JP2005027811A - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】保留玉の表示態様を固定的ではなく変化のある構成とし、遊技者に抽選結果をいち早く知らせることも可能にしたパチンコ遊技機を提供することを課題とする。
【解決手段】液晶表示部6には図柄表示エリア11と、保留玉の表示をする保留玉表示エリア12とが設けられている。保留玉表示エリア12には、大当たりを確定表示する大当たり確定表示エリア13、リーチを確定表示するリーチ確定表示エリア14および抽選結果の内容が明らかにされていない未確定表示エリア15が設けられている。未確定表示エリア15から大当たり確定表示エリア13あるいはリーチ確定表示エリア14に移動可能とし、確定内容として表示する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般によく知られた「セブン機」と称されるパチンコ遊技機として、例えばスタート入賞口(始動口ともいう)に玉が入賞すると、乱数抽選によって大当たり判定が行われ、この判定結果に基づき、可変表示装置に当たり図柄が表示される。そして、スタート入賞口に入賞した玉の個数は記憶され、保留とされて、記憶された個数が表示される種類の遊技機がある。従来、保留玉の表示態様として、例えば特許文献1に示すように大当たりの可能性別に複数異なる態様で表示するようにして、面白味をもたせたパチンコ遊技機がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−65983号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大当たりの可能性を知ることができる点、遊技者に興味を抱かせることはできるが、あくまでも大当たりの可能性を表示するに留まっており、遊技者が最も関心の高い大当たりを直接的に知り得るものではない。また、表示態様も一度表示されると、同じ表示態様が維持され、変化がなく、いまひとつ面白味に欠ける。
【0005】
本発明は上記した背景をもとになされたもので、保留玉の表示態様を固定的ではなく変化のある構成とし、遊技者に抽選結果をいち早く知らせることも可能にしたパチンコ遊技機を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために本発明のパチンコ遊技機は、所定のスタート条件の成立に応じて当たりを発生させるか否かを決定するための抽選処理を実行する抽選手段と、
この抽選手段による抽選結果を保留情報として記憶する記憶手段と、
この記憶手段が記憶している保留情報を表示する保留表示手段と、
記憶手段が記憶している保留情報に基づいて図柄を可変表示することにより、抽選結果を遊技者に報知する可変表示手段とを備えたパチンコ遊技機において、
保留表示手段は、第1表示エリア及び第2表示エリアを有し、保留情報を抽選結果に応じて表示エリアのいずれかに区分して表示するとともに、所定の移動条件が成立した場合は第1表示エリアに表示している保留情報を第2表示エリアに移動して表示することを特徴とする。
【0007】
上記本発明のパチンコ遊技機では、抽選結果を保留情報として表示するエリアが第1表示エリアと第2表示エリアとに区分して表示され、所定条件が成立した場合に第1表示エリアから第2表示エリアに保留情報を移動して表示するため、保留表示に変化を持たせることができ、単調さを排除することができる。しかも、抽選結果に応じたエリア間移動のみを許容しているので、保留情報が無秩序に表示されて遊技者を混乱させることが防止できる。例えば第1表示エリアを未確定表示、第2表示エリアを確定表示とすれば移動により遊技者が最も欲しい大当たりの確定情報を早く知ることも可能となる。
【0008】
具体的には、保留表示手段は、抽選結果に応じて予め設定されている選択率に基づいて、保留情報を第1表示エリア及び第2表示エリアのいずれかに区分して表示することを特徴とするとしている。これにより、抽選結果に応じて例えば当たり、リーチおよびハズレが1つの表示エリアに混在して表示される状態とすることも可能であり、どのような遊技状態が得られるか、期待感を抱かせることができる。また、抽選結果が例えばハズレの場合に遊技者に明らかにされない状態とすることもできる。
【0009】
また、具体的には、抽選結果が当たりでない場合における第2表示エリアの選択率がゼロに設定されていることを特徴とするとしている。これにより、抽選結果が当たりでない場合、第2表示エリアには表示されないようにしているため、第2表示エリアが確定表示とすれば当たりが第2表示エリアに表示されれば必ず当たりでであることを遊技者がいち早く認識することが可能となる。
