JP2005029480A - ピルビニウムを内包した高分子ミセルを含有する抗癌剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗癌剤の提供。
【解決手段】ピルビニウム・パモ酸を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤。
【選択図】 なし
【解決手段】ピルビニウム・パモ酸を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、従来抗癌作用を示すことが知られていなかったピルビニウムまたはその塩を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤に関する。
【0002】
【背景技術】
ピルビニウム・パモ酸は蟯虫(Enterobius vermicularis)の駆除に有効であることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この化合物は水には実質的に溶けない。また、この化合物は腸管からほとんど吸収されず、経口投与することにより、上述の駆虫効果を奏する。
【0003】
【非特許文献1】G.C.Cook,Gut 35,1159−1162(1994)
【0004】
【発明の開示】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
新たなタイプの抗癌剤を提供することについての必要性は依然として存在する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新たなタイプの抗癌剤を提供すべく研究を行ってきたところ、従来、蟯虫の駆除に有効であることが知られているピルビニウム・パモ酸の溶液または懸濁液、特にピルビニウム・パモ酸を内包した高分子ミセルの水溶液または水懸濁液が in vitro および in vivo の両方で腫瘍増殖を抑制することを見出した。また、ピルビニウム単独を内包する高分子ミセルも、ピルビニウム・パモ酸の高分子ミセルと同様の腫瘍増殖抑制作用を有することを見出した。
【0007】
したがって、本発明によれば、
式(1):
【0008】
【化4】
【0009】
で表されるピルビニウムまたはその製薬学的に許容される無機もしくは有機酸の塩を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤が提供される。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の抗腫瘍剤または抗癌剤とは異なる化学構造を有し、しかも注射剤(点滴およびボーラス用を包含する。)として有用な抗癌剤が提供できる。
【0011】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明を、以下に詳細に説明する。
【0012】
本発明に用いる活性薬物であるピルビニウムまたはその塩を内包した高分子ミセルは、従来から水難溶性の抗腫瘍もしくは抗癌剤の水可溶性化に用いられてきた、いずれの親水性セグメントと疎水性セグメントを含むブロックコポリマーに由来するものであってもよい。また、かかる高分子ミセルは、親水性セグメントがシエル部分を形成しそして疎水性セグメントがコア部分を形成するコア−シエル型であることが好ましい。
【0013】
具体的には、かようなブロックコポリマーは、ポリ(エチレングリコール)からなる親水性セグメントと、ポリ(β−アルキルアスパルテート)、ポリ(β−アルキルアスパルテート−コ−アスパラギン酸)、ポリ(β−アラルキルアスパルテート)、ポリ(β−アラルキルアスパルテート−コ−アスパラギン酸)、ポリ(γ−アルキルグルタメート)、ポリ(γ−アルキルグルタメート−コ−グルタミン酸)、ポリ(γ−アラルキルグルタメート)、ポリ(β−アルキルアスパルタミド)、ポリ(β−アルキルアスパルタミド−コ−アスパラギン酸)、ポリ(β−アラルキルアスパルタミド)、ポリ(β−アラルキルアスパルタミド−コ−アスパラギン酸)、ポリ(γ−アルキルグルタミド)、ポリ(γ−アルキルグルタミド−コ−グルタミン酸)、ポリ(γ−アラルキルグルタミド)、ポリ(γ−アラルキルグルタミド−コ−グルタミン酸)、ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(δ−バレロラクトン)およびポリ(γ−ブチロラクトン)からなる群より選ばれる疎水性セグメントとを含んでなる。
【0014】
