JP2005026877A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像を記録した記録物を情報の不正使用から保護し、しかも効率よく画像を記録することができる画像記録装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像記録装置1は、画像読み取り部を有する上部ユニット2、排紙トレイ部3、画像の記録を行う下部ユニット4、及び扉5を備えている。上部ユニット2は排紙トレイ部3を上から覆い隠し、扉5は排紙トレイ部3を囲い隠して、排紙トレイ部3が保持している画像の記録物を隠して外から記録物を目視することを困難にする。外部の装置から画像データを受信して画像を記録するときは、排紙トレイ部3が隠れた状態で画像を記録する。画像の記録を指示した使用者が記録物を受け取るときは、画像記録装置1が使用者を認証してから、上部ユニット2及び排紙トレイ部3が上昇し、排紙トレイ部3に保持している記録物を使用者が確認して受け取ることができるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の画像記録装置1は、画像読み取り部を有する上部ユニット2、排紙トレイ部3、画像の記録を行う下部ユニット4、及び扉5を備えている。上部ユニット2は排紙トレイ部3を上から覆い隠し、扉5は排紙トレイ部3を囲い隠して、排紙トレイ部3が保持している画像の記録物を隠して外から記録物を目視することを困難にする。外部の装置から画像データを受信して画像を記録するときは、排紙トレイ部3が隠れた状態で画像を記録する。画像の記録を指示した使用者が記録物を受け取るときは、画像記録装置1が使用者を認証してから、上部ユニット2及び排紙トレイ部3が上昇し、排紙トレイ部3に保持している記録物を使用者が確認して受け取ることができるようになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を記録した記録物を情報の不正使用から保護することができる画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の画像記録装置の多くは、通信ネットワークに接続され、該通信ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ(PC)等の他の装置から画像データを受信して画像を記録する機能を備えている。更に、用紙に記録された画像を電子データ化した画像データとして取り込み、取り込んだ画像データに基づいて画像を形成して記録する複写機能、ファクシミリ通信を用いて外部のファクシミリ装置との間で画像データを送受信するファクシミリ機能、及び取り込んだ画像データを外部の装置へ送信する送信機能など、複数の機能を備えた画像記録装置が実用化されている。このように、画像記録装置と通信ネットワークとを用いた画像データの処理が便利になる反面、画像データの複写、改竄、及び外部への転送などの操作が容易になり、企業秘密を記載した文書などの機密性を有する画像データを処理する場合には、機密情報の漏洩または情報の改竄などの情報の不正使用から画像データを保護する対策が必要となる。
【0003】
通信ネットワークにPC等の送信装置と画像記録装置とが接続され、画像を記録するために送信装置から画像記録装置へ画像データを送信する環境では、送信装置と画像記録装置との位置が互いに離れている場合が多いため、使用者が送信装置を操作して画像の記録を指示して、画像を記録用紙へ記録した記録物を使用者が画像記録装置から受け取るまでの間、記録物が画像記録装置から排出されたまま放置された状態となってしまう。特に、複数枚に渡る文書などの大量の画像を記録する場合には、使用者は、画像の記録が完了する頃合いを見計らって記録物を受け取りに行くため、記録物が放置される時間が長くなる。このとき、画像の記録を指示した使用者以外の不特定多数の者が、記録物の内容を見る、又は持ち去る可能性があり、情報の不正使用に繋がる危険がある。
【0004】
そこで、送信装置から送信された画像データを画像記録装置が受信したときに、画像の記録を行わずに画像データを記憶しておき、使用者が画像記録装置を直接に操作して記録の指示を入力してから画像を記録することによって、画像の記録物を不正使用から保護する画像記録装置が開発されている。特許文献1では、送信装置から画像記録装置へ画像データと共にパスワードを送信し、画像記録装置は、使用者が直接に操作してパスワードを入力する手段を備え、受信した画像データを記憶して待機し、使用者が直接に操作して正しいパスワードを入力したときに画像を記録する技術が開示されている。
【特許文献1】
特開昭60−25385号公報
【特許文献2】
特開平9−218552号公報
【特許文献3】
特開2002−207332号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された如き、正しいパスワードが入力されてから画像を記録する画像記録装置では、使用者の直接の操作を受け付けてから画像の記録を開始するため、画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の側で待機する必要があり、使用者が時間を拘束され、効率が悪いという問題がある。また、使用者が待ち時間を嫌って画像の記録が行われている間に画像記録装置の側を離れた場合には、情報の不正使用の危険がやはり発生することとなる。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、画像記録装置から排出された画像の記録物を、上方および側面から覆って隠す構造にすることで、記録物の存在を使用者以外の他者に気づかせないようにして、他者による情報の不正使用から画像の記録物を保護することを可能にし、しかも効率よく画像を記録することができる画像記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像記録装置は、画像を記録担体に記録する記録部と、該記録部の上方に位置する覆蓋部と、該覆蓋部の下方に位置し、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部とを備える画像記録装置において、前記覆蓋部は、前記保持部を上方から覆い隠すべくなしてあり、更に、前記保持部を周囲から囲い隠す遮蔽部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、画像記録装置に、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部を上方から覆い隠す覆蓋部と、保持部を周りから囲い隠す遮蔽部とを備え、保持部に保持している記録物が隠される。
【0009】
本発明に係る画像記録装置は、前記覆蓋部は、画像を記録担体に記録して前記保持部に保持されている記録物を覆い隠すべくなしてあり、前記遮蔽部は、前記保持部に保持されている前記記録物を囲い隠すべくなしてあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明においては、画像が記録されて保持部に保持された記録物は、覆蓋部と遮蔽部とによって隠され、記録物の内容が不特定多数の者の目に触れることを防止する。
【0011】
本発明に係る画像記録装置は、前記遮蔽部は、前記保持部が保持している記録物の一部分を前記遮断部の外から視認できる窓を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明においては、保持部が保持している記録物の一部分を外側から視認できる窓を有することにより、記録物の内容が不特定多数の者の目に触れることを防止しながら、記録物の存在を外から確認することが可能となる。
【0013】
本発明に係る画像記録装置は、前記遮蔽部は、前記保持部が保持している記録物を前記保持部の外側へ取り出せるように開閉可能になしてあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明においては、遮蔽部は開閉可能となっており、保持部が保持している記録物を取り出すことが可能である。
【0015】
本発明に係る画像記録装置は、前記遮蔽部は、前記記録部の少なくとも前面を覆うべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
また、本発明においては、保持部を囲う遮蔽部は、記録部の前面を覆う構成となっており、画像記録装置の外観を整えると共に、画像記録装置を使用するのに関係のない部分を隠す。
【0017】
本発明に係る画像記録装置は、前記覆蓋部を、前記保持部を上方から覆い隠す位置から、前記保持部を露出させる位置まで移動させ、更に、前記保持部を、前記遮蔽部に囲われている位置の外側の位置へ移動させる移動手段を更に備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明においては、覆蓋部は、保持部を覆い隠している位置から移動可能であり、保持部は、覆蓋部が離れているときに、遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動可能であるため、使用者は、保持部が保持している記録物を容易に受け取ることができる。
