JP2005030459A - 真空排気弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラズマ雰囲気で使用する真空チャンバ2に接続されるチャンバポート3と真空ポンプに接続されるポンプポート4とを有し、これらを結ぶ流路5を開閉する弁体20と弁体20が当接する弁座13とを備えた弁機構6を有する真空排気弁1において、チャンバポート3の流路側端部に、その内径を弁座13が設けられた端面に向けて拡大させる段部11を形成し、弁体20を、シール部材27が装着されて、弁座13の閉鎖時に弁座13に当接する大径部24と、同時に段部11に嵌合される小径部25とによって形成した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空チャンバと真空ポンプとの間に接続して真空チャンバの内圧を減圧するために使用される真空排気弁に関し、具体的には、プラズマによって励起された気体雰囲気(以下、「プラズマ雰囲気」という。)で使用する真空チャンバに接続するための真空排気弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の真空排気弁としては、図4に示すように、真空チャンバ51に接続するチャンバポート52と、真空ポンプに接続するポンプポート53とを有し、これらチャンバポート52とポンプポート53とを結ぶ流路54内に、該流路54を開閉するための弁機構55を備えているものが、従来から知られている。このような従来の真空排気弁50においては、上記弁機構55が、上記流路54内に設けられた弁座56と、該弁座56を開閉する弁体57と、該弁体57に設けられて、上記弁座56の閉鎖時に該弁座56を気密にシールするシール部材58とから構成されており、上記弁座56を開放することによって、上記真空チャンバ51の内圧を減圧し、該弁座56を閉鎖することによって、該真空チャンバ51の内圧を所要の真空度に保持することができるようになっている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、以下の特許文献1が挙げられる。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−137879号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、半導体製造工程においては、上記真空チャンバ51は、所要の真空度に減圧され、プラズマ雰囲気下で使用される。その一方で、上記従来の真空排気弁50においては、図4に示すように、上記弁体57におけるチャンバポート52に臨むシール面57aが、略平坦に形成されていると共に、その外周部にシール部材58を備えている。
したがって、上記従来の真空配気弁50を、プラズマ雰囲気下で使用される上記真空チャンバ51に接続した場合、チャンバポート52が該真空チャンバ51に常時連通された状態となるため、真空チャンバ51の使用時にチャンバポート52内もプラズマ雰囲気で満たされて、弁座58をシールしているシール部材58が、常時プラズマ雰囲気に曝されることとなり、その結果、プラズマによって励起された気体分子の衝突、所謂プラズマアタックより、弁機構55におけるシール部材58の劣化が早まるという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、その課題は、プラズマ雰囲気下で使用される真空チャンバに接続するための真空排気弁において、プラズマによって励起された気体分子の衝突によるシール部材の劣化を、可及的に防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る真空排気弁は、プラズマによって励起された気体雰囲気で使用する真空チャンバに接続するためのチャンバポート;真空ポンプに接続するためのポンプポート;上記チャンバポートと上記ポンプポートとを結ぶ流路;該流路と上記チャンバポートとの間を開閉する弁機構;を有し、 上記弁機構は、チャンバポートの流路側端面に設けられた弁座と、チャンバポートの軸線方向に往復動して該弁座を開閉する弁体と、該弁体による上記弁座の閉鎖時に、これら弁体及び弁座の間をシールするシール部材とを備え、上記チャンバポートの内面における流路側端部には、該チャンバポートの内径を上記弁座が設けられた流路側端面に向けて拡大させる少なくとも1つの段部が形成され、上記弁体は、上記弁座の閉鎖時に、上記シール部材を介して弁座に当接する大径部と、同時に上記段部に嵌合する少なくとも1つの小径部とから成っていることを特徴としている。
