JP2005027329A - 危機管理情報初動通報方法 - Google Patents

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【課題】 不必要な危機通報を行なうことなく、必要な危機通報は的確に行なうことを可能とする。
【解決手段】 危機管理情報初動通報サーバ7は、行政機関端末8からの災害や有事に関し、その重要度が高いほど高レベルとなるようにレベル分けされた事項についての事象が生じた旨の通報指示を受け付けると、この通報指示がなされた事項および事象に関する内容のメールを、このメールが基準レベル以上のレベルの事項に関する場合には、インターネット端末4、インターネット携帯端末5および文字メッセージ対応携帯端末6のような複数の通信端末の全てへ、また前記基準レベルよりも低いレベルの事項に関する場合には前記複数の通信端末のうちで予め通知を要求している通信端末のみへインターネットNT1や優先ネットワークNT2のような通信網を介して伝送する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震などの災害や戦争などの有事のような緊急事態に関した危機管理情報を国民などに通報するための危機管理情報初動通報方法に関する。
地球規模で異常気象現象が報告され、また近海、近隣諸国での有事への警戒と、数々の危機が身の回りにあふれている。さらに地震大国である日本は、近年の阪神大震災での被害にしても、近代文明では立ち向かえない強大な脅威に迫られている。
このような危機は、事前に発生を防止することは現在の科学では不可能に近い。しかし、そのような危機が生じそうであることや生じたことを民衆が的確に認識し、適切な対処を行えば被害を最小限に食い止めることが可能となる。
このように危機への対処を適切にし得るようにするための重要な要素としては、国民への情報伝達が考えられる。そして危機管理情報を国民に対して通報する手段としては現在、テレビやラジオなどの公共放送、街頭に設置したスピーカや各家庭に設置された緊急放送受信機を使用した緊急放送、広報車両による走行しながらのアナウンスなどが利用されている。
このほか、複数の移動無線通信端末の位置情報を取得して、セル内に位置する移動無線通信端末を検出して、セル内に位置する移動無線通信端末に対して周辺地域情報(緊急情報)を同報配信する技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。
あるいは、故障内容に対した複数の連絡先を選び出し、これらの連絡先のポケットベル全てに対して自動通報を行う技術が知られている(例えば特許文献2を参照)。
特開平11−285053号公報 特開平1−188155号公報
ところがこれらの方法はいずれも、危機管理情報を的確に伝達するにはどれも不十分であり、有効ではない。
また特許文献1や特許文献2に開示された技術では、通報する事項の重要度を考慮することなく、あらかじめ決められた通報先への通報を行うため、適正な通報先への通報を的確に行うことができなかった。
このように、国民に対する情報提供の体制が遅れている。例えば、世界の最先端技術をもって観測する地震予知システムを配備していながら、その予知結果を国民に対して通報する体制が整っていないため、有効活用するに至っていない。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、不必要な危機通報を行なうことなく、必要な危機通報は的確に行なうことを可能とする危機管理情報初動通報方法を提供することにある。
以上の目的を達成するために本発明は、災害や有事に関し、その重要度が高いほど高レベルとなるようにレベル分けされた事項に関する事象が生じた旨の通報指示を受け付け、この通報指示がなされた事項および事象に関する内容のメールを、このメールが基準レベル以上のレベルの事項に関する場合には複数の通信端末の全てへ、また前記基準レベルよりも低いレベルの事項に関する場合には前記複数の通信端末のうちで予め通知を要求している通信端末のみへ通信網を介して伝送するようにした。
本発明によれば、不必要な危機通報を行なうことなく、必要な危機通報は的確に行なうことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態につき説明する。
図1は本実施形態に係る危機管理情報初動通報システムの構成を示すブロック図である。
この図に示すように本実施形態の危機管理情報初動通報システムは、インターネットNT1と、インターネットプロバイダ1や移動通信網2とにより提供されているインターネットメール伝送サービスや、有線ネットワークNT2と移動通信網3とにより提供されている文字メッセージ伝送サービスを使用して実現される。
