或いは、P偏光成分の偏波面を+45°回転させたもの)をB偏光成分と呼ぶ。なお、二分割旋光用光学素子308の各部分には、例えば、1/2波長板を用いることができる。
【0042】
二分割旋光用光学素子308を出射したA偏光成分及びB偏光成分は、対物レンズ309により光記録媒体10の反射層104上に集光される。なお、光記録媒体10は、保護層103を対物レンズ309に対向させて配置されている。
【0043】
他方、偏光ビームスプリッタ303を透過したP偏光成分(参照光)は、ビームスプリッタ310で反射され、偏光ビームスプリッタ307を透過する。偏光ビームスプリッタ307を透過した参照光は、次いで、二分割旋光用光学素子308に入射し、その手前側部分に入射した光成分は偏波面を+45°回転させてB偏光成分として出射し、奥側部分に入射した光成分は偏波面を−45°回転させてA偏光成分として出射する。その後、それらA偏光成分及びB偏光成分は、対物レンズ309により光記録媒体10の反射層104上に集光される。
【0044】
なお、この例では、記録時において、情報光は図3に示す第2凹部105bの中心が対物レンズ309の光軸上に位置したときにのみ照射する。また、参照光は、記録時において常時照射する。
【0045】
このように、二分割旋光用光学素子308の手前側部分からは、A偏光成分である情報光とB偏光成分である参照光とが出射する。他方、二分割旋光用光学素子308の奥側部分からは、B偏光成分である情報光とA偏光成分である参照光とが出射する。また、情報光及び参照光は、光記録媒体10の反射層104上に集光される。
【0046】
そのため、情報光と参照光との干渉は、保護層103を介して記録層102に直接入射した直接光としての情報光と反射層104で反射された反射光としての参照光との間、及び、直接光としての参照光と反射光としての情報光との間でしか生じない。また、直接光としての情報光と反射光としての情報光との干渉や、直接光としての参照光と反射光としての参照光との干渉は生じない。さらに、このとき、情報光及び参照光は、図3に示す第2凹部105bに照射されているので、透明基板101の表面に設けられた凹凸により波面が乱されることはない。したがって、図1に示す記録再生装置1によると、記録層102の内部に情報光に対応した光学特性の分布を生じさせることができる。
【0047】
上述した方法により記録した情報は、以下のようにして読み出すことができる。すなわち、電磁シャッタ305を閉じること以外は記録時と同様の操作を行う。こうすると、P偏光成分である参照光のみが二分割旋光用光学素子308に到達する。
【0048】
この参照光は、次いで、二分割旋光用光学素子308に入射し、その手前側部分に入射した光成分は偏波面を+45°回転させてB偏光成分として出射し、奥側部分に入射した光成分は偏波面を−45°回転させてA偏光成分として出射する。その後、それらA偏光成分及びB偏光成分は、対物レンズ309により光記録媒体10の反射層104上に集光される。
【0049】
光記録媒体10の記録層102には、図3に示す第2凹部105bに対応した位置に、上記の方法により光学特性分布が形成されている。したがって、光記録媒体10に入射したA偏光成分及びB偏光成分の一部は、記録層102内に形成された光学特性分布により回折され、再生光として光記録媒体10を出射する。
【0050】
光記録媒体10を出射した再生光としてのA偏光成分及びB偏光成分は、対物レンズ309により平行光束とされた後、二分割旋光用光学素子308に到達する。二分割旋光用光学素子308の手前側部分に入射したB偏光成分はP偏光成分として出射し、二分割旋光用光学素子308の奥側部分に入射したA偏光成分はP偏光成分として出射する。このようにして、P偏光成分としての再生光が得られる。
【0051】
その後、再生光は偏光ビームスプリッタ307を透過する。偏光ビームスプリッタ307を透過した再生光の一部は、次いで、ビームスプリッタ310を透過する。ビームスプリッタ310を透過した再生光は、次いで、結像レンズ311により再生用光検出器60上に結像され、それらの上に再生画像を形成する。再生用光検出器60は、再生画像の光強度分布を検出する。このようにして、光記録媒体10に記録された情報を読み出す。
【0052】
他方、二分割旋光用光学素子308を透過して光記録媒体10に入射したA偏光成分及びB偏光成分の残りは、反射層104などにより反射され、光記録媒体10を出射する。この反射光としてのA偏光成分及びB偏光成分は、対物レンズ309により平行光束とされた後、A偏光成分は二分割旋光用光学素子308の手前側部分に入射してS偏光成分として出射し、B偏光成分は二分割旋光用光学素子308の奥側部分に入射してS偏光成分として出射する。二分割旋光用光学素子308を出射したS偏光成分は、偏光ビームスプリッタ307により反射されるため、再生用光検出器60には到達し得ない。したがって、この記録再生装置1によると、優れた再生SN比を実現できる。
