JP2005025083A - 液体現像剤のクリーニング装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体現像剤による画像形成後に、像担持体に残留した未転写現像剤を安定して除去し搬送することができるクリーニング装置および画像形成装置を提供することである。
【解決手段】感光体11から未転写現像剤を除去するクリーニングブレード22と、この下方に配置された現像剤受部25と、この受部25の上方に設けた回転軸26と可撓性の羽根27とを有し、下方に位置する羽根27の先端が受部25に溜まった未転写現像剤をすくい取るように配置された羽根車28と、未転写現像剤を保持した羽根27と接触し、現像剤搬送装置23の入口部33に配置された突起部材29と、羽根27から排出された未転写現像剤を収容すると共に一端に排出口が設けられた搬送路31とこの搬送路31内に収容された未転写現像剤を排出口に搬送する搬送手段32とを有する現像剤搬送装置23とを備えたクリーニング装置21である。
【選択図】 図1
【解決手段】感光体11から未転写現像剤を除去するクリーニングブレード22と、この下方に配置された現像剤受部25と、この受部25の上方に設けた回転軸26と可撓性の羽根27とを有し、下方に位置する羽根27の先端が受部25に溜まった未転写現像剤をすくい取るように配置された羽根車28と、未転写現像剤を保持した羽根27と接触し、現像剤搬送装置23の入口部33に配置された突起部材29と、羽根27から排出された未転写現像剤を収容すると共に一端に排出口が設けられた搬送路31とこの搬送路31内に収容された未転写現像剤を排出口に搬送する搬送手段32とを有する現像剤搬送装置23とを備えたクリーニング装置21である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体現像剤を使用した複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置において、画像形成後に像担持体に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのクリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乾式現像剤を使用した画像形成装置は、画像形成後に感光体(像担持体)に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのクリーニング装置を備えている。図10は、従来のクリーニング装置を備えた画像形成装置の一例を示す断面図である。同図に示すように、このクリーニング装置105では、画像形成後に感光体11に残留した未転写現像剤が、感光体11に当接して配置されたクリーニングブレード(現像剤除去部材)101により掻き取られて感光体11から除去されると共に、クリーニングブレード101の感光体回転方向上流側でかつ感光体の軸方向に沿って延設されたクリーニングロール102に担持される。このクリーニングロール102は、表面がゴム、発泡材料などで形成されており、感光体11の表面に接触している。クリーニングロール102に担持された未転写現像剤は、掻き取りブレード104により掻き取られて現像剤搬送装置103上に供給される。一般に、現像剤搬送装置103としては、例えばスクリューの回転により未転写現像剤を搬送する機構を有したものが使用されている。未転写現像剤は、上記のような現像剤搬送装置103により搬送され、排出口を通じて回収される。回収された未転写現像剤は、図示しないトナー容器に戻されて再利用されるか、あるいは廃棄される。
【0003】
特許文献1には、像担持体から除去した廃トナーを像担持体の一端側に搬送する搬送手段に清掃部材を設け、搬送手段の搬送動作に伴って像担持体の清掃も行う乾式現像剤用のクリーニング装置が開示されている。特許文献2には、搬送路内に駆動ローラと従動ローラとを設け、これらのローラ間にエンドレスベルトを掛け渡し、このエンドレスベルトの外周に、先端を搬送路の内面に押し当てて弾性フィンを設けてなる乾式現像剤用のトナー回収装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−335015号公報
【特許文献2】
特開平8−123275号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなクリーニング装置105は、乾式現像剤に適するように構成されているため、乾式現像剤や粘度の低い液体現像剤の場合には未転写現像剤を安定して現像剤搬送装置103に供給することができるが、比較的粘度の高い液体現像剤の場合には未転写現像剤がクリーニングロール102や掻き取りブレード104に付着し、そこで滞留することがあるため、未転写現像剤を安定して現像剤搬送装置103に供給できないという問題がある。また、特許文献1および特許文献2に記載のクリーニング装置およびトナー回収装置を液体現像剤を使用する画像形成装置に適用すると、未転写現像剤が高粘度である場合には、搬送部材などに未転写現像剤が付着して未転写現像剤を効率よく搬送できないことがある。
