JP2005029013A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用ステアリング装置において、操舵感覚をより高めることができる反力発生手段を、簡単な構成で小型にすること。
【解決手段】車両用ステアリング装置10は、ステアリングハンドル21の操舵量に応じて、転舵用アクチュエータ38から転舵用動力を発生させ、転舵用動力を転舵機構30へ伝え、転舵機構にて転舵車輪35,35を転舵させるようにするとともに、ステアリングハンドルの操舵に応じた操舵反力を付与する反力発生手段25を備える。反力発生手段は、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体を封入し、車両の走行状態や操舵量に応じて磁力を変化させることで、磁性流体の粘性を変化させて操舵反力を制御するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】車両用ステアリング装置10は、ステアリングハンドル21の操舵量に応じて、転舵用アクチュエータ38から転舵用動力を発生させ、転舵用動力を転舵機構30へ伝え、転舵機構にて転舵車輪35,35を転舵させるようにするとともに、ステアリングハンドルの操舵に応じた操舵反力を付与する反力発生手段25を備える。反力発生手段は、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体を封入し、車両の走行状態や操舵量に応じて磁力を変化させることで、磁性流体の粘性を変化させて操舵反力を制御するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用ステアリング装置の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な車両用ステアリング装置は、ステアリングハンドルに転舵機構を連結することで、ステアリングハンドルの操舵力により転舵機構を介して転舵車輪を転舵させる構成である。
これに対して近年、ステアリングハンドルから転舵機構を機械的に分離し、操舵量に応じて転舵用アクチュエータが転舵用動力を発生し、この転舵用動力を転舵機構へ伝えることで車輪を転舵させる方式の、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ式(steer−by−wire、略称「SBW」)の開発が進められている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−5550号公報(第2−3頁、第5頁、図1、図10)
【0004】
特許文献1による従来の車両用ステアリング装置の概要を図10で説明する。
図10は従来の車両用ステアリング装置の概要図であり、特開平11−5550号公報の図10を再掲する。なお、符号は振り直した。
【0005】
従来の車両用ステアリング装置200は、ステアリングハンドル201から操舵系駆動手段204を機械的に分離した、ステア・バイ・ワイヤ式ステアリング装置であって、ステアリングハンドル201の操作角を操作角検出手段202で検出し、この検出信号に応じて制御手段203から制御信号を発し、この制御信号に応じて操舵系駆動手段204が左右の前輪(転舵車輪)205,205を転舵するようにしたというものである。
【0006】
制御手段203は、操舵系駆動手段204を制御することによって、ステアリングハンドル201の操作角に対する前輪205,205の転舵角θwの角度比の特性、すなわち、操舵特性を自動的に設定することができる。さらに制御手段203は、操作反力発生手段206を制御することによって、ステアリングハンドル201の操作に応じた操作反力(操舵反力)を自動的に制御することができる。この操作反力は、ステアリングハンドル201に対して回転方向に付加する操作抵抗である。
ステアリングハンドル201から操舵系駆動手段204を機械的に分離したので、相互間の機械的な制約を受けることなく、操舵特性を比較的自由に設定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、運転者の負担をより軽減するには、上記従来の車両用ステアリング装置200においても、操舵感覚(操舵フィーリング)をより高められるようにすることが好ましい。そのためには、操作反力発生手段206(反力発生手段に相当)からステアリングハンドル201へ付与する操舵反力を、常に最適な大きさにすることが求められる。
しかも、車両用ステアリング装置200は、車両の狭いスペースに配置するので小型であることが求められる。このため、操作反力発生手段206は、できるだけ簡単な構成で小型であることが好ましい。
【0008】
そこで本発明の目的は、車両用ステアリング装置において、操舵感覚をより高めることができる反力発生手段を、簡単な構成で小型にすることができる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、ステアリングハンドル等の操舵部材の操舵量に応じて、転舵用アクチュエータから転舵用動力を発生させ、この転舵用動力を転舵機構に伝え、この転舵機構にて転舵車輪を転舵させるようにするとともに、操舵部材の操舵に応じた操舵反力を操舵部材に付与する反力発生手段を備えた車両用ステアリング装置において、
反力発生手段が、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体を封入し、この磁性流体の粘性による回転抵抗を操舵反力とし、磁力の制御によって磁性流体の粘性を制御することで、この粘性の変化により操舵反力を制御するようにした構成であることを特徴とする。
【0010】
請求項1によれば、車両の走行状態や操舵量に応じて磁力を制御することにより、磁性流体の粘性を容易に制御することができる。磁性流体の粘性が変化することにより、操舵部材を操舵したときの操舵反力が変化する。従って、磁力を制御することにより、操舵反力を制御することができる。
このように、反力発生手段から操舵部材へ付与する操舵反力を、磁力を変化させるだけで、常に最適な大きさになるように極めて容易に制御することができる。この結果、運転者の操舵感覚をより高めることができる。
しかも、反力発生手段を簡単な構成で小型にすることができる。このため、反力発生手段を備えた車両用ステアリング装置を小型にすることができる。車両の狭いスペースに車両用ステアリング装置を容易に配置することができる。
【0011】
請求項2は、反力発生手段を、操舵部材に連結した操舵軸とこの操舵軸の操舵力を転舵機構に入力する入力軸との間を連結するビスカスカップリングとし、このビスカスカップリングに磁性流体を封入したことを特徴とする。ここで、「ビスカスカップリング」とは、内部に封入した液体の粘性を利用した粘性液体継手、すなわちトルク伝達機構のことである。
請求項2によれば、操舵部材に付与する操舵反力を制御するだけではなく、操舵軸からビスカスカップリングを介して入力軸へ操舵力を伝えることができる。しかも、磁性流体の粘性を制御することによって、操舵軸からビスカスカップリングを介して入力軸へ伝わる操舵力を、容易に制御することができる。
【0012】
請求項3は、反力発生手段に、ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータを備えていることを特徴とする。
請求項3によれば、磁力の制御とカップリング制御用モータの回転制御との複合的な制御をすることができる。従って、反力発生手段から操舵部材へ付与する操舵反力を、より一層きめ細かく制御することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】
先ず、車両用ステアリング装置の第1実施例について、図1〜図6に基づき説明する。
図1は本発明に係る第1実施例の車両用ステアリング装置の模式図である。車両用ステアリング装置10は、操舵部材としてのステアリングハンドル21の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ38から転舵用動力を発生させ、この転舵用動力を転舵機構30へ伝えることで、転舵機構30にて左右の転舵車輪35,35を転舵させるものである。以下、車両用ステアリング装置10について詳しく説明する。
【0015】
この車両用ステアリング装置10の操舵機構20は、運転者が握るステアリングハンドル21と、ステアリングハンドル21に連結した操舵軸22と、ステアリングハンドル21の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ23と、ステアリングハンドル21の操舵角を検出する操舵角センサ24と、ステアリングハンドル21に対する操舵反力(反力トルク)を発生する反力発生手段25と、からなる。
操作反力は、ステアリングハンドル21に対して回転方向に付加する操作抵抗である。すなわち、ステアリングハンドル21の操舵に応じた操舵反力を、ステアリングハンドル21に付与することができる。
【0016】
転舵機構30は、操舵軸22の操舵力を入力する入力軸31と、入力軸31に作用した転舵トルクを検出する転舵トルクセンサ32と、入力軸31にラックアンドピニオン機構33を介して連結したラック軸34と、ラック軸34の両端に左右の転舵車輪35,35(例えば前輪)を連結するタイロッド36,36及びナックル37,37と、入力軸31に転舵用動力を付加する転舵用アクチュエータ38と、入力軸31の回転角を検出する入力軸回転角センサ41と、ラック軸34の位置を検出するラック軸位置センサ42と、からなる。
