JP2005027797A - 遊技機、および、その画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表示制御部30は、主制御部20からの指示に基づいてLCD35における動画像の表示態様を選定する表示制御プロセッサ部31と、選定された表示態様をLCD35に表示するための描画データを生成するVDP部33と、描画データの生成に用いられる複数の基本画像データを不揮発的に記憶するキャラクタROM340とを備え、表示制御プロセッサ部31は、表示態様の選定に加え、VDP部33が合成する画像データのひとつである外部画像データを生成するプロセッサである。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機、および、その画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機には、遊技の興趣を高めるため、搭載された画像表示装置によって、遊技の進行に応じて動画像を画像表示部に表示するものがある。これらの遊技機の画像表示装置は、遊技の進行を制御する主制御装置からの指示に基づいて画像表示部における動画像の表示態様を選定する表示制御プロセッサ、選定された表示態様を画像表示部に表示するための描画データを生成する画像表示プロセッサ(Video Display Processor、以下、VDPという)、VDPによって描画データの生成に用いられる複数の基本画像データを不揮発的に記憶するROM(Read Only Memory)を備える。
【0003】
遊技機の画像表示装置において、VDPは、画像表示部の表示書き換え速度に対応する高速処理性能が求められるため、論理回路を組み合わせたハードウェアに基づいて処理を行うプロセッサである。一方、表示制御プロセッサは、VDPほどの高速処理性能の必要性よりも、表示態様選定処理の開発における自由度が求められるため、ソフトウェアに基づいて処理を行うプロセッサである。
【0004】
従来、遊技機の画像表示装置は、表示制御プロセッサが選定した表示態様に基づいて、VDPがROMに記憶された複数の基本画像データの幾つかを順次読み出し合成することによって描画データを生成していた。このVDPには、基本画像データを読み出し合成する際には、この基本画像データに回転・反転などの画像処理を施すことができるものもある。この生成された描画データは、画像表示部に順次出力され、動画像が画像表示部に表示される。
【0005】
下記文献には、VDPがROMに記憶された複数の基本画像データの幾つかを順次読み出し合成することによって描画データを生成する画像表示装置が記載されている。
【特許文献1】
特開2003−47729号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、遊技機の画像表示装置に、基本画像データへの画像処理機能を追加する場合には、VDPのハードウェア構成を新たに開発・設計する必要があった。VDPの開発・設計の負荷は、遊技機全体の開発・設計の負荷に対する割合が高く、容易に処理機能を追加することができなかった。その結果、遊技機の画像表示部に求められる動画像表示のニーズへの対応に遅れが生じてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたものであり、画像処理機能の追加による動画像表示のニーズへの対応スピードを向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した課題を解決するため、本発明の画像表示装置は、遊技機に搭載され、遊技の進行に応じて、動画像を画像表示部に表示する画像表示装置であって、遊技の進行を制御する主制御装置からの指示に基づいて、前記画像表示部における動画像の表示態様を選定する表示制御プロセッサと、前記選定された表示態様を前記画像表示部に表示するための描画データを、複数の画像データを合成することによって生成する画像表示プロセッサとを備え、前記表示制御プロセッサは、前記表示態様の選定に加え、前記画像表示プロセッサが合成に使用する画像データのひとつである外部画像データを生成するプロセッサであることを特徴とする。
【0009】
かかる画像表示装置、および、この画像表示装置を用いた遊技機によれば、表示制御プロセッサは、ソフトウェアに基づいて種々の処理を行っており、このソフトウェアを更新することによって、外部画像データの生成処理に変更を加えることができる。その結果、表示制御プロセッサのソフトウェアを更新することによって、遊技機に画像処理機能を追加することができる。したがって、VDPのハードウェアを新たに開発することに比べ、画像処理機能の追加による動画像表示のニーズへの対応スピードを向上することができる。また、描画データの生成に用いる画像データの全てを基本画像データとして基本画像メモリに不揮発的に記憶する必要がない。その結果、画像データのデータ記憶容量の増加を抑制することができる。
【0010】