【0019】
本発明に係る画像記録装置は、使用者の存在を検出する手段を更に備え、前記移動手段は、使用者の存在を検出した場合に、前記覆蓋部及び前記保持部を移動させるべくなしてあることを特徴とする。
【0020】
また、本発明においては、使用者の存在を検出した場合に、保持部を遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動させるため、使用者のみに記録物の存在を確認させ、受け取りを可能にさせる。
【0021】
本発明に係る画像記録装置は、前記覆蓋部は、記録担体に記録された画像を読み取る手段を備えていることを特徴とする。
【0022】
更に、本発明においては、覆蓋部は、記録担体に記録された画像を読み取る画像読み取り部を備えており、画像記録装置は、画像の複写装置、又はスキャナ装置として利用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の画像記録装置の外観を示す外観斜視図である。本発明の画像記録装置1は、記録担体である記録用紙に画像を記録する下部ユニット(記録部)4と、下部ユニット4の上方に位置し、使用者からの操作を受け付ける操作部23を備えた上部ユニット(覆蓋部)2とを備えている。更に、画像記録装置1は、上部ユニット2と下部ユニット4との間の位置に、記録用紙に画像が記録されて下部ユニット4から排出された記録物を保持する複数の排紙トレイからなる排紙トレイ部(保持部)3を備えている。
【0024】
また、画像記録装置1は、図1(a)に示す如く排紙トレイ部3及び下部ユニット4の前面を覆う両開き式の扉(遮蔽部)5を備えており、図1(b)に示す如く、扉5を開いたときに排紙トレイ部3及び下部ユニット4が現れる構成となっている。扉5は、通常の使用時には閉じた状態となって排紙トレイ部3及び下部ユニット4を隠しており、排紙トレイ部3及び下部ユニット4の機構部分を隠して画像記録装置1の外観を整えると共に、画像記録装置1を使用するのに関係のない部分を隠して操作を容易にさせる。
【0025】
図2は、本発明の画像記録装置1の正面図である。上部ユニット2は、画像記録装置1の背面に設けられた第1シャフト31によって支持されている。第1シャフト31は、上下に移動可能であり、上部ユニット2は、第1シャフト31の移動に従って、下部ユニット4に対して接離可能な構成となっている。具体的には、上部ユニット2は、図2(a)に示す如き、扉5に正面を覆われた排紙トレイ部3及び下部ユニット4に所定の距離まで近接した近接状態と、図2(b)に示す如き、より長い距離だけ排紙トレイ部3及び下部ユニット4から離隔した離隔状態とをとることができる。また、排紙トレイ部3は、画像記録装置3の背面に設けられた第2シャフト32によって支持されており、上部ユニット2が近接状態になっているときには、扉5に囲われた状態となっている。第2シャフト32は、第1シャフト31と同様に上下に移動可能である。排紙トレイ部3は、上部ユニット2が離隔している状態では、第2シャフト32の移動に従って、上部ユニット2と下部ユニット4との間を上下に移動可能な構成となっている。上部ユニット2が上昇して下部ユニット4から離隔しているとき、排紙トレイ部3は、図2(b)に示す如き扉5に囲われた位置から上昇し、図2(c)に示す如き扉5に囲われた位置の外側の位置へ移動することが可能である。
【0026】
図3及び図4は、画像記録装置1と記録物との関係を示す外観斜視図である。上部ユニット2は、板状に形成され、排紙トレイ部3を上から覆うために充分な面積を有している。上部ユニット2が排紙トレイ部3及び下部ユニット4に近接している場合、上部ユニット2は、排紙トレイ部3を上方から覆い隠す状態となっており、また、扉5は排紙トレイ部3を正面から囲い隠す状態となっている。排紙トレイ部3が上部ユニット2及び扉5によって隠されているため、図3(a)に示す如く、記録用紙に画像が記録された記録物を排紙トレイ部3が保持しているときでも記録物が人の目に触れにくく、不特定多数の者が記録物を目視することは困難である。一方、上部ユニット2が下部ユニット4から離隔し、また、排紙トレイ部3が扉5に囲われた位置の外側の位置へ移動したときには、排紙トレイ部3は、上部ユニット2及び扉5によって隠されることはない。このため、図3(b)に示す如く、排紙トレイ部3が人の目に触れやすくなり、使用者は、排紙トレイ部3が保持している記録物を目視することが容易となる。
【0027】
また、図4(a)に示す如く、扉5は、観音開き式の両扉が閉じられた場合に相互に接しない状態でスリット(窓)51が形成されるように構成されている。そして、このスリット51を通して排紙トレイ部3及び下部ユニット4の一部が目視できる状態となっている。このため、使用者が目の高さを排紙トレイ部3の高さに合わせたときには、スリット51を通して排紙トレイ部3が保持している記録物の一部を目視することができる。従って、使用者は、記録物の内容を見ずに、記録物の有無を確認することができる。また扉5が開いている状態では、図4(b)に示す如く、排紙トレイ部3が保持している記録物を外部へ取り出すことができる。なお、スリット51の部分に透明または半透明のガラス等を用いて隙間を塞ぐことにより、扉5は、排紙トレイ部3を完全に囲いながらも、スリット51の部分から記録物の一部を目視できるような形態であってもよい。
【0028】
図5は、本発明の画像記録装置1の縦断面図である。上部ユニット2は、画像が記録された記録物を走査して読み取り、読み取った画像を電子データ化した画像データを生成する画像読み取り部22を備えている。画像読み取り部22は、記録物を伏せるコンタクト部、該記録物に光を照射する発光部、画像からの反射光を読み取る受光部、画像からの反射光を受光部へ導く導光部などからなっている。下部ユニット4は、画像を記録するための記録用紙をサイズ及び向き等で分類して収納する複数の給紙トレイ49,49,…と、画像を形成して記録用紙に記録する画像形成部43とを備えている。また、画像形成部43は、感光体ドラム、感光体ドラムを帯電する帯電体、帯電された感光体ドラム上に静電潜像を書き込むレーザ光走査部、感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像部、現像された顕像を記録用紙上に転写する転写部、記録用紙上に転写された像を定着させる定着部などからなっている。図中には、画像形成部43が給紙トレイ49,49,…の下方に配置され、カラー画像を形成するためにCMYK各色用の感光体ドラム及び現像部をタンデム配列した例を示している。下部ユニット4では、給紙トレイ49から記録用紙が画像形成部43へ送り出され、画像形成部43にて記録用紙に画像が記録され、画像が記録された記録用紙は、下部ユニット4から排紙トレイ部3へ排出され、記録物として排紙トレイ部3にて保持される。
【0029】
図6は、本発明の画像記録装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。下部ユニット4は、演算を行うCPU及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM等からなる制御部41を備えている。制御部41には、画像記録装置1の制御を行うための制御プログラムを記憶しているROM45が接続されており、制御部41は、ROM45が記憶している制御プログラムに従って、画像記録装置1全体の制御を行う。また、制御部41には、画像記録装置1が行う処理を管理するための管理情報を記憶するメモリである管理部46が接続されている。制御部41は、管理部46が記憶している管理情報を参照し、参照した情報に基づいて画像記録装置1の制御を行う。また、制御部41には、LAN等の外部の通信ネットワークNに接続された通信部44と、ハードディスク又は不揮発性のメモリからなり、画像データを記憶する記憶部47と、画像データを一時的に記憶する画像メモリ431を内部に備え、画像メモリ431が記憶している画像データから画像を形成し、形成した画像を記録用紙に記録して出力する画像形成部43とが接続されている。
【0030】
通信ネットワークNには、複数のPC6,6,…が接続されている。通信部44は、PC6から送信された画像データを通信ネットワークNを介して受信し、記憶部47は、受信した画像データを記憶し、画像形成部43は、通信部44が受信した画像データから画像を形成して出力することができる。また、管理部46は、出力した画像についての履歴を示した履歴情報を記憶する。制御部41には、また、上部ユニット2に接続された下部インタフェース42が接続されている。制御部41は、下部インタフェース42を介して上部ユニット2との間で情報を交換する。
【0031】
更に、制御部41には、第1シャフト31及び第2シャフト32を上下方向に移動させて上部ユニット2及び排紙トレイ部3を昇降させる昇降部48が接続されている。昇降部48は、第1シャフト31及び第2シャフト32が備えるラックに歯合させたピニオンをモータで回転させて第1シャフト31及び第2シャフト32を上下方向に移動させる方法、電動アクチュエータを用いて第1シャフト31及び第2シャフト32を上下方向に移動させる方法、又は第1シャフト31及び第2シャフト32に組み込んだボールねじをモータで回転させて第1シャフト31及び第2シャフト32を移動させる方法などの方法で、第1シャフト31及び第2シャフト32に支持された上部ユニット2及び排紙トレイ部3を昇降させる構成となっている。制御部41は、ROM45が記憶している制御プログラムに従って昇降部48の動作を制御し、本発明に係る移動手段として機能する。