上記のセグメント中における、アルキルおよびアラルキルは、それぞれ以下の意味を有する。アルキルとしては、C1−C22の直鎖もしくは分岐のアルキルであり、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル等の低級アルキル、さらに炭素数の多い中級アルキル、また、テトラデシル、ヘキサデシル、オクトデシル、ドコサニル等が挙げられる。これらの基は、場合により、1以上のハロゲン(例えば、フッ素、塩基、臭素)で置換されていてもよく、また、中〜高級アルキルにあっては、1個の水酸基で置換されていてもよい。アラルキルとしては、フェニル−C1−C4アルキル、例えばベンジルを挙げることができ、場合によって、ベンゼン環上で1〜3個のハロゲンまたは低級アルキルによって置換されていてもよい。
【0015】
このようなポリマーセグメントは、それ自体公知の、例えば、ポリ(β−ベンジルアスパルテート)またはポリ(γ−ベンジルグルタメート)のベンジル基を相当するアルコールまたはアミンによるエステルまたはアミド交換することによって得ることができる。疎水性ポリマーセグメントが共重合体として表示されているのは、対応するアルキル−もしくはアラルキル−エステルもしくはアミドを部分エステル化又は、部分加水分解することにより得られる。部分エステル化の程度は、一般的に、20〜80%であることができる。また、アスパラギン酸、グルタミン酸、ラクチドは、いずれかの光学活性型のものであるか、それらの混合物であることができる。
【0016】
より具体的には、かようなブロックコポリマーは下記式(3)または(4)
【0017】
【化5】
【0018】
[上記各式中
R1およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または保護されていてもよい官能基が置換したもしくは未置換低級アルキル基を表し、
R2は水素原子、飽和もしくは不飽和のC1〜C29脂肪族カルボニル基またはアリールカルボニル基を表し、
R4は水酸基、飽和もしくは不飽和のC1〜C30脂肪族オキシ基またはアリール−低級アルキルオキシ基を表し、
R5はベンジル基、アルキルベンジル基またはアリル基を表し、
L1およびL2はそれぞれ独立して連結基を表し、
nは10〜2500の整数であり、
xおよびyは、同一もしくは異なり、それらの合計が10〜300となる整数であり、そしてx対yが8:2〜0:1の範囲内にあり、かつxおよびyは、それぞれランダムに存在する]で表されるものが好ましい。また、上式(3)および(4)におけるL1およびL2は限定されるものでないが、L1が、−NH−、−O−、−CO−、−CH2−、−O−Z−S−Z−、−O−Z−NH−および−OCO−Z−NH−(ここで、Zは独立してC1〜C4アルキレン基である)からなる群より選ばれる基を表し、
L2が、−OCO−Z−CO−および−NHCO−Z−CO−、−O−Z−NH−(ここで、ZはC1〜C4アルキレン基である)からなる群より選ばれる基を挙げることができる。、
他方、かようなブロックコポリマーから形成される高分子ミセルに内包せしめる、ピルビニウムの製薬学的に許容される無機酸もしくは有機酸の塩は、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸ならびに酢酸、クエン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸等の水溶性の有機酸もしくはパモ酸等の水難溶性の有機酸の塩であることができる。好ましくは、水難溶性の有機酸の塩を挙げることができる。また、上記の式(3)または(4)で表されるブロックコポリマーの、式中のxが正の整数となる場合には、ピルビニウムそれ自体を内包するのに好都合である。
【0019】
こうして、内包されるピルビニウムまたはその塩(以下、薬物と略記する場合あり。)とブロックコポリマーは、通常、重量比で、1:10〜1:1でありうる。
【0020】
本発明に従う、薬物を内包した高分子ミセルは、それ自体公知の方法で調製できる。例えば、特許第2777530号公報に記載の以下のa)、c)の方法、ならびに特開2001−226294号公報に記載の下記d)の方法が知られている。
a) 撹拌による薬物の封入法
水難溶性薬物を、必要により水混和性の有機溶媒に溶解して、ブロックコポリマー分散水溶液と撹拌混合する。なお、撹拌混合時に加熱することにより薬物の高分子ミセル内への封入を促進できる場合もある。
b) 溶媒揮散法
水難溶性薬物の水非混和性の有機溶媒溶液とブロックコポリマー分散水溶液とを混合し、撹拌しながら有機溶媒を揮散させる。
c) 透析法
水混和性の有機溶媒に水難溶性薬物およびブロックコポリマーを溶解した後、得られる溶液を透析膜を用い緩衝液および/または水に対して透析する。