上記の構成を有する本発明の画像表示装置、および、この画像表示装置を用いた遊技機は、以下の態様を採ることもできる。本発明の画像表示装置は、前記画像表示プロセッサが合成に使用する画像データのひとつである複数の基本画像データを不揮発的に記憶する基本画像メモリを備え、前記表示制御プロセッサは、前記表示態様の選定に加え、前記基本画像メモリから少なくとも一の基本画像データを読み出し、該基本画像データを変形することによって、前記外部画像データを生成するプロセッサであっても良い。
【0011】
かかる画像表示装置、および、この画像表示装置を用いた遊技機によれば、基本画像データを利用して外部画像データを生成するため、外部画像データの生成に必要なデータ量を抑制することができる。その結果、画像データのデータ記憶容量の増加を抑制することができる。
【0012】
また、本発明の画像表示装置は、前記表示制御プロセッサによる前記外部画像データの書き込みが可能であり、該外部画像データを揮発的に記憶する前段画像メモリと、前記外部画像データを揮発的に記憶し、前記描画表示プロセッサによる該外部画像データの読み出しが可能な外部画像メモリと、前記前段画像メモリから前記外部画像メモリへの前記外部画像データのダイレクトメモリアクセス転送を制御するダイレクトメモリアクセスコントローラとを備えても良い。
【0013】
かかる画像表示装置、および、この画像表示装置を用いた遊技機によれば、外部画像データを表示制御プロセッサ側から描画表示プロセッサ側へダイレクトメモリアクセス転送できるため、外部画像データの転送処理における表示制御プロセッサの負荷を軽減することができる。その結果、表示制御プロセッサにおける処理負荷の増加によるエラー発生を低減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成及び作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用した遊技機の一つとして、遊技の進行に応じて動画像を表示するパチンコ機について、次の順序で説明する。
目次
A.実施例
A−(1).パチンコ機10の構成
A−(2).表示制御部30の構成
A−(3).表示制御部30のメモリ構成
A−(4).表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の制御データ生成処理
A−(5).表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の外部画像データ生成処理
A−(6).VDP部33におけるVDP330の変形画像データ生成処理
A−(7).VDP部33におけるVDP330の描画データ生成処理
B.その他の実施形態
【0015】
A.実施例:
A−(1).パチンコ機10の構成:
はじめに、本発明の一形態であるパチンコ機10の外観構成について説明する。図1は、本発明の一形態であるパチンコ機10の正面図である。パチンコ機10は、パチンコ店の島設備等に固定される外枠11、外枠11の嵌め込まれる内枠12、内枠12の中央上寄りに配置され遊技球による遊技が行われる遊技板13、遊技板13の前面に配置され中央部にガラス板を有するガラス枠14、遊技者による遊技板13への遊技球の発射の指示を受け付けるハンドル15、遊技球の貸し出しを処理するカードユニット90などを備える。
【0016】
遊技板13の中央部には、画像表示部である液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下、LCDという)35が設けられている。LCD35の下方には、遊技球の入賞を受け付ける入賞口61が設けられている。この入賞口61は、入賞した遊技球を検知するスイッチ65、所定の場合に遊技球の導入経路を拡縮するソレノイド66を備える。パチンコ機10は、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)を内蔵し発光する電飾55,56,57,58,59を備える。電飾55,56は遊技板13の左右の端にそれぞれ設けられ、電飾57はLCD35の上部に設けられ、電飾58,59は、ガラス枠14の上部の左右にそれぞれ設けられている。内枠12の正面中央には、音声を出力するスピーカ45が内蔵されている。
【0017】
次に、パチンコ機10の電気的な概略構成について説明する。図2は、本発明の一形態であるパチンコ機10の電気的な概略構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、遊技の進行を制御する主制御部20を備え、主制御部20には、表示制御部30,音声制御部40,ランプ制御部50,パネル入出力部60,払出制御部70などが電気的に接続されている。表示制御部30は、主制御部20の制御信号に基づいて、LCD35における画像表示を制御する画像表示装置である。音声制御部40は、主制御部20の制御信号に基づいてスピーカ45における音声の出力を制御する。ランプ制御部50は、主制御部20の制御信号に基づいて電飾55,56,57,58,59の発光を制御する。パネル入出力部60は、スイッチ65の入力信号を主制御部20に伝達するとともに、主制御部20の制御信号に基づいてソレノイド66を駆動する。払出制御部70は、主制御部20の制御信号に基づいて遊技球の払い出しを行う。これらの主制御部20,表示制御部30,音声制御部40,ランプ制御部50,パネル入出力部60,払出制御部70は、内枠12の裏面に設けられている。尚、パチンコ機10は、図1および図2には電飾、スイッチ、ソレノイドの全てを示さないが、それぞれ複数備える。また、LCD35およびスピーカ45を複数備えた構成としても良い。