【0032】
上部ユニット2は、制御部21を備えている。制御部21には、第1シャフト31内を通して設けられたフレキシブルケーブル等を用いて下部ユニット4の下部インタフェース42に接続された上部インタフェース26が接続されており、制御部21は、上部インタフェース26を介して下部ユニット4との間で情報を交換する。制御部21には、用紙に記録された画像を走査して読み取り、読み取った画像を電子データ化した画像データを生成する画像読み取り部22が接続されている。画像読み取り部22が生成した画像データを制御部21が下部ユニット4へ送信し、画像形成部43にて画像データから画像を形成することにより、画像形成装置1は画像の複写を行うことができる。また、画像記録装置1は、画像読み取り部22が生成した画像データを記憶部47に記憶し、記憶した画像データを通信部44から通信ネットワークNを介してPC6へ送信することができる。
【0033】
また、制御部21には、使用者からの操作を受け付ける操作部23が接続されている。操作部23は、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示手段と、使用者の操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネル又はテンキー等の入力手段とからなっている。更に、操作部23は、使用者の指の接触を受け付けて、使用者の指紋を読み取る指紋センサ231を有している。一方、制御部21には、更に、画像記録装置1の使用を許可された使用者の指紋の情報を登録した登録情報を記憶している登録部24と、使用者の認証を行う認証部25とが接続されている。認証部25は、登録部24が記憶している登録情報と指紋センサ231が読み取った指紋の情報とを照合し、使用者の認証を行う。
【0034】
図7は、登録部24が記憶している登録情報の内容の例を示す概念図である。通信ネットワークNに接続されたPC6,6,…夫々のIPアドレスに関連づけて、夫々のPC6の使用者の氏名および指紋情報が登録されている。画像記録装置1を使用する部署などで、使用者の指紋情報を予め登録しておくことにより、画像記録装置1が使用者を認証することができる。
【0035】
図8は、管理部46が記憶している履歴情報の内容の例を示す概念図である。画像として出力した画像データの送信元であるPC6のIPアドレスに関連づけて、画像データを受信した日時、記録用紙に画像を記録した記録物を排紙トレイ部3のどの排紙トレイに排出したかを示す排出先、及び記録物を使用者が受け取ったか否かを示す受取の情報が記録されている。なお、登録情報および履歴情報に関しては、IPアドレス以外に、MacアドレスなどのPC6を特定できる他の情報を用いて情報を記録しても良い。
【0036】
図9は、本発明の画像記録装置1が行う画像出力の処理の手順を示すフローチャートである。処理を行っていない待機中の状態では、画像記録装置1は、扉5が排紙トレイ部3を囲い隠し、また、上部ユニット2が下部ユニット4に近接しており、上部ユニット2が排紙トレイ部3を覆い隠している。使用者の操作によりPC6が画像データ及び画像出力の指示を通信ネットワークNを介して画像記録装置1へ送信すると、画像記録装置1は、通信部44にて、PC6からの画像データ及び画像出力の指示を受信する(S11)。これにより、画像記録装置1は、上部ユニット2及び扉5によって排紙トレイ部3が隠された状態で、給紙トレイ49が記録用紙を給紙し、画像形成部43が受信した画像データから画像を形成して記録用紙に記録し、画像を記録用紙に記録した記録物を排紙トレイ部3へ排出して、画像を出力する(S12)。次に、画像記録装置1の制御部41は、画像の出力の履歴を、出力した画像の記録物の受取が未の状態であるとして記録した履歴情報を、管理部46に記憶し(S13)、処理を終了する。下部ユニット4から排出された記録物は、排紙トレイ部3に保持され、下部ユニット4に近接している上部ユニット2と閉じた扉5とによって隠される。上部ユニット2及び扉5によって記録物が隠されるため、PC6から画像出力の指示を送信した使用者以外の者は、画像が出力されたことを知ることが困難である。画像記録装置1は、記録物を隠した状態で待機する。
【0037】
図10は、画像の記録物の受け取りの際に本発明の画像記録装置1が行う処理の手順を示したフローチャートであり、図11は、使用者が画像記録装置1から画像の記録物を受け取る様子を示した模式図である。PC6から画像データを画像記録装置1へ送信した使用者は、上部ユニット2が下部ユニット4に近接した状態になっている画像記録装置1のところまでやってきて、図11(a)に示す如く、手の指の指紋を画像記録装置1の指紋センサ231に受け付けさせる。画像記録装置1は、上部ユニット2の指紋センサ231にて使用者の指紋を受け付け(S21)、受け付けた指紋の情報と、登録部24に記憶している登録情報に記録している指紋の情報とを認証部25にて対照し、受け付けた指紋に係る使用者が登録情報に登録されているか否かを判定して、使用者の認証を行う(S22)。受け付けた指紋の情報が登録情報に登録されていて、使用者の認証に成功した場合は(S22:YES)、上部ユニット2の制御部21は、受け付けた指紋に係る登録情報の内容を上部インタフェース26を介して下部ユニット4へ送信する。下部ユニット4の制御部41は、下部インタフェース42を介して上部ユニット2から受信した登録情報の内容と管理部46に記憶している履歴情報とを対照して、受け付けた指紋の情報に関連づけて登録情報に登録してあるIPアドレスのPC6から受信した画像データから形成した画像の記録物の受取が未の状態となっている出力の履歴が履歴情報に記録されているか否かを判定する(S23)。出力の履歴が記録されていた場合は(S23:YES)、制御部41が昇降部48を動作させることにより、図11(b)に示す如く上部ユニット2が上昇し(S24)、更に排紙トレイ部3が上昇する(S25)。排紙トレイ部3は、上昇することにより、扉5に囲われた位置の外側の位置へ移動するため、排紙トレイ部3に保持されている画像の記録物が使用者にとって目視可能になる。また、使用者は、画像の記録物を排紙トレイ部3から取り出し易くなり、図11(c)に示す如く、使用者は、上昇した排紙トレイ部3から画像の記録物を受け取る。
【0038】
次に、制御部41は、使用者から記録物の受け取り終了の指示を受け付けるか、又は、排紙トレイ部3が上昇してから所定の時間が経過するまで待機するなどして、記録物の受け取りの終了を監視する(S26)。記録物の受け取りが終了していない場合は(S26:NO)、制御部41は、監視を続行し(S26)、記録物の受け取りが終了した場合は(S26:YES)、制御部41が昇降部48を動作させることにより、上部ユニット2及び排紙トレイ部3が下降して上部ユニット2が下部ユニット4に近接した状態へ戻る(S27)。制御部41は、次に、管理部46に記憶している履歴情報を、記録物の受取が済の状態へ更新し(S28)、処理を終了する。ステップS22にて認証に失敗した場合(S22:NO)、及びステップS23にて画像の出力の履歴がなかった場合は(S23:NO)、制御部21又は41は、操作部23の表示手段にエラーの表示を出力し(S29)、処理を終了する。なお、ステップS26では、接触センサ等を用いて、排紙トレイ部3から記録物が取り出されたことを検出する処理を行ってもよい。また、ステップS24とステップS25とで2段階に分けて上部ユニット2と排紙トレイ部3とが上昇する処理を示したが、上部ユニット2と排紙トレイ部3とが同時に上昇する処理を行ってもよい。また、画像記録装置1は、画像読み取り部22を用いて記録用紙に記録された画像を読み取ることで、複写装置またはスキャナ装置として使用することができる。
【0039】
以上詳述した如く、本発明の画像記録装置1は、上部ユニット2、排紙トレイ部3、下部ユニット4、及び扉5を備え、扉5は、排紙トレイ部3を正面から囲い隠し、上部ユニット2は、排紙トレイ部3を上方から覆い隠し、排紙トレイ部3が保持している画像の記録物を隠して外から記録物を目視することを困難にする。上部ユニット2及び扉5が記録物を隠すことにより、目視では記録物が排紙トレイ部3に保持されているか否かを判別することが困難となり、不特定多数の者によって記録物の内容を見られる、又は記録物を持ち去られる危険性が減少し、情報の不正使用から画像の記録物を保護することができる。また、本発明においては、画像記録装置1に接続されたPC6から画像データを送信して画像を記録する場合、画像を記録する間は上部ユニット2及び扉5が排紙トレイ部3に保持される記録物を隠し、また、使用者が記録物を受け取りに来るまで隠したままであるため、記録物の存在は使用者以外の他者には気づかれず、使用者が画像記録装置1の側にいなくても記録物は不正使用から保護される。これにより、情報の不正使用から記録物を保護するために画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の側で待機する必要がなくなり、使用者は、画像の記録が完了する頃を見計らって記録物を受け取る等して、情報の不正使用から記録物を保護することが可能となり、しかも効率よく画像の記録を行うことができる。
