JP2005031649A - 表示装置およびエレクトロデポジション型表示装置 - Google Patents

表示装置およびエレクトロデポジション型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電界の印加による電気化学変化を利用した表示装置において、電極の所定の箇所への電界の集中を防止し、均一な画像表示と繰り返し表示特性を実現する。
【解決手段】 電界の印加による電気化学変化を利用した表示装置において、透明電極(12)を有する透明基板(11)と、前記透明電極に対向する対向電極(16)を有する対向基板(15)と、前記透明基板と対向基板の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層(18)とを備え、透明基板は、前記透明電極の一部領域に配置されて透明電極よりも電気抵抗の低い補助電極(13)と、該補助電極を覆う絶縁膜(14)とを有し、補助電極が配置された領域の表面電気抵抗は、補助電極が配置されていない領域の透明電極の表面電気抵抗と同等またはそれ以上である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電界の印加による可逆的な着色、消色で像表示を行う表示装置に関し、特に、電気化学反応に基づく析出により透明電極上の着色状態が変化するエレクトロデポジション型表示装置に関する。
近年、電子ペーパ、ペーパーライクディスプレイ、ディジタルペーパなどと呼ばれ、電界により光学的吸収や光学的反射を変化させて像表示を行う表示装置が開発されている。ペーパーライクディスプレイやディジタルペーパは、電子ディスプレイと紙の長所を併せ持ち、書き換えが可能で、紙同様に情報を保持したまま持ち歩くことができる。
電界により光学的吸収や反射が変化する素子として、色と電気的特性の双方が異なる(たとえば白と黒の)半球を合わせた回転粒子を絶縁性液体とともに内包したマイクロカプセル、黒色に着色した溶媒中に白色の電気泳動粒子を分散させた分散溶媒を内包したマイクロカプセル、2色性色素とスメクチック液晶を含む液晶/高分子複合膜などがある。電圧印加により吸着や反射を制御して、所定の色を一定方向に向かせることにより表示を切り替える。
これらの表示装置では、いったん像形成がされると、電源が無くても像情報を保持できるというメモリ性を備える。また、蛍光灯や太陽の光で画面を表示する反射型の装置であり、電極のあるPETフィルム上に素子を塗布すればよいので、薄くて軽く、折り曲げ可能な表示装置が容易に得られ、紙の代替として期待されている。
また、近年、電界の印加により可逆的に着色、消色を示すエレクトロクロミック材料を用いて、紙なみのコントラスト、白色度を実現できるエレクトロクロミック型ディスプレイ(ECD)も提案されている。ECDの中でも、特に、透明電極上への銀の析出および溶解を制御することによって像を表示するエレクトロデポジション型ディスプレイ(EDD)は、高い反射率が得られる。EDDの表示層では、ハロゲンを含む支持電解質とともに、ハロゲン化銀が液中に溶解している。この銀は、電位により透明電極に析出して発色する。逆の電位により透明電極上の銀が再溶解することで、消色する(たとえば、特許文献1および2参照)。
電解質とともに白色の多孔質の背景板を用いたり、白色の無機顔料を分散した固体電解質を用いることで、高いコントラストを得ることができる。
パッシブマトリクス型の駆動を採用するEDDでは、銀の拡散防止のため電極上に隔壁を設ける方法(たとえば、特許文献3参照)や、クロストークを低減するために駆動電圧の波形を制御する方法(たとえば、特許文献4参照)も提案されている。
米国特許第4540716号 米国特許第4540717号 特開2003−21848号公報 特開2003−337350号公報
エレクトロクロミック型ディスプレイ(ECD)やエレクトロデポジション型ディスプレイ(EDD)では、表示面における透明電極の電気抵抗が高いと、表示面内で表示ムラが発生する。これを解決するために、透明電極を厚くすることによって縦断面積を大きくして電気抵抗を下げるか、あるいは金属の補助電極を透明電極膜に沿って配置して電気抵抗を下げることが考えられる。
しかし、透明電極を厚くすると、表示面の透明度が下がり、コントラストが低下する。一方、金属の補助電極を透明電極に沿って配置すると、金属を配置した部分の電気抵抗だけが、周囲の透明電極の抵抗に比べて低くなり、補助電極の近傍に電気化学反応が集中する。この状態で、補助電極が配置されていない部分でも十分な表示濃度が得られるまで電流を流し続けていると、電極の劣化が激しく、良好な繰り返し特性が得られなくなる。
また、EDDでは、イオン導電性を有する固体電解質を表示層として用いるため、マトリックスを構成するストライプ電極間で漏れ電流が発生する。漏れ電流により、ターゲットの画素以外の画素に析出が生じ、クロストークが発生する。また、電流ロスにより、表示速度が低下する。
EDDでは、透明電極上に析出した金属を対向電極の金属の溶解により補うが、このときストライプ状の対向電極のエッジに電界が集中し、電極上面に比べてエッジ部分の溶解が進行しやすい。このため、基板から電極の剥離や断線が発生し、表示機能が損なわれる場合もある。さらに、析出、溶解の繰り返しにより、電界の集中する電極のエッジ部分からデンドライド状の金属が成長し、電極間のショートが起き易いという問題もある。
そこで本発明は、電極の所定箇所(たとえば補助電極を設けた箇所や電極のエッジ)への電気化学反応の集中を防止して、良好な繰り返し特性を維持することのできる表示装置を提供することを課題とする。
