JP2005030365A - プランジャポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シリンダ孔21の孔入口の閉鎖手段が、シリンダ孔21内に挿入し、一端をポンプハウジング20にかしめにより固定される筒状のアウタスリーブ60と、アウタスリーブ60に内挿され、金属板を冷間成形して形成した底部71が弾性変形可能な略球面形状を呈する閉鎖スリーブ70との二重筒体からなり、閉鎖スリーブ70を圧入または溶接によりアウタスリーブに固定した。
【選択図】 図1
Description
図4は上記公報に記載のプランジャポンプ80の断面図を示すもので、公知のプランジャポンプ80は少なくとも、ポンプハウジング(ハイドロリックブロック)81内に穿設された異径のシリンダ孔82と、シリンダ孔82の最も小径の孔に収容されているピストン83と、シリンダ孔82の最も径の大きい入口部を封鎖する閉鎖プラグ84と、ポンプ室85の上流側と下流側に配置された逆止弁構造の吸込バルブ86および吐出バルブ88を備えている。
ピストン83とシリンダ孔82の間は、シリンダ孔82内に収容したシールリング89によってシールされている。
<1>特許文献1に記載のプランジャポンプ80にあっては、強度確保の要請から閉鎖プラグ84は所定の肉厚が要求される。そのため、シリンダ孔82の入口部が大径であるにも拘らず、閉鎖プラグ84の肉厚分だけ閉鎖プラグ84内に形成される高圧ダンパ室87の容積が小さいことから、液圧脈動の減衰効果が十分に発揮されない。
またプランジャポンプ80の全体が大径になるため、ハイドロリックブロック81全体が大きくなってコスト高となる問題や、ハイドロリックブロック81に組み込む他の機能要素のレイアウトの自由度が低くなるといった問題もある。
さらに吸込バルブ86と吐出バルブ88の構成部品が異なるため、各バルブ専用の組立設備を設けて対応しなければならず、しかも両バルブの構成部品が多種類となって部品管理が煩雑になる問題もある。
また本発明の目的は、部品の共有化を図り、製作が容易で低コスト化が図れる、プランジャポンプを提供することにある。
本発明は上記した何れかひとつのプランジャポンプを提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記したプランジャポンプにおいて、アウタスリーブに設けた段差部と閉鎖スリーブの開口端との間に吐出バルブを挟んで固定し、前記吐出バルブで遮断した閉鎖スリーブの内部空間を、液圧脈動を減衰する高圧ダンパ室として形成したことを特徴とする。
さらに本発明は、前記した何れかのプランジャポンプにおいて、ピストンが、小径軸部を有するピストン本体と、前記小径軸部に外装したシール材と、前記小径軸部に嵌合し、ピストン本体との間でシール材を挟み込むピストンキャップとよりなるピストン組立体であって、前記ピストン組立体を直接シリンダ孔内に収容させたことを特徴とする。
さらに本発明は、前記した何れかのプランジャポンプにおいて、前記吐出バルブを吸込バルブと同一部品で構成することを特徴とする。
さらに本発明は、前記した何れかのプランジャポンプにおいて、前記閉鎖プラグの外側に防護カバーを取り付けたことを特徴とする。
<1>小型軽量化が図れると共に、ポンプ稼動時の静粛性に優れたプランジャポンプを提供することができる。
<2>構成部品の共有化を図り、製作が容易で低コスト化が図れるプランジャポンプを提供することができる。
図1はハイドロリックブロック20に内蔵されたプランジャポンプ10の断面図を示している。図面ではハイドロリックブロック20の一部だけを示しているが、ハイドロリックブロック20は、スリップ制御に用いられる電磁弁、リザーバ、ポンプを駆動する電動モータ等のハイドロリック構成エレメント(図示せず)を備えている。またハイドロリックブロック20と図示しないマスタシリンダの間と、ハイドロリックブロック20と図示しない単数または複数のホイールシリンダの間がそれぞれハイドロリック的に接続されている。