なお、実際にはインターネットプロバイダ1の他の多数のインターネットプロバイダや、移動通信網2,3の他の多数の移動通信網を使用する。好ましくは、本システムによる危機管理情報の通報範囲とする地域(例えば国単位、自治体単位など)をサービス範囲とする全ての通信事業者を使用するべきである。しかしここでは、説明を簡略化するためにインターネットプロバイダ1および移動通信網2,3のみを使用することとして説明する。
インターネットプロバイダ1は、複数の有線系のインターネット端末4(4-1〜4-i)を収容し、これらのインターネット端末4がインターネットNT1へとアクセスしたり、インターネット端末4のいずれかを宛先としたインターネットメールを宛先のインターネット端末4へと送出するなどの機能を実現するための周知の設備を有している。
またインターネットプロバイダ1は、従来よりあるインターネットプロバイダが有している周知の一般的な機能に加えて、例えばソフトウェア処理により実現される危機通報メール配信手段1aを有している。この危機通報メール配信手段1aは、後述する危機管理情報の通報のためのインターネットメール(以下、危機通報メールと称する)が到来した場合にこの危機通報メールを、収容している全てのインターネット端末4に向けて配信する。
なおインターネット端末4は、例えばパーソナルコンピュータを主体としてなる一般的なものの他、例えばウェブ・ティービー・ネットワークス株式会社が提供する「ウェブ・ティービー」サービス用の端末のようにテレビジョン受像機を使用するものや、ゲーム機を使用するものなど、有線の通信回線を介してインターネットプロバイダ1との間でのデータ伝送を行うものであれば如何なるものであっても良い。またインターネットプロバイダ1とインターネット端末4との接続回線は、PSTN回線やISDN回線などの公衆通信回線、専用線、あるいはCATV回線など、任意であって良い。
移動通信網2は、それぞれインターネットを介してのインターネットメールの送受信機能を有した複数の携帯端末(以下、インターネット携帯端末と称する)5(5-1〜5-j)やその他の携帯端末(図示せず)を収容しており、これらの携帯端末が任意に位置で通信を行うことを可能とするための周知の設備を有している。
また移動通信網2は、従来よりある移動通信網が有している周知の一般的な機能に加えて、例えばソフトウェア処理により実現される危機通報メール配信手段2aを有している。この危機通報メール配信手段2aは、後述する危機通報メールが到来した場合にこの危機通報メールを、収容している全てのインターネット携帯端末5に向けて配信する。
なお、インターネット携帯端末5に相当するものとしては、NTT移動通信網株式会社が提供する「iモード」サービス、ツーカーセルラーグループが提供する「EZweb」サービス、日本移動通信株式会社が提供する「EZアクセス」サービス、あるいはJ−フォングループが提供する「スカイウォーカー・E−メール」サービスなどに対応した携帯電話機が知られている。
移動通信網3は、それぞれ文字メッセージ伝送サービスに対応した複数の携帯端末(以下、文字メッセージ対応携帯端末と称する)6(6-1〜6-k)やその他の携帯端末(図示せず)を収容しており、これらの携帯端末が任意に位置で通信を行うことを可能とするための周知の設備を有している。
また移動通信網3は、従来よりある移動通信網が有している周知の一般的な機能に加えて、例えばソフトウェア処理により実現される危機通報メッセージ配信手段3aを有している。この危機通報メッセージ配信手段3aは、後述する危機通報文字メッセージが到来した場合にこの危機通報文字メッセージを、収容している全ての文字メッセージ対応携帯端末6に向けて配信する。
なお、文字メッセージ対応携帯端末6に相当するものとしては、NTT移動通信網株式会社が提供する「ショートメール」サービス、ツーカーセルラーグループが提供する「スカイメール」サービス、日本移動通信株式会社が提供する「プチメール」サービス、あるいはJ−フォングループが提供する「スカイメール」サービスなどに対応した携帯電話機が知られている。
危機管理情報初動通報サーバ7は、周知のwebサーバに、ソフトウェア処理により実現される通報指示受付手段7aおよび通報メール発送手段7bを加えて構成される。
ここで通報指示受付手段7aは、政府、省庁、地方自治体などの行政機関に設けられた行政機関端末8からの通報指示を受け付ける。また通報指示受付手段7aは、インターネットNT1および有線ネットワークNT2などの任意のネットワークを介しての通報レベルの変更指定(後述する)を受け付ける。