【0053】
次に、トラッキング方法について、図1及び図4乃至図6を参照しながら説明する。ここでは、以下に説明するように、プッシュプル法を利用してトラッキングを行う。
【0054】
図4は、図1の記録再生装置で利用可能なトラッキング方法を概略的に示す斜視図である。図5は、トラック方向に対する二分割旋光用光学素子の方位を概略的に示す平面図である。図6は、対物レンズを含む平面上における反射光と回折光との重なりを概略的に示す平面図である。すなわち、以下に、図4及び図6を参照しながら説明するビームスポット81,82a,82bは、反射光及び±1次回折光が二分割旋光用光学素子308に入射する前に形成するものである。
【0055】
上記の通り、トラッキンググルーブ105の第1凹部105aは、参照光が反射層104の最上面に形成するビームスポットの径よりも幅が狭い。そのため、第1凹部105aは、トラック方向に延びた形状を有するスリットのように振舞う。すなわち、参照光が反射層104により反射されてなる反射光は回折光である。
【0056】
なお、相変化光記録媒体などのように、現在、広く普及している光記録媒体では、大きな信号振幅を得るために、反射光及び/または0次回折光と−1次回折光と+1次回折光とが対物レンズ309上に図4に示すような配置でビームスポット81,82a,82bをそれぞれ形成するようにトラッキンググルーブの幅や深さなどを設定している。したがって、ここでも、相変化光記録媒体などとの互換性を考慮して、第1凹部105aは、反射光及び±1次回折光が対物レンズ309上に図4に示すような配置でビームスポット81,82a,82bを形成するように幅や深さなどが設定されていることとする。また、トラッキンググルーブ105に起因して生じる回折光のうち、±1次回折光よりも高次の回折光は弱いので、以下、単に「回折光」という場合、±1次回折光を意味することとする。他方、0次回折光及び/または未回折の反射光は、「反射光」と呼ぶこととする。
【0057】
図4に示すように、二分割旋光用光学素子308は、入射光の偏光面を+45°回転させて出射する第1部分308aと、入射光の偏光面を−45°回転させて出射する第2部分308bとで構成されている。本発明者らは、本発明を為すに際し、二分割旋光用光学素子308の使用に起因して、トラッキング用光検出器70の出力信号振幅が、図5に示す角度θ,すなわち、第1部分308aと第2部分308bとの境界がトラック方向であるx方向に対して為す角度,に依存して著しく変化することを見出した。
【0058】
例えば、図6に示すように、角度θが0°である場合、反射光及び回折光が対物レンズ309上に形成するビームスポット81,82a,82bのそれぞれは、偏光面が互いに直交するとともに上下に分割された2つの領域で構成されることとなる。この場合、ビームスポット81とビームスポット82aとの重複部では、それらを形成している反射光及び回折光の偏光面は互いに直交しているため、干渉は生じない。同様に、ビームスポット81とビームスポット82bとの重複部では、それらを形成している反射光及び回折光の偏光面は互いに直交しているため、干渉は生じない。また、ビームスポット82aのビームスポット81との重複部に対応した回折光やビームスポット82bのビームスポット81との重複部に対応した回折光は、偏光ビームスプリッタ307を透過する。すなわち、角度θが0°である場合、トラッキング用光検出器70の出力信号振幅には、回折光は全く寄与せず、反射光のみが寄与する。
【0059】
これに対し、角度θが45°である場合、反射光及び回折光が対物レンズ309上に形成するビームスポット81,82a,82bのそれぞれは、偏光面が互いに直交するとともに斜めに分割された2つの領域で構成されることとなる。この場合、ビームスポット81とビームスポット82aとの重複部の一部では、それらを形成している反射光及び回折光の偏光面は互いに平行となるため、干渉を生じ得る。同様に、ビームスポット81とビームスポット82bとの重複部の一部でも、それらを形成している反射光及び回折光の偏光面は互いに平行となり、干渉を生じ得る。したがって、角度θが45°である場合、トラッキング用光検出器70の出力信号振幅に、反射光だけでなく、回折光も寄与させることができる。特に、角度θを90°とすると、トラッキング用光検出器70の出力信号振幅への回折光の寄与をさらに増大させることができる。
【0060】
