JP2005026446A - 基板搬送装置、露光装置、基板計測装置及び基板搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板ステージの回転許容範囲内の回転位置で矩形基板を基板ステージに搬送する基板搬送装置を提供する。
【解決手段】露光を行うための矩形基板を搬送する搬送手段Hと、前記矩形基板をステージ上に載置する前に前記搬送手段上において前記矩形基板の外形位置を計測する第1の基板計測手段35と、前記矩形基板を前記ステージ上に載置するための基板載置手段と、前記矩形基板を前記ステージ上に載置した状態で該ステージに対する前記矩形基板の外形位置を計測するための第2の基板計測手段56a,56b,56cとを備える基板搬送装置において、前記第1の基板計測手段は、前記第2の基板計測手段で計測する前記矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測する。
【選択図】 図1
【解決手段】露光を行うための矩形基板を搬送する搬送手段Hと、前記矩形基板をステージ上に載置する前に前記搬送手段上において前記矩形基板の外形位置を計測する第1の基板計測手段35と、前記矩形基板を前記ステージ上に載置するための基板載置手段と、前記矩形基板を前記ステージ上に載置した状態で該ステージに対する前記矩形基板の外形位置を計測するための第2の基板計測手段56a,56b,56cとを備える基板搬送装置において、前記第1の基板計測手段は、前記第2の基板計測手段で計測する前記矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子を製造するための露光工程を行う大型の走査型露光装置に基板を搬送するための基板搬送装置、該基板搬送装置を備えた露光装置、基板の計測を行う基板計測装置及び基板の搬送を行う基板搬送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子や半導体素子等のマイクロデバイスを製造するためのフォトリソグラフィ工程では、マスクのパターンを基板に露光する露光装置、基板にフォトレジスト等の感光剤を塗布する塗布装置(コータ)、及び露光処理された基板を現像する現像装置(デベロッパ)等の種々の基板処理装置が用いられ、基板はこれら基板処理装置間を搬送装置により搬送される。例えば、感光剤塗布機能と現像機能とを備えたコータ・デベロッパ装置から露光装置に基板を搬送する際には、コータ・デベロッパ装置に設けられている搬送装置が露光装置に設けられている受け渡しポート部に基板を搬送する。ポート部では、基板の搬送先である露光装置の基板ステージに対する大まかな位置合わせ(プリアライメント)が行われ、その後、露光装置側の搬送装置がポート部から基板ステージに基板を搬送する。下記特許文献1には、ポート部において基板を搬送先である基板ステージに対する回転誤差補正を行い、基板ステージにおいて基板のXY方向の位置誤差補正を行う技術が開示されている。
【0003】
一方、液晶表示装置等のフラットディスプレイパネルを製造するためのガラス基板は近年においてますます大型化を要求されているが、大型のガラス基板を搬送装置で搬送しようとする場合、撓んだり破損したりする等の不都合を生じる。これに対処するために、下記特許文献2、3には基板を搬送トレイに載置した状態で搬送する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−335723号公報
【特許文献2】
特開2001−100169号公報
【特許文献3】
特開2001−176947号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで露光装置には、マスクのパターンと、予め所定の位置に露光されたプレートのマークの相対位置を投影光学系を介して位置合わせを行なうアライメント光学系が設けられている。このアライメント光学系は、2回目以降の露光の際に重ね合わせ露光を行なう場合に使用される。プレートステージには移動鏡が配置され、プレートの位置をレーザ干渉計により計測制御している。また、マスク側にも同様にレーザ干渉計が配置され、マスクステージの位置の計測制御を行なっている。
【0006】
露光装置により露光を行う場合には、基板搬送装置によりプレートをステージ上に搬送して載置する。ステージ上に載置されたプレートは、プレートのエッジ位置がステージに内蔵されたポテンショメータにて検出され、この検出値に基づいて、プレートを保持しているホルダごと回転できる回転機構によりプレートの回転を行い、プレートの回転位置の調整を行う。このプレートの回転位置の調整が終了した後に、1回目の露光の場合には露光を行い、2回目以降の露光の場合には1回目の露光において露光されたアライメントマークを用いてプレートのアライメントを行い、0.1μm〜1μm程度の位置合わせを行い、2回目以降の露光を行う。この露光装置においては、プレートのアライメントマークをアライメント系にて計測し、回転量が許容値になるまで、ホルダの回転を行う。そして、残渣分はマスクステージを回転することによって補正して露光を行う構成をとる。
【0007】
現在、露光を行うプレートは、大型テレビの需要から、大型化の一途をたどり、1.5m角以上のサイズのプレートが用いられるようになっており、それと同時に露光装置に要求される処理能力の向上も要求されている。従来のアライメント系では、常に露光フィールドにプレートを移動させる必要があるため、アライメント時間が長くなってしまうといった問題が発生していた。そこで、走査方向と直行する方向に所定間隔を置いて配置される第1列の部分投影光学系と、走査方向と直行する方向に所定間隔を置いて配置される第2列の部分投影光学系との間に配置されたオートフォーカスユニット中にオフアクシスのアライメント系を配置して、スループットの向上を図る露光装置が存在する。
【0008】
更に、基板が大型になればなるほど、ホルダを回転させるための機構自体が大掛かりになり、ホルダの吸着を解除して基板を回転させたのち、再度基板を吸着するようなシーケンス1つをとってもエアーが抜けきるまでの時間、基板の全面を均一に吸着するための時間等処理時間が長くなる要因になっていた。従って、ホルダ回転機構に代えてプレートをステージごと回転補正する方式が考えられるが、干渉計の移動鏡がプレートステージに取り付けられていることから、プレートステージの回転量が大きくなりすぎると、ビームシフトに伴うコントラスト変化や光量の減少に伴うシグナルエラーが発生する。また、プレートステージの回転許容量よりも大きな回転が基板に残っていれば、プレートステージの回転によるプレートの回転位置の補正は不可能となりスループットが著しく低下してしまう。
【0009】
この発明の課題は、基板ステージの回転許容範囲内の回転位置で矩形基板を基板ステージに搬送する基板搬送装置、該搬送装置を備える露光装置、矩形基板の外形位置の計測を行う基板計測装置、及び基板ステージの回転許容範囲内の回転位置で矩形基板を基板ステージに搬送する基板搬送方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の基板搬送装置は、露光を行うための矩形基板を搬送する搬送手段と、前記矩形基板をステージ上に載置する前に前記搬送手段上において前記矩形基板の外形位置を計測する第1の基板計測手段と、前記矩形基板を前記ステージ上に載置するための基板載置手段と、前記矩形基板を前記ステージ上に載置した状態で該ステージに対する前記矩形基板の外形位置を計測するための第2の基板計測手段とを備える基板搬送装置において、前記第1の基板計測手段は、前記第2の基板計測手段で計測する前記矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測することを特徴とする。
【0011】
この請求項1記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段により矩形基板をステージ上に載置する前に搬送手段上において第2の基板計測手段で計測する矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測するため、矩形基板の外形の撓み等による計測誤差の影響を受けることなく、矩形基板の外形位置を計測することができ、回転方向の誤差を正確に計測することができる。
【0012】
また、請求項2記載の基板搬送装置は、前記搬送手段が前記第1の基板計測手段の計測値に基づいて、前記矩形基板の回転方向の補正を行う補正手段を備えることを特徴とする。
【0013】
この請求項2記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段の計測値に基づいて回転方向の位置の補正が行なわれた矩形基板をステージ上に載置することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができるため、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0014】
また、請求項3記載の基板搬送装置は、前記第2の基板計測手段の計測値が閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により計測値が閾値を超えていると判定された場合には、前記基板載置手段により再度前記矩形基板を受け取る基板受取手段と、前記第1の基板計測手段の計測値及び前記第2の基板計測手段の計測値の少なくとも何れか一方に基づいて、前記矩形基板の回転補正量を決定する回転補正量決定手段と、前記回転補正量決定手段により決定された回転補正量に基づいて、前記基板載置手段により前記矩形基板の回転方向の補正を行う再補正手段とを備え、前記矩形基板の回転方向の補正を行った後に、前記基板載置手段により、前記矩形基板を前記ステージ上に再載置することを特徴とする。
【0015】
この請求項3記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段により計測された計測値または補正手段により補正された補正量に誤りがあった場合においても、第2の基板計測手段の計測値が閾値を超えているか否かの判定を行うことにより、矩形基板の回転方向の位置の再補正を行うことができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに再載置することができる。
【0016】
また、請求項4記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が前記矩形基板の少なくとも1辺において2点以上の計測を行うことを特徴とする。
【0017】
この請求項4記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段が矩形基板の少なくとも一辺において2点以上の計測を行うため、矩形基板がステージに載置される前に矩形基板の回転方向の誤差を計測することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、ステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。
【0018】
また、請求項5記載の基板搬送装置は、前記第2の基板計測手段にて計測される前記基板に対する計測位置が前記第1の基板計測手段にて計測される位置を含むことを特徴とする。
【0019】
この請求項5記載の基板搬送装置によれば、基板のエッジ部の真直性が悪い場合であっても第1の基板計測手段にて計測される計測点と、第1の基板計測手段にて計測される計測点とをほぼ同じにすることにより基板の影響を受けずに計測することができる。
【0020】
また、請求項6記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が露光装置本体に設置されていることを特徴とする。
【0021】
この請求項6記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段が露光装置本体に設置されているため、振動等が生じた場合においても、第1の基板計測手段による計測値は露光装置本体に備えられている計測系による計測値と同程度に振動等の影響を受ける。従って、第1の基板計測手段と露光装置とが別々に設置され、振動等の影響をそれぞれ別々に受けた場合と比較した場合、矩形基板の位置計測の精度向上を図ることができる。
【0022】
また、請求項7記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が前記矩形基板のエッジを光学的に計測することを特徴とする。
【0023】
また、請求項8記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が前記矩形基板のエッジに向けて照明光を供給するための照明光学系と、前記矩形基板のエッジにて反射された光に基づいて、前記矩形基板のエッジの像を形成するための対物光学系とを備え、前記対物光学系は、少なくとも前記矩形基板側がテレセントリックとなるように配置された開口絞りを有することを特徴とする。
【0024】
この請求項7及び請求項8記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段に備えられている対物光学系の矩形基板側がテレセントリックとなるように配置された開口絞りを有しているため、矩形基板の垂直方向の位置が矩形基板の撓み等の影響により大幅に変化した場合においても、矩形基板の外形位置を正確に計測することができる。
【0025】
また、請求項9記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段の前記矩形基板側の照明開口数をN.A.illとし、前記対物光学系の前記矩形基板側の結像開口数をN.A.Imageとするとき、
N.A.ill>N.A.Image
を満足することを特徴とする。
【0026】
この請求項9記載の基板搬送装置によれば、N.A.ill>N.A.Imageを満足しているため、矩形基板の表面が傾いている場合においても、矩形基板により反射された光の受光量の変化が少なく、矩形基板の位置計測の誤差を最小に抑えることができる。
【0027】
また、請求項10記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が前記照明光学系の前記矩形基板側の光路と、前記対物光学系の前記矩形基板側の光路とを合成し、合成された光路を前記矩形基板に向けて形成する光路合成手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
この請求項10記載の基板搬送装置によれば、光路合成手段を備えることにより、照明光学系からの光が対物光学系を通過しないため、対物光学系からの戻り光であるフレアの影響を受けることなく、矩形基板の位置を正確に計測することができる。
【0029】
また、請求項11記載の露光装置は、パターンが露光される矩形基板を支持する基板ステージを備えた露光装置において、前記基板ステージに対して前記矩形基板を搬送する基板搬送装置を備え、前記基板搬送装置は、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の基板搬送装置により構成されることを特徴とする。
【0030】
この請求項11記載の露光装置によれば、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、ステージ上に載置する前に矩形基板の回転方向の位置の補正を行い、回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができる。従って、良好な重ね合わせ露光を行うことができ、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0031】
また、請求項12記載の基板計測装置は、矩形基板のエッジに向けて照明光を供給するための照明光学系と、前記矩形基板のエッジにて反射された光に基づいて、前記矩形基板のエッジの像を形成るための対物光学系と、前記照明光学系の前記矩形基板側の光路と、前記対物光学系の前記矩形基板側の光路とを合成し、合成された光路を前記矩形基板に向けて形成する光路合成手段とを備え、前記照明光学系の前記矩形基板側の照明開口数をN.A.illとし、前記対物光学系の前記矩形基板側の結像開口数をN.A.Imageとするとき、
N.A.ill>N.A.Image
を満足することを特徴とする。
【0032】
この請求項12記載の基板計測装置によれば、光路合成手段を備えることにより、照明光学系からの光が対物光学系を通過しないため、対物光学系からの戻り光であるフレアの影響を受けることなく、矩形基板の位置を正確に計測することができる。また、N.A.ill>N.A.Imageを満足しているため、矩形基板の表面が傾いている場合においても、矩形基板により反射された光の受光量の変化が少なく、矩形基板の位置計測の誤差を最小に抑えることができる。
【0033】
また、請求項13記載の基板搬送方法は、露光を行うための矩形基板を搬送手段に載置する第1の基板載置工程と、前記矩形基板を露光装置のステージ上に載置する前に前記搬送手段上において前記矩形基板の外形位置を計測する第1の基板計測工程と、前記第1の基板計測工程の計測値に基づいて前記矩形基板の回転方向の補正を行う補正工程と、前記補正工程により回転方向の補正を行った前記矩形基板を前記ステージ上に載置する第2の基板載置工程とを含むことを特徴とする。
【0034】
この請求項13記載の基板搬送方法によれば、第1の基板計測工程の計測値に基づいて回転方向の位置の補正が行なわれた矩形基板をステージ上に載置することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測工程の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができるため、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0035】
また、請求項14記載の基板搬送方法は、前記矩形基板を前記ステージ上に載置した状態で該ステージに対する前記矩形基板の外形位置を計測する第2の基板計測工程と、前記第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えたか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により、前記第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えたと判定された場合に、基板載置手段により前記矩形基板を受け取る基板受取工程と、前記第1の基板計測工程における計測値及び前記第2の基板計測工程における計測値の少なくとも一方に基づいて、前記矩形基板の回転方向の補正を行う再補正工程と、前記再補正工程により回転方向の補正を行った前記矩形基板を再度前記ステージ上に載置する再載置工程とを含むことを特徴とする。
【0036】
この請求項14に記載の基板搬送方法によれば、第1の基板計測工程により計測された計測値または補正工程により補正された補正量に誤りがあった場合においても、第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えているか否かの判定を行うことにより、矩形基板の回転方向の位置の再補正を行うことができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに再載置することができる。
【0037】
また、請求項15記載の基板搬送方法は、前記第1の基板計測工程が前記第2の基板計測工程で計測する前記矩形基板辺のうち少なくとも一辺の位置を計測することを特徴とする。
【0038】
この請求項15記載の基板搬送方法によれば、第1の基板計測工程が矩形基板の少なくとも一辺において2点以上の計測を行うため、矩形基板がステージに載置される前に矩形基板の回転方向の誤差を計測することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の搬送装置及び露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置を備えたデバイス製造システムの実施の形態を示す図であって上方から見た概略構成図、図2は概略斜視図である。
【0040】
図1において、デバイス製造システムSYSは、露光装置EXSと、コータ・デベロッパ装置CDSとを備えている。コータ・デベロッパ装置CDSは、露光処理される前の基板Pに対してフォトレジスト等の感光剤を塗布する塗布装置(コータ)Cと、露光装置EXS(露光装置本体EX)において露光処理された後の矩形形状を有する基板Pを現像する現像装置(デベロッパ)Dと、基板Pを搬送するフォーク型ハンドを有する搬送装置100とを備えている。ここで、以下の説明において、塗布装置C及び現像装置Dを合わせて「コータ・デベロッパ本体C/D」と適宜称する。
