JP2005027452A - モータの過熱保護制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウインドウ駆動制御装置11は、作動制御部12、モータドライバ13及びモータ14を備えている。作動制御部12は、操作スイッチ15からの操作信号に基づいてモータ14の作動を制御する。また、作動制御部12は、パルスセンサ18からのパルス信号に基づいてモータ14の作動電流値を算出するとともに、モータ14の作動時間と作動電流値とから該モータ14の発熱量を算出し、その算出したモータ14の発熱量が予め設定された規定値を超えたことを条件として前記モータの作動を禁止する作動禁止制御を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のウインドウを開閉駆動するモータの過熱保護制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両のパワーウインドウ装置などにおいては、ウインドウガラスの昇降動作を行うモータの過熱による不具合を解消するために、過熱保護機能を備えている。
【0003】
従来、こうした過熱保護機能を有するパワーウインドウ装置として、例えば特許文献1に記載されるパワーウインドウレギュレータ回路が提案されている。このパワーウインドウレギュレータ回路は、ウインドウガラスを昇降させるモータとグラウンドとの間に設けられたシャント抵抗と、PTCサーミスタ(PTC:Positive Temperature Coefficient)を用いた温度検出回路部とを備えている。このパワーウインドウレギュレータ回路によれば、シャント抵抗の温度を温度検出回路部によって検出し、該温度が所定温度以上上昇すると、モータへの入力電流をカットするようになっている。このため、モータの温度上昇が抑制され、同モータの焼損や動作異常などが防止される。
【0004】
また、例えば特許文献2には、PTCサーミスタが内蔵された過熱保護機能を有するモータが提案されている。このモータは、温度上昇に伴ってPTCサーミスタの抵抗値が高くなると、モータの作動が停止される。よって、こうした過熱保護機能を有するモータを用いた場合にも、モータの温度上昇が抑制され、同モータの焼損や動作異常などが防止される。
【0005】
【特許文献1】
特開平08−254071号公報
【特許文献2】
特開平07−99754号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載されるようなパワーウインドウレギュレータ回路では、PTCサーミスタを用いた温度検出回路部を設ける必要があり、部品点数が増大するとともに、製造コストも高騰するといった問題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載されるような過熱保護機能を有するモータを用いた場合、特許文献1に記載されるような温度検出回路部が不要となり、ウインドウレギュレータ回路の構成を簡素化することができる。しかし、モータ自体のコストが汎用モータに比べて高いため、装置全体としてコストアップしてしまう。
【0008】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成の簡素化及び製造コストの低減を図ることができるモータの過熱保護制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、モータの作動電流値を検出する電流検出手段と、前記モータの作動時間と前記作動電流値とから該モータの発熱量を算出する算出手段と、前記モータの作動を制御するとともに、算出された前記モータの発熱量が予め設定された規定値を超えたことを条件として前記モータの作動を禁止する作動禁止制御を行う作動制御手段とを備えることを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のモータの過熱保護制御装置において、前記モータの回転に伴ってパルス信号を出力するパルス信号出力手段を備え、前記電流検出手段は、前記パルス信号に基づいて前記モータの作動電流値を算出することを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のモータの過熱保護制御装置において、前記算出手段は、予め設定された所定時間内における前記モータの発熱量の総和を算出し、前記作動制御手段は、該発熱量の総和と前記規定値との比較結果に基づいて前記作動禁止制御を行うことを要旨とする。