【0018】
A−(2).表示制御部30の構成:
次に、表示制御部30の構成について説明する。図3は、表示制御部30の内部構成を示すブロック図である。表示制御部30は、主制御部20からの制御信号に基づいてLCD35における表示態様を選定するCPU(Central Processing Unit)311を備えた表示制御プロセッサ部31と、CPU311が選定した表示態様をLCD35に表示するための描画データを生成するVDP330を備えたVDP部33とによって構成されている。表示制御部30を構成する各種回路は、6層の配線層を持つ単一の基板上に設けられている。
【0019】
表示制御プロセッサ部31のCPU311は、選定した表示態様を実現する描画データの生成条件を規定した描画パラメータを生成する。描画パラメータとしては、描画の色彩情報を規定したカラーパレットデータ,スプライトの描画条件を規定したスプライト属性データ,バックグラウンドの描画条件を規定したバックグラウンド属性データを生成する。VDP部33のVDP330は、描画パラメータに基づいて、画像データを合成して描画データを生成する。この画像データとしては、不揮発的に記憶された基本画像データとして、スプライトの画像パターンであるキャラクタ画像データと、バックグラウンドの画像パターンであるバックグラウンド画像データとが記憶されている。本実施例のVDP330は、画像データとして、これらの基本画像データに加えて、表示制御プロセッサ部31において生成される外部画像データ、および、VDP部33において生成される変形画像データを合成して描画データを生成することができる。外部画像データおよび変形画像データは、基本画像データを所定の画像処理によって変形した画像データである。
【0020】
表示制御部30を構成する表示制御プロセッサ部31は、CPU311などを単一のパッケージに封止したCPU−MCM(CPU−Multi Chip Module)310,CPU311が実行する制御プログラムなどのデータを不揮発的に記憶する制御ROM(Read Only Memory)320を備える。CPU−MCM310は、CPU311の他、CPU311のメインメモリであるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)312、制御ROM320とのインターフェースであるROMインターフェース313を備える。これらCPU311,SDRAM312、および、ROMインターフェース313を介した制御ROM320は、CPU−MCM310に設けられたバス381にそれぞれ接続され、このバス381を介して種々のデータのやり取りが可能とされている。
【0021】
表示制御部30を構成するVDP部33は、VDP330の他,基本画像データを不揮発的に記憶するキャラクタROM340を備える。VDP330は、VDP部33における種々の制御処理を行うVDPコントローラ331、カラーパレットデータを記憶するカラーパレットテーブル332c、スプライト属性データを記憶するスプライト属性テーブル332s、バックグラウンド属性データを記憶するバックグラウンド属性テーブル332b、キャラクタROM340とのインターフェースであるROMインターフェース333、変形画像データを揮発的に記憶する変形画像SRAM(Static Random Access Memory)334、外部画像データを揮発的に記憶する外部画像DRAM(Dynamic Random Access Memory)335、生成した描画データをLCD35における動画像表示の走査線(ライン)単位で蓄えるラインバッファ336、ラインバッファ336の描画データを映像信号に変換してLCD35に出力するRAMDAC(RAM Digital Analog Converter)337を備える。この他、VDP330は、表示制御プロセッサ部31のCPU−MCM310とのインターフェースであるCPUインターフェース383,SDRAM312から外部画像DRAM335へのダイレクトメモリアクセス(Direct Memory Access、以下、DMAという)転送を制御するDMAコントローラ384を備える。
【0022】
VDPコントローラ331,カラーパレットテーブル332c,スプライト属性テーブル332s,バックグラウンド属性テーブル332b,ROMインターフェース333を介したキャラクタROM340,外部画像DRAM335,DMAコントローラ384は、VDP330に設けられたバス382にそれぞれ接続され、このバス382を介して種々のデータのやり取りが可能とされている。表示制御プロセッサ部31のバス381と、VDP部33のバス382とは、CPUインターフェース383を介して接続され、これらバス間における種々のデータのやり取りが可能とされている。
【0023】
A−(3).表示制御部30のメモリ構成:
