JP2005028643A - 積層物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性透明樹脂材料層の少なくとも片面に、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜80質量%及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体によるポリマーであって、重量平均分子量10000〜100000でエポキシ当量150〜1000のポリマーから得られるプライマー層を設けてなる中間積層物である。また、この中間積層物のプライマー層上に、カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、の硬化層を設けてなる積層物である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層物及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、塗料、インキ、接着剤、コーティング等との接着性に乏しい熱可塑性透明樹脂材料層に良好な接着性を付与せしめた中間積層物、及びこれに更に塗料、インキ、接着剤、コーティング等を施して積層した積層物、並びにこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性透明樹脂材料層、とりわけポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)層は、合成樹脂との接着性に乏しいため、その表面にコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、塗料、インキ、接着剤、コーティング等の層を設けているのが一般的である。しかし、これらの表面処理による効果は経時的に消失する欠点があった。
【0003】
このため、従来よりPET樹脂などの熱可塑性透明樹脂材料層の表面には各種プライマー層を設けることが提案されている。例えば、特許文献1あるいは特許文献2に見られるように、アクリル樹脂等をエポキシ樹脂等で架橋させた架橋ポリマーをプライマーとすることが行われている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−204940号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開平3−281636号公報(特許請求の範囲等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら特許文献1及び2に記載されたプライマーは、PET樹脂などの熱可塑性透明樹脂材料層と、塗料、インキ、接着剤、コーティング等との接着性の点で未だ満足できるものではなく、また、塗料、インキ、接着剤、コーティング等の種類によってはこれら自体の硬化を阻害したり物性に悪影響を与えるなどの問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、PET樹脂などの熱可塑性透明樹脂材料層と塗料、インキ、接着剤、コーティング等との接着性を満足できるものとし、且つ塗料、インキ、接着剤、コーティング等の硬化を阻害したり物性に悪影響を与えることがないプライマーを用いた良好な中間積層物及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、上記中間積層物のプライマー層上に塗料、インキ、接着剤、コーティング等の硬化層が積層された積層物及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、以下の構成とすることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の中間積層物は、熱可塑性透明樹脂材料層の少なくとも片面に、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜80質量%及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体によるポリマーであって、重量平均分子量10000〜100000でエポキシ当量150〜1000のポリマーから得られるプライマー層を設けてなることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の積層物は、上記中間積層物のプライマー層上に、カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、の硬化層を設けてなることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の積層物においては、上記硬化層がエネルギー線の照射により硬化させたものであることが好ましく、また、上記硬化層は、塗料、インキ、接着剤、コーティングから選ばれるものであることが好ましい。
【0012】
本発明の中間積層物の製造方法は、熱可塑性透明樹脂材料層の少なくとも片面に、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜80質量%及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体によるポリマーであって、重量平均分子量10000〜100000でエポキシ当量150〜1000のポリマーから得られるプライマー層を設けることを特徴とするものであり、また、本発明の積層物の製造方法は、更にこの中間積層物のプライマー層上に、カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、の硬化層を設けることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明に用いる熱可塑性透明樹脂材料層を構成する熱可塑性透明樹脂材料としては、例えば、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状ポリエステル樹脂を挙げることができ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を挙げることができる。また、ポリカーボネート樹脂も使用することができる。
【0014】
これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)は合成樹脂との接着性に乏しく、本発明の効果をより顕著に発揮し得るという観点から好ましいものである。
【0015】
上記熱可塑性透明樹脂材料としては、これらを構成するモノマーの共重合体またはこれらと小割合の他樹脂とのブレンド物も使用することができるが、上記以外のモノマー由来成分の質量割合は10質量%以下とすることが本発明の効果を顕著に発揮する観点から好ましいものである。
【0016】
本発明に用いる熱可塑性透明樹脂材料層は、熱可塑性透明樹脂材料を公知の手段で層状に成形したものであり、成形手段は何ら限定されるものではなく、本発明の積層物を用いる用途に応じて任意に選択することができる。例えば、用いる熱可塑性透明樹脂材料がポリエチレンテレフタレート(PET)であれば、溶融押出成形によりフィルム状とする等を例示することができる。熱可塑性透明樹脂材料層の層厚も用途に応じて任意に選択することができ、膜状であっても、フィルム状であっても、更には板状であってもよい。