【0007】
具体的には、上記シール部材は、上記弁体の大径部に設けられており、上記弁体は、上記段部と同数の小径部を有している。また、上記段部は、チャンバポートの上記軸線と略平行を成す第1面と、該軸線と略直角を成す第2面とから形成されている。
【0008】
そして、上記真空排気弁は、上記弁体による弁座の閉鎖時に、該弁体全体が、上記段部におけるチャンバポートの内面に接続する第2面よりも、上記流路側に位置するように構成されていても良く、また、同じく上記弁体による弁座の閉鎖時に、該弁体の小径部と該小径部が嵌合した段部の上記第2面との間に形成される間隙が、該小径部と該段部の上記第1面との間に形成される間隙よりも広くなるように構成されていることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施例を図1乃至図3に基づいて詳細に説明する。
なお、以下の説明で位置関係を示す語は、説明の便宜を図るため、断りのない限り図面上を基準とする。
【0010】
図1は、本発明に係る真空排気弁の第1実施例を示している。
図1に示すように、真空排気弁1は、プラズマ雰囲気下で使用する真空チャンバ2に対して直接的に接続されるチャンバポート3と、真空ポンプPに接続されるポンプポート4とを有している。上記チャンバポート3は、真空排気弁1の軸線l方向における一端に、該軸線lと同軸に設けられており、また、上記ポンプポート4は、真空排気弁の側方に、上記チャンバポート3と直角を成して、すなわち上記軸線lと直角を成して設けられている。
【0011】
チャンバポート3とポンプポート4とが直交する位置の真空排気弁1の内部には、チャンバポート3とポンプポート4とを結ぶ流路5と、上記流路5とチャンバポート3との間を開閉する弁機構6とが設けられている。これらチャンバポート3、ポンプポート4及び弁機構6は、略円筒状に形成されたハウジング7内に組込まれて一体化されている。
【0012】
この真空排気弁1は、弁機構6で流路5をチャンバポート3に対して開放して真空ポンプPで真空チャンバ2内の気体を排気することにより、該真空チャンバ2の内圧を減圧し、該弁機構6で流路5をチャンバポート3に対して閉鎖することにより、該真空チャンバ2の内圧を所要の真空度に保持するものである。そして、例えば半導体製造工程等においては、所要の真空度に減圧されたこの真空チャンバ2を、プラズマ雰囲気で満たすことにより使用する。
【0013】
チャンバポート3は、両端が開口した円筒形状をなし、その一端側の開口が真空チャンバ2に接続され、他端側が上記流路5に開口している。該チャンバポート3の内面8における流路5側端部には、チャンバポート3の内径をその流路5側の端面12に向けて段状に拡大させる1つの段部11が、上記内面8に接続されて形成されている。
具体的には、上記段部11は、互いに直交する第1面9と第2面10とから形成されている。上記第1面9は、チャンバポート3の内面8よりも大径で、上記軸線lと略平行を成して上記チャンバポート3の端面12に接続され、その一方で、上記第2面10は、該軸線lと略直角を成して上記チャンバポート3の内面8に接続されており、上記第1面9の高さは、上記第2面10の幅よりも大きく形成されている。また、上記チャンバポート3における上記流路5側の端面12には、後述する弁体20によって開閉される弁座13が、チャンバポート3の開口を包囲して形成されている。
そして、このチャンバポート3は、図1に示すように真空チャンバ2に対して常時連通させた状態で直接的に連結されるため、真空チャンバ2内がプラズマ雰囲気で満たされている時には、該チャンバポート3内も同様にプラズマ雰囲気で満たされる。
【0014】
一方、ポンプポート4は、チャンバポート3と同様に、両端が開口した円筒形状をなし、その一端側の開口が真空ポンプPに接続され、他端側が流路5に開口している。そして、このポンプポート4と上記流路5との間は常時連通されており、真空ポンプPにより吸引されたチャンバポート3からの気体が、上記流路5及びポンプポート4を経て真空ポンプPへと導かれるようになっている。
【0015】
弁機構6は、上記流路5内に位置するチャンバポート3の端面12に形成された弁座13と、該流路5内で上記軸線l方向に往復動して上記弁座13を開閉する弁体20と、該弁体20による上記弁座13の閉鎖時に、これら弁体20と弁座13との間をシールするシール部材27と、軸線l上のシャフトSを介して上記弁体20に連結されたピストン22を備え、該ピストン22を駆動して弁体20を開放方向に変移させる弁体作動部21と、開放状態の弁体20を閉鎖状態に復帰させる復帰バネ23と、該復帰バネ23を内包するベローズBとを有している。