【0041】
露光装置EXSは、コータ・デベロッパ装置CDSとのインターフェース部の一部を構成しコータ・デベロッパ装置CDSの搬送装置100から搬送された基板Pを受けるポート部10と、マスクMのパターンを基板Pに露光する露光処理部である露光装置本体EXと、露光装置本体EXの基板ステージPSTとポート部10との間で基板Pを搬送する搬送手段の一部を構成する搬送部20と、露光装置EXS全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
【0042】
また、ポート部10は露光処理された基板Pを搬送部20から受ける機能も有する。そして、ポート部10及び搬送部20により、コータ・デベロッパ装置CDSと露光装置本体EXの基板ステージPSTとの間で基板Pを搬送する搬送装置Hが構成されている。露光装置本体EX、ポート部10、及び搬送部20はクリーン度が管理された第1チャンバ装置CH1内部に配置されている。一方、コータ・デベロッパ本体C/D及び搬送装置100は第1チャンバ装置CH1とは別の第2チャンバ装置CH2内部に配置されている。本実施の形態において、基板Pは矩形形状のガラス基板にフォトレジスト等の感光剤を塗布したものである。マスクMは原板であるガラス板上にクロムなどの遮蔽材料により所定のパターンを形成したものである。
【0043】
図2において、露光装置本体EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、矩形形状を有する基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影する投影光学系PLとを備えている。本実施の形態の露光装置EXは複数(ここでは5本)並んだ投影光学系モジュールからなる投影光学系PLを有しており、この投影光学系PLに対してマスクMと基板Pとを所定方向に同期移動しつつマスクMのパターンを基板Pに投影露光する、所謂マルチレンズスキャン型露光装置である。
【0044】
なお、以下の説明において、水平面内においてマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向)、X軸及びY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0045】
上述のマスクステージMST、基板ステージPSTの位置は、図示しないレーザ干渉計により計測、制御される。なお、基板ステージPSTの位置の計測、制御に用いられるレーザ干渉計は、基板ステージPSTに固定されている移動鏡50と投影光学系PLに固定された固定鏡(図示せず)との相対位置の計測、制御を行う。
【0046】
投影光学系PLは、非走査方向に配置された第1列の部分投影光学系PL1,PL3、PL5と、非走査方向に配置された第2列の部分投影光学系PL2,PL4により構成されている。第1列の部分投影光学系PL1,PL3、PL5と、第2列の部分投影光学系PL2,PL4との間には、基板Pの位置合わせを行うためのオフアクシスのアライメント系52、及びマスクMや基板Pに対するフォーカス位置を合わせるためのオートフォーカス系54が配置されている。
【0047】
また、基板ステージPSTには、基板ステージPSTに載置された基板Pの外形位置の計測を行うポテンショメータ(第2の基板計測手段)が3つ設けられている。即ち、基板Pの搬送方向に沿った基板Pの辺の位置(基板Pの+Y側)を計測するために2つのポテンショメータ56a,56bが設けられ、基板Pの搬送方向に直行する基板Pの辺の位置(基板Pの+X側)を計測するために1つのポテンショメータ56cが設けられている。なお、ポテンショメータ56a,56b,56cは、基板Pのエッジに軽接触で当接する測長器を用いて基板Pの外形位置の計測を行うが、その詳細は特開平5‐166701号公報に開示されているので参照されたい。
【0048】
図3は搬送手段の一部を構成するポート部10を示す概略側面図である。図3において、ポート部10は、基板Pを支持する基板支持部1と、トレイ(搬送トレイ)Tを支持するトレイ支持部2とを備えている。基板支持部1は、板状の第1支持部材3と、この第1支持部材3上に設けられ、基板Pの下面を支持する複数の基板支持ピン4とを備えている。本実施の形態において基板支持ピン4は全部で8本設けられている。基板支持ピン4のそれぞれは第1支持部材3上で起立しており、それぞれの下端部を第1支持部材3に固定し、上端部(上端面)で基板Pの複数の所定位置を支持する。基板支持ピン4の上端面にはバキューム装置に接続した真空吸着穴がそれぞれ設けられており、基板支持ピン4は真空吸着穴を介して基板Pを吸着保持する。なお、基板支持ピン4の上端部には、基板支持ピン4に基板Pが載置されているかどうかを検出する有無センサが設けられている。この有無センサは8つの基板支持ピン4のうち、平面視対角線上の少なくとも2つの基板支持ピン4に設けられている。少なくとも2つの有無センサを設けておくことにより、一方が故障しても他方で基板Pの有無を検出可能である。
【0049】
基板支持部1(第1支持部材3及び基板支持ピン4)は連結部材5を介してステージ装置6に接続されている。ステージ装置6はトレイTと基板Pとの位置関係を調整する位置調整手段の一部を構成しており、ベース7上においてX軸、Y軸、及びθZ方向のそれぞれに移動可能である。ステージ装置6には例えばモータとボールねじとを組み合わせたステージ駆動装置8が設けられており、制御装置CONTはステージ駆動装置8を介してステージ装置6をX軸、Y軸、及びθZ方向に移動する。そして、ステージ装置6の移動に伴って、基板支持部1及びこれに保持された基板PもX軸、Y軸、及びθZ方向に移動する。
【0050】
トレイ支持部2は、枠状の第2支持部材9と、この第2支持部材9上に設けられ、トレイTの下面を支持する複数のトレイ支持ピン11とを備えている。本実施形態においてトレイ支持ピン11は全部で8本設けられている。トレイ支持ピン11のそれぞれは第2支持部材9上で起立しており、それぞれの下端部を第2支持部材9に固定し、上端部(上端面)でトレイTの複数の所定位置を支持する。ここで、トレイ支持ピン11のそれぞれは基板支持部1の第1支持部材3より外側に配置されている。なお、トレイ支持ピン11の上端部には、トレイ支持ピン11にトレイTが載置されているかどうかを検出する有無センサが設けられている。この有無センサは8つの基板支持ピン11のうち、平面視対角線上の少なくとも2つのトレイ支持ピン11に設けられている。少なくとも2つの有無センサを設けておくことにより、一方が故障しても他方でトレイTの有無を検出可能である。
【0051】
トレイ支持部2(第2支持部材9及びトレイ支持ピン11)はガイド部12に沿って不図示のトレイ支持部用駆動装置によりZ軸方向に移動可能に設けられている。制御装置CONTはトレイ支持部用駆動装置を介してトレイ支持部2をZ軸方向に移動する。そして、トレイ支持部2の移動に伴ってこれに支持されるトレイTもZ軸方向に移動する。トレイ支持部2の上昇により、トレイTは上昇し、基板Pに接近してこの基板Pの下面を支持する。ここで、トレイ支持ピン11は基板支持部1の外側に配置されているため、トレイ支持部2の上下方向への移動は妨げられない。また、ガイド部12はステージ装置6の外側に設けられており、またステージ装置6と基板支持部1とを連結する連結部材5は第2支持部材9の枠内部に配置されているため、ステージ装置6及び基板支持部1の水平方向への移動は妨げられない。
【0052】
ポート部10はトレイTに対する基板Pの位置を検出する検出手段の一部を構成する検出装置13を備えている。検出装置13は、基板支持ピン4に支持されている基板Pに対して下方の離れた位置に設けられており、基板Pのエッジ部の複数の所定の検出点の位置を非接触で検出する。検出装置13は、基板Pに対して検出光を投射する投射部と、基板Pからの反射光を受光する受光部とを有しており、基板Pからの反射光に基づいて基板Pの複数のエッジ部の検出点の位置を光学的に検出する。
【0053】
図4は図3を上方から見た平面図である。図4に示すように、トレイTは格子状に設けられた複数の線状部材41を有している。これら複数の線状部材41は例えば溶接により格子状に組み合わされている。また、複数の線状部材41により構成される各格子の内部には基板Pより小さい矩形状の開口部42が複数形成されている。トレイTはその上面である支持面40で基板Pを支持する。また、トレイTは支持面40で支持した基板Pの側面を保持して基板Pの落下を防止する凸部43を備えている。トレイTがトレイ支持部2に支持されているとき、トレイTの開口部42に基板支持部1の基板支持ピン4が配置されるようになっており、基板支持ピン4はこの開口部42を介して基板Pの下面を支持する。ここで、基板支持ピン4とトレイT(線状部材41)とは十分に離れており、基板支持ピン4(基板支持部1)の水平方向への移動は妨げられない。また、トレイ支持部2のトレイ支持ピン11はトレイTの周縁部の複数の所定位置を支持する。また、トレイTの4つの隅部は平面方向内側に凹むL字型となっており、矩形形状である基板Pの4隅に対する非支持部となっている。
【0054】
なお、本実施の形態ではトレイ支持部2のトレイ支持ピン11はトレイTの周縁部の複数の所定位置を支持しているが、例えば枠状の第2支持部材9の枠内部に連結部材5と干渉しない支持部材を渡し、この支持部材にトレイ支持ピンを取り付け、この枠内部に設けられたトレイ支持ピンによりトレイTの平面方向中央部を支持してもよい。このとき、基板支持部1の第1支持部材3にはトレイ支持ピン11を配置可能で第1支持部材3の水平方向への移動を妨げない大きな開口部が設けられる。
【0055】
図5は基板Pの位置を検出する検出装置13(13A〜13C)の配置を示す図である。図5に示すように、本実施の形態では3つの検出装置13A〜13Cが所定の位置に配置されており、矩形形状である基板Pの少なくとも2辺の位置を検出するように配置されている。このうち、検出装置13Aは基板Pの+Y側の1辺を検出可能な位置に配置されており、検出装置13B、13Cは基板Pの+X側の1辺を検出可能な位置に配置されている。つまり、検出装置13B、13Cにより、基板Pの+X側の1辺において検出点が2点設定されている。検出装置13A〜13Cのそれぞれは基板Pに対して検出光を投射し、基板Pからの反射光を受光したかどうかで基板Pのエッジ部の3つの検出点をそれぞれ非接触で光学的に検出する。各検出装置13A〜13Cのそれぞれの検出信号は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、基板Pの+Y側の1辺を検出可能な検出装置13Aの検出結果に基づいて、基板PのY軸方向における位置を検出する。また、制御装置CONTは、基板Pの+X側の1辺の2つの検出点を検出可能な検出装置13B及び13Cの検出結果に基づいて、基板PのX軸方向における位置、及びθZ方向における位置(回転方向の位置)を検出する。
【0056】
基板Pの位置情報を検出装置13A〜13Cを用いて検出する際、制御装置CONTは、ステージ装置6を移動しながら検出装置13A〜13Cを用いて基板Pのエッジ部の位置を検出し、この検出結果に基づいて基準位置に対する基板Pの位置情報を求める。本実施の形態において、前記基準位置はトレイTを支持するトレイ支持部2、ひいてはトレイTの位置であり、制御装置CONTは、検出装置13A〜13Cの検出結果に基づいて、トレイT(トレイ支持部2)に対する基板Pの位置情報、すなわち、トレイTに対するXY方向への位置誤差量、及びθZ方向への回転誤差量を検出する。
【0057】
ここで、図5の基板Pは平面視正方形状であるが、長方形状である場合、検出装置13B、13Cで長方形状の基板Pの長辺側の2つの検出点を検出する構成が好ましい。短辺側に2つの検出点を設けるより長辺側に2つの検出点を設けることにより基板Pの回転誤差量をより高精度に検出できる。なお、短辺側に2つの検出点を設けた場合であっても基板Pの位置情報はもちろん検出可能である。
【0058】
基板Pの位置情報を検出する際には、ステージ装置6を移動し、例えばまず基板Pの+X側の1辺(基板Pが長方形状である場合には長辺側)の2つの検出点を検出装置13B、13Cの検出領域に配置して検出し、+Y側の1辺(基板Pが長方形状である場合には短辺側)の1つの検出点を検出装置13Aの検出領域に配置して検出する。
【0059】
図2及び図3に戻って、搬送装置Hの一部を構成する搬送部20はトレイTに基板Pを載置してこの基板Pを搬送するものであり、基板ステージPSTに対して基板Pをロード及びアンロードする。搬送部20は、基板Pを載置したトレイTの一端部(+Y側端部)を保持して搬送可能な駆動手段の一部を構成する第1保持部21と、第1保持部21に対向し、トレイTの他端部(−Y側端部)を保持する駆動手段の一部を構成する第2保持部22と、第1保持部21をZ軸及びY軸方向に移動可能に支持する第1機構部23と、第2保持部22をZ軸及びY軸に移動可能に支持する第2機構部24と、第1、第2機構部23、24のそれぞれに接続する第1、第2被ガイド部25、26と、第1、第2被ガイド部25、26をX軸方向に移動する駆動手段の一部を構成するリニアモータにより構成される第1、第2駆動部31、32と、X軸方向に延び、第1、第2被ガイド部25、26それぞれのX軸方向への移動を案内する第1、第2ガイド部27、28とを備えている。なお、図2では第1、第2駆動部31、32の図示が省略されている。
【0060】
本実施の形態において、第1、第2駆動部31、32のそれぞれは、第1、第2被ガイド部25、26に取り付けられた電機子ユニットからなる可動子31A、32Aと、この可動子31A、32Aに対応する磁石ユニットを有する固定子31B、32Bとを備えたムービングコイル型リニアモータにより構成されている。固定子31B、32BはX軸方向に延在している。なお、第1、第2駆動部31、32としては、固定子が電機子ユニットから構成され、可動子が磁石ユニットから構成されるムービングマグネット型リニアモータでもよい。第1、第2駆動部31、32の駆動により、第1、第2保持部21、22は、第1、第2機構部23、24及び第1、第2被ガイド部25、26とともにX軸方向に移動する。
【0061】
第1、第2機構部23、24の駆動は制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは第1、第2機構部23、24を駆動することにより、第1、第2保持部21、22のそれぞれを昇降可能、且つ第1、第2保持部21、22間の距離を調整可能である。したがって、第1、第2保持部21、22は第1、第2機構部23、24の駆動によりトレイTに対してアクセスし、このトレイTを保持及び保持解除可能である。
【0062】
第1、第2駆動部31、32の固定子31B、32B及び第1、第2ガイド部27、28は、ポート部10及び基板ステージPSTのそれぞれまで延びており、第1、第2保持部21、22はポート部10と基板ステージPSTとの間で移動可能である。第1、第2駆動部31、32は制御装置CONTの制御により互いに独立して駆動するようになっており、したがって、第1保持部21及び第2保持部22のそれぞれは互いに独立してX軸方向に移動可能となっている。第1、第2保持部21、22のそれぞれが互いに独立してX軸方向に移動することにより、第1、第2保持部21、22に保持される基板Pを載置したトレイTはθZ方向に回転可能である。すなわち制御装置CONTは、第1保持部21に対する第2保持部22のX軸方向における位置を調整することにより、第1、第2保持部21、22で保持したトレイT(基板P)を所定量回転可能である。
【0063】
また、搬送部20は、第1保持部21に対する第2保持部22のX軸方向における位置を検出する位置検出部30を備えている。位置検出部30は、第1保持部21に設けられた発光部30Aと、第2保持部22に設けられ、発光部30Aからの光を受光可能な受光部30Bとを有している。発光部30Aは、断面視L字状の第1保持部21のうち垂直面部21Aに設けられ、一方、受光部30Bは、断面視L字状の第2保持部22のうち、第1保持部21の垂直面部21Aと対向する垂直面部22Aに設けられている。発光部30Aは例えば基板Pに対して感光性の低いレーザ光を射出可能なレーザ光源により構成され、受光部30Bは例えば1次元CCDにより構成されている。
【0064】
ここで、第1、第2保持部21、22はそれぞれほぼ同じ大きさであり、発光部30A及び受光部30Bは、垂直面部21A、22AのX軸方向中央部にそれぞれ設けられている。受光部30Bは発光部30Aからのレーザ光を検出し、検出結果を制御装置CONTに出力する。制御装置CONTは、受光部30Bの検出結果に基づいて第1保持部21に対する第2保持部22の位置を検出する。具体的には、制御装置CONTは、受光部30Bが発光部30Aからのレーザ光を照射される位置に基づいて、第1保持部21に対する第2保持部22の位置を検出する。例えば、受光部30Bが発光部30Aからの光を受光部30Bの所定位置(例えばX軸方向中心位置)で受光すれば、制御装置CONTは、第1、第2保持部21、22のX軸方向における位置は同じであると判断し、受光部30Bが発光部30Aからの光を所定位置に対してずれた位置で受光すれば、第1、第2保持部31、32はX軸方向においてずれた位置にあると判断する。そして、制御装置CONTは受光部30Bの検出結果、すなわち、第1、第2保持部21、22の相対位置情報に基づいて第1、第2駆動部31、32を制御する。また、不図示ではあるが、また、第1、第2保持部21、22には、これら第1、第2保持部21、22のX軸方向における位置(移動量)を検出するリニアエンコーダ等からなる移動量検出部がそれぞれ設けられている。
【0065】
断面視L字状の第1、第2保持部21、22のうち水平面部21B、22BのそれぞれにはトレイTの下面を支持する突起部34が設けられている。図6は第1保持部21の水平面部21Bに設けられた突起部34でトレイTの下面を支持している状態を示す模式図である。図6に示すように、第1保持部21の水平面部21Bには3つの突起部34(34A〜34C)がX軸方向に関して所定間隔で設けられており、それぞれの先端部は略球状に形成されている。一方、トレイTの一端部(+Y側端部)のうち、X軸方向に関してほぼ中央部には円錐状の凹部44が形成されている。そして、3つの突起部33A〜34Cのうち中央の突起部34Bが凹部44に配置されるようになっている。
【0066】
ここで、トレイTの下面には摩擦係数の低い合成樹脂(例えばポリ4フッ化エチレン)等からなる低摩擦部45が島状(図6では3箇所)に設けられており、凹部44は図6中、中央の低摩擦部45に形成されている。また、突起部34A、34Cの先端部も低摩擦部45に当接している。突起部34A〜34Cの先端部のそれぞれは、低摩擦部45に対して摺動可能となっている。そして、トレイTの他端部(−Y側端部)にも、図6を参照して説明した凹部44及び低摩擦部45が設けられているとともに、第2保持部22の水平面部22Bにも同様の突起部34A〜34Cが設けられている。
【0067】
図1、図2及び図7に示すように、搬送部20は、基板ステージPSTに載置される直前の搬送部20上における基板Pの外形位置を検出する基板外形位置検出装置35(第1の基板計測手段)を有している。基板外形位置検出装置35(35A,35B)は、露光装置本体EXの投影光学系PLが固定されているコラム(図示せず)に固定されており、搬送部20の第1、第2保持部21、22で支持されているトレイT上の基板Pのエッジ部の2箇所、即ち基板ステージPSTにおいて、ポテンショメータ56a,56bで検出する基板Pのエッジ位置と同一のエッジ位置の検出を行う。基板外形位置検出装置35(35A,35B)は、矩形形状を有する基板Pのエッジに対して照明光を供給するための照明光学系と、基板Pのエッジで反射された光に基づいて基板Pのエッジの像を形成する対物光学系とを備え、基板Pのエッジの像に基づいて、基板Pの外形位置であるエッジ位置の検出を行う。なお、図7に示す基板Pは平面視正方形状であるが、長方形状である場合には、基板外形検出装置35A、35Bで長方形状の基板Pの長辺側のエッジ部の2箇所を検出する構成が好ましい。また、プレートの外形のうねり等の影響を排除するためには、基板外形位置検出装置35A,35Bで計測する位置とポテンショメータ56a,56bで検出する位置とをほぼ同じ位置とすることが望ましい。
【0068】
図8は、基板外形位置検出装置35A,35Bの構成を示す図である。基板外形位置検出装置35A,35Bは、ハロゲンランプ等からなる光源から射出される光の中から基板Pに塗布されたレジストを感光させない光、例えば、600nm〜1μmの波長域の光を波長選択フィルタにより取り出しライトガイド60により照明光を計測系内に引き入れる構成を有する。ライトガイド60の射出端より射出した光は、視野絞り61、コンデンサレンズ62を介してミラー63に入射する。ミラー63で反射された光はハーフプリズム64に入射し、ハーフプリズム64を透過した光により基板Pのエッジを照明する。基板Pのエッジにより反射された光は、ハーフプリズム64に入射し、ハーフプリズム64により反射された光は、第一対物レンズ65、開口絞り66及び第二対物レンズ67を介してCCD(撮像素子)68の撮像面上に結像する。