【0017】
本発明に用いるプライマー層を構成するポリマーは、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜80質量%及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体の重合によるポリマーである。
【0018】
エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体としては、エチレンの水素の1つがエポキシ基を含有している有機基で置換された構造を有するものであればどのようなものでも差し支えないが、本発明の効果をより顕著に得るためには、好ましくは下記式(1)で表される構造(式中、Rは独立に水素原子又はメチル基であり、R1は炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分岐の飽和炭化水素基であり、R2は水素原子又はR1と結合して環を構成してもよい)の単量体がよい。
【0019】
【0020】
このような単量体の中でも特に好ましいのは下記(2)で表される構造(式中、R3は水素原子又はメチル基である)の単量体及び下記(3)で表される構造(式中、R4は水素原子又はメチル基である)の単量体のいずれか一方または双方を用いることである。
【0021】
【0022】
プライマー層を構成するポリマーに用いる、その他のエチレン性不飽和単量体としては、上記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体のエチレン性不飽和基とラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物であれば、上記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体に包含されるものを除き、どのような化合物であっても差し支えない。具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ヒドロキシエチルエステル、シクロヘキシルエステル、ベンジルエステル、トルイルエステル等)、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルスチレン、エチレン、プロピレン等を一例として例示することができる。これらの中でも本発明の効果を顕著に発揮する観点から、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル、より好ましくはアルキルエステル、特に好ましくは炭素原子数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキルエステルである。
【0023】
本発明に用いるプライマー層を構成するポリマーは、上記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体を、公知の手段により重合せしめて得ることができ、特に重合方法は限定されるものではないが、本発明に用いるプライマー層を構成するポリマーは、エチレン性不飽和基の関与する付加重合により重合させ上記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体由来のエポキシ基が残存するように重合させる必要がある。
【0024】
かかる重合の結果、重量平均分子量10000〜100000、好ましくは20000〜70000でエポキシ当量150〜1000、好ましくは150〜500となるようにする。エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体の割合はポリマーのエポキシ当量に関与し、その割合が10〜80質量%でないと上記範囲内のエポキシ当量が得られず、ポリマーの分子量及びエポキシ当量を上記範囲内とすることは、本発明の所期の効果を得る上で必要なことである。
【0025】
本発明の中間積層物は、上記熱可塑性透明樹脂材料層の少なくとも片面に、上記ポリマーから得られるプライマー層を設けたものである。プライマー層の形成方法は特に限定されるものではなく、公知の手段を任意に用いることができる。例えば、上記ポリマーを有機溶剤、例えば、トルエン、キシレン等に溶解させ、或いはさらに希釈して、上記熱可塑性透明樹脂材料層の少なくとも片面に公知の手段、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法、刷毛塗法等で塗布すればよく、その後乾燥させればプライマー層を得ることができる。
【0026】
上記プライマー層の層厚はポリマーの塗布量に左右され、プライマー層の層厚は本発明の中間積層物を使用する用途によって任意に選択することができる。通常は従来のプライマー層と同様の程度とすればよく、概ね0.5μm〜10μm、好ましくは1μm〜5μm程度であればよい。
【0027】
このようにして得られた本発明の中間積層物は、塗料、インキ、接着剤、コーティング等との接着性に優れたものであり、広範な用途に使用することができる。
【0028】
本発明の積層物は、上記本発明の中間積層物のプライマー層上に、カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、の硬化層を設けてなるものである。
【0029】
ここで、カチオン重合性樹脂としては、カチオン性物質の存在下で重合を開始する物質であれば特に限定されず、例えば、エポキシ化合物、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルトエステル化合物、ビニル化合物などの1種または2種以上を使用することができる。尚、本発明の効果を顕著に得る点から、好ましくはエポキシ樹脂もしくはエポキシ樹脂にその他のカチオン重合性樹脂を同量未満で混合したものがよい。
【0030】
エポキシ樹脂としては、特に限定されず、芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂など、公知のエポキシ樹脂を全て使用することができる。
【0031】
芳香族エポキシ樹脂としては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを例示することができ、例えば、ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂等を挙げることができる。
【0032】
また、脂環族エポキシ樹脂としては、少なくとも1個の脂環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル、あるいはシクロヘキセン環又はシクロペンテン環を有する化合物を過酸化水素等の適当な酸化剤でエポキシ化して得られるシクロヘキセンオキサイド化合物又はシクロペンテンオキサイド化合物を挙げることができる。
【0033】