【0012】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、モータの作動時間と作動電流値とからモータの発熱量が算出され、その算出された発熱量が規定値を超えると、モータの作動が禁止される。このため、モータの過熱が確実に防止され、該過熱によるモータの短命化や動作異常を防止することができる。しかも、作動制御手段によってモータの作動禁止制御が行われるため、PTCサーミスタなどを用いた過熱保護回路を設けたり、過熱保護回路を備えたモータを用いたりする必要がない。
【0013】
請求項2に記載の発明によると、モータの回転に伴って出力されるパルス信号に基づいて該モータの作動電流値が求められる。パルス信号はモータのフィードバック制御を行う際にも用いることができるため、該パルス信号を用いることにより、モータのフィードバック制御とモータの作動電流値の検出とを両立することができる。すなわち、モータのフィードバック制御を併せ行う際には、モータの作動電流値を検出するための新たな部材(例えばシャント抵抗や電流検出器など)が不要となる。
【0014】
請求項3に記載の発明によると、所定時間内におけるモータの発熱量の総和と規定値との比較結果に基づいてモータの作動禁止制御が行われる。すなわち、所定時間内にモータが断続的に作動された場合であっても、その断続的な作動によって蓄積されたモータの発熱量に基づいて作動禁止制御が行われる。よって、算出手段はモータの温度を確実に認識することができ、作動制御手段は、高精度な温度管理に基づいたモータ14の作動禁止制御を行うことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のモータの過熱保護制御装置を、車両のウインドウガラスを昇降するウインドウ駆動制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、ウインドウ駆動制御装置11は、電流検出手段、算出手段及び作動制御手段としての作動制御部12と、モータドライバ13と、モータ14とを備えている。このウインドウ駆動制御装置11は、図示しないイグニッションリレーを介してバッテリから電力供給されるようになっている。すなわち、ウインドウ駆動制御装置11は、車両の電気系統の機能ポジションがイグニッションONとなっているときに給電されるようになっている。
【0017】
作動制御部12は、CPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、不揮発性のメモリ12aを備えている。このメモリ12aには、予め設定された第1温度既定値(第1規定値)K1と、その第1既定値K1よりも小さい値に設定された第2温度既定値(第2規定値)K2とが記録されている。また、メモリ12aには、後記するパルスセンサ18から入力されるパルス信号に基づいてモータ14の作動電流値を算出するためのマップが記録されている。詳しくは、図3に示すように、メモリ12aには、パルス信号のパルス幅(ここでは1パルス幅あたりの時間として示す)を、モータ14の作動電流値に換算するためのマップが記録されている。なお、本実施形態において該マップは、パルス幅が2〜10[ms(ミリ秒)]である場合には作動電流値が5[A(アンペア)]であると換算されるようになっている。同様に、該マップは、パルス幅=10〜20[ms]→作動電流値=7[A]、パルス幅=20〜50[ms]→作動電流値=9[A]、パルス幅=50〜80[ms]→作動電流値=12[A]、パルス幅=80[ms]以上→作動電流値=16[A]というように換算されるようになっている。つまり、本実施形態において該マップは、各パルス幅を5種の作動電流値に換算する態様(簡易換算態様)となっている。
【0018】
また、作動制御部12は、第1入力端子IN1、第2入力端子IN2、第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2を備え、第1入力端子INには操作スイッチ15が電気的に接続されている。操作スイッチ15は車両室内に配設されたウインドウ操作スイッチであり、ウインドウガラスの自動昇降操作と、ウインドウガラスの手動昇降操作とを可能となっている。そして、車両搭乗者によってこの操作スイッチ15が操作されると、その操作に対応した操作信号が第1入力端子IN1に入力される。詳しくは、入力端子INには、該操作スイッチ15の操作態様に応じて、オート上昇操作信号、オート下降操作信号、手動上昇操作信号及び手動下降操作信号のうちのいずれか1つが入力される。