通報メール発送手段7bは、上記通報指示の内容に応じてインターネットメールや文字メッセージを生成し、これを適切な端末へと伝達するための処理を行う。
危機管理情報初動通報サーバ7は、多数の相手先に対して同時にインターネットメールや文字メッセージを送信し得る高い性能を有していることが望ましい。また災害や有事の際にもシステムダウンすることが無いような対策を施しておくことが望ましい。さらに、外部からの不正アクセスなども防止できるような高レベルのセキュリティを確保する対策を施しておくことが望ましい。さらには、万が一の障害の際にもシステムダウンに陥らないようなバックアップ体制を構築しておくことが望ましい。
行政機関端末8の設置場所としては、内閣(国家)危機管理室、総理大臣官邸、国土庁の中央防災会議、防衛庁、消防庁、気象庁、警察庁の通信指令本部、都道府県庁、市町村役場などが適切であると考えられる。
危機管理情報初動通報サーバ7と行政機関端末8との接続回線は、専用回線や衛星回線などのように災害や有事の際にも安定して使用できるような信頼性の高い回線を適用することが望ましい。
次に以上のように構成された危機管理情報初動通報システムの動作につき説明する。
まず本実施形態においては、通報に関する重要度レベルが、通報する事項の重要度に応じて5段階設定されている。そして最低レベルを「1」、最高レベルを「5」とし、重要度レベル3以上は、インターネットプロバイダ1に収容された全てのインターネット端末4、移動通信網2に収容された全てのインターネット携帯端末5、ならびに移動通信網3に収容された全ての文字メッセージ対応携帯端末6を通報先とすることとする。重要度レベル1および重要度レベル2は、端末の所有者からの要求が予めなされている場合にのみ、その端末を通報先とすることとする。また、重要度レベル2のみの通報を行わせるか、重要度レベル1および重要度レベル2の双方の通報を行わせるかも端末の所有者が任意に決めることを可能とする。従って、この重要度レベル1および重要度レベル2は、降雨情報や規模の小さな地震などのような、危険性の低い事項を設定しておく。
さて、危機管理情報初動通報サーバ7は、インターネット端末4やインターネット携帯端末5からのインターネットNT1を介してのアクセスを受けて指定された内容に応じて、あるいは文字メッセージ対応携帯端末6から送られてきた文字メッセージの内容に応じて、重要度レベル1および重要度レベル2で通報を行う端末の情報を自装置内のメモリに登録する。
さて、通報するべき事象が生じたとき、行政機関端末8のオペレータが行政機関端末8に対して情報入力を行う。ここで入力する情報は、例えば事項、事象、関係地域、重要度レベル、その他である。事項とは、「小地震」「大地震」「津波」「原子力事故」「細菌拡散」「戦争」「気象警報」などである。事象とは、項目に生じた事象のことで、「予知」「発生」「情勢変化」「終息」などである。関係地域とは、生じた項目が関係する地域のことで、市町村、都道府県あるいは地区名などで指定される。
行政機関端末8は、このような入力情報を所定のフォーマットで示すとともに暗号化してなる通報指示とし、これを危機管理情報初動通報サーバ7へ図2に示すように送信する。
この通報指示を受けると危機管理情報初動通報サーバ7はまず、重要度レベルを確認し、重要度レベル3以上であるか否かを判断する。図2は重要度レベル3以上が指定された場合のシーケンス図であり、以下にこの図を参照して重要度レベル3以上が指定された場合の動作をまず説明する。
重要度レベル3以上であることを確認したならば危機管理情報初動通報サーバ7は、通報指示に示された各情報に基づく内容のインターネットメールおよび文字メッセージを、危機通報メールおよび危機通報メッセージとして作成する。この危機通報メールおよび危機通報メッセージの内容は例えば、災害や有事の種類、災害や有事の状況(内容)、避難場所、今後の予想状況、対策方法、救援物資の受け渡し方法などである。なお、危機通報メールおよび危機通報メッセージに含める文字列等は、予め用意されて危機管理情報初動通報サーバ7内のメモリに格納されているので、このようなデータを適宜使用して危機通報メールおよび危機通報メッセージを作成する。
そして危機管理情報初動通報サーバ7は、このように作成した危機通報メールに一斉通報の要求であることを示す所定の情報を付加して、これを1回目の一斉通報要求R1-1としてインターネットプロバイダ1へとインターネットNT1を介して送信する。
また危機管理情報初動通報サーバ7は、上記作成した危機通報メールに一斉通報の要求であることを示す所定の情報を付加して、これを1回目の一斉通報要求R2-1として移動通信網2へとインターネットNT1を介して送信する。
