JP2005030402A - ターボジェット・エンジンの拡張ケーシングの熱膨張を受動的に制御する装置 - Google Patents

ターボジェット・エンジンの拡張ケーシングの熱膨張を受動的に制御する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術による欠点を軽減した、ターボジェット・エンジンの拡張ケーシングの熱膨張を受動的に制御して応力を軽減する装置を提供する。
【解決手段】拡張ケーシング23は、ターボジェット・エンジンの高圧コンプレッサ1のケーシング2を取り囲んでおり、且つ燃焼室26のケーシング25の上流側フランジ28への取り付けのためのフランジ24を含んでいる。該装置は、少なくとも一つの周方向キャビティ45が上記両フランジ24と28の間に設けられ、そこでは、燃焼室26の入口において引き出されたガス流が循環する。このように差圧によって発生される自然循環を使用する。フランジは、受動的に制御され、そしてケーシングの皮膜とその取り付けフランジとの間の差動膨張の結果として生ずる応力が低減される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ターボジェット・エンジンに関し、特にターボジェット・エンジンの高圧コンプレッサの拡張ケーシングに関する。
ターボジェット・エンジンは、一般に、少なくとも1つの低圧コンプレッサおよび一つの高圧コンプレッサを備えている。例えば低圧コンプレッサにおいて結氷防止(デフロスト)すべく、ディストリビュータまたはその上流に設置された部分を冷却するために、また、ターボ機関の他の下流側部分、例えばタービン・ディストリビュータ、に比較的冷たい流体を供給するために、コンプレッサ段においてガスを取り出すことはしばしばである。
当該説明の全体を通して、「上流」および「下流」の用語は、ターボジェット・エンジン運転中の全体的なガス流に関する部分的な位置を意味するために使用される。
高圧コンプレッサは、燃焼室の上流に配置される。図1および図2を参照すれば、コンプレッサは、内側ケーシング2を備え、その周りにいわゆる拡張ケーシング3が延びている。拡張ケーシング3は、燃焼室6のケーシング5との相互連結を可能とする下流側フランジ4を備え、且つそれは両容積の間に分離壁7を支持している。
拡張ケーシング3の下流側フランジ4は、フランジ4の周囲に分布配置されたフランジ孔10に設置された連結ボルト9によって、燃焼室のケーシング5の上流側フランジ8に固定して連結されている。拡張ケーシング3および燃焼室6の両フランジ4、8は、燃焼室6のエンクロージャ内に配置された穿孔コーンである拡散コーン12の上流側フランジ11を締め付けている。拡張ケーシング3のフランジ4の下流側面14は、拡散コーン12のフランジ11に対して押圧される、平面である。
考慮されているケースにおいては、ターボジェット・エンジンの他の構成要素の冷却流体は、コンプレッサのケーシング2および拡張ケーシング3において同時に、そのために設けられた開口部によって、明示されていない、コンプレッサ1の第七段において取り出される(分岐される)。結果として、これらのケーシング2、3の両方の間に配置された環状部13が、この流体に浸漬される。
そのようなターボジェット・エンジンを備える航空機の離陸段階の間、エンジンに課せられる高スピードは、コンプレッサにおいて取り出された空気の、そしてそれゆえ拡張ケーシング3の、温度の高い上昇を引き起こし、かなり薄いその表皮は、低い熱慣性を有し且つ相当の膨張に耐える。それは急速にほぼ550℃の温度に達する。より重量があり、且つそのうえポッドのエンクロージャ15に浸された、ケーシング3のフランジ4は、その時点で、特にその外周において、ほぼ200℃の温度を維持している。
拡張ケーシング3とそのフランジ4との間には、結果として非常に高い温度勾配を生じる。この勾配は、フランジ4の屈曲およびフランジ孔10の頂部における高い接線応力を引き起こす。
上述された温度勾配から結果として生じる重大な応力に起因して、拡張ケーシングの耐用年数は、必要とされるよりも非常に短い。エンジンの耐用年数の間、保守のための要求と、計画された検査を越えたエンジン取外しに関連する高コストの使用とが続いて起きる。
米国特許第6352404号明細書
本発明の目的は、これらの欠点を軽減することである。
このため、本発明は、ターボジェット・エンジンの拡張ケーシングの熱膨張を受動的に制御して応力を軽減する装置に関し、上記拡張ケーシングが、ターボジェット・エンジンの高圧コンプレッサの内側ケーシングを取り囲んでおり、且つ燃焼室のケーシングの上流側フランジへ取り付けるためのフランジを含む。この装置は、燃焼室の入口で取り出されたガス流を循環させる少なくとも一つの周方向キャビティが、上記両フランジの間に設けられていることを特徴としている。
本発明によって、ケーシングのフランジは、取り出された下流の空気のより高い温度に関連して膨張され得る。このように制御されたフランジの膨張は、それゆえにケーシングの表皮の膨張に受動的に付随し、且つケーシングの両部分の間の応力の発生源を低減する。