d) その他
水非混和性の有機溶媒に水難溶性薬物およびブロックコポリマーを溶解し、得られる溶液を水と混合し、撹拌して水中油(O/W)型エマルジョンを形成し、次いで有機溶媒を揮散させる。
【0021】
しかし、好ましくは、次の方法によることができる。上記のブロックコポリマーと薬物を揮散性の有機溶媒に分散溶解する。分散溶解するとは、溶質たるブロックコポリマーと薬物とを完全に溶解した状態だけでなく、可溶化され、例えば、高分子ミセルとして分散している状態にすることを意味する。また、本明細書で溶液という場合、上記のような分散状態をも包含することがあることに注意されたい。このような目的で使用することのできる溶媒としては、生体に対して毒性の懸念される溶媒を使用せずに該目的を達成できるものであれば、いかなる溶媒であってもよいが、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、酢酸、等を使用できる。こうして、薬物が分散溶解した溶液から、溶媒を必要により減圧下で蒸発除去する。本発明では、溶媒は必ずしも完全に除去する必要はないが、溶媒除去後の残存物がペースト状ないし固形状を保つようになればよい。しかし、その後得られる薬物封入高分子ミセル含有水性溶液をそのまま注射剤とする場合には、溶媒は実質的に完全に除去されることが好ましい。
【0022】
次に、ペースト状ないしは固形状の残存物を水と一緒にし(残存物に水を加えるか、または水に残存物を加えてもよい)、30℃以下、好ましくは25℃以下、より好ましくは10℃または5℃以下の温度で撹拌する。必要により、超音波をかけてもよい。この撹拌は、ブロックコポリマーと薬物とからなる残存物が、ほぼ完全に均一分散されるのに十分な時間行われる。ポリマーの種類および薬物の種類によって均一分散される時間は変動するので限定されないが、一般的に、5時間以上、24時間以内の撹拌時間が好ましいであろう。残存物と水の量比は、1:10〜1:300であることができる。こうして、水溶液中には、薬物が内包された高分子ミセルが形成され、存在する。本発明方法に従えば、薬物内包高分子ミセルは、ダイナミック光散乱光度計(大塚電子(株)、DLS−7000DH型)で測定したところ、可溶化するときの温度を約30℃に設定すると平均粒子径が約50〜200nmであり、孔径0.22mμ(220nm)のフィルターを通過する粒子が相当の割合で得られる。こうして得られる薬物内包高分子ミセルは、限定されるものでないが、所望の組織または器官への注入剤、または注射剤として使用できる。
【0023】
0.22μmのフィルターは、通常、注射剤(皮下注射用、静脈注射用、動脈注射用、筋肉注射用、腹腔内注射用、等)の調製に際して、使用されることが公知である。上記薬物封入ポリマーミセル水溶液は、0.22μmのフィルターを用いて除菌濾過しても、上述のとおり、極めて高収率で除菌済み薬物内包高分子ミセル水溶液が得られることになる。すなわち、本発明によれば、注射剤が効率よく提供できる。このような注射剤は、本発明の好適な態様の一つとして、薬物内包高分子ミセルの安定性を向上させうる助剤、各種の糖類および各種のポリエチレングリコール(商品名、マクロゴール)を、除菌濾過前の薬物内包高分子ミセル水溶液(または水性溶液)に加える工程をさらに含んでなる方法により製造できる。限定されるものでないが、使用できる糖類としては、マルトース、トレハロース、キシリトール、グルコース、スクロース、フルクトース、ラクトース、マンニトールおよびデキストリン等が挙げられ、使用できるポリエチレングリコールとしては、分子量が約1000〜約35000であって、例えば、マクロゴール1000、1540、4000、6000、20000および35000等が挙げられる。これらの助剤は、上記残存物と水とを一緒にするとき、水に含めていても、あるいは残存物からの薬物内包高分子ミセルが水中に分散溶解した後に加え、その後、全体を除菌濾過してもよい。こうして、本発明によれば、注射剤中で薬物内包高分子ミセルを安定化しうる助剤を注射剤に簡易、かつ、安全に加えることができる。
【0024】
このような注射剤は簡易、かつ、安全に製造できるだけでなく、それらを凍結乾燥した場合には、乾燥製剤を水または水性溶液を用いて薬物封入ポリマーミセル含有溶液に再溶解または再構成するときでも、ミセル粒子間での凝集がほとんど起こらない注射液が提供できる。
【0025】
こうして得られる本発明の抗癌剤は、癌細胞が飢餓状態を生き延びるという性質を剥奪する作用を有しており、in vitro および in vivo の両方で腫瘍の増殖を抑制する。また、飢餓状態においてプロテインキナーゼB/Aktのリン酸化を抑制する(すなわち、PKB/Aktの活性化を阻止する。)。