少なくとも1個の脂環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルの具体例としては、水素添加ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルが挙げられる。また、シクロヘキセンオキサイド化合物又はシクロペンテンオキサイド化合物の具体例としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0034】
また、前記脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
【0035】
次に、上記ラジカル重合性樹脂とは、ラジカル重合開始剤の存在下、高分子化または架橋反応するものであり、本発明の効果をより顕著に得る点から、好ましくは1分子中に少なくとも1個以上の不飽和二重結合を有する化合物がよい。
【0036】
かかる化合物としては、例えばアクリレート化合物、メタクリレート化合物、アリルウレタン化合物、不飽和ポリエステル化合物、スチレン系化合物等が挙げられる。
【0037】
かかるラジカル重合性樹脂の中でもメタ(アクリル)基を有する化合物は、合成、入手が容易で、かつ取り扱いも容易であり、好ましく、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0038】
ここで、エポキシ(メタ)アクリレートとは、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などと、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるアクリレートである。これらのエポキシアクリレートのうち、特に好ましいものは、芳香族エポキシ樹脂のアクリレートであり、少なくとも1個の芳香核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレートである。例えば、ビスフェノールA、またはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートとして好ましいものは、1種または2種以上の水酸基含有ポリエステルや水酸基含有ポリエーテルに水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレートや、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレート等である。
【0039】
ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の多価アルコールと、1種または2種以上の多塩基酸との反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、脂肪族多価アルコールとしては、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。
【0040】
水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。
【0041】
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。
【0042】
かかる水酸基含有(メタ)アクリル酸のうち、二価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは特に好ましく、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0043】
イソシアネート類としては、分子中に少なくとも1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましく、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの2価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
【0044】
ポリエステル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の多価アルコールと、1種または2種以上の1塩基酸、多塩基酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。1塩基酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、酪酸、安息香酸が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸が挙げられる。
【0045】
ポリエーテル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエーテルと、メタ(アクリル)酸とを反応させて得られるポリエーテル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。
【0046】
アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、分子中に少なくとも1個の水酸基を持つ芳香族または脂肪族アルコール、及びそのアルキレンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートであり、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0047】
本発明の積層物は、上記本発明の中間積層物のプライマー層上に、上記カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、の硬化層を設けたものである。
【0048】
硬化の方法は何ら限定されるものではなく、任意に公知の硬化手段を選択することができ、例えば、熱感受性カチオン重合開始剤、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤、熱感受性ラジカル重合開始剤、エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤を、上記カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、の割合に応じて適宜配合し、配合した重合開始剤に適切な活性化手段(加熱及び/又はエネルギー線(紫外線等)照射等)によりこれらを活性化させることにより、上記カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、を硬化させればよい。硬化層の厚さは任意であり、積層物の用途に応じて適宜選択すればよい。
【0049】
このような硬化層は、好ましくはエネルギー線の照射により硬化させたものであることが好ましい。本発明の積層物は熱可塑性透明樹脂材料層をベースとするものであるため、加熱により重合開始剤を活性化し硬化させると積層物の用途によっては支障のある場合があるからである。これに対し、エネルギー線照射により重合開始剤を活性化して硬化させる場合には、このような問題が無く、好ましいものである。
【0050】