【0069】
なお、視野絞り61、コンデンサレンズ62、ミラー63及びハーフプリズム64は、照明光学系を構成し、第一対物レンズ65、開口絞り66及び第二対物レンズ67は、対物光学系を構成する。ハーフプリズム64は、照明光学系の基板P側の光路と対物光学系の基板P側の光路とを合成する光路合成手段としての機能を備える。また、基板P側の照明開口数をN.A.illとし、対物光学系の基板P側の結像開口数をN.A.Imageとするとき、
N.A.ill>N.A.Image
を満足する。この基板外形位置検出装置35A,35Bは、照明光をライトガイド60により計測系内に引き入れる構成を有するため、光源を任意の位置に配置でき、光源の熱の影響等を排除することができる。
【0070】
ここで、基板外形位置検出装置に用いられる通常の同軸落斜照明系の場合には、対物レンズを送受光で共通に使用するため、一般に照明σ値は1以下となる。しかしながら基板が大型化すると、基板の撓みが大きくなり、プレート厚公差等による撓み変動量も大きくなるため、基板計測位置での基板のZ方向位置の変動も大きくなる。従って、焦点深度を大きくする必要があるが、一般に焦点深度は、λ/NA2で決定されるため、N.A.を小さくする必要がある。λ=0.8μmとすると、N.A.=0.01で8mmの深度が確保できる。このとき、σ=1とした照明系の場合、結像N.A.=0.01では、基板の傾きが0.57°で結像系内に取込める光量は、基板傾きがない場合の半分以下となり、基板の傾きが1.4°を越えると結像系内に反射光を全く取込むことができなくなる。
【0071】
従って、図8に示す基板外形位置検出装置35A,35Bにおいては、照明系と結像系をハーフプリズム64により分岐する構成を採用している。これにより照明σ値を1以上とし、プレートに傾きがある場合においても受光量の減少の少ない光学系を実現できる。結像N.A.を0.01とするこの計測系で、照明N.A.を0.05とすることで、少なくとも2°以上の傾斜が基板に存在する場合においても基板のエッジ位置の計測をすることができる。図9は、基板Pに傾斜が存在しない場合と、傾斜が存在する場合での結像系の瞳面での各照明光と開口絞りの様子をあらわしている。想定している傾斜量が基板Pに存在しても開口絞りを透過する光量に変化が無い様子がわかる。このとき、基板の傾き方向に一定の傾向があるならば、反射光が結像系内に戻るように照明光を多少傾けるようにしてもよい。
【0072】
また、基板Pの撓み等の影響によりZ方向の位置(ピント方向)が大きく変化する可能性もあるため、位置ズレが発生しないように、結像光学系は、プレート側がテレセントリック系であることが望ましい。このため、対物レンズ(第一対物レンズ65及び第二対物レンズ67)と開口絞り66とを一体の構造とし、開口絞り66を第一対物レンズ65の後側焦点位置に配置した構造として、対物レンズ65,67の光軸と開口絞り66の中心のずれを機械的に抑えている。また、一般的に、N.A.が小さく、計測範囲が大きい場合には、レンズ系からの戻り光であるフレアーが大きくなるといった特徴をもつが、図8に示す基板外形位置検出装置35A,35Bにおいては、照明光は対物レンズ(第一対物レンズ65及び第二対物レンズ67)を通過しないことからその影を受けることもない。また、ハーフプリズム64からの戻り光を排除するため、ハーフプリズム64の逃げ面64aにはテーパをつけて、ハーフプリズム64からの戻り光がCCD68に入射しないように構成している。
【0073】
なお、図10に示すように基板外形位置検出装置35A,35Bの光源にLED69を使用してもよい。光源にLED69を使用する場合には、コレクタレンズ70によりLED69から射出した光束を平行光束とし拡散板71を介して視野絞り61に入射させる。光源にLED69を使用する場合には、寿命が長い、コンパクトに設計可能、輝度が高いといった特徴がある。光源にLED69を使用する場合にも、基板Pに塗布したレジストを感光させないよう射出光の波長が600nm〜1μmLEDを用いる。
【0074】
上述のように基板外形位置検出装置35A、35Bは、基板Pの2箇所のエッジ部(角部)のからの反射光に基づいて、CCD68により基板エッジの像を撮像する。CCD68は、撮像信号を制御装置CONTに対して出力する。制御装置CONTは出力された撮像信号に基づいて、基板Pの2箇所のエッジ部(検出点)の位置を検出し、この検出した位置に基づいて、基板PのθZ方向(回転方向)の姿勢を検出し、ステージPSTに対する基板PのθZ方向の回転誤差を求める。
【0075】
次に、上述した搬送装置Hを用いて基板PをトレイTに載置して基板Pを搬送する方法について図11のフローチャート及び図12の動作模式図を参照しながら説明する。
【0076】
まず、図12(a)に示すように、露光処理されるべき基板Pがコータ・デベロッパ装置CDSの搬送装置100により露光装置EXのポート部10に渡され、基板Pがポート部10に載置される(ステップS1)。このとき、ポート部10のトレイ支持部2にはトレイTが予め支持されている。そして、搬送装置100は、ポート部10のうち基板支持部1の基板支持ピン4に基板Pを載置する。基板Pが基板支持ピン4に載置されたら、制御装置CONTはバキューム装置を駆動し、基板支持ピン4の上端部に設けられている真空吸着穴を介して基板Pを吸着保持する。ここで、搬送装置100は基準位置(トレイ位置)に対してずれた状態で基板Pを基板支持ピン4に載置してしまう場合がある。
【0077】
図12(b)に示すように、基板支持部1の基板支持ピン4で基板Pを保持したら、制御装置CONTはステージ駆動装置8を駆動し、検出装置13A〜13Cで基板Pのエッジ部の3箇所の検出点が検出されるように、換言すれば3つの検出装置13A〜13Cの検出領域に基板Pのエッジ部が配置されるようにステージ装置6をXY方向に移動する。制御装置CONTは、検出装置13A〜13Cで基板Pのエッジ部の3箇所の検出点を検出したときの基板Pの位置情報と、基板Pの移動量(これはステージ駆動装置の駆動量より分かる)とに基づいて、搬送装置100で基板支持部1に基板Pを載置したときの基板Pの初期位置情報を求める。制御装置CONTは、求めた基板Pの初期位置情報に基づいて、トレイ支持部2に支持されているトレイTに対する基板Pの位置、具体的にはトレイTに対する基板PのXY方向の位置誤差量、及びθZ方向の回転誤差量を求める(ステップS2)。
【0078】
ここでXY方向の位置誤差及びθZ方向の回転誤差がない場合には(ステップS3)、ステップS6に進む。一方、XY方向の位置誤差及びθZ方向の回転誤差がある場合には(ステップS3)、制御装置CONTは、この求めた位置誤差量(トレイTに対する基板Pの位置情報)に基づいて、基板PをトレイTに対して位置合わせするための補正量を求める(ステップS4)。そして、制御装置CONTは求めた補正量に基づいてステージ装置6を移動することで、トレイTと基板Pとの位置関係を調整し、位置合わせする(ステップS5)。
【0079】
トレイTと基板Pとの位置合わせが行われたら、図12(c)に示すように、制御装置CONTはトレイ支持部2を上昇する。トレイ支持部2のトレイ支持ピン11の上端部が基板支持部1の基板支持ピン4の上端部より上昇することで、トレイTが基板Pの下面を支持し、トレイTに基板Pが載置される。そして、搬送部20の第1、第2保持部21、22が第1、第2機構部23、24の駆動により基板Pを載置したトレイTにアクセスし、このトレイTを保持する。次いで、図12(d)に示すように、制御装置CONTはトレイ支持部2を下降するとともに、搬送部20によりトレイTに基板Pを載置した状態で基板Pの搬送を開始する(ステップS6)。
【0080】
搬送部20は、第1保持部21及び第2保持部22を同期移動しつつ基板Pを載置したトレイTを露光装置本体EXの基板ステージPSTに対して搬送する。ここで、第1、第2保持部21、22の移動量(基準位置に対する位置)は、リニアエンコーダ等により構成される移動量検出部により検出される。移動量検出部の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは移動量検出部の検出結果に基づいて、第1、第2保持部21、22のそれぞれが常時対向するように、すなわちX軸方向において常時同じ位置になるようにこれら第1、第2保持部21、22のそれぞれを第1、第2駆動部31、32を用いて同期移動する。更に制御装置CONTは、位置検出部30による第1保持部21に対する第2保持部22の相対位置情報に基づいて第1、第2保持部21、22を移動する。これにより、第1、第2保持部21、22が移動する際の互いの相対位置関係が高精度で維持される。
【0081】
搬送部20の基板ステージPSTに基板Pを載置する直前の位置には基板外形検位置出装置35が設けられている。この基板外形検位置検出装置35A、35Bにより基板Pの2箇所のエッジ部の位置を検出する(ステップS7)。基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果に基づいて、基板Pの回転誤差の有無を判断する(ステップS8)。ここで基板Pに回転誤差が存在しないと判断された場合には、ステップS11に進む。一方、基板Pに回転誤差が存在する場合には、制御装置CONTは基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果に基づいて、基板PのθZ方向の回転補正量を算出する(ステップS9)。そして、求めた補正量に基づいて基板Pを回転するために、搬送部20上において基板Pを載置するトレイTの回転位置の補正を行う(ステップS10)。
【0082】
即ち、基板ステージPSTの位置の計測、制御を行うレーザ干渉計は、固定鏡を投影光学系PLに固定し、投影光学系PLと基板ステージPSTに固定された移動鏡50との相対位置を計測する。ダブルパスの構成をとるレーザ干渉計においては、基板ステージの回転に伴って移動鏡側の干渉計ビームにビームシフトが発生し、干渉光の信号値が低下する。例えば基板ステージPSTのストロークを1mとすると回転角100μradでビームシフトが0.4mm発生し、回転角1mradであれば、ビームシフトが4mm発生する。レーザ干渉計のビーム径自体は約φ5mm程度であるので、ビーム径の半分程度までは、ビームシフトが発生してもレーザ干渉計による計測が可能であるとすると、約600μradが基板ステージPSTの回転許容値となる。基板ステージPSTのストロークが2mであれば、更に半分の約300μradが回転許容値になる。従って、基板Pの回転誤差が回転許容値内となるように、搬送部20上において基板Pの回転位置の補正を行う。
【0083】
具体的には、基板ステージPSTに対して基板PのθZ方向の位置合わせをするために、制御装置CONTは、トレイTを保持して搬送する第1、第2保持部21、22のそれぞれに接続する2つの駆動部31、32の駆動差によりトレイTをθZ方向に回転してトレイTの姿勢を制御することにより、基板PのθZ方向における位置調整を行う。つまり、制御装置CONTは、第1保持部21及び第2保持部22それぞれのX軸方向における位置を駆動部31、32を用いて調整し、この回転誤差量を相殺するようにトレイTを介して基板Pを回転する。このとき制御装置CONTは、位置検出部30の検出結果による第1、第2保持部21、22の相対位置情報を参照しつつ駆動部31、32のそれぞれを独立して駆動することにより、基板Pを載置したトレイTを所望量回転可能である。ここで、図6を参照して説明したように、第1、第2保持部21、22は先端部を略球状に形成された突起部34を有しているとともに、トレイTの下面には円錐状の凹部44が形成されている。そのため、トレイTは凹部44を介して突起部34Bに回転可能に支持されている。また、突起部34A、34Cは低摩擦部45に対して摺動可能であるので、第1、第2保持部21、22のX軸方向における相対位置がかわっても、第1、第2保持部21、22はトレイTをθZ方向に回転可能に支持できる。
【0084】
搬送部20の基板ステージPSTに基板Pを載置する直前の位置に基板外形位置検出装置35を設け、この基板外形位置検出装置35を用いて基板ステージPSTに基板Pを載置する直前の位置において基板Pの外形位置を検出することにより、基板Pの基板ステージPSTに対する回転誤差をより高精度に補正した状態で搬送できる。つまり、ポート部10におけるプリアライメントでも基板Pの回転誤差をある程度補正できているが、搬送中において基板PがトレイT上で動く可能性がある。そのため、基板Pの姿勢(回転位置情報)を基板外形位置検出装置35で再度検出し、回転誤差が生じていたら、2つの駆動部31、32の駆動差によりこの回転誤差を補正できる。
【0085】
トレイTの姿勢調整を行ったら、制御装置CONTは、第1、第2保持部21、22を同期移動し、基板Pを載置したトレイTを投影光学系PLと基板ステージPSTとの間に搬送する。このとき、第1、第2保持部21、22はトレイTのY軸方向両端部を保持している構成であって第1、第2保持部21、22は撓み難く、しかもトレイTで基板Pを支持しているため基板Pは撓まず、狭いワーキングディスタンスであってもトレイT及び基板Pは基板ステージPSTに対して容易に搬送される。そして、第1、第2機構部23、24の駆動により第1、第2保持部21、22のそれぞれを下降することにより基板Pが基板ステージPSTにロードされる(ステップS11)。
【0086】
トレイTに支持されている基板Pを基板ステージPSTにロードするに際し、搬送部20は基板外形位置検出装置35の検出結果に基づいてトレイTの回転誤差を補正している。基板ステージPSTに対するトレイT(基板P)のXY方向の位置誤差は、基板ステージPSTのXY方向への移動により補正可能である。
【0087】
そして、トレイTを保持している第1、第2保持部21、22が下降することにより、トレイTの格子を構成する各線状部材41が基板ステージPSTの溝部50に嵌まり、トレイTの支持面40が基板ステージPSTの上面より下がり、基板Pが基板ステージPSTの上面に載置される。
【0088】
基板ステージPST上に基板Pが載置されると、基板ステージPSTに搭載されているポテンショメータ56a,56b,56cにより基板Pの外形位置の計測を行う(ステップS12)。ここでポテンショメータ56a,56bにより基板Pの搬送方向に沿った基板Pの辺の位置(基板Pの+Y側)を計測する。この計測位置は、搬送部20上において基板外形位置検出装置35A、35Bにより計測された基板Pの外形位置と同一の位置である。また、ポテンショメータ56cにより基板Pの搬送方向に直行する基板Pの辺の位置(基板Pの+X側)を計測する。
【0089】
ポテンショメータ56a,56b,56cの検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはこの検出結果に基づいて、基板Pの回転誤差が許容範囲内(閾値内)であるか否かの判断を行う(ステップS13)。ここで基板Pの回転誤差が許容範囲内と判断された場合には、ステップS15に進む。一方、基板Pの回転誤差が許容範囲を超えていると判断された場合には、搬送部20の第1、第2保持部21、22が基板ステージPSTのトレイTにアクセスし、トレイTのY軸方向両端部をそれぞれ保持する。そして、第1、第2機構部23、24の駆動により第1、第2保持部21、22が所定量上昇されると、基板Pを支持するトレイTが基板ステージPSTの上方に持ち上げられ、トレイTと溝部50との嵌合が解除される。そして、このトレイTと溝部50との嵌合解除が完了する位置までトレイTが持ち上げられた時点で、第1、第2保持部21、22が駆動部31、32により駆動され、基板Pを保持したトレイTが基板ステージPST上からアンロードされ,搬送部20が基板Pを受け取る(ステップS14)。
【0090】
搬送部20においては、基板外形検位置検出装置35A、35Bにより、再度基板Pの2箇所のエッジ部の位置を検出し(ステップS7)、基板Pの回転誤差の有無を判断する(ステップS8)。ここで基板Pに回転誤差が存在しないと判断された場合には、ステップS11に進む。一方、基板Pに回転誤差が存在する場合には、制御装置CONTは基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果に基づいて、基板PのθZ方向の回転補正量を算出する(ステップS9)。なお、この場合に、ポテンショメータ56a,56b,56cによる基板Pの外形位置の計測結果を用いてもよく、基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果及びポテンショメータ56a,56b,56cによる基板Pの外形位置の計測結果を用いても良い。そして、求めた補正量に基づいて基板Pを回転するために、搬送部20上において基板Pを載置するトレイTの回転位置(配点方向)の再補正を行う(ステップS10)。
【0091】
そして、トレイTの回転位置の補正を行った後、基板Pを載置したトレイTを投影光学系PLと基板ステージPSTとの間に搬送して、第1、第2機構部23、24の駆動により第1、第2保持部21、22のそれぞれを下降することにより基板Pが基板ステージPSTにロードされ、基板Pが基板ステージPSTの上面に再載置される(ステップS11)。
【0092】
次に、基板ステージPSTに搭載されているポテンショメータ56a,56b,56cにより再度、基板Pの外形位置の計測を行い(ステップS12)、基板Pの回転誤差が許容範囲内と判断された場合には、制御装置CONTにより真空ポンプの吸引が開始され、基板ステージPSTにトレイTの複数の開口部42に対応して形成された各吸気孔を介して基板Pの下面が基板ステージPSTに吸着され固定される。また、搬送部20の第1、第2保持部21、22は互いに離れるように(すなわち開くように)Y軸方向に移動し、基板ステージPSTから退避する。なお、基板Pに許容範囲内の回転誤差が残存している場合には、基板ステージPSTを回転させることにより回転誤差の補正を行う。また、基板PのXY方向の位置の補正は、ポテンショメータ56a,56b,56cによる計測値に基づいて、干渉計で計測値の補正を行うことにより行う。
【0093】
次いで、制御装置CONTは不図示のアライメント光学系及び基板Pに予め形成されているアライメントマークを用いて基板Pのファインアライメント処理を行う。そして、ファインアライメント処理が終了したら、制御装置CONTは、マスクMを露光光ELで照明し、基板ステージPSTに支持されている基板Pに対して投影光学系PLを介してマスクMのパターンを転写する(ステップS15)。
【0094】
露光処理が終了したら、退避していた搬送部20の第1、第2保持部21、22が基板ステージPSTのトレイTにアクセスし、トレイTのY軸方向両端部をそれぞれ保持する。このとき、制御装置CONTは、前記真空ポンプによる基板Pに対する吸着保持を解除する。そして、第1、第2機構部23、24の駆動により第1、第2保持部21、22が所定量上昇されると、基板Pを支持するトレイTが基板ステージPSTの上方に持ち上げられ、トレイTと溝部50との嵌合が解除される。そして、このトレイTと溝部50との嵌合解除が完了する位置までトレイTが持ち上げられた時点で、第1、第2保持部21、22が駆動部31、32により駆動され、基板Pを保持したトレイTが基板ステージPST上からアンロードされる。搬送部20は露光処理済みの基板Pをポート部10を介してデベロッパ装置Dに渡す。
【0095】
本実施の形態にかかる搬送装置においては、基板Pを基板ステージPST上に載置する直前に基板Pの外形位置を計測して回転誤差を求め、回転誤差が基板ステージPSTの回転許容範囲に基づく許容範囲内となるように、回転誤差を補正して基板Pを基板ステージPST上に載置するため、スループットを低下させることなく露光処理を行うことができる。
【0096】
また、基板外形位置検出装置35A、35Bによる検出値に基づいて、基板Pの回転誤差を補正した後基板Pを基板ステージPST上に載置し、基板ステージPSTに搭載されているポテンショメータ56a,56b,56cにより基板Pの外形位置を計測して、回転誤差が許容範囲を超える場合には、基板Pを搬送部20により受け取り、再度、基板Pの回転誤差の補正を行った後、再度、基板ステージPST上に載置することから、基板ステージPST上に載置された基板Pの回転誤差が許容範囲を超えている場合においても基板Pの回転誤差を許容範囲内として基板ステージPSTに載置することができる。
【0097】
また、搬送装置Hは、露光装置本体EXに振動等の影響を与えないように、露光装置本体EXと切り離された構造を有し、基板外形位置検出装置35A、35Bは、露光装置本体EXに備えられている。従って、基板外形位置検出装置35A、35B及びポテンショメータ56a,56b,56cが振動等の影響を受ける場合には、振動等の影響を同程度に受けるため計測精度を維持することができる。