【0026】
より具体的には、ピルビニウムの塩、特に、ピルビニウム、パモ酸のクロロホルム、DMSO、メタノール等による可溶化液は各種癌細胞株、例えば、胃癌細胞(MKN45)、膵癌細胞株(PANC−1、K−3、AsPc−1)、肝癌細胞株(Hep G2)、の培養細胞に対し、1μg/mlの濃度で殺細胞効果が認められている。さらに、該ピルビニウムの塩を内包した高分子ミセルは、上記のような有機溶媒を用いることなく例えば、滅菌水中で可溶化される。こうして可溶化された溶液は、特に、注射剤として有用である。
【0027】
【実施例】
使用したブロックコポリマーは、下記式で表される
【0028】
【化6】
【0029】
上式中、
n=15のポリマーをPEG−PBLA 12−15と略記し、
n=25のポリマーをPEG−PBLA 12−25と略記し、そして
n=50のポリマーをPEG−PBLA 12−50と略記する。
実施例1:乾固法
PEG−PBLA 12−50 30mgをスクリュー管に秤量し、クロロホルム3mLを加え、溶解した。ポリマーが溶解した後、パモ酸ピルビニウム1.5mg加えて、薬物も溶解させた。次に窒素ガスを吹き付けることにより、クロロホルムを揮発させて乾固させた。これに蒸留水3mLを加え、撹拌子を入れて密栓し、撹拌した。撹拌終了後、超音波処理(130W,1sec Puls,10分間)し、さらに0.22μmのフィルター(ミリポア製の Millex−GS)により濾過滅菌して、ミセル溶液を調製した。上記の調製はすべて室温で行った。
【0030】
上記の方法により、粒子径が70nm前後のミセルが調製できた。ミセル調製は、約8時間で完了することができた。
【0031】
ミセル溶液は室温保存では、1ケ月後でも粒子径の変化はほとんどなく安定であった。
実施例2:乾固法
PEG−PBLA 12−25 30mgをスクリュー管に秤量し、クロロホルム3mLを加え、溶解した。ポリマーが溶解した後、パモ酸ピルビニウム1.5mg加えて、薬物も溶解させた。次に窒素ガスを吹き付けることにより、クロロホルムを揮発させて乾固した。これに蒸留水3mLを加え、撹拌子を入れて密栓し、撹拌した。撹拌終了後、超音波処理(130W,1sec Puls,10分間)し、さらに0.22μmのフィルター(ミリポア製の Millex−GS)により濾過滅菌して、ミセル溶液を調製した。上記の調製はすべて室温で行った。
【0032】
上記の方法により、粒子径が65nm前後のミセルが調製できた。ミセル調製は、約8時間で完了することができた。
【0033】
またミセル溶液は冷蔵保存では、1ケ月後でも粒子径の変化はほとんどなく安定であった。
実施例3:乾固法
PEG−PBLA 12−15 30mgをスクリュー管に秤量し、クロロホルム3mLを加え、溶解した。ポリマーが溶解した後、パモ酸ピルビニウム1.5mg加えて、薬物も溶解させた。次に窒素ガスを吹き付けることにより、クロロホルムを揮発させて乾固した。これに蒸留水3mLを加え、撹拌子を入れて密栓し、撹拌した。撹拌終了後、超音波処理(130W,1sec Puls,10分間)し、さらに0.22μmのフィルター(ミリポア製の Millex−GS)により濾過滅菌して、ミセル溶液を調製した。上記の調製はすべて室温で行った。
【0034】
上記の方法により、粒子径が65nm前後のミセルが調製できた。ミセル調製は、約8時間で完了することができた。
【技術分野】
本発明は、従来抗癌作用を示すことが知られていなかったピルビニウムまたはその塩を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤に関する。
【0002】
【背景技術】
ピルビニウム・パモ酸は蟯虫(Enterobius vermicularis)の駆除に有効であることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この化合物は水には実質的に溶けない。また、この化合物は腸管からほとんど吸収されず、経口投与することにより、上述の駆虫効果を奏する。
【0003】
【非特許文献1】G.C.Cook,Gut 35,1159−1162(1994)
【0004】
【発明の開示】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