次に、表示制御部30における主なメモリ構成について説明する。表示制御プロセッサ部31のSDRAM312のメモリ構成を図4に示した。図4は、表示制御プロセッサ部31のSDRAM312のメモリ構成を模式的に示す説明図である。SDRAM312には、制御ROMから読み出されたプログラムを記憶するプログラムエリアPA、CPU311が種々の制御処理で取り扱うデータを記憶するワークエリアWAが設けられている。ワークエリアWAには、CPU311がVDP部33のキャラクタROM340から読み出した基本画像データを記憶する基本画像ワークエリアWAr、CPU311が生成する外部画像データを記憶する外部画像ワークエリアWAwが設けられている。
【0024】
VDP部33のキャラクタROM340のメモリ構成を図5に示した。図5は、VDP部のキャラクタROM340のメモリ構成を模式的に示す説明図である。キャラクタROM340には、基本画像データとしてキャラクタ画像データおよびバックグラウンド画像データが不揮発的に記憶されている。キャラクタ画像データとして300個のキャラクタ画像データGc1〜Gc300が記憶され、バックグラウンド画像データとして50個のバックグラウンド画像データGb1〜Gb50が記憶されている。尚、キャラクタROM340に記憶される基本画像データは、これらの個数に限定するものではなく、画像の表示内容,表示制御部30の処理能力,キャラクタROM340の記憶容量などに応じて個数を増減することができる。
【0025】
VDP部33の変形画像SRAM334のメモリ構成を図6に示した。図6は、VDP部33の変形画像SRAM334のメモリ構成を模式的に示す説明図である。変形画像SRAM334には、変形画像データとして5個の変形画像データGi1〜Gi5が記憶される。これらの変形画像データGi1〜Gi5は、VDP330が変形画像データを生成することによって適宜書き換えられる。尚、変形画像SRAM334に記憶される変形画像データは、5個に限定するものではなく、画像の表示内容,表示制御部30の処理能力,変形画像SRAM334の記憶容量などに応じて個数を増減することができる。
【0026】
VDP部33の外部画像DRAM335のメモリ構成を図7に示した。図7は、VDP部33の外部画像DRAM335のメモリ構成を模式的に示す説明図である。外部画像DRAM335には、外部画像データとして5個の外部画像データGo1〜Go5が記憶される。これらの外部画像データGo1〜Go5は、CPU311の転送指示を受けたDMAコントローラ384が、表示制御プロセッサ部31のSDRAM312の外部画像ワークエリアWAwに記憶された外部画像データをDMA転送することによって適宜書き換えられる。尚、外部画像DRAM335に記憶される外部画像データは、5個に限定するものではなく、画像の表示内容,表示制御部30の処理能力,外部画像DRAM335の記憶容量などに応じて個数を増減することができる。
【0027】
VDP部33のスプライト属性テーブル332sのメモリ構成を図8に示した。図8は、VDP部33のスプライト属性テーブル332sのメモリ構成を模式的に示す説明図である。スプライト属性テーブル332sには、スプライト属性データとしてn個のスプライト属性データAsj(j=1,2,…,n)が記憶される。それぞれのスプライト属性データには、垂直表示位置データDVj,表示画像識別データDPj,カラー識別データDCj,水平表示位置データDHjなどが記憶される。垂直表示位置データDVjは、そのスプライト画像のLCD35上における垂直方向の表示位置を指定するデータである。表示画像識別データDPjは、そのスプライト画像データの記憶場所、すなわち、キャラクタROM340におけるキャラクタ画像データGc1〜Gc300、変形画像SRAM334における変形画像データGi1〜Gi5、外部画像DRAM335における外部画像データGo1〜Go5のうちのいずれかを識別するためのデータである。カラー識別データDCjは、そのスプライト画像のLCD35上における画素のカラーデータとして、カラーパレットテーブル332cに記憶されたカラーパレットデータのカラーグループを指定するデータである。水平表示位置データDHjは、そのスプライト画像のLCD35上における水平方向の表示位置を指定するデータである。スプライト属性データAsjには、これらのデータの他、拡大縮小,回転,反転などを指定するデータも記憶される。
【0028】
VDP部33のバックグラウンド属性テーブル332bは、スプライト属性テーブル332sに記憶されたスプライト属性データと同様のメモリ構成によって、バックグラウンド属性データを記憶する。バックグラウンド属性データには、垂直表示位置データ,表示画像識別データ,カラー識別データ,水平表示位置データの他、拡大縮小,回転,反転,ラインスクロールなどを指定するデータも記憶される。
【0029】
A−(4).表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の制御データ生成処理:
CPU311は、制御ROM320に記憶された種々の制御プログラムを、SDRAM312のプログラムエリアPAに読み込むことによって種々の処理を行う。これらの処理として、主制御部20からの制御信号に基づいてLCD35における表示態様を選定する表示態様選定処理、選定した表示態様を実現するための表示制御データを生成する制御データ生成処理、外部画像データを生成する外部画像生成処理などを行う。
