JP2005022161A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】他者による情報の不正使用から画像の記録物を保護することを可能にし、しかも効率よく画像を記録することができる画像記録装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像記録装置1は、トップトレイ32及び下方トレイ33,33,…の複数の排紙トレイが上下方向に積層した排紙トレイ部3と、記録部4と、扉2とを備えている。扉2は、排紙トレイ部3を正面から囲い隠し、排紙トレイ部3では、上方の排紙トレイが下方の排紙トレイを覆い隠し、下方トレイ33が保持している画像の記録物を隠して外から記録物を目視することを困難にする。外部の装置から画像データを受信して画像を記録するときは、画像の重要度を判定し、より重要度の高い画像の記録物は、下方トレイ33にて保持する。画像記録装置1は、使用者を認証し、認証に成功した場合に排紙トレイ部3が上昇し、下方トレイ33に保持している記録物の受取が可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の画像記録装置1は、トップトレイ32及び下方トレイ33,33,…の複数の排紙トレイが上下方向に積層した排紙トレイ部3と、記録部4と、扉2とを備えている。扉2は、排紙トレイ部3を正面から囲い隠し、排紙トレイ部3では、上方の排紙トレイが下方の排紙トレイを覆い隠し、下方トレイ33が保持している画像の記録物を隠して外から記録物を目視することを困難にする。外部の装置から画像データを受信して画像を記録するときは、画像の重要度を判定し、より重要度の高い画像の記録物は、下方トレイ33にて保持する。画像記録装置1は、使用者を認証し、認証に成功した場合に排紙トレイ部3が上昇し、下方トレイ33に保持している記録物の受取が可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を記録した記録物を情報の不正使用から保護することができる画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置を用いて画像を記録する方法として、近年では、通信ネットワークに画像記録装置とパーソナルコンピュータ(PC)等の送信装置とが接続され、通信ネットワークを介して送信装置からプリンタ装置へ画像データを送信し、プリンタ装置が画像を出力する方法が多く用いられている。画像を電子化した画像データは、通信ネットワークを介した便利な処理が可能である反面、画像データの複写、改竄、及び外部への転送などの操作が容易である。このため、企業秘密を記載した文書などの機密性を有する画像データを処理する場合には、機密情報の漏洩または情報の改竄などの情報の不正使用から画像データを保護する対策が必要となる。通信ネットワークに送信装置とプリンタ装置とが接続された環境では、送信装置と画像記録装置との位置が互いに離れている場合が多い。このため、使用者が送信装置を操作して画像の記録を指示して、画像を記録用紙へ記録した記録物を使用者がプリンタ装置から受け取るまでの間、記録物がプリンタ装置から排出されたまま放置された状態となってしまう。特に、複数枚に渡る文書などの大量の画像を記録する場合には、使用者は、画像の記録が完了する頃合いを見計らって記録物を受け取りに行くため、記録物が放置される時間が長くなる。このとき、画像の記録を指示した使用者以外の不特定多数の者が、記録物の内容を見たり、又は持ち去ったりする可能性があり、情報の不正使用に繋がる危険がある。
【0003】
そこで、送信装置から送信された画像データをプリンタ装置が受信したときに、画像の記録を行わずに画像データを記憶しておき、使用者がプリンタ装置を直接に操作して記録の指示を入力してから画像を記録することによって、画像の記録物を不正使用から保護するプリンタ装置が開発されている。特許文献1では、送信装置からプリンタ装置へ画像データと共にパスワードを送信し、プリンタ装置は、使用者が直接に操作してパスワードを入力する手段を備え、受信した画像データを記憶して待機し、使用者が直接に操作して正しいパスワードを入力したときに画像を記録する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−25385号公報
【特許文献2】
特開平9−218552号公報
【特許文献3】
特開2002−207332号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された如き、正しいパスワードが入力されてから画像を記録するプリンタ装置では、使用者の直接の操作を受け付けてから画像の記録を開始するため、画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の近辺で待機する必要がある。このため、使用者が時間を拘束され、効率が悪いという問題がある。また、使用者が待ち時間を嫌って画像の記録が行われている間にプリンタ装置の近辺を離れた場合には、情報の不正使用の危険がやはり発生することとなる。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、プリンタ装置である画像記録装置から排出された画像の記録物を隠す構造にすることで、記録物の存在を使用者以外の他者に気づかせないようにして、他者による情報の不正使用から画像の記録物を保護することを可能にし、しかも効率よく画像を記録することができる画像記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像記録装置は、画像を記録担体に記録する記録部と、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部とを備える画像記録装置において、前記保持部を周囲から囲う遮蔽部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、画像記録装置に、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部を周りから囲い隠す遮蔽部を備え、保持部に保持している記録物が隠される。
【0009】
本発明に係る画像記録装置は、前記保持部は、夫々に記録物を保持できる複数の保持手段を、上下方向に積層した状態で備え、夫々の保持手段は、該保持手段よりも下方に位置する他の保持手段を上方から覆い隠すべくなしてあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明においては、保持部は、夫々に記録物を保持できる複数の保持手段を、上下方向に積層した状態で備え、夫々の保持手段は、該保持手段よりも下方に位置する他の保持手段を上方から覆い隠す構成となっている。このため、保持手段が保持する画像の記録物は、遮蔽部およびより上方に位置する他の保持手段によって隠される。
【0011】
本発明に係る画像記録装置は、前記記録部が記録すべき画像の重要度を判定する手段と、判定した重要度に従って、より重要度の高い記録物を、前記複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる手段とを更に備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明においては、画像記録装置は、記録部にて記録すべき画像の重要度を判定し、より重要度の高い記録物は、複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる。これにより、重要度の高い記録物は、遮蔽部および他の保持手段によって隠される。
【0013】
本発明に係る画像記録装置は、外部から画像データを受信する手段と、画像データの送信元を示す情報を受信する手段と、送信元の情報に関連づけて、該送信元から受信した画像データの重要度を示す情報を記憶する手段と、受信した画像データの送信元を示す情報に関連づけて記憶している情報に基づいて、受信した画像データの重要度を判定する手段と、判定した重要度に従って、より重要度の高い画像データから前記記録部で画像を形成して作成した記録物を、前記複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる手段とを更に備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明においては、画像データの送信元を示す情報に関連づけて画像データの重要度を示す情報を記憶しておき、記憶している情報に基づいて画像データの重要度を判定し、より重要度の高い記録物は、複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる。これにより、重要度の高い記録物は、遮蔽部および他の保持手段によって隠される。