【0098】
また、基板外形位置検出装置35A、35B及びポテンショメータ56a,56b,56cにより、基板Pの外形位置の計測を行う場合に、略同一の位置を計測している。従って、一般に直線性や、2辺の直交度等mmオーダーのズレが発生する基板の外形位置を正確に計測することができる。
【0099】
また、トレイTに対する基板Pの位置を非接触で検出した後、トレイTと基板Pとの位置関係を調整してからトレイTに基板Pを載置するようにしたので、例えばコータ・デベロッパ装置CDSの搬送装置100がポート部10の基板支持部1に基板Pをずれた状態で搬送した場合において、基板Pを破損することなくトレイTに対して基板を位置合わせして載置することができる。そして、ポート部10で位置合わせすることにより、搬送途中において搬送部20の第1、第2保持部21、22は基板Pを載置したトレイTの基板ステージPSTに対する回転誤差補正をするためにトレイTを大きく回転させる必要がなくなり、基板P及びトレイTを基板ステージPSTに円滑に搬送できる。すなわち、図6を参照して説明したように、搬送部20の第1、第2保持部21、22はトレイTを保持して回転可能であるが、その回転量には限界があり、過剰に回転すると第1、第2保持部21、22からトレイTが浮き上がる不都合が生じる。
【0100】
しかしながら、第1のプリアライメントとしてポート部10において基板PとトレイTとの大まかな位置合わせをしておくことにより第2のプリアライメントである基板外形位置検出装置35において回転誤差を補正するためのトレイTの回転量を最小限に抑えることができ、上記不都合の発生を抑制できる。
【0101】
また、ポート部10において基板PとトレイTとのプリアライメントを行っておくことにより、搬送部20の搬送途中に設けられた基板外形位置検出装置35の検出領域に基板Pのエッジ部を良好に配置することができる。したがって、第2のプリアライメントとしての基板外形位置検出装置35でのプリアライメント動作を効率良く高精度に行うことができ、これによりトレイTの姿勢を制御して基板ステージPSTに基板Pを円滑に搬送することができる。
【0102】
また、ポート部10でステージ装置6及び検出装置13を用いて第1のプリアライメントを行い、搬送部20で第1、第2保持部21、22の駆動差により第2のプリアライメントを行う構成であるので、基板ステージPSTに大掛かりな位置補正機構を設けなくても、基板P及びトレイTの回転誤差を容易に補正できる。そして、XY方向への位置誤差の補正は第1、第2保持部21、22のX軸方向における位置調整や基板ステージPSTのXY方向の位置調整により容易に補正できる。そして、第1保持部21に対する第2保持部22の位置を検出する位置検出部30を設けたことにより、位置検出部30の検出結果に基づいてトレイTを所望量回転でき、第1、第2保持部21、22の相対位置関係をモニタしつつ基板Pを載置したトレイTを搬送できる。
【0103】
なお、本実施の形態においては、搬送部20において基板外形位置検出装置35A、35Bにより基板Pの同一辺の2点の位置を検出して基板の回転誤差の検出を行っているが、搬送部20において更に1つの基板外形位置検出装置を備え、基板Pの同一辺の2点及びこの辺と直行する辺の1点の位置を計測することにより、基板の回転位置及びXY方向の位置を検出するようにしてもよい。
【0104】
また、基板Pの基準辺が90°回転した配置となる場合にも対応できるよう、基板Pの搬送方向に沿った辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置と、基板Pの搬送方向に沿った辺に直交する辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置とを備え、基準辺の向きに応じて、基板Pの搬送方向に沿った辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置または基板Pの搬送方向に沿った辺に直交する辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置を用いて基板Pの辺の位置を計測するようにしてもよい。この場合、各基板外形位置検出装置は、1軸のみの計測となるので、撮像素子が正方形でない場合、長辺側を計測軸の方向にとり、計測視野の拡大を図っても良い。
【0105】
また、基板Pの搬送方向に沿った辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置と、基板Pの搬送方向に沿った辺に直交する辺の位置を検出するための1つの基板外形位置検出装置とを備え、1ヶ所は基板Pが90°回転しても計測が行えるような位置に配置し、基準辺の向きに応じて3つの基板外形位置検出装置のうちの2つの基板外形位置検出装置を選んで計測に使用するようにしてもよい。
【0106】
また、基板の大型化によって、計測辺位置の変動も大きくなるため計測視野を大きくとる必要があるが、計測系の配置スペースの制約から、撮像素子を小型化する場合には、縮小光学系を用いてもよい。また、計測視野が大きくなると、基板辺近くまでプロセスで用いられる膜が形成されている場合があり、この場合には、計測視野内にプロセスで用いられる膜が入る場合があるが、その膜が、基板反射率より格段に高い、例えば、AlやCr等の金属膜の場合、膜の形成されている個所が非常に明るくなるため、膜縁を基準辺縁と誤検出する恐れがある。そこで、基板反射率(ガラス基板であれば、反射率4%程度)で、撮像素子の飽和レベルを十分超えるレベルとなるよう、照明光量を調整する。このようにすることで、高反射金属膜が計測視野内に入った場合でも、撮像画像では、基板内で明るさに変化がないため、誤検出する恐れがない。
【0107】
また、基板外形位置検出装置35による検出値と、ポテンショメータ56a,56b,56cによる検出値との差の情報を統計処理することにより、基板外形位置検出装置35による検出値と、ポテンショメータ56a,56b,56cによる検出値とのオフセットを求め直すことも可能になる。例えば、レーヤ−毎とに基板の撓み量が異なったり、変形量が異なる場合には、露光装置本体のレーヤ名毎に統計処理を行うことも可能であり、また、経年変化のようなズレを発生する可能性がある場合には、変化がゆるやかであることを前提として、プレート枚数で100〜1000枚の平均値を目標値にする等の変更も容易に行うことができる。
【0108】
また、本実施の形態では、第1、第2保持部21、22の水平面部21B、22Bのそれぞれに球状の突起部34を設けるとともにトレイTの下面に突起部34を配置する円錐状の凹部44を設けたことにより、第1、第2保持部21、22のそれぞれはトレイTを保持した状態で回転誤差を補正できるが、トレイTの±Y側両端部の2つ凹部のうちいずれか一方の凹部を、Y軸方向に平行な稜線を有するV溝とすることにより、トレイTの回転の自由度を更に増すことができる。
【0109】
また、本実施の形態では、第1、第2保持部21、22が下降することによりトレイTにアクセスする構成であるが、ポート部10や基板ステージPSTが上昇することにより、トレイTを第1、第2保持部21、22に対してアクセスする構成であってもよい。
【0110】
また、本実施の形態では、第1、第2保持部21、22のそれぞれは1つずつ設けられている構成であるが、第1、第2保持部21、22のそれぞれを例えば2つずつ間隔をあけて設けて計4つとし、これら複数の保持部21、22でトレイTを保持するようにしてもよい。更に、第1、第2保持部21、22それぞれの設置数は2つずつに限らず、例えば3つずつや4つずつなど、任意の数に設定可能である。
【0111】
また、本実施の形態の露光装置は複数並んだ投影光学系を有するマルチレンズスキャン型露光装置であるが、投影光学系を1つ備えた走査型露光装置であってもよい。あるいは、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置にも適用することができる。
【0112】
また、本実施の形態における露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適用できる。
【0113】
本実施の形態の露光装置の光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を用いることができる。
【0114】
投影光学系PLの倍率は等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザを用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
【0115】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0116】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニットと電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0117】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0118】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0119】
以上のように、本実施の形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0120】
半導体デバイスは、図13に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材となる基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施の形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0121】
次に、本発明の基板外形位置検出装置の実施例について説明する。この実施例にかかる基板外形位置検出装置においては、計測精度に影響するディストーションを押えるために、第一対物レンズと第二対物レンズを相似系のレンズとし、開口絞りに対して対称に配置している。即ち、図14に示すように、基板外形位置検出装置は、LED80により構成される光源を備え、LED80より射出した光束は、コレクタレンズ81により平行光束とされ、拡散板82、σ絞り83を介してミラー84に入射する。ミラー84で反射された光は、コンデンサレンズ85を介してハーフプリズム86に入射し、ハーフプリズム86を透過した光により基板Pのエッジを照明する。基板Pのエッジにより反射された光は、ハーフプリズム86に入射し、ハーフプリズム86により反射された光は、第一対物レンズ67、開口絞り88及び第二対物レンズ89を介してCCD(撮像素子)90の撮像面上に結像する。ここでハーフプリズム86からの戻り光を排除するため、ハーフプリズム86の逃げ面86aにはテーパをつけて、ハーフプリズム86からの戻り光がCCD90に入射しないように構成している。
【0122】
この基板外形位置検出装置においては、第一対物レンズ群をほぼ1/2縮小して第二対物レンズ群としている。こうすることで、単独のレンズ系では横収差が残存していても全体の系では相殺することが出来るため、簡素な光学系とすることができる。
【0123】
図14に示す基板外形位置検出装置のレンズデータを(表1)に示し、収差図を図15、図16に示す。(表1)において、面番号はフォーカス面から撮像面に向かって光線の進行する方向に沿った面の順序を、rは各面の曲率半径を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔をそれぞれ示している。
【0124】
なお、(表1)において、n(A),n(C),n(r),n(s)は、A’線(λ=768.195nm)、C線(λ=656.273nm)、r線(λ=706.519nm)、s線(λ=852.110nm)に対する屈折率をそれぞれ表している。
【0125】
【表1】
【0126】
【発明の効果】
本発明の搬送装置によれば、第1の基板計測手段により矩形基板をステージ上に載置する前に搬送手段上において第2の基板計測手段で計測する矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測するため、矩形基板の外形の撓み等による計測誤差の影響を受けることなく、矩形基板の外形位置を計測することができ、回転方向の誤差を正確に計測することができる。
【0127】
また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて回転方向の位置の補正が行なわれた矩形基板をステージ上に載置することができるため、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができるため、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0128】
また、第1の基板計測手段により計測された計測値または補正手段により補正された補正量に誤りがあった場合においても、第2の基板計測手段の計測値が閾値を超えているか否かの判定を行うことにより、矩形基板の回転方向の位置の再補正を行うことができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに再載置することができる。
【0129】
また、本発明の露光装置によれば、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、ステージ上に載置する前に矩形基板の回転方向の位置の補正を行い、回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができる。従って、良好な重ね合わせ露光を行うことができ、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0130】
また、本発明の基板計測装置によれば、光路合成手段を備えることにより、照明光学系からの光が対物光学系を通過しないため、対物光学系からの戻り光であるフレアの影響を受けることなく、矩形基板の位置を正確に計測することができる。また、N.A.ill>N.A.Imageを満足しているため、矩形基板の表面が傾いている場合においても、矩形基板により反射された光の受光量の変化が少なく、矩形基板の位置計測の誤差を最小に抑えることができる。
【0131】
また、本発明の基板搬送方法によれば、第1の基板計測工程の計測値に基づいて回転方向の位置の補正が行なわれた矩形基板をステージ上に載置することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測工程の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができるため、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0132】
また、第1の基板計測工程により計測された計測値または補正工程により補正された補正量に誤りがあった場合においても、第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えているか否かの判定を行うことにより、矩形基板の回転方向の位置の再補正を行うことができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに再載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる搬送装置を備えた露光装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる搬送装置を備えた露光装置の概略斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる検出手段及び位置調整手段を備えたポート部の概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる搬送トレイ及び基板を支持したポート部を上方から見た図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる検出手段の配置を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる搬送手段に支持されている搬送トレイを説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる基板外形位置検出装置による計測位置を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる基板外形位置検出装置の構成図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる基板外形位置検出装置の結像系の瞳面における照明光と開口絞りの様子を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかる基板外形位置検出装置の構成図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかる搬送方法の実施の形態を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態にかかる搬送方法の実施の形態を示す動作図である。
【図13】本発明の実施の形態にかかる半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施例にかかる基板外形位置検出装置の構成図である。
【図15】本発明の実施例にかかる基板外形位置検出装置の光学系の収差図である。
【図16】本発明の実施例にかかる基板外形位置検出装置の光学系の収差図である。
【符号の説明】
1…基板支持部(保持部)、2…トレイ支持部(保持部)、6…ステージ装置(位置調整手段)、10…ポート部(搬送手段)、13…検出装置(検出手段)、20…搬送部(搬送手段)、21…第1保持部(駆動手段)、22…第2保持部(駆動手段)、31、32…駆動部(駆動手段)、35(35A,35B)…基板外形位置検出装置(第1の基板計測手段)、50…移動鏡、56a,56b,56c…ポテンショメータ(第2の基板計測手段)、EX…露光装置、H…搬送装置、P…基板、PST…基板ステージ、PL…投影光学系、T…トレイ(搬送トレイ)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子を製造するための露光工程を行う大型の走査型露光装置に基板を搬送するための基板搬送装置、該基板搬送装置を備えた露光装置、基板の計測を行う基板計測装置及び基板の搬送を行う基板搬送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子や半導体素子等のマイクロデバイスを製造するためのフォトリソグラフィ工程では、マスクのパターンを基板に露光する露光装置、基板にフォトレジスト等の感光剤を塗布する塗布装置(コータ)、及び露光処理された基板を現像する現像装置(デベロッパ)等の種々の基板処理装置が用いられ、基板はこれら基板処理装置間を搬送装置により搬送される。例えば、感光剤塗布機能と現像機能とを備えたコータ・デベロッパ装置から露光装置に基板を搬送する際には、コータ・デベロッパ装置に設けられている搬送装置が露光装置に設けられている受け渡しポート部に基板を搬送する。ポート部では、基板の搬送先である露光装置の基板ステージに対する大まかな位置合わせ(プリアライメント)が行われ、その後、露光装置側の搬送装置がポート部から基板ステージに基板を搬送する。下記特許文献1には、ポート部において基板を搬送先である基板ステージに対する回転誤差補正を行い、基板ステージにおいて基板のXY方向の位置誤差補正を行う技術が開示されている。
【0003】
一方、液晶表示装置等のフラットディスプレイパネルを製造するためのガラス基板は近年においてますます大型化を要求されているが、大型のガラス基板を搬送装置で搬送しようとする場合、撓んだり破損したりする等の不都合を生じる。これに対処するために、下記特許文献2、3には基板を搬送トレイに載置した状態で搬送する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−335723号公報
【特許文献2】
特開2001−100169号公報
【特許文献3】
特開2001−176947号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで露光装置には、マスクのパターンと、予め所定の位置に露光されたプレートのマークの相対位置を投影光学系を介して位置合わせを行なうアライメント光学系が設けられている。このアライメント光学系は、2回目以降の露光の際に重ね合わせ露光を行なう場合に使用される。プレートステージには移動鏡が配置され、プレートの位置をレーザ干渉計により計測制御している。また、マスク側にも同様にレーザ干渉計が配置され、マスクステージの位置の計測制御を行なっている。