新たなタイプの抗癌剤を提供することについての必要性は依然として存在する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新たなタイプの抗癌剤を提供すべく研究を行ってきたところ、従来、蟯虫の駆除に有効であることが知られているピルビニウム・パモ酸の溶液または懸濁液、特にピルビニウム・パモ酸を内包した高分子ミセルの水溶液または水懸濁液が in vitro および in vivo の両方で腫瘍増殖を抑制することを見出した。また、ピルビニウム単独を内包する高分子ミセルも、ピルビニウム・パモ酸の高分子ミセルと同様の腫瘍増殖抑制作用を有することを見出した。
【0007】
したがって、本発明によれば、
式(1):
【0008】
【化4】
【0009】
で表されるピルビニウムまたはその製薬学的に許容される無機もしくは有機酸の塩を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤が提供される。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の抗腫瘍剤または抗癌剤とは異なる化学構造を有し、しかも注射剤(点滴およびボーラス用を包含する。)として有用な抗癌剤が提供できる。
【0011】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明を、以下に詳細に説明する。
【0012】
本発明に用いる活性薬物であるピルビニウムまたはその塩を内包した高分子ミセルは、従来から水難溶性の抗腫瘍もしくは抗癌剤の水可溶性化に用いられてきた、いずれの親水性セグメントと疎水性セグメントを含むブロックコポリマーに由来するものであってもよい。また、かかる高分子ミセルは、親水性セグメントがシエル部分を形成しそして疎水性セグメントがコア部分を形成するコア−シエル型であることが好ましい。
【0013】
具体的には、かようなブロックコポリマーは、ポリ(エチレングリコール)からなる親水性セグメントと、ポリ(β−アルキルアスパルテート)、ポリ(β−アルキルアスパルテート−コ−アスパラギン酸)、ポリ(β−アラルキルアスパルテート)、ポリ(β−アラルキルアスパルテート−コ−アスパラギン酸)、ポリ(γ−アルキルグルタメート)、ポリ(γ−アルキルグルタメート−コ−グルタミン酸)、ポリ(γ−アラルキルグルタメート)、ポリ(β−アルキルアスパルタミド)、ポリ(β−アルキルアスパルタミド−コ−アスパラギン酸)、ポリ(β−アラルキルアスパルタミド)、ポリ(β−アラルキルアスパルタミド−コ−アスパラギン酸)、ポリ(γ−アルキルグルタミド)、ポリ(γ−アルキルグルタミド−コ−グルタミン酸)、ポリ(γ−アラルキルグルタミド)、ポリ(γ−アラルキルグルタミド−コ−グルタミン酸)、ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(δ−バレロラクトン)およびポリ(γ−ブチロラクトン)からなる群より選ばれる疎水性セグメントとを含んでなる。
【0014】
上記のセグメント中における、アルキルおよびアラルキルは、それぞれ以下の意味を有する。アルキルとしては、C1−C22の直鎖もしくは分岐のアルキルであり、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル等の低級アルキル、さらに炭素数の多い中級アルキル、また、テトラデシル、ヘキサデシル、オクトデシル、ドコサニル等が挙げられる。これらの基は、場合により、1以上のハロゲン(例えば、フッ素、塩基、臭素)で置換されていてもよく、また、中〜高級アルキルにあっては、1個の水酸基で置換されていてもよい。アラルキルとしては、フェニル−C1−C4アルキル、例えばベンジルを挙げることができ、場合によって、ベンゼン環上で1〜3個のハロゲンまたは低級アルキルによって置換されていてもよい。
【0015】
このようなポリマーセグメントは、それ自体公知の、例えば、ポリ(β−ベンジルアスパルテート)またはポリ(γ−ベンジルグルタメート)のベンジル基を相当するアルコールまたはアミンによるエステルまたはアミド交換することによって得ることができる。疎水性ポリマーセグメントが共重合体として表示されているのは、対応するアルキル−もしくはアラルキル−エステルもしくはアミドを部分エステル化又は、部分加水分解することにより得られる。部分エステル化の程度は、一般的に、20〜80%であることができる。また、アスパラギン酸、グルタミン酸、ラクチドは、いずれかの光学活性型のものであるか、それらの混合物であることができる。
【0016】
より具体的には、かようなブロックコポリマーは下記式(3)または(4)
【0017】
【化5】
【0018】
[上記各式中
R1およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または保護されていてもよい官能基が置換したもしくは未置換低級アルキル基を表し、