さらに危機管理情報初動通報サーバ7は、上記作成した危機通報メッセージに一斉通報の要求であることを示す所定の情報を付加して、これを1回目の一斉通報要求R3-1として有線ネットワークNT2を介して移動通信網3へと送信する。
一斉通報要求R1-1を受けるとインターネットプロバイダ1は、一斉通報要求R1-1に含まれている危機通報メールを取り出し、これを自己が収容している全てのインターネット端末4-1〜4-iへと配信する。
一斉通報要求R2-1を受けると移動通信網2は、一斉通報要求R2-1に含まれている危機通報メールを取り出し、これを自己が収容している全てのインターネット携帯端末5-1〜5-jへと配信する。
一斉通報要求R3-1を受けると移動通信網3は、一斉通報要求R3-1に含まれている危機通報メッセージを取り出し、これを自己が収容している全ての文字メッセージ対応携帯端末6-1〜6-kへと配信する。
このようにして、行政機関端末8における災害や有事に関する情報入力がなされたことに応じて、インターネット端末4の全ておよびインターネット携帯端末5の全てに対して、災害や有事の種類やその災害の状況などを示した危機通報メールが即座に与えられる。また、文字メッセージ対応携帯端末6の全てに対して、災害や有事の種類やその災害の状況などを示した危機通報メッセージが即座に与えられる。
そして各端末では、送信されてきたメールやメッセージの内容を表示することが可能であり、そのユーザが危機通報の内容を知ることができる。
なお、インターネットプロバイダ1および移動通信網2,3は、危機通報メールおよび危機通報メッセージの配信を終了したならば、その旨の通知として終了通知N1-1,N2-1,N3-1を危機管理情報初動通報サーバ7へと与える。
さて危機管理情報初動通報サーバ7は、1回目の一斉通報要求R1-1,R2-1,R3-1を送信したのち、所定時間Tが経過するのを待ち受ける。そして所定時間Tが経過したならば危機管理情報初動通報サーバ7は、1回目の一斉通報要求R1-1,R2-1,R3-1と同一内容の2回目の一斉通報要求R1-2,R2-2,R3-2をインターネットプロバイダ1および移動通信網2,3に対して送信する。
これに応じてインターネットプロバイダ1および移動通信網2,3では、1回目の一斉通報要求を受けた際と同様に、前端末への危機通報メールおよび危機通報メッセージの配信が行われる。
かくして、同一の危機通報メールまたは危機通報メッセージが、各端末に対して繰り返し与えられることになる。
インターネットプロバイダ1および移動通信網2,3は、2回目の一斉通報要求R1-2,R2-2,R3-2に応じての危機通報メールおよび危機通報メッセージの配信が終了した場合にも、その旨の通知として終了通知N1-1,N2-1,N3-1を危機管理情報初動通報サーバ7へと与える。
危機管理情報初動通報サーバ7は、終了通知N1-1,N2-1,N3-1の全てを受信したことをもって前端末への危機管理情報の配信が終了したことを確認し、その旨の通知として配信終了通知を行政機関端末8へと送信する。
以上が1回の危機管理情報の通報に関する動作である。従って、災害や有事の発生が予知された場合、あるいは災害や有事が発生、情勢変化、終息した場合などのそれぞれで行政機関端末8へと情報入力を行うことで、その都度適切な危機管理情報が通報される。
ところで、ここまででは重要度レベル3以上である場合の動作を説明したが、以下に重要度レベル1または重要度レベル2である場合の動作を図3を参照して説明する。
行政機関端末8から通報指示を受け、重要度レベルが「1」または「2」であることを確認したならば危機管理情報初動通報サーバ7は、通報指示に示された各情報に基づいて、危機通報メールおよび危機通報メッセージを作成する。
次に危機管理情報初動通報サーバ7は、今回の重要度レベルでの通報を要求している端末を登録情報に基づいて判断する。なおここでは、インターネット端末4のうちで今回の重要度レベルでの通報を要求している端末を対象インターネット端末4a(4a-1〜4a-m)として、インターネット携帯端末5のうちで今回の重要度レベルでの通報を要求している端末を対象インターネット携帯端末5a(5a-1〜5a-n)として、また文字メッセージ対応携帯端末6のうちで今回の重要度レベルでの通報を要求している端末を対象文字メッセージ対応携帯端末6a(6a-1〜6a-p)として、それぞれ区別することとする。