【0019】
一方、作動制御部12の各出力端子OUT1,OUT2には、モータドライバ13が電気的に接続されている。モータドライバ13は、第1スイッチング素子TR1、第2スイッチング素子TR2、第1リレー16及び第2リレー17を備えている。第1スイッチング素子TR1及び第2スイッチング素子TR2は、本実施形態ではPNPトランジスタによって構成されている。そして、第1スイッチング素子TR1のベース端子は前記第1出力端子OUT1に接続され、第2スイッチング素子TR2のベース端子は前記第2出力端子OUT2に接続されている。両スイッチング素子TR1,TR2のエミッタ端子は前記イグニッションリレーを介してバッテリに接続されている。また、第1スイッチング素子TR1のコレクタ端子は第1リレー16のコイルL1の一端に接続され、第2スイッチング素子TR2のコレクタ端子は第2リレー17のコイルL2の一端に接続され、各コイルL1,L2の他端は接地されている。
【0020】
第1リレー16及び第2リレー17はそれぞれc接点構造をなし、第1リレー16のa接点側の固定接点CP1及び第2リレー17のa接点側の固定接点CP4は、前記イグニッションリレーを介してバッテリに接続されている。また、第1リレー16のb接点側の固定接点CP2及び第2リレー17のb接点側の固定接点CP5は、接地されている。そして、第1リレー16の可動接点CP3はモータ14の第1端子に接続され、第2リレー17の可動接点CP6はモータ14の第2端子に接続されている。よって、モータ14は、両リレー16,17が共にOFF状態(非励磁状態)である場合には電力が供給されないため駆動しない。また、モータ14は、第1リレー16がON状態(励磁状態)且つ第2リレー17がOFF状態の場合には、第1リレー16を介して電力が供給されるため、正回転駆動してウインドウガラスを上昇させる。これに対し、モータ14は、第1リレー16がOFF状態且つ第2リレー17がON状態の場合には、第2リレー17を介して電力が供給されるため、逆回転駆動してウインドウガラスを下降させる。
【0021】
ところで、モータ14の近辺には、該モータ14の回転軸の回転状態を検出し、該回転軸の回転に伴ってパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてのパルスセンサ18が配設されている。このパルスセンサ18は、ホール素子(ホールIC)を用いて構成された公知のセンサであり、モータ14の回転軸の回転数に比例した数のパルス信号を出力する。詳しくは、モータ14の回転軸には極性の異なる磁石(磁極)が所定間隔で着磁されており、パルスセンサ18は、回転軸の回転により生じる磁界変化をピックアップしてパルスを出力する。こうしたパルスセンサ18の出力端子は、作動制御部12の第2入力端子IN2に電気的に接続されている。このため、パルスセンサ18から出力されるパルス信号は、作動制御部12に入力される。
【0022】
このように構成されたウインドウ駆動制御装置11において、作動制御部12は、モータ14の作動を制御してウインドウガラスの昇降を制御するウインドウ駆動制御と、所定の条件に基づいてモータ14の作動を禁止する作動禁止制御とを行うようになっている。そこで、作動制御部12によって行われるウインドウ駆動制御と作動禁止制御とについて説明する。なお、各制御を行うための制御プログラムは、作動制御部12を構成するROM内に記録されている。
【0023】
<1>ウインドウ駆動制御
作動制御部12は、通常、両出力端子OUT1,OUT2からHレベルの信号を出力した状態となっている。そして、操作スイッチ15から前記操作信号が入力されると、作動制御部12は、ウインドウ駆動制御を行う。詳しくは、操作スイッチ15からオート上昇操作信号または手動上昇操作信号が入力されると、作動制御部12は、第1出力端子OUT1からLレベルの信号を出力して第1スイッチング素子TR1を作動させる。これにより、第1リレー16がON状態となり、モータ14が正回転駆動してウインドウガラスが上昇される。
【0024】