【0015】
本発明に係る画像記録装置は、前記保持部を、前記遮蔽部により囲われている範囲の領域の外側へ移動させる移動手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明においては、保持部は、遮蔽部により囲われている範囲の領域の外側へ移動可能であるため、使用者は、保持部が保持している記録物を容易に受け取ることができる。
【0017】
本発明に係る画像記録装置は、使用者の識別情報を記憶する手段と、識別情報を受け付ける手段と、受け付けた識別情報が、記憶している識別情報に含まれているか否かを判定する手段とを備え、前記移動手段は、受け付けた識別情報が、記憶している識別情報に含まれていると判定した場合に、前記保持部を移動させるべくなしてあることを特徴とする。
【0018】
また、本発明においては、指紋などの使用者を識別する識別情報を記憶しておき、使用者から識別情報を受け付け、受け付けた識別情報が予め記憶されている場合に、保持部を遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動させることにより、定められた使用者のみに記録物の存在を確認させ、受け取りを可能にさせる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の画像記録装置の外観を示す外観斜視図である。本発明の画像記録装置1は、プリンタ装置であり、画像データから画像を形成して記録担体である記録用紙に画像を記録する記録部4と、記録部4の上方に位置し、記録用紙に画像が記録されて記録部4から排出された記録物を保持する排紙トレイ部(保持部)3とを備えている。画像記録装置1は、また、使用者からの操作を受け付ける操作部402を備えている。
【0020】
また、画像記録装置1は、図1(a)に示す如く排紙トレイ部3及び記録部4の前面を覆う両開き式の扉(遮蔽部)2を備えており、図1(b)に示す如く、扉2を開いたときに排紙トレイ部3及び記録部4が現れる構成となっている。扉2は、通常の使用時には図1(a)に示す如く閉じた状態となって排紙トレイ部3及び記録部4を隠している。扉2は、観音開き式の両扉が閉じられた場合に相互に接しない状態でスリット21が形成されるように構成されている。
【0021】
排紙トレイ部3は、夫々が記録物を保持できる複数の排紙トレイ(保持手段)を上下方向に積層した状態で備えている。複数の排紙トレイは、一番上に位置するトップトレイ32と、トップトレイ32の下方に積層された複数の下方トレイ33,33,…とからなっている。また、排紙トレイ部3は、画像記録装置1の背面に設けられたシャフト31によって支持されている。シャフト31は、上下に移動可能であり、排紙トレイ部3は、シャフト31の移動に従って上下に移動可能な構成となっている。排紙トレイ部3は、下降したときには、図1(a)に示す如く扉2に囲われた状態となり、上昇したときには、図1(c)に示す如く扉2に囲われた範囲の領域の外側へ移動することとなる。
【0022】
図2は、画像記録装置1を使用する際の状態を示した外観斜視図である。通常の状態では、図2(a)に示す如く、排紙トレイ部3は下降し、扉2は閉じた状態となっており、排紙トレイ部3は扉2によって囲い隠されている。排紙トレイ部3を構成する各排紙トレイは、下方に位置する他の排紙トレイに対して少なくとも同一の面積を有しており、下方に位置する他の排紙トレイを上方から覆い隠すのに充分な面積を有している。下方トレイ33が記録物を保持している場合、下方トレイ33は、トップトレイ32等の上方に位置する排紙トレイによって上方から覆い隠され、また、扉2によって正面から囲い隠されているため、記録物が人の目に触れにくく、不特定多数の者が記録物を目視することは困難である。また、トップトレイ32が記録物を保持している場合は、トップトレイ32は上方から覆い隠されていないため、記録物は比較的人の目に触れやすい。また、この状態では、トップトレイ32が保持している記録物を使用者が受け取ることは容易であるが、下方トレイ33が保持している記録物を受け取ることは困難である。使用者の操作により、図2(b)に示す如く、排紙トレイ部3が上昇して扉2に囲われた範囲の領域の外側へ移動したときには、下方トレイ33は、扉2によって隠されることはない。このとき、下方トレイ33が保持している記録物が人の目に触れやすくなり、使用者は、記録物を受け取ることができるようになる。
【0023】
また、画像記録装置1は、スリット21を通して排紙トレイ部3及び記録部4の一部が目視できる状態となっている。このため、使用者が目の高さを排紙トレイ部3の高さに合わせたときには、スリット21を通して下方トレイ33が保持している記録物の一部を目視することができる。従って、使用者は、記録物の内容を見ずに、記録物の有無を確認することができる。鍵などを用いて扉2を開くことができる場合は、使用者は、下方トレイ33が保持している記録物を取り出すことができる。
【0024】
図3は、本発明の画像記録装置1の縦断面図である。記録部4は、画像を記録するための記録用紙をサイズ及び向き等で分類して収納する複数の給紙トレイ413,413,…と、画像を形成して記録用紙に記録する画像形成部406とを備えている。また、画像形成部406は、感光体ドラム、感光体ドラムを帯電する帯電体、帯電された感光体ドラム上に静電潜像を書き込むレーザ光走査部、感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像部、現像された顕像を記録用紙上に転写する転写部、記録用紙上に転写された像を定着させる定着部などからなっている。図中には、画像形成部406が給紙トレイ413,413,…の下方に配置され、カラー画像を形成するためにCMYK各色用の感光体ドラム及び現像部をタンデム配列した例を示している。記録部4では、給紙トレイ413から記録用紙が画像形成部406へ送り出され、画像形成部406にて記録用紙に画像が記録される。画像が記録された記録用紙は、記録部4から排紙トレイ部3へ排出され、記録物として排紙トレイ部3にて保持される。
【0025】
図4は、本発明の画像記録装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。記録部4は、演算を行うCPU及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM等からなる制御部401を備えている。制御部401には、画像記録装置1の制御を行うための制御プログラムを記憶しているROM409が接続されており、制御部401は、ROM409が記憶している制御プログラムに従って、画像記録装置1全体の制御を行う。また、制御部401には、画像記録装置1が行う処理を管理するための管理情報を記憶するメモリである管理部410が接続されている。制御部401は、管理部410が記憶している管理情報を参照し、参照した情報に基づいて画像記録装置1の制御を行う。また、制御部401には、LAN等の外部の通信ネットワークNに接続された通信部408と、ハードディスク又は不揮発性のメモリからなり、画像データを記憶する記憶部411と、画像データを一時的に記憶する画像メモリ407を内部に備え、画像メモリ407が記憶している画像データから画像を形成し、形成した画像を記録用紙に記録して出力する画像形成部406とが接続されている。
【0026】
通信ネットワークNには、複数のパーソナルコンピュータ(PC)5,5,…が接続されている。通信部408は、PC5から送信された画像データを通信ネットワークNを介して受信し、記憶部411は、受信した画像データを記憶し、画像形成部406は、通信部408が受信した画像データから画像を形成して出力することができる。また、管理部410は、出力した画像についての履歴を示した履歴情報を記憶する。
【0027】
また、制御部401には、シャフト31を上下方向に移動させて排紙トレイ部3を昇降させる昇降部412が接続されている。昇降部412は、シャフト31が備えるラックに歯合させたピニオンをモータで回転させてシャフト31を上下方向に移動させる方法、電動アクチュエータを用いてシャフト31を上下方向に移動させる方法、又はシャフト31に組み込んだボールねじをモータで回転させてシャフト31を上下に移動させる方法などの方法で、シャフト31に支持された排紙トレイ部3を昇降させる構成となっている。制御部401は、ROM409が記憶している制御プログラムに従って昇降部412の動作を制御し、本発明に係る移動手段として機能する。
【0028】