【0010】
さらに、具体的には、抽選結果がリーチでない場合における第2表示エリアの選択率がゼロに設定されていることを特徴とするとしている。これにより、抽選結果がリーチでない場合、第2表示エリアには表示されないようにしているため、さらに加えて、第2表示エリアが確定表示とすればリーチが第2表示エリアに表示されれば必ずリーチが確定であることを遊技者がいち早く認識することが可能となる。
【0011】
また、具体的には、移動条件は、可変表示手段が特定の図柄を表示する際に成立するとしている。これにより、特定図柄を表示した場合、移動条件が成立となり、第1表示エリアから第2表示エリアに移動表示されるため、抽選結果例えば当たりあるいはリーチが確定として徐々に明らかな状態とすることが可能になる。遊技者は経過を楽しみながら、明らかにされていない結果を知ることができる。
【0012】
さらに、具体的には、移動条件は、保留表示手段が第1表示エリアに表示している保留情報の個数が所定数に達している状態で、抽選手段がスタート条件の成立に伴い抽選処理を実行する際に成立するとしている。これにより、表示すべき抽選結果が発生したときに、第1表示エリアの中にある抽選結果、例えば当たりあるいはリーチが、前述の移動条件(可変表示手段の特定図柄表示)によらず、確定として明らかにすることが可能となる。このように、記憶された抽選結果が多彩に表示され、面白味を増すことができる。
【0013】
また、具体的には、可変表示手段は、第1表示エリア及び第2表示エリアに各々1個以上の保留情報が表示されている場合は、第2表示エリアに表示されている保留情報に基づいて図柄を可変表示することを特徴とするとしている。これにより、遊技者にとって有利な遊技状態の順番に抽選結果を可変表示することが可能なため、遊技者にとって好ましい遊技が展開され、遊技に熱が入る状態を呈することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明のパチンコ遊技機1の正面模式図である。パチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた透明ガラス扉2と、台枠の内側に配置されてガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。遊技盤3は、円状の遊技領域を形成している。遊技盤3の下方には、玉供給皿4が設けられている。玉供給皿4に準備された玉は、ハンドル5を含んで構成される玉発射機構によって遊技盤3に向けて発射される。遊技盤3に達した玉は、その遊技盤3の面上を落下する。
【0015】
遊技盤3の面上には、その中央付近に液晶表示部6が配設されている。液晶表示部6には、3つのキャラクタ(数字)で構成された図柄が可変表示される図柄表示エリア11(可変表示手段)と、保留玉の表示をする保留玉表示エリア12(保留表示手段)とが上下に設けられている。液晶表示部6の下方には、スタート入賞口7が配置されている。そのスタート入賞口7の下方には、当該パチンコ遊技機1が大当たりしたときに開放するアタッカー(大入賞口)8と、玉を回収するためのアウト口9が設けられている。
【0016】
次に、図2に示すのは、パチンコ遊技機1の遊技制御装置20の構成を示すブロック図である。遊技制御装置20は、メイン基板21、このメイン基板21に搭載されたCPU22、遊技プログラムを格納したROM23、RAM24、入出力回路25、CPU22からの制御信号の出力が接続される表示制御基板26、音声制御基板27、ランプ制御基板28、払出制御基板29、発射制御基板30、この遊技制御装置20に電源を供給する電源回路31を含み構成される。
【0017】
玉の通過を検知したとき検知信号を出力する検知スイッチとして、スタート入賞検出器32、アタッカー入賞検出器33が入出力回路25を介してCPU22に接続されている。アタッカー用ソレノイド34が入出力回路25を介してCPU22に接続されており、アタッカー8を開閉するときに制御される。表示制御基板26ではCPU22からの制御信号が入力され、該制御信号に応じて液晶表示部6の図柄表示エリア11および保留玉表示エリア12の表示を制御する。従って、表示制御基板26は、CPU22とともに表示制御手段を構成し、その機能を部分的に保有する場合がある。以下の説明では、表示制御手段をCPU22で代表して説明することとする。また、音声制御基板27では音声信号を作成し、音声信号が増幅されスピーカ35から音声が出力される。ランプ制御基板28ではCPU22からの制御信号が入力され制御信号に応じてランプ36を制御する。また、払出制御基板29では制御信号に応じて賞球や貸球の払出装置37を制御する。発射制御基板30では同様に玉の発射装置38を制御する。