【0017】
ラックアンドピニオン機構33は、入力軸31に形成したピニオン43とラック軸34に形成したラック44とからなる。
転舵用アクチュエータ38は、転舵用動力を発生する転舵動力モータ45と、転舵用動力を入力軸31に伝達する転舵動力伝達機構46と、からなる。転舵動力モータ45は電動モータである。転舵動力伝達機構46は、転舵動力モータ45のモータ軸に設けたウォーム47と、入力軸31に結合するとともにウォーム47に噛み合わせたウォームホイール48とからなる、ウォームギヤ機構、すなわち倍力機構である。
【0018】
ところで、転舵動力伝達機構46においては、ウォーム47のねじ山の進み角を、ねじ面の摩擦角よりも若干大きく設定してある。その理由は入力軸31側、すなわちウォームホイール48側からウォーム47を回せるようにするためである。
【0019】
このように車両用ステアリング装置10は、ラック軸34の両端から転舵トルクを取り出すようにしたエンドテイクオフ型操舵装置である。
反力発生手段25は、ステアリングハンドル21に設けた操舵軸22と、転舵機構30に設けた入力軸31と、の間を連結するビスカスカップリングである。より具体的には、操舵軸22に反力発生手段25、第1連結軸51、第1自在軸継手52、第2連結軸53及び第2自在軸継手54を介して入力軸31を連結するようにした。
【0020】
上記制御部61は操舵トルクセンサ23、操舵角センサ24、転舵トルクセンサ32、入力軸回転角センサ41、ラック軸位置センサ42からそれぞれ検出信号を受けるとともに、車両の走行速度を検出する車速センサ62、ヨー角速度(ヨー運動の角速度)を検出するヨーレートセンサ63、車両の加速度を検出する加速度センサ64、その他の各種センサ65からそれぞれ検出信号を受けて、反力発生手段25、後述するロック機構140及び転舵動力モータ45に制御信号を発するものである。
【0021】
すなわち、制御部61は、転舵動力モータ45を制御することによって、ステアリングハンドル21の操舵角に対する転舵車輪35,35の転舵角の角度比の特性、すなわち、操舵特性を自動的に設定することができる。この結果、操舵特性を車速、車両の旋回程度や加減速の有無等、車両の走行状態に応じて柔軟に設定することができる。従って、車両用ステアリング装置10の設計の自由度を高めることができる。
さらに制御部61は、ロック信号Cnをロック機構140に発することで、反力発生手段25が完全に連結状態となるように制御することができる。
【0022】
図2は本発明に係る第1実施例の操舵機構の側面図である。操舵機構20は、操舵軸22及び反力発生手段25を取付けた操舵ユニットケース71の上部を車体72に取付け、操舵ユニットケース71から第1連結軸51を突出させたものである。第1連結軸51は例えばフレキシブルチューブからなる伝動軸である。73はステアリングハンドル21の位置調整をするときに操作する操作レバーである。
【0023】
図3は本発明に係る第1実施例の操舵ユニットケース周りの断面図である。操舵ユニットケース71は、ケース本体74と、ケース本体74の開口を塞ぐリッド75と、リッド75に取付けて操舵軸22並びに操舵角センサ23周りを覆うコラムカバー76とからなる。以下、操舵ユニットケース71に対する各部材の取り合い構成について説明する。
【0024】
操舵軸22は互いに同心上に配列した複数の軸部材81〜83を連結した複合軸である。詳しく説明すると操舵軸22は、ステアリングハンドル21(図1参照)に連結した管状の第1軸81と、第1軸81内に挿通するとともに第1軸81に一端を連結したトーションバー82と、トーションバー82の他端に連結した第2軸83とからなる。
【0025】
トーションバー82は、文字通りトルクに対して正確にねじれ角が発生するメンバーであって、操舵トルクが作用すると第1軸81と第2軸83との間での相対ねじり変位を発生するものである。
【0026】
操舵トルクセンサ23は、第1軸81と第2軸83とに掛け渡すことで、第1軸81と第2軸83との間の相対ねじれ変位に応じて軸方向へ変位可能なコア91付きスライダ92と、このスライダ92の変位量(コア91の変位量)を電気信号に変換するべくセンサハウジング93に取付けたコイル94とからなる、非接触式操舵トルクセンサ(可変インダクタンス式センサ)である。
【0027】
操舵角センサ24は、第2軸83に取付けた第1プーリ101と、第2軸83と平行なセンサ軸102に取付けた第2プーリ103と、第1・第2プーリ101,103間に掛けたベルト104と、センサ軸102に取付けたコアロータ105と、コアロータ105の位相を磁気的に検知する検知素子106とからなる。
【0028】
ケース本体74は反力発生手段25及びロック機構140を収納したものであり、リッド75はセンサハウジング93及び操舵角センサ24を取付けたものである。
回転部材である第2軸83はケーブルリール111を備える。このケーブルリール111は、操舵ユニットケース71に対して回転可能に取付け、反力発生手段25及びロック機構140側に接続する電気ケーブル112を巻いた部材である。このようにすることで、電気ケーブル112を操舵トルクセンサ23や操舵角センサ24の電気ケーブルと共に操舵ユニットケース71側に集約することができる。
【0029】
図中、115は第1軸81を支持する第1軸受、116は第2軸83を支持する第2軸受、117は反力発生手段25の第3回転体123を支持する第3軸受である。
【0030】
図4は本発明に係る第1実施例の反力発生手段の断面図であり、図3に対応させて表した。
反力発生手段25は、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体128を封入し、この磁性流体128の粘性による回転抵抗を操舵反力とし、磁力の制御によって磁性流体128の粘性を制御することで、この粘性の変化により操舵反力を制御するようにした構成であることを特徴とする。
【0031】
このような反力発生手段25は、上述のようにビスカスカップリングであり、このビスカスカップリングに磁性流体128を封入したことを特徴とする。ここで、「ビスカスカップリング」とは、内部に封入した液体(すなわち、磁性流体128)の粘性を利用した粘性液体継手、すなわちトルク伝達機構のことである。
【0032】
具体的には、反力発生手段25は、第1回転体121に取付けた複数のインナプレート127・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、第1回転体121を囲う第2回転体122の内周面に取付けた複数のアウタプレート126・・・と、の間の微小の隙間(ギャップ)を、封入した液体で満たした継手である。
【0033】
より詳しく説明すると、反力発生手段25は、第2軸83に挿通するとともに第2軸83にキーやスプライン等で結合した管状の第1回転体121と、第1回転体121を囲うようにして第1回転体121に相対回転が可能に取付けた筒状で有底の第2回転体122と、第1回転体121の回転中心CL上に配置するとともに第2回転体122の底板122aにボルト止めにて取付けた第3回転体123と、第1回転体121の外周面に相対回転が可能に取付けるとともに第2回転体122の開口を塞いだリッド124と、第1回転体121内の空間125に配置した複数のアウタプレート126・・・並びに複数のインナプレート127・・・と、空間125に充填した磁性流体128と、磁性流体128に磁力を加える電磁石129とを、基本構成としたものである。
【0034】
第1回転体121は、操舵軸22における第2軸83から操舵力を入力する、内側の入力部材であり、第2軸83に対して回転が規制されるとともに軸方向へのスライドも規制される。
第2回転体122は、第1回転体121から伝わった操舵力を出力する、外側のカップ状出力部材であり、第1回転体121に対して軸方向へのスライドが規制される。
第3回転体123は、第2回転体122と第1連結軸51(図3参照)との間を連結するために、第2軸83並びに第2回転体122の各先端を覆うカップ状の伝動部材であり、先端に連結部123aを有する。連結部123aに第1連結軸51を連結することになる。
【0035】
詳しく説明すると、第2回転体122とリッド124とで囲んだ空間125において、第2回転体122は内周面に複数のアウタプレート126・・・を、スペーサリング131・・・で一定の間隔を開けた状態で、スプライン結合して固定したものである。薄板円盤状のアウタプレート126・・・は、回転が規制されるとともに軸方向へのスライドも規制された状態にある。
【0036】
一方、空間125において、第1回転体121は外周面に複数のインナプレート127・・・をスプライン結合にて回転を規制して取付けたものである。薄板円盤状の複数のインナプレート127・・・は、複数のアウタプレート126・・・と交互に配置されることになる。各インナプレート127・・・と各アウタプレート126・・・との間には、それぞれ微小の隙間(ギャップ)を有する。
【0037】
磁性流体128は、印加される磁力(磁束密度)に応じて粘性が変化する、すなわち、磁力が大きいほど粘度が大きくなる材料であり、磁性粘性流体とも言う。このような磁性流体128は、例えば、液体中に強磁性を有する高濃度の超微粒子(マグネタイト等の超微粒子)を、均一に分散させた複合材料である。
【0038】