また、クロストークを低減するとともに、電極の剥離、断線、ショート等を防止できるEDD構成を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、表示装置の透明電極の一部領域に補助電極を配置し、補助電極を覆って絶縁膜を配置する。絶縁膜の存在により、補助電極への電気化学反応の集中を防止して、繰り返し特性を良好に維持する。
このとき、補助電極が配置された領域の表面電気抵抗が、補助電極が配置されていない部分の表面電気抵抗と同等、あるいはそれよりも高めになるように絶縁膜を設定する。これにより、透明電極全体としての電気抵抗を下げるとともに、透明電極上への均一な析出が短時間で実現される。
また、別の態様として、エレクトロデポジション型表示装置において、透明電極に対向する金属の対向電極の少なくともエッジ部分を絶縁膜で保護することにより、クロストークの発生や、エッジ部分での電極の劣化を防止する。
本発明の第1の側面では、表示装置は、透明電極を有する透明基板と、透明電極に対向する対向電極を有する対向基板と、透明基板と対向基板の間に挟持され電流に応答して変化する表示層とを備え、透明基板は、透明電極の一部領域に配置され透明電極よりも電気抵抗の低い補助電極と、この補助電極を覆う絶縁膜とを有し、補助電極が配置された領域の表面電気抵抗は、補助電極が配置されていない領域の透明電極の表面電気抵抗と同等またはそれよりも高い。
補助電極の配置としては、透明電極に接し、かつ透明電極の開口率に大きく影響しないならば、特に限定されない。
たとえば、補助電極が透明電極の端部に位置する場合は、絶縁膜表面の電気抵抗は、補助電極が配置されない透明電極表面の電気抵抗よりも、多少高くてもよい。
一方、補助電極が透明電極の中央部に位置する場合は、絶縁膜表面の電気抵抗は、補助電極が配置されない領域の透明電極表面の電気抵抗とほぼ同等とする。
補助電極が、透明電極の表面に位置する場合、絶縁膜は、直接補助電極を被覆する。補助電極が、透明基板と透明電極の間に位置する場合、絶縁膜は、透明電極を介して補助電極を覆う。透明電極を2以上の表示エリアに分割して、補助電極を分割エリアの境界に沿って透明基板上に配置する構成としてもよい。
いずれの配置例でも、補助電極上の絶縁膜は、透明電極全体としての表面電気抵抗が低減され、かつ表面電気抵抗がほぼ一定になるように膜厚、被覆幅、材料などが適宜選択される。
本発明の第2の側面では、エレクトロデポジション型表示装置を提供する。エレクトロデポジション型表示装置は、ストライプ状の透明電極が配置された透明基板と、前記透明電極に直交する方向に延びるストライプ状の金属の対向電極を有する対向基板と、前記透明電極と対向電極の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層とを備え、対向電極の少なくともエッジ部分が絶縁膜により被覆されている。
この構成により、対向電極のエッジ部分の劣化が防止されるとともに、横方向への電流のリークが低減される。
本発明の第3の側面では、エレクトロデポジション型表示装置は、透明電極が配置された透明基板と、透明電極に対向する金属の対向電極を有する絶縁性の対向基板と、透明電極と対向電極の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層とを備え、対向電極は、対向基板に埋め込まれた埋め込み電極であり、対向電極の上面の位置は、対向基板の表面位置と同じ、またはそれよりも後退した位置にある。
このような構成によっても、対向電極のエッジ部分の劣化が防止され、横方向への電流のリークが低減される。
上述した構成により、電界の印加による電気化学反応を利用した表示装置において、むらのない均一な表示と良好な繰り返し特性を実現することができる。
また、クロストークの発生や電極の劣化を防止し、表示特性を良好に維持することができる。
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る表示装置を説明する。
図1は、表示装置の一例としてのシート型表示装置10の平面構成を示す図であり、図2は、シート型表示装置10の画素部分の断面構成を示す図である。
シート型表示装置10は、透明電極12を有する透明基板11と、対向電極16を有する対向基板15と、透明基板11と対向基板15の間に挟持される表示層18を備える。透明基板11上では、透明電極12の一部領域に、透明電極12よりも電気抵抗の低い補助電極13が設けられ、補助電極13を覆って絶縁膜14が位置する。一方、対向基板15上には、透明電極12と対向し、透明電極と直交する方向に延びる対向電極16が配置される。
図1の例では、下側の対向基板15上に、紙面の水平方向に沿って複数のストライプ状の対向電極16が配置され、対向電極16は駆動回路17bに接続される。上側の透明基板11上では、紙面の上下方向に沿って複数のストライプ状の透明電極12が延び、透明電極12は駆動回路17aに接続されている。透明電極12と対向電極16の交差部分が画素となり、駆動回路17a、17bによってマトリクス駆動される。
補助電極13は、透明電極12の少なくとも一部の領域に位置して、透明電極12の電気抵抗を全体として低減する役割を果たす。図2に示す例では、補助電極13は、ストライプ状の透明電極12の両端に沿って延びるが、この例に限定されるわけではなく、透明電極12の開口率を妨げず、かつ電気抵抗を低減できる範囲内であれば、後述するように種々の配置構成を採用することができる。