【0018】
CPU22(抽選手段)は、所定のスタート条件が成立することに応じて大当たりを発生させるか否かを決定するための当否抽選処理を実行する機能を有している。RAM24(記憶手段)は、抽選結果を保留情報として記憶する機能を有している。図柄表示エリア11(可変表示手段)ではRAM24が記憶している保留情報に基く図柄を可変表示したのち停止表示する機能を有している。保留玉表示エリア12(保留表示手段)は、未確定表示エリア(第1表示エリア)と確定表示エリア(第2表示エリア)とに区分表示する機能を有している。CPU22は、表示制御手段として次の機能も有する。未確定表示エリア(第1表示エリア)から確定表示エリア(第2表示エリア)に結果を移動表示する移動指令の機能を有する。従って、CPU22と保留玉表示エリア12とによって保留表示手段を構成している。
【0019】
図3に示すように、保留玉表示エリア12は、上下3段に区分され、上段には抽選結果の内容が明らかにされ大当たりを確定表示する大当たり確定表示エリア13、中段には抽選結果の内容が明らかにされリーチを確定表示するリーチ確定表示エリア14および下段には明らかにされていない抽選結果の内容を表示する未確定表示エリア15が設けられている。上段と中段とが確定表示エリア、下段が未確定表示エリアとしている。各表示エリアの記憶数(保留玉数)は8個(本実施例では3段8列とし全表示エリアで合計24個)に設定されている。
【0020】
抽選結果において、図4のように処理種別が大当たりの場合に、大当たり確定表示エリア13、リーチ確定表示エリア14あるいは未確定表示エリア15のいずれか1つに定められた選択率で表示されるようにしている。すなわち、処理種別が大当たりの場合、明らかにされていない未確定表示エリア15に表示される場合と、大当たり確定表示エリア13あるいはリーチ確定表示エリア14に表示され明らかになる場合がある。また、抽選結果において、処理種別がリーチの場合に、リーチ確定表示エリア14あるいは未確定表示エリア15のいずれかに定められた選択率で表示されるようにしている。抽選結果において、処理種別がハズレの場合、全て未確定表示エリア15に表示される。従って、大当たり確定表示エリア13に表示された保留玉は必ず大当たりになる。また、リーチ確定表示エリア14に表示された保留玉は、最終的に大当たりになるか否かはわからないが、少なくともリーチになることは確定している。
【0021】
図3においては、リーチ確定表示エリア14に2個表示され、リーチ遊技が2回実行されることを表わしている。未確定表示エリア15には6個表示され、抽選結果の内容が明らかにされていない状態のものが6個あることを示している。
【0022】
各段8個の表示領域が設定され、抽選結果毎に左端から順次表示されるようにしている。左端に表示された保留玉が最古のものとしている。
【0023】
次に、このパチンコ遊技機1では、所定の移動条件が成立した場合に未確定表示エリア15に表示している保留情報(抽選結果)を確定表示エリア(大当たり確定表示エリア13、リーチ確定表示エリア14)に移動して表示するようにしている。図2で、CPU22は、未確定表示エリア15から確定表示エリアへの移動表示を行うか否かを決定するための抽選処理を実行する機能を有している。図柄表示エリア11が示す時柄が特定図柄を表示した場合に移動条件成立としている。CPU22は、移動条件成立に応じて、未確定表示エリア15に保有している大当たりを大当たり確定表示エリア13あるいはリーチ確定表示エリア14に移動表示する機能および未確定表示エリア15に保有しているリーチをリーチ確定表示エリア14に移動表示する移動指令の機能を有している。
【0024】
RAM24は、保留玉記憶領域に各表示エリア別に保留玉数を計数し記憶する機能を有している。RAM24で計数する未確定表示エリア15の表示数量が最大表示数量(本実施例では8個)に達した状態で、かつCPU22(抽選手段)が抽選処理を実行する場合に移動条件成立としている。すなわちスタート条件の成立によって抽選結果が発生しすでに満杯状態の未確定表示エリア15に表示するために、未確定表示エリア15に保有されている大当たりあるいはリーチは大当たり確定表示エリア13あるいはリーチ確定表示エリア14に移動する。
【0025】