【0040】
また、本発明においては、扉5は、排紙トレイ部3が保持している記録物の一部分を排紙トレイ部3の外部から視認できる窓を有しているため、記録物の内容が不特定多数の者の目に触れることを防止し、しかも記録物の存在を外から確認することが可能となり、記録物が排紙トレイ部3に長時間放置されることを防止することができる。また、扉5は、開閉可能となっており、扉5を開放する権限を有する管理者などが定期的に画像記録装置1を点検して、扉5を開放して排紙トレイ部3に放置されている記録物を取り出すことにより、大量に放置された記録物が画像記録装置1の動作を妨げることを防止することが可能になる。また、扉5は、排紙トレイ部3に加えて下部ユニット4の前面を覆う構成となっており、排紙トレイ部3及び下部ユニット4の機構部分を隠して画像記録装置1の外観を整える。また、扉5は、画像記録装置1を使用する際に直接操作することのない、記録用紙の補給または紙詰まりからの復帰などの際に利用する部分を隠し、操作を容易にさせる。
【0041】
また、本発明の画像記録装置1は、指紋を用いて使用者を認証し、認証に成功した場合は、上部ユニット2が下部ユニット4から離隔し、また、排紙トレイ部3が上昇して扉5に囲われた位置の外側の位置へ移動するため、記録物の存在が目視可能になり、使用者は記録物の受け取りが容易になり、画像記録装置1の利便性が向上する。更に、使用者の認証に失敗した場合は、上部ユニット2及び排紙トレイ部3の位置を移動させずに記録物の有無の確認を困難にさせることにより、使用者以外の他者が記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から画像の記録物を保護して画像記録装置の安全性をより高めることができる。
【0042】
更に、上部ユニット2は、画像読み取り部22を備えることにより、画像記録装置1は、画像の複写装置、又はスキャナ装置として利用することが可能となり、利便性が向上する。
【0043】
なお、本実施の形態においては、扉5が両開き式の扉である形態を示したが、これに限るものではなく、片開き式の扉、又は画像記録装置1の側面と一体になって開閉する扉などその他の形態であってもよい。また、扉5が縦型のスリット51を備えた形態を示したが、斜めに入ったスリットを備えた形態、又は丸窓を備えた形態など、記録物の一部を確認できるその他の窓を備えた形態であってもよい。
【0044】
また、本実施の形態においては、使用者の存在を検出する方法として、使用者の指紋を利用して使用者を認証する方法を用いたが、これに限るものではなく、掌紋または声紋など使用者の身体的な特徴を示す指紋以外の他の情報を利用して使用者を認証する方法、予め登録してあるID及びパスワードを使用者から受け付ける方法、使用者のID情報を記録している接触式または非接触式のICカードを用いて使用者を認証する方法、カメラを用いて使用者を同定する方法など、他の方法を用いて使用者の存在を検出する形態であってもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明においては、画像記録装置は、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部を上方から覆い隠す覆蓋部と、保持部を周りから囲い隠す遮蔽部とを備える。これにより、目視では記録物が保持部に保持されているか否かを判別することが困難となり、不特定多数の者によって記録物の内容を見られる、又は記録物を持ち去られる危険性が減少し、情報の不正使用から画像の記録物を保護することができる。
【0046】
また、本発明においては、画像が記録されて保持部に保持された記録物は、覆蓋部と遮蔽部とによって隠されるため、情報の不正使用から記録物を保護するために画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の側で待機する必要がなくなる。これにより、情報の不正使用から記録物を保護することが可能となり、しかも効率よく画像の記録を行うことができる。
【0047】
また、本発明においては、保持部が保持している記録物の一部分を外側から視認できる窓を保持部に備えているため、記録物の内容が不特定多数の者の目に触れることを防止し、しかも記録物の存在を外から確認することが可能となり、記録物が保持部に長時間放置されることを防止することができる。
【0048】
また、本発明においては、遮蔽部は開閉可能となっており、管理者などが遮蔽部を開放して保持部に放置されている記録物を取り出すことにより、大量に放置された記録物が画像記録装置の動作を妨げることを防止する。
【0049】
また、本発明においては、保持部を囲う遮蔽部は、記録部の前面を覆う構成となっており、保持部および記録部の機構部分を隠して画像記録装置の外観を整える。また、遮蔽部は、画像記録装置を使用する際に直接操作することのない、記録用紙の補給または紙詰まりからの復帰などの際に利用する部分を隠し、操作を容易にさせる。
【0050】
また、本発明においては、覆蓋部は、保持部を覆い隠している位置から移動可能であり、保持部は、覆蓋部が離れているときに、遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動可能であるため、使用者は、保持部が保持している記録物を容易に受け取ることができる。
【0051】
また、本発明においては、使用者の存在を検出した場合に、保持部を遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動させるため、使用者のみに記録物の確認と受け取りとを可能にさせる。これにより、使用者以外の他者が記録物を見る又は持ち去ることを防止して、情報の不正使用から画像の記録物を保護して画像記録装置の安全性をより高めることができる。
【0052】
更に、本発明においては、覆蓋部は、記録担体に記録された画像を読み取る画像読み取り部を備えており、画像記録装置は、画像の複写装置、又はスキャナ装置として利用することが可能となり、画像記録装置の利便性が向上する等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置の外観を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の画像記録装置の正面図である。
【図3】画像記録装置と記録物との関係を示す外観斜視図である。
【図4】画像記録装置と記録物との関係を示す外観斜視図である。
【図5】本発明の画像記録装置の縦断面図である。
【図6】本発明の画像記録装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図7】登録部が記憶している登録情報の内容の例を示す概念図である。
【図8】管理部が記憶している履歴情報の内容の例を示す概念図である。
【図9】本発明の画像記録装置が行う画像出力の処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】画像の記録物の受け取りの際に本発明の画像記録装置が行う処理の手順を示したフローチャートである。
【図11】使用者が画像記録装置から画像の記録物を受け取る様子を示した模式図である。
【符号の説明】
1 画像記録装置
2 上部ユニット(覆蓋部)
21 制御部
22 画像読み取り部
23 操作部
231 指紋センサ
25 認証部
3 排紙トレイ部(保持部)
4 下部ユニット(記録部)
41 制御部
43 画像形成部
48 昇降部(移動手段)
5 扉(遮蔽部)
51 スリット(窓)
6 PC
N 通信ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を記録した記録物を情報の不正使用から保護することができる画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の画像記録装置の多くは、通信ネットワークに接続され、該通信ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ(PC)等の他の装置から画像データを受信して画像を記録する機能を備えている。更に、用紙に記録された画像を電子データ化した画像データとして取り込み、取り込んだ画像データに基づいて画像を形成して記録する複写機能、ファクシミリ通信を用いて外部のファクシミリ装置との間で画像データを送受信するファクシミリ機能、及び取り込んだ画像データを外部の装置へ送信する送信機能など、複数の機能を備えた画像記録装置が実用化されている。このように、画像記録装置と通信ネットワークとを用いた画像データの処理が便利になる反面、画像データの複写、改竄、及び外部への転送などの操作が容易になり、企業秘密を記載した文書などの機密性を有する画像データを処理する場合には、機密情報の漏洩または情報の改竄などの情報の不正使用から画像データを保護する対策が必要となる。
【0003】