一方、操作スイッチ15からオート下降操作信号または手動下降操作信号が入力されると、作動制御部12は、第2出力端子OUT2からLレベルの信号を出力して第2スイッチング素子TR2を作動させる。これにより、第2リレー17がON状態となり、モータ14が逆回転駆動してウインドウガラスが下降される。
【0025】
こうした作動制御部12は、オート上昇操作信号(オート下降操作信号)が入力された場合には、該操作信号が入力されなくなった後も、ウインドウガラスが全閉(全開)状態になるまでの間はモータ14を駆動し続ける。これに対し、作動制御部12は、手動上昇操作信号(手動下降操作信号)が入力された場合には、該操作信号が入力されている間のみ、モータ14を駆動する。なお、作動制御部12は、パルスセンサ18から入力されるパルス信号のパルス数及びパルス幅に基づいてウインドウガラスの全開状態及び全閉状態を判断するようになっている。詳しくは、作動制御部12は、全開または全閉位置となるパルス数近辺で所定の規定幅よりも長いパルス幅を検出した場合に、ウインドウガラスが全開状態または全閉状態になったと判断する。
【0026】
<2>作動禁止制御
作動制御部12は、図2に示すフローチャートに従って作動禁止制御のための処理を行う。すなわち、作動制御部12は、まずステップS1において、モータ14が作動中か否かを判断する。そして、モータ14が作動していると判断した場合、作動制御部12は、ステップS2の処理へ移行してモータ14の作動電流値を算出した後に、ステップS3の処理へ移行する。詳しくは、作動制御部12は、図3に示すマップに従い、モータ14のパルス幅からモータ14の作動電流値を算出する。また、ステップS1においてモータ14が作動中ではないと判断した場合、作動制御部12は、ステップS2の処理を行わずにステップS3の処理へ移行する。
【0027】
ステップS3において作動制御部12は、ステップS2で算出したモータ14の作動電流値に基づき、所定時間T内におけるモータ14の発熱量の総和ΣQを次式に基づいて算出する。
【0028】
【数1】
つまり、作動制御部12は、モータ14の作動時間と作動電流値とからモータ14の発熱量を算出する。そして、本実施形態では、モータ14の発熱量の総和ΣQとして、所定時間T内におけるモータ14のジュール熱の総和が求まるようになっている。
【0029】
具体的には、例えば図4に示すようにモータ14の作動状態が変移している場合において、ポイントP1で示すタイミングでモータ14の発熱量の総和ΣQを算出する場合、作動制御部12は、算出パターンAに基づいて総和ΣQを算出する。詳しくは、作動制御部12は、ポイントP1を基準とした所定時間T前(同図におけるポイントP2)までの間におけるモータ14の発熱量の総和ΣQを算出する。また、ポイントP1から時間ΔTが経過した時点となるポイントP3で示すタイミングでモータ14の発熱量の総和ΣQを算出する場合、作動制御部12は、算出パターンBに基づいて総和ΣQを算出する。詳しくは、作動制御部12は、ポイントP3を基準とした所定時間T前(同図におけるポイントP4)までの間におけるモータ14の発熱量の総和ΣQを算出する。このため、算出パターンBにおける総和ΣQBは、算出パターンAにおける総和ΣQAから、ポイントP2〜ポイントP4までの時間ΔTの発熱量を減算するとともに、ポイントP1〜ポイントP3までの時間ΔTの発熱量を加算した値となる。
【0030】
そして、作動制御部12は、こうしたステップS3の処理が終了すると、ステップS4の処理へ移行する。
ステップS4において作動制御部12は、算出したモータ14の発熱量の総和ΣQが、メモリ12aに記録された第1規定値K1を超えているか否かを判断する。そして、総和ΣQが第1規定値K1を超えていると判断すると、作動制御部12は、ステップS5の処理へ移行する。
【0031】
ステップS5において作動制御部12は、モータ14が過熱状態にあると判断し、該モータ14の作動を禁止する作動禁止モードとなる。この作動禁止モードになると、作動制御部12は、操作スイッチ15から各種操作信号が入力されても、モータ14の作動を行わないようになる。すなわち、作動禁止モードになると、作動制御部12は、前記ウインドウ駆動制御を禁止する。そして、作動制御部12は、ここでの処理を一旦終了する。
【0032】