【0016】
上記シャフトSにおけるチャンバポート3側の端部には弁体20が固定されており、該弁体20は、上記弁座13の閉鎖時に、該弁座13に上記シール部材27を介して当接される大径部24と、該大径部24よりも小径で、同じく上記弁座13の閉鎖時に、上記段部11に所要の間隙を介在させて嵌合される1つの小径部25とから成る段付きの円盤形状に形成されている。上記小径部25は、周囲を囲む側面25aと、略平坦に形成されて上記チャンバポート3を閉塞する弁表面25bとを有している。
弁体20の上記大径部24において、上記小径部25の周囲には、上記チャンバポート3の端面12と対向する当接面26が形成されており、また、該当接面26における上記端面12上に形成された弁座13に対応する位置には、上記シール部材27が嵌入された凹溝28が、上記小径部25を包囲して設けられている。
上記シール部材27は、合成ゴムによって断面略O形のリング状に形成されており、その内径が、上記段部11における第1面9の内径と略等しいか、それよりも若干小さくなっている。
【0017】
そして、弁体20により弁座13が閉鎖されて小径部25が段部11に嵌合された際に、上記小径部25の弁表面25bと上記段部11の第2面10との間に形成される間隙が、該小径部25の側面25aと該段部11の第1面9との間に形成される間隙よりも若干広く、かつ、上記大径部24の当接面26とチャンバポート3の端面12との間すなわち弁座13との間に形成される間隙と略等しくなるようになっている。
また、上記小径部25の弁表面25bは略平坦に形成されているため、弁体20による弁座13の閉鎖時に、該弁体20全体が、上記段部11の第2面10よりも上記流路5側に位置している。
【0018】
弁体作動部21は、真空排気弁1におけるチャンバポート3とは反対側の端部に配設されたシリンダ部30と、この内部に配設された上記ピストン22と、弁体20とは反対側の端部に該ピストン22を固定した上記シャフトSとを有している。
上記シリンダ部30は、その上方端を閉鎖する蓋体31と、その下底部を形成して上記流路5との間を区画する隔壁32と、外周を形成する側壁33とによって、その内部に円筒状のシリンダ室34が形成されている。該シリンダ室34内には、上記ピストン22が、気密かつ摺動自在に内装されており、該シリンダ室34は、該ピストン22によって上方の第1圧力室34aと、下方の第2圧力室34bとに区画されている。そして、上記第1圧力室34aは、図示しない呼吸孔によって大気に常時開放されており、その一方で、上記第2圧力室34bは、上記側壁33に貫設されて圧縮空気を給排するための操作ポート36に連通されている。
【0019】
上記隔壁32の中心には、シャフトSが気密かつ摺動自在に貫通する貫通孔が穿孔されており、該隔壁32における流路5側の面には、上記シャフトSの貫通孔を包囲して環状の第1バネ台座38が形成されている。また、ピストン22の中心にも、上記シャフトSが気密に貫通する貫通孔が穿孔されており、この貫通孔を貫通したシャフトSがピストン22の上面にて固定されている。該ピストン22の外側面には、環状溝が周設されており、この環状溝にシール部材40が装着されている。
【0020】
上記復帰バネ23は、上記隔離壁32の第1バネ台座38と弁体20の背面に配設された第2バネ台座39との間に、シャフトSを軸線l方向に貫通させて縮設されている。また、この復帰バネ23の外方には該復帰バネ23を包囲する上記ベローズBが設けられてバネ室29を形成しており、該復帰バネ23が上記流路5から隔絶されている。なお、上記バネ設置室29は、図示しない呼吸孔によって常時大気に開放されている。
【0021】
そして、上記操作ポート36から圧縮空気が供給されて第2圧力室34bが加圧されると、上記ピストン22が上記復帰バネ23の付勢力に抗してシリンダ室34内で上方に移動して、上記弁体20により弁座13が開放されるようになっており、また、圧縮空気の供給が停止されて上記操作ポート36が大気に開放されると、該復帰バネ23の付勢力により、上記ピストン22が下方に変移して、上記弁体20がシール部材27を介して上記弁座13に圧接されることにより、弁座13が気密に閉鎖されるようになっている。