そして、本実施例では、保留玉表示エリア12に表示された抽選結果の内容が、液晶表示部6の図柄表示エリア11に表示される保留玉の消化順序が、遊技者に有利な遊技状態の順番に設定されている。すなわち、確定表示エリア(大当たり確定表示エリア13、リーチ確定表示エリア14)、未確定表示エリア15の優先順位で、待機中抽選結果の示す処理内容を図柄表示エリア11に可変表示される。CPU22において、記憶された抽選結果の読込みのときに、前述の大当たり確定表示エリア13に大当たりがあるか否かを判定し、あれば大当たり処理が実行される。次に、リーチ確定表示エリア14にリーチがあるか否かを判定し、あればリーチ処理が実行される。
【0026】
次に、本実施形態の作用について説明する。スタート入賞口7に玉が入ると、そのスタート入賞口7に付設されたスタート入賞検出器32により入賞が検知される。スタート入賞検出器32は、玉の入賞を検知するとスタート入賞検知信号を生成し、その信号をCPU22に伝送する。CPU22(抽選手段)にスタート入賞検出器32から入賞検知信号が入力されると、その信号入力タイミングに応じてCPU22は、大当たりを発生させるかどうかを決定するための当否抽選処理を実行する。該当否抽選処理の結果を受けて、液晶表示部6の図柄表示エリア11に導出表示させるべき図柄が決定され、その決定に基づく表示制御信号が表示制御基板26に入力される。表示制御基板26は、入力された表示制御信号に応じて、液晶表示部6の図柄表示エリア11に図柄、図柄変動表示中のときには保留玉表示エリア12に保留玉を表示させる。同様に、音声出力やランプの点滅については、音声制御基板27およびランプ制御基板28で、メイン基板21から送られてくる制御信号に基づく制御を実行する。このような制御を行うためのプログラムは、メイン基板21のROM23、あるいは各制御基板のROM(図示省略)に格納されている。
【0027】
パチンコ遊技機1における大当たりの当否抽選方法を説明する。パチンコ遊技機1の遊技制御装置20(具体的にはメイン基板21)においては、スタート入賞口7に玉が入賞したタイミングに応じてCPU22が大当たり抽選用カウンタからカウンタ値を取得し、そのカウンタ値が大当たりカウンタ値に一致するか否かを判定することにより大当たりの抽選を行っている。また、大当たり抽選用カウンタとは別に設けられたリーチ抽選用カウンタからカウンタ値を取得し、大当たり抽選の結果がハズレの場合にリーチを発生させるか否かを決定するようにしている。これにより、大当たり抽選の結果がハズレであっても所定の確率でリーチが発生することになる。なお、言うまでもないことであるが、大当たりの場合は必ずリーチが発生する。
【0028】
そして、抽選処理でカウンタ値が大当たりカウンタ値に一致した場合、大当たり条件成立となる。結果として、例えば「777」などの特定図柄が停止図柄として表示される。液晶表示部6の表示例を図3に示す。図柄表示エリア11に3つのキャラクタ(数字)で構成された図柄が表示される。保留玉表示エリア12に保留玉が表示される。この保留玉表示エリア12には、図柄変動表示中にスタート入賞口7に入賞した玉の個数が記憶されこれが表示されるものである。表示中以外の当否抽選結果(以下、待機中抽選結果という)が表示されるようにしている。すなわち、スタート入賞口7に玉が入賞したことを検知して抽選が開始される。抽選された結果をRAM24に記憶する。RAM24に記憶された結果が表示されるものである。
【0029】
本実施例では、保留玉表示エリア12において、抽選結果の内容が明らかにされていない未確定表示エリア15から、大当たり確定表示エリア13あるいはリーチ確定表示エリア14に確定内容として表示エリアの移動を可能にしている。未確定表示エリアから確定表示エリアへの移動を行うか否かを決定するための抽選を実施するようにしている。エリア移動の抽選はCPU22でエリア移動抽選プログラムに従ってRAM24のワークエリアを使用して実行される。RAM24は決定された内容を記憶する記憶する。当初の抽選結果の内容の書き換えが行われる。書き換えられた内容に基づき、液晶表示部6の保留玉表示エリア12におけるエリアの移動が実行される。エリア移動抽選は、リーチ処理の実行がされる場合に、リーチ処理決定を受けてCPU22で抽選処理が実行される。
【0030】
図9(a)にエリア移動の表示例を示す。図9(a)は、図3の表示例に続く表示の過程を示している。リーチが発生した状態で、未確定表示エリア15に大当たりを保有している状態を示す。未確定表示エリア15の左端の位置に最古の大当たりがある。この大当たりについては、抽選結果に基づいて、処理種別(大当たり)と処理内容(数字333)が記憶されている。移動が決定され、未確定表示エリア15から大当たり確定表示エリア13に移動が行われる。未確定表示エリア15の保留玉数が6個から5個に変わる。大当たり表示確定エリア13の保留玉数が1個に変わる。このとき、RAM24で記憶の書き換えが行われる。この移動により、大当たりが未確定から確定となる。