【0006】
したがって、像担持体に残留した液体現像剤、特に比較的粘度の高い液体現像剤を安定して除去し搬送することができるクリーニング装置の開発が必要とされていた。
【0007】
本発明の目的は、液体現像剤による画像形成後に、像担持体に残留した未転写現像剤を安定して除去し搬送することができる液体現像剤のクリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明にかかる液体現像剤のクリーニング装置は、液体現像剤による画像形成後に像担持体に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのものであって、前記像担持体から未転写現像剤を除去する現像剤除去手段と、この現像剤除去手段の下方に位置しかつ前記像担持体の軸方向に沿って延設された現像剤受部と、この現像剤受部の上方に設けた回転軸とこの回転軸の周面から放射状に延設された複数の可撓性の羽根とを有すると共に、下方に位置する前記羽根の先端が前記現像剤受部に溜まった前記未転写現像剤をすくい取るように配置された羽根車と、未転写現像剤を保持した前記羽根の少なくとも先端と接触して未転写現像剤が前記羽根から現像剤搬送装置内に排出されるように配置された突起部材と、前記羽根から排出された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた搬送路とこの搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送する搬送手段とを有する現像剤搬送装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
このクリーニング装置では、現像剤除去手段の下方に位置する現像剤受部に溜まった未転写現像剤は、羽根車が回転することにより羽根に保持され、現像剤搬送装置の近傍まで移動する。そして、羽根の少なくとも先端と接触するように配置された突起部材に、未転写現像剤を保持した可撓性の羽根が接触すると、この羽根は撓んで変形する。さらに羽根車が回転すると、この羽根は、突起部材を通過し、撓みのない元の形状に戻る。このような羽根の形状変化によって、羽根に保持された未転写現像剤が羽根から落下し、現像剤搬送装置内に排出される。羽根から排出された未転写現像剤は、搬送手段により排出口に搬送され、この排出口から回収される。これにより、像担持体に残留した未転写現像剤を、途中で滞留させることなく、安定して除去し搬送することができる。
【0010】
本発明の画像形成装置は、像担持体と、この像担持体上に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、画像形成後に前記像担持体に残留した未転写現像剤を除去し搬送する前記クリーニング装置とを備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体現像剤のクリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置では、帯電器38および図示しない露光装置により静電潜像が形成された感光体(像担持体)11上に、現像スリーブ(現像剤担持体)12に担持された液体現像剤を供給して静電潜像を可視化する。
可視化されたトナー像は、中間転写ロール13に転写され、さらにこの転写像が図示しない用紙などの記録媒体に転写され定着される。この画像形成装置は、画像形成後に感光体11に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのクリーニング装置21を備えている。
【0012】
このクリーニング装置21は、感光体11から未転写現像剤を除去するクリーニングブレード(現像剤除去手段)22と、このクリーニングブレード22の下方に位置しかつ感光体11の軸方向に沿って延設された現像剤受部25と、この現像剤受部25の上方に設けた回転軸26とこの回転軸26の周面から放射状に延設された複数の可撓性の羽根27とを有すると共に、現像剤受部25に溜まった未転写現像剤をすくい取るために、下方に位置する羽根27の先端が現像剤受部25に接触または近接するように配置された羽根車28と、未転写現像剤を保持した羽根27の少なくとも先端と接触して未転写現像剤が羽根27から現像剤搬送装置23内に排出されるように現像剤搬送装置23の現像剤入口部33またはその近傍に配置された突起部材29と、羽根27から排出された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた搬送路31とこの搬送路31内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送する搬送手段32とを有する現像剤搬送装置23とを備えている。現像剤受部25と感光体11との隙間は、クリーニングブレード22により除去された未転写現像剤が上記隙間から現像剤受部25の下方にこぼれ落ちないように、シール30により塞がれている。