補助電極13を覆って、絶縁膜14が位置する。絶縁膜14は、補助電極13が配置された部分の表面電気抵抗、すなわち、補助電極13を覆う絶縁膜表面の電気抵抗が、補助電極13が配置されていない部分の透明電極12の表面電気抵抗とほぼ同程度になるように形成される。補助電極13の配置位置によっては、絶縁膜14に覆われる補助電極13部分の表面電気抵抗が、補助電極13のない透明電極12の表面電気抵抗よりもやや高くなってもよい。この場合も、透明電極12全体としての電気抵抗は、補助電極13により低減されている。
透明基板11と対向基板15の間に挟持される表示層18は、電流による電気化学反応で発色する固体、半固体、または液体である。たとえば、表示用の銀塩(ハロゲン化銀など)を含む液状またはゲル状の電解質溶液を用いることができる。透明電極12と対向電極16の間に電圧が印加され、電解質溶液に電流が流れると、電解質中に溶解している銀が透明電極12上に析出する。また、逆電圧を印加することで、銀を再溶解して表示を消去する。
図1および2に示す例では、透明電極表面への析出を利用したエレクトロデポジッション型の表示装置としているが、上述した電極構造は、エレクトロデポジッション型の表示装置だけではなく、吸着型、エレクトロクロミック型など、電界の印加による着色および消色を利用した任意の表示装置に適用可能である。
電解質溶液中には、銀塩のほかに、銀塩を溶解させるための支持電解質が含まれている。支持電解質としては、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリム、塩化ナトリウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、チオシアン酸イソシアネート、硫化ナトリウムなどといった、過塩素酸塩、チオシアン酸塩、硫酸塩を用いることができる。
銀塩や支持電解質を溶解する溶媒として、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N‐ジメチルアセトアミド(DMAA)、N‐メチルプロピオン酸アミド(MPA)、N‐メチルピロリドン(NMP)、プロピレンカーボネート(PC)、アセトニトリル(AN)、2‐エトキシエタノール(EEOH)、2‐メトキシエタノール(MEOH)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキソラン(DOL)、エチルアセテート(EA)、テトラヒドロフラン(THF)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、ジメトキシエタン(DME)、γ‐ブチロラクトン(GBL)等やその混合液を用いることができる。
また、銀の溶解を促進するため、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸等の添加剤を適宜加えても良い。
さらに、これらをゲル状にするためポリエチレンオキサイドの誘導体などのモノマーを溶液内で重合させる、あるいは、あらかじめポリマーになったものを溶液に溶解してもよい。
コントラスト向上のために、白色顔料として、二酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムなどを添加してもよい。
図3は、図2に示すシート型表示装置の透明基板11の作製工程を示す図である。まず、図3(a)に示すように、薄い透明基板11の全面に、ITO膜を膜厚100nm程度に蒸着する。ITOエッチング用のドライフィルムレジストでマスク22を形成し、ITO膜をエッチングして、所定の形状、たとえばストライプ状の透明電極12を形成する。透明電極12のストライプ幅は、たとえば100μm、隣接する透明電極12との間隔は30μmとする。
次に、図3(b)に示すように、ドライフィルムレジストマスク22を除去し、透明電極12上にマスク24を形成して、補助電極材料を蒸着する。補助電極材料としては、アルミニウム(Al)やクロム(Cr)などの低抵抗金属を用いる。
次に、図3(c)に示すように、電極材料膜をエッチバックして、幅20μmの補助電極13を透明電極12の長手方向の両端に沿って形成する。マスク24を除去し、新たなレジストマスク26を、ITO表示面の必要な領域だけを覆うように形成し、補助電極13上に絶縁膜材料をスパッタリングする。絶縁膜材料は、たとえば、酸化アルミニウムや酸化ケイ素、酸化ハフニウムを用い、80nmの膜厚に成膜する。
最後に、図3(d)に示すように、レジストマスク26を除去する。これにより、透明基板11上で、ITO透明電極12の一部領域に設けられた補助電極13を覆う絶縁膜14が形成される。
このような絶縁膜14の存在により、補助電極13が位置する部分の表面電気抵抗を、補助電極13のないITO透明電極12の表面電気抵抗とほぼ等しく、あるいはそれより高めに設定することができる。この結果、電解質溶液に溶融している銀塩(ハロゲン化銀など)が、補助電極13上に集中するのを防止し、透明電極12上への均一な析出を短時間で実現できる。
対向基板15上に形成される対向電極16は、たとえば銀電極であり、蒸着により、図1に示すようなストライプ状のパターンに形成される。透明基板11および対向基板15はたとえばガラス基板、耐熱性のある樹脂フィルムなどを用いることができる。
図2の例では、補助電極13は、ストライプ状の透明電極12の表面の、長手方向の両端に沿って設けられ、絶縁膜14は、直接、補助電極13を被覆する。しかし、上述したように、透明電極12の開口率を維持し、透明電極12全体としての抵抗を低減するとともに、補助電極13が配置される領域の絶縁膜表面の電気抵抗が、補助電極13のない部分の表面電気抵抗とほぼ同等、あるいは、補助電極13の配置位置によってはそれ以上になる限り、任意の配置構成を採用することができる。