R2は水素原子、飽和もしくは不飽和のC1〜C29脂肪族カルボニル基またはアリールカルボニル基を表し、
R4は水酸基、飽和もしくは不飽和のC1〜C30脂肪族オキシ基またはアリール−低級アルキルオキシ基を表し、
R5はベンジル基、アルキルベンジル基またはアリル基を表し、
L1およびL2はそれぞれ独立して連結基を表し、
nは10〜2500の整数であり、
xおよびyは、同一もしくは異なり、それらの合計が10〜300となる整数であり、そしてx対yが8:2〜0:1の範囲内にあり、かつxおよびyは、それぞれランダムに存在する]で表されるものが好ましい。また、上式(3)および(4)におけるL1およびL2は限定されるものでないが、L1が、−NH−、−O−、−CO−、−CH2−、−O−Z−S−Z−、−O−Z−NH−および−OCO−Z−NH−(ここで、Zは独立してC1〜C4アルキレン基である)からなる群より選ばれる基を表し、
L2が、−OCO−Z−CO−および−NHCO−Z−CO−、−O−Z−NH−(ここで、ZはC1〜C4アルキレン基である)からなる群より選ばれる基を挙げることができる。、
他方、かようなブロックコポリマーから形成される高分子ミセルに内包せしめる、ピルビニウムの製薬学的に許容される無機酸もしくは有機酸の塩は、塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸ならびに酢酸、クエン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸等の水溶性の有機酸もしくはパモ酸等の水難溶性の有機酸の塩であることができる。好ましくは、水難溶性の有機酸の塩を挙げることができる。また、上記の式(3)または(4)で表されるブロックコポリマーの、式中のxが正の整数となる場合には、ピルビニウムそれ自体を内包するのに好都合である。
【0019】
こうして、内包されるピルビニウムまたはその塩(以下、薬物と略記する場合あり。)とブロックコポリマーは、通常、重量比で、1:10〜1:1でありうる。
【0020】
本発明に従う、薬物を内包した高分子ミセルは、それ自体公知の方法で調製できる。例えば、特許第2777530号公報に記載の以下のa)、c)の方法、ならびに特開2001−226294号公報に記載の下記d)の方法が知られている。
a) 撹拌による薬物の封入法
水難溶性薬物を、必要により水混和性の有機溶媒に溶解して、ブロックコポリマー分散水溶液と撹拌混合する。なお、撹拌混合時に加熱することにより薬物の高分子ミセル内への封入を促進できる場合もある。
b) 溶媒揮散法
水難溶性薬物の水非混和性の有機溶媒溶液とブロックコポリマー分散水溶液とを混合し、撹拌しながら有機溶媒を揮散させる。
c) 透析法
水混和性の有機溶媒に水難溶性薬物およびブロックコポリマーを溶解した後、得られる溶液を透析膜を用い緩衝液および/または水に対して透析する。
d) その他
水非混和性の有機溶媒に水難溶性薬物およびブロックコポリマーを溶解し、得られる溶液を水と混合し、撹拌して水中油(O/W)型エマルジョンを形成し、次いで有機溶媒を揮散させる。
【0021】
しかし、好ましくは、次の方法によることができる。上記のブロックコポリマーと薬物を揮散性の有機溶媒に分散溶解する。分散溶解するとは、溶質たるブロックコポリマーと薬物とを完全に溶解した状態だけでなく、可溶化され、例えば、高分子ミセルとして分散している状態にすることを意味する。また、本明細書で溶液という場合、上記のような分散状態をも包含することがあることに注意されたい。このような目的で使用することのできる溶媒としては、生体に対して毒性の懸念される溶媒を使用せずに該目的を達成できるものであれば、いかなる溶媒であってもよいが、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、酢酸、等を使用できる。こうして、薬物が分散溶解した溶液から、溶媒を必要により減圧下で蒸発除去する。本発明では、溶媒は必ずしも完全に除去する必要はないが、溶媒除去後の残存物がペースト状ないし固形状を保つようになればよい。しかし、その後得られる薬物封入高分子ミセル含有水性溶液をそのまま注射剤とする場合には、溶媒は実質的に完全に除去されることが好ましい。
【0022】