また、制御部401には、使用者からの操作を受け付ける操作部402が接続されている。操作部402は、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示手段と、使用者の操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネル又はテンキー等の入力手段とからなっている。更に、操作部402は、使用者の指の接触を受け付けて、使用者の指紋を読み取る指紋センサ403を有している。制御部401には、更に、画像記録装置1の使用を許可された使用者の指紋の情報を登録した登録情報を記憶している登録部404と、使用者の認証を行う認証部405とが接続されている。認証部405は、登録部404が記憶している登録情報と指紋センサ403が読み取った指紋の情報とを照合し、使用者の認証を行う。
【0029】
図5は、登録部404が記憶している登録情報の内容の例を示す概念図である。通信ネットワークNに接続されたPC5,5,…夫々のIPアドレスに関連づけて、夫々のPC5の使用者の氏名、及び本発明に係る識別情報である指紋情報が登録されている。画像記録装置1を使用する部署などで、使用者の指紋情報を予め登録しておくことにより、画像記録装置1が使用者を認証することができる。更に、画像データの送信元であるPC5,5,…夫々を示すIPアドレスに関連づけて、夫々のPC5から送信された画像データの重要度を示した情報が登録されている。機密性を有する記録物を作成することが多い役員などの特定の使用者については、そのような使用者が使用するPC5から送信された画像データは重要度を高として登録しておく。重要度が高と指定された画像データに係る記録物を、下方トレイ33に排出することで、下方トレイ33にて目視されにくい状態で保持することができる。
【0030】
図6は、管理部410が記憶している履歴情報の内容の例を示す概念図である。画像として出力した画像データの送信元であるPC5のIPアドレスに関連づけて、画像データを受信した日時、記録用紙に画像を記録した記録物を排紙トレイ部3のどの排紙トレイに排出したかを示す排出先、及び記録物を使用者が受け取ったか否かを示す済または未の受取の情報が記録されている。なお、登録情報および履歴情報に関しては、IPアドレス以外に、MacアドレスなどのPC5を特定できる他の情報を用いて情報を記録しても良い。
【0031】
図7は、本発明の画像記録装置1が行う画像出力の処理の手順を示すフローチャートである。処理を行っていない待機中の状態では、画像記録装置1は、扉2が排紙トレイ部3を囲い隠している。使用者の操作によりPC5が画像データ及び画像出力の指示を通信ネットワークNを介して画像記録装置1へ送信すると、画像記録装置1は、通信部1にて、PC5からの画像データ及び画像出力の指示を受信する(S11)。制御部41は、次に、受信した画像データの送信元のPC5のIPアドレスに関連づけて、PC5から送信された画像データは登録部404が記憶する登録情報に重要度が高として登録されているか否かを判定する(S12)。重要度が高と登録されている場合は(S12:YES)、制御部41の制御により、給紙トレイ413が記録用紙を給紙し、画像形成部406は、受信した画像データから画像を形成して記録用紙に記録し、画像を記録用紙に記録した記録物を下方トレイ33,33,…のいずれかへ排出して、画像を出力する(S13)。画像データの重要度が低と登録されている場合は(S12:NO)、制御部41の制御により、給紙トレイ413が記録用紙を給紙し、画像形成部406は、受信した画像データから画像を形成して記録用紙に記録し、画像を記録用紙に記録した記録物をトップトレイ32へ排出して、画像を出力する(S14)。ステップS13又はステップS14が終了した後は、制御部401は、画像の出力の履歴を、出力した画像の記録物の受取が未の状態として記録した履歴情報を、管理部46に記憶し(S15)、処理を終了する。
【0032】
画像記録装置1は、排紙トレイ部3に記録物を保持した状態で待機する。特に、下方トレイ33へ記録物を排出した場合は、記録物は、扉2及びトップトレイ32に隠された状態となっている。なお、前述の処理では、ステップS12にて、PC5のIPアドレスから画像データの重要度を判定する処理を行っているが、その他の方法を用いて重要度を判定する処理を行ってもよい。例えば、PC5から重要度の高低を指定する情報を送信し、制御部401は、受信した情報から重要度を判定する処理を行ってもよい。また、通信部408を、複数種類の画像データのフォーマットを受信可能に構成しておき、制御部401は、暗号化された画像データなど、所定のフォーマットで受信した画像データについて重要度が高いと判定する処理を行ってもよい。
【0033】
図8は、画像の記録物の受け取りの際に本発明の画像記録装置1が行う処理の手順を示したフローチャートである。PC5から画像データを画像記録装置1へ送信した使用者は、排紙トレイ部3が扉2によって囲い隠されている状態になっている画像記録装置1のところまでやってきて、手の指の指紋を画像記録装置1の指紋センサ403に受け付けさせる。画像記録装置1は、指紋センサ403にて使用者の指紋を受け付け(S21)、受け付けた指紋の情報と、登録部404に記憶している登録情報に登録している指紋の情報とを認証部405にて対照し、受け付けた指紋に係る使用者が登録情報に登録されているか否かを判定して、使用者の認証を行う(S22)。受け付けた指紋の情報が登録情報に登録されていて、使用者の認証に成功した場合は(S22:YES)、制御部401は、受け付けた指紋に係る登録情報と管理部410に記憶している履歴情報とを対照して、受け付けた指紋の情報に関連づけて登録情報に登録してあるIPアドレスについて、受取の情報が未の状態である出力の履歴が履歴情報に記録されているか否かを判定する(S23)。出力の履歴が記録されていた場合は(S23:YES)、制御部401が昇降部412を動作させることにより、図2(b)に示す如く排紙トレイ部3が上昇する(S24)。排紙トレイ部3は、上昇することにより、扉2に囲われた範囲の領域の外側へ移動するため、トップトレイ32に保持されている記録物に加えて、下方トレイ33,33,…に保持されている画像の記録物が使用者にとって目視可能になる。また、使用者は、下方トレイ33,33,…に保持されている画像の記録物を取り出し易くなり、上昇した排紙トレイ部3から画像の記録物を受け取る。
【0034】
制御部401は、次に、使用者から記録物の受け取り終了の指示を受け付けるか、又は、排紙トレイ部3が上昇してから所定の時間が経過するまで待機するなどして、記録物の受け取りの終了を監視する(S25)。記録物の受け取りが終了していない場合は(S25:NO)、制御部401は、監視を続行し(S25)、記録物の受け取りが終了した場合は(S25:YES)、制御部401が昇降部412を動作させることにより、排紙トレイ部3が下降する(S26)。排紙トレイ部3が下降することにより、排紙トレイ部3は、扉2に囲い隠された状態へ戻る。制御部401は、次に、管理部410に記憶している履歴情報を、受取の情報が済の状態へ更新し(S27)、処理を終了する。ステップS22にて認証に失敗した場合(S22:NO)、及びステップS23にて画像の出力の履歴がなかった場合は(S23:NO)、制御部401は、操作部402の表示手段にエラーの表示を出力し(S28)、処理を終了する。なお、ステップS25では、接触センサ等を用いて、排紙トレイ部3から記録物が取り出されたことを検出する処理を行ってもよい。
【0035】
以上詳述した如く、本発明の画像記録装置1は、トップトレイ32及び下方トレイ33,33,…の複数の排紙トレイが上下方向に積層した排紙トレイ部3と、記録部4と、扉2とを備え、扉2は、排紙トレイ部3を正面から囲い隠し、排紙トレイ部3では、上方の排紙トレイが下方の排紙トレイを覆い隠し、下方トレイ33が保持している画像の記録物を隠して外から記録物を目視することを困難にする。扉2及び排紙トレイが記録物を隠すことにより、目視では記録物が下方トレイ33,33,…に保持されているか否かを判別することが困難となり、不特定多数の者によって記録物の内容を見られる、又は記録物を持ち去られる危険性が減少し、情報の不正使用から画像の記録物を保護することができる。また、本発明においては、画像記録装置1に接続されたPC5から画像データを送信して画像を記録する場合、画像を記録する間は扉2及び排紙トレイが下方トレイ33,33,…に保持される記録物を隠し、また、使用者が記録物を受け取りに来るまで隠したままである。このため、記録物の存在は使用者以外の他者には気づかれず、使用者が画像記録装置1の近辺にいなくても記録物は不正使用から保護される。これにより、情報の不正使用から記録物を保護するために画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の近辺で待機する必要がなくなり、使用者は、画像の記録が完了する頃合いを見計らって記録物を受け取る等して、情報の不正使用から記録物を保護することが可能となり、しかも効率よく画像の記録を行うことができる。