そして危機管理情報初動通報サーバ7は、前述の作成した危機通報メールを、対象インターネット端末4a-1〜4a-mの全てを宛先として、インターネットNT1およびインターネットプロバイダ1を介して同報で送信する。また危機管理情報初動通報サーバ7は、前述の作成した危機通報メールを、対象インターネット携帯端末5a-1〜5a-nの全てを宛先として、インターネットNT1および移動通信網2を介して同報で送信する。また危機管理情報初動通報サーバ7は、前述の作成した危機通報メールを、対象文字メッセージ対応携帯端末6a-1〜6a-pのそれぞれを宛先として、有線ネットワークNT2および移動通信網3を介して個々に送信する。
このようにして、重要度レベル1または重要度レベル2の通報指示がなされた場合には、ユーザにより登録された端末、すなわちその重要度レベルの危機通報を必要とする端末のみに対して、災害や有事の種類やその災害の状況などを示した危機通報メールや危機通報メッセージが即座に与えられる。
そして各端末では、送信されてきたメールやメッセージの内容を表示することが可能であり、そのユーザが危機通報の内容を知ることができる。
さて危機管理情報初動通報サーバ7は、以上のような危機通報メールおよび危機通報メッセージの1回目の送信を行ったのち、所定時間Tが経過するのを待ち受ける。そして所定時間Tが経過したならば危機管理情報初動通報サーバ7は、1回目と同一内容の危機通報メールおよび危機通報メッセージを、対象インターネット端末4a-1〜4a-m、対象インターネット携帯端末5a-1〜5a-nおよび対象文字メッセージ対応携帯端末6a-1〜6a-pのそれぞれに送信する(2回目の送信)。
かくして、同一の危機通報メールまたは危機通報メッセージが、各端末に対して繰り返し与えられることになる。
さて、この時には重要度レベル3以上であるときの前述のケースとは異なり、インターネットプロバイダ1および移動通信網2,3は危機通報メールおよび危機通報メッセージを中継するだけであり、終了通知は行わない。そこで危機管理情報初動通報サーバ7は、危機通報メールおよび危機通報メッセージの送信を終了したことをもって配信を終了したと判定し、配信終了通知を行政機関端末8へと送信する。
以上のように本実施形態によれば、重要度レベル3以上の通報指示がなされた場合には、インターネットプロバイダ1に収容された全てのインターネット端末4、移動通信網2に収容された全てのインターネット携帯端末5、ならびに移動通信網3に収容された全ての文字メッセージ対応携帯端末6へと、災害や有事の種類やその災害の状況などを示した危機通報メールや危機通報メッセージが即座に与えられる。従って、各端末のユーザは、送信されてきたメールやメッセージの内容を表示させることで、災害や有事の種類やその災害の状況などを知ることができる。
さて、インターネットや移動通信は一般的に広まっており、その利用者は今後も増え続けることは確実である。従って、日本国内でサービスを提供しているインターネットプロバイダおよび移動通信網の多くを(好ましくは全て)を一斉通報の要求先として登録しておけば、大半の国民に対して危機通報を行うことが可能である。
特に本実施形態では、携帯端末を危機通報先としているが、携帯端末は1日のうちの多くの時間でユーザにより携行されることが一般的であるから、短期かつ確実に危機通報を行うことが可能で極めて有効である。
また本実施形態では、インターネットプロバイダ1および移動通信網2,3に対して一斉通報を要求し、インターネットプロバイダ1および移動通信網2,3が自己が収容する端末の全てに危機通報メールや危機通報メッセージの配信を行うようにしているので、インターネットプロバイダ1および移動通信網2,3が加入者管理のために元々有している情報を利用することが可能であり、全ての端末の情報を個々に危機管理情報初動通報サーバ7に持たせておく必要が無い。かつ、インターネットNT1や有線ネットワークNT2でのトラヒックを減少して効率的に危機通報を行うことが可能となっている。
また本実施形態では、多数の端末に対する情報伝送を行わなければならないからネットワーク資源の負荷を増大させることにはなるが、危機通報にインターネットメールや文字メッセージなどのメール伝送機能を利用するようにしているので短時間のうちに情報伝送を完了することができ、この結果、音声による案内を行う場合に比べてネットワーク資源の負担を軽減できる。
ところで、例えば小さな地震や気象情報などの比較的重要度の低い危機通報を毎回通報していると、通報の受け手側が危機通報に慣れてしまい、危機通報の有効性が低下してしまうおそれがある。反面、そのような事項に関する危機通報を望む人も居るはずであり、全く行わないことも問題である。しかし本実施形態では、危機通報をレベル分けし、重要度の低い危機通報に関してはユーザが予め要求してきた端末のみを対象として行うこととしているから、上記の2つの不具合をともに回避して有効に運用することが可能となる。