【0006】
露光装置により露光を行う場合には、基板搬送装置によりプレートをステージ上に搬送して載置する。ステージ上に載置されたプレートは、プレートのエッジ位置がステージに内蔵されたポテンショメータにて検出され、この検出値に基づいて、プレートを保持しているホルダごと回転できる回転機構によりプレートの回転を行い、プレートの回転位置の調整を行う。このプレートの回転位置の調整が終了した後に、1回目の露光の場合には露光を行い、2回目以降の露光の場合には1回目の露光において露光されたアライメントマークを用いてプレートのアライメントを行い、0.1μm〜1μm程度の位置合わせを行い、2回目以降の露光を行う。この露光装置においては、プレートのアライメントマークをアライメント系にて計測し、回転量が許容値になるまで、ホルダの回転を行う。そして、残渣分はマスクステージを回転することによって補正して露光を行う構成をとる。
【0007】
現在、露光を行うプレートは、大型テレビの需要から、大型化の一途をたどり、1.5m角以上のサイズのプレートが用いられるようになっており、それと同時に露光装置に要求される処理能力の向上も要求されている。従来のアライメント系では、常に露光フィールドにプレートを移動させる必要があるため、アライメント時間が長くなってしまうといった問題が発生していた。そこで、走査方向と直行する方向に所定間隔を置いて配置される第1列の部分投影光学系と、走査方向と直行する方向に所定間隔を置いて配置される第2列の部分投影光学系との間に配置されたオートフォーカスユニット中にオフアクシスのアライメント系を配置して、スループットの向上を図る露光装置が存在する。
【0008】
更に、基板が大型になればなるほど、ホルダを回転させるための機構自体が大掛かりになり、ホルダの吸着を解除して基板を回転させたのち、再度基板を吸着するようなシーケンス1つをとってもエアーが抜けきるまでの時間、基板の全面を均一に吸着するための時間等処理時間が長くなる要因になっていた。従って、ホルダ回転機構に代えてプレートをステージごと回転補正する方式が考えられるが、干渉計の移動鏡がプレートステージに取り付けられていることから、プレートステージの回転量が大きくなりすぎると、ビームシフトに伴うコントラスト変化や光量の減少に伴うシグナルエラーが発生する。また、プレートステージの回転許容量よりも大きな回転が基板に残っていれば、プレートステージの回転によるプレートの回転位置の補正は不可能となりスループットが著しく低下してしまう。
【0009】
この発明の課題は、基板ステージの回転許容範囲内の回転位置で矩形基板を基板ステージに搬送する基板搬送装置、該搬送装置を備える露光装置、矩形基板の外形位置の計測を行う基板計測装置、及び基板ステージの回転許容範囲内の回転位置で矩形基板を基板ステージに搬送する基板搬送方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の基板搬送装置は、露光を行うための矩形基板を搬送する搬送手段と、前記矩形基板をステージ上に載置する前に前記搬送手段上において前記矩形基板の外形位置を計測する第1の基板計測手段と、前記矩形基板を前記ステージ上に載置するための基板載置手段と、前記矩形基板を前記ステージ上に載置した状態で該ステージに対する前記矩形基板の外形位置を計測するための第2の基板計測手段とを備える基板搬送装置において、前記第1の基板計測手段は、前記第2の基板計測手段で計測する前記矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測することを特徴とする。
【0011】
この請求項1記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段により矩形基板をステージ上に載置する前に搬送手段上において第2の基板計測手段で計測する矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測するため、矩形基板の外形の撓み等による計測誤差の影響を受けることなく、矩形基板の外形位置を計測することができ、回転方向の誤差を正確に計測することができる。
【0012】
また、請求項2記載の基板搬送装置は、前記搬送手段が前記第1の基板計測手段の計測値に基づいて、前記矩形基板の回転方向の補正を行う補正手段を備えることを特徴とする。
【0013】
この請求項2記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段の計測値に基づいて回転方向の位置の補正が行なわれた矩形基板をステージ上に載置することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができるため、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0014】
また、請求項3記載の基板搬送装置は、前記第2の基板計測手段の計測値が閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により計測値が閾値を超えていると判定された場合には、前記基板載置手段により再度前記矩形基板を受け取る基板受取手段と、前記第1の基板計測手段の計測値及び前記第2の基板計測手段の計測値の少なくとも何れか一方に基づいて、前記矩形基板の回転補正量を決定する回転補正量決定手段と、前記回転補正量決定手段により決定された回転補正量に基づいて、前記基板載置手段により前記矩形基板の回転方向の補正を行う再補正手段とを備え、前記矩形基板の回転方向の補正を行った後に、前記基板載置手段により、前記矩形基板を前記ステージ上に再載置することを特徴とする。
【0015】
この請求項3記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段により計測された計測値または補正手段により補正された補正量に誤りがあった場合においても、第2の基板計測手段の計測値が閾値を超えているか否かの判定を行うことにより、矩形基板の回転方向の位置の再補正を行うことができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに再載置することができる。
【0016】
また、請求項4記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が前記矩形基板の少なくとも1辺において2点以上の計測を行うことを特徴とする。
【0017】
この請求項4記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段が矩形基板の少なくとも一辺において2点以上の計測を行うため、矩形基板がステージに載置される前に矩形基板の回転方向の誤差を計測することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、ステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。
【0018】
また、請求項5記載の基板搬送装置は、前記第2の基板計測手段にて計測される前記基板に対する計測位置が前記第1の基板計測手段にて計測される位置を含むことを特徴とする。
【0019】
この請求項5記載の基板搬送装置によれば、基板のエッジ部の真直性が悪い場合であっても第1の基板計測手段にて計測される計測点と、第1の基板計測手段にて計測される計測点とをほぼ同じにすることにより基板の影響を受けずに計測することができる。
【0020】
また、請求項6記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が露光装置本体に設置されていることを特徴とする。
【0021】
この請求項6記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段が露光装置本体に設置されているため、振動等が生じた場合においても、第1の基板計測手段による計測値は露光装置本体に備えられている計測系による計測値と同程度に振動等の影響を受ける。従って、第1の基板計測手段と露光装置とが別々に設置され、振動等の影響をそれぞれ別々に受けた場合と比較した場合、矩形基板の位置計測の精度向上を図ることができる。
【0022】
また、請求項7記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が前記矩形基板のエッジを光学的に計測することを特徴とする。
【0023】
また、請求項8記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が前記矩形基板のエッジに向けて照明光を供給するための照明光学系と、前記矩形基板のエッジにて反射された光に基づいて、前記矩形基板のエッジの像を形成するための対物光学系とを備え、前記対物光学系は、少なくとも前記矩形基板側がテレセントリックとなるように配置された開口絞りを有することを特徴とする。
【0024】
この請求項7及び請求項8記載の基板搬送装置によれば、第1の基板計測手段に備えられている対物光学系の矩形基板側がテレセントリックとなるように配置された開口絞りを有しているため、矩形基板の垂直方向の位置が矩形基板の撓み等の影響により大幅に変化した場合においても、矩形基板の外形位置を正確に計測することができる。
【0025】
また、請求項9記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段の前記矩形基板側の照明開口数をN.A.illとし、前記対物光学系の前記矩形基板側の結像開口数をN.A.Imageとするとき、
N.A.ill>N.A.Image
を満足することを特徴とする。
【0026】
この請求項9記載の基板搬送装置によれば、N.A.ill>N.A.Imageを満足しているため、矩形基板の表面が傾いている場合においても、矩形基板により反射された光の受光量の変化が少なく、矩形基板の位置計測の誤差を最小に抑えることができる。
【0027】
また、請求項10記載の基板搬送装置は、前記第1の基板計測手段が前記照明光学系の前記矩形基板側の光路と、前記対物光学系の前記矩形基板側の光路とを合成し、合成された光路を前記矩形基板に向けて形成する光路合成手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
この請求項10記載の基板搬送装置によれば、光路合成手段を備えることにより、照明光学系からの光が対物光学系を通過しないため、対物光学系からの戻り光であるフレアの影響を受けることなく、矩形基板の位置を正確に計測することができる。
【0029】
また、請求項11記載の露光装置は、パターンが露光される矩形基板を支持する基板ステージを備えた露光装置において、前記基板ステージに対して前記矩形基板を搬送する基板搬送装置を備え、前記基板搬送装置は、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の基板搬送装置により構成されることを特徴とする。
【0030】
この請求項11記載の露光装置によれば、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、ステージ上に載置する前に矩形基板の回転方向の位置の補正を行い、回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができる。従って、良好な重ね合わせ露光を行うことができ、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0031】
また、請求項12記載の基板計測装置は、矩形基板のエッジに向けて照明光を供給するための照明光学系と、前記矩形基板のエッジにて反射された光に基づいて、前記矩形基板のエッジの像を形成るための対物光学系と、前記照明光学系の前記矩形基板側の光路と、前記対物光学系の前記矩形基板側の光路とを合成し、合成された光路を前記矩形基板に向けて形成する光路合成手段とを備え、前記照明光学系の前記矩形基板側の照明開口数をN.A.illとし、前記対物光学系の前記矩形基板側の結像開口数をN.A.Imageとするとき、
N.A.ill>N.A.Image
を満足することを特徴とする。
【0032】
この請求項12記載の基板計測装置によれば、光路合成手段を備えることにより、照明光学系からの光が対物光学系を通過しないため、対物光学系からの戻り光であるフレアの影響を受けることなく、矩形基板の位置を正確に計測することができる。また、N.A.ill>N.A.Imageを満足しているため、矩形基板の表面が傾いている場合においても、矩形基板により反射された光の受光量の変化が少なく、矩形基板の位置計測の誤差を最小に抑えることができる。
【0033】
また、請求項13記載の基板搬送方法は、露光を行うための矩形基板を搬送手段に載置する第1の基板載置工程と、前記矩形基板を露光装置のステージ上に載置する前に前記搬送手段上において前記矩形基板の外形位置を計測する第1の基板計測工程と、前記第1の基板計測工程の計測値に基づいて前記矩形基板の回転方向の補正を行う補正工程と、前記補正工程により回転方向の補正を行った前記矩形基板を前記ステージ上に載置する第2の基板載置工程とを含むことを特徴とする。
【0034】
この請求項13記載の基板搬送方法によれば、第1の基板計測工程の計測値に基づいて回転方向の位置の補正が行なわれた矩形基板をステージ上に載置することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測工程の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができるため、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0035】
また、請求項14記載の基板搬送方法は、前記矩形基板を前記ステージ上に載置した状態で該ステージに対する前記矩形基板の外形位置を計測する第2の基板計測工程と、前記第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えたか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により、前記第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えたと判定された場合に、基板載置手段により前記矩形基板を受け取る基板受取工程と、前記第1の基板計測工程における計測値及び前記第2の基板計測工程における計測値の少なくとも一方に基づいて、前記矩形基板の回転方向の補正を行う再補正工程と、前記再補正工程により回転方向の補正を行った前記矩形基板を再度前記ステージ上に載置する再載置工程とを含むことを特徴とする。
【0036】
この請求項14に記載の基板搬送方法によれば、第1の基板計測工程により計測された計測値または補正工程により補正された補正量に誤りがあった場合においても、第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えているか否かの判定を行うことにより、矩形基板の回転方向の位置の再補正を行うことができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに再載置することができる。
【0037】
また、請求項15記載の基板搬送方法は、前記第1の基板計測工程が前記第2の基板計測工程で計測する前記矩形基板辺のうち少なくとも一辺の位置を計測することを特徴とする。
【0038】
この請求項15記載の基板搬送方法によれば、第1の基板計測工程が矩形基板の少なくとも一辺において2点以上の計測を行うため、矩形基板がステージに載置される前に矩形基板の回転方向の誤差を計測することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の搬送装置及び露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置を備えたデバイス製造システムの実施の形態を示す図であって上方から見た概略構成図、図2は概略斜視図である。
【0040】
図1において、デバイス製造システムSYSは、露光装置EXSと、コータ・デベロッパ装置CDSとを備えている。コータ・デベロッパ装置CDSは、露光処理される前の基板Pに対してフォトレジスト等の感光剤を塗布する塗布装置(コータ)Cと、露光装置EXS(露光装置本体EX)において露光処理された後の矩形形状を有する基板Pを現像する現像装置(デベロッパ)Dと、基板Pを搬送するフォーク型ハンドを有する搬送装置100とを備えている。ここで、以下の説明において、塗布装置C及び現像装置Dを合わせて「コータ・デベロッパ本体C/D」と適宜称する。
【0041】
露光装置EXSは、コータ・デベロッパ装置CDSとのインターフェース部の一部を構成しコータ・デベロッパ装置CDSの搬送装置100から搬送された基板Pを受けるポート部10と、マスクMのパターンを基板Pに露光する露光処理部である露光装置本体EXと、露光装置本体EXの基板ステージPSTとポート部10との間で基板Pを搬送する搬送手段の一部を構成する搬送部20と、露光装置EXS全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
【0042】
また、ポート部10は露光処理された基板Pを搬送部20から受ける機能も有する。そして、ポート部10及び搬送部20により、コータ・デベロッパ装置CDSと露光装置本体EXの基板ステージPSTとの間で基板Pを搬送する搬送装置Hが構成されている。露光装置本体EX、ポート部10、及び搬送部20はクリーン度が管理された第1チャンバ装置CH1内部に配置されている。一方、コータ・デベロッパ本体C/D及び搬送装置100は第1チャンバ装置CH1とは別の第2チャンバ装置CH2内部に配置されている。本実施の形態において、基板Pは矩形形状のガラス基板にフォトレジスト等の感光剤を塗布したものである。マスクMは原板であるガラス板上にクロムなどの遮蔽材料により所定のパターンを形成したものである。
【0043】
図2において、露光装置本体EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、矩形形状を有する基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影する投影光学系PLとを備えている。本実施の形態の露光装置EXは複数(ここでは5本)並んだ投影光学系モジュールからなる投影光学系PLを有しており、この投影光学系PLに対してマスクMと基板Pとを所定方向に同期移動しつつマスクMのパターンを基板Pに投影露光する、所謂マルチレンズスキャン型露光装置である。
【0044】
なお、以下の説明において、水平面内においてマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向)、X軸及びY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0045】
上述のマスクステージMST、基板ステージPSTの位置は、図示しないレーザ干渉計により計測、制御される。なお、基板ステージPSTの位置の計測、制御に用いられるレーザ干渉計は、基板ステージPSTに固定されている移動鏡50と投影光学系PLに固定された固定鏡(図示せず)との相対位置の計測、制御を行う。
【0046】
投影光学系PLは、非走査方向に配置された第1列の部分投影光学系PL1,PL3、PL5と、非走査方向に配置された第2列の部分投影光学系PL2,PL4により構成されている。第1列の部分投影光学系PL1,PL3、PL5と、第2列の部分投影光学系PL2,PL4との間には、基板Pの位置合わせを行うためのオフアクシスのアライメント系52、及びマスクMや基板Pに対するフォーカス位置を合わせるためのオートフォーカス系54が配置されている。
【0047】
また、基板ステージPSTには、基板ステージPSTに載置された基板Pの外形位置の計測を行うポテンショメータ(第2の基板計測手段)が3つ設けられている。即ち、基板Pの搬送方向に沿った基板Pの辺の位置(基板Pの+Y側)を計測するために2つのポテンショメータ56a,56bが設けられ、基板Pの搬送方向に直行する基板Pの辺の位置(基板Pの+X側)を計測するために1つのポテンショメータ56cが設けられている。なお、ポテンショメータ56a,56b,56cは、基板Pのエッジに軽接触で当接する測長器を用いて基板Pの外形位置の計測を行うが、その詳細は特開平5‐166701号公報に開示されているので参照されたい。
【0048】