電磁石129は、第1回転体121の回転中心CL上で、リッド124の外側面に取付けた環状の部材であり、コイルを電気ケーブル112に接続したものである。このような電磁石129は、制御部61(図1参照)から電気ケーブル112を介して受けた制御信号(制御電流)に応じて磁力が変化する。
【0039】
図中、132は第1回転体121にリッド124を支持する第4軸受、133は第1回転体121に第2回転体122を支持する第5軸受、134は第2回転体122にリッド124を固定する止め輪である。
【0040】
次に、ロック機構140について図4〜図6に基づき説明する。
図5は図4の5−5線断面図であり、アンロック状態のロック機構140を側方から見た構成を示す。図6は本発明に係る第1実施例のロック状態のロック機構を側方から見た断面図であり、図5に対応させて表した。
【0041】
図4及び図5に示すように、ロック機構140は、第2軸83に挿通するとともに第2軸83にキーやスプライン等で結合したロック用歯車141と、ロック用歯車141の歯にロック可能にスイングする爪部材142と、爪部材142をロック用歯車141に対してロック駆動させるソレノイド143と、を基本構成としたものである。爪部材142は一端にロック爪144を有するとともに他端にスイング作用部145を有する、細長いスイングアームである。
【0042】
詳しくは、ロック機構140は、リッド124にステー146を取付け、ステー146に支軸147にて爪部材142の長手中央部をスイング可能に取付け、ロック爪144がロック用歯車141の歯に噛合う方向に爪部材142をリターンスプリング148によって弾発し、ロック爪144がロック用歯車141の歯から離反する方向にスイング作用部145をソレノイド143のロッド149にて引張るようにした構成である。
【0043】
図5に示すように、ソレノイド143を励磁させることで、ロッド149は後退してスイング作用部145を引張った状態にある。この結果、ロック爪144がロック用歯車141の歯から離反しているので、ロック機構140はアンロック状態にある。その後、ソレノイド143を非励磁にすると、リターンスプリング148の弾発力によって、爪部材142は図6に示すように反転する。この結果、ロック爪144がロック用歯車141の歯に噛合うので、ロック機構140はロック状態になる。
【0044】
次に、上記構成の第1実施例の反力発生手段25の作用を、図4に基づき説明する。
ビスカスカップリングとしての反力発生手段25のトルク伝達能力については、次のように表すことができる。すなわち、ビスカスカップリングの伝達トルクT(第1回転体121から第2回転体122へ伝達可能なトルクT)については次の一般式(1)が知られている。但し、液体の粘度(粘性係数)をCとし、第1回転体121と第2回転体122との回転角速度差をΔωとする。
T=C×Δω ・・・・・・(1)
上記一般式(1)によって、反力発生手段25の伝達トルクTを求めるには、磁性流体128の粘度を上記Cとすればよい。
【0045】
ところで、上述のように磁性流体128の粘度Cは、磁性流体128に印加する電磁石129の磁力に応じて変化する。この磁力の強さは、制御部61(図1参照)から電磁石129のコイルに流す電流値、すなわち、制御電流の値に対応する。このように、制御電流が変化することで電磁石129の磁力が変化し、この磁力に応じて磁性流体128の粘度Cが変化する。この結果、上記一般式(1)から明らかなように、反力発生手段25の伝達トルクT(操舵力)が変化する。
【0046】
すなわち、第1回転体121と第2回転体122とで相対回転があれば、インナプレート127・・・とアウタプレート126・・・にも相対回転が生じる。このため、インナプレート127・・・とアウタプレート126・・・との間に充填されている磁性流体128に剪断力が生じて、相対回転を制限する働きをする。この相対回転を制限する働きは、回転角速度差Δωや磁性流体128の粘度Cの変化により、変化する。この結果、反力発生手段25の伝達トルクTや操舵反力が変化する。
【0047】
例えば、電磁石129のコイルに流す電流値を0%、つまり電磁石129を非励磁にしたときの、磁性流体128の粘度Cは最低である。この最低の粘度Cのときに、反力発生手段25のトルク伝達率を50パーセントに設定する。すなわち、第1回転体121から第2回転体122へ50%の伝達トルクTを伝えることができる。
【0048】
一方、反力発生手段25のトルク伝達率がほぼ100%のとき、すなわち、第1回転体121から第2回転体122へほぼ100%の伝達トルクTを伝えることができるときの、電磁石129のコイルに流す最大電流値を100%とする。このときの磁性流体128の粘度Cは極めて大きい。
【0049】
また、電磁石129のコイルに流す電流値を50%にしたときの、磁性流体128の粘度Cは中である。この中の粘度Cのときに、反力発生手段25のトルク伝達率を67パーセントに設定する。すなわち、第1回転体121から第2回転体122へ67%の伝達トルクTを伝えることができる。
【0050】
ところで、制御部61(図1参照)のロック信号Cnによって、ロック機構140がロック状態になることにより、第1回転体121と第2回転体122とを機械的に完全に連結する(直結する)ことができる。すなわち、第1回転体121と第2回転体122との間で、相対回転することはない。この結果、電磁石129の磁力の強さにかかわらず、第1回転体121から第2回転体122へ、100%又はほぼ100%の伝達トルクTを伝えることができる。
【0051】
次に、上記構成の第1実施例の車両用ステアリング装置10の作用を、図1に基づき説明する。
制御部61が電磁石129(図4参照)へ制御電流を発することで、車両の走行状態や操舵量に応じて電磁石129の磁力を制御することにより、磁性流体128(図4参照)の粘性を容易に制御することができる。磁性流体128の粘性が変化することにより、ステアリングハンドル21を操舵したときの操舵反力が変化する。従って、電磁石129の磁力を制御することにより、操舵反力を制御することができる。
【0052】
このように、通常状態においては、反力発生手段25からステアリングハンドル21へ付与する操舵反力を、磁力を変化させるだけで、常に最適な大きさになるように極めて容易に制御することができる。この結果、運転者の操舵感覚をより高めることができる。
【0053】
例えば、一般的な車両の操舵特性は次のように設定されている。低速走行時には、ステアリングハンドル21の操作角に対し、転舵車輪35,35の転舵角は大きい。一方、高速走行時には、操作角に対して転舵角が小さい。転舵角を小さくするためには、転舵機構30等の減速比を大きくすることになる。この結果、操舵反力は増す傾向になる。
これに対して本発明によれば、走行速度にかかわらず、反力発生手段25によって操舵反力がほぼ一定になるように制御することができる。このため、運転者の操舵感覚をより高めることができるとともに、運転者の負担をより軽減することができる。
【0054】
しかも、電磁石129に流す電流によって磁性流体128の粘性を制御することで、操舵反力や伝達トルクを制御するようにしたので、反力発生手段25を簡単な構成で小型にすることができる。このため、反力発生手段25を備えた車両用ステアリング装置10を小型にすることができる。車両の狭いスペースに車両用ステアリング装置10を容易に配置することができる。
【0055】
さらには、操舵軸22と入力軸31との間を反力発生手段25(ビスカスカップリング25)で連結し、この反力発生手段25に磁性流体128を封入したので、ステアリングハンドル21に付与する操舵反力を制御するだけではなく、操舵軸22から反力発生手段25を介して入力軸31へ操舵力を伝えることができる。しかも、磁性流体128の粘性を制御することによって、操舵軸22から反力発生手段25を介して入力軸31へ伝わる操舵力を、容易に制御することができる。
【0056】
その後、(1)何らかの要因によって操舵機構20と転舵機構30との間での電気的な接続が解除されたとき、又は(2)図示せぬイグニッションキースイッチをオフにしたときには、制御部61は連結信号Cnを発してロック機構140を連結状態にする。
すなわち、電気的な接続が解除されたときに、バックアップシステムに自動的に切り替わる。従って、ステアリングハンドル21の操舵力を反力発生手段25を介して転舵機構30へ、完全に機械的に伝えて、転舵車輪35,35を転舵することができる。
【0057】
次に、車両用ステアリング装置の第2実施例について、図7〜図9に基づき説明する。なお、上記図1〜図6に示す第1実施例と同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
図7は本発明に係る第2実施例の車両用ステアリング装置の模式図であり、上記図1に対応させて表した。図8は本発明に係る第2実施例の操舵ユニットケース周りの断面図であり、上記図3に対応させて表した。図9は本発明に係る第2実施例の反力発生手段の断面図であり、上記図4に対応させて表した。
【0059】
図7に示すように、第2実施例の車両用ステアリング装置10の操舵機構20は、反力発生手段25に、ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータ161(以下、単に「制御用モータ161」と言う。)と、制御用モータ161の回転角を検出するモータ回転角センサ162と、制御用モータ161が発生した制御用動力をビスカスカップリングに伝達する制御動力伝達機構163とを備えていることを特徴とする。
【0060】