図4および5は、図1のシート型示装置10の画素構成の変形例を示す。
図4(a)の例では、ストライプ状の透明電極12の片側の端部に沿って補助電極13が走る。補助電極13は透明電極12の表面ではなく、透明基板11上に位置し、透明電極12の一部が補助電極13にオーバーラップする。絶縁膜14は、透明電極12の一部と、補助電極13を覆う。
図4(a)の構成を作製する場合は、まず、透明基板11上に補助電極13のパターンを形成し、その後、ITO膜を全面に形成した後、ITOエッチング用のマスクを用いて透明電極12を形成する。そして、補助電極13を覆う絶縁膜14を形成する。
この構成は、図2の構成に比較して透明電極12の開口率を大きくとることができる。また、透明基板11上に直接形成される補助電極13の幅を半減して、透明電極12の両端に沿って走らせる構成にしてもよい。これにより、画素の主要部分(端部を除く領域)で析出が均一かつすみやかに進行し、画像表示の切り換え速度を向上できる。また、電極への不必要な電圧印加を防止できるので、電極の寿命を長く維持できる。
図4(b)に示す例では、透明電極12上に薄い絶縁膜14を残す構成としている。この場合は、透明電極12上をレジストマスクで覆わずに、スパッタリング等で絶縁膜14を堆積する。透明電極12上の絶縁膜14は、保護膜として機能する。補助電極13が位置する部分での表面電気抵抗が、補助電極13のない部分での表面電気抵抗と同程度になるように、補助電極13の幅や絶縁膜14の膜厚を調整する。これにより、電圧の印加に応答して、銀塩が絶縁膜14上に迅速かつ均一に析出する。
図4(c)に示す例では、補助電極13は、透明基板11上で、透明電極12の長手方向の中心線に沿って位置し、透明電極12が補助電極13全体を覆っている。絶縁膜14は、透明電極12上に位置し、透明電極12を介して補助電極13を覆う。透明電極12全体としての電気抵抗は、補助電極13によって低減され、かつ絶縁膜14によって、補助電極13が存在する部分への析出物の集中を防止することができる。
図4(d)の例では、補助電極13は、透明基板11上で、透明電極12の長手方向の中心線に沿って位置し、補助電極13上に絶縁膜14が設けられる。補助電極13および絶縁膜14を覆って、透明電極12が位置する。
図4(c)と図4(d)の構成は、図1に示す平面構成、すなわち、補助電極13が透明電極の中央線に沿って位置する配置構成に対応する。この場合、補助電極13が配置される領域の表面電気抵抗は、補助電極13が配置されない透明電極領域の表面電気抵抗とほぼ等しくなるように絶縁膜14の膜厚、材料等の条件が選択される。
図5(a)および図5(b)は、さらに別の構成例として、透明電極12が補助電極13により2つの領域12aと12bに分割される構成を示す。図5(a)の例では、図示は省略するが、補助電極13の蒸着に用いたネガマスクを、そのまま絶縁膜14のマスクとして用いる。図5(a)および5(b)のいずれの例でも、補助電極13が配置される領域、すなわち2つに分割された透明電極の境界近傍、あるいは画素部分の中心線近傍への析出物の集中を防止し、画素領域全体としての電気抵抗を低減する。結果として、短時間に均一な画像濃度で画像を表示することができる。
以下で、第1実施形態の具体的な実施例と比較例を説明する。
(実施例1)
ジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシドの混合溶媒(比率7:3)に、ヨウ化銀(0.15mol/l)、ヨウ化アンモニウム(0.15mol/l)、過塩素酸テトラ‐n‐ブチルアンモニウム(0.15mol/l)、シュウ酸(0.18mol/l)を溶解して、電解液を調整した。
この電解液3.8gに対して、モノマー(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)0.2gを溶解した。さらに、ジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシドの混合溶媒(比率7:3)に重合開始剤(2,2−アゾビス−イソブチロニトリル)を2.5wt%溶解した液を混合し、二酸化チタン(チタン工業製のCR−95)を5%分散した。モノマーと重合開始剤により、ゲル状の電解質溶液とし、二酸化チタンは、コントラスト向上のための白色顔料として用いた。
この分散液を、150μmの間隔をおいて互いに平行に保持された透明基板11と対向基板15との間に注入し、温度100℃、窒素雰囲気下で10分加熱し、表示パネルを作製した。
透明基板および対向基板は、図1および2に示す電極パターンを有するものを用いた。すなわち、透明基板11上で、ITO透明電極12に沿ってアルミニウムを主成分とする補助電極13を配置し、この補助電極13を、酸化アルミニウムを主成分とする絶縁膜14で被覆した。対向基板15は、たとえば銀蒸着ガラス基板であり、ガラス基板15の厚さが1.1mm、銀電極16の膜厚は1.0μmである。2枚の基板のスペーサとして、75μm膜厚の接着フィルム(クレハ化学製のクランベターA−1510)を4枚積層した熱融着フィルムを用い、圧力をかけて全体として150μmの膜厚にした。
透明基板11および対向基板15のサイズは、150mm×150mm、補助電極13がない部分の透明電極12表面の電気抵抗は10Ω/□、補助電極13を覆う絶縁膜14表面の抵抗は50Ω/□である。
この表示パネルのITO透明電極に−1.2Vの電圧を10秒間印加して、黒色表示を行い、次に、+0.5Vの電圧を10秒間印加して、表示を消色した。これを100回以上繰り返したが、その表示性能に変化はみられなかった。
(比較例1)