図3は搬送手段の一部を構成するポート部10を示す概略側面図である。図3において、ポート部10は、基板Pを支持する基板支持部1と、トレイ(搬送トレイ)Tを支持するトレイ支持部2とを備えている。基板支持部1は、板状の第1支持部材3と、この第1支持部材3上に設けられ、基板Pの下面を支持する複数の基板支持ピン4とを備えている。本実施の形態において基板支持ピン4は全部で8本設けられている。基板支持ピン4のそれぞれは第1支持部材3上で起立しており、それぞれの下端部を第1支持部材3に固定し、上端部(上端面)で基板Pの複数の所定位置を支持する。基板支持ピン4の上端面にはバキューム装置に接続した真空吸着穴がそれぞれ設けられており、基板支持ピン4は真空吸着穴を介して基板Pを吸着保持する。なお、基板支持ピン4の上端部には、基板支持ピン4に基板Pが載置されているかどうかを検出する有無センサが設けられている。この有無センサは8つの基板支持ピン4のうち、平面視対角線上の少なくとも2つの基板支持ピン4に設けられている。少なくとも2つの有無センサを設けておくことにより、一方が故障しても他方で基板Pの有無を検出可能である。
【0049】
基板支持部1(第1支持部材3及び基板支持ピン4)は連結部材5を介してステージ装置6に接続されている。ステージ装置6はトレイTと基板Pとの位置関係を調整する位置調整手段の一部を構成しており、ベース7上においてX軸、Y軸、及びθZ方向のそれぞれに移動可能である。ステージ装置6には例えばモータとボールねじとを組み合わせたステージ駆動装置8が設けられており、制御装置CONTはステージ駆動装置8を介してステージ装置6をX軸、Y軸、及びθZ方向に移動する。そして、ステージ装置6の移動に伴って、基板支持部1及びこれに保持された基板PもX軸、Y軸、及びθZ方向に移動する。
【0050】
トレイ支持部2は、枠状の第2支持部材9と、この第2支持部材9上に設けられ、トレイTの下面を支持する複数のトレイ支持ピン11とを備えている。本実施形態においてトレイ支持ピン11は全部で8本設けられている。トレイ支持ピン11のそれぞれは第2支持部材9上で起立しており、それぞれの下端部を第2支持部材9に固定し、上端部(上端面)でトレイTの複数の所定位置を支持する。ここで、トレイ支持ピン11のそれぞれは基板支持部1の第1支持部材3より外側に配置されている。なお、トレイ支持ピン11の上端部には、トレイ支持ピン11にトレイTが載置されているかどうかを検出する有無センサが設けられている。この有無センサは8つの基板支持ピン11のうち、平面視対角線上の少なくとも2つのトレイ支持ピン11に設けられている。少なくとも2つの有無センサを設けておくことにより、一方が故障しても他方でトレイTの有無を検出可能である。
【0051】
トレイ支持部2(第2支持部材9及びトレイ支持ピン11)はガイド部12に沿って不図示のトレイ支持部用駆動装置によりZ軸方向に移動可能に設けられている。制御装置CONTはトレイ支持部用駆動装置を介してトレイ支持部2をZ軸方向に移動する。そして、トレイ支持部2の移動に伴ってこれに支持されるトレイTもZ軸方向に移動する。トレイ支持部2の上昇により、トレイTは上昇し、基板Pに接近してこの基板Pの下面を支持する。ここで、トレイ支持ピン11は基板支持部1の外側に配置されているため、トレイ支持部2の上下方向への移動は妨げられない。また、ガイド部12はステージ装置6の外側に設けられており、またステージ装置6と基板支持部1とを連結する連結部材5は第2支持部材9の枠内部に配置されているため、ステージ装置6及び基板支持部1の水平方向への移動は妨げられない。
【0052】
ポート部10はトレイTに対する基板Pの位置を検出する検出手段の一部を構成する検出装置13を備えている。検出装置13は、基板支持ピン4に支持されている基板Pに対して下方の離れた位置に設けられており、基板Pのエッジ部の複数の所定の検出点の位置を非接触で検出する。検出装置13は、基板Pに対して検出光を投射する投射部と、基板Pからの反射光を受光する受光部とを有しており、基板Pからの反射光に基づいて基板Pの複数のエッジ部の検出点の位置を光学的に検出する。
【0053】
図4は図3を上方から見た平面図である。図4に示すように、トレイTは格子状に設けられた複数の線状部材41を有している。これら複数の線状部材41は例えば溶接により格子状に組み合わされている。また、複数の線状部材41により構成される各格子の内部には基板Pより小さい矩形状の開口部42が複数形成されている。トレイTはその上面である支持面40で基板Pを支持する。また、トレイTは支持面40で支持した基板Pの側面を保持して基板Pの落下を防止する凸部43を備えている。トレイTがトレイ支持部2に支持されているとき、トレイTの開口部42に基板支持部1の基板支持ピン4が配置されるようになっており、基板支持ピン4はこの開口部42を介して基板Pの下面を支持する。ここで、基板支持ピン4とトレイT(線状部材41)とは十分に離れており、基板支持ピン4(基板支持部1)の水平方向への移動は妨げられない。また、トレイ支持部2のトレイ支持ピン11はトレイTの周縁部の複数の所定位置を支持する。また、トレイTの4つの隅部は平面方向内側に凹むL字型となっており、矩形形状である基板Pの4隅に対する非支持部となっている。
【0054】
なお、本実施の形態ではトレイ支持部2のトレイ支持ピン11はトレイTの周縁部の複数の所定位置を支持しているが、例えば枠状の第2支持部材9の枠内部に連結部材5と干渉しない支持部材を渡し、この支持部材にトレイ支持ピンを取り付け、この枠内部に設けられたトレイ支持ピンによりトレイTの平面方向中央部を支持してもよい。このとき、基板支持部1の第1支持部材3にはトレイ支持ピン11を配置可能で第1支持部材3の水平方向への移動を妨げない大きな開口部が設けられる。
【0055】
図5は基板Pの位置を検出する検出装置13(13A〜13C)の配置を示す図である。図5に示すように、本実施の形態では3つの検出装置13A〜13Cが所定の位置に配置されており、矩形形状である基板Pの少なくとも2辺の位置を検出するように配置されている。このうち、検出装置13Aは基板Pの+Y側の1辺を検出可能な位置に配置されており、検出装置13B、13Cは基板Pの+X側の1辺を検出可能な位置に配置されている。つまり、検出装置13B、13Cにより、基板Pの+X側の1辺において検出点が2点設定されている。検出装置13A〜13Cのそれぞれは基板Pに対して検出光を投射し、基板Pからの反射光を受光したかどうかで基板Pのエッジ部の3つの検出点をそれぞれ非接触で光学的に検出する。各検出装置13A〜13Cのそれぞれの検出信号は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、基板Pの+Y側の1辺を検出可能な検出装置13Aの検出結果に基づいて、基板PのY軸方向における位置を検出する。また、制御装置CONTは、基板Pの+X側の1辺の2つの検出点を検出可能な検出装置13B及び13Cの検出結果に基づいて、基板PのX軸方向における位置、及びθZ方向における位置(回転方向の位置)を検出する。
【0056】
基板Pの位置情報を検出装置13A〜13Cを用いて検出する際、制御装置CONTは、ステージ装置6を移動しながら検出装置13A〜13Cを用いて基板Pのエッジ部の位置を検出し、この検出結果に基づいて基準位置に対する基板Pの位置情報を求める。本実施の形態において、前記基準位置はトレイTを支持するトレイ支持部2、ひいてはトレイTの位置であり、制御装置CONTは、検出装置13A〜13Cの検出結果に基づいて、トレイT(トレイ支持部2)に対する基板Pの位置情報、すなわち、トレイTに対するXY方向への位置誤差量、及びθZ方向への回転誤差量を検出する。
【0057】
ここで、図5の基板Pは平面視正方形状であるが、長方形状である場合、検出装置13B、13Cで長方形状の基板Pの長辺側の2つの検出点を検出する構成が好ましい。短辺側に2つの検出点を設けるより長辺側に2つの検出点を設けることにより基板Pの回転誤差量をより高精度に検出できる。なお、短辺側に2つの検出点を設けた場合であっても基板Pの位置情報はもちろん検出可能である。
【0058】
基板Pの位置情報を検出する際には、ステージ装置6を移動し、例えばまず基板Pの+X側の1辺(基板Pが長方形状である場合には長辺側)の2つの検出点を検出装置13B、13Cの検出領域に配置して検出し、+Y側の1辺(基板Pが長方形状である場合には短辺側)の1つの検出点を検出装置13Aの検出領域に配置して検出する。
【0059】
図2及び図3に戻って、搬送装置Hの一部を構成する搬送部20はトレイTに基板Pを載置してこの基板Pを搬送するものであり、基板ステージPSTに対して基板Pをロード及びアンロードする。搬送部20は、基板Pを載置したトレイTの一端部(+Y側端部)を保持して搬送可能な駆動手段の一部を構成する第1保持部21と、第1保持部21に対向し、トレイTの他端部(−Y側端部)を保持する駆動手段の一部を構成する第2保持部22と、第1保持部21をZ軸及びY軸方向に移動可能に支持する第1機構部23と、第2保持部22をZ軸及びY軸に移動可能に支持する第2機構部24と、第1、第2機構部23、24のそれぞれに接続する第1、第2被ガイド部25、26と、第1、第2被ガイド部25、26をX軸方向に移動する駆動手段の一部を構成するリニアモータにより構成される第1、第2駆動部31、32と、X軸方向に延び、第1、第2被ガイド部25、26それぞれのX軸方向への移動を案内する第1、第2ガイド部27、28とを備えている。なお、図2では第1、第2駆動部31、32の図示が省略されている。
【0060】
本実施の形態において、第1、第2駆動部31、32のそれぞれは、第1、第2被ガイド部25、26に取り付けられた電機子ユニットからなる可動子31A、32Aと、この可動子31A、32Aに対応する磁石ユニットを有する固定子31B、32Bとを備えたムービングコイル型リニアモータにより構成されている。固定子31B、32BはX軸方向に延在している。なお、第1、第2駆動部31、32としては、固定子が電機子ユニットから構成され、可動子が磁石ユニットから構成されるムービングマグネット型リニアモータでもよい。第1、第2駆動部31、32の駆動により、第1、第2保持部21、22は、第1、第2機構部23、24及び第1、第2被ガイド部25、26とともにX軸方向に移動する。
【0061】
第1、第2機構部23、24の駆動は制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは第1、第2機構部23、24を駆動することにより、第1、第2保持部21、22のそれぞれを昇降可能、且つ第1、第2保持部21、22間の距離を調整可能である。したがって、第1、第2保持部21、22は第1、第2機構部23、24の駆動によりトレイTに対してアクセスし、このトレイTを保持及び保持解除可能である。
【0062】
第1、第2駆動部31、32の固定子31B、32B及び第1、第2ガイド部27、28は、ポート部10及び基板ステージPSTのそれぞれまで延びており、第1、第2保持部21、22はポート部10と基板ステージPSTとの間で移動可能である。第1、第2駆動部31、32は制御装置CONTの制御により互いに独立して駆動するようになっており、したがって、第1保持部21及び第2保持部22のそれぞれは互いに独立してX軸方向に移動可能となっている。第1、第2保持部21、22のそれぞれが互いに独立してX軸方向に移動することにより、第1、第2保持部21、22に保持される基板Pを載置したトレイTはθZ方向に回転可能である。すなわち制御装置CONTは、第1保持部21に対する第2保持部22のX軸方向における位置を調整することにより、第1、第2保持部21、22で保持したトレイT(基板P)を所定量回転可能である。
【0063】
また、搬送部20は、第1保持部21に対する第2保持部22のX軸方向における位置を検出する位置検出部30を備えている。位置検出部30は、第1保持部21に設けられた発光部30Aと、第2保持部22に設けられ、発光部30Aからの光を受光可能な受光部30Bとを有している。発光部30Aは、断面視L字状の第1保持部21のうち垂直面部21Aに設けられ、一方、受光部30Bは、断面視L字状の第2保持部22のうち、第1保持部21の垂直面部21Aと対向する垂直面部22Aに設けられている。発光部30Aは例えば基板Pに対して感光性の低いレーザ光を射出可能なレーザ光源により構成され、受光部30Bは例えば1次元CCDにより構成されている。
【0064】
ここで、第1、第2保持部21、22はそれぞれほぼ同じ大きさであり、発光部30A及び受光部30Bは、垂直面部21A、22AのX軸方向中央部にそれぞれ設けられている。受光部30Bは発光部30Aからのレーザ光を検出し、検出結果を制御装置CONTに出力する。制御装置CONTは、受光部30Bの検出結果に基づいて第1保持部21に対する第2保持部22の位置を検出する。具体的には、制御装置CONTは、受光部30Bが発光部30Aからのレーザ光を照射される位置に基づいて、第1保持部21に対する第2保持部22の位置を検出する。例えば、受光部30Bが発光部30Aからの光を受光部30Bの所定位置(例えばX軸方向中心位置)で受光すれば、制御装置CONTは、第1、第2保持部21、22のX軸方向における位置は同じであると判断し、受光部30Bが発光部30Aからの光を所定位置に対してずれた位置で受光すれば、第1、第2保持部31、32はX軸方向においてずれた位置にあると判断する。そして、制御装置CONTは受光部30Bの検出結果、すなわち、第1、第2保持部21、22の相対位置情報に基づいて第1、第2駆動部31、32を制御する。また、不図示ではあるが、また、第1、第2保持部21、22には、これら第1、第2保持部21、22のX軸方向における位置(移動量)を検出するリニアエンコーダ等からなる移動量検出部がそれぞれ設けられている。
【0065】
断面視L字状の第1、第2保持部21、22のうち水平面部21B、22BのそれぞれにはトレイTの下面を支持する突起部34が設けられている。図6は第1保持部21の水平面部21Bに設けられた突起部34でトレイTの下面を支持している状態を示す模式図である。図6に示すように、第1保持部21の水平面部21Bには3つの突起部34(34A〜34C)がX軸方向に関して所定間隔で設けられており、それぞれの先端部は略球状に形成されている。一方、トレイTの一端部(+Y側端部)のうち、X軸方向に関してほぼ中央部には円錐状の凹部44が形成されている。そして、3つの突起部33A〜34Cのうち中央の突起部34Bが凹部44に配置されるようになっている。
【0066】
ここで、トレイTの下面には摩擦係数の低い合成樹脂(例えばポリ4フッ化エチレン)等からなる低摩擦部45が島状(図6では3箇所)に設けられており、凹部44は図6中、中央の低摩擦部45に形成されている。また、突起部34A、34Cの先端部も低摩擦部45に当接している。突起部34A〜34Cの先端部のそれぞれは、低摩擦部45に対して摺動可能となっている。そして、トレイTの他端部(−Y側端部)にも、図6を参照して説明した凹部44及び低摩擦部45が設けられているとともに、第2保持部22の水平面部22Bにも同様の突起部34A〜34Cが設けられている。
【0067】
図1、図2及び図7に示すように、搬送部20は、基板ステージPSTに載置される直前の搬送部20上における基板Pの外形位置を検出する基板外形位置検出装置35(第1の基板計測手段)を有している。基板外形位置検出装置35(35A,35B)は、露光装置本体EXの投影光学系PLが固定されているコラム(図示せず)に固定されており、搬送部20の第1、第2保持部21、22で支持されているトレイT上の基板Pのエッジ部の2箇所、即ち基板ステージPSTにおいて、ポテンショメータ56a,56bで検出する基板Pのエッジ位置と同一のエッジ位置の検出を行う。基板外形位置検出装置35(35A,35B)は、矩形形状を有する基板Pのエッジに対して照明光を供給するための照明光学系と、基板Pのエッジで反射された光に基づいて基板Pのエッジの像を形成する対物光学系とを備え、基板Pのエッジの像に基づいて、基板Pの外形位置であるエッジ位置の検出を行う。なお、図7に示す基板Pは平面視正方形状であるが、長方形状である場合には、基板外形検出装置35A、35Bで長方形状の基板Pの長辺側のエッジ部の2箇所を検出する構成が好ましい。また、プレートの外形のうねり等の影響を排除するためには、基板外形位置検出装置35A,35Bで計測する位置とポテンショメータ56a,56bで検出する位置とをほぼ同じ位置とすることが望ましい。
【0068】
図8は、基板外形位置検出装置35A,35Bの構成を示す図である。基板外形位置検出装置35A,35Bは、ハロゲンランプ等からなる光源から射出される光の中から基板Pに塗布されたレジストを感光させない光、例えば、600nm〜1μmの波長域の光を波長選択フィルタにより取り出しライトガイド60により照明光を計測系内に引き入れる構成を有する。ライトガイド60の射出端より射出した光は、視野絞り61、コンデンサレンズ62を介してミラー63に入射する。ミラー63で反射された光はハーフプリズム64に入射し、ハーフプリズム64を透過した光により基板Pのエッジを照明する。基板Pのエッジにより反射された光は、ハーフプリズム64に入射し、ハーフプリズム64により反射された光は、第一対物レンズ65、開口絞り66及び第二対物レンズ67を介してCCD(撮像素子)68の撮像面上に結像する。
【0069】
なお、視野絞り61、コンデンサレンズ62、ミラー63及びハーフプリズム64は、照明光学系を構成し、第一対物レンズ65、開口絞り66及び第二対物レンズ67は、対物光学系を構成する。ハーフプリズム64は、照明光学系の基板P側の光路と対物光学系の基板P側の光路とを合成する光路合成手段としての機能を備える。また、基板P側の照明開口数をN.A.illとし、対物光学系の基板P側の結像開口数をN.A.Imageとするとき、
N.A.ill>N.A.Image
を満足する。この基板外形位置検出装置35A,35Bは、照明光をライトガイド60により計測系内に引き入れる構成を有するため、光源を任意の位置に配置でき、光源の熱の影響等を排除することができる。
【0070】
ここで、基板外形位置検出装置に用いられる通常の同軸落斜照明系の場合には、対物レンズを送受光で共通に使用するため、一般に照明σ値は1以下となる。しかしながら基板が大型化すると、基板の撓みが大きくなり、プレート厚公差等による撓み変動量も大きくなるため、基板計測位置での基板のZ方向位置の変動も大きくなる。従って、焦点深度を大きくする必要があるが、一般に焦点深度は、λ/NA2で決定されるため、N.A.を小さくする必要がある。λ=0.8μmとすると、N.A.=0.01で8mmの深度が確保できる。このとき、σ=1とした照明系の場合、結像N.A.=0.01では、基板の傾きが0.57°で結像系内に取込める光量は、基板傾きがない場合の半分以下となり、基板の傾きが1.4°を越えると結像系内に反射光を全く取込むことができなくなる。
【0071】
従って、図8に示す基板外形位置検出装置35A,35Bにおいては、照明系と結像系をハーフプリズム64により分岐する構成を採用している。これにより照明σ値を1以上とし、プレートに傾きがある場合においても受光量の減少の少ない光学系を実現できる。結像N.A.を0.01とするこの計測系で、照明N.A.を0.05とすることで、少なくとも2°以上の傾斜が基板に存在する場合においても基板のエッジ位置の計測をすることができる。図9は、基板Pに傾斜が存在しない場合と、傾斜が存在する場合での結像系の瞳面での各照明光と開口絞りの様子をあらわしている。想定している傾斜量が基板Pに存在しても開口絞りを透過する光量に変化が無い様子がわかる。このとき、基板の傾き方向に一定の傾向があるならば、反射光が結像系内に戻るように照明光を多少傾けるようにしてもよい。
【0072】
また、基板Pの撓み等の影響によりZ方向の位置(ピント方向)が大きく変化する可能性もあるため、位置ズレが発生しないように、結像光学系は、プレート側がテレセントリック系であることが望ましい。このため、対物レンズ(第一対物レンズ65及び第二対物レンズ67)と開口絞り66とを一体の構造とし、開口絞り66を第一対物レンズ65の後側焦点位置に配置した構造として、対物レンズ65,67の光軸と開口絞り66の中心のずれを機械的に抑えている。また、一般的に、N.A.が小さく、計測範囲が大きい場合には、レンズ系からの戻り光であるフレアーが大きくなるといった特徴をもつが、図8に示す基板外形位置検出装置35A,35Bにおいては、照明光は対物レンズ(第一対物レンズ65及び第二対物レンズ67)を通過しないことからその影を受けることもない。また、ハーフプリズム64からの戻り光を排除するため、ハーフプリズム64の逃げ面64aにはテーパをつけて、ハーフプリズム64からの戻り光がCCD68に入射しないように構成している。
【0073】
なお、図10に示すように基板外形位置検出装置35A,35Bの光源にLED69を使用してもよい。光源にLED69を使用する場合には、コレクタレンズ70によりLED69から射出した光束を平行光束とし拡散板71を介して視野絞り61に入射させる。光源にLED69を使用する場合には、寿命が長い、コンパクトに設計可能、輝度が高いといった特徴がある。光源にLED69を使用する場合にも、基板Pに塗布したレジストを感光させないよう射出光の波長が600nm〜1μmLEDを用いる。