次に、ペースト状ないしは固形状の残存物を水と一緒にし(残存物に水を加えるか、または水に残存物を加えてもよい)、30℃以下、好ましくは25℃以下、より好ましくは10℃または5℃以下の温度で撹拌する。必要により、超音波をかけてもよい。この撹拌は、ブロックコポリマーと薬物とからなる残存物が、ほぼ完全に均一分散されるのに十分な時間行われる。ポリマーの種類および薬物の種類によって均一分散される時間は変動するので限定されないが、一般的に、5時間以上、24時間以内の撹拌時間が好ましいであろう。残存物と水の量比は、1:10〜1:300であることができる。こうして、水溶液中には、薬物が内包された高分子ミセルが形成され、存在する。本発明方法に従えば、薬物内包高分子ミセルは、ダイナミック光散乱光度計(大塚電子(株)、DLS−7000DH型)で測定したところ、可溶化するときの温度を約30℃に設定すると平均粒子径が約50〜200nmであり、孔径0.22mμ(220nm)のフィルターを通過する粒子が相当の割合で得られる。こうして得られる薬物内包高分子ミセルは、限定されるものでないが、所望の組織または器官への注入剤、または注射剤として使用できる。
【0023】
0.22μmのフィルターは、通常、注射剤(皮下注射用、静脈注射用、動脈注射用、筋肉注射用、腹腔内注射用、等)の調製に際して、使用されることが公知である。上記薬物封入ポリマーミセル水溶液は、0.22μmのフィルターを用いて除菌濾過しても、上述のとおり、極めて高収率で除菌済み薬物内包高分子ミセル水溶液が得られることになる。すなわち、本発明によれば、注射剤が効率よく提供できる。このような注射剤は、本発明の好適な態様の一つとして、薬物内包高分子ミセルの安定性を向上させうる助剤、各種の糖類および各種のポリエチレングリコール(商品名、マクロゴール)を、除菌濾過前の薬物内包高分子ミセル水溶液(または水性溶液)に加える工程をさらに含んでなる方法により製造できる。限定されるものでないが、使用できる糖類としては、マルトース、トレハロース、キシリトール、グルコース、スクロース、フルクトース、ラクトース、マンニトールおよびデキストリン等が挙げられ、使用できるポリエチレングリコールとしては、分子量が約1000〜約35000であって、例えば、マクロゴール1000、1540、4000、6000、20000および35000等が挙げられる。これらの助剤は、上記残存物と水とを一緒にするとき、水に含めていても、あるいは残存物からの薬物内包高分子ミセルが水中に分散溶解した後に加え、その後、全体を除菌濾過してもよい。こうして、本発明によれば、注射剤中で薬物内包高分子ミセルを安定化しうる助剤を注射剤に簡易、かつ、安全に加えることができる。
【0024】
このような注射剤は簡易、かつ、安全に製造できるだけでなく、それらを凍結乾燥した場合には、乾燥製剤を水または水性溶液を用いて薬物封入ポリマーミセル含有溶液に再溶解または再構成するときでも、ミセル粒子間での凝集がほとんど起こらない注射液が提供できる。
【0025】
こうして得られる本発明の抗癌剤は、癌細胞が飢餓状態を生き延びるという性質を剥奪する作用を有しており、in vitro および in vivo の両方で腫瘍の増殖を抑制する。また、飢餓状態においてプロテインキナーゼB/Aktのリン酸化を抑制する(すなわち、PKB/Aktの活性化を阻止する。)。
【0026】
より具体的には、ピルビニウムの塩、特に、ピルビニウム、パモ酸のクロロホルム、DMSO、メタノール等による可溶化液は各種癌細胞株、例えば、胃癌細胞(MKN45)、膵癌細胞株(PANC−1、K−3、AsPc−1)、肝癌細胞株(Hep G2)、の培養細胞に対し、1μg/mlの濃度で殺細胞効果が認められている。さらに、該ピルビニウムの塩を内包した高分子ミセルは、上記のような有機溶媒を用いることなく例えば、滅菌水中で可溶化される。こうして可溶化された溶液は、特に、注射剤として有用である。
【0027】
【実施例】
使用したブロックコポリマーは、下記式で表される
【0028】
【化6】
【0029】
上式中、
n=15のポリマーをPEG−PBLA 12−15と略記し、
n=25のポリマーをPEG−PBLA 12−25と略記し、そして
n=50のポリマーをPEG−PBLA 12−50と略記する。
実施例1:乾固法
PEG−PBLA 12−50 30mgをスクリュー管に秤量し、クロロホルム3mLを加え、溶解した。ポリマーが溶解した後、パモ酸ピルビニウム1.5mg加えて、薬物も溶解させた。次に窒素ガスを吹き付けることにより、クロロホルムを揮発させて乾固させた。これに蒸留水3mLを加え、撹拌子を入れて密栓し、撹拌した。撹拌終了後、超音波処理(130W,1sec Puls,10分間)し、さらに0.22μmのフィルター(ミリポア製の Millex−GS)により濾過滅菌して、ミセル溶液を調製した。上記の調製はすべて室温で行った。
【0030】
上記の方法により、粒子径が70nm前後のミセルが調製できた。ミセル調製は、約8時間で完了することができた。
【0031】
ミセル溶液は室温保存では、1ケ月後でも粒子径の変化はほとんどなく安定であった。