ハイドロリックブロック20はプランジャポンプ10のポンプハウジングを兼ねているので、本発明においてはハイドロリックブロックをポンプハウジング20と呼んで説明する。
またシリンダ孔21内の中径部21bと大径部21cの境界部には、円周方向に沿って段差部21dを形成している。
吸入流路25の途中の段差部には、吸入流路25からポンプ室23内への流れのみを許容する吸込バルブ50を設置し、ポンプハウジング20を塑性変形させて形成したかしめ部21eにより固定する。
本発明に係るプランジャポンプ10では、直接シリンダ孔21の小径部21a内にピストン組立体30を収容した構造になっている。
ピストン組立体30はピストン戻しばね38のばね力を受けて偏心カム40の方向へ付勢され、またピストン本体32の右端面が偏心カム40に当接して支持されるから、ピストン組立体30はピストン本体31とピストンキャップ34の間を特別に固定しなくとも一体性を維持できる。したがって、ピストン組立体30は相互に部品が分離せずに一体性を保った状態で、シリンダ孔21内での往復運動が可能となる。
本発明では、筒状のアウタスリーブ60とドーム状の閉鎖スリーブ70によって形成される二重筒体によってシリンダ孔21の開放された入口を閉鎖する構造を採用した。
アウタスリーブ60は筒体の左半に形成した大径筒部61と、筒体の右半に形成した小径筒部62と、両筒部61,62の境界部に形成した段差部63と、大径筒部61の端部に外方へ屈曲して形成した環状のフランジ65とを有し、板厚の薄い金属等で製作する。
大径部61側の周面には、単数または周方向に沿って複数の貫通路64を設ける。
小径部62の外径は、シリンダ孔21の中径部21bに圧入して孔壁との間をシールできる寸法になっている。
「略球面状」とは、半径が一定の完全球面だけを意味するものではなく、図示するように楕円形状を含むものである。換言すれば、平面は含まず、外側へ突出したすべての湾曲面を含むものである。
前記したアウタスリーブ60の貫通路64と閉鎖スリーブ70の貫通路72の形成位置は図示した形態に限定されるものではなく、高圧ダンパ室24の液を、閉鎖スリーブ70とアウタスリーブ60の周面を貫通して吐出流路26へ吐出できる位置に形成してあればよい。
またユニット化せずに、シリンダ孔21内に上記した各部品を個別に組み付けてもよい。
従来のプランジャポンプでは吸込バルブと吐出バルブが共にバルブの構成部品が異なっていた。
これに対して本発明では、逆止弁構造の吸込バルブ50と吐出バルブ51とに共通のバルブを使用してバルブの共有化を図るものである。バルブの共有化は構成部品の共通化により達成できる。
吸込バルブ50は、環状のバルブシート52と、バルブシート52の中央穴53を閉鎖するボール弁54と、バルブシート52に外装したポット形のケージ55と、ボール弁54とケージ55の間に縮設したばね56とからなり、ばね56のばね力によりボール弁54がバルブシート52の中央穴53に押圧されることで流路を閉鎖する構造になっている。
ケージ55の裾部はバルブレート52の側面を取り囲むようにして固着し、筒部は液の通過が可能な開口構造になっている。
図2において符号39は吐出バルブ51のバルブシート52の片面に当接させて設けたばね受けで、必須の部品ではない。
また吐出バルブ51と吸込バルブ50の開弁圧力を夫々異なる値に設定したいときは、ばね56のみを相違させるだけで済む。
プランジャポンプ10の組立て方法の一例について説明する。
図1において、シリンダ孔21の小径部21a内に、ピストン組立体30を挿入した後、シリンダ孔21内にピスン戻しばね38を挿入する。
つぎにピストン戻しばね38を収縮させながら、アウタスリーブ60、吐出バルブ51、閉鎖スリーブ70を1つのユニット化したシリンダ孔の閉鎖手段をシリンダ孔21内に押し込む。
そして、シリンダ孔21の入口の周囲を環状にかしめてアウタスリーブ60のフランジ65を固定することによって、シリンダ孔21の入口を高いシール性を確保した状態で閉鎖する。