一方、ステップS4において、作動制御部12は、モータ14の発熱量の総和ΣQが第1規定値K1を超えていないと判断した場合、ステップS6の処理へ移行する。そして、ステップS6において作動制御部12は、作動禁止モードであるか否かを判断する。その結果、作動制御部12は、作動禁止モードではないと判断するとここでの処理を一旦終了し、作動禁止モードであると判断するとステップS7の処理へ移行する。
【0033】
ステップS7において作動制御部12は、モータ14の発熱量の総和ΣQが、メモリ12aに記録された第2規定値K2未満であるか否かを判断する。そして、作動制御部12は、該総和ΣQが第2規定値K2未満であると判断するとステップS8の処理へ移行し、作動禁止モードを解除した後に、ここでの処理を一旦終了する。このため、以後、作動制御部12は、操作スイッチ15から各種操作信号が入力されると、その操作信号に基づいてモータ14の作動制御を行うようになる。すなわち、作動制御部12は、前記ウインドウ駆動制御を行うようになる。また、ステップS8において作動制御部12は、該総和ΣQが第2規定値K2未満ではないと判断すると、ステップS8の処理を行わずにここでの処理を一旦終了する。つまりこの場合、作動制御部12は、作動禁止モードを継続する。
【0034】
よって、作動制御部12は、こうした作動禁止制御を行うことにより、モータ14の過熱を防止するようになっている。なお、この作動制御部12は、こうした作動禁止制御のための処理を、所定時間毎に繰り返し行うようになっている。
【0035】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)モータ14の作動時間と作動電流値とからモータ14の発熱量の総和ΣQが算出され、その算出された発熱量の総和ΣQが第1規定値K1を超えると、モータ14の作動が禁止される。このため、モータ14の過熱が確実に防止され、該過熱によるモータ14の短命化や動作異常を防止することができる。しかも、作動制御部12によってモータ14の作動禁止制御が行われるため、PTCサーミスタなどを用いた過熱保護回路を設けたり、過熱保護回路を備えたモータを用いたりする必要がない。よって、ウインドウ駆動制御装置11の構成の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0036】
(2)前記従来技術では、モータの作動制御を行うモータ制御部(特許文献1においては「オート回路」に相当)と、モータの過熱保護を行う過熱保護制御部(特許文献1においては「温度検出回路部」、特許文献2においては「PTC」に相当)とが個々独立している。このため、モータ制御部から作動信号が出力されているにも拘わらずモータの作動が停止した場合には、モータ制御部は、そのモータの停止の原因が、過熱保護機能によるものか、他の原因によるものかを認識することができない。一般に、モータ制御部は、作動信号を出力しているにも拘わらずモータの作動が停止すると、モータに何らかの異常が生じたと判断し、機能を制限するなどの非常時制御を行うようになっている。このため、モータの停止原因が過熱保護機能によるものである場合には、モータの温度が低下して通常動作が可能な状態に復帰したとしても、モータ制御部は、依然として機能制限を継続してしまう。このため、ウインドウ駆動制御装置に何ら異常がなくなった状態にあっても、ウインドウの昇降操作を充分に行うことができなくなってしまうといった問題が生じるおそれがある。
【0037】
これに対し、本実施形態のウインドウ駆動制御装置11にあっては、作動制御部12自身が作動禁止制御を行うようになっている。このため、作動制御部12は、モータ14が作動していない状態にあっては、その原因が過熱保護のための作動禁止制御によるものか、他の要因によるものかを確実に認識することができる。
【0038】
(3)モータ14の回転に伴って出力されるパルス信号のパルス幅から該モータ14の作動電流値が求められる。パルス信号はモータ14のフィードバック制御を行う際にも用いられるため、該パルス信号を用いることにより、モータ14のフィードバック制御とモータ14の作動電流値の検出とを両立している。よって、モータ14の作動電流値を検出するための新たな部材(例えばシャント抵抗や電流検出器など)が不要となり、ウインドウ駆動制御装置(モータの過熱保護制御装置)1を安価に製造することができる。
【0039】