【0030】
次に、表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の制御データ生成処理について説明する。図9は、表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の制御データ生成処理を示すフローチャートである。CPU311は、LCD35の表示更新に応じた所定のタイミングで、制御データ生成処理を開始する。処理を開始すると、描画パラメータ設定処理(ステップS110)を行う。描画パラメータ設定処理(ステップS110)では、表示態様選定処理で選定した表示態様に基づいてカラーパレットデータ,スプライト属性データ,バックグラウンド属性データを生成し、カラーパレットテーブル332c,スプライト属性テーブル332s,バックグラウンド属性テーブル332bにそれぞれ書き込む。
【0031】
描画パラメータ設定処理(ステップS110)を行った後、変形画像生成指示処理(ステップS120)を行う。変形画像生成指示処理(ステップS120)では、表示態様選定処理で選定した表示態様において変形画像データが必要な際に、その変形画像データを生成するための指示データをVDP330に送信することによって、変形画像データの生成を指示する。この指示データは、変形画像データの生成の基となる基本画像データや、その基本画像データの変形条件などを規定するデータである。なお、ここで生成指示される変形画像データは、直前の描画パラメータ設定処理(ステップS110)に基づいた描画データの生成に使用されるものではなく、次回以降に行われる描画パラメータ設定処理(ステップS110)に基づいた描画データの生成に使用されるものである。
【0032】
変形画像生成指示処理(ステップS120)を行った後、外部画像生成指示処理(ステップS130)を行う。外部画像生成指示処理(ステップS130)では、表示態様選定処理で選定した表示態様において外部画像データが必要な際に、CPU311に内蔵する割り込みレジスタ(図示しない)に割り込みフラグをセットする。外部画像生成指示処理(ステップS130)を行った後、制御データ生成処理を終了する。
【0033】
A−(5).表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の外部画像データ生成処理:
次に、表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の外部画像データ生成処理について説明する。図10は、表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の外部画像データ生成処理を示すフローチャートである。CPU311は、前述の外部画像生成指示処理(図9のS130)において割り込みフラグをセットすると、所定のインターバルで外部画像データ生成処理を行う。処理を開始すると、外部画像データを生成するため、基本画像データ読み込み処理(ステップS210)を行う。基本画像データ読み込み処理(ステップS210)では、選定した表示態様に基づいて、外部画像データの生成の基となる基本画像データを選定する。その後、選定した基本画像データを、VDP部33のキャラクタROM340から、表示制御プロセッサ部31のSDRAM312の基本画像ワークエリアWArに読み込む。
【0034】
基本画像データ読み込み処理(ステップS210)の後、画像データ変形処理(ステップS220)を行う。画像データ変形処理(ステップS220)では、指示選定した表示態様に基づいて、読み込んだ基本画像データの変形条件を選定する。その後、選定した変形条件に基づいて、読み込んだ基本画像データを変形して外部画像データを生成し、この外部画像データをSDRAM312の外部画像ワークエリアWAwに書き込む。この基本画像データの変形では、回転,反転,モーフィング,ディストーション等の画像処理が所定の演算式に基づいて行われる。
【0035】
ここで、画像データ変形処理(ステップS220)における変形の一例について説明する。図11は、画像データ変形処理(図10のステップS220)の一例であるモーフィング処理を示す説明図である。モーフィング処理は、読み込んだ二つの基本画像データの画像間において特徴点を対応づけておき、特徴点の変形の度合いと両者の画像の混合比を変化させていくことによって実現されている。図11に示したモーフィング処理では、円形のキャラクタ画像データGc18と、星形のキャラクタ画像データGc35の間でモーフィング処理を行って、円形から星型へ連続的に変化する過程の画像データを、外部画像データGo1〜Go3として生成する。なお、基本画像データの変形は、モーフィングに限るものではなく、種々の画像処理を適用することができる。
【0036】