【0036】
また、本発明の画像記録装置1は、画像データを受信するときに画像の重要度を判定し、画像の重要度がより高い場合は、画像の記録物を下方トレイ33,33,…へ排出する。下方トレイ33,33,…は、扉2及び他の排紙トレイによって隠されているため、不特定多数の者が重要度の高い記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から重要度の高い画像の記録物を保護することができる。また、本発明の画像記録装置1は、指紋を用いて使用者を認証し、認証に成功した場合は、排紙トレイ部3が上昇して扉2により囲われている範囲の領域の外側へ移動するため、記録物の存在が目視可能になり、使用者は記録物の受け取りが容易になり、画像記録装置1の利便性が向上する。更に、使用者の認証に失敗した場合は、排紙トレイ部3の位置を移動させずに記録物の有無の確認を困難にさせることにより、使用者以外の他者が記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から画像の記録物を保護して画像記録装置1の安全性をより高めることができる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、記録部4の上方に排紙トレイ部3が位置した形態を示したが、これに限るものではなく、記録部4の側方に排紙トレイ部3を備え、排紙トレイ部3の周りを囲む扉2を備えた形態であってもよい。
【0038】
なお、本実施の形態においては、扉2が両開き式の扉である形態を示したが、これに限るものではなく、片開き式の扉、又は画像記録装置1の側面と一体になって開閉する扉などその他の形態であってもよい。また、扉2が縦型のスリット21を有する形態を示したが、スリット21の部分にガラスなどの透明部材を備えた形態、斜めに入ったスリットを備えた形態、又は丸窓を備えた形態など、記録物の一部を確認できるその他の窓を備えた形態であってもよい。
【0039】
また、本実施の形態においては、使用権限を有する使用者を判定する方法として、本発明に係る識別情報である使用者の指紋を利用して使用者を認証する方法を用いたが、これに限るものではなく、掌紋または声紋など使用者の身体的な特徴を示す指紋以外の他の種類の識別情報を利用して使用者を認証する方法、識別情報として予め登録してあるID及びパスワードを使用者から受け付ける方法、識別情報であるID情報を記録している接触式または非接触式のICカードを用いて使用者を認証する方法、カメラを用いて使用者を同定する方法など、他の方法を用いて使用者の存在を検出する形態であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明においては、画像記録装置に、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部を周りから囲い隠す遮蔽部を備える。これにより、目視では記録物が保持部に保持されているか否かを判別することが困難となり、不特定多数の者によって記録物の内容を見られる、又は記録物を持ち去られる危険性が減少し、情報の不正使用から画像の記録物を保護することができる。
【0041】
また、本発明においては、保持部は、夫々に記録物を保持できる複数の保持手段を、上下方向に積層した状態で備え、夫々の保持手段が保持する画像の記録物は、遮蔽部およびより上方に位置する他の保持手段によって隠される。このため、情報の不正使用から記録物を保護するために画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の近辺で待機する必要がなくなる。これにより、情報の不正使用から記録物を保護することが可能となり、しかも効率よく画像の記録を行うことができる。
【0042】
また、本発明においては、画像記録装置は、記録部にて記録すべき画像の重要度を判定し、より重要度の高い記録物は、複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる。これにより、重要度の高い記録物は、遮蔽部および他の保持手段によって隠されることとなり、不特定多数の者が重要度の高い記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から重要度の高い画像の記録物を保護することができる。
【0043】
また、本発明においては、画像データの送信元に関連づけて画像データの重要度を示す情報を記憶しておき、記憶している情報に基づいて画像データの重要度を判定し、より重要度の高い記録物は、複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる。これにより、重要度の高い記録物は、遮蔽部および他の保持手段によって隠されることとなり、不特定多数の者が重要度の高い記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から重要度の高い画像の記録物を保護することができる。
【0044】
また、本発明においては、保持部は、遮蔽部にて囲われている範囲の領域の外側へ移動可能であるため、使用者は、保持部が保持している記録物を容易に受け取ることができる。
【0045】
また、本発明においては、指紋などの使用者を識別する識別情報を記憶しておき、使用者から識別情報を受け付け、受け付けた識別情報が予め記憶されている場合に、保持部を遮蔽部により囲われている範囲の領域の外側へ移動させるため、定められた使用者のみに記録物の確認と受け取りとを可能にさせる。これにより、使用者以外の他者が記録物を見る又は持ち去ることを防止して、情報の不正使用から画像の記録物を保護して画像記録装置の安全性をより高めることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置の外観を示す外観斜視図である。
【図2】画像記録装置を使用する際の状態を示した外観斜視図である。
【図3】本発明の画像記録装置の縦断面図である。
【図4】本発明の画像記録装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】登録部が記憶している登録情報の内容の例を示す概念図である。
【図6】管理部が記憶している履歴情報の内容の例を示す概念図である。
【図7】本発明の画像記録装置が行う画像出力の処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】画像の記録物の受け取りの際に本発明の画像記録装置が行う処理の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像記録装置
2 扉(遮蔽部)
3 排紙トレイ部(保持部)
32 トップトレイ(保持手段)
33 下方トレイ(保持手段)
4 記録部
401 制御部
403 指紋センサ
405 認証部
406 画像形成部
412 昇降部(移動手段)
5 PC
N 通信ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を記録した記録物を情報の不正使用から保護することができる画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置を用いて画像を記録する方法として、近年では、通信ネットワークに画像記録装置とパーソナルコンピュータ(PC)等の送信装置とが接続され、通信ネットワークを介して送信装置からプリンタ装置へ画像データを送信し、プリンタ装置が画像を出力する方法が多く用いられている。画像を電子化した画像データは、通信ネットワークを介した便利な処理が可能である反面、画像データの複写、改竄、及び外部への転送などの操作が容易である。このため、企業秘密を記載した文書などの機密性を有する画像データを処理する場合には、機密情報の漏洩または情報の改竄などの情報の不正使用から画像データを保護する対策が必要となる。通信ネットワークに送信装置とプリンタ装置とが接続された環境では、送信装置と画像記録装置との位置が互いに離れている場合が多い。このため、使用者が送信装置を操作して画像の記録を指示して、画像を記録用紙へ記録した記録物を使用者がプリンタ装置から受け取るまでの間、記録物がプリンタ装置から排出されたまま放置された状態となってしまう。特に、複数枚に渡る文書などの大量の画像を記録する場合には、使用者は、画像の記録が完了する頃合いを見計らって記録物を受け取りに行くため、記録物が放置される時間が長くなる。このとき、画像の記録を指示した使用者以外の不特定多数の者が、記録物の内容を見たり、又は持ち去ったりする可能性があり、情報の不正使用に繋がる危険がある。