ケーシング・フランジの補助された膨張のための装置は、米国特許第6352404号明細書によって知られており、該文献は、コンプレッサまたはタービンケーシングの二つの半部分のための二つの縦方向取付けフランジの間のインターフェースを説明しており、そこでは、ケーシングの楕円化を回避するために、フランジの膨張を受動的に制御するためのキャビティが設けられる。それゆえ解決される問題は、本発明のそれとは異なっている。しかも、本発明の装置は、先ず第一に、それがコンプレッサのケーシングの縦方向のフランジでなくその拡張ケーシングの横向きフランジであるので、制御空気は燃焼室の入口において取り出されており、コンプレッサのガス脈においてではないので、この文献のそれとは異なっている。
特に、両フランジは、拡散コーンの保持フランジを締め付けており、キャビティは、ケーシング・フランジの一つと拡散コーンのフランジとの間に配設されている。
好ましい実施の形態によれば、キャビティは、上記フランジの一つに設けられた凹みによって形成される。予兆流体の循環は、それゆえ、フランジに配列された較正された穿孔およびフランジの上流と下流の間の圧力差を用いて提供されても良い。
特に、凹みには、相接するフランジの面上に寄りかかる内側横断リムおよび外側横断リムが設けられており、内側軸方向リムが、ガス入口径方向スロートを形成する較正された穿孔を含み、且つフランジは、ガス流の出口チャンネルを形成する較正された穿孔を備える。
より詳細には、チャンネルは、凹み内に位置する入口開口部と、コンプレッサのケーシングと拡張ケーシングとの間に位置する環状部内に現れる出口開口部とを備える。
特定の実施の形態によれば、キャビティは、セクタとして周方向に配置されるいくつかの凹みから構成され、各凹みは径方向スロートおよびチャンネルと連通している。径方向スロートは、凹みの横方向端部に配設され、且つチャンネルは、凹みの他の横方向端部に配設される。
本発明は、添付図面に関連して、本発明の装置の好ましい実施の形態の以下の説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
図3および図4を参照すれば、ターボジェット・エンジンは、高圧コンプレッサ21および燃焼室26を具備している。コンプレッサは、拡張ケーシング23で囲まれたケーシング22を備えている。コンプレッサ21の下流側部分においては、コンプレッサのケーシング22と拡張ケーシング23とが、Y字形状部分を備える壁部27によって結合されており、Y字の両分枝は、ターボジェット・エンジンの下流側部分に向けられていて、一方は、コンプレッサのケーシング22を支持し、そして他方は拡張ケーシング23の下流側フランジ24によって支持されている。
燃焼室26は、上流側フランジ28を備えるケーシング25を含んでいる。燃焼室の上流側フランジ28と、拡張ケーシングの下流側フランジ24は、特に拡張ケーシングのフランジ24の孔部30を通して、連結ボルト29によって結合される。両フランジは、拡散コーン32の上流側フランジ31を締め付けている。この拡散コーン32は、燃焼室26のエンクロージャ内に延びる穿孔されたコーンであり、そしてその役割は、ガス流を導き且つ拡散させることである。
本発明の拡張ケーシングのフランジ24は、その下流側面34に、拡散コーンの上流側フランジ31の上流側面に寄りかかる(載る)内側横断リム41および外側横断リム42が設けられた、周方向の凹み40を含んでいる。
拡張ケーシングのフランジ24の内側横断リム41は、径方向スロート43を形成する較正された穿孔を含んでいる。さらには、拡張ケーシングのフランジ24は、チャンネル44を形成する較正された穿孔を備えており、該穿孔の入口開口部は凹み40に位置し、且つ該穿孔の出口開口部はコンプレッサのケーシング22と拡張ケーシング23との間に設置された環状部33に位置している。各スロート43および各管状路44は、その縁部における過大な応力を制限するために、凹み40に、フランジ孔30に直角に、穿孔されている。
コンプレッサ21のケーシング22と拡張ケーシング23との間に配置される環状部33は、コンプレッサ21の、ここでは第七段である最終段の下流で取り出されたガスに浸漬され、相対的にみて、ターボ機関の他の下流側部分、例えばタービン・ディストリビュータを冷却するために、これに低温流体を供給し、または、相対的にみて、上流に配設された部分、例えば低圧コンプレッサでの結氷防止のために、高温流体を供給する。開口部は、そのために、コンプレッサのケーシング22と拡張ケーシング23に同時に設けられる。
より正確に且つ図5を参照すれば、拡張ケーシングの下流側フランジ24は、周方向にセクタ50、51、52、例えば本発明の場合、8つのセクタに分割される。各セクタは、凹み40の横方向端部にスロート43を、凹み40の他端部にチャンネル44を持つ凹み40を備えている。セクタは、径方向壁部53、54によって分離されている。
本発明のフランジ24の重要性は、ここでより詳細に説明される。航空機の離陸の最後において、例えば、燃焼室のエンクロージャは、650℃の温度で且つ40バールの圧力のガスに浸漬されるとともに、同時にコンプレッサのケーシング22と拡張ケーシング23の間に配置された環状部33が、550℃の温度で且つ25バールの圧力のガスに浸漬される。拡張ケーシングのフランジ24は、ターボジェット・エンジンのポッドのエンクロージャ35に浸漬される。