図7は、角度θと相対的可干渉面積との関係を示すグラフである。図中、横軸は、角度θを示している。また、縦軸は、反射光が対物レンズ309上に形成するビームスポット81と回折光が対物レンズ309上に形成するビームスポット82a,82bとの重複部に対して、反射光と回折光との干渉が生じ得る領域が占める面積比を、角度θが90°である場合を1として規格化した値,すなわち相対的可干渉面積,を示している。
【0061】
図7に示すように、角度θが0°及び180°である場合、相対的可干渉面積はゼロである。すなわち、この場合、トラッキング用光検出器70の出力信号振幅には、回折光は全く寄与しない。角度θが60°乃至120°の範囲内にある場合、相対的可干渉面積を0.6以上とすることができ、この場合、トラッキング用光検出器70の出力信号振幅に回折光を十分に寄与させることができる。そして、角度θを90°とした場合、相対的可干渉面積は最大となる。
【0062】
図8は、トラッキンググルーブと対物レンズとを概略的に示す平面図である。また、図9は、トラッキンググルーブと対物レンズとの相対位置と、トラッキング用光検出器が出力するトラッキング誤差信号との関係の一例を示すグラフである。図9において、横軸は、トラッキンググルーブ105の中心線から対物レンズ309の中心までのy方向に関する距離を示している。また、縦軸は、トラッキング用光検出器70が出力するトラッキング誤差信号である差動信号の強度を示している。
【0063】
図8の「相対位置A」では、対物レンズ309の中心は第1凹部105aの中心線に対して左方向(マイナス方向)にシフトしている。この場合、図9に示すように、トラッキング用光検出器70が出力するトラッキング誤差信号の強度はマイナスとなる。
【0064】
図8の「相対位置B」では、トラッキンググルーブ105の第1凹部105aの中心線から対物レンズ309の中心までのy方向に関する距離はゼロである。この場合、図9に示すように、トラッキング用光検出器70が出力するトラッキング誤差信号の強度はゼロとなる。
【0065】
図8の「相対位置C」では、対物レンズ309の中心は第1凹部105aの中心線に対して右方向(プラス方向)にシフトしている。この場合、図9に示すように、トラッキング用光検出器70が出力するトラッキング誤差信号の強度はプラスとなる。
【0066】
このように、トラッキング用光検出器70が出力するトラッキング誤差信号の強度は、対物レンズ309の中心が第1凹部105aの中心線からマイナス方向にシフトすると小さくなり、プラス方向にシフトすると大きくなる。また、この信号強度は、対物レンズ309の中心が第1凹部105aの中心線と一致している場合にゼロとなる。したがって、トラッキング誤差信号の強度がゼロとなるように制御部50でアクチュエータ402の動作を制御することにより、対物レンズ309の中心とトラッキンググルーブ105の中心線とを常に一致させることができる。すなわち、記録時及び再生時の双方において、高精度なトラッキングサーボが可能となる。
【0067】
以上、トラッキングについて説明したが、例えば、トラッキング用光検出器70へと導かれる光ビームを分割し、その一部を利用してフォーカシングやアドレシングを行ってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、記録に利用する情報光及び参照光、再生に利用する参照光、及びトラッキングに利用する参照光の全てに同一の光源20を使用したが、複数の光源を使用してもよい。
【0069】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例)
<光記録媒体の作製>
本例では、以下の方法により図2に示す光記録媒体10を作製し、これを図1の記録再生装置1に搭載した。
【0070】
まず、透明基板101として、射出成型法により、一方の主面に図3に示すトラッキンググルーブ105に対応して畝状凸部が設けられたポリカーボネート製ディスクを形成した。ここでは、透明基板101の直径は120mmとし、厚さは0.6mmとし、中央部には図2に示すような円形の開口を設けた。また、透明基板101の形成に利用した原盤には、トラッキンググルーブ105に対応した凹部に加え、ヘッダ部に相当する位置にアドレス信号や記録開始位置制御信号に対応したプリピット列を形成しておいた。
【0071】
なお、原盤への凹部の形成には、波長413nmのクリプトンイオンレーザを使用した。また、第1凹部105aに対応した凹部と第2凹部105bに対応した凹部とは、焦点位置やレーザパワーを適宜変更することによりつくり分けた。
【0072】
次に、透明基板101の畝状凸部が設けられた面に、アルミニウム合金をスパッタリングすることにより反射層104を形成した。ここでは、反射層104の厚さは120nmとした。
【0073】