(4)所定時間T内におけるモータ14の発熱量の総和ΣQと第1規定値K1との比較結果に基づいて、モータ14の作動禁止制御が行われる。すなわち、所定時間T内にモータ14が断続的に作動された場合であっても、その断続的な作動によって蓄積されたモータ14の発熱量に基づいて作動禁止制御が行われる。よって、作動制御部12は、モータ14の温度を確実に認識することができ、高精度な温度管理に基づいたモータ14の作動禁止制御を行うことができる。
【0040】
(5)モータ14の作動を禁止するか否かを判断する際に用いる第1規定値K1と、該モータ14の作動禁止モードを解除するか否かを判断する際に用いる第2規定値K2とは、「K1>K2」の関係となるように設定されている。このため、作動制御部12は、一旦作動禁止モードになると、ある程度モータ14の発熱量が低下しないと作動禁止モードが解除されない。すなわち、作動制御部12が作動禁止モードとなった後、わずかにモータ14の温度が下がっただけで作動禁止モードが解除されてしまうのを防止することができる。
【0041】
(6)モータ14の発熱量の総和ΣQを求めるための算出式(前記「式1」)では、該総和ΣQとしてモータ14のジュール熱が求まるため、所定時間T内におけるモータ14の発熱量を精度よく算出することができる。
【0042】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態において、パルス信号のパルス幅に基づいてモータ14の作動電流値を算出する際に用いるマップは、図3に示したように、各パルス幅を5種の作動電流値に換算する態様(簡易換算態様)となっている。しかし、該マップは、例えば図5に示すように、各パルス幅に比例して作動電流値がリニアに上昇するように換算する態様(高精度換算態様)となっていてもよい。このようにした場合、パルス幅から作動電流値を高精度に算出することができるため、モータ14の発熱量を、より高精度に求めることができる。
【0043】
・ 前記実施形態において作動制御部12は、所定時間T内におけるモータ14の発熱量の総和ΣQと第1規定値K1または第2規定値K2とを比較して、モータ14の作動禁止制御を行うか否かを判断するようになっている。しかし、所定時間T内においてモータ14が非作動状態となっている時間が存在する場合には、作動制御部12は、その非作動状態となっている時間の放熱量を算出するようになっていてもよい。そして、作動制御部12は、算出した放熱量を該総和ΣQから減算した値と、第1規定値K1または第2規定値K2とを比較して、モータ14の作動禁止制御を行うか否かを判断するようになっていてもよい。このようにすれば、モータ14の温度をより高い精度で検出することができる。
【0044】
・ 前記実施形態において作動制御部12は、モータ14の作動状態・非作動状態に拘わらず、所定時間T内におけるモータ14の発熱量の総和ΣQを算出し、その総和ΣQに基づいて、モータ14の作動禁止制御を行うか否かを判断するようになっている。しかし、作動制御部12は、モータ14が連続して作動している間の発熱量のみに基づいて、モータ14の作動禁止制御を行うか否かを判断するようになっていてもよい。
【0045】
・ 前記実施形態において作動制御部12は、パルスセンサ18から出力されるパルス信号のパルス幅に基づいて、モータ14の作動電流値を算出するようになっている。しかし、作動制御部12は、パルス信号のパルス幅に限らず、例えばパルス信号の周期に基づいてモータ14の作動電流値を算出するようになっていてもよい。
【0046】
・ 前記実施形態では、モータ14の発熱量の総和ΣQを算出するにあたり、モータ14の作動電流値を二乗し、所定時間T内におけるモータ14のジュール熱の総和を求めるようになっている。しかし、該総和ΣQは、必ずしもモータ14のジュール熱の総和である必要はない。例えば、該総和ΣQの算出式は、「ΣQ=(a×5×T1)+(b×7×T2)+(c×9×T3)+(d×12×T4)+(e×16×T5)」となっていてもよい。なお、該算出式における「a」〜「e」は所定の係数であり、「a≦b≦c≦d≦e」の関係となっている。但し、こうした変更を行った場合には、第1規定値及び第2規定値の値も適宜変更する必要がある。
【0047】
・ モータ14の作動電流値は、モータ14のパルス幅からの換算に限らず、シャント抵抗を用いて算出されたり、モータ14の給電線の周辺磁界を検出し、その磁界の強さに基づいて算出されたりしてもよい。すなわち、モータ14の作動電流値を検出するための専用の部材を用いてもよい。
【0048】