【0074】
上述のように基板外形位置検出装置35A、35Bは、基板Pの2箇所のエッジ部(角部)のからの反射光に基づいて、CCD68により基板エッジの像を撮像する。CCD68は、撮像信号を制御装置CONTに対して出力する。制御装置CONTは出力された撮像信号に基づいて、基板Pの2箇所のエッジ部(検出点)の位置を検出し、この検出した位置に基づいて、基板PのθZ方向(回転方向)の姿勢を検出し、ステージPSTに対する基板PのθZ方向の回転誤差を求める。
【0075】
次に、上述した搬送装置Hを用いて基板PをトレイTに載置して基板Pを搬送する方法について図11のフローチャート及び図12の動作模式図を参照しながら説明する。
【0076】
まず、図12(a)に示すように、露光処理されるべき基板Pがコータ・デベロッパ装置CDSの搬送装置100により露光装置EXのポート部10に渡され、基板Pがポート部10に載置される(ステップS1)。このとき、ポート部10のトレイ支持部2にはトレイTが予め支持されている。そして、搬送装置100は、ポート部10のうち基板支持部1の基板支持ピン4に基板Pを載置する。基板Pが基板支持ピン4に載置されたら、制御装置CONTはバキューム装置を駆動し、基板支持ピン4の上端部に設けられている真空吸着穴を介して基板Pを吸着保持する。ここで、搬送装置100は基準位置(トレイ位置)に対してずれた状態で基板Pを基板支持ピン4に載置してしまう場合がある。
【0077】
図12(b)に示すように、基板支持部1の基板支持ピン4で基板Pを保持したら、制御装置CONTはステージ駆動装置8を駆動し、検出装置13A〜13Cで基板Pのエッジ部の3箇所の検出点が検出されるように、換言すれば3つの検出装置13A〜13Cの検出領域に基板Pのエッジ部が配置されるようにステージ装置6をXY方向に移動する。制御装置CONTは、検出装置13A〜13Cで基板Pのエッジ部の3箇所の検出点を検出したときの基板Pの位置情報と、基板Pの移動量(これはステージ駆動装置の駆動量より分かる)とに基づいて、搬送装置100で基板支持部1に基板Pを載置したときの基板Pの初期位置情報を求める。制御装置CONTは、求めた基板Pの初期位置情報に基づいて、トレイ支持部2に支持されているトレイTに対する基板Pの位置、具体的にはトレイTに対する基板PのXY方向の位置誤差量、及びθZ方向の回転誤差量を求める(ステップS2)。
【0078】
ここでXY方向の位置誤差及びθZ方向の回転誤差がない場合には(ステップS3)、ステップS6に進む。一方、XY方向の位置誤差及びθZ方向の回転誤差がある場合には(ステップS3)、制御装置CONTは、この求めた位置誤差量(トレイTに対する基板Pの位置情報)に基づいて、基板PをトレイTに対して位置合わせするための補正量を求める(ステップS4)。そして、制御装置CONTは求めた補正量に基づいてステージ装置6を移動することで、トレイTと基板Pとの位置関係を調整し、位置合わせする(ステップS5)。
【0079】
トレイTと基板Pとの位置合わせが行われたら、図12(c)に示すように、制御装置CONTはトレイ支持部2を上昇する。トレイ支持部2のトレイ支持ピン11の上端部が基板支持部1の基板支持ピン4の上端部より上昇することで、トレイTが基板Pの下面を支持し、トレイTに基板Pが載置される。そして、搬送部20の第1、第2保持部21、22が第1、第2機構部23、24の駆動により基板Pを載置したトレイTにアクセスし、このトレイTを保持する。次いで、図12(d)に示すように、制御装置CONTはトレイ支持部2を下降するとともに、搬送部20によりトレイTに基板Pを載置した状態で基板Pの搬送を開始する(ステップS6)。
【0080】
搬送部20は、第1保持部21及び第2保持部22を同期移動しつつ基板Pを載置したトレイTを露光装置本体EXの基板ステージPSTに対して搬送する。ここで、第1、第2保持部21、22の移動量(基準位置に対する位置)は、リニアエンコーダ等により構成される移動量検出部により検出される。移動量検出部の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは移動量検出部の検出結果に基づいて、第1、第2保持部21、22のそれぞれが常時対向するように、すなわちX軸方向において常時同じ位置になるようにこれら第1、第2保持部21、22のそれぞれを第1、第2駆動部31、32を用いて同期移動する。更に制御装置CONTは、位置検出部30による第1保持部21に対する第2保持部22の相対位置情報に基づいて第1、第2保持部21、22を移動する。これにより、第1、第2保持部21、22が移動する際の互いの相対位置関係が高精度で維持される。
【0081】
搬送部20の基板ステージPSTに基板Pを載置する直前の位置には基板外形検位置出装置35が設けられている。この基板外形検位置検出装置35A、35Bにより基板Pの2箇所のエッジ部の位置を検出する(ステップS7)。基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果に基づいて、基板Pの回転誤差の有無を判断する(ステップS8)。ここで基板Pに回転誤差が存在しないと判断された場合には、ステップS11に進む。一方、基板Pに回転誤差が存在する場合には、制御装置CONTは基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果に基づいて、基板PのθZ方向の回転補正量を算出する(ステップS9)。そして、求めた補正量に基づいて基板Pを回転するために、搬送部20上において基板Pを載置するトレイTの回転位置の補正を行う(ステップS10)。
【0082】
即ち、基板ステージPSTの位置の計測、制御を行うレーザ干渉計は、固定鏡を投影光学系PLに固定し、投影光学系PLと基板ステージPSTに固定された移動鏡50との相対位置を計測する。ダブルパスの構成をとるレーザ干渉計においては、基板ステージの回転に伴って移動鏡側の干渉計ビームにビームシフトが発生し、干渉光の信号値が低下する。例えば基板ステージPSTのストロークを1mとすると回転角100μradでビームシフトが0.4mm発生し、回転角1mradであれば、ビームシフトが4mm発生する。レーザ干渉計のビーム径自体は約φ5mm程度であるので、ビーム径の半分程度までは、ビームシフトが発生してもレーザ干渉計による計測が可能であるとすると、約600μradが基板ステージPSTの回転許容値となる。基板ステージPSTのストロークが2mであれば、更に半分の約300μradが回転許容値になる。従って、基板Pの回転誤差が回転許容値内となるように、搬送部20上において基板Pの回転位置の補正を行う。
【0083】
具体的には、基板ステージPSTに対して基板PのθZ方向の位置合わせをするために、制御装置CONTは、トレイTを保持して搬送する第1、第2保持部21、22のそれぞれに接続する2つの駆動部31、32の駆動差によりトレイTをθZ方向に回転してトレイTの姿勢を制御することにより、基板PのθZ方向における位置調整を行う。つまり、制御装置CONTは、第1保持部21及び第2保持部22それぞれのX軸方向における位置を駆動部31、32を用いて調整し、この回転誤差量を相殺するようにトレイTを介して基板Pを回転する。このとき制御装置CONTは、位置検出部30の検出結果による第1、第2保持部21、22の相対位置情報を参照しつつ駆動部31、32のそれぞれを独立して駆動することにより、基板Pを載置したトレイTを所望量回転可能である。ここで、図6を参照して説明したように、第1、第2保持部21、22は先端部を略球状に形成された突起部34を有しているとともに、トレイTの下面には円錐状の凹部44が形成されている。そのため、トレイTは凹部44を介して突起部34Bに回転可能に支持されている。また、突起部34A、34Cは低摩擦部45に対して摺動可能であるので、第1、第2保持部21、22のX軸方向における相対位置がかわっても、第1、第2保持部21、22はトレイTをθZ方向に回転可能に支持できる。
【0084】
搬送部20の基板ステージPSTに基板Pを載置する直前の位置に基板外形位置検出装置35を設け、この基板外形位置検出装置35を用いて基板ステージPSTに基板Pを載置する直前の位置において基板Pの外形位置を検出することにより、基板Pの基板ステージPSTに対する回転誤差をより高精度に補正した状態で搬送できる。つまり、ポート部10におけるプリアライメントでも基板Pの回転誤差をある程度補正できているが、搬送中において基板PがトレイT上で動く可能性がある。そのため、基板Pの姿勢(回転位置情報)を基板外形位置検出装置35で再度検出し、回転誤差が生じていたら、2つの駆動部31、32の駆動差によりこの回転誤差を補正できる。
【0085】
トレイTの姿勢調整を行ったら、制御装置CONTは、第1、第2保持部21、22を同期移動し、基板Pを載置したトレイTを投影光学系PLと基板ステージPSTとの間に搬送する。このとき、第1、第2保持部21、22はトレイTのY軸方向両端部を保持している構成であって第1、第2保持部21、22は撓み難く、しかもトレイTで基板Pを支持しているため基板Pは撓まず、狭いワーキングディスタンスであってもトレイT及び基板Pは基板ステージPSTに対して容易に搬送される。そして、第1、第2機構部23、24の駆動により第1、第2保持部21、22のそれぞれを下降することにより基板Pが基板ステージPSTにロードされる(ステップS11)。
【0086】
トレイTに支持されている基板Pを基板ステージPSTにロードするに際し、搬送部20は基板外形位置検出装置35の検出結果に基づいてトレイTの回転誤差を補正している。基板ステージPSTに対するトレイT(基板P)のXY方向の位置誤差は、基板ステージPSTのXY方向への移動により補正可能である。
【0087】
そして、トレイTを保持している第1、第2保持部21、22が下降することにより、トレイTの格子を構成する各線状部材41が基板ステージPSTの溝部50に嵌まり、トレイTの支持面40が基板ステージPSTの上面より下がり、基板Pが基板ステージPSTの上面に載置される。
【0088】
基板ステージPST上に基板Pが載置されると、基板ステージPSTに搭載されているポテンショメータ56a,56b,56cにより基板Pの外形位置の計測を行う(ステップS12)。ここでポテンショメータ56a,56bにより基板Pの搬送方向に沿った基板Pの辺の位置(基板Pの+Y側)を計測する。この計測位置は、搬送部20上において基板外形位置検出装置35A、35Bにより計測された基板Pの外形位置と同一の位置である。また、ポテンショメータ56cにより基板Pの搬送方向に直行する基板Pの辺の位置(基板Pの+X側)を計測する。
【0089】
ポテンショメータ56a,56b,56cの検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはこの検出結果に基づいて、基板Pの回転誤差が許容範囲内(閾値内)であるか否かの判断を行う(ステップS13)。ここで基板Pの回転誤差が許容範囲内と判断された場合には、ステップS15に進む。一方、基板Pの回転誤差が許容範囲を超えていると判断された場合には、搬送部20の第1、第2保持部21、22が基板ステージPSTのトレイTにアクセスし、トレイTのY軸方向両端部をそれぞれ保持する。そして、第1、第2機構部23、24の駆動により第1、第2保持部21、22が所定量上昇されると、基板Pを支持するトレイTが基板ステージPSTの上方に持ち上げられ、トレイTと溝部50との嵌合が解除される。そして、このトレイTと溝部50との嵌合解除が完了する位置までトレイTが持ち上げられた時点で、第1、第2保持部21、22が駆動部31、32により駆動され、基板Pを保持したトレイTが基板ステージPST上からアンロードされ,搬送部20が基板Pを受け取る(ステップS14)。
【0090】
搬送部20においては、基板外形検位置検出装置35A、35Bにより、再度基板Pの2箇所のエッジ部の位置を検出し(ステップS7)、基板Pの回転誤差の有無を判断する(ステップS8)。ここで基板Pに回転誤差が存在しないと判断された場合には、ステップS11に進む。一方、基板Pに回転誤差が存在する場合には、制御装置CONTは基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果に基づいて、基板PのθZ方向の回転補正量を算出する(ステップS9)。なお、この場合に、ポテンショメータ56a,56b,56cによる基板Pの外形位置の計測結果を用いてもよく、基板外形位置検出装置35A、35Bの検出結果及びポテンショメータ56a,56b,56cによる基板Pの外形位置の計測結果を用いても良い。そして、求めた補正量に基づいて基板Pを回転するために、搬送部20上において基板Pを載置するトレイTの回転位置(配点方向)の再補正を行う(ステップS10)。
【0091】
そして、トレイTの回転位置の補正を行った後、基板Pを載置したトレイTを投影光学系PLと基板ステージPSTとの間に搬送して、第1、第2機構部23、24の駆動により第1、第2保持部21、22のそれぞれを下降することにより基板Pが基板ステージPSTにロードされ、基板Pが基板ステージPSTの上面に再載置される(ステップS11)。
【0092】
次に、基板ステージPSTに搭載されているポテンショメータ56a,56b,56cにより再度、基板Pの外形位置の計測を行い(ステップS12)、基板Pの回転誤差が許容範囲内と判断された場合には、制御装置CONTにより真空ポンプの吸引が開始され、基板ステージPSTにトレイTの複数の開口部42に対応して形成された各吸気孔を介して基板Pの下面が基板ステージPSTに吸着され固定される。また、搬送部20の第1、第2保持部21、22は互いに離れるように(すなわち開くように)Y軸方向に移動し、基板ステージPSTから退避する。なお、基板Pに許容範囲内の回転誤差が残存している場合には、基板ステージPSTを回転させることにより回転誤差の補正を行う。また、基板PのXY方向の位置の補正は、ポテンショメータ56a,56b,56cによる計測値に基づいて、干渉計で計測値の補正を行うことにより行う。
【0093】
次いで、制御装置CONTは不図示のアライメント光学系及び基板Pに予め形成されているアライメントマークを用いて基板Pのファインアライメント処理を行う。そして、ファインアライメント処理が終了したら、制御装置CONTは、マスクMを露光光ELで照明し、基板ステージPSTに支持されている基板Pに対して投影光学系PLを介してマスクMのパターンを転写する(ステップS15)。
【0094】
露光処理が終了したら、退避していた搬送部20の第1、第2保持部21、22が基板ステージPSTのトレイTにアクセスし、トレイTのY軸方向両端部をそれぞれ保持する。このとき、制御装置CONTは、前記真空ポンプによる基板Pに対する吸着保持を解除する。そして、第1、第2機構部23、24の駆動により第1、第2保持部21、22が所定量上昇されると、基板Pを支持するトレイTが基板ステージPSTの上方に持ち上げられ、トレイTと溝部50との嵌合が解除される。そして、このトレイTと溝部50との嵌合解除が完了する位置までトレイTが持ち上げられた時点で、第1、第2保持部21、22が駆動部31、32により駆動され、基板Pを保持したトレイTが基板ステージPST上からアンロードされる。搬送部20は露光処理済みの基板Pをポート部10を介してデベロッパ装置Dに渡す。
【0095】
本実施の形態にかかる搬送装置においては、基板Pを基板ステージPST上に載置する直前に基板Pの外形位置を計測して回転誤差を求め、回転誤差が基板ステージPSTの回転許容範囲に基づく許容範囲内となるように、回転誤差を補正して基板Pを基板ステージPST上に載置するため、スループットを低下させることなく露光処理を行うことができる。
【0096】
また、基板外形位置検出装置35A、35Bによる検出値に基づいて、基板Pの回転誤差を補正した後基板Pを基板ステージPST上に載置し、基板ステージPSTに搭載されているポテンショメータ56a,56b,56cにより基板Pの外形位置を計測して、回転誤差が許容範囲を超える場合には、基板Pを搬送部20により受け取り、再度、基板Pの回転誤差の補正を行った後、再度、基板ステージPST上に載置することから、基板ステージPST上に載置された基板Pの回転誤差が許容範囲を超えている場合においても基板Pの回転誤差を許容範囲内として基板ステージPSTに載置することができる。
【0097】
また、搬送装置Hは、露光装置本体EXに振動等の影響を与えないように、露光装置本体EXと切り離された構造を有し、基板外形位置検出装置35A、35Bは、露光装置本体EXに備えられている。従って、基板外形位置検出装置35A、35B及びポテンショメータ56a,56b,56cが振動等の影響を受ける場合には、振動等の影響を同程度に受けるため計測精度を維持することができる。
【0098】
また、基板外形位置検出装置35A、35B及びポテンショメータ56a,56b,56cにより、基板Pの外形位置の計測を行う場合に、略同一の位置を計測している。従って、一般に直線性や、2辺の直交度等mmオーダーのズレが発生する基板の外形位置を正確に計測することができる。
【0099】
また、トレイTに対する基板Pの位置を非接触で検出した後、トレイTと基板Pとの位置関係を調整してからトレイTに基板Pを載置するようにしたので、例えばコータ・デベロッパ装置CDSの搬送装置100がポート部10の基板支持部1に基板Pをずれた状態で搬送した場合において、基板Pを破損することなくトレイTに対して基板を位置合わせして載置することができる。そして、ポート部10で位置合わせすることにより、搬送途中において搬送部20の第1、第2保持部21、22は基板Pを載置したトレイTの基板ステージPSTに対する回転誤差補正をするためにトレイTを大きく回転させる必要がなくなり、基板P及びトレイTを基板ステージPSTに円滑に搬送できる。すなわち、図6を参照して説明したように、搬送部20の第1、第2保持部21、22はトレイTを保持して回転可能であるが、その回転量には限界があり、過剰に回転すると第1、第2保持部21、22からトレイTが浮き上がる不都合が生じる。
【0100】
しかしながら、第1のプリアライメントとしてポート部10において基板PとトレイTとの大まかな位置合わせをしておくことにより第2のプリアライメントである基板外形位置検出装置35において回転誤差を補正するためのトレイTの回転量を最小限に抑えることができ、上記不都合の発生を抑制できる。
【0101】
また、ポート部10において基板PとトレイTとのプリアライメントを行っておくことにより、搬送部20の搬送途中に設けられた基板外形位置検出装置35の検出領域に基板Pのエッジ部を良好に配置することができる。したがって、第2のプリアライメントとしての基板外形位置検出装置35でのプリアライメント動作を効率良く高精度に行うことができ、これによりトレイTの姿勢を制御して基板ステージPSTに基板Pを円滑に搬送することができる。
【0102】
また、ポート部10でステージ装置6及び検出装置13を用いて第1のプリアライメントを行い、搬送部20で第1、第2保持部21、22の駆動差により第2のプリアライメントを行う構成であるので、基板ステージPSTに大掛かりな位置補正機構を設けなくても、基板P及びトレイTの回転誤差を容易に補正できる。そして、XY方向への位置誤差の補正は第1、第2保持部21、22のX軸方向における位置調整や基板ステージPSTのXY方向の位置調整により容易に補正できる。そして、第1保持部21に対する第2保持部22の位置を検出する位置検出部30を設けたことにより、位置検出部30の検出結果に基づいてトレイTを所望量回転でき、第1、第2保持部21、22の相対位置関係をモニタしつつ基板Pを載置したトレイTを搬送できる。
【0103】
なお、本実施の形態においては、搬送部20において基板外形位置検出装置35A、35Bにより基板Pの同一辺の2点の位置を検出して基板の回転誤差の検出を行っているが、搬送部20において更に1つの基板外形位置検出装置を備え、基板Pの同一辺の2点及びこの辺と直行する辺の1点の位置を計測することにより、基板の回転位置及びXY方向の位置を検出するようにしてもよい。
【0104】
また、基板Pの基準辺が90°回転した配置となる場合にも対応できるよう、基板Pの搬送方向に沿った辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置と、基板Pの搬送方向に沿った辺に直交する辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置とを備え、基準辺の向きに応じて、基板Pの搬送方向に沿った辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置または基板Pの搬送方向に沿った辺に直交する辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置を用いて基板Pの辺の位置を計測するようにしてもよい。この場合、各基板外形位置検出装置は、1軸のみの計測となるので、撮像素子が正方形でない場合、長辺側を計測軸の方向にとり、計測視野の拡大を図っても良い。