【0013】
このクリーニング装置21では、現像剤受部25に溜まった未転写現像剤は、羽根車28が矢印方向へ回転することによって、先端が現像剤受部25に接触または近接する羽根27に保持され、現像剤搬送装置23の近傍まで移動する。そして、この現像剤搬送装置23の入口部33に配置された突起部材29に、未転写現像剤を保持した可撓性の羽根27が接触すると、この羽根27は撓んで変形する。さらに羽根車28が回転すると、この羽根27は、突起部材29を通過し、撓みのない元の形に戻る。このような羽根27の形状変化によって、羽根27に保持された未転写現像剤が羽根27から落下し、入口部33を通じて現像剤搬送装置23内に排出される。
【0014】
羽根27は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの軟質樹脂、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの軟質ゴムが挙げられる。
【0015】
羽根27の厚みは、現像剤受部25に溜まった未転写現像剤をすくい取って現像剤搬送装置の近傍まで保持できる程度の剛性と、突起部材29との接触により撓んで変形する可撓性とを備えるように、使用する材料に応じて適宜設定すればよい。羽根27の枚数は、特に限定されるものではないが、2〜8枚程度、好ましくは4〜6枚程度であるのがよい。また、羽根車24の回転速度は、羽根27の材質、厚み、枚数、未転写現像剤の粘度などに応じて適宜決定すればよい。羽根27の先端と現像剤受部25との距離は、現像剤受部25に収容された未転写現像剤を効率よく担持するという点で、0〜3mm、好ましくは0〜2mm程度であるのがよい。
【0016】
突起部材29は、羽根27の少なくとも先端と接触するように配置されていればよく、形状等は特に限定されるものではない。したがって、突起部材29は、例えば羽根車28の軸26に沿って延設された板状の部材であってもよく、軸26に沿って複数配置された棒状の部材であってもよい。突起部材29の材料としては、比較的剛性の高い各種金属や樹脂を使用することができる。
【0017】
現像剤搬送装置23における搬送手段32としては、従来から一般に使用されているものがいずれも使用可能である。搬送手段32としては、螺旋状のスクリュー型が一般的であるが、このようなスクリュー型の場合、液体現像剤の搬送効率を向上させる点で、搬送手段32の大半の部分が、搬送路31およびこの搬送路31から延設されたケーシング34により覆われているのが好ましい。以下、本発明において使用可能な現像剤搬送装置の他の形態を示す。
【0018】
図2は、本発明における現像剤搬送装置の他の形態を示す断面図である。この現像剤搬送装置231は、除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口39が設けられた未転写現像剤の搬送路311と、この搬送路311内に収容された未転写現像剤を排出口39に搬送するためのスクリュー型の搬送手段321とを備えている。この搬送手段321は、搬送路311に沿って延設された回転軸35と、この回転軸35に螺旋状に取り付けられた羽根36と、その先端に取り付けられた刷毛37とからなる。刷毛37の先端は搬送路311の壁面に接触している。そして、回転軸35の回転とともに羽根36および刷毛37が回転し、搬送路311内の未転写現像剤が排出口39に搬送され回収される。
【0019】
ここで、液体現像剤が高粘度である場合には、供給手段24により現像剤搬送装置231に供給された未転写現像剤をより効率よく排出口39まで搬送するために、図2に示す現像剤搬送装置231に代えて、例えば図3〜9に示すような現像剤搬送装置232〜234を用いるのが好ましい。
【0020】
図3は、本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す断面図であり、図4は、この現像剤搬送装置に備えられた搬送手段を示す斜視図である。図3および図4に示すように、この現像剤搬送装置232は、感光体11から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口51が設けられた未転写現像剤の搬送路312と、この搬送路312内に収容された未転写現像剤を排出口51に搬送するための搬送手段322とを備えている。