制御用モータ161は電動モータである。制御動力伝達機構163は、制御用モータ161のモータ軸に設けたウォーム164と、第2回転体122(図9参照)に結合するとともにウォーム164に噛み合わせたウォームホイール165とからなる、ウォームギヤ機構、すなわち倍力機構である。
【0061】
ところで制御動力伝達機構163においては、ウォーム164のねじ山の進み角を、ねじ面の摩擦角よりも小さく設定してある。このため、操舵軸22側、すなわちウォームホイール165側からウォーム164を回すことはできない。
【0062】
第2実施例の制御部61は操舵トルクセンサ23、操舵角センサ24、転舵トルクセンサ32、入力軸回転角センサ41、ラック軸位置センサ42からそれぞれ検出信号を受けるとともに、車速センサ62、ヨーレートセンサ63、加速度センサ64、その他の各種センサ65からそれぞれ検出信号を受けて、反力発生手段25、ロック機構140、転舵動力モータ45及び制御用モータ161に制御信号を発することになる。
【0063】
すなわち、制御部61は、制御用モータ161を制御することによって、ステアリングハンドル21の操作に応じた操舵反力を自動的に設定し、操舵反力を反力発生手段25に付加して、次の(1)〜(4)のように制御することができる。
【0064】
(1)制御用モータ161によってウォームホイール165を、ステアリングハンドル21の操舵方向とは逆方向へ回転させた場合には、ステアリングハンドル21の操舵力を制御用モータ161の操舵反力によって打ち消す作用が働く。このため、ステアリングハンドル21を操舵するときに、操舵反力分だけ大きい操舵力が必要となる。
【0065】
(2)制御用モータ161によってウォームホイール165を、ステアリングハンドル21の操舵方向と同方向へ回転させた場合には、ステアリングハンドル21の操舵力に制御用モータ161の操舵反力を加える作用が働く。このため、ステアリングハンドル21を操舵するときに、操舵反力分だけ小さい操舵力ですむ。
【0066】
(3)ステアリングハンドル21を任意の角度で停止状態に保持させる場合には、それまでのステアリングハンドル21の回転方向とは逆方向に、制御用モータ161の操舵反力を調整しながらウォームホイール165を回転させることによって、保持力を発生させる。
【0067】
(4)その後にステアリングハンドル21を戻す場合には、ステアリングハンドル21の中立位置までステアリングハンドル21を自動的に戻す、いわゆるセルフアライニングトルクに相当する戻し力(操舵反力)が、制御用モータ161からウォームホイール165に伝達する。
【0068】
図8及び図9に示すように、操舵ユニットケース71は、ケース本体74に制御用モータ161を取付けるとともに、ケース本体74に制御動力伝達機構163を収納することができる。
さらには、第2回転体122の底板122aにウォームホイール165及び第3回転体123を重ねてボルトの共締めをすることで、第2回転体122にウォームホイール165及び第3回転体123を取付けることができる。
【0069】
次に、上記構成の第2実施例の車両用ステアリング装置10の作用を、図7〜図9に基づき説明する。
図7に示すように制御部61は、ステアリングハンドル21の操作角に対し、転舵車輪35,35の転舵角が過大であると判断した場合にビスカスカップリング25、すなわち反力発生手段25の電磁石129(図9参照)へ発する制御電流値を小さくするか零(非励磁)にする。この結果、反力発生手段25のトルク伝達率が減少するので、操作角に対して転舵角を減少させることができるとともに、操舵反力をより適切な値に増大させることができる。
【0070】
制御部61は、それでも転舵角が過大であると判断した場合には、制御用モータ161へ制御信号を発して、ステアリングハンドル21の実際の操舵力を制御用モータ161の操舵反力によって打ち消すように制御する。この結果、操作角に対して転舵角を減少させることができるとともに、操舵反力をより適切な値に増大させることができる。
【0071】
一方、制御部61は、ステアリングハンドル21の操作角に対し、転舵車輪35,35の転舵角が過小であると判断した場合に、電磁石129へ発する制御電流値を100%にする。この結果、反力発生手段25のトルク伝達率が増大するので、操作角に対して転舵角を増大させることができるとともに、操舵反力をより適切な値に減少させることができる。
【0072】
制御部61は、それでも転舵角が過小であると判断した場合には、電磁石129へ発する制御電流値を零(非励磁)にする。さらに制御部61は、制御用モータ161へ制御信号を発して、ステアリングハンドル21の実際の操舵力を制御用モータ161によって増大させるように制御する。この結果、反力発生手段25のトルク伝達率が増大するので、操作角に対して転舵角を増大させることができるとともに、操舵反力をより適切な値に減少させることができる。
【0073】
このように、第2実施例の車両用ステアリング装置10によれば、反力発生手段25に、ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータ161を備えたので、磁力の制御とカップリング制御用モータ161の回転制御との複合的な制御をすることができる。従って、反力発生手段25からステアリングハンドル21へ付与する操舵反力を、より一層きめ細かく制御することができる。
【0074】
なお、上記本発明の実施の形態において、車両を操舵するための操舵部材はステアリングハンドル21に限定されるものではなく、例えばジョイスティックであってもよい。
また、制御部61は、例えば何らかの要因によって転舵動力モータ45が停止状態となったときに、制御用モータ161に転舵動力モータ45の役割を果たさせるように、制御する構成であってもよい。
また、制御部61は、操舵トルクセンサ23に転舵トルクセンサ32の役割を果たさせるように、制御する構成であってもよい。
また、反力発生手段25は、操舵軸22並びに入力軸31に直接に連結してもよい。
【0075】
また、車両用ステアリング装置10は、操舵部材としてのステアリングハンドル21から転舵機構30を機械的に分離し、ステアリングハンドル21の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ38から転舵用動力を発生させ、この転舵用動力を転舵機構30へ伝えることで、転舵機構30にて左右の転舵車輪35,35を転舵させる方式の、いわゆるステア・バイ・ワイヤ式(steer−by−wire、略称「SBW」)のステアリング装置としてもよい。
【0076】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、反力発生手段の構成として、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体を封入し、この磁性流体の粘性による回転抵抗を操舵反力とし、車両の走行状態や操舵量に応じて磁力を変化させることで、磁性流体の粘性を変化させて操舵反力を制御するようにしたので、車両の走行状態や操舵量に応じて磁力を制御することにより、磁性流体の粘性を容易に制御することができる。磁性流体の粘性が変化することにより、操舵部材を操舵したときの操舵反力が変化する。従って、磁力を制御することにより、操舵反力を制御することができる。
このように、反力発生手段から操舵部材へ付与する操舵反力を、磁力を変化させるだけで、常に最適な大きさになるように極めて容易に制御することができる。この結果、運転者の操舵感覚をより高めることができる。
しかも、反力発生手段を簡単な構成で小型にすることができる。このため、反力発生手段を備えた車両用ステアリング装置を小型にすることができる。車両の狭いスペースに車両用ステアリング装置を容易に配置することができる。
【0077】
請求項2は、操舵部材に連結した操舵軸とこの操舵軸の操舵力を転舵機構に入力する入力軸との間を、ビスカスカップリングで連結し、このビスカスカップリングに磁性流体を封入したので、操舵部材に付与する操舵反力を制御するだけではなく、操舵軸からビスカスカップリングを介して入力軸へ操舵力を伝えることができる。しかも、磁性流体の粘性を制御することによって、操舵軸からビスカスカップリングを介して入力軸へ伝わる操舵力を、容易に制御することができる。
【0078】
請求項3は、反力発生手段に、ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータを備えたので、磁力の制御とカップリング制御用モータの回転制御との複合的な制御をすることができる。従って、反力発生手段から操舵部材へ付与する操舵反力を、より一層きめ細かく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の車両用ステアリング装置の模式図
【図2】本発明に係る第1実施例の操舵機構の側面図
【図3】本発明に係る第1実施例の操舵ユニットケース周りの断面図
【図4】本発明に係る第1実施例の反力発生手段の断面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】本発明に係る第1実施例のロック状態のロック機構を側方から見た断面図
【図7】本発明に係る第2実施例の車両用ステアリング装置の模式図
【図8】本発明に係る第2実施例の操舵ユニットケース周りの断面図
【図9】本発明に係る第2実施例の反力発生手段の断面図
【図10】従来の車両用ステアリング装置の概要図
【符号の説明】