【0031】
図9(b)は、図9(a)に続く表示例を示す。大当たりは優先的に図柄の可変表示に移行される。大当たり確定表示エリア13の保留玉数が「−1」デクリメントされる。図柄が可変表示されたのち停止表示される。記憶されている前述の処理内容、すなわち数字333が停止図柄として表示される。
【0032】
そして、本実施例では、未確定表示エリア15において、定められた記憶個数8個全て表示された状態に達した場合にエリアの移動が行われるようにしている。各表示エリアの記憶数はRAM24の保留玉記憶領域に各表示エリア別に計数され記憶される。結果として保留玉表示エリア12の各表示エリア(大当たり確定表示エリア13、リーチ確定表示エリア14および未確定表示エリア15)に記憶数が表示される。
【0033】
未確定表示エリア15における表示数量が最大表示数量8個に達したと計数され、かつスタート入賞口7に玉が入賞し、未確定表示エリア15に表示すべき抽選結果が発生したときに、CPU22において、未確定表示エリア15に大当たりあるいはリーチを保有しているか否か判定する。保有している場合、処理種別が大当たりあるいはリーチのうち最古の1つについて、当初の抽選結果の記憶内容の書き換えが行われる。RAM24に書き換えられた内容が記憶される。CPU22から表示制御基板26に制御信号が出力される。書き換えれた内容に基づき、大当たりあるいはリーチのうち1つが大当たり確定表示エリア13あるいはリーチ確定表示エリア14にエリア移動が実行される。
【0034】
次に、図6に示すフローチャートに従って制御フローについて説明する。ステップS1において、スタート入賞口7に玉の入賞があったか否かを判定する。YESの場合(入賞ありの場合)、ステップS2において、保留玉表示エリア12が定められた記憶数量(本実施例では24個)に達している否かを判定する。NOの場合(達していない場合)、ステップS3において、大当たり抽選処理を実行する。次に、ステップS4において、図柄変動が可能か否かを判定する。NOの場合(不可、図柄変動表示中の場合)、ステップS5において、保留処理を実行する。
【0035】
図7に保留処理の制御フローを示す。ステップS11において、抽選結果に応じて、定められた乱数によってどの表示エリアに表示されるかを決定され、保留玉表示エリア12の中の1つの表示エリアが選択される。ステップS12において、選択された表示エリアが定められた記憶数量(本実施例では1つの表示エリアで8個)に達しているか否かを判定する。NOの場合(達していない場合)、ステップS16において、選択された表示エリアの保留玉数が「+1」インクリメントされる。次に、ステップ17において、RAM24の保留玉記憶領域に個数が1個記憶される。
【0036】
図4において、保留玉表示パターン表を示している。当否抽選における定められた乱数によってどの表示エリアに表示されるかを決定される。乱数の設定で選択率も決まっている。例えば抽選結果において処理種別が大当たりの場合、14/128の率で大当たり確定表示エリア13に、40/128の率でリーチ確定表示エリア14に、74/128の率で未確定表示エリア15にそれぞれ表示される。本実施形態では、抽選結果の処理種別が大当たりの場合に、未確定表示エリア15に表示される率が最も高く設定されている。
【0037】
また、抽選結果において処理種別がリーチの場合、48/128の率でリーチ確定表示エリア14に、80/128の率で未確定表示エリア15にそれぞれ表示される。抽選結果において処理種別がハズレの場合、全て未確定表示エリア15に表示される。抽選結果毎に上記のように表示される。未確定表示エリア15には、ハズレと大当たり、リーチが1つのエリアに混在するようにしている。
【0038】
ステップS12において、YESの場合(達している場合)、ステップS13において、未確定表示エリア15(下段エリア)が選択されたか否かを判定する。YESの場合、ステップS14において、未確定表示エリア15にリーチあるいは大当たりがあるか否かを判定する。YESの場合(ある場合)、ステップS15において、未確定表示エリア15の中の最古のリーチあるいは大当たりが1つ、リーチ確定表示エリア14あるいは大当たり確定表示エリア13に移動される。すなわち、抽選結果の処理種別がリーチあるいは大当たりで未確定表示エリア15に表示されていたものが、確定として処理種別と同じ確定表示エリアに移動される。ステップS16において、移動された確定表示エリアの保留玉数が「+1」インクリメントされる。次に、ステップS17において、RAM24の保留玉記憶領域に個数が1個記憶される。