【0105】
また、基板Pの搬送方向に沿った辺の位置を検出するための2つの基板外形位置検出装置と、基板Pの搬送方向に沿った辺に直交する辺の位置を検出するための1つの基板外形位置検出装置とを備え、1ヶ所は基板Pが90°回転しても計測が行えるような位置に配置し、基準辺の向きに応じて3つの基板外形位置検出装置のうちの2つの基板外形位置検出装置を選んで計測に使用するようにしてもよい。
【0106】
また、基板の大型化によって、計測辺位置の変動も大きくなるため計測視野を大きくとる必要があるが、計測系の配置スペースの制約から、撮像素子を小型化する場合には、縮小光学系を用いてもよい。また、計測視野が大きくなると、基板辺近くまでプロセスで用いられる膜が形成されている場合があり、この場合には、計測視野内にプロセスで用いられる膜が入る場合があるが、その膜が、基板反射率より格段に高い、例えば、AlやCr等の金属膜の場合、膜の形成されている個所が非常に明るくなるため、膜縁を基準辺縁と誤検出する恐れがある。そこで、基板反射率(ガラス基板であれば、反射率4%程度)で、撮像素子の飽和レベルを十分超えるレベルとなるよう、照明光量を調整する。このようにすることで、高反射金属膜が計測視野内に入った場合でも、撮像画像では、基板内で明るさに変化がないため、誤検出する恐れがない。
【0107】
また、基板外形位置検出装置35による検出値と、ポテンショメータ56a,56b,56cによる検出値との差の情報を統計処理することにより、基板外形位置検出装置35による検出値と、ポテンショメータ56a,56b,56cによる検出値とのオフセットを求め直すことも可能になる。例えば、レーヤ−毎とに基板の撓み量が異なったり、変形量が異なる場合には、露光装置本体のレーヤ名毎に統計処理を行うことも可能であり、また、経年変化のようなズレを発生する可能性がある場合には、変化がゆるやかであることを前提として、プレート枚数で100〜1000枚の平均値を目標値にする等の変更も容易に行うことができる。
【0108】
また、本実施の形態では、第1、第2保持部21、22の水平面部21B、22Bのそれぞれに球状の突起部34を設けるとともにトレイTの下面に突起部34を配置する円錐状の凹部44を設けたことにより、第1、第2保持部21、22のそれぞれはトレイTを保持した状態で回転誤差を補正できるが、トレイTの±Y側両端部の2つ凹部のうちいずれか一方の凹部を、Y軸方向に平行な稜線を有するV溝とすることにより、トレイTの回転の自由度を更に増すことができる。
【0109】
また、本実施の形態では、第1、第2保持部21、22が下降することによりトレイTにアクセスする構成であるが、ポート部10や基板ステージPSTが上昇することにより、トレイTを第1、第2保持部21、22に対してアクセスする構成であってもよい。
【0110】
また、本実施の形態では、第1、第2保持部21、22のそれぞれは1つずつ設けられている構成であるが、第1、第2保持部21、22のそれぞれを例えば2つずつ間隔をあけて設けて計4つとし、これら複数の保持部21、22でトレイTを保持するようにしてもよい。更に、第1、第2保持部21、22それぞれの設置数は2つずつに限らず、例えば3つずつや4つずつなど、任意の数に設定可能である。
【0111】
また、本実施の形態の露光装置は複数並んだ投影光学系を有するマルチレンズスキャン型露光装置であるが、投影光学系を1つ備えた走査型露光装置であってもよい。あるいは、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置にも適用することができる。
【0112】
また、本実施の形態における露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適用できる。
【0113】
本実施の形態の露光装置の光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を用いることができる。
【0114】
投影光学系PLの倍率は等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザを用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
【0115】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0116】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニットと電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0117】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0118】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0119】
以上のように、本実施の形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0120】
半導体デバイスは、図13に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材となる基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施の形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0121】
次に、本発明の基板外形位置検出装置の実施例について説明する。この実施例にかかる基板外形位置検出装置においては、計測精度に影響するディストーションを押えるために、第一対物レンズと第二対物レンズを相似系のレンズとし、開口絞りに対して対称に配置している。即ち、図14に示すように、基板外形位置検出装置は、LED80により構成される光源を備え、LED80より射出した光束は、コレクタレンズ81により平行光束とされ、拡散板82、σ絞り83を介してミラー84に入射する。ミラー84で反射された光は、コンデンサレンズ85を介してハーフプリズム86に入射し、ハーフプリズム86を透過した光により基板Pのエッジを照明する。基板Pのエッジにより反射された光は、ハーフプリズム86に入射し、ハーフプリズム86により反射された光は、第一対物レンズ67、開口絞り88及び第二対物レンズ89を介してCCD(撮像素子)90の撮像面上に結像する。ここでハーフプリズム86からの戻り光を排除するため、ハーフプリズム86の逃げ面86aにはテーパをつけて、ハーフプリズム86からの戻り光がCCD90に入射しないように構成している。
【0122】
この基板外形位置検出装置においては、第一対物レンズ群をほぼ1/2縮小して第二対物レンズ群としている。こうすることで、単独のレンズ系では横収差が残存していても全体の系では相殺することが出来るため、簡素な光学系とすることができる。
【0123】
図14に示す基板外形位置検出装置のレンズデータを(表1)に示し、収差図を図15、図16に示す。(表1)において、面番号はフォーカス面から撮像面に向かって光線の進行する方向に沿った面の順序を、rは各面の曲率半径を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔をそれぞれ示している。
【0124】
なお、(表1)において、n(A),n(C),n(r),n(s)は、A’線(λ=768.195nm)、C線(λ=656.273nm)、r線(λ=706.519nm)、s線(λ=852.110nm)に対する屈折率をそれぞれ表している。
【0125】
【表1】
【0126】
【発明の効果】
本発明の搬送装置によれば、第1の基板計測手段により矩形基板をステージ上に載置する前に搬送手段上において第2の基板計測手段で計測する矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測するため、矩形基板の外形の撓み等による計測誤差の影響を受けることなく、矩形基板の外形位置を計測することができ、回転方向の誤差を正確に計測することができる。
【0127】
また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて回転方向の位置の補正が行なわれた矩形基板をステージ上に載置することができるため、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができるため、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0128】
また、第1の基板計測手段により計測された計測値または補正手段により補正された補正量に誤りがあった場合においても、第2の基板計測手段の計測値が閾値を超えているか否かの判定を行うことにより、矩形基板の回転方向の位置の再補正を行うことができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに再載置することができる。
【0129】
また、本発明の露光装置によれば、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、ステージ上に載置する前に矩形基板の回転方向の位置の補正を行い、回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測手段の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができる。従って、良好な重ね合わせ露光を行うことができ、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0130】
また、本発明の基板計測装置によれば、光路合成手段を備えることにより、照明光学系からの光が対物光学系を通過しないため、対物光学系からの戻り光であるフレアの影響を受けることなく、矩形基板の位置を正確に計測することができる。また、N.A.ill>N.A.Imageを満足しているため、矩形基板の表面が傾いている場合においても、矩形基板により反射された光の受光量の変化が少なく、矩形基板の位置計測の誤差を最小に抑えることができる。
【0131】
また、本発明の基板搬送方法によれば、第1の基板計測工程の計測値に基づいて回転方向の位置の補正が行なわれた矩形基板をステージ上に載置することができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに載置することができる。また、第1の基板計測工程の計測値に基づいて行なわれた回転方向の補正に回転方向の誤差が残存している場合であっても、ステージの回転で基板の回転方向の補正を行うことができるため、露光処理におけるスループットを高く保持することができる。
【0132】
また、第1の基板計測工程により計測された計測値または補正工程により補正された補正量に誤りがあった場合においても、第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えているか否かの判定を行うことにより、矩形基板の回転方向の位置の再補正を行うことができる。従って、干渉計の計測精度等によりステージの回転方向への回転量が制限されている場合においても、矩形基板の回転誤差をステージの回転許容範囲内としてステージに再載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる搬送装置を備えた露光装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる搬送装置を備えた露光装置の概略斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる検出手段及び位置調整手段を備えたポート部の概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる搬送トレイ及び基板を支持したポート部を上方から見た図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる検出手段の配置を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる搬送手段に支持されている搬送トレイを説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる基板外形位置検出装置による計測位置を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる基板外形位置検出装置の構成図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる基板外形位置検出装置の結像系の瞳面における照明光と開口絞りの様子を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかる基板外形位置検出装置の構成図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかる搬送方法の実施の形態を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態にかかる搬送方法の実施の形態を示す動作図である。
【図13】本発明の実施の形態にかかる半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施例にかかる基板外形位置検出装置の構成図である。
【図15】本発明の実施例にかかる基板外形位置検出装置の光学系の収差図である。
【図16】本発明の実施例にかかる基板外形位置検出装置の光学系の収差図である。
【符号の説明】
1…基板支持部(保持部)、2…トレイ支持部(保持部)、6…ステージ装置(位置調整手段)、10…ポート部(搬送手段)、13…検出装置(検出手段)、20…搬送部(搬送手段)、21…第1保持部(駆動手段)、22…第2保持部(駆動手段)、31、32…駆動部(駆動手段)、35(35A,35B)…基板外形位置検出装置(第1の基板計測手段)、50…移動鏡、56a,56b,56c…ポテンショメータ(第2の基板計測手段)、EX…露光装置、H…搬送装置、P…基板、PST…基板ステージ、PL…投影光学系、T…トレイ(搬送トレイ)。
Claims (15)
- 露光を行うための矩形基板を搬送する搬送手段と、
前記矩形基板をステージ上に載置する前に前記搬送手段上において前記矩形基板の外形位置を計測する第1の基板計測手段と、
前記矩形基板を前記ステージ上に載置するための基板載置手段と、
前記矩形基板を前記ステージ上に載置した状態で該ステージに対する前記矩形基板の外形位置を計測するための第2の基板計測手段と
を備える基板搬送装置において、
前記第1の基板計測手段は、前記第2の基板計測手段で計測する前記矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測することを特徴とする基板搬送装置。 - 前記搬送手段は、前記第1の基板計測手段の計測値に基づいて、前記矩形基板の回転方向の補正を行う補正手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
- 前記第2の基板計測手段の計測値が閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により計測値が閾値を超えていると判定された場合には、前記基板載置手段により再度前記矩形基板を受け取る基板受取手段と、
前記第1の基板計測手段の計測値及び前記第2の基板計測手段の計測値の少なくとも何れか一方に基づいて、前記矩形基板の回転補正量を決定する回転補正量決定手段と、
前記回転補正量決定手段により決定された回転補正量に基づいて、前記基板載置手段により前記矩形基板の回転方向の補正を行う再補正手段とを備え、
前記矩形基板の回転方向の補正を行った後に、前記基板載置手段により、前記矩形基板を前記ステージ上に再載置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板搬送装置。 - 前記第1の基板計測手段は、前記矩形基板の少なくとも1辺において2点以上の計測を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の基板搬送装置。
- 前記第2の基板計測手段にて計測される前記基板に対する計測位置は、前記第1の基板計測手段にて計測される位置を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の基板搬送装置。
- 前記第1の基板計測手段は、露光装置本体に設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の基板搬送装置。
- 前記第1の基板計測手段は、前記矩形基板のエッジを光学的に計測することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の基板搬送装置。
- 前記第1の基板計測手段は、前記矩形基板のエッジに向けて照明光を供給するための照明光学系と、前記矩形基板のエッジにて反射された光に基づいて、前記矩形基板のエッジの像を形成するための対物光学系とを備え、
前記対物光学系は、少なくとも前記矩形基板側がテレセントリックとなるように配置された開口絞りを有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の基板搬送装置。 - 前記第1の基板計測手段の前記矩形基板側の照明開口数をN.A.illとし、前記対物光学系の前記矩形基板側の結像開口数をN.A.Imageとするとき、
N.A.ill>N.A.Image
を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の基板搬送装置。 - 前記第1の基板計測手段は、前記照明光学系の前記矩形基板側の光路と、
前記対物光学系の前記矩形基板側の光路とを合成し、合成された光路を前記矩形基板に向けて形成する光路合成手段とを備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の基板搬送装置。 - パターンが露光される矩形基板を支持する基板ステージを備えた露光装置において、
前記基板ステージに対して前記矩形基板を搬送する基板搬送装置を備え、
前記基板搬送装置は、請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の基板搬送装置により構成されることを特徴とする露光装置。 - 矩形基板のエッジに向けて照明光を供給するための照明光学系と、前記矩形基板のエッジにて反射された光に基づいて、前記矩形基板のエッジの像を形成るための対物光学系と、
前記照明光学系の前記矩形基板側の光路と、前記対物光学系の前記矩形基板側の光路とを合成し、合成された光路を前記矩形基板に向けて形成する光路合成手段とを備え、
前記照明光学系の前記矩形基板側の照明開口数をN.A.illとし、前記対物光学系の前記矩形基板側の結像開口数をN.A.Imageとするとき、
N.A.ill>N.A.Image
を満足することを特徴とする基板計測装置。 - 露光を行うための矩形基板を搬送手段に載置する第1の基板載置工程と、
前記矩形基板を露光装置のステージ上に載置する前に前記搬送手段上において前記矩形基板の外形位置を計測する第1の計測工程と、
前記第1の計測工程の計測値に基づいて前記矩形基板の回転方向の補正を行う補正工程と、
前記補正工程により回転方向の補正を行った前記矩形基板を前記ステージ上に載置する第2の基板載置工程と
を含むことを特徴とする基板搬送方法。 - 前記矩形基板を前記ステージ上に載置した状態で該ステージに対する前記矩形基板の外形位置を計測する第2の基板計測工程と、
前記第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えたか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により、前記第2の基板計測工程の計測値が閾値を超えたと判定された場合に、基板載置手段により前記矩形基板を受け取る基板受取工程と、
前記第1の計測工程における計測値及び前記第2の計測工程における計測値の少なくとも一方に基づいて、前記矩形基板の回転方向の補正を行う再補正工程と、
前記再補正工程により回転方向の補正を行った前記矩形基板を再度前記ステージ上に載置する再載置工程と
を含むことを特徴とする請求項13に記載の基板搬送方法。 - 前記第1の基板計測工程は、前記第2の基板計測工程で計測する前記矩形基板の辺のうち少なくとも一辺の位置を計測することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の基板搬送方法。
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