【0021】
この搬送手段322は、搬送路312内に該搬送路312の長手方向に沿って複数配列されかつ往復動可能に収容された可撓性舌部41と、これらの舌部41の上部において複数の舌部41を保持する舌部支持材42と、舌部支持材42の一端に配置された駆動手段43とを備えている。舌部41は、下端が搬送路312底面の未転写現像剤50を排出口51に向かって押し出すように排出口51側に向かって傾斜している。舌部支持材42は、ガイド部44,45において支持されている。
【0022】
舌部41は、駆動手段43により搬送路312内を往復動する。駆動手段43は、図示しないモータと、このモータに接続されたギア47と、舌部支持材42の一端に当接したカム46と、ギア47の回転をカム46に伝える軸48とを備えている。また、舌部支持材42の他端には、ばね49が取り付けられている。そして、前記モータが回転することによって、舌部支持材42および舌部41が搬送路312内を現像剤搬送方向Aおよびその逆方向Bに往復動する。このとき、舌部41の少なくとも下端は、搬送路312の底面に接触している。これにより、現像剤搬送装置上に供給された未転写現像剤50は、上記した往復動の繰り返しにより現像剤搬送方向Aへ搬送され、排出口51を通じて排出される。
【0023】
舌部41は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの軟質樹脂、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの軟質ゴムが挙げられる。舌部支持材42の材料としては、比較的剛性の高い各種金属や樹脂を使用するのが好ましいが、舌部41と同じ可撓性材料を使用し、必要に応じて比較的剛性の高い材料で補強することもできる。
【0024】
舌部支持材42および舌部41は、樹脂、ゴム、金属などを成形する公知の方法を用いて成形することができる。また、舌部支持材42および舌部41の材料として可撓性材料を使用する場合には、同時に一体成形することもできる。図3および図4に示す舌部支持材42および舌部41は、可撓性材料を長尺の平板状に成形した後、等間隔に切り込みを入れて、この切り込み部分を下方に折り曲げることにより舌部41を複数形成したものである。したがって、舌部支持材42には複数の開口部42aが形成されている。この開口部42aは、羽根車28の羽根27から供給された未転写現像剤が、舌部支持材42上に堆積して滞留せずに搬送路312へ順次落下するようにする役割をも果たしている。
【0025】
図5は、本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す部分断面図であり、図6は、この現像剤搬送装置に備えられた搬送手段を示す斜視図である。
図5および図6に示すように、この現像剤搬送装置233は、感光体11から除去された未転写現像剤73を収容すると共に長手方向の一端に排出口61が設けられた未転写現像剤の搬送路313と、この搬送路313内に収容された未転写現像剤を排出口61に搬送するための搬送手段323とを備えている。
【0026】
この搬送手段323は、搬送路313内に該搬送路313の長手方向に沿って往復動可能に収容されたブラシ62と、このブラシ62の一端に配置された駆動手段63とを備えている。ブラシ62は、搬送路313の長手方向と平行な回転軸64と、この回転軸64の外周面に植設された可撓性のブラシ材65とからなる。ブラシ材65は、搬送路313内の未転写現像剤を排出口61に向かって押し出すように排出口61側に向かって傾斜している。回転軸64は、ガイド部66,67において支持されている。
【0027】
ブラシ62は、駆動手段63により搬送路313内を回転しながら往復動する。駆動手段63は、図示しないモータと、このモータに接続されたギア68と、回転軸64の一端に当接したカム70と、ギア68の回転をカム70に伝える軸69とを備え、さらに回転軸64に設けられたギア71と、このギア71に接続された図示しないモータとを備えている。また、回転軸64の他端には、ばね72が取り付けられている。そして、前記モータが回転することによって、ブラシ62が搬送路313内を現像剤搬送方向Aおよびその逆方向Bに往復動するとともに、回転軸64を中心に回転する。このとき、下方に向いているブラシ材65の少なくとも下端は、搬送路313の底面に接触している。これにより、羽根27から現像剤搬送装置233上に供給された未転写現像剤73は、上記した往復動の繰り返しにより現像剤搬送方向Aへ搬送され、排出口61を通じて排出される。なお、この現像剤搬送装置233では、回転軸64を回転させずに、ブラシ62を往復動させるだけでもよい。