【0039】
なお、ステップS13において、NOの場合、ステップS18において、抽選結果はクリアされる。また、ステップS14において、NOの場合、ステップS18において、抽選結果はクリアされる。
【0040】
図6に戻り、ステップ4において、YESの場合(図柄変動可の場合)、ステップS7において、図柄変動処理を実行する。図8に図柄変動処理の制御フローを示す。ステップS21において、RAM24に記憶されている抽選結果を読込む。本実施形態では、待機中抽選結果が記憶されている場合、遊技者に有利な遊技状態のものから順番に処理を実行するようにしている。すなわち、大当たり確定表示エリア13、リーチ確定表示エリア14、未確定表示エリア15の優先準位で、実行される。ステップ22において、読込まれた結果に基づき、該当する表示エリアの保留玉数が「−1」デクリメントされる。次に、ステップ23において、抽選結果の示す処理内容が図柄表示エリア11に可変表示される。
【0041】
そして、本実施形態では、リーチ処理の実行が決定された場合(特定図柄を表示した場合)、エリアの移動を行うか否かを決定するエリア移動抽選を実行するようにしている。ステップ24において、リーチ発生か否かを判定する。YESの場合(リーチ発生の場合)、ステップ25において、未確定表示エリア15(下段エリア)にリーチあるいは大当たりがあるか否かを判定する。YESの場合(ありの場合)、ステップ26において、移動するか否かの抽選を実行する。
【0042】
図5において、表示エリア移動条件表を示している。偶数リーチと奇数リーチとの場合に移動の条件を異なる設定としている。例えば偶数リーチの場合、未確定表示エリア15に保有する処理種別がリーチを10/128の率でリーチ確定表示エリア14に、未確定表示エリア15に保有する処理種別が大当たりを8/128の率で大当たり確定表示エリア13にそれぞれ表示する。エリア移動は、未確定表示エリア15に保有している処理種別が大当たりあるいはリーチのうち最古の1つが移動表示されるようにしている。上記の率で移動が行われるようにしており、必ずしも移動が行われるものではない。従って、移動が行われなくても大当たりが否定されるものではない。言い換えれば未確定エリア15に処理種別が大当たりが含まれている場合がある。
【0043】
例えば奇数リーチの場合、未確定表示エリア15に保有する処理種別がリーチを64/128の率でリーチ確定表示エリア14に、未確定表示エリア15に保有する処理種別が大当たりを24/128の率で大当たり確定表示エリア14に表示する。抽選結果の内容が徐々に明らかになるようにしている。遊技者はリーチの毎に楽しみができる。
【0044】
移動条件表(図5参照)に基づき、ステップ27において、移動するか否かを判定する。YESの場合(移動する場合)、ステップ28において、未確定表示エリア15にある最古のリーチあるいは大当たりが1つ、リーチ確定表示エリア14あるいは大当たり確定表示エリア13に移動される。
【0045】
図6に戻り、ステップ1において、NOの場合、ステップS6において保留玉があるか否かを判定する。YESの場合、ステップS7において、前述説明の図柄変動処理が実行される。また、ステップS6において、NOの場合、ステップS8において、図柄の変動が停止したか否かを判定する。ステップS9において、大当たり否かを判定する。YESの場合、ステップS10において、公知の大当たり処理が実行される。
【0046】
次に、図10は本発明の他の実施例を示す。液晶表示部46には、図柄表示エリア41と保留玉表示エリア42が設けられている。保留玉表示エリア42は、上下3段に区分され、下段に大当たり表示エリア43、中段にリーチ表示エリア44および上段にハズレ表示エリア45が設けられている。下段と中段とが確定表示エリア(第2表示エリア)、上段が未確定表示エリア(第1表示エリア)としている。そして、縦に4列に区分され、抽選結果毎に順番にA表示エリア51、B表示エリア52、C表示エリア53およびD表示エリア54が設けられている。抽選結果は縦の列の1つに表示される。図10において、例えばA表示エリア51のハズレ表示エリア45に保留玉が1つ表示されており、ハズレに区分されていることを表わしている。表示エリアの記憶数(保留玉数)は4個(本実施例では1列に1個とし4列合計4個)に設定されている。
【0047】