【0003】
そこで、送信装置から送信された画像データをプリンタ装置が受信したときに、画像の記録を行わずに画像データを記憶しておき、使用者がプリンタ装置を直接に操作して記録の指示を入力してから画像を記録することによって、画像の記録物を不正使用から保護するプリンタ装置が開発されている。特許文献1では、送信装置からプリンタ装置へ画像データと共にパスワードを送信し、プリンタ装置は、使用者が直接に操作してパスワードを入力する手段を備え、受信した画像データを記憶して待機し、使用者が直接に操作して正しいパスワードを入力したときに画像を記録する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−25385号公報
【特許文献2】
特開平9−218552号公報
【特許文献3】
特開2002−207332号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された如き、正しいパスワードが入力されてから画像を記録するプリンタ装置では、使用者の直接の操作を受け付けてから画像の記録を開始するため、画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の近辺で待機する必要がある。このため、使用者が時間を拘束され、効率が悪いという問題がある。また、使用者が待ち時間を嫌って画像の記録が行われている間にプリンタ装置の近辺を離れた場合には、情報の不正使用の危険がやはり発生することとなる。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、プリンタ装置である画像記録装置から排出された画像の記録物を隠す構造にすることで、記録物の存在を使用者以外の他者に気づかせないようにして、他者による情報の不正使用から画像の記録物を保護することを可能にし、しかも効率よく画像を記録することができる画像記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像記録装置は、画像を記録担体に記録する記録部と、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部とを備える画像記録装置において、前記保持部を周囲から囲う遮蔽部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、画像記録装置に、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部を周りから囲い隠す遮蔽部を備え、保持部に保持している記録物が隠される。
【0009】
本発明に係る画像記録装置は、前記保持部は、夫々に記録物を保持できる複数の保持手段を、上下方向に積層した状態で備え、夫々の保持手段は、該保持手段よりも下方に位置する他の保持手段を上方から覆い隠すべくなしてあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明においては、保持部は、夫々に記録物を保持できる複数の保持手段を、上下方向に積層した状態で備え、夫々の保持手段は、該保持手段よりも下方に位置する他の保持手段を上方から覆い隠す構成となっている。このため、保持手段が保持する画像の記録物は、遮蔽部およびより上方に位置する他の保持手段によって隠される。
【0011】
本発明に係る画像記録装置は、前記記録部が記録すべき画像の重要度を判定する手段と、判定した重要度に従って、より重要度の高い記録物を、前記複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる手段とを更に備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明においては、画像記録装置は、記録部にて記録すべき画像の重要度を判定し、より重要度の高い記録物は、複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる。これにより、重要度の高い記録物は、遮蔽部および他の保持手段によって隠される。
【0013】
本発明に係る画像記録装置は、外部から画像データを受信する手段と、画像データの送信元を示す情報を受信する手段と、送信元の情報に関連づけて、該送信元から受信した画像データの重要度を示す情報を記憶する手段と、受信した画像データの送信元を示す情報に関連づけて記憶している情報に基づいて、受信した画像データの重要度を判定する手段と、判定した重要度に従って、より重要度の高い画像データから前記記録部で画像を形成して作成した記録物を、前記複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる手段とを更に備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明においては、画像データの送信元を示す情報に関連づけて画像データの重要度を示す情報を記憶しておき、記憶している情報に基づいて画像データの重要度を判定し、より重要度の高い記録物は、複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる。これにより、重要度の高い記録物は、遮蔽部および他の保持手段によって隠される。
【0015】
本発明に係る画像記録装置は、前記保持部を、前記遮蔽部により囲われている範囲の領域の外側へ移動させる移動手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明においては、保持部は、遮蔽部により囲われている範囲の領域の外側へ移動可能であるため、使用者は、保持部が保持している記録物を容易に受け取ることができる。
【0017】
本発明に係る画像記録装置は、使用者の識別情報を記憶する手段と、識別情報を受け付ける手段と、受け付けた識別情報が、記憶している識別情報に含まれているか否かを判定する手段とを備え、前記移動手段は、受け付けた識別情報が、記憶している識別情報に含まれていると判定した場合に、前記保持部を移動させるべくなしてあることを特徴とする。
【0018】
また、本発明においては、指紋などの使用者を識別する識別情報を記憶しておき、使用者から識別情報を受け付け、受け付けた識別情報が予め記憶されている場合に、保持部を遮蔽部に囲われている位置の外側へ移動させることにより、定められた使用者のみに記録物の存在を確認させ、受け取りを可能にさせる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の画像記録装置の外観を示す外観斜視図である。本発明の画像記録装置1は、プリンタ装置であり、画像データから画像を形成して記録担体である記録用紙に画像を記録する記録部4と、記録部4の上方に位置し、記録用紙に画像が記録されて記録部4から排出された記録物を保持する排紙トレイ部(保持部)3とを備えている。画像記録装置1は、また、使用者からの操作を受け付ける操作部402を備えている。
【0020】
また、画像記録装置1は、図1(a)に示す如く排紙トレイ部3及び記録部4の前面を覆う両開き式の扉(遮蔽部)2を備えており、図1(b)に示す如く、扉2を開いたときに排紙トレイ部3及び記録部4が現れる構成となっている。扉2は、通常の使用時には図1(a)に示す如く閉じた状態となって排紙トレイ部3及び記録部4を隠している。扉2は、観音開き式の両扉が閉じられた場合に相互に接しない状態でスリット21が形成されるように構成されている。
【0021】
排紙トレイ部3は、夫々が記録物を保持できる複数の排紙トレイ(保持手段)を上下方向に積層した状態で備えている。複数の排紙トレイは、一番上に位置するトップトレイ32と、トップトレイ32の下方に積層された複数の下方トレイ33,33,…とからなっている。また、排紙トレイ部3は、画像記録装置1の背面に設けられたシャフト31によって支持されている。シャフト31は、上下に移動可能であり、排紙トレイ部3は、シャフト31の移動に従って上下に移動可能な構成となっている。排紙トレイ部3は、下降したときには、図1(a)に示す如く扉2に囲われた状態となり、上昇したときには、図1(c)に示す如く扉2に囲われた範囲の領域の外側へ移動することとなる。
【0022】