燃焼室26のエンクロージャと、コンプレッサのケーシング22および拡張ケーシング23間に配置された環状部33との間に存在する圧力差によって、燃焼室26のエンクロージャのガスは、拡張ケーシングのフランジ24の各セクタ50、51、52で、チャンネル44を通して環状部33内に流出するために、径方向スロート43内に流入する。
各セクタ50、51、52において、結果として、拡張ケーシングのフランジ24の下流側面34、その内側横断リム41、その外側横断リム42と、拡散コーンの上流側フランジ31の上流側面との間の凹み40によって与えられるキャビティ45を、燃焼室26のエンクロージャからのガス流が流動する。
圧力差によって維持されるこのガス流は、フランジの温度に対して高温であるため、フランジ24を加熱する。それゆえ、本発明は、フランジ24の膨張を助けることをそしてフランジと拡張ケーシング23の間に存在する温度勾配を低減することを可能とする。
応力の軽減という理由によって、フランジ24の耐用年数は、延長され、そして結果的に、ターボジェット・エンジンの耐用年数の間におけるその交換を回避する。フランジ24のキャビティ45における循環の後で、ガスは、環状部33内に再注入されが、ターボジェット・エンジンの運転には、ごくわずかな、少なくとも重要でない、影響しか及ぼさない。
先行技術のフランジの側方断面図を示す。 図1のフランジの断面斜視図を示す。 本発明のフランジの好ましい実施の形態の側方断面図を示す。 図3のフランジの好ましい実施の形態の断面斜視図を示す。 本発明のフランジの好ましい実施の形態の斜視図を示す。
符号の説明
1、21 コンプレッサ
2、5、22、25 ケーシング
3、23 拡張ケーシング
4、24 下流側フランジ
6、26 燃焼室
7、27 壁部
8、11、28、31 上流側フランジ
9、29 連結ボルト
10、30 フランジ孔
12、32 拡散コーン
13、33 環状部
15 エンクロージャ
14、34 下流側面
40 凹み
41 内側横断リム
42 外側横断リム
43 スロート
44 チャンネル
45 キャビティ
50、51、52 セクタ
53、54 径方向壁部

Claims (10)

  1. ターボジェット・エンジンの拡張ケーシング(23)の熱膨張を受動的に制御してその応力を軽減する装置であって、前記拡張ケーシング(23)が、ターボジェット・エンジンの高圧コンプレッサ(1)の内側ケーシング(2)を取り囲んでおり、且つ燃焼室(26)のケーシング(25)の上流側フランジ(28)へ取り付けるためのフランジ(24)を含んでおり、燃焼室(26)の入口で取り出したガスを循環させる少なくとも一つの周方向キャビティ(45)が、前記両フランジ(24および28)の間に設けられていることを特徴とする、装置。
  2. 両フランジが、拡散コーン(32)の保持フランジ(31)を締め付け、キャビティは、ケーシング・フランジの一つ(24)と拡散コーン(31)のフランジとの間に配設されている、請求項1に記載の装置。
  3. キャビティは、前記フランジの一つ(24)に設けられた凹み(40)によって形成される、請求項1または2に記載の装置。
  4. ガス流の循環は、フランジに設けられた較正された穿孔(43、44)を用いて行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 凹み(40)には、隣接フランジの面に寄りかかる内側横断リム(41)および外側横断リム(42)が設けられており、内側軸方向リム(41)が、ガス入口径方向スロート(43)を形成する較正された穿孔を含み、且つフランジ(24)は、ガス流の出口チャンネル(44)を形成する較正された穿孔を備える、請求項4に記載の装置。
  6. チャンネル(44)は、凹み(40)に位置する入口開口部と、コンプレッサのケーシング(22)と拡張ケーシング(23)との間に位置する環状部(33)に現れる出口開口部とを具備する、請求項5に記載の装置。
  7. キャビティが、周方向にセクタ(50、51、52)として配列されたいくつかの凹みから構成され、各凹み(40)は、径方向スロート(43)およびチャンネル(44)に連通している、請求項3から6のいずれか一項に記載の装置。
  8. フランジが、拡散コーン(32)の上流側フランジ(31)および燃焼室(26)のケーシング(25)の上流側フランジ(28)へのフランジ(24)の取り付けのために連結ボルト(29)を通過させることが意図された、周方向に配列されたフランジ孔(30)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 径方向スロート(43)は、フランジ孔(30)に対して直角に穿孔される、請求項8に記載の装置。
  10. チャンネル(44)は、フランジ孔(30)に対して直角に穴明けされる、請求項9に記載の装置。
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