実施例1と同じ構成で、補助電極を絶縁膜で覆わない点だけを異ならせて、同様の実験を行ったところ、10回以下の電圧サイクルで表示残像が残り、表示画像が劣化して、良好な繰り返し特性は得られなかった。
第1実施形態では、エレクトロデポジション型の表示装置(EDD)を用いて説明を行ったが、透明電極の一部に設けられた補助電極を覆う絶縁膜の構成は、エレクトロクロミック表示装置(ECD)、液晶表示装置、マイクロカプセル型表示装置など、電気的刺激に反応する任意の表示装置に適用可能である。
また、第1実施形態では、ストライプ状の透明電極と、これに直交するストライプ状の対向電極を用いて単純マトリクス駆動する構成としたが、対向電極を共通電極とし、透明電極をセグメント電極としてもよい。この場合は、各透明電極の一部に補助電極と、これを覆う絶縁膜を設ける。
さらに、透明電極、補助電極、絶縁膜の膜厚、電極幅等は上述した例に限定されない。製造技術次第で、電極幅は細いほうが望ましいが、実用的には、透明電極の幅は30μm〜200μm、補助電極の幅は50μm以下で、かつ透明電極の幅の1/6から1/3の範囲で適宜設定される。透明電極の膜厚は、30nm〜200nm、補助電極の膜厚は50nm〜500nm、絶縁膜の膜厚は20nm〜100nmの範囲で、補助電極の配置された部分の表面電気抵抗が補助電極の配置されていない領域の表面電気抵抗と同等、または補助電極の配置位置によっては、補助電極がない領域の表面電気抵抗よりも高めになるように、適宜選択される。
次に、図6〜図11を参照して、本発明の第2実施形態に係るエレクトロデポジション型表示装置を説明する。
第2実施形態では、ストライプ電極を用いたマトリクス駆動のエレクトロデポジション型表示装置において、金属電極(対向電極)のエッジ部分の劣化と、クロストークを防止するために、対向基板上の金属電極(対向電極)の少なくともエッジ部分を覆う絶縁膜を設ける。
図6は、第2実施形態に係るエレクトロデポジション型表示装置(EDD)の対向基板の構成例を示す図である。図6(a)の例では、対向基板15上に位置するストライプ状の金属電極36の長手方向の両端に沿って、エッジ部分を覆う絶縁膜34が配置される。
EDDでは、透明電極上に析出した金属を補うために、金属電極(対向電極)36から電解液中に金属が溶解するが、対向電極36のエッジ部分に電界が集中しやすく、この部分での溶解が進行しやすい。また、析出と溶解の繰り返しで、エッジ部分からデンドライド状の金属が発生し、隣接するストライプ状の対向電極36間がショートしやすくなる。そこで、対向電極36の少なくともエッジ部分を絶縁膜34で覆うことにより、対向電極36の上面からだけ金属を溶解させる。これにより、対向電極36の剥離や、短絡を防止するとともに、横方向への電流のリークに起因するクロストークを低減する。
図7は、図6(a)に示す絶縁膜34の形成方法の一例を示す図である。まず図7(a)に示すように、対向電極36上の非成膜部分に、マスク33を形成する。その後、全面に絶縁膜を形成して、エッチバックして、対向電極36の両側のエッジ部分を覆う絶縁膜34を形成する。その後、マスク33を除去する。
絶縁膜としては、SiO2、Al2O3、Ta2O5、ZrO2などの酸化物、SiN、AlN、Si3N4などの窒化物、あるいは、ポリイミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリマーなどが挙げられる。これら絶縁膜は、蒸着、スパッタ、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ホットスタンプ、あるいはキャスト法、蒸着/スパッタ後のエッチング、レジストのパターン露光、現像などの公知の手法で形成される。
絶縁膜の加工方法は図7の例に限定されず、(1)レジストのパターニングにより、非成膜部分をマスキングして絶縁膜を成膜し、レジストを除去する方法、(2)インキ状のポリマーを用いて、スクリーン印刷による方法、(3)電極に対し、絶縁膜を均一に成膜したのち、レジストでマスクパターンを形成し、絶縁膜を所定の形状にエッチングし、レジストを除去する方法、(4)感光性材料により絶縁膜を成膜し、パターン露光、現像を行う方法、(5)非成膜部分をマスクしたのち、電着により電極上にポリマーを堆積させる方法などを採用できる。また、熱可塑性樹脂を熱融着させてもよい。電極36の少なくともエッジ部分が絶縁膜で保護できれば、絶縁膜の成膜方法やパターニング方法は限定されない。
図6に戻り、対向基板15に形成される絶縁膜34の別の構成例を説明する。図6(b)の例では、ストライプ状の対向電極36のエッジ部分だけではなく、隣接するストライプ電極間の基板領域をも絶縁膜34で覆う。また、図6(c)の例では、対向電極36の端部および電極間の基板領域を絶縁膜34で保護するとともに、絶縁膜34の表面を平坦化する。図6(b)および6(c)に示す構成でも、横方向への電流のリークや、デンドライド状の金属の成長による電極間の接触を効果的に防止できる。
図8は、図6(b)および図6(c)に示す電極構造を有する対向基板15の平面図である。対向基板15上に、ストライプ状に延びる複数の金属電極(対向電極)36が、スペース間隔30μmで配置されている。金属電極36の長手方向のエッジ部分と、隣接する電極間の領域を覆って、絶縁膜34が金属電極36と平行に延びている。このような対向基板15は、シール剤、スペーサにより透明電極を有する透明基板(図1参照)と張り合わされ、固体電解質あるいはその前駆体が注入され、成形されてディスプレイの形態となる。