図2は、画像記録装置1を使用する際の状態を示した外観斜視図である。通常の状態では、図2(a)に示す如く、排紙トレイ部3は下降し、扉2は閉じた状態となっており、排紙トレイ部3は扉2によって囲い隠されている。排紙トレイ部3を構成する各排紙トレイは、下方に位置する他の排紙トレイに対して少なくとも同一の面積を有しており、下方に位置する他の排紙トレイを上方から覆い隠すのに充分な面積を有している。下方トレイ33が記録物を保持している場合、下方トレイ33は、トップトレイ32等の上方に位置する排紙トレイによって上方から覆い隠され、また、扉2によって正面から囲い隠されているため、記録物が人の目に触れにくく、不特定多数の者が記録物を目視することは困難である。また、トップトレイ32が記録物を保持している場合は、トップトレイ32は上方から覆い隠されていないため、記録物は比較的人の目に触れやすい。また、この状態では、トップトレイ32が保持している記録物を使用者が受け取ることは容易であるが、下方トレイ33が保持している記録物を受け取ることは困難である。使用者の操作により、図2(b)に示す如く、排紙トレイ部3が上昇して扉2に囲われた範囲の領域の外側へ移動したときには、下方トレイ33は、扉2によって隠されることはない。このとき、下方トレイ33が保持している記録物が人の目に触れやすくなり、使用者は、記録物を受け取ることができるようになる。
【0023】
また、画像記録装置1は、スリット21を通して排紙トレイ部3及び記録部4の一部が目視できる状態となっている。このため、使用者が目の高さを排紙トレイ部3の高さに合わせたときには、スリット21を通して下方トレイ33が保持している記録物の一部を目視することができる。従って、使用者は、記録物の内容を見ずに、記録物の有無を確認することができる。鍵などを用いて扉2を開くことができる場合は、使用者は、下方トレイ33が保持している記録物を取り出すことができる。
【0024】
図3は、本発明の画像記録装置1の縦断面図である。記録部4は、画像を記録するための記録用紙をサイズ及び向き等で分類して収納する複数の給紙トレイ413,413,…と、画像を形成して記録用紙に記録する画像形成部406とを備えている。また、画像形成部406は、感光体ドラム、感光体ドラムを帯電する帯電体、帯電された感光体ドラム上に静電潜像を書き込むレーザ光走査部、感光体ドラム上の静電潜像を現像する現像部、現像された顕像を記録用紙上に転写する転写部、記録用紙上に転写された像を定着させる定着部などからなっている。図中には、画像形成部406が給紙トレイ413,413,…の下方に配置され、カラー画像を形成するためにCMYK各色用の感光体ドラム及び現像部をタンデム配列した例を示している。記録部4では、給紙トレイ413から記録用紙が画像形成部406へ送り出され、画像形成部406にて記録用紙に画像が記録される。画像が記録された記録用紙は、記録部4から排紙トレイ部3へ排出され、記録物として排紙トレイ部3にて保持される。
【0025】
図4は、本発明の画像記録装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。記録部4は、演算を行うCPU及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM等からなる制御部401を備えている。制御部401には、画像記録装置1の制御を行うための制御プログラムを記憶しているROM409が接続されており、制御部401は、ROM409が記憶している制御プログラムに従って、画像記録装置1全体の制御を行う。また、制御部401には、画像記録装置1が行う処理を管理するための管理情報を記憶するメモリである管理部410が接続されている。制御部401は、管理部410が記憶している管理情報を参照し、参照した情報に基づいて画像記録装置1の制御を行う。また、制御部401には、LAN等の外部の通信ネットワークNに接続された通信部408と、ハードディスク又は不揮発性のメモリからなり、画像データを記憶する記憶部411と、画像データを一時的に記憶する画像メモリ407を内部に備え、画像メモリ407が記憶している画像データから画像を形成し、形成した画像を記録用紙に記録して出力する画像形成部406とが接続されている。
【0026】
通信ネットワークNには、複数のパーソナルコンピュータ(PC)5,5,…が接続されている。通信部408は、PC5から送信された画像データを通信ネットワークNを介して受信し、記憶部411は、受信した画像データを記憶し、画像形成部406は、通信部408が受信した画像データから画像を形成して出力することができる。また、管理部410は、出力した画像についての履歴を示した履歴情報を記憶する。
【0027】
また、制御部401には、シャフト31を上下方向に移動させて排紙トレイ部3を昇降させる昇降部412が接続されている。昇降部412は、シャフト31が備えるラックに歯合させたピニオンをモータで回転させてシャフト31を上下方向に移動させる方法、電動アクチュエータを用いてシャフト31を上下方向に移動させる方法、又はシャフト31に組み込んだボールねじをモータで回転させてシャフト31を上下に移動させる方法などの方法で、シャフト31に支持された排紙トレイ部3を昇降させる構成となっている。制御部401は、ROM409が記憶している制御プログラムに従って昇降部412の動作を制御し、本発明に係る移動手段として機能する。
【0028】
また、制御部401には、使用者からの操作を受け付ける操作部402が接続されている。操作部402は、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示手段と、使用者の操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネル又はテンキー等の入力手段とからなっている。更に、操作部402は、使用者の指の接触を受け付けて、使用者の指紋を読み取る指紋センサ403を有している。制御部401には、更に、画像記録装置1の使用を許可された使用者の指紋の情報を登録した登録情報を記憶している登録部404と、使用者の認証を行う認証部405とが接続されている。認証部405は、登録部404が記憶している登録情報と指紋センサ403が読み取った指紋の情報とを照合し、使用者の認証を行う。
【0029】
図5は、登録部404が記憶している登録情報の内容の例を示す概念図である。通信ネットワークNに接続されたPC5,5,…夫々のIPアドレスに関連づけて、夫々のPC5の使用者の氏名、及び本発明に係る識別情報である指紋情報が登録されている。画像記録装置1を使用する部署などで、使用者の指紋情報を予め登録しておくことにより、画像記録装置1が使用者を認証することができる。更に、画像データの送信元であるPC5,5,…夫々を示すIPアドレスに関連づけて、夫々のPC5から送信された画像データの重要度を示した情報が登録されている。機密性を有する記録物を作成することが多い役員などの特定の使用者については、そのような使用者が使用するPC5から送信された画像データは重要度を高として登録しておく。重要度が高と指定された画像データに係る記録物を、下方トレイ33に排出することで、下方トレイ33にて目視されにくい状態で保持することができる。
【0030】
図6は、管理部410が記憶している履歴情報の内容の例を示す概念図である。画像として出力した画像データの送信元であるPC5のIPアドレスに関連づけて、画像データを受信した日時、記録用紙に画像を記録した記録物を排紙トレイ部3のどの排紙トレイに排出したかを示す排出先、及び記録物を使用者が受け取ったか否かを示す済または未の受取の情報が記録されている。なお、登録情報および履歴情報に関しては、IPアドレス以外に、MacアドレスなどのPC5を特定できる他の情報を用いて情報を記録しても良い。
【0031】
図7は、本発明の画像記録装置1が行う画像出力の処理の手順を示すフローチャートである。処理を行っていない待機中の状態では、画像記録装置1は、扉2が排紙トレイ部3を囲い隠している。使用者の操作によりPC5が画像データ及び画像出力の指示を通信ネットワークNを介して画像記録装置1へ送信すると、画像記録装置1は、通信部1にて、PC5からの画像データ及び画像出力の指示を受信する(S11)。制御部41は、次に、受信した画像データの送信元のPC5のIPアドレスに関連づけて、PC5から送信された画像データは登録部404が記憶する登録情報に重要度が高として登録されているか否かを判定する(S12)。重要度が高と登録されている場合は(S12:YES)、制御部41の制御により、給紙トレイ413が記録用紙を給紙し、画像形成部406は、受信した画像データから画像を形成して記録用紙に記録し、画像を記録用紙に記録した記録物を下方トレイ33,33,…のいずれかへ排出して、画像を出力する(S13)。画像データの重要度が低と登録されている場合は(S12:NO)、制御部41の制御により、給紙トレイ413が記録用紙を給紙し、画像形成部406は、受信した画像データから画像を形成して記録用紙に記録し、画像を記録用紙に記録した記録物をトップトレイ32へ排出して、画像を出力する(S14)。ステップS13又はステップS14が終了した後は、制御部401は、画像の出力の履歴を、出力した画像の記録物の受取が未の状態として記録した履歴情報を、管理部46に記憶し(S15)、処理を終了する。