10…車両用ステアリング装置、21…操舵部材(ステアリングハンドル)、22…操舵軸、25…反力発生手段(ビスカスカップリング)30…転舵機構、31…入力軸、35…転舵車輪、38…転舵用アクチュエータ、128…磁性流体、129…電磁石、161…カップリング制御用モータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用ステアリング装置の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な車両用ステアリング装置は、ステアリングハンドルに転舵機構を連結することで、ステアリングハンドルの操舵力により転舵機構を介して転舵車輪を転舵させる構成である。
これに対して近年、ステアリングハンドルから転舵機構を機械的に分離し、操舵量に応じて転舵用アクチュエータが転舵用動力を発生し、この転舵用動力を転舵機構へ伝えることで車輪を転舵させる方式の、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ式(steer−by−wire、略称「SBW」)の開発が進められている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−5550号公報(第2−3頁、第5頁、図1、図10)
【0004】
特許文献1による従来の車両用ステアリング装置の概要を図10で説明する。
図10は従来の車両用ステアリング装置の概要図であり、特開平11−5550号公報の図10を再掲する。なお、符号は振り直した。
【0005】
従来の車両用ステアリング装置200は、ステアリングハンドル201から操舵系駆動手段204を機械的に分離した、ステア・バイ・ワイヤ式ステアリング装置であって、ステアリングハンドル201の操作角を操作角検出手段202で検出し、この検出信号に応じて制御手段203から制御信号を発し、この制御信号に応じて操舵系駆動手段204が左右の前輪(転舵車輪)205,205を転舵するようにしたというものである。
【0006】
制御手段203は、操舵系駆動手段204を制御することによって、ステアリングハンドル201の操作角に対する前輪205,205の転舵角θwの角度比の特性、すなわち、操舵特性を自動的に設定することができる。さらに制御手段203は、操作反力発生手段206を制御することによって、ステアリングハンドル201の操作に応じた操作反力(操舵反力)を自動的に制御することができる。この操作反力は、ステアリングハンドル201に対して回転方向に付加する操作抵抗である。
ステアリングハンドル201から操舵系駆動手段204を機械的に分離したので、相互間の機械的な制約を受けることなく、操舵特性を比較的自由に設定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、運転者の負担をより軽減するには、上記従来の車両用ステアリング装置200においても、操舵感覚(操舵フィーリング)をより高められるようにすることが好ましい。そのためには、操作反力発生手段206(反力発生手段に相当)からステアリングハンドル201へ付与する操舵反力を、常に最適な大きさにすることが求められる。
しかも、車両用ステアリング装置200は、車両の狭いスペースに配置するので小型であることが求められる。このため、操作反力発生手段206は、できるだけ簡単な構成で小型であることが好ましい。
【0008】
そこで本発明の目的は、車両用ステアリング装置において、操舵感覚をより高めることができる反力発生手段を、簡単な構成で小型にすることができる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、ステアリングハンドル等の操舵部材の操舵量に応じて、転舵用アクチュエータから転舵用動力を発生させ、この転舵用動力を転舵機構に伝え、この転舵機構にて転舵車輪を転舵させるようにするとともに、操舵部材の操舵に応じた操舵反力を操舵部材に付与する反力発生手段を備えた車両用ステアリング装置において、
反力発生手段が、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体を封入し、この磁性流体の粘性による回転抵抗を操舵反力とし、磁力の制御によって磁性流体の粘性を制御することで、この粘性の変化により操舵反力を制御するようにした構成であることを特徴とする。
【0010】
請求項1によれば、車両の走行状態や操舵量に応じて磁力を制御することにより、磁性流体の粘性を容易に制御することができる。磁性流体の粘性が変化することにより、操舵部材を操舵したときの操舵反力が変化する。従って、磁力を制御することにより、操舵反力を制御することができる。
このように、反力発生手段から操舵部材へ付与する操舵反力を、磁力を変化させるだけで、常に最適な大きさになるように極めて容易に制御することができる。この結果、運転者の操舵感覚をより高めることができる。
しかも、反力発生手段を簡単な構成で小型にすることができる。このため、反力発生手段を備えた車両用ステアリング装置を小型にすることができる。車両の狭いスペースに車両用ステアリング装置を容易に配置することができる。
【0011】
請求項2は、反力発生手段を、操舵部材に連結した操舵軸とこの操舵軸の操舵力を転舵機構に入力する入力軸との間を連結するビスカスカップリングとし、このビスカスカップリングに磁性流体を封入したことを特徴とする。ここで、「ビスカスカップリング」とは、内部に封入した液体の粘性を利用した粘性液体継手、すなわちトルク伝達機構のことである。
請求項2によれば、操舵部材に付与する操舵反力を制御するだけではなく、操舵軸からビスカスカップリングを介して入力軸へ操舵力を伝えることができる。しかも、磁性流体の粘性を制御することによって、操舵軸からビスカスカップリングを介して入力軸へ伝わる操舵力を、容易に制御することができる。
【0012】
請求項3は、反力発生手段に、ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータを備えていることを特徴とする。
請求項3によれば、磁力の制御とカップリング制御用モータの回転制御との複合的な制御をすることができる。従って、反力発生手段から操舵部材へ付与する操舵反力を、より一層きめ細かく制御することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】
先ず、車両用ステアリング装置の第1実施例について、図1〜図6に基づき説明する。
図1は本発明に係る第1実施例の車両用ステアリング装置の模式図である。車両用ステアリング装置10は、操舵部材としてのステアリングハンドル21の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ38から転舵用動力を発生させ、この転舵用動力を転舵機構30へ伝えることで、転舵機構30にて左右の転舵車輪35,35を転舵させるものである。以下、車両用ステアリング装置10について詳しく説明する。
【0015】
この車両用ステアリング装置10の操舵機構20は、運転者が握るステアリングハンドル21と、ステアリングハンドル21に連結した操舵軸22と、ステアリングハンドル21の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ23と、ステアリングハンドル21の操舵角を検出する操舵角センサ24と、ステアリングハンドル21に対する操舵反力(反力トルク)を発生する反力発生手段25と、からなる。
操作反力は、ステアリングハンドル21に対して回転方向に付加する操作抵抗である。すなわち、ステアリングハンドル21の操舵に応じた操舵反力を、ステアリングハンドル21に付与することができる。
【0016】
転舵機構30は、操舵軸22の操舵力を入力する入力軸31と、入力軸31に作用した転舵トルクを検出する転舵トルクセンサ32と、入力軸31にラックアンドピニオン機構33を介して連結したラック軸34と、ラック軸34の両端に左右の転舵車輪35,35(例えば前輪)を連結するタイロッド36,36及びナックル37,37と、入力軸31に転舵用動力を付加する転舵用アクチュエータ38と、入力軸31の回転角を検出する入力軸回転角センサ41と、ラック軸34の位置を検出するラック軸位置センサ42と、からなる。
【0017】
ラックアンドピニオン機構33は、入力軸31に形成したピニオン43とラック軸34に形成したラック44とからなる。
転舵用アクチュエータ38は、転舵用動力を発生する転舵動力モータ45と、転舵用動力を入力軸31に伝達する転舵動力伝達機構46と、からなる。転舵動力モータ45は電動モータである。転舵動力伝達機構46は、転舵動力モータ45のモータ軸に設けたウォーム47と、入力軸31に結合するとともにウォーム47に噛み合わせたウォームホイール48とからなる、ウォームギヤ機構、すなわち倍力機構である。
【0018】
ところで、転舵動力伝達機構46においては、ウォーム47のねじ山の進み角を、ねじ面の摩擦角よりも若干大きく設定してある。その理由は入力軸31側、すなわちウォームホイール48側からウォーム47を回せるようにするためである。
【0019】
このように車両用ステアリング装置10は、ラック軸34の両端から転舵トルクを取り出すようにしたエンドテイクオフ型操舵装置である。
反力発生手段25は、ステアリングハンドル21に設けた操舵軸22と、転舵機構30に設けた入力軸31と、の間を連結するビスカスカップリングである。より具体的には、操舵軸22に反力発生手段25、第1連結軸51、第1自在軸継手52、第2連結軸53及び第2自在軸継手54を介して入力軸31を連結するようにした。
【0020】