ここで、エネルギー線感受性カチオン重合開始剤としては、エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出させることが可能な化合物であればどのようなものでも差し支えないが、好ましくは、エネルギー線の照射によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩、またはその誘導体である。かかる化合物の代表的なものとしては、一般式、[A]m+[B]m−で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。
【0051】
ここで陽イオン[A]m+はオニウムであることが好ましく、その構造は、例えば、一般式、[(R5)aQ]m+で表すことができる。
【0052】
ここで、R5は炭素原子数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつ含んでいてもよい有機の基である。aは1〜5なる整数である。a個のR5は各々独立で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが好ましい。QはS,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,F,N=Nからなる群から選ばれる原子あるいは原子団である。また、陽イオン[A]m+中のQの原子価をqとしたとき、m=a−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
【0053】
また、陰イオン[B]m−は、ハロゲン化物錯体であることが好ましく、その構造は、例えば、一般式、[LXb]m−で表すことができる。
【0054】
ここで、Lはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(Metalloid)であり、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,Mn,Co等である。Xはハロゲン原子である。bは3〜7なる整数である。また、陰イオン[B]m−中のLの原子価をpとしたとき、m=b−pなる関係が成り立つことが必要である。
【0055】
上記一般式の陰イオン[LXb]m−の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4)−、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6)−、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6)−、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6)−、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6)−等を挙げることができる。
【0056】
また、陰イオン[B]m−は、一般式、[LXb−1(OH)]m−で表される構造のものも好ましく用いることができる。L,X,bは上記と同様である。また、その他用いることのできる陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO4)−、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3)−、フルオロスルホン酸イオン(FSO3)−、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。
【0057】
本発明では、このようなオニウム塩の中でも、下記の(イ)〜(ハ)の芳香族オニウム塩を使用することが特に有効である。これらの中から、その1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0058】
(イ) フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等のアリールジアゾニウム塩
【0059】
(ロ) ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のジアリールヨードニウム塩
【0060】
(ハ) トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4−[4’−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−[4’−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩
【0061】
また、その他好ましいものとしては、(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体や、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウム等のアルミニウム錯体とトリフェニルシラノール等のシラノール類との混合物等も挙げることができる。
【0062】
これらの中でも、実用面と光感度の観点から、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、鉄−アレーン錯体を用いることが好ましい。
【0063】
エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としては、エネルギー線照射によってラジカル重合を開始させることが可能な化合物であり、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等のケトン系化合物が好ましい。
【0064】
アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等を挙げることができる。
【0065】
ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、アニシル等を挙げることができる。
【0066】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等を挙げることができる。
【0067】
チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等を挙げることができる。
【0068】
これらのエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は、1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
【0069】
本発明に係るプライマー層上の硬化層は、上記カチオン重合性樹脂及び/又はラジカル重合性樹脂(あるいは更にこれらを硬化させるための重合開始剤)のほかに、顔料、染料、粘着物質、表面硬度向上剤、フィラーなど、任意の添加剤を含有させることができ、かかる硬化層を塗料、インキ、接着剤、コーティングなどとして構成することもできる。
【0070】
【実施例】
以下の実施例を挙げ本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】
〔実施例1、2、比較例1〕