通信ネットワークにPC等の送信装置と画像記録装置とが接続され、画像を記録するために送信装置から画像記録装置へ画像データを送信する環境では、送信装置と画像記録装置との位置が互いに離れている場合が多いため、使用者が送信装置を操作して画像の記録を指示して、画像を記録用紙へ記録した記録物を使用者が画像記録装置から受け取るまでの間、記録物が画像記録装置から排出されたまま放置された状態となってしまう。特に、複数枚に渡る文書などの大量の画像を記録する場合には、使用者は、画像の記録が完了する頃合いを見計らって記録物を受け取りに行くため、記録物が放置される時間が長くなる。このとき、画像の記録を指示した使用者以外の不特定多数の者が、記録物の内容を見る、又は持ち去る可能性があり、情報の不正使用に繋がる危険がある。
【0004】
そこで、送信装置から送信された画像データを画像記録装置が受信したときに、画像の記録を行わずに画像データを記憶しておき、使用者が画像記録装置を直接に操作して記録の指示を入力してから画像を記録することによって、画像の記録物を不正使用から保護する画像記録装置が開発されている。特許文献1では、送信装置から画像記録装置へ画像データと共にパスワードを送信し、画像記録装置は、使用者が直接に操作してパスワードを入力する手段を備え、受信した画像データを記憶して待機し、使用者が直接に操作して正しいパスワードを入力したときに画像を記録する技術が開示されている。
【特許文献1】
特開昭60−25385号公報
【特許文献2】
特開平9−218552号公報
【特許文献3】
特開2002−207332号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された如き、正しいパスワードが入力されてから画像を記録する画像記録装置では、使用者の直接の操作を受け付けてから画像の記録を開始するため、画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の側で待機する必要があり、使用者が時間を拘束され、効率が悪いという問題がある。また、使用者が待ち時間を嫌って画像の記録が行われている間に画像記録装置の側を離れた場合には、情報の不正使用の危険がやはり発生することとなる。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、画像記録装置から排出された画像の記録物を、上方および側面から覆って隠す構造にすることで、記録物の存在を使用者以外の他者に気づかせないようにして、他者による情報の不正使用から画像の記録物を保護することを可能にし、しかも効率よく画像を記録することができる画像記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像記録装置は、画像を記録担体に記録する記録部と、該記録部の上方に位置する覆蓋部と、該覆蓋部の下方に位置し、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部とを備える画像記録装置において、前記覆蓋部は、前記保持部を上方から覆い隠すべくなしてあり、更に、前記保持部を周囲から囲い隠す遮蔽部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、画像記録装置に、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部を上方から覆い隠す覆蓋部と、保持部を周りから囲い隠す遮蔽部とを備え、保持部に保持している記録物が隠される。
【0009】
本発明に係る画像記録装置は、前記覆蓋部は、画像を記録担体に記録して前記保持部に保持されている記録物を覆い隠すべくなしてあり、前記遮蔽部は、前記保持部に保持されている前記記録物を囲い隠すべくなしてあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明においては、画像が記録されて保持部に保持された記録物は、覆蓋部と遮蔽部とによって隠され、記録物の内容が不特定多数の者の目に触れることを防止する。
【0011】
本発明に係る画像記録装置は、前記遮蔽部は、前記保持部が保持している記録物の一部分を前記遮断部の外から視認できる窓を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明においては、保持部が保持している記録物の一部分を外側から視認できる窓を有することにより、記録物の内容が不特定多数の者の目に触れることを防止しながら、記録物の存在を外から確認することが可能となる。
【0013】
本発明に係る画像記録装置は、前記遮蔽部は、前記保持部が保持している記録物を前記保持部の外側へ取り出せるように開閉可能になしてあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明においては、遮蔽部は開閉可能となっており、保持部が保持している記録物を取り出すことが可能である。
【0015】
本発明に係る画像記録装置は、前記遮蔽部は、前記記録部の少なくとも前面を覆うべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
また、本発明においては、保持部を囲う遮蔽部は、記録部の前面を覆う構成となっており、画像記録装置の外観を整えると共に、画像記録装置を使用するのに関係のない部分を隠す。
【0017】
本発明に係る画像記録装置は、前記覆蓋部を、前記保持部を上方から覆い隠す位置から、前記保持部を露出させる位置まで移動させ、更に、前記保持部を、前記遮蔽部に囲われている位置の外側の位置へ移動させる移動手段を更に備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明においては、覆蓋部は、保持部を覆い隠している位置から移動可能であり、保持部は、覆蓋部が離れているときに、遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動可能であるため、使用者は、保持部が保持している記録物を容易に受け取ることができる。
【0019】
本発明に係る画像記録装置は、使用者の存在を検出する手段を更に備え、前記移動手段は、使用者の存在を検出した場合に、前記覆蓋部及び前記保持部を移動させるべくなしてあることを特徴とする。
【0020】
また、本発明においては、使用者の存在を検出した場合に、保持部を遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動させるため、使用者のみに記録物の存在を確認させ、受け取りを可能にさせる。
【0021】
本発明に係る画像記録装置は、前記覆蓋部は、記録担体に記録された画像を読み取る手段を備えていることを特徴とする。
【0022】
更に、本発明においては、覆蓋部は、記録担体に記録された画像を読み取る画像読み取り部を備えており、画像記録装置は、画像の複写装置、又はスキャナ装置として利用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の画像記録装置の外観を示す外観斜視図である。本発明の画像記録装置1は、記録担体である記録用紙に画像を記録する下部ユニット(記録部)4と、下部ユニット4の上方に位置し、使用者からの操作を受け付ける操作部23を備えた上部ユニット(覆蓋部)2とを備えている。更に、画像記録装置1は、上部ユニット2と下部ユニット4との間の位置に、記録用紙に画像が記録されて下部ユニット4から排出された記録物を保持する複数の排紙トレイからなる排紙トレイ部(保持部)3を備えている。
【0024】
また、画像記録装置1は、図1(a)に示す如く排紙トレイ部3及び下部ユニット4の前面を覆う両開き式の扉(遮蔽部)5を備えており、図1(b)に示す如く、扉5を開いたときに排紙トレイ部3及び下部ユニット4が現れる構成となっている。扉5は、通常の使用時には閉じた状態となって排紙トレイ部3及び下部ユニット4を隠しており、排紙トレイ部3及び下部ユニット4の機構部分を隠して画像記録装置1の外観を整えると共に、画像記録装置1を使用するのに関係のない部分を隠して操作を容易にさせる。
【0025】
図2は、本発明の画像記録装置1の正面図である。上部ユニット2は、画像記録装置1の背面に設けられた第1シャフト31によって支持されている。第1シャフト31は、上下に移動可能であり、上部ユニット2は、第1シャフト31の移動に従って、下部ユニット4に対して接離可能な構成となっている。具体的には、上部ユニット2は、図2(a)に示す如き、扉5に正面を覆われた排紙トレイ部3及び下部ユニット4に所定の距離まで近接した近接状態と、図2(b)に示す如き、より長い距離だけ排紙トレイ部3及び下部ユニット4から離隔した離隔状態とをとることができる。また、排紙トレイ部3は、画像記録装置3の背面に設けられた第2シャフト32によって支持されており、上部ユニット2が近接状態になっているときには、扉5に囲われた状態となっている。第2シャフト32は、第1シャフト31と同様に上下に移動可能である。排紙トレイ部3は、上部ユニット2が離隔している状態では、第2シャフト32の移動に従って、上部ユニット2と下部ユニット4との間を上下に移動可能な構成となっている。上部ユニット2が上昇して下部ユニット4から離隔しているとき、排紙トレイ部3は、図2(b)に示す如き扉5に囲われた位置から上昇し、図2(c)に示す如き扉5に囲われた位置の外側の位置へ移動することが可能である。