上記制御部61は操舵トルクセンサ23、操舵角センサ24、転舵トルクセンサ32、入力軸回転角センサ41、ラック軸位置センサ42からそれぞれ検出信号を受けるとともに、車両の走行速度を検出する車速センサ62、ヨー角速度(ヨー運動の角速度)を検出するヨーレートセンサ63、車両の加速度を検出する加速度センサ64、その他の各種センサ65からそれぞれ検出信号を受けて、反力発生手段25、後述するロック機構140及び転舵動力モータ45に制御信号を発するものである。
【0021】
すなわち、制御部61は、転舵動力モータ45を制御することによって、ステアリングハンドル21の操舵角に対する転舵車輪35,35の転舵角の角度比の特性、すなわち、操舵特性を自動的に設定することができる。この結果、操舵特性を車速、車両の旋回程度や加減速の有無等、車両の走行状態に応じて柔軟に設定することができる。従って、車両用ステアリング装置10の設計の自由度を高めることができる。
さらに制御部61は、ロック信号Cnをロック機構140に発することで、反力発生手段25が完全に連結状態となるように制御することができる。
【0022】
図2は本発明に係る第1実施例の操舵機構の側面図である。操舵機構20は、操舵軸22及び反力発生手段25を取付けた操舵ユニットケース71の上部を車体72に取付け、操舵ユニットケース71から第1連結軸51を突出させたものである。第1連結軸51は例えばフレキシブルチューブからなる伝動軸である。73はステアリングハンドル21の位置調整をするときに操作する操作レバーである。
【0023】
図3は本発明に係る第1実施例の操舵ユニットケース周りの断面図である。操舵ユニットケース71は、ケース本体74と、ケース本体74の開口を塞ぐリッド75と、リッド75に取付けて操舵軸22並びに操舵角センサ23周りを覆うコラムカバー76とからなる。以下、操舵ユニットケース71に対する各部材の取り合い構成について説明する。
【0024】
操舵軸22は互いに同心上に配列した複数の軸部材81〜83を連結した複合軸である。詳しく説明すると操舵軸22は、ステアリングハンドル21(図1参照)に連結した管状の第1軸81と、第1軸81内に挿通するとともに第1軸81に一端を連結したトーションバー82と、トーションバー82の他端に連結した第2軸83とからなる。
【0025】
トーションバー82は、文字通りトルクに対して正確にねじれ角が発生するメンバーであって、操舵トルクが作用すると第1軸81と第2軸83との間での相対ねじり変位を発生するものである。
【0026】
操舵トルクセンサ23は、第1軸81と第2軸83とに掛け渡すことで、第1軸81と第2軸83との間の相対ねじれ変位に応じて軸方向へ変位可能なコア91付きスライダ92と、このスライダ92の変位量(コア91の変位量)を電気信号に変換するべくセンサハウジング93に取付けたコイル94とからなる、非接触式操舵トルクセンサ(可変インダクタンス式センサ)である。
【0027】
操舵角センサ24は、第2軸83に取付けた第1プーリ101と、第2軸83と平行なセンサ軸102に取付けた第2プーリ103と、第1・第2プーリ101,103間に掛けたベルト104と、センサ軸102に取付けたコアロータ105と、コアロータ105の位相を磁気的に検知する検知素子106とからなる。
【0028】
ケース本体74は反力発生手段25及びロック機構140を収納したものであり、リッド75はセンサハウジング93及び操舵角センサ24を取付けたものである。
回転部材である第2軸83はケーブルリール111を備える。このケーブルリール111は、操舵ユニットケース71に対して回転可能に取付け、反力発生手段25及びロック機構140側に接続する電気ケーブル112を巻いた部材である。このようにすることで、電気ケーブル112を操舵トルクセンサ23や操舵角センサ24の電気ケーブルと共に操舵ユニットケース71側に集約することができる。
【0029】
図中、115は第1軸81を支持する第1軸受、116は第2軸83を支持する第2軸受、117は反力発生手段25の第3回転体123を支持する第3軸受である。
【0030】
図4は本発明に係る第1実施例の反力発生手段の断面図であり、図3に対応させて表した。
反力発生手段25は、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体128を封入し、この磁性流体128の粘性による回転抵抗を操舵反力とし、磁力の制御によって磁性流体128の粘性を制御することで、この粘性の変化により操舵反力を制御するようにした構成であることを特徴とする。
【0031】
このような反力発生手段25は、上述のようにビスカスカップリングであり、このビスカスカップリングに磁性流体128を封入したことを特徴とする。ここで、「ビスカスカップリング」とは、内部に封入した液体(すなわち、磁性流体128)の粘性を利用した粘性液体継手、すなわちトルク伝達機構のことである。
【0032】
具体的には、反力発生手段25は、第1回転体121に取付けた複数のインナプレート127・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、第1回転体121を囲う第2回転体122の内周面に取付けた複数のアウタプレート126・・・と、の間の微小の隙間(ギャップ)を、封入した液体で満たした継手である。
【0033】
より詳しく説明すると、反力発生手段25は、第2軸83に挿通するとともに第2軸83にキーやスプライン等で結合した管状の第1回転体121と、第1回転体121を囲うようにして第1回転体121に相対回転が可能に取付けた筒状で有底の第2回転体122と、第1回転体121の回転中心CL上に配置するとともに第2回転体122の底板122aにボルト止めにて取付けた第3回転体123と、第1回転体121の外周面に相対回転が可能に取付けるとともに第2回転体122の開口を塞いだリッド124と、第1回転体121内の空間125に配置した複数のアウタプレート126・・・並びに複数のインナプレート127・・・と、空間125に充填した磁性流体128と、磁性流体128に磁力を加える電磁石129とを、基本構成としたものである。
【0034】
第1回転体121は、操舵軸22における第2軸83から操舵力を入力する、内側の入力部材であり、第2軸83に対して回転が規制されるとともに軸方向へのスライドも規制される。
第2回転体122は、第1回転体121から伝わった操舵力を出力する、外側のカップ状出力部材であり、第1回転体121に対して軸方向へのスライドが規制される。
第3回転体123は、第2回転体122と第1連結軸51(図3参照)との間を連結するために、第2軸83並びに第2回転体122の各先端を覆うカップ状の伝動部材であり、先端に連結部123aを有する。連結部123aに第1連結軸51を連結することになる。
【0035】
詳しく説明すると、第2回転体122とリッド124とで囲んだ空間125において、第2回転体122は内周面に複数のアウタプレート126・・・を、スペーサリング131・・・で一定の間隔を開けた状態で、スプライン結合して固定したものである。薄板円盤状のアウタプレート126・・・は、回転が規制されるとともに軸方向へのスライドも規制された状態にある。
【0036】
一方、空間125において、第1回転体121は外周面に複数のインナプレート127・・・をスプライン結合にて回転を規制して取付けたものである。薄板円盤状の複数のインナプレート127・・・は、複数のアウタプレート126・・・と交互に配置されることになる。各インナプレート127・・・と各アウタプレート126・・・との間には、それぞれ微小の隙間(ギャップ)を有する。
【0037】
磁性流体128は、印加される磁力(磁束密度)に応じて粘性が変化する、すなわち、磁力が大きいほど粘度が大きくなる材料であり、磁性粘性流体とも言う。このような磁性流体128は、例えば、液体中に強磁性を有する高濃度の超微粒子(マグネタイト等の超微粒子)を、均一に分散させた複合材料である。
【0038】
電磁石129は、第1回転体121の回転中心CL上で、リッド124の外側面に取付けた環状の部材であり、コイルを電気ケーブル112に接続したものである。このような電磁石129は、制御部61(図1参照)から電気ケーブル112を介して受けた制御信号(制御電流)に応じて磁力が変化する。
【0039】
図中、132は第1回転体121にリッド124を支持する第4軸受、133は第1回転体121に第2回転体122を支持する第5軸受、134は第2回転体122にリッド124を固定する止め輪である。
【0040】
次に、ロック機構140について図4〜図6に基づき説明する。
図5は図4の5−5線断面図であり、アンロック状態のロック機構140を側方から見た構成を示す。図6は本発明に係る第1実施例のロック状態のロック機構を側方から見た断面図であり、図5に対応させて表した。
【0041】
図4及び図5に示すように、ロック機構140は、第2軸83に挿通するとともに第2軸83にキーやスプライン等で結合したロック用歯車141と、ロック用歯車141の歯にロック可能にスイングする爪部材142と、爪部材142をロック用歯車141に対してロック駆動させるソレノイド143と、を基本構成としたものである。爪部材142は一端にロック爪144を有するとともに他端にスイング作用部145を有する、細長いスイングアームである。
【0042】
詳しくは、ロック機構140は、リッド124にステー146を取付け、ステー146に支軸147にて爪部材142の長手中央部をスイング可能に取付け、ロック爪144がロック用歯車141の歯に噛合う方向に爪部材142をリターンスプリング148によって弾発し、ロック爪144がロック用歯車141の歯から離反する方向にスイング作用部145をソレノイド143のロッド149にて引張るようにした構成である。