また本実施形態によれば、同一内容の危機通報を時間Tをおいて2回繰り返すようにしているので、1回目の危機通報が何らかの理由で端末まで到達しなかったり、1回目の危機通報に端末のユーザが気づかなかった場合などでも2回目で危機通報を完遂させることができる可能性が高まり、確実性を向上させることが可能となっている。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の種々の変形例を始めとして、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
(1) 危機通報先を、指定された関係地域に応じて限定するようにしても良い。すなわち例えば、指定された関係地域内に存在する端末のみを危機通報先とする等である。このようにすれば、限られた地域にのみ関係するような災害などが発生した場合に、無関係な地域にまで危機通報を行ってしまって不必要に民衆の不安を煽ってしまうようなことが防止できる。なお、インターネット端末4に関しては、例えばインターネットプロバイダ1との契約の際に通知される加入者住所から特定することができる。インターネット携帯端末5や文字メッセージ対応携帯端末6は移動するが、移動通信網2,3での位置登録情報に基づいて特定することができる。そしてどの端末を危機通報先とするかの判定は、上述のような情報を取得して危機管理情報初動通報サーバ7で行っても良いし、危機管理情報初動通報サーバ7からインターネットプロバイダ1および移動通信網2,3に関係地域を通知してインターネットプロバイダ1および移動通信網2,3で行うようにしても良い。
またこのように危機通報先を地域で限定するのは、重要度レベルが低い場合のみとすることとしても良い。
(2) インターネット端末4およびインターネット携帯端末5に対して与える危機通報メールはインターネットメールであるので、画像データを添付することが可能である。そこで、避難場所を示した地図画像を用意しておき、これを危機情報メールに添付して送信するようにしても良い。
(3) 上記実施形態では、インターネットプロバイダ1および移動通信網2,3に対して一斉通報を要求し、インターネットプロバイダ1および移動通信網2,3が自己が収容する端末の全てに危機通報メールや危機通報メッセージの配信を行うようにしているが、危機通報先となる全ての端末に関する情報(アドレスや電話番号など)を危機管理情報初動通報サーバ7に持たせておき、危機管理情報初動通報サーバ7から全ての端末へと危機通報メールや危機通報メッセージの送信を行うようにしても良い。
(4) 上記実施形態では、移動通信網2はインターネットメールサービスを、また移動通信網3は文字メッセージサービスをそれぞれ提供するものとしているが、両サービスをともに提供する移動通信網に対しては、一斉通報要求に危機通報メールおよび危機通報メッセージの双方を含ませるようにする。
(5) 上記実施形態では、危機通報メールおよび危機通報メッセージの送信回数を2回としているが、1回または3回以上としても良い。
本発明の一実施形態に係る危機管理情報初動通報システムの構成を示すブロック図。 重要度レベル3以上が指定された場合の危機通報に係るシーケンス図。 重要度レベル1または重要度レベル2が指定された場合の危機通報に係るシーケンス図。
符号の説明
1…インターネットプロバイダ、1a…危機通報メール配信手段、2…移動通信網、2a…危機通報メール配信手段、3…移動通信網、3a…危機通報メッセージ配信手段、4(4-1〜4-i)…インターネット端末、5(5-1〜5-j)…インターネット携帯端末、6(6-1〜6-j)…文字メッセージ対応携帯端末、7…危機管理情報初動通報サーバ、7a…通報指示受付手段、7b…通報メール発送手段、8…行政機関端末、NT1…インターネット、NT2…有線ネットワーク。

Claims (1)

  1. 災害や有事に関し、その重要度が高いほど高レベルとなるようにレベル分けされた事項に関する事象が生じた旨の通報指示を受け付け、この通報指示がなされた事項および事象に関する内容のメールを、このメールが基準レベル以上のレベルの事項に関する場合には複数の通信端末の全てへ、また前記基準レベルよりも低いレベルの事項に関する場合には前記複数の通信端末のうちで予め通知を要求している通信端末のみへ通信網を介して伝送することを特徴とする危機管理情報初動通報方法。
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