【0026】
図3及び図4は、画像記録装置1と記録物との関係を示す外観斜視図である。上部ユニット2は、板状に形成され、排紙トレイ部3を上から覆うために充分な面積を有している。上部ユニット2が排紙トレイ部3及び下部ユニット4に近接している場合、上部ユニット2は、排紙トレイ部3を上方から覆い隠す状態となっており、また、扉5は排紙トレイ部3を正面から囲い隠す状態となっている。排紙トレイ部3が上部ユニット2及び扉5によって隠されているため、図3(a)に示す如く、記録用紙に画像が記録された記録物を排紙トレイ部3が保持しているときでも記録物が人の目に触れにくく、不特定多数の者が記録物を目視することは困難である。一方、上部ユニット2が下部ユニット4から離隔し、また、排紙トレイ部3が扉5に囲われた位置の外側の位置へ移動したときには、排紙トレイ部3は、上部ユニット2及び扉5によって隠されることはない。このため、図3(b)に示す如く、排紙トレイ部3が人の目に触れやすくなり、使用者は、排紙トレイ部3が保持している記録物を目視することが容易となる。
【0027】
また、図4(a)に示す如く、扉5は、観音開き式の両扉が閉じられた場合に相互に接しない状態でスリット(窓)51が形成されるように構成されている。そして、このスリット51を通して排紙トレイ部3及び下部ユニット4の一部が目視できる状態となっている。このため、使用者が目の高さを排紙トレイ部3の高さに合わせたときには、スリット51を通して排紙トレイ部3が保持している記録物の一部を目視することができる。従って、使用者は、記録物の内容を見ずに、記録物の有無を確認することができる。また扉5が開いている状態では、図4(b)に示す如く、排紙トレイ部3が保持している記録物を外部へ取り出すことができる。なお、スリット51の部分に透明または半透明のガラス等を用いて隙間を塞ぐことにより、扉5は、排紙トレイ部3を完全に囲いながらも、スリット51の部分から記録物の一部を目視できるような形態であってもよい。
【0028】
図5は、本発明の画像記録装置1の縦断面図である。上部ユニット2は、画像が記録された記録物を走査して読み取り、読み取った画像を電子データ化した画像データを生成する画像読み取り部22を備えている。画像読み取り部22は、記録物を伏せるコンタクト部、該記録物に光を照射する発光部、画像からの反射光を読み取る受光部、画像からの反射光を受光部へ導く導光部などからなっている。下部ユニット4は、画像を記録するための記録用紙をサイズ及び向き等で分類して収納する複数の給紙トレイ49,49,…と、画像を形成して記録用紙に記録する画像形成部43とを備えている。また、画像形成部43は、感光体ドラム、感光体ドラムを帯電する帯電体、帯電された感光体ドラム上に静電潜像を書き込むレーザ光走査部、感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像部、現像された顕像を記録用紙上に転写する転写部、記録用紙上に転写された像を定着させる定着部などからなっている。図中には、画像形成部43が給紙トレイ49,49,…の下方に配置され、カラー画像を形成するためにCMYK各色用の感光体ドラム及び現像部をタンデム配列した例を示している。下部ユニット4では、給紙トレイ49から記録用紙が画像形成部43へ送り出され、画像形成部43にて記録用紙に画像が記録され、画像が記録された記録用紙は、下部ユニット4から排紙トレイ部3へ排出され、記録物として排紙トレイ部3にて保持される。
【0029】
図6は、本発明の画像記録装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。下部ユニット4は、演算を行うCPU及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM等からなる制御部41を備えている。制御部41には、画像記録装置1の制御を行うための制御プログラムを記憶しているROM45が接続されており、制御部41は、ROM45が記憶している制御プログラムに従って、画像記録装置1全体の制御を行う。また、制御部41には、画像記録装置1が行う処理を管理するための管理情報を記憶するメモリである管理部46が接続されている。制御部41は、管理部46が記憶している管理情報を参照し、参照した情報に基づいて画像記録装置1の制御を行う。また、制御部41には、LAN等の外部の通信ネットワークNに接続された通信部44と、ハードディスク又は不揮発性のメモリからなり、画像データを記憶する記憶部47と、画像データを一時的に記憶する画像メモリ431を内部に備え、画像メモリ431が記憶している画像データから画像を形成し、形成した画像を記録用紙に記録して出力する画像形成部43とが接続されている。
【0030】
通信ネットワークNには、複数のPC6,6,…が接続されている。通信部44は、PC6から送信された画像データを通信ネットワークNを介して受信し、記憶部47は、受信した画像データを記憶し、画像形成部43は、通信部44が受信した画像データから画像を形成して出力することができる。また、管理部46は、出力した画像についての履歴を示した履歴情報を記憶する。制御部41には、また、上部ユニット2に接続された下部インタフェース42が接続されている。制御部41は、下部インタフェース42を介して上部ユニット2との間で情報を交換する。
【0031】
更に、制御部41には、第1シャフト31及び第2シャフト32を上下方向に移動させて上部ユニット2及び排紙トレイ部3を昇降させる昇降部48が接続されている。昇降部48は、第1シャフト31及び第2シャフト32が備えるラックに歯合させたピニオンをモータで回転させて第1シャフト31及び第2シャフト32を上下方向に移動させる方法、電動アクチュエータを用いて第1シャフト31及び第2シャフト32を上下方向に移動させる方法、又は第1シャフト31及び第2シャフト32に組み込んだボールねじをモータで回転させて第1シャフト31及び第2シャフト32を移動させる方法などの方法で、第1シャフト31及び第2シャフト32に支持された上部ユニット2及び排紙トレイ部3を昇降させる構成となっている。制御部41は、ROM45が記憶している制御プログラムに従って昇降部48の動作を制御し、本発明に係る移動手段として機能する。
【0032】
上部ユニット2は、制御部21を備えている。制御部21には、第1シャフト31内を通して設けられたフレキシブルケーブル等を用いて下部ユニット4の下部インタフェース42に接続された上部インタフェース26が接続されており、制御部21は、上部インタフェース26を介して下部ユニット4との間で情報を交換する。制御部21には、用紙に記録された画像を走査して読み取り、読み取った画像を電子データ化した画像データを生成する画像読み取り部22が接続されている。画像読み取り部22が生成した画像データを制御部21が下部ユニット4へ送信し、画像形成部43にて画像データから画像を形成することにより、画像形成装置1は画像の複写を行うことができる。また、画像記録装置1は、画像読み取り部22が生成した画像データを記憶部47に記憶し、記憶した画像データを通信部44から通信ネットワークNを介してPC6へ送信することができる。
【0033】
また、制御部21には、使用者からの操作を受け付ける操作部23が接続されている。操作部23は、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示手段と、使用者の操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネル又はテンキー等の入力手段とからなっている。更に、操作部23は、使用者の指の接触を受け付けて、使用者の指紋を読み取る指紋センサ231を有している。一方、制御部21には、更に、画像記録装置1の使用を許可された使用者の指紋の情報を登録した登録情報を記憶している登録部24と、使用者の認証を行う認証部25とが接続されている。認証部25は、登録部24が記憶している登録情報と指紋センサ231が読み取った指紋の情報とを照合し、使用者の認証を行う。
【0034】
図7は、登録部24が記憶している登録情報の内容の例を示す概念図である。通信ネットワークNに接続されたPC6,6,…夫々のIPアドレスに関連づけて、夫々のPC6の使用者の氏名および指紋情報が登録されている。画像記録装置1を使用する部署などで、使用者の指紋情報を予め登録しておくことにより、画像記録装置1が使用者を認証することができる。
【0035】
図8は、管理部46が記憶している履歴情報の内容の例を示す概念図である。画像として出力した画像データの送信元であるPC6のIPアドレスに関連づけて、画像データを受信した日時、記録用紙に画像を記録した記録物を排紙トレイ部3のどの排紙トレイに排出したかを示す排出先、及び記録物を使用者が受け取ったか否かを示す受取の情報が記録されている。なお、登録情報および履歴情報に関しては、IPアドレス以外に、MacアドレスなどのPC6を特定できる他の情報を用いて情報を記録しても良い。
【0036】