図9は、対向基板に形成される対向電極36の別の構成例として、対向電極36が絶縁性の対向基板25に埋め込まれた構成を示す。図9(a)の例では、対向基板25自体が、ストライプ状の金属電極(対向電極)36の長手方向の側面およびエッジを保護する絶縁膜として機能する。このような埋め込み構造により、対向電極36の上面だけが電解質と接触する。したがって、金属の析出、溶解が繰り返し行われた後も、対向電極36の剥離、短絡や、横方向への電流のリークを防止することができる。
図9(b)に示す構成例では、図9(a)の構成に加えて、埋め込み型対向電極36の上面の両端部を、さらに絶縁膜34で被覆する。絶縁膜34の断面形状は、図9(b)のような平板形状に限定されず、矩形、半円形、三角形など、適宜選択できる。対向電極36の露出した上面の端部を絶縁膜34で覆うことにより、横方向への電流リークによるクロストークや表示速度の低下を、より効果的に防止することができる。
図6および図9に示す電極構造は、対向基板25上の金属の対向電極36だけではなく、透明基板上の透明電極にも適用可能である。もっとも、第1実施形態で説明したように、透明電極12の両端に沿って補助電極13とこれを覆う絶縁膜14がある場合(図2)や、図4(b)に示すように透明基板11上で透明電極12間の領域も絶縁膜14で覆う場合は、新たにエッジ部分を覆う絶縁膜を形成する必要はなく、図2や図4(b)の構成の透明基板をそのまま使用すればよい。補助電極が透明電極の中央部に位置する場合や、補助電極が用いられていない場合は、透明電極のエッジ部を覆う絶縁膜を設けるのが望ましい。
対向基板と透明基板は、シール剤、スペーサにより張り合わされ、固体電解質、あるいはその前駆体が注入され、成形されてディスプレイの形態となる。
対向基板と透明基板の間に充填される固体電解質は、ハロゲン化銀、支持電解質などと極性溶媒からなる電解液と、固体電解質の骨格を形成するポリマー成分と、二酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムなどの白色顔料により形成される。
ハロゲン化銀としては、フッ化銀(AgF)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)、ヨウ化銀(AgI)を用いることができる。なお、溶解性の観点からヨウ化銀を用いるのが望ましい。また、ハロゲン化銀の濃度は、0.05〜2.0mol/lとする。
ハロゲン化銀を溶解するための、ハロゲンを含む支持電解質としては、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリム、塩化ナトリウム、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウムなどの公知の材料を用いることができる。EDDの表示速度やハロゲン化銀の溶解性の観点から、アンモニウム塩を用いるのが好ましい。また、この支持電解質はハロゲン化銀の濃度に対して、0.5倍〜2倍の範囲にあり、好ましくはハロゲン化銀と同じモル濃度である。
また、他の支持電解質としては、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、チオシアン酸イソシアネート、硫化ナトリウムなどの、過塩素酸塩、チオシアン酸塩、硫酸塩などの公知の材料が挙げられる。
これらハロゲン化銀や支持電解質を溶解する溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N‐ジメチルアセトアミド(DMAA)、N‐メチルプロピオン酸アミド(MPA)、N‐メチルピロリドン(NMP)、プロピレンカーボネート(PC)、アセトニトリル(AN)、2‐エトキシエタノール(EEOH)、2‐メトキシエタノール(MEOH)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキソラン(DOL)、エチルアセテート(EA)、テトラヒドロフラン(THF)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、ジメトキシエタン(DME)、γ‐ブチロラクトン(GBL)等を用いることができ、これらを混合してもよい。
また、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、チオシアン酸アンモニウム等を適宜添加してもよい。
固体電解質の骨格となるポリマーには、ポリビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド等の、公知の材料を用いることができる。
あるいは、モノマーを重合、架橋させて形成してもよい。モノマーとしては、(1)単官能モノマーとして、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなど、(2)2官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジクアクリレートなど、(3)3官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートなど、(4)4官能モノマーとして、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなど、(5)6官能モノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの公知の材料が挙げられる。また、モノマー中のアルキル鎖長は任意でよい。なお、本発明ではこれら材料に限定されるものではない。