【0028】
ブラシ材65は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、舌部41の説明で例示したものと同様のものを使用することができる他、可撓性を有していることを条件として金属も使用することができる。回転軸64は、剛性のある樹脂、金属などにより形成されている。
【0029】
図7(a),(b)は、本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す部分断面図であり、図8は、この現像剤搬送装置における搬送部材およびホルダを示す斜視図であり、図9は、搬送部材およびホルダを往復動させるための駆動手段を示す部分断面図である。
【0030】
図7〜図9に示すように、この現像剤搬送装置234は、感光体11から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口81が設けられた未転写現像剤の搬送路314と、この搬送路314内に該搬送路314の長手方向に沿って往復動可能に収容され搬送路314内の未転写現像剤を吸収する吸液部材82と、この吸液部材82を装着するためのホルダ83と、このホルダ83が螺合するねじ溝を外周面に設けたねじ棒84と、排出口81の縁部に設けられ吸液部材82に吸収された未転写現像剤を排出させるための排液部材85とを備えている。ねじ棒84は、ガイド部86,87において支持されている。
【0031】
図9に示すように、吸液部材82を装着したホルダ83は挿通口88を備えており、この挿通口88内には、ねじ棒84のねじ溝に対応した凸部89が形成されている。また、ホルダ83は挿通口90を備えており、この挿通口90にはねじ棒84と平行に延設されたガイド用レール91が挿通されている。ガイド用レール91の両端は、搬送路314における長手方向の両側面にそれぞれ固定されている。ねじ棒84の一端には、図示しないモータが接続されている。そして、このモータが回転することによって、ねじ棒84が回転してホルダ83が移動する。ねじ棒84の回転方向を逆にすると、ホルダ83が反対方向に移動する。このようにして、吸液部材82を装着したホルダ83が搬送路314内を往復動する。このとき、吸液部材82の下面は、搬送路314の底面に接触している。
【0032】
吸液部材82が搬送路314の底面に接触しながら現像剤搬送方向Aへ移動する際には、搬送路314の底面に存在する未転写現像剤が吸液部材82中に含浸しあるいは吸液部材82の表面に担持されて現像剤搬送方向A側へ搬送される。そして、搬送されてきた未転写現像剤は、排出口81の縁部に設けられた排液部材85により吸液部材82が圧縮されることによって排出され(絞り出され)あるいは除去されて排出口81を通じて排出される。未転写現像剤を排出して回収した後、ねじ棒84を逆方向に回転させて、図8(a)に示すようにホルダ83を方向Bへ移動させる。このような往復動作を繰り返すことにより、未転写現像剤を効率よく搬送し回収することができる。
【0033】
したがって、低粘度ないし中粘度の未転写現像剤は吸液部材に容易に吸収されて担持され、一方、高粘度の未転写現像剤は、吸液部材に吸収されにくい場合であっても、吸液部材の表面に担持されるので、粘度にかかわらず、未転写現像剤を効率よく搬送し回収することができる。
【0034】
吸液部材82としては、吸液性の材料であれば特に限定されず、例えば軟質樹脂や軟質ゴムなどに発泡剤を添加して成形した軟質発泡材料の他、高吸水性樹脂、布、不織布などの吸液部材を使用することもできる。発泡樹脂としては、例えば発泡剤を添加して成形したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0035】
上記した各現像剤搬送装置231〜234において、搬送路311〜314は、長手方向の排出口側が低くなるように傾斜しているのが好ましい。これにより、未転写現像剤が現像剤搬送方向Aの逆方向B側に流れるのを防止することができると共に、搬送手段による搬送効果に加えて、未転写現像剤の自重による搬送効果も期待できるので、未転写現像剤の搬送効率をさらに向上させることができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
【0037】
例えば、上記実施形態では、現像剤除去手段としてクリーニングブレードを用いた場合について説明したが、本発明では、現像剤除去手段としては、画像形成後に像担持体に残留した未転写現像剤を除去できるものであれば、いずれも使用可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、現像剤除去手段により像担持体から除去され現像剤受部に溜まった未転写現像剤を前記した羽根車の羽根ですくい取り、この羽根に保持された未転写現像剤を突起部材により現像剤搬送装置内に排出し、さらにこの現像剤搬送装置により搬送できるので、像担持体に残留した未転写現像剤を、途中で滞留させることなく、安定して除去し搬送することができる。これにより、画像形成装置を安定して稼働させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置を示す断面図である。