図9は、本発明の画像記録装置1が行う画像出力の処理の手順を示すフローチャートである。処理を行っていない待機中の状態では、画像記録装置1は、扉5が排紙トレイ部3を囲い隠し、また、上部ユニット2が下部ユニット4に近接しており、上部ユニット2が排紙トレイ部3を覆い隠している。使用者の操作によりPC6が画像データ及び画像出力の指示を通信ネットワークNを介して画像記録装置1へ送信すると、画像記録装置1は、通信部44にて、PC6からの画像データ及び画像出力の指示を受信する(S11)。これにより、画像記録装置1は、上部ユニット2及び扉5によって排紙トレイ部3が隠された状態で、給紙トレイ49が記録用紙を給紙し、画像形成部43が受信した画像データから画像を形成して記録用紙に記録し、画像を記録用紙に記録した記録物を排紙トレイ部3へ排出して、画像を出力する(S12)。次に、画像記録装置1の制御部41は、画像の出力の履歴を、出力した画像の記録物の受取が未の状態であるとして記録した履歴情報を、管理部46に記憶し(S13)、処理を終了する。下部ユニット4から排出された記録物は、排紙トレイ部3に保持され、下部ユニット4に近接している上部ユニット2と閉じた扉5とによって隠される。上部ユニット2及び扉5によって記録物が隠されるため、PC6から画像出力の指示を送信した使用者以外の者は、画像が出力されたことを知ることが困難である。画像記録装置1は、記録物を隠した状態で待機する。
【0037】
図10は、画像の記録物の受け取りの際に本発明の画像記録装置1が行う処理の手順を示したフローチャートであり、図11は、使用者が画像記録装置1から画像の記録物を受け取る様子を示した模式図である。PC6から画像データを画像記録装置1へ送信した使用者は、上部ユニット2が下部ユニット4に近接した状態になっている画像記録装置1のところまでやってきて、図11(a)に示す如く、手の指の指紋を画像記録装置1の指紋センサ231に受け付けさせる。画像記録装置1は、上部ユニット2の指紋センサ231にて使用者の指紋を受け付け(S21)、受け付けた指紋の情報と、登録部24に記憶している登録情報に記録している指紋の情報とを認証部25にて対照し、受け付けた指紋に係る使用者が登録情報に登録されているか否かを判定して、使用者の認証を行う(S22)。受け付けた指紋の情報が登録情報に登録されていて、使用者の認証に成功した場合は(S22:YES)、上部ユニット2の制御部21は、受け付けた指紋に係る登録情報の内容を上部インタフェース26を介して下部ユニット4へ送信する。下部ユニット4の制御部41は、下部インタフェース42を介して上部ユニット2から受信した登録情報の内容と管理部46に記憶している履歴情報とを対照して、受け付けた指紋の情報に関連づけて登録情報に登録してあるIPアドレスのPC6から受信した画像データから形成した画像の記録物の受取が未の状態となっている出力の履歴が履歴情報に記録されているか否かを判定する(S23)。出力の履歴が記録されていた場合は(S23:YES)、制御部41が昇降部48を動作させることにより、図11(b)に示す如く上部ユニット2が上昇し(S24)、更に排紙トレイ部3が上昇する(S25)。排紙トレイ部3は、上昇することにより、扉5に囲われた位置の外側の位置へ移動するため、排紙トレイ部3に保持されている画像の記録物が使用者にとって目視可能になる。また、使用者は、画像の記録物を排紙トレイ部3から取り出し易くなり、図11(c)に示す如く、使用者は、上昇した排紙トレイ部3から画像の記録物を受け取る。
【0038】
次に、制御部41は、使用者から記録物の受け取り終了の指示を受け付けるか、又は、排紙トレイ部3が上昇してから所定の時間が経過するまで待機するなどして、記録物の受け取りの終了を監視する(S26)。記録物の受け取りが終了していない場合は(S26:NO)、制御部41は、監視を続行し(S26)、記録物の受け取りが終了した場合は(S26:YES)、制御部41が昇降部48を動作させることにより、上部ユニット2及び排紙トレイ部3が下降して上部ユニット2が下部ユニット4に近接した状態へ戻る(S27)。制御部41は、次に、管理部46に記憶している履歴情報を、記録物の受取が済の状態へ更新し(S28)、処理を終了する。ステップS22にて認証に失敗した場合(S22:NO)、及びステップS23にて画像の出力の履歴がなかった場合は(S23:NO)、制御部21又は41は、操作部23の表示手段にエラーの表示を出力し(S29)、処理を終了する。なお、ステップS26では、接触センサ等を用いて、排紙トレイ部3から記録物が取り出されたことを検出する処理を行ってもよい。また、ステップS24とステップS25とで2段階に分けて上部ユニット2と排紙トレイ部3とが上昇する処理を示したが、上部ユニット2と排紙トレイ部3とが同時に上昇する処理を行ってもよい。また、画像記録装置1は、画像読み取り部22を用いて記録用紙に記録された画像を読み取ることで、複写装置またはスキャナ装置として使用することができる。
【0039】
以上詳述した如く、本発明の画像記録装置1は、上部ユニット2、排紙トレイ部3、下部ユニット4、及び扉5を備え、扉5は、排紙トレイ部3を正面から囲い隠し、上部ユニット2は、排紙トレイ部3を上方から覆い隠し、排紙トレイ部3が保持している画像の記録物を隠して外から記録物を目視することを困難にする。上部ユニット2及び扉5が記録物を隠すことにより、目視では記録物が排紙トレイ部3に保持されているか否かを判別することが困難となり、不特定多数の者によって記録物の内容を見られる、又は記録物を持ち去られる危険性が減少し、情報の不正使用から画像の記録物を保護することができる。また、本発明においては、画像記録装置1に接続されたPC6から画像データを送信して画像を記録する場合、画像を記録する間は上部ユニット2及び扉5が排紙トレイ部3に保持される記録物を隠し、また、使用者が記録物を受け取りに来るまで隠したままであるため、記録物の存在は使用者以外の他者には気づかれず、使用者が画像記録装置1の側にいなくても記録物は不正使用から保護される。これにより、情報の不正使用から記録物を保護するために画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の側で待機する必要がなくなり、使用者は、画像の記録が完了する頃を見計らって記録物を受け取る等して、情報の不正使用から記録物を保護することが可能となり、しかも効率よく画像の記録を行うことができる。
【0040】
また、本発明においては、扉5は、排紙トレイ部3が保持している記録物の一部分を排紙トレイ部3の外部から視認できる窓を有しているため、記録物の内容が不特定多数の者の目に触れることを防止し、しかも記録物の存在を外から確認することが可能となり、記録物が排紙トレイ部3に長時間放置されることを防止することができる。また、扉5は、開閉可能となっており、扉5を開放する権限を有する管理者などが定期的に画像記録装置1を点検して、扉5を開放して排紙トレイ部3に放置されている記録物を取り出すことにより、大量に放置された記録物が画像記録装置1の動作を妨げることを防止することが可能になる。また、扉5は、排紙トレイ部3に加えて下部ユニット4の前面を覆う構成となっており、排紙トレイ部3及び下部ユニット4の機構部分を隠して画像記録装置1の外観を整える。また、扉5は、画像記録装置1を使用する際に直接操作することのない、記録用紙の補給または紙詰まりからの復帰などの際に利用する部分を隠し、操作を容易にさせる。
【0041】
また、本発明の画像記録装置1は、指紋を用いて使用者を認証し、認証に成功した場合は、上部ユニット2が下部ユニット4から離隔し、また、排紙トレイ部3が上昇して扉5に囲われた位置の外側の位置へ移動するため、記録物の存在が目視可能になり、使用者は記録物の受け取りが容易になり、画像記録装置1の利便性が向上する。更に、使用者の認証に失敗した場合は、上部ユニット2及び排紙トレイ部3の位置を移動させずに記録物の有無の確認を困難にさせることにより、使用者以外の他者が記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から画像の記録物を保護して画像記録装置の安全性をより高めることができる。
【0042】
更に、上部ユニット2は、画像読み取り部22を備えることにより、画像記録装置1は、画像の複写装置、又はスキャナ装置として利用することが可能となり、利便性が向上する。
【0043】
なお、本実施の形態においては、扉5が両開き式の扉である形態を示したが、これに限るものではなく、片開き式の扉、又は画像記録装置1の側面と一体になって開閉する扉などその他の形態であってもよい。また、扉5が縦型のスリット51を備えた形態を示したが、斜めに入ったスリットを備えた形態、又は丸窓を備えた形態など、記録物の一部を確認できるその他の窓を備えた形態であってもよい。
【0044】