最後にインナスリーブ60と閉鎖スリーブ70の重合体の外側に平板状の防護カバー27を取り付けて、図1に示すプランジャポンプ10を得る。
なお、防護カバー27は省略する場合がある。
偏心カム40の偏心回転運動に伴い、ピストン組立体30がシリンダ孔21の小径部21a内を摺動する。
ピストン組立体30の往復運動と、ふたつのバルブ50,51の開閉弁作動に伴い、吸入流路25からポンプ室23内へ吸引した液を高圧ダンパ室24へ吐出し、さらに高圧ダンパ室24から閉鎖スリーブ70とアウタスリーブ60の貫通路72,64を通じて吐出流路26へ吐出することができる。
本発明では閉鎖スリーブ70の容積が大きいことによる液圧脈動の減衰効果と、閉鎖スリーブ70の底部が弾性変形することによる液圧脈動の減衰効果のふたつの減衰効果を発揮するので、プランジャポンプ10の静粛性が向上する。
閉鎖スリーブ70の底部71は、弾性変形は許容するが、永久変形はしないので外観を損ねる心配がない。
また吐出バルブ51のばね56は底部71に接していないので、ポンプの吐出性能が低下する問題も起きない。
20・・・ポンプハウジング(ハイドロリックブロック)
21・・・シリンダ孔
21a・・・シリンダ孔の小径部
21b・・・シリンダ孔の中径部
21c・・・シリンダ孔の大径部
22・・・カム室
23・・・ポンプ室
24・・・高圧ダンパ室
25・・・吸入流路
26・・・吐出流路
30・・・ピストン組立体
31・・・小径軸部
32・・・ピストン本体
33・・・ピストン本体の凹部
34・・・ピストンキャップ
35・・・シールリング
36・・・バックアップリング
40・・・偏心カム
50・・・吸込バルブ
51・・・吐出バルブ
52・・・バルブシート
53・・・中央穴
54・・・ボール弁
55・・・ケージ
56・・・ばね
60・・・アウタスリーブ
61・・・大径筒部
62・・・小径筒部
63・・・段差部
64・・・アウタスリーブの貫通路
65・・・フランジ
70・・・閉鎖スリーブ
71・・・閉鎖スリーブの底部
72・・・閉鎖スリーブの貫通路
Claims (5)
- ポンプハウジング内に形成したシリンダ孔と、シリンダ孔に収容され、シリンダ内を往復運動するピストンと、前記ピストンの往復運動に伴い容積が増減変化するポンプ室の上流側と下流側にそれぞれ設置した逆止弁構造の吸込バルブおよび吐出バルブとを備えた車両用ブレーキ液圧制御装置に内蔵するプランジャポンプであって、
シリンダ孔の孔入口の閉鎖手段が、シリンダ孔内に挿入し、一端をポンプハウジングにかしめにより固定した筒状のアウタスリーブと、
前記アウタスリーブに内挿され、金属板を冷間成形加工により底部が弾性変形可能な略球面形状に形成した閉鎖スリーブとの二重筒体からなり、
前記閉鎖スリーブを圧入または溶接によりアウタスリーブに固定したことを特徴とする、
プランジャポンプ。 - アウタスリーブに設けた段差部と閉鎖スリーブの開口端との間に吐出バルブを挟んで固定し、前記吐出バルブで遮断した閉鎖スリーブの内部空間を、液圧脈動を減衰する高圧ダンパ室として形成したことを特徴とする、請求項1に記載のプランジャポンプ。
- ピストンが、小径軸部を有するピストン本体と、前記小径軸部に外装したシール材と、前記小径軸部に嵌合し、ピストン本体との間でシール材を挟み込むピストンキャップとよりなるピストン組立体であって、前記ピストン組立体を直接シリンダ孔内に収容させたことを特徴とする、請求項1また請求項2に記載のプランジャポンプ。
- 前記吐出バルブを吸込バルブと同一部品で構成することを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のプランジャポンプ。
- 前記閉鎖プラグの外側に防護カバーを取り付けたことを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のプランジャポンプ。
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