抽選結果は、前述同様に処理種別が大当たり、リーチである場合、定められた選択率で、大当たり表示エリア43、リーチ表示エリア44およびハズレ表示エリア45に表示されるようにしている。すなわち、処理種別が大当たりの場合にハズレ表示エリア45の選択率はゼロではないようにしている。処理種別がハズレの場合には、全てハズレ表示エリア45に表示される。従って、ハズレ表示エリア45には、大当たり、リーチおよびハズレが混在して表示されている。ハズレ表示エリア45から大当たり表示エリア43、リーチ表示エリア44に移動可能とされている。抽選結果毎に区分され、明確に表示され、遊技者にとって結果が見易い。保留玉表示エリア42をこのように構成してもよい。
【0048】
なお、本実施例における保留玉表示エリアでは、確定表示エリアとして大当たりとリーチを設けているが、いずれか1つ例えば大当たりのみとしてもよい。上記以外に種類として、遊技者に有利な演出別等に追加、変更が可能であり、例えば確率変動、大当たり期待度50%等があげられる。
【0049】
また、本実施例における保留玉数の上限については変更が可能である。さらに、処理種別が大当たり、リーチである場合の、各エリアに表示される選択率の変更は可能である。そして、本実施例では表示エリアの移動は、最古の1つが移動するようにしているが、未確定表示エリアに複数ある場合、複数移動するようにしてもよい。また、ハズレ確定表示エリアを未確定表示エリアとは別に独立して設けることも可能である。
【0050】
なお、CPU22が行うエリア移動の抽選手段については、例えば表示制御基板26がその機能を有するように構成してもよい。
【0051】
以上のように構成されたパチンコ遊技機について、次のように表わすこともできる。
【0052】
所定のスタート条件が成立することに応じて当たりを発生させるか否かを決定するための当否抽選処理を実行する当否抽選手段(CPU22)と、
前記当否抽選手段の当否抽選結果の示す処理内容に基づいて図柄を表示させたのち停止表示する可変表示手段(図柄表示エリア11)と、
前記可変表示手段で表示中以外の当否抽選結果(以下、待機中抽選結果という)を、それぞれの待機中抽選結果の示す処理の種別が確定された1または複数の確定表示エリアと、処理の種別が確定されていない未確定表示エリアとに区分して表示する保留表示手段(保留玉表示エリア12)と、
前記保留表示手段の未確定表示エリアに表示された待機中抽選結果を、いずれかの前記確定表示エリアへ移動可能とする一方、前記確定表示エリアに表示された待機中抽選結果の示す処理内容を順次前記可変表示手段に移行して表示させる表示制御手段(CPU22)と、
を備えるパチンコ遊技機。
【0053】
このようなパチンコ遊技機では、可変表示中以外の当否抽選結果(待機中抽選結果)を表示するエリアとして複数エリアが設けられ、待機中抽選結果の処理種別の確定された確定表示エリアと処理種別が確定されていない未確定表示エリアとに区分して表示され、未確定表示エリアから確定表示エリアに移動可能とされているため、例えば遊技者が最も欲しい大当たりの確定情報を早く知ることも可能となる。
【0054】
保留表示手段において、各待機中抽選結果は、その処理種別に応じて、少なくとも待機中抽選結果の処理種別がそのまま確定された確定表示エリアと処理種別が確定されていない未確定表示エリアとを含む複数の表示エリアのいずれか1つに選択的に表示され、表示制御手段による未確定表示エリアから確定表示エリアへの移動指令により、保留表示手段において未確定表示エリアに選択表示されたいずれかの待機中抽選結果が、当否抽選により取得された処理種別に対応する確定表示エリアに移動表示されるようにしてもよい。
【0055】
これにより、待機中抽選結果を表示するエリアが、確定表示エリアと、未確定表示エリアとに分けて設けられ、いずれかに表示されるため、結果を遊技者が直ちに得られる場合もあり、例えば遊技者にとって有利な大当たりを早く知ることができる。また、移動表示される場合もあり、待機中抽選結果の処理種別が未確定であったものが徐々に明らかにされ確定として表示され、遊技者は経過を楽しむことができる。
【0056】
また、具体的には、保留表示手段の確定表示エリアは、当たり処理の実行が確定された当たり確定表示エリア(大当たり確定表示エリア13)と、リーチ処理の実行が確定されたリーチ確定表示エリア(リーチ確定表示エリア14)と、を含み、保留表示手段は、待機中抽選結果の示す処理種別が当たりである場合に、当たり確定表示エリア、リーチ確定表示エリアおよび未確定表示エリアのうちいずれか1つに選択的に表示するとともに、待機中抽選結果の示す処理種別がリーチである場合に、リーチ確定表示エリアおよび未確定表示エリアのうちいずれか1つに選択的に表示してもよい。