次いで、この反射層104の損傷を防止する目的で、反射層104上に、図示しない保護層を形成した。この保護層は、反射層104上に紫外線硬化樹脂を塗布し、この塗膜に対して水銀灯を用いた紫外線照射を行うことにより形成した。
【0074】
その後、透明基板101の保護層を形成した面の裏面に、スパッタリング法により、厚さ10nmの窒化アルミニウム層(図示せず)を形成した。この窒化アルミニウム層は、透明基板101と記録層102との間で、それらに含まれる成分が移動するのを防止する目的で設けた。
【0075】
次に、以下に説明する方法により、記録層102を形成した。
すなわち、Phenanthrenequinone(PQ)とazo−bis−isobutyronitrile(AIBN)とを、液状のmethylmethacrylate(MMA)中に、重量比でPQ:AIBN:MMA=0.6:0.5:98.9となるように溶解させた。
【0076】
次に、ドーナツ状透明基板101の窒化アルミニウム層を形成した面に、径が互いに異なる一対のポリテトラフルオロエチレン製リングを、透明基板101に対して同心状に配置した。ここでは、外側のリングの外径は透明基板101の径と同一とし、内側のリングの内径は透明基板101に設けた開口の径と同一とした。また、それらリングの厚さは200μmとした。
【0077】
次いで、先の方法により得られた粘性溶液を、窒化アルミニウム層上であってリング間に挟まれた領域にキャストした。続いて、透明基板101と別途準備したフッ素コート石英ガラス基板とをそれらの間に粘性溶液が介在するように対向配置し、さらに一様に圧力を加えることにより、上記粘性溶液を厚さ200μmにまで延伸した。次に、延伸した粘性溶液を透明基板101と石英ガラス基板とで挟んだまま45℃に設定したオーブンに入れ、24時間加熱を行った。これにより、MMAの重合を促進して、上記の粘性溶液を記録層102とした。なお、フッ素コート石英ガラス基板及び一対のリングは、冷却後、透明基板101及び記録層102から取り除いた。
【0078】
その後、記録層102上に、保護層103として、厚さ100nmのSiO層をスパッタリング法により形成した。なお、記録層102の形成を開始してから保護層103の形成を完了するまでの一連の作業は、記録層102が感光しないように、波長600nmより短い光が遮光されている室内で行った。
【0079】
以上のようにして、図3に示したのと同様の形状を有するトラッキンググルーブ105が設けられた光記録媒体10を得た。なお、ここでは、第1凹部105aの幅は参照光のe−2径(単位面積当りのパワーが最大値の1/eに低下する位置を境界位置とした場合の光ビーム径)の約66%である640nmとした。また、図3においてトラック方向に隣り合う第2凹部105bの中心間距離Sは10μmとし、第2凹部105bの直径は情報光や参照光の乱反射による記録や再生への影響が殆ど無いように1500nmとした。さらに、y方向に隣り合うトラッキンググルーブ105の中心線間距離,すなわちトラックピッチP,は10μmとした。加えて、トラッキンググルーブ105の深さは45nmとした。
【0080】
<情報の記録>
次に、上記の方法で作製した光記録媒体10を図1に示す記録再生装置1に搭載し、以下の条件のもとで実際に情報の記録を行った。
【0081】
すなわち、光源20から出力するコヒーレント光としてネオジウムYAGレーザの第2高調波(波長532nm)を使用し、旋光用光学素子302としては1/2波長板を使用した。
【0082】
透過型空間光変調器304としては液晶パネルを使用した。この液晶パネルは情報光の偏光方向が回転しないように配置した。また、通常は、記録すべき情報に対応して画素が明部と暗部との二次元パターンを形成するように液晶パネルを駆動するが、ここでは、後で行う再生試験のために、液晶パネルは、全画素の透過率が最大となるように駆動した。
【0083】
旋光用光学素子302として用いた1/2波長板は、光記録媒体10の表面で情報光と参照光の強度が等しくなるように、その方位を調整した。さらに、ここでは、光記録媒体10表面での情報光及び参照光の光強度は何れも10mWとした。
【0084】
スピンドルモータ401は、光照射位置における光記録媒体10の線速度が1m/secとなるように駆動した、また、ここでは、開口数が0.55の対物レンズ309を使用し、スピンドルモータ401は、予め、対物レンズ309の焦点が光記録媒体10のトラッキンググルーブ105の底面上に位置するように位置を正確に調整しておき、記録時にフォーカスサーボは行わなかった。
【0085】