また、本実施の形態においては、使用者の存在を検出する方法として、使用者の指紋を利用して使用者を認証する方法を用いたが、これに限るものではなく、掌紋または声紋など使用者の身体的な特徴を示す指紋以外の他の情報を利用して使用者を認証する方法、予め登録してあるID及びパスワードを使用者から受け付ける方法、使用者のID情報を記録している接触式または非接触式のICカードを用いて使用者を認証する方法、カメラを用いて使用者を同定する方法など、他の方法を用いて使用者の存在を検出する形態であってもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明においては、画像記録装置は、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部を上方から覆い隠す覆蓋部と、保持部を周りから囲い隠す遮蔽部とを備える。これにより、目視では記録物が保持部に保持されているか否かを判別することが困難となり、不特定多数の者によって記録物の内容を見られる、又は記録物を持ち去られる危険性が減少し、情報の不正使用から画像の記録物を保護することができる。
【0046】
また、本発明においては、画像が記録されて保持部に保持された記録物は、覆蓋部と遮蔽部とによって隠されるため、情報の不正使用から記録物を保護するために画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の側で待機する必要がなくなる。これにより、情報の不正使用から記録物を保護することが可能となり、しかも効率よく画像の記録を行うことができる。
【0047】
また、本発明においては、保持部が保持している記録物の一部分を外側から視認できる窓を保持部に備えているため、記録物の内容が不特定多数の者の目に触れることを防止し、しかも記録物の存在を外から確認することが可能となり、記録物が保持部に長時間放置されることを防止することができる。
【0048】
また、本発明においては、遮蔽部は開閉可能となっており、管理者などが遮蔽部を開放して保持部に放置されている記録物を取り出すことにより、大量に放置された記録物が画像記録装置の動作を妨げることを防止する。
【0049】
また、本発明においては、保持部を囲う遮蔽部は、記録部の前面を覆う構成となっており、保持部および記録部の機構部分を隠して画像記録装置の外観を整える。また、遮蔽部は、画像記録装置を使用する際に直接操作することのない、記録用紙の補給または紙詰まりからの復帰などの際に利用する部分を隠し、操作を容易にさせる。
【0050】
また、本発明においては、覆蓋部は、保持部を覆い隠している位置から移動可能であり、保持部は、覆蓋部が離れているときに、遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動可能であるため、使用者は、保持部が保持している記録物を容易に受け取ることができる。
【0051】
また、本発明においては、使用者の存在を検出した場合に、保持部を遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動させるため、使用者のみに記録物の確認と受け取りとを可能にさせる。これにより、使用者以外の他者が記録物を見る又は持ち去ることを防止して、情報の不正使用から画像の記録物を保護して画像記録装置の安全性をより高めることができる。
【0052】
更に、本発明においては、覆蓋部は、記録担体に記録された画像を読み取る画像読み取り部を備えており、画像記録装置は、画像の複写装置、又はスキャナ装置として利用することが可能となり、画像記録装置の利便性が向上する等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置の外観を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の画像記録装置の正面図である。
【図3】画像記録装置と記録物との関係を示す外観斜視図である。
【図4】画像記録装置と記録物との関係を示す外観斜視図である。
【図5】本発明の画像記録装置の縦断面図である。
【図6】本発明の画像記録装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図7】登録部が記憶している登録情報の内容の例を示す概念図である。
【図8】管理部が記憶している履歴情報の内容の例を示す概念図である。
【図9】本発明の画像記録装置が行う画像出力の処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】画像の記録物の受け取りの際に本発明の画像記録装置が行う処理の手順を示したフローチャートである。
【図11】使用者が画像記録装置から画像の記録物を受け取る様子を示した模式図である。
【符号の説明】
1 画像記録装置
2 上部ユニット(覆蓋部)
21 制御部
22 画像読み取り部
23 操作部
231 指紋センサ
25 認証部
3 排紙トレイ部(保持部)
4 下部ユニット(記録部)
41 制御部
43 画像形成部
48 昇降部(移動手段)
5 扉(遮蔽部)
51 スリット(窓)
6 PC
N 通信ネットワーク
Claims (8)
- 画像を記録担体に記録する記録部と、該記録部の上方に位置する覆蓋部と、該覆蓋部の下方に位置し、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部とを備える画像記録装置において、
前記覆蓋部は、前記保持部を上方から覆い隠すべくなしてあり、
更に、前記保持部を周囲から囲い隠す遮蔽部を備えることを特徴とする画像記録装置。 - 前記覆蓋部は、画像を記録担体に記録して前記保持部に保持されている記録物を覆い隠すべくなしてあり、
前記遮蔽部は、前記保持部に保持されている前記記録物を囲い隠すべくなしてあることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。 - 前記遮蔽部は、前記保持部が保持している記録物の一部分を前記遮断部の外から視認できる窓を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。
- 前記遮蔽部は、前記保持部が保持している記録物を前記保持部の外側へ取り出せるように開閉可能になしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像記録装置。
- 前記遮蔽部は、前記記録部の少なくとも前面を覆うべくなしてあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の画像記録装置。
- 前記覆蓋部を、前記保持部を上方から覆い隠す位置から、前記保持部を露出させる位置まで移動させ、更に、前記保持部を、前記遮蔽部に囲われている位置の外側の位置へ移動させる移動手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の画像記録装置。
- 使用者の存在を検出する手段を更に備え、
前記移動手段は、使用者の存在を検出した場合に、前記覆蓋部及び前記保持部を移動させるべくなしてあることを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。 - 前記覆蓋部は、記録担体に記録された画像を読み取る手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の画像記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003188562A JP2005026877A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 画像記録装置 |
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JP2003188562A JP2005026877A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 画像記録装置 |
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JP (1) | JP2005026877A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20060257183A1 (en) * | 2005-05-12 | 2006-11-16 | Masanao Ehara | Image forming apparatus |
JP2006317704A (ja) * | 2005-05-12 | 2006-11-24 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2015077746A (ja) * | 2013-10-17 | 2015-04-23 | 富士通コンポーネント株式会社 | プリンタ装置 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188562A patent/JP2005026877A/ja active Pending
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JP2006317704A (ja) * | 2005-05-12 | 2006-11-24 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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