【0032】
画像記録装置1は、排紙トレイ部3に記録物を保持した状態で待機する。特に、下方トレイ33へ記録物を排出した場合は、記録物は、扉2及びトップトレイ32に隠された状態となっている。なお、前述の処理では、ステップS12にて、PC5のIPアドレスから画像データの重要度を判定する処理を行っているが、その他の方法を用いて重要度を判定する処理を行ってもよい。例えば、PC5から重要度の高低を指定する情報を送信し、制御部401は、受信した情報から重要度を判定する処理を行ってもよい。また、通信部408を、複数種類の画像データのフォーマットを受信可能に構成しておき、制御部401は、暗号化された画像データなど、所定のフォーマットで受信した画像データについて重要度が高いと判定する処理を行ってもよい。
【0033】
図8は、画像の記録物の受け取りの際に本発明の画像記録装置1が行う処理の手順を示したフローチャートである。PC5から画像データを画像記録装置1へ送信した使用者は、排紙トレイ部3が扉2によって囲い隠されている状態になっている画像記録装置1のところまでやってきて、手の指の指紋を画像記録装置1の指紋センサ403に受け付けさせる。画像記録装置1は、指紋センサ403にて使用者の指紋を受け付け(S21)、受け付けた指紋の情報と、登録部404に記憶している登録情報に登録している指紋の情報とを認証部405にて対照し、受け付けた指紋に係る使用者が登録情報に登録されているか否かを判定して、使用者の認証を行う(S22)。受け付けた指紋の情報が登録情報に登録されていて、使用者の認証に成功した場合は(S22:YES)、制御部401は、受け付けた指紋に係る登録情報と管理部410に記憶している履歴情報とを対照して、受け付けた指紋の情報に関連づけて登録情報に登録してあるIPアドレスについて、受取の情報が未の状態である出力の履歴が履歴情報に記録されているか否かを判定する(S23)。出力の履歴が記録されていた場合は(S23:YES)、制御部401が昇降部412を動作させることにより、図2(b)に示す如く排紙トレイ部3が上昇する(S24)。排紙トレイ部3は、上昇することにより、扉2に囲われた範囲の領域の外側へ移動するため、トップトレイ32に保持されている記録物に加えて、下方トレイ33,33,…に保持されている画像の記録物が使用者にとって目視可能になる。また、使用者は、下方トレイ33,33,…に保持されている画像の記録物を取り出し易くなり、上昇した排紙トレイ部3から画像の記録物を受け取る。
【0034】
制御部401は、次に、使用者から記録物の受け取り終了の指示を受け付けるか、又は、排紙トレイ部3が上昇してから所定の時間が経過するまで待機するなどして、記録物の受け取りの終了を監視する(S25)。記録物の受け取りが終了していない場合は(S25:NO)、制御部401は、監視を続行し(S25)、記録物の受け取りが終了した場合は(S25:YES)、制御部401が昇降部412を動作させることにより、排紙トレイ部3が下降する(S26)。排紙トレイ部3が下降することにより、排紙トレイ部3は、扉2に囲い隠された状態へ戻る。制御部401は、次に、管理部410に記憶している履歴情報を、受取の情報が済の状態へ更新し(S27)、処理を終了する。ステップS22にて認証に失敗した場合(S22:NO)、及びステップS23にて画像の出力の履歴がなかった場合は(S23:NO)、制御部401は、操作部402の表示手段にエラーの表示を出力し(S28)、処理を終了する。なお、ステップS25では、接触センサ等を用いて、排紙トレイ部3から記録物が取り出されたことを検出する処理を行ってもよい。
【0035】
以上詳述した如く、本発明の画像記録装置1は、トップトレイ32及び下方トレイ33,33,…の複数の排紙トレイが上下方向に積層した排紙トレイ部3と、記録部4と、扉2とを備え、扉2は、排紙トレイ部3を正面から囲い隠し、排紙トレイ部3では、上方の排紙トレイが下方の排紙トレイを覆い隠し、下方トレイ33が保持している画像の記録物を隠して外から記録物を目視することを困難にする。扉2及び排紙トレイが記録物を隠すことにより、目視では記録物が下方トレイ33,33,…に保持されているか否かを判別することが困難となり、不特定多数の者によって記録物の内容を見られる、又は記録物を持ち去られる危険性が減少し、情報の不正使用から画像の記録物を保護することができる。また、本発明においては、画像記録装置1に接続されたPC5から画像データを送信して画像を記録する場合、画像を記録する間は扉2及び排紙トレイが下方トレイ33,33,…に保持される記録物を隠し、また、使用者が記録物を受け取りに来るまで隠したままである。このため、記録物の存在は使用者以外の他者には気づかれず、使用者が画像記録装置1の近辺にいなくても記録物は不正使用から保護される。これにより、情報の不正使用から記録物を保護するために画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の近辺で待機する必要がなくなり、使用者は、画像の記録が完了する頃合いを見計らって記録物を受け取る等して、情報の不正使用から記録物を保護することが可能となり、しかも効率よく画像の記録を行うことができる。
【0036】
また、本発明の画像記録装置1は、画像データを受信するときに画像の重要度を判定し、画像の重要度がより高い場合は、画像の記録物を下方トレイ33,33,…へ排出する。下方トレイ33,33,…は、扉2及び他の排紙トレイによって隠されているため、不特定多数の者が重要度の高い記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から重要度の高い画像の記録物を保護することができる。また、本発明の画像記録装置1は、指紋を用いて使用者を認証し、認証に成功した場合は、排紙トレイ部3が上昇して扉2により囲われている範囲の領域の外側へ移動するため、記録物の存在が目視可能になり、使用者は記録物の受け取りが容易になり、画像記録装置1の利便性が向上する。更に、使用者の認証に失敗した場合は、排紙トレイ部3の位置を移動させずに記録物の有無の確認を困難にさせることにより、使用者以外の他者が記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から画像の記録物を保護して画像記録装置1の安全性をより高めることができる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、記録部4の上方に排紙トレイ部3が位置した形態を示したが、これに限るものではなく、記録部4の側方に排紙トレイ部3を備え、排紙トレイ部3の周りを囲む扉2を備えた形態であってもよい。
【0038】
なお、本実施の形態においては、扉2が両開き式の扉である形態を示したが、これに限るものではなく、片開き式の扉、又は画像記録装置1の側面と一体になって開閉する扉などその他の形態であってもよい。また、扉2が縦型のスリット21を有する形態を示したが、スリット21の部分にガラスなどの透明部材を備えた形態、斜めに入ったスリットを備えた形態、又は丸窓を備えた形態など、記録物の一部を確認できるその他の窓を備えた形態であってもよい。
【0039】
また、本実施の形態においては、使用権限を有する使用者を判定する方法として、本発明に係る識別情報である使用者の指紋を利用して使用者を認証する方法を用いたが、これに限るものではなく、掌紋または声紋など使用者の身体的な特徴を示す指紋以外の他の種類の識別情報を利用して使用者を認証する方法、識別情報として予め登録してあるID及びパスワードを使用者から受け付ける方法、識別情報であるID情報を記録している接触式または非接触式のICカードを用いて使用者を認証する方法、カメラを用いて使用者を同定する方法など、他の方法を用いて使用者の存在を検出する形態であってもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明においては、画像記録装置に、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部を周りから囲い隠す遮蔽部を備える。これにより、目視では記録物が保持部に保持されているか否かを判別することが困難となり、不特定多数の者によって記録物の内容を見られる、又は記録物を持ち去られる危険性が減少し、情報の不正使用から画像の記録物を保護することができる。