重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物などの公知の材料が挙げられる。また、モノマーは電解液に対して5〜20wt%添加するのが望ましい。一方、重合開始剤はモノマーに対し、0.5〜30wt%添加するのが好ましい。また、重合方法としては、熱、光、電子線など任意の方法により行うことができる。
固体電解質の対向電極間への封入には、塗工、真空注入、転写などの成形プロセスと、熱硬化、光硬化、熱融着などのシールプロセスを組み合わせることで実現できる。
また、コントラスト向上のために添加する顔料としては二酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウムが挙げられるが、隠蔽率の観点から二酸化チタンを用いるのが望ましい。また、顔料濃度としては固体電解質に対して5〜50wt%添加する。
以下で、第2実施形態における具体的な実施例と比較例を述べる。
(実施例1)
ストライプ状(290μmライン、30μmスペース)の銀電極を形成したガラス基板(#7059、コーニング社製、厚さ0.7μm)と、同じくストライプ状のITO(10Ω/□)電極を形成したガラス基板(#7059、コーニング社製、厚さ0.7μm)を作製し、レジストのパターン露光、現像により、図7(a)に示すレジストパターンを成形した。
次に、真空蒸着により、二酸化ケイ素を堆積し、図7(b)に示す形状に加工した。次に、剥離液を用いて、レジストを除去することで、図6(a)に示すような絶縁膜で保護された電極を作製した。この2枚の電極基板を、厚さ30μmのボンダインTX8030(住友化学製)で貼り合わせ、表示電極を作製した。
プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)の混合溶媒(体積比率4:6)に、ヨウ化銀(1.0mol/l)、ヨウ化アンモニウム(1.0mol/l)、チオシアン酸アンモニウム(1.0mol/l)を溶解し、電解液を調整した。
この電解液4.3gに対し、モノマー(2−ヒドロキシ1,3−ジメタクリロキシプロパン(701:新中村化学製)0.5g、オリゴマー(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート(EA−5521:新中村化学製)0.1gおよびシアノレジン(CR−S:信越化学製)0.1gを溶解した。さらに、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)の混合溶媒(体積比率4:6)に重合開始剤V−65(和光純薬製)を2.5wt%溶解した液500μlを混合し、二酸化チタン(CR−58:石原産業製)を40wt%分散し、インキ状の液体を調整した。2枚の電極基板間にこのインキ状の液体を注入し、温度80℃で40分加熱することで、シート型表示パネルを作製した。
このパネルのITO透明電極に電圧−1.2Vを印加することで、銀が析出し、黒色を表示できた。この時、測色計Spectroeye938(X−rite社製)で測定すると、最大反射率62%、コントラスト15を実現した。なお、非選択画素での銀析出は無かった。また、パルス幅200ms、パルス間隔1秒でON(−1.2V)/OFF(2V)を繰り返したところ、30万回以上、安定して動作できることを確認した。
(実施例2)
ストライプ状(290μmライン、30μmスペース)の銀電極を形成したガラス基板(#7059、コーニング社製、厚さ0.7μm)、と、同じくストライプ状にITO電極(10Ω/□)を形成したガラス基板(#7059、コーニング社製、厚さ0.7μm)を作製し、スクリーン印刷により、ユピコートFS100L−07(宇部興産製)を3μm塗布し、プリベーク:80℃×60分、硬化:160℃×60分の条件で硬化し、図6(a)に示す形状の絶縁膜で保護された電極を作製した。以降の工程は、実施例1と同様である。
このパネルのITO透明電極に電圧−1.2Vを印加することで、銀が析出し、黒色を表示できた。この時、測色計Spectroeye938(X−rite社製)で測定すると、最大反射率58%、コントラスト15を実現した。この時も、非選択画素での銀析出は無く、また、繰り返し回数は10万回以上、動作できることを確認した。
(比較例1)
絶縁膜で電極エッジ部分を保護しないこと以外には、実施例1と同様にシート型表示パネルを作製した。このパネルのITO透明電極に電圧−1.2Vを印加することで、銀が析出し、黒色を表示できた。しかしながら、図11に示すように、選択画素50の周囲にもクロストークによる銀の析出が見られ、表示が乱れるのを確認した。
本来、ITO透明電極12の選択画素50に対応する部分にのみ銀の析出を意図するものであるが、図11の比較例では、電極のエッジ部分が保護されていないため、横方向への電流リークにより、近隣の非選択画素60にも銀の析出が生じている。また、繰り返し回数は2万回程度であり、実施例1に比べ大幅に減少することが確認された。
このように、高コントラスト、高白色度を企図するエレクトロデポジッション型表示装置(EDD)において、少なくとも対向基板の対向電極(金属電極)のエッジ部分を絶縁膜で保護することで、表示装置の安定性と表示品質が向上する。
最後に、上記説明に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) 透明電極を有する透明基板と、
前記透明電極に対向する対向電極を有する対向基板と、
前記透明基板と対向基板の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層と
を備え、前記透明基板は、前記透明電極の一部領域に配置され透明電極よりも電気抵抗の低い補助電極と、該補助電極を覆う絶縁膜とを有し、前記補助電極が配置された領域の表面電気抵抗は、前記補助電極が配置されていない領域の透明電極の表面電気抵抗と同等またはそれ以上であることを特徴とする表示装置。