【0057】
これにより、確定表示エリアとして、当たり処理の実行が確定された当たりを表示するエリアが設けられ、遊技者が最も欲しい大当たりの確定を早く知ることもできる。また、リーチ処理の実行の確定されたリーチを表示するエリアが設けられ、リーチの確定を遊技者が知ることができ、遊技者に期待感を抱かせ遊技の継続が図れる。待機中抽選結果の処理種別が当たりの場合に、必ずしも確定表示エリアに表示されるのではなく、遊技者には明らかにされていない状態とされるケースもある。したがって、未確定表示エリアの中に処理種別の当たりが含まれており、当たりの期待が持ち越されることになり、面白味が増す。また、待機中抽選結果の処理種別がリーチの場合にも同様に、確定として遊技者に明らかにされるケースと明らかにされないケースとがあり、一層面白味を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパチンコ遊技機の正面図。
【図2】本発明のパチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図3】液晶表示部の表示例。
【図4】保留玉表示パターン表。
【図5】保留玉に係る表示エリアの移動条件表。
【図6】保留玉に係る遊技処理の基本例を示すフローチャート。
【図7】保留処理を示すフローチャート。
【図8】図柄変動処理を示すフローチャート。
【図9】図3に続く液晶表示部の表示例。
【図10】液晶表示部の他の実施例を示す表示例。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
6 液晶表示部
7 スタート入賞口
11 図柄表示エリア(可変表示手段)
12 保留玉表示エリア(保留表示手段)
13 大当たり確定表示エリア(第2表示エリア)
14 リーチ確定表示エリア(第2表示エリア)
15 未確定表示エリア(第1表示エリア)
22 CPU(抽選手段)
23 ROM
24 RAM(記憶手段)

Claims (7)

  1. 所定のスタート条件の成立に応じて当たりを発生させるか否かを決定するための抽選処理を実行する抽選手段と、
    この抽選手段による抽選結果を保留情報として記憶する記憶手段と、
    この記憶手段が記憶している保留情報を表示する保留表示手段と、
    前記記憶手段が記憶している保留情報に基づいて図柄を可変表示することにより、前記抽選結果を遊技者に報知する可変表示手段とを備えたパチンコ遊技機において、
    前記保留表示手段は、第1表示エリア及び第2表示エリアを有し、前記保留情報を前記抽選結果に応じて前記表示エリアのいずれかに区分して表示するとともに、所定の移動条件が成立した場合は前記第1表示エリアに表示している保留情報を前記第2表示エリアに移動して表示することを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 前記保留表示手段は、前記抽選結果に応じて予め設定されている選択率に基づいて、前記保留情報を前記第1表示エリア及び第2表示エリアのいずれかに区分して表示することを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
  3. 前記抽選結果が当たりでない場合における前記第2表示エリアの選択率がゼロに設定されていることを特徴とする請求項2記載のパチンコ遊技機。
  4. 前記抽選結果がリーチでない場合における前記第2表示エリアの選択率がゼロに設定されていることを特徴とする請求項2記載のパチンコ遊技機。
  5. 前記移動条件は、前記可変表示手段が特定の図柄を表示する際に成立する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
  6. 前記移動条件は、前記保留表示手段が前記第1表示エリアに表示している保留情報の個数が所定数に達している状態で、前記抽選手段が前記スタート条件の成立に伴い抽選処理を実行する際に成立する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
  7. 前記可変表示手段は、前記第1表示エリア及び第2表示エリアに各々1個以上の保留情報が表示されている場合は、前記第2表示エリアに表示されている保留情報に基づいて図柄を可変表示することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のパチンコ遊技機。
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