ここで、シャフトSは、上記ピストン22の動きと弁体20の動きとを連動させるもので、ピストン22の上至点で弁体20が弁座13を最大に開放すると共に、ピストン22の下至点で弁体20が弁座13を完全に閉鎖するような所定長さに形成されている。
【0022】
つぎに、本第1実施例に係る真空排気弁1の作用及び効果について説明する。
上記真空チャンバ2が所要の真空度に減圧されたプラズマ雰囲気下で使用されている時には、弁体20により弁座13が閉鎖されて、チャンバポート3とポンプポート4に通じる流路5との間が閉鎖されている。また同時に、該チャンバポート3内もプラズマ雰囲気で満たされている。
この時、弁体20の大径部24が、シール部材27を弁座13に圧接させて該弁座13を気密にシールしている一方で、弁体20の小径部25が、チャンバポート3の段部11に嵌合されているため、上記シール部材27が、上記小径部25によってチャンバポート3内のプラズマ雰囲気から保護され、プラズマによって励起された気体分子がシール部材27に衝突することによる該シール部材27の劣化を可及的に抑制することができる。
【0023】
換言すれば、従来の真空排気弁50においては、シール部材58(図4参照)がチャンバポート52内のプラズマ雰囲気に曝されているに等しいが、本第1実施例の場合には、小径部25と段部11との嵌合により、プラズマ雰囲気で満たされたチャンバポート3からシール部材27までの間に、段状に屈折した十分な距離の間隙を確保することができるため、弁体20よって弁座13が閉鎖されている時に、プラズマによって励起された気体分子がシール部材27に到達してそれに衝突するのを可及的に防止することが可能である。したがって、プラズマ雰囲気によるシール部材27の劣化を可及的に抑制することができ、シール部材27の長寿命化を図ることができる。
【0024】
なお、上記真空チャンバ2をプラズマ雰囲気下で使用した後には、シリンダ部30の操作ポート36から圧縮空気が供給されて第2圧力室34bが加圧される。するとピストン22が、復帰バネ23の付勢力に抗してシリンダ室34の上方に変移し、それに伴い、弁体20を上方に引き上げて弁座13を開放する。そうすることにより、真空チャンバ2内の気体が、真空ポンプPにより吸引されて、流路5を介してポンプポート4へと排気される。
【0025】
図2は、上記第1実施例の一変形例における要部を示している。なお、ここでは図1に示す真空排気弁1とは異なる事項のみについて説明することとし、その他の共通する事項については、重複を避けるため説明を省略する。
この変形例においては、チャンバポート3Aの壁厚が、図1のものよりも厚く形成されており、その分、該チャンバポート3Aの内面8Aにおける流路5側端部に形成された段部11Aの第2面10Aが、その幅を広く形成されており、該第2面10Aの幅が第1面9Aの高さと略等しくなっている。また、上記シール部材27の内径が、上記段部11Aにおける第1面9Aの内径よりも多少大きく形成されおり、上記チャンバポート3Aの端面12Aに形成された弁座13と、上記段部11Aの第1面9Aとの間の距離が、図1のものよりも長くなっている。
【0026】
一方、弁体20Aは、図1のものと同様に、上記シール部材27が装着されて、該シール部材27を介して上記弁座13に当接される大径部24Aと、上記段部11Aに上述のような間隙を介在させて嵌合される小径部25Aとから成っている。
このように、本変形例によれば、弁体20Aによる弁座13の閉鎖時に、プラズマ雰囲気で満たされたチャンバポート3Aからシール部材27までの間に、段状に屈折したより長い距離の間隙を確保することが可能となる。
【0027】
つぎに本発明の第2実施例に係る真空排気弁1について説明する。
図3(a)は、本発明の第2実施例に係る真空排気弁1の要部を示している。なお、ここでは図1に示す真空排気弁1とは異なる事項のみについて説明することとし、その他の共通する事項については、重複を避けるため説明を省略する。
【0028】
図3(a)に示すように、第2実施例に係る真空排気弁1は、そのチャンバポート3Bの内面8Bにおける流路5側端部に、チャンバポート3Bの内径をその流路5側の端面12Bに向けて2段階に拡大させる第1段部11B及び第2段部11Cを備えている。ここで、これら第1段部11B及び第2段部11Cはそれぞれ、上記軸線lと略平行を成す同じ高さの第1面9B,9Cと、該軸線lと略直角を成す同じ幅の第2面10B,10Cとから成り、上記第1面9B,9Cの高さがそれぞれ、上記第2面10B,10Cの幅よりも大きく形成されている。すなわち、第1段部11Bにおいては、その第1面9Bが、上記第2段部11Cの第1面9Cよりも大径に形成されて、弁座13が形成された上記チャンバポート3Bの端面12Bに接続されており、一方、上記第2段部11Cにおいては、その第1面9Cが、上記チャンバポート3Bの内面8Bよりも大径に形成されて、上記第1段部11Bの第2面10Bに接続されると共に、その第2面10Cが、上記内面8Bに接続されている。