画像データ変形処理(ステップS220)の後、DMA転送指示処理(ステップS230)を行う。DMA転送指示処理(ステップS230)では、VDP部33のDMAコントローラ384に対して、画像データ変形処理(ステップS220)で生成した外部画像データのDMA転送を指示する。この転送指示は、転送元である表示制御プロセッサ部31のSDRAM312のアドレスと、転送先であるVDP部33の外部画像DRAM335のアドレスとを指定することによって行われる。尚、DMAコントローラ384は、この転送指示に基づいて、SDRAM312の外部画像ワークエリアWAwに記憶された外部画像データを、外部画像DRAM335の外部画像データGo1〜5のいずれかにDMA転送する。このDMA転送は、所定のワード長単位で分断して行われ、CPU311は、DMA転送の停止中に割り込み処理を行うことができる。CPU311は、DMA転送指示処理(ステップS230)の後、外部画像データ生成処理を終了する。
【0037】
A−(6).VDP部33におけるVDP330の変形画像データ生成処理:VDP330は、内蔵された回路構成によって種々の制御処理を行う。この制御処理として、変形画像データを生成する変形画像生成処理、描画データを生成する描画データ生成処理、などを行う。
【0038】
次に、VDP部33におけるVDP330の変形画像データ生成処理について説明する。図12は、VDP部33におけるVDP330の変形画像データ生成処理を示すフローチャートである。VDP330は、LCD35における表示タイミングの垂直ブランキング期間であって描画データ生成処理を行っていない期間に、変形画像データ生成処理を行う。処理を開始すると、前述の変形画像生成指示処理(図9のS120)による変形画像データの生成の指示があるか否かを判断する(ステップS310)。この指示がない場合には(ステップS310)、変形画像データを生成する必要がないため、変形画像データ生成処理を終了する。
【0039】
一方、指示がある場合には(ステップS310)、指示データに基づいて、キャラクタROM340に記憶する所定の基本画像データを変形して変形画像データを生成し、この変形画像データを変形画像SRAMの変形画像データGi1〜Gi5のいずれかとして書き込む(ステップS320)。この基本画像データの変形では、回転,反転等の画像処理が所定の論理回路によって行われる。その後、変形画像データ生成処理を終了する。
【0040】
ここで、変形画像データの生成(ステップS320)における変形の一例について説明する。図13は、変形画像データの生成(図12のステップS320)の一例である回転処理を示す説明図である。回転処理は、一つの基本画像データを読み出す際に、その画像を構成するドットデータの読み出し順序を変化させることによって実現されている。図13に示した回転処理では、キャラクタ画像データGc77に回転処理を行って、時計回りに180度回転する過程の画像データを、変形画像データGi1〜Gi4として生成する。なお、基本画像データの変形は、回転に限るものではなく、種々の画像処理を適用することができる。
【0041】
A−(7).VDP部33におけるVDP330の描画データ生成処理:
次に、VDP部33におけるVDP330の描画データ生成処理について説明する。図14は、VDP部33におけるVDP330の描画データ生成処理を示すフローチャートである。VDP330は、LCD35における表示タイミングの水平同期信号に基づいて、描画データ生成処理を開始する。処理を開始すると、スプライト属性テーブル332sに記憶されたスプライト属性データAsj(j=1,2,…,n)に基づいて、ラインバッファ336に描画データの書き込みを行う(ステップS410〜S470)。まず、垂直表示位置データDVjと、描画データを生成する生成ラインの位置とを比較して、スプライト属性データAsjの示すスプライトが生成ライン上にあるか否かを判断する(ステップS420)。
【0042】
生成ライン上にあれば(ステップS420)、表示画像識別データDPjに基づいて、キャラクタROM340のキャラクタ画像データ,変形画像SRAM334の変形画像データ,外部画像DRAM335の外部画像データのいずれかから、画像データを読み出す(ステップS430)。その後、カラー識別データDCjに基づいて、カラーパレットテーブル332cから、カラーパレットデータを読み出す(ステップS440)。その後、水平表示位置データDHjに基づいて、これら読み出したデータ(ステップS430,S440)をラインバッファ336に書き込む(ステップS450)。
【0043】
ひとつのスプライトの書き込みを終え(ステップS450)、または、そのスプライトが生成ライン上になければ(ステップS420)、全てのスプライトを処理したか否かを判断する(ステップS460)。全てのスプライトを処理していなければ(ステップS460)、次のスプライト属性データAs(j+1)に基づいて同様の処理を行う。
【0044】
一方、全てのスプライトを処理した場合には(ステップS460)、バックグラウンド処理(ステップS480)を行う。バックグラウンド処理(ステップS480)では、スプライトの処理(ステップS410〜S470)と同様に、バックグラウンド属性テーブル332bに記憶されたバックグラウンド属性データに基づいて、バックグラウンドのデータをラインバッファ336に書き込む。バックグラウンド処理(ステップS480)を行った後、描画データ生成処理を終了する。なお、これらのスプライトおよびバックグラウンドには、それぞれ表示の優先順位が設定されており、これらの表示位置が重なる場合には、VDP330は、優先順位の高いものが表示されるようにラインバッファ336に書き込みを行う。