【0043】
図5に示すように、ソレノイド143を励磁させることで、ロッド149は後退してスイング作用部145を引張った状態にある。この結果、ロック爪144がロック用歯車141の歯から離反しているので、ロック機構140はアンロック状態にある。その後、ソレノイド143を非励磁にすると、リターンスプリング148の弾発力によって、爪部材142は図6に示すように反転する。この結果、ロック爪144がロック用歯車141の歯に噛合うので、ロック機構140はロック状態になる。
【0044】
次に、上記構成の第1実施例の反力発生手段25の作用を、図4に基づき説明する。
ビスカスカップリングとしての反力発生手段25のトルク伝達能力については、次のように表すことができる。すなわち、ビスカスカップリングの伝達トルクT(第1回転体121から第2回転体122へ伝達可能なトルクT)については次の一般式(1)が知られている。但し、液体の粘度(粘性係数)をCとし、第1回転体121と第2回転体122との回転角速度差をΔωとする。
T=C×Δω ・・・・・・(1)
上記一般式(1)によって、反力発生手段25の伝達トルクTを求めるには、磁性流体128の粘度を上記Cとすればよい。
【0045】
ところで、上述のように磁性流体128の粘度Cは、磁性流体128に印加する電磁石129の磁力に応じて変化する。この磁力の強さは、制御部61(図1参照)から電磁石129のコイルに流す電流値、すなわち、制御電流の値に対応する。このように、制御電流が変化することで電磁石129の磁力が変化し、この磁力に応じて磁性流体128の粘度Cが変化する。この結果、上記一般式(1)から明らかなように、反力発生手段25の伝達トルクT(操舵力)が変化する。
【0046】
すなわち、第1回転体121と第2回転体122とで相対回転があれば、インナプレート127・・・とアウタプレート126・・・にも相対回転が生じる。このため、インナプレート127・・・とアウタプレート126・・・との間に充填されている磁性流体128に剪断力が生じて、相対回転を制限する働きをする。この相対回転を制限する働きは、回転角速度差Δωや磁性流体128の粘度Cの変化により、変化する。この結果、反力発生手段25の伝達トルクTや操舵反力が変化する。
【0047】
例えば、電磁石129のコイルに流す電流値を0%、つまり電磁石129を非励磁にしたときの、磁性流体128の粘度Cは最低である。この最低の粘度Cのときに、反力発生手段25のトルク伝達率を50パーセントに設定する。すなわち、第1回転体121から第2回転体122へ50%の伝達トルクTを伝えることができる。
【0048】
一方、反力発生手段25のトルク伝達率がほぼ100%のとき、すなわち、第1回転体121から第2回転体122へほぼ100%の伝達トルクTを伝えることができるときの、電磁石129のコイルに流す最大電流値を100%とする。このときの磁性流体128の粘度Cは極めて大きい。
【0049】
また、電磁石129のコイルに流す電流値を50%にしたときの、磁性流体128の粘度Cは中である。この中の粘度Cのときに、反力発生手段25のトルク伝達率を67パーセントに設定する。すなわち、第1回転体121から第2回転体122へ67%の伝達トルクTを伝えることができる。
【0050】
ところで、制御部61(図1参照)のロック信号Cnによって、ロック機構140がロック状態になることにより、第1回転体121と第2回転体122とを機械的に完全に連結する(直結する)ことができる。すなわち、第1回転体121と第2回転体122との間で、相対回転することはない。この結果、電磁石129の磁力の強さにかかわらず、第1回転体121から第2回転体122へ、100%又はほぼ100%の伝達トルクTを伝えることができる。
【0051】
次に、上記構成の第1実施例の車両用ステアリング装置10の作用を、図1に基づき説明する。
制御部61が電磁石129(図4参照)へ制御電流を発することで、車両の走行状態や操舵量に応じて電磁石129の磁力を制御することにより、磁性流体128(図4参照)の粘性を容易に制御することができる。磁性流体128の粘性が変化することにより、ステアリングハンドル21を操舵したときの操舵反力が変化する。従って、電磁石129の磁力を制御することにより、操舵反力を制御することができる。
【0052】
このように、通常状態においては、反力発生手段25からステアリングハンドル21へ付与する操舵反力を、磁力を変化させるだけで、常に最適な大きさになるように極めて容易に制御することができる。この結果、運転者の操舵感覚をより高めることができる。
【0053】
例えば、一般的な車両の操舵特性は次のように設定されている。低速走行時には、ステアリングハンドル21の操作角に対し、転舵車輪35,35の転舵角は大きい。一方、高速走行時には、操作角に対して転舵角が小さい。転舵角を小さくするためには、転舵機構30等の減速比を大きくすることになる。この結果、操舵反力は増す傾向になる。
これに対して本発明によれば、走行速度にかかわらず、反力発生手段25によって操舵反力がほぼ一定になるように制御することができる。このため、運転者の操舵感覚をより高めることができるとともに、運転者の負担をより軽減することができる。
【0054】
しかも、電磁石129に流す電流によって磁性流体128の粘性を制御することで、操舵反力や伝達トルクを制御するようにしたので、反力発生手段25を簡単な構成で小型にすることができる。このため、反力発生手段25を備えた車両用ステアリング装置10を小型にすることができる。車両の狭いスペースに車両用ステアリング装置10を容易に配置することができる。
【0055】
さらには、操舵軸22と入力軸31との間を反力発生手段25(ビスカスカップリング25)で連結し、この反力発生手段25に磁性流体128を封入したので、ステアリングハンドル21に付与する操舵反力を制御するだけではなく、操舵軸22から反力発生手段25を介して入力軸31へ操舵力を伝えることができる。しかも、磁性流体128の粘性を制御することによって、操舵軸22から反力発生手段25を介して入力軸31へ伝わる操舵力を、容易に制御することができる。
【0056】
その後、(1)何らかの要因によって操舵機構20と転舵機構30との間での電気的な接続が解除されたとき、又は(2)図示せぬイグニッションキースイッチをオフにしたときには、制御部61は連結信号Cnを発してロック機構140を連結状態にする。
すなわち、電気的な接続が解除されたときに、バックアップシステムに自動的に切り替わる。従って、ステアリングハンドル21の操舵力を反力発生手段25を介して転舵機構30へ、完全に機械的に伝えて、転舵車輪35,35を転舵することができる。
【0057】
次に、車両用ステアリング装置の第2実施例について、図7〜図9に基づき説明する。なお、上記図1〜図6に示す第1実施例と同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
図7は本発明に係る第2実施例の車両用ステアリング装置の模式図であり、上記図1に対応させて表した。図8は本発明に係る第2実施例の操舵ユニットケース周りの断面図であり、上記図3に対応させて表した。図9は本発明に係る第2実施例の反力発生手段の断面図であり、上記図4に対応させて表した。
【0059】
図7に示すように、第2実施例の車両用ステアリング装置10の操舵機構20は、反力発生手段25に、ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータ161(以下、単に「制御用モータ161」と言う。)と、制御用モータ161の回転角を検出するモータ回転角センサ162と、制御用モータ161が発生した制御用動力をビスカスカップリングに伝達する制御動力伝達機構163とを備えていることを特徴とする。
【0060】
制御用モータ161は電動モータである。制御動力伝達機構163は、制御用モータ161のモータ軸に設けたウォーム164と、第2回転体122(図9参照)に結合するとともにウォーム164に噛み合わせたウォームホイール165とからなる、ウォームギヤ機構、すなわち倍力機構である。
【0061】
ところで制御動力伝達機構163においては、ウォーム164のねじ山の進み角を、ねじ面の摩擦角よりも小さく設定してある。このため、操舵軸22側、すなわちウォームホイール165側からウォーム164を回すことはできない。
【0062】
第2実施例の制御部61は操舵トルクセンサ23、操舵角センサ24、転舵トルクセンサ32、入力軸回転角センサ41、ラック軸位置センサ42からそれぞれ検出信号を受けるとともに、車速センサ62、ヨーレートセンサ63、加速度センサ64、その他の各種センサ65からそれぞれ検出信号を受けて、反力発生手段25、ロック機構140、転舵動力モータ45及び制御用モータ161に制御信号を発することになる。
【0063】
すなわち、制御部61は、制御用モータ161を制御することによって、ステアリングハンドル21の操作に応じた操舵反力を自動的に設定し、操舵反力を反力発生手段25に付加して、次の(1)〜(4)のように制御することができる。
【0064】
(1)制御用モータ161によってウォームホイール165を、ステアリングハンドル21の操舵方向とは逆方向へ回転させた場合には、ステアリングハンドル21の操舵力を制御用モータ161の操舵反力によって打ち消す作用が働く。このため、ステアリングハンドル21を操舵するときに、操舵反力分だけ大きい操舵力が必要となる。