【0029】
これに伴い、弁体20Bは、シール部材27が装着されて弁座13に該シール部材27を介して当接される大径部24Bと、該大径部24Bよりも小径で、上記第1段部11Bに所要の間隙を介在させて嵌合される第1小径部25Bと、該第1小径部25Bよりも小径で、上記第2段部11Cに所要の間隙を介在させて嵌合される第2小径部25Cとから成る段付きの円盤形状に形成されている。
【0030】
なお、本第2実施例においても、図1に示すもの同様に、上記弁体20Bによる弁座13の閉鎖時に、該弁体20B全体が、チャンバポート3Bの内面8Bに接続する上記第2段部11Cの第2面10Cよりも上記流路5側に位置するようになっている。
また、弁体20Bにより弁座13が閉鎖されて、上記第1小径部25B及び第2小径部25Cが上記第1段部11B及び第2段部11Cにそれぞれ嵌合された際に、上記各小径部25B,25Cと上記各段部11B,11Cにおける第2面10B,10Cとの間に形成される間隙が、これら各小径部25B,25Cと上記各段部11B,11Cにおける第1面9B,9Cとの間に形成される間隙よりも若干広く、かつ、上記大径部24Bの当接面26Bとチャンバポート3Bの端面12Bとの間すなわち弁座13との間に形成される間隙と略等しくなるようになっている。
そして、上記シール部材27は、その内径が、上記第1段部11Bにおける第1面9Bの内径と略等しいか、それよりも若干小さく形成されている。
【0031】
このように、本第2実施例においては、弁体20Bにより弁座13が閉鎖された際に、チャンバポート3Bにおける2つの段部11B,11Cに、弁体20Bにおける2つの小径部25B,25Cがそれぞれ嵌合されるため、プラズマ雰囲気で満たされたチャンバポート3Bからシール部材27までの間に、段状に屈折して、しかも図1に示すものよりも長い距離の間隙を確保することができる。したがって、上記シール部材27を、チャンバポート3B内のプラズマ雰囲気からより確実に保護することができ、該シール部材27の劣化をより確実に抑制することが可能となる。
【0032】
図3(b)は、上記第2実施例の一変形例における要部を示している。なお、ここでは図1及び図3(a)に示す真空排気弁1とは異なる事項のみについて説明することとし、その他の共通する事項については、重複を避けるため説明を省略する。
この変形例においては、チャンバポート3Cの壁厚が、図3(a)のものよりも厚く形成されており、その分、該チャンバポート3Cの内面8Cにおける流路5側端部に形成された第1段部11D及び第2段部11Eの各第2面10D,10Eが、その幅を広く形成されており、該第2面10D,10Eの幅が第1面9D,9Eの高さと略等しくなっている。また、上記シール部材27の内径が、上記第1段部11Dにおける第1面9Dの内径よりも多少大きく形成されおり、上記チャンバポート3Cの端面12Cに形成された弁座13と、上記第1段部11Dの第1面9Dとの距離が、図3(a)のものよりも長くなっている。
【0033】
一方、弁体20Cは、図3(a)のものと同様に、上記シール部材27が装着されて、該シール部材27を介して上記弁座13に当接される大径部24Cと、上記第1段部11D及び第2段部11Eにそれぞれ上述のような間隙を介在させて嵌合される第1小径部25D及び第2小径部25Eとから成っている。
このように、本変形例によれば、弁体20Cによる弁座13の閉鎖時に、プラズマ雰囲気で満たされたチャンバポート3Cからシール部材27までの間に、段状に屈折したより長い距離の間隙を確保することが可能となる。
【0034】
本発明に係る真空排気弁はこれらの実施例及びその変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
上記各実施例及びその変形例でにおいては、シール部材を弁体側に設けているが、弁座側に設けても良い。
また、チャンバポートにおける段部の数、及び弁体における小径部の数についても、上記各実施例及びその変形例のように1つ又は2つに限られず、3つ以上であっても良く、上記段部の数と上記小径部の数とが異なっていても良い。