【0045】
この描画データ生成処理におけるスプライトおよびバックグラウンドの書き込み(ステップS450,S480)によって、ラインバッファ336に描画データが生成される。このラインバッファ336に記憶された描画データは、RAMDAC337によって映像信号(RGB)に変換され、LCD35における表示の同期信号(SYNC)とともに、LCD35へ出力される。この描画データの生成、映像信号への変換出力が、繰り返し行われることによって、LCD35において動画像が表示される。
【0046】
以上説明した実施例のパチンコ機10によれば、表示制御プロセッサ部31のCPU311は、ソフトウェアに基づいて種々の処理を行っており、このソフトウェアを更新することによって、外部画像データの生成処理に変更を加えることができる。その結果、表示制御プロセッサ部31の制御ROM320に記憶するソフトウェアを更新することによって、遊技機に画像処理機能を追加することができる。したがって、VDP330のハードウェアを新たに開発するのに比べ、画像処理機能の追加による動画像表示のニーズへの対応スピードを向上することができる。また、描画データの生成に用いる画像データの全てを基本画像データとしてVDP部33のキャラクタROM340に不揮発的に記憶する必要がない。その結果、画像データのデータ記憶容量の増加を抑制することができる。
【0047】
また、表示制御プロセッサ部31のCPU311は、基本画像データを利用して外部画像データを生成するため、外部画像データの生成に必要なデータ量を抑制することができる。その結果、画像データのデータ記憶容量の増加を抑制することができる。
【0048】
また、DMAコントローラ384によって、外部画像データを表示制御プロセッサ部31のSDRAM312からVDP部33の外部画像DRAM335へダイレクトメモリアクセス転送できるため、外部画像データの転送処理におけるCPU311の負荷を軽減することができる。その結果、CPU311の処理負荷の増加によるエラー発生を低減することができる。
【0049】
B.その他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。例えば、本発明を適用する遊技機は、パチンコ機に限るものではなく、スロットマシンなどの画像表示部を備えた遊技機に適用しても良い。また、画像表示部は、LCDに限るものではなく、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ,EL(Electro Luminescent)ディスプレイなどであっても良い。また、ラインバッファ方式ではなく、フレームバッファ方式で描画データを生成しても良い。
【0050】
また、ラインバッファ方式とフレームバッファ方式とを組み合わせた方式で描画データを生成しても良い。図15は、その他の実施形態のVDP390の内部構成を示すブロック図である。VDP390の構成は、図15に示した通りであり、図3に示したVDP330の構成とほぼ同様であるが、ラインバッファ336とRAMDAC337との間にフレームバッファ391を備えた点が異なる。このフレームバッファ391は、LCD35における動画像表示のフレーム単位で描画データを蓄えるバッファである。VDP390では、ラインバッファ336には、1ライン分の小記憶容量ではあるが高速アクセス可能なSRAMを用いており、フレームバッファ391には、1フレーム分の大記憶容量であるDRAMを用いている。
【0051】
VDP390の動作は、前述のVDP330の動作とほぼ同様であるが、ライン単位の描画データを映像信号に変換するのではなく、フレームバッファ391に記憶されたフレーム単位の描画データを、映像信号に変換する点が異なる。ラインバッファ336において生成された1ライン分の描画データは、次々にフレームバッファ391に転送され、フレームバッファ391においてフレーム単位の描画データが生成される。このフレーム単位の描画データは、RAMDAC337によって映像信号に変換され、LCD35へ出力される。
【0052】
かかるVDP390によれば、ラインバッファ方式のVDPであっても、表示可能なキャラクタ(スプライトおよびバックグラウンド)の数の制約を、1ラインあたりではなく、1フレームあたりとすることができる。よって、ラインバッファ336のみの構成と比較して、より多くのキャラクタを表示することができる。例えば、あるラインにおいて表示されるキャラクタ数が多いため、そのラインの描画データの生成処理が1ラインの表示時間を超過したとしても、他のラインのキャラクタ数が少なければ、その処理時間の超過を1フレーム全体では相殺することができる。したがって、ラインバッファのみを備えた同じ処理速度のVDPと比較して、描画性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態であるパチンコ機10の正面図である。
【図2】本発明の一形態であるパチンコ機10の電気的な概略構成を示すブロック図である。
【図3】表示制御部30の内部構成を示すブロック図である。