・ 前記実施形態では、モータ14の作動禁止モードを解除するか否かを判断するために用いられる第2規定値K2は、作動禁止モードとなるか否かを判断するために用いられる第1規定値K1よりも、小さい値に設定されている。しかし、第2規定値K2は第1規定値K1と同じ値に設定されていてもよい。すなわち、第2規定値K2は、必ずしも第1規定値K1よりも小さい値に設定されている必要はない。
【0049】
・ 本発明にかかるモータの過熱保護制御装置は、前記実施形態では、車両のウインドウガラスを昇降するウインドウ駆動制御装置11として具体化されている。しかし、該過熱保護制御装置は、ウインドウガラスに限らず、例えばサンルーフ、スライドドア、バックドア等の車両用開閉機構の駆動用モータ、パワーシートの駆動用モータ等、各種車両用モータの過熱保護制御装置として適用されてもよい。また、該過熱保護制御装置は、車両以外に用いられる一般的な装置の駆動用モータの過熱保護制御装置として適用されてもよい。
【0050】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項3に記載のモータの過熱保護制御装置において、前記算出手段は、算出時を基準とした所定時間前までの間における前記モータの発熱量の総和を算出すること。この技術的思想(1)に記載の発明によれば、モータのリアルタイムの発熱量の総和を算出することができる。
【0051】
(2) 請求項1〜3、技術的思想(1)のいずれか1項に記載のモータの過熱保護制御装置において、前記既定値は、前記モータの作動を禁止するか否かを判断する際に用いる第1既定値と、該モータの作動禁止状態を解除するか否かを判断する際に用いる第2既定値とからなり、該第2既定値は前記第1既定値よりも小さい値に設定され、前記作動制御手段は、前記モータの発熱量が前記第1既定値を超えたことを条件として該モータの作動を禁止し、該モータの発熱量が前記第2既定値を下回ったことを条件として該作動禁止状態を解除すること。
【0052】
(3) 請求項1〜3、技術的思想(1),(2)のいずれか1項に記載のモータの過熱保護制御装置において、当該過熱保護制御装置は、車両用開閉機構に用いられるモータの過熱保護制御を行うものであること。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によれば、モータの過熱保護制御装置の構成の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をウインドウ駆動制御装置として具体化した一実施形態の構成を概略的に示す回路図。
【図2】同実施形態の作動禁止制御を説明するためのフローチャート。
【図3】同実施形態のモータの作動電流値を検出するためのマップ。
【図4】同実施形態におけるモータの発熱量の総和の算出パターン例を概略的に示すタイムチャート。
【図5】他の実施形態のモータの作動電流値を検出するためのマップ。
【符号の説明】
11…モータの過熱保護制御装置としてのウインドウ駆動制御装置、12…電流検出手段及び算出手段及び作動禁止手段としての作動制御部、14…モータ、18…パルス信号出力手段としてのパルスセンサ。
Claims (3)
- モータの作動電流値を検出する電流検出手段と、
前記モータの作動時間と前記作動電流値とから該モータの発熱量を算出する算出手段と、
前記モータの作動を制御するとともに、算出された前記モータの発熱量が予め設定された規定値を超えたことを条件として前記モータの作動を禁止する作動禁止制御を行う作動制御手段とを備えることを特徴とするモータの過熱保護制御装置。 - 前記モータの回転に伴ってパルス信号を出力するパルス信号出力手段を備え、
前記電流検出手段は、前記パルス信号に基づいて前記モータの作動電流値を算出することを特徴とする請求項1に記載のモータの過熱保護制御装置。 - 前記算出手段は、予め設定された所定時間内における前記モータの発熱量の総和を算出し、
前記作動制御手段は、該発熱量の総和と前記規定値との比較結果に基づいて前記作動禁止制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータの過熱保護制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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