上記段部や弁体等における各種寸法についても、上記各変形例に示すようにチャンバポートの壁厚等を考慮して、可能な範囲で変更することが可能であり、例えば、段部における第2面の幅を第1面の高さよりも大きく形成することもできる。そして、弁体による弁座の閉鎖時に、弁体の小径部と段部の第2面との間に形成される間隙の幅が、該小径部と段部の第1面との間に形成される間隙の幅以下となるようにしたり、大径部の当接面とチャンバポートの端面との間すなわち弁座との間に形成される間隙の幅よりも大きくなるようにしたりしても良い。さらに、チャンバポートに複数の段部が形成されている場合にあっては、各段部における各第1面の高さや各第2面の幅を互いに異ならせても良い。
【0035】
【発明の効果】
このように、本発明に係る真空排気弁によれば、弁体による弁座の閉鎖時に、該弁体の小径部が、チャンバポートの流路側端部に設けられた段部に嵌合することにより、弁体と弁座との間をシールするシール部材が、真空チャンバ内のプラズマ雰囲気から保護されるため、上記シール部材の劣化を可及的に防止することができ、シール部材の長寿命化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る真空排気弁の閉状態を示す断面図である。
【図2】同真空排気弁の一変形例を示す要部断面図である。
【図3】(a)は本発明の第2実施例に係る真空排気弁の閉状態を示す要部断面図であり、(b)は同真空排気弁の一変形例を示す要部断面図である。
【図4】従来の真空排気弁の閉状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 真空排気弁
2 真空チャンバ
3,3A〜3C チャンバポート
4 ポンプポート
5 流路
6 弁機構
8,8A〜8C 内面
9,9A〜9E 第1面
10,10A〜10E 第2面
11,11A 段部
11B,11D 第1段部(段部)
11C,11E 第2段部(段部)
12,12A〜12C 端面
13 弁座
20,20A〜20C 弁体
24,24A〜24C 大径部
25,25A 小径部
25B,25D 第1小径部(小径部)
25C,25E 第2小径部(小径部)
27 シール部材
l 軸線
P 真空ポンプ
Claims (6)
- プラズマによって励起された気体雰囲気で使用する真空チャンバに接続するためのチャンバポート;真空ポンプに接続するためのポンプポート;上記チャンバポートと上記ポンプポートとを結ぶ流路;該流路と上記チャンバポートとの間を開閉する弁機構;を有し、
上記弁機構は、チャンバポートの流路側端面に設けられた弁座と、チャンバポートの軸線方向に往復動して該弁座を開閉する弁体と、該弁体による上記弁座の閉鎖時に、これら弁体及び弁座の間をシールするシール部材とを備え、
上記チャンバポートの内面における流路側端部には、該チャンバポートの内径を上記弁座が設けられた流路側端面に向けて拡大させる少なくとも1つの段部が形成され、
上記弁体は、上記弁座の閉鎖時に、上記シール部材を介して弁座に当接する大径部と、同時に上記段部に嵌合する少なくとも1つの小径部とから成っている、
ことを特徴とする真空排気弁。 - 上記シール部材は、上記弁体の大径部に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の真空排気弁。 - 上記弁体は、上記段部と同数の小径部を有している、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の真空排気弁。 - 上記段部は、チャンバポートの上記軸線と略平行を成す第1面と、該軸線と略直角を成す第2面とから形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の真空排気弁。 - 上記弁体による弁座の閉鎖時に、該弁体全体が、上記段部におけるチャンバポートの内面に接続する第2面よりも、上記流路側に位置するように構成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の真空排気弁。 - 上記弁体による弁座の閉鎖時に、該弁体の小径部と該小径部が嵌合した段部の上記第2面との間に形成される間隙が、該小径部と該段部の上記第1面との間に形成される間隙よりも広くなるように構成されている、
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の真空排気弁。
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