縦1000mm、横1000mm、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の表面に、以下に示したプライマー1、2及び比較のための比較プライマーをメチルエチルケトンに溶かして塗布し、乾燥して1μm厚のプライマー層を形成して本発明の中間積層物1、2及び比較中間積層物1を得た。
【0072】
これら各積層物についてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとプライマー層の接着性を試験した。接着性はJIS5400に準拠して1mm碁盤目テープ剥離試験を行い評価した。結果はいずれも100/100であった。
【0073】
〔実施例3、4、比較例2〕
実施例1、2で得られた本発明の中間積層物1、2及び比較中間積層物1の、プライマー表面上に下記に示した光硬化性コーティング剤を5μm厚に塗布し、高圧水銀灯を用いて500J/cm2の紫外線を照射して硬化させ、ポリエチレンテレフタレートフィルム、プライマー、コーティングの3層の積層物3、4及び比較積層物2を得た。これらの積層物について、コーティング層とプライマー層の接着性を上記と同様にして試験した。結果は以下の通りであった。
【0074】
積層物3:100/100
積層物4:100/100
比較積層物2: 0/100
【0075】
比較積層物2は、上記比較例1の通りポリエチレンテレフタレートフィルムとプライマー層の接着性は良好であったが、コーティング層とプライマー層の接着性の悪いものであった。これに対し、本発明の積層物3、4はコーティング層とプライマー層との接着性も良好なものであった。
【0076】
プライマー1:グリシジルアクリレート25質量部、グリシジルメタクリレート25質量部、アクリル酸メチル25質量部、メタクリル酸メチル25質量部からなるモノマーをラジカル重合させた重量平均分子量5万、エポキシ当量228のポリマー
【0077】
プライマー2:アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル25質量部、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル25質量部、アクリル酸メチル25質量部、メタクリル酸メチル25質量部からなるモノマーをラジカル重合させた重量平均分子量5万、エポキシ当量282のポリマー
【0078】
比較プライマー:上記特許文献1(特開昭62−204940号公報)の実施例1に準じて、カルボン酸アミン基を有するポリウレタン、カルボン酸アンモニウム塩基を含有するアクリル樹脂、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、多官能性エポキシ化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含有する水性プライマー液
【0079】
光硬化性コーティング剤:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート60質量部、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル40質量部、4,4’−ビス〔ビス((β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニオ〕フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート5質量部の組成物
【0080】
〔実施例5、6〕
実施例1、2で得られた本発明の中間積層物1、2の、プライマー表面上に上記で使用した光硬化性コーティング剤の未硬化組成物を光硬化性接着剤として使用して、塗布厚が20μmとなるように塗布し、その接着剤面に厚さ18μmの電解銅箔の粗化面を張り合わせ、高圧水銀灯を用いて500J/cm2の紫外線をポリエチレンテレフタレートフィルム側から照射して接着剤を硬化させ、ポリエチレンテレフタレートフィルム、プライマー、接着剤、銅箔の4層の積層物を得た。得られた積層物はいずれも接着性の良好なものであった。
【0081】
〔実施例7〕
光硬化性コーティング剤としてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル40質量部に替えてトリメチロールプロパントリアクリレート40質量部を配合した以外は上記光硬化性コーティング剤と同様の光硬化性コーティング剤を用いて、実施例3〜6と同様にして積層物を得た。いずれの積層物も接着性の良好なものであった。
【0082】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂などの熱可塑性透明樹脂材料層と塗料、インキ、接着剤、コーティング等との接着性を満足でき、且つこれら塗料、インキ、接着剤、コーティング等の硬化を阻害したり物性に悪影響を与えることがないプライマー層を有する中間積層物及びその製造方法を提供することができる。また、上記中間積層物のプライマー層上に塗料、インキ、接着剤、コーティング等の硬化層が積層された積層物及びその製造方法を提供することができる。
Claims (6)
- 熱可塑性透明樹脂材料層の少なくとも片面に、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜80質量%及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体によるポリマーであって、重量平均分子量10000〜100000でエポキシ当量150〜1000のポリマーから得られるプライマー層を設けてなることを特徴とする中間積層物。
- 請求項1に記載の中間積層物のプライマー層上に、カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、の硬化層を設けてなることを特徴とする積層物。
- 上記硬化層がエネルギー線の照射により硬化されてなるものである請求項2に記載の積層物。
- 上記硬化層が、塗料、インキ、接着剤及びコーティングからなる群から選ばれるものである請求項2又は請求項3に記載の積層物。
- 熱可塑性透明樹脂材料層の少なくとも片面に、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜80質量%及びその他のエチレン性不飽和単量体からなる単量体によるポリマーであって、重量平均分子量10000〜100000でエポキシ当量150〜1000のポリマーから得られるプライマー層を設けることを特徴とする中間積層物の製造方法。
- 請求項5で得られた中間積層物のプライマー層上に、カチオン重合性樹脂、又はカチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂、の硬化層を設けることを特徴とする積層物の製造方法。
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-
2003
- 2003-07-08 JP JP2003193886A patent/JP2005028643A/ja active Pending
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