【図4】表示制御プロセッサ部31のSDRAM312のメモリ構成を模式的に示す説明図である。
【図5】VDP部のキャラクタROM340のメモリ構成を模式的に示す説明図である。
【図6】VDP部33の変形画像SRAM334のメモリ構成を模式的に示す説明図である。
【図7】VDP部33の外部画像DRAM335のメモリ構成を模式的に示す説明図である。
【図8】VDP部33のスプライト属性テーブル332sのメモリ構成を模式的に示す説明図である。
【図9】表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の制御データ生成処理を示すフローチャートである。
【図10】表示制御プロセッサ部31におけるCPU311の外部画像データ生成処理を示すフローチャートである。
【図11】画像データ変形処理(図10のステップS220)の一例であるモーフィング処理を示す説明図である。
【図12】VDP部33におけるVDP330の変形画像データ生成処理を示すフローチャートである。
【図13】変形画像データの生成(図12のステップS320)の一例である回転処理を示す説明図である。
【図14】VDP部33におけるVDP330の描画データ生成処理を示すフローチャートである。
【図15】その他の実施形態のVDP390の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…パチンコ機
11…外枠
12…内枠
13…遊技板
14…ガラス枠
15…ハンドル
20…主制御部
30…表示制御部
31…表示制御プロセッサ部
33…VDP部
35…LCD
40…音声制御部
45…スピーカ
50…ランプ制御部
55,56,57,58,59…電飾
60…パネル入出力部
61…入賞口
65…スイッチ
66…ソレノイド
70…払出制御部
90…カードユニット
310…CPU−MCM
311…CPU
312…SDRAM
313…ROMインターフェース
320…制御ROM
330…VDP
331…VDPコントローラ
332b…バックグラウンド属性テーブル
332c…カラーパレットテーブル
332s…スプライト属性テーブル
333…ROMインターフェース
334…変形画像SRAM
335…外部画像DRAM
336…ラインバッファ
337…RAMDAC
340…キャラクタROM
381…バス
382…バス
383…CPUインターフェース
384…DMAコントローラ
390…VDP
391…フレームバッファ
Claims (4)
- 遊技機に搭載され、遊技の進行に応じて、動画像を画像表示部に表示する画像表示装置であって、
遊技の進行を制御する主制御装置からの指示に基づいて、前記画像表示部における動画像の表示態様を選定する表示制御プロセッサと、
前記選定された表示態様を前記画像表示部に表示するための描画データを、複数の画像データを合成することによって生成する画像表示プロセッサと
を備え、
前記表示制御プロセッサは、前記表示態様の選定に加え、前記画像表示プロセッサが合成に使用する画像データのひとつである外部画像データを生成するプロセッサである
画像表示装置。 - 請求項1記載の画像表示装置であって、
前記画像表示プロセッサが合成に使用する画像データのひとつである複数の基本画像データを不揮発的に記憶する基本画像メモリを備え、
前記表示制御プロセッサは、前記表示態様の選定に加え、前記基本画像メモリから少なくとも一の基本画像データを読み出し、該基本画像データを変形することによって、前記外部画像データを生成するプロセッサである
画像表示装置。 - 請求項1または2記載の画像表示装置であって、
前記表示制御プロセッサによる前記外部画像データの書き込みが可能であり、該外部画像データを揮発的に記憶する前段画像メモリと、
前記外部画像データを揮発的に記憶し、前記描画表示プロセッサによる該外部画像データの読み出しが可能な外部画像メモリと、
前記前段画像メモリから前記外部画像メモリへの前記外部画像データのダイレクトメモリアクセス転送を制御するダイレクトメモリアクセスコントローラと
を備えた画像表示装置。 - 請求項1ないし3のいずれか記載の画像表示装置を用いた遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003194897A JP2005027797A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 遊技機、および、その画像表示装置 |
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Family Applications (1)
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JP2014076335A (ja) * | 2008-11-17 | 2014-05-01 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003194897A patent/JP2005027797A/ja active Pending
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