(付記2) 前記補助電極は、前記透明基板と透明電極の間に位置し、前記絶縁膜は、前記透明電極を介して補助電極を覆うことを特徴とする付記1に記載の表示装置。
(付記3) 前記透明電極は、2以上の表示エリアに分割され、前記補助電極は、前記分割された表示エリアの境界に沿って前記透明基板上に位置することを特徴とする付記1に記載の表示装置。
(付記4) 前記補助電極は、前記透明電極の表面の一部に形成されることを特徴とする付記1に記載の表示装置。
(付記5) 前記表示層は、イオン導電性を有し、電流による電気化学反応で発色する固体、半固体または液体であることを特徴とする付記1に記載の表示装置。
(付記6) 前記透明電極はストライプ状の電極であり、前記補助電極は、透明電極の長手方向の少なくとも一方の端部に沿って配置されることを特徴とする付記1に記載の表示装置。
(付記7) 前記透明電極はストライプ状の電極であり、前記補助電極は、透明電極の長手方向の中心線に沿って配置されることを特徴とする付記1に記載の表示装置。
(付記8) ストライプ状の透明電極が配置された透明基板と、
前記透明電極に直交する方向に延びるストライプ状の金属の対向電極を有する対向基板と、
前記透明電極と対向電極の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層と
を備え、前記対向電極の少なくともエッジ部分が絶縁膜により被覆されていることを特徴とするエレクトロデポジション型表示装置。
(付記9) 透明電極が配置された透明基板と、
透明電極に対向する金属の対向電極を有する絶縁性の対向基板と、
前記透明電極と対向電極の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層と
を備え、前記対向電極は、前記対向基板に埋め込まれた埋め込み電極であり、前記対向電極の上面の位置は、前記対向基板の表面位置と同じ、またはそれよりも後退した位置にあることを特徴とするエレクトロデポジション型表示装置。
(付記10) 前記対向電極の上面位置は、前記対向基板の表面位置と一致し、前記対向電極の上面の長手方向の端部を覆う絶縁膜をさらに備えることを特徴とする付記9に記載のエレクトロデポジション型表示装置。
本発明の第1実施形態に係るシート型表示装置の平面図である。 図1の表示装置における表示画素の断面構成を示す図である。 透明基板の製造工程図である。 透明基板の電極構成の構成例を示す図(その1)である。 透明基板の電極構成の構成例を示す図(その2)である。 本発明の第2実施形態に係るエレクトロデポジッション型表示装置の対向基板の構成例を示す図(その1)である。 図6(a)の金属電極のエッジ部を覆う絶縁膜の形成工程を示す図である。 図6(b)および6(c)の電極構成を有する対向基板の平面図である。 第2実施形態に係るエレクトロデポジション型表示装置の対向基板の構成例を示す図(その2)である。 クロストークの発生を説明するための図である。
符号の説明
10 シート型表示装置
11 透明基板
12 透明電極(ITO電極)
13 補助電極
14、34 絶縁膜
15 対向基板
16、36 対向電極(金属電極)
17a、17b 駆動回路
18 表示層
22、26、33、40 レジストマスク
24、33 マスク
25 硬化樹脂フィルム
35 ダミー基板

Claims (5)

  1. 透明電極を有する透明基板と、
    前記透明電極に対向する対向電極を有する対向基板と、
    前記透明基板と対向基板の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層と
    を備え、前記透明基板は、前記透明電極の一部領域に配置され透明電極よりも電気抵抗の低い補助電極と、該補助電極を覆う絶縁膜とを有し、前記補助電極が配置された領域の表面電気抵抗は、前記補助電極が配置されていない領域の透明電極の表面電気抵抗と同等またはそれ以上であることを特徴とする表示装置。
  2. 前記補助電極は、前記透明基板と透明電極の間に位置し、前記絶縁膜は、前記透明電極を介して補助電極を覆うことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記透明電極は、2以上の表示エリアに分割され、前記補助電極は、前記分割された表示エリアの境界に沿って前記透明基板上に位置することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. ストライプ状の透明電極が配置された透明基板と、
    前記透明電極に直交する方向に延びるストライプ状の金属の対向電極を有する対向基板と、
    前記透明電極と対向電極の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層と
    を備え、前記対向電極の少なくともエッジ部分が絶縁膜により被覆されていることを特徴とするエレクトロデポジション型表示装置。
  5. 透明電極が配置された透明基板と、
    透明電極に対向する金属の対向電極を有する絶縁性の対向基板と、
    前記透明電極と対向電極の間に挟持され、電流に応答して変化する表示層と
    を備え、前記対向電極は、前記対向基板に埋め込まれた埋め込み電極であり、前記対向電極の上面の位置は、前記対向基板の表面位置と同じ、またはそれよりも後退した位置にあることを特徴とするエレクトロデポジション型表示装置。
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