【0041】
また、本発明においては、保持部は、夫々に記録物を保持できる複数の保持手段を、上下方向に積層した状態で備え、夫々の保持手段が保持する画像の記録物は、遮蔽部およびより上方に位置する他の保持手段によって隠される。このため、情報の不正使用から記録物を保護するために画像の記録が完了するまで使用者が画像記録装置の近辺で待機する必要がなくなる。これにより、情報の不正使用から記録物を保護することが可能となり、しかも効率よく画像の記録を行うことができる。
【0042】
また、本発明においては、画像記録装置は、記録部にて記録すべき画像の重要度を判定し、より重要度の高い記録物は、複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる。これにより、重要度の高い記録物は、遮蔽部および他の保持手段によって隠されることとなり、不特定多数の者が重要度の高い記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から重要度の高い画像の記録物を保護することができる。
【0043】
また、本発明においては、画像データの送信元に関連づけて画像データの重要度を示す情報を記憶しておき、記憶している情報に基づいて画像データの重要度を判定し、より重要度の高い記録物は、複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる。これにより、重要度の高い記録物は、遮蔽部および他の保持手段によって隠されることとなり、不特定多数の者が重要度の高い記録物を見る又は持ち去ることが防止され、情報の不正使用から重要度の高い画像の記録物を保護することができる。
【0044】
また、本発明においては、保持部は、遮蔽部にて囲われている範囲の領域の外側へ移動可能であるため、使用者は、保持部が保持している記録物を容易に受け取ることができる。
【0045】
また、本発明においては、指紋などの使用者を識別する識別情報を記憶しておき、使用者から識別情報を受け付け、受け付けた識別情報が予め記憶されている場合に、保持部を遮蔽部により囲われている範囲の領域の外側へ移動させるため、定められた使用者のみに記録物の確認と受け取りとを可能にさせる。これにより、使用者以外の他者が記録物を見る又は持ち去ることを防止して、情報の不正使用から画像の記録物を保護して画像記録装置の安全性をより高めることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置の外観を示す外観斜視図である。
【図2】画像記録装置を使用する際の状態を示した外観斜視図である。
【図3】本発明の画像記録装置の縦断面図である。
【図4】本発明の画像記録装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】登録部が記憶している登録情報の内容の例を示す概念図である。
【図6】管理部が記憶している履歴情報の内容の例を示す概念図である。
【図7】本発明の画像記録装置が行う画像出力の処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】画像の記録物の受け取りの際に本発明の画像記録装置が行う処理の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像記録装置
2 扉(遮蔽部)
3 排紙トレイ部(保持部)
32 トップトレイ(保持手段)
33 下方トレイ(保持手段)
4 記録部
401 制御部
403 指紋センサ
405 認証部
406 画像形成部
412 昇降部(移動手段)
5 PC
N 通信ネットワーク
Claims (6)
- 画像を記録担体に記録する記録部と、画像を記録担体に記録した記録物を保持する保持部とを備える画像記録装置において、
前記保持部を周囲から囲う遮蔽部を備えることを特徴とする画像記録装置。 - 前記保持部は、夫々に記録物を保持できる複数の保持手段を、上下方向に積層した状態で備え、
夫々の保持手段は、該保持手段よりも下方に位置する他の保持手段を上方から覆い隠すべくなしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。 - 前記記録部が記録すべき画像の重要度を判定する手段と、
判定した重要度に従って、より重要度の高い記録物を、前記複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。 - 外部から画像データを受信する手段と、
画像データの送信元を示す情報を受信する手段と、
送信元の情報に関連づけて、該送信元から受信した画像データの重要度を示す情報を記憶する手段と、
受信した画像データの送信元を示す情報に関連づけて記憶している情報に基づいて、受信した画像データの重要度を判定する手段と、
判定した重要度に従って、より重要度の高い画像データから前記記録部で画像を形成して作成した記録物を、前記複数の保持手段の内のより下方に位置する保持手段に保持させる手段と
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。 - 前記保持部を、前記遮蔽部により囲われている範囲の領域の外側へ移動させる移動手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の画像記録装置。
- 使用者の識別情報を記憶する手段と、
識別情報を受け付ける手段と、
受け付けた識別情報が、記憶している識別情報に含まれているか否かを判定する手段とを備え、
前記移動手段は、受け付けた識別情報が、記憶している識別情報に含まれていると判定した場合に、前記保持部を移動させるべくなしてあることを特徴とする請求項5に記載の画像記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003188561A JP2005022161A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 画像記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003188561A JP2005022161A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 画像記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=34187064
Family Applications (1)
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JP2003188561A Pending JP2005022161A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 画像記録装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005022161A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006346986A (ja) * | 2005-06-15 | 2006-12-28 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 印刷方法および印刷装置 |
JP2009269303A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Canon Inc | 印刷システム、印刷装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体 |
CN103723554A (zh) * | 2012-10-16 | 2014-04-16 | 海德堡印刷机械股份公司 | 页张处理机例如模切机或印刷机、尤其收纸器区域中的屏蔽装置 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188561A patent/JP2005022161A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006346986A (ja) * | 2005-06-15 | 2006-12-28 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 印刷方法および印刷装置 |
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