【0065】
(2)制御用モータ161によってウォームホイール165を、ステアリングハンドル21の操舵方向と同方向へ回転させた場合には、ステアリングハンドル21の操舵力に制御用モータ161の操舵反力を加える作用が働く。このため、ステアリングハンドル21を操舵するときに、操舵反力分だけ小さい操舵力ですむ。
【0066】
(3)ステアリングハンドル21を任意の角度で停止状態に保持させる場合には、それまでのステアリングハンドル21の回転方向とは逆方向に、制御用モータ161の操舵反力を調整しながらウォームホイール165を回転させることによって、保持力を発生させる。
【0067】
(4)その後にステアリングハンドル21を戻す場合には、ステアリングハンドル21の中立位置までステアリングハンドル21を自動的に戻す、いわゆるセルフアライニングトルクに相当する戻し力(操舵反力)が、制御用モータ161からウォームホイール165に伝達する。
【0068】
図8及び図9に示すように、操舵ユニットケース71は、ケース本体74に制御用モータ161を取付けるとともに、ケース本体74に制御動力伝達機構163を収納することができる。
さらには、第2回転体122の底板122aにウォームホイール165及び第3回転体123を重ねてボルトの共締めをすることで、第2回転体122にウォームホイール165及び第3回転体123を取付けることができる。
【0069】
次に、上記構成の第2実施例の車両用ステアリング装置10の作用を、図7〜図9に基づき説明する。
図7に示すように制御部61は、ステアリングハンドル21の操作角に対し、転舵車輪35,35の転舵角が過大であると判断した場合にビスカスカップリング25、すなわち反力発生手段25の電磁石129(図9参照)へ発する制御電流値を小さくするか零(非励磁)にする。この結果、反力発生手段25のトルク伝達率が減少するので、操作角に対して転舵角を減少させることができるとともに、操舵反力をより適切な値に増大させることができる。
【0070】
制御部61は、それでも転舵角が過大であると判断した場合には、制御用モータ161へ制御信号を発して、ステアリングハンドル21の実際の操舵力を制御用モータ161の操舵反力によって打ち消すように制御する。この結果、操作角に対して転舵角を減少させることができるとともに、操舵反力をより適切な値に増大させることができる。
【0071】
一方、制御部61は、ステアリングハンドル21の操作角に対し、転舵車輪35,35の転舵角が過小であると判断した場合に、電磁石129へ発する制御電流値を100%にする。この結果、反力発生手段25のトルク伝達率が増大するので、操作角に対して転舵角を増大させることができるとともに、操舵反力をより適切な値に減少させることができる。
【0072】
制御部61は、それでも転舵角が過小であると判断した場合には、電磁石129へ発する制御電流値を零(非励磁)にする。さらに制御部61は、制御用モータ161へ制御信号を発して、ステアリングハンドル21の実際の操舵力を制御用モータ161によって増大させるように制御する。この結果、反力発生手段25のトルク伝達率が増大するので、操作角に対して転舵角を増大させることができるとともに、操舵反力をより適切な値に減少させることができる。
【0073】
このように、第2実施例の車両用ステアリング装置10によれば、反力発生手段25に、ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータ161を備えたので、磁力の制御とカップリング制御用モータ161の回転制御との複合的な制御をすることができる。従って、反力発生手段25からステアリングハンドル21へ付与する操舵反力を、より一層きめ細かく制御することができる。
【0074】
なお、上記本発明の実施の形態において、車両を操舵するための操舵部材はステアリングハンドル21に限定されるものではなく、例えばジョイスティックであってもよい。
また、制御部61は、例えば何らかの要因によって転舵動力モータ45が停止状態となったときに、制御用モータ161に転舵動力モータ45の役割を果たさせるように、制御する構成であってもよい。
また、制御部61は、操舵トルクセンサ23に転舵トルクセンサ32の役割を果たさせるように、制御する構成であってもよい。
また、反力発生手段25は、操舵軸22並びに入力軸31に直接に連結してもよい。
【0075】
また、車両用ステアリング装置10は、操舵部材としてのステアリングハンドル21から転舵機構30を機械的に分離し、ステアリングハンドル21の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ38から転舵用動力を発生させ、この転舵用動力を転舵機構30へ伝えることで、転舵機構30にて左右の転舵車輪35,35を転舵させる方式の、いわゆるステア・バイ・ワイヤ式(steer−by−wire、略称「SBW」)のステアリング装置としてもよい。
【0076】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、反力発生手段の構成として、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体を封入し、この磁性流体の粘性による回転抵抗を操舵反力とし、車両の走行状態や操舵量に応じて磁力を変化させることで、磁性流体の粘性を変化させて操舵反力を制御するようにしたので、車両の走行状態や操舵量に応じて磁力を制御することにより、磁性流体の粘性を容易に制御することができる。磁性流体の粘性が変化することにより、操舵部材を操舵したときの操舵反力が変化する。従って、磁力を制御することにより、操舵反力を制御することができる。
このように、反力発生手段から操舵部材へ付与する操舵反力を、磁力を変化させるだけで、常に最適な大きさになるように極めて容易に制御することができる。この結果、運転者の操舵感覚をより高めることができる。
しかも、反力発生手段を簡単な構成で小型にすることができる。このため、反力発生手段を備えた車両用ステアリング装置を小型にすることができる。車両の狭いスペースに車両用ステアリング装置を容易に配置することができる。
【0077】
請求項2は、操舵部材に連結した操舵軸とこの操舵軸の操舵力を転舵機構に入力する入力軸との間を、ビスカスカップリングで連結し、このビスカスカップリングに磁性流体を封入したので、操舵部材に付与する操舵反力を制御するだけではなく、操舵軸からビスカスカップリングを介して入力軸へ操舵力を伝えることができる。しかも、磁性流体の粘性を制御することによって、操舵軸からビスカスカップリングを介して入力軸へ伝わる操舵力を、容易に制御することができる。
【0078】
請求項3は、反力発生手段に、ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータを備えたので、磁力の制御とカップリング制御用モータの回転制御との複合的な制御をすることができる。従って、反力発生手段から操舵部材へ付与する操舵反力を、より一層きめ細かく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の車両用ステアリング装置の模式図
【図2】本発明に係る第1実施例の操舵機構の側面図
【図3】本発明に係る第1実施例の操舵ユニットケース周りの断面図
【図4】本発明に係る第1実施例の反力発生手段の断面図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】本発明に係る第1実施例のロック状態のロック機構を側方から見た断面図
【図7】本発明に係る第2実施例の車両用ステアリング装置の模式図
【図8】本発明に係る第2実施例の操舵ユニットケース周りの断面図
【図9】本発明に係る第2実施例の反力発生手段の断面図
【図10】従来の車両用ステアリング装置の概要図
【符号の説明】
10…車両用ステアリング装置、21…操舵部材(ステアリングハンドル)、22…操舵軸、25…反力発生手段(ビスカスカップリング)30…転舵機構、31…入力軸、35…転舵車輪、38…転舵用アクチュエータ、128…磁性流体、129…電磁石、161…カップリング制御用モータ。
Claims (3)
- ステアリングハンドル等の操舵部材の操舵量に応じて、転舵用アクチュエータから転舵用動力を発生させ、この転舵用動力を転舵機構に伝え、この転舵機構にて転舵車輪を転舵させるようにするとともに、前記操舵部材の操舵に応じた操舵反力を操舵部材に付与する反力発生手段を備えた車両用ステアリング装置において、
前記反力発生手段は、印加する磁力に応じて粘性が変化する磁性流体を封入し、この磁性流体の粘性による回転抵抗を前記操舵反力とし、前記磁力の制御によって前記磁性流体の粘性を制御することで、この粘性の変化により前記操舵反力を制御するようにした構成であることを特徴とした車両用ステアリング装置。 - 前記反力発生手段は、前記操舵部材に連結した操舵軸と、この操舵軸の操舵力を前記転舵機構に入力する入力軸と、の間を連結するビスカスカップリングであり、このビスカスカップリングに前記磁性流体を封入したことを特徴とする請求項1記載の車両用ステアリング装置。
- 前記反力発生手段は、前記ビスカスカップリングの回転を制御するカップリング制御用モータを備えていることを特徴とした請求項2記載の車両用ステアリング装置。
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