トラッキンググルーブ105の第1凹部105aには、参照光のみを照射し、情報光は照射しなかった。また、第2凹部105bには、参照光及び情報光の双方を照射した。すなわち、記録時には、光記録媒体10に対して参照光を常時照射し、情報光は照射と非照射とを交互に繰り返した。なお、情報光の照射/非照射の切り替えは、電磁シャッタ305を開閉することにより行った。
【0086】
以上の条件のもと、図5に示す角度θを0°、45°、60°、90°、120°、135°としたそれぞれの場合について、上記実施形態で説明した方法によりトラッキングを行いながら情報の記録を行った。その結果、角度θを60°、90°、120°とした場合、極めて安定したトラッキングが可能であった。また、角度θを45°及び135°とした場合、トラッキングは可能であったが、対物レンズ309の焦点がトラッキンググルーブを外れることがあった。さらに、角度θを0°とした場合、トラッキング自体が不可能であった。
【0087】
また、角度θを0°、45°、60°、90°、120°、135°としたそれぞれの場合について、対物レンズ309をトラッキンググルーブ105に対してy方向に相対移動させたときにトラッキング用光検出器70が出力するトラッキング誤差信号の最大値と最小値との差Itを測定した。その結果を、以下の表に示す。
【0088】
【表1】
Figure 2005032354
【0089】
上記表に示すように、角度θを0°とした場合、差Itは極めて小さな値であった。これに対し、角度θを45°及び135°とした場合には、差Itは、角度θを0°とした場合と比較して3倍以上になった。さらに、角度θを60°、90°、120°とした場合には、差Itは、角度θを0°とした場合と比較して5倍以上になった。
【0090】
<情報の再生>
次に、先の方法により角度θを0°、45°、60°、90°、120°、135°として情報を記録した各光記録媒体10について、以下の条件のもとで情報の再生した。
【0091】
すなわち、旋光用光学素子302として用いた1/2波長板の方位を調整することにより、光記録媒体10の表面における参照光の強度を1mWとした。また、トラッキングは、参照光の強度を弱めたこと以外は記録時に行ったのと同様の方法により行った。さらに、再生時には、図5に示す角度θは、記録時に設定した値と同一とした。
【0092】
以上の条件のもと、図5に示す角度θを0°、45°、60°、90°、120°、135°として情報を記録した各光記録媒体10について、トラッキングを行いながら情報の再生を行った。
【0093】
図10は、再生用光検出器60が検出した再生光強度を示すグラフである。図中、横軸は、対物レンズ309とトラッキンググルーブ105とのトラック方向に関する相対位置或いは時間を示している。また、横軸は、再生用光検出器60が検出した再生光強度をその受光面全体で平均した値(以下、平均再生光強度という。)を示している。なお、図10では、曲線同士が重なるのを避けるため、それら曲線を縦方向にずらして描いている。
【0094】
図10に示すように、角度θを60°、90°、120°とした場合、一定の大きさの平均再生光強度ピークが周期的に現れた。すなわち、記録時及び再生時の双方において、極めて安定したトラッキングが可能であった。
【0095】
また、角度θを45°及び135°とした場合、平均再生光強度ピークは周期的に現れたが、それらの大きさにばらつきが見られた。これは、記録時及び再生時の少なくとも一方において、トラッキングが不安定になったためであると考えられる。
【0096】
なお、先に説明した通り、角度θを0°とした場合、記録時においてさえトラッキング自体が不可能であった。そのため、角度θを0°とした場合、再生時も同様にトラッキング自体が不可能であり、その結果、図10に示すように平均再生光強度は記録マークに対応した変化を示さなかった。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、反射型偏光コリニア記録再生方式を利用しながらも高精度なトラッキングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録再生装置を概略的に示す図。
【図2】図1の記録再生装置に搭載可能なホログラム型光記録媒体の一例を概略的に示す部分切開斜視図。
【図3】図3は、図2の光記録媒体を概略的に示す平面図。
【図4】図1の記録再生装置で利用可能なトラッキング方法を概略的に示す斜視図。
【図5】トラック方向に対する二分割旋光用光学素子の方位を概略的に示す平面図。
【図6】対物レンズを含む平面上における反射光と回折光との重なりを概略的に示す平面図。
【図7】角度θと相対的可干渉面積との関係を示すグラフ。
【図8】トラッキンググルーブと対物レンズとを概略的に示す平面図。
【図9】トラッキンググルーブと対物レンズとの相対位置と、トラッキング用光検出器が出力するトラッキング誤差信号との関係の一例を示すグラフ。