実施例2:乾固法
PEG−PBLA 12−25 30mgをスクリュー管に秤量し、クロロホルム3mLを加え、溶解した。ポリマーが溶解した後、パモ酸ピルビニウム1.5mg加えて、薬物も溶解させた。次に窒素ガスを吹き付けることにより、クロロホルムを揮発させて乾固した。これに蒸留水3mLを加え、撹拌子を入れて密栓し、撹拌した。撹拌終了後、超音波処理(130W,1sec Puls,10分間)し、さらに0.22μmのフィルター(ミリポア製の Millex−GS)により濾過滅菌して、ミセル溶液を調製した。上記の調製はすべて室温で行った。
【0032】
上記の方法により、粒子径が65nm前後のミセルが調製できた。ミセル調製は、約8時間で完了することができた。
【0033】
またミセル溶液は冷蔵保存では、1ケ月後でも粒子径の変化はほとんどなく安定であった。
実施例3:乾固法
PEG−PBLA 12−15 30mgをスクリュー管に秤量し、クロロホルム3mLを加え、溶解した。ポリマーが溶解した後、パモ酸ピルビニウム1.5mg加えて、薬物も溶解させた。次に窒素ガスを吹き付けることにより、クロロホルムを揮発させて乾固した。これに蒸留水3mLを加え、撹拌子を入れて密栓し、撹拌した。撹拌終了後、超音波処理(130W,1sec Puls,10分間)し、さらに0.22μmのフィルター(ミリポア製の Millex−GS)により濾過滅菌して、ミセル溶液を調製した。上記の調製はすべて室温で行った。
【0034】
上記の方法により、粒子径が65nm前後のミセルが調製できた。ミセル調製は、約8時間で完了することができた。
Claims (6)
- 高分子ミセルが、親水性セグメントと疎水性セグメントを含むブロックコポリマーに由来し、かつ、親水性セグメントがシエル部分を形成しそして疎水性セグメントがコア部分を形成するコアーシエル型である請求項1記載の抗癌剤。
- ブロックコポリマーが、ポリ(エチレングリコール)からなる親水性セグメントと、ポリ(β−アルキルアスパルテート)、ポリ(β−アルキルアスパルテート−コ−アスパラギン酸)、ポリ(β−アラルキルアスパルテート)、ポリ(β−アラルキルアスパルテート−コ−アスパラギン酸)、ポリ(γ−アルキルグルタメート)、ポリ(γ−アルキルグルタメート−コ−グルタミン酸)、ポリ(γ−アラルキルグルタメート)、ポリ(β−アルキルアスパルタミド)、ポリ(β−アルキルアスパルタミド−コ−アスパラギン酸)、ポリ(β−アラルキルアスパルタミド)、ポリ(β−アラルキルアスパルタミド−コ−アスパラギン酸)、ポリ(γ−アルキルグルタミド)、ポリ(γ−アルキルグルタミド−コ−グルタミン酸)、ポリ(γ−アラルキルグルタミド)、ポリ(γ−アラルキルグルタミド−コ−グルタミン酸)、ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(δ−バレロラクトン)およびポリ(γ−ブチロラクトン)からなる群より選ばれる疎水性セグメントとを含んでなり、かつ、水性媒体中でポリマーミセルを形成しうる請求項2に記載の抗癌剤。
- ブロックコポリマーが、下記式(I)または(II)
R1およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または保護されていてもよい官能基が置換したもしくは未置換低級アルキル基を表し、
R2は水素原子、飽和もしくは不飽和のC1〜C29脂肪族カルボニル基またはアリールカルボニル基を表し、
R4は水酸基、飽和もしくは不飽和のC1〜C30脂肪族オキシ基またはアリール−低級アルキルオキシ基を表し、
R5はベンジル基、アルキルベンジル基またはアリル基を表し、
L1およびL2はそれぞれ独立して連結基を表し、
nは10〜2500の整数であり、
xおよびyは、同一もしくは異なり、それらの合計が10〜300となる整数であり、そしてx対yが8:2〜0:1の範囲内にあり、かつxおよびyは、それぞれランダムに存在する]で表される請求項6記載の製造方法。 - L1が、−NH−、−O−、−CO−、−CH2−、−O−Z−S−Z−、−O−Z−NH−および−OCO−Z−NH−(ここで、Zは独立してC1〜C4アルキレン基である)からなる群より選ばれる基を表し、
L2が、−OCO−Z−CO−および−NHCO−Z−CO−、−O−Z−NH−(ここで、ZはC1〜C4アルキレン基である)からなる群より選ばれる基を表す請求項4に記載の抗癌剤。
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2003
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