【図10】再生用光検出器が検出した再生光強度を示すグラフ。
【符号の説明】
1…ホログラム型記録再生装置、10…ホログラム型光記録媒体、20…光源、30…光学系、40…駆動機構、50…制御部、60…再生用光検出器、70…トラッキング用光検出器、80…ビームスポット、81…ビームスポット、82a…ビームスポット、82b…ビームスポット、101…透明基板、102…記録層、103…保護層、104…反射層、105…トラッキンググルーブ、105a…第1凹部、105b…第2凹部、301…ビームエキスパンダ、302…旋光用光学素子、303…偏光ビームスプリッタ、304…透過型空間光変調器、305…電磁シャッタ、306…偏光ビームスプリッタ、307…偏光ビームスプリッタ、308…二分割旋光用光学素子、308a…第1部分、308b…第2部分、309…対物レンズ、310…ビームスプリッタ、311…結像レンズ、312…結像レンズ、401…モータ、402…アクチュエータ。

Claims (7)

  1. トラッキンググルーブが設けられたホログラム型の光記録媒体への情報の記録及び前記光記録媒体からの前記情報の再生を行う記録再生装置であって、
    光源と、
    トラッキング用光検出器と、
    入射光の偏光面を回転させて偏光面が互いに異なる光をそれぞれ出射する第1及び第2部分を備えた二分割旋光用光学素子と、前記光記録媒体と前記二分割旋光用光学素子との間に介在した対物レンズとを含み、前記光源が放出する光を前記二分割旋光用光学素子及び前記対物レンズを介して前記光記録媒体へと導くとともに、前記光記録媒体から出力される反射光を前記対物レンズ及び前記二分割旋光用光学素子を介して前記トラッキング用光検出器へと導く光学系と、
    前記対物レンズと前記光記録媒体とをトラック方向に対して交差する方向に相対移動させる駆動機構とを具備し、
    前記二分割旋光用光学素子は、前記第1部分と前記第2部分との境界が前記トラック方向に対して交差するように配置されていることを特徴とする記録再生装置。
  2. 前記トラッキング用光検出器の出力に基づいて前記駆動機構の動作を制御する制御部をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 再生用光検出器をさらに具備し、
    前記光学系は、前記光記録媒体から出力される回折光を前記対物レンズ及び前記二分割旋光用光学素子を介して前記再生用光検出器へと導くことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録再生装置。
  4. 前記光学系は、
    前記光源が放出する光を偏光面が互いに異なる第1及び第2光成分へと分離する第1偏光ビームスプリッタと、
    前記第1及び第2光成分の光路上であって前記第1偏光ビームスプリッタと前記二分割旋光用光学素子との間に配置された第2偏光ビームスプリッタと、
    前記第1及び第2偏光ビームスプリッタ間に配置され、前記第1光成分を記録すべき情報に対応して変調させる透過型空間光変調器と、
    前記第1光成分の光路上であって前記第1及び第2偏光ビームスプリッタ間に配置されたシャッタとをさらに含んだことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の記録再生装置。
  5. 前記第1部分と前記第2部分との境界が前記トラック方向に対して為す角度は60°乃至120°の範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の記録再生装置。
  6. 記録時及び/または再生時に、入射光の偏光面を回転させて偏光面が互いに異なる光をそれぞれ出射する第1及び第2部分を備えた二分割旋光用光学素子と対物レンズとを介して光をトラッキンググルーブが設けられたホログラム型の光記録媒体へと導き、前記光記録媒体から前記対物レンズ及び前記二分割旋光用光学素子を介して出力される反射光を検出し、その出力に基づいて、前記対物レンズと前記光記録媒体とをトラック方向に対して交差する方向に相対移動させることを含み、
    前記二分割旋光用光学素子を前記第1部分と前記第2部分との境界が前記トラック方向に対して交差するように配置することを特徴とする記録再生方法。
  7. 前記トラッキンググルーブは、第1凹部と、前記トラック方向に対して直交する方向の寸法が前記第1凹部と比較してより大きい第2凹部とを前記トラック方向に交互に繋げた構造を有していることを特徴とする請求項6に記載の記録再生方法。
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