【図2】本発明における現像剤搬送装置の他の形態を示す断面図である。
【図3】本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す断面図である。
【図4】図3の現像剤搬送装置に備えられた搬送手段を示す斜視図である。
【図5】本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す断面図である。
【図6】図5の現像剤搬送装置に備えられた搬送手段を示す斜視図である。
【図7】(a),(b)は、本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す部分断面図である。
【図8】図7の現像剤搬送装置における搬送部材およびホルダを示す斜視図である。
【図9】搬送部材およびホルダを往復動させるための駆動手段を示す部分断面図である。
【図10】従来のクリーニング装置を備えた画像形成装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11・・・感光体(像担持体)、12・・・現像スリーブ(現像剤担持体)、13・・・中間転写ロール、21・・・クリーニング装置、22・・・クリーニングブレード、23,231,232,233,234・・・搬送装置、25・・・現像剤受部、26・・・回転軸、27・・・羽根、28・・・羽根車、29・・・突起部材、30・・・シール、31,311,312,313,314・・・搬送路、32,321,322,323・・・搬送手段、33・・・現像剤入口部、34・・・ケーシング、35・・・回転軸、36・・・羽根、37・・・刷毛、39・・・排出口、41・・・舌部、42・・・舌部支持材、43・・・駆動手段、44,45・・・ガイド部、46・・・カム、47・・・ギア、48・・・軸、49・・・ばね、50・・・未転写現像剤、51,61・・・排出口、62・・・ブラシ、63・・・駆動手段、64・・・回転軸、65・・・ブラシ材、66,67・・・ガイド部、68・・・ギア、69・・・軸、70・・・カム、71・・・ギア、72・・・ばね、73・・・未転写現像剤、81・・・排出口、82・・・吸液部材、83・・・ホルダ、84・・・ねじ棒、85・・・排液部材、86,87・・・ガイド部、88・・・挿通口、89・・・凸部、90・・・挿通口、91・・・ガイド用レール
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体現像剤を使用した複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置において、画像形成後に像担持体に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのクリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乾式現像剤を使用した画像形成装置は、画像形成後に感光体(像担持体)に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのクリーニング装置を備えている。図10は、従来のクリーニング装置を備えた画像形成装置の一例を示す断面図である。同図に示すように、このクリーニング装置105では、画像形成後に感光体11に残留した未転写現像剤が、感光体11に当接して配置されたクリーニングブレード(現像剤除去部材)101により掻き取られて感光体11から除去されると共に、クリーニングブレード101の感光体回転方向上流側でかつ感光体の軸方向に沿って延設されたクリーニングロール102に担持される。このクリーニングロール102は、表面がゴム、発泡材料などで形成されており、感光体11の表面に接触している。クリーニングロール102に担持された未転写現像剤は、掻き取りブレード104により掻き取られて現像剤搬送装置103上に供給される。一般に、現像剤搬送装置103としては、例えばスクリューの回転により未転写現像剤を搬送する機構を有したものが使用されている。未転写現像剤は、上記のような現像剤搬送装置103により搬送され、排出口を通じて回収される。回収された未転写現像剤は、図示しないトナー容器に戻されて再利用されるか、あるいは廃棄される。
【0003】
特許文献1には、像担持体から除去した廃トナーを像担持体の一端側に搬送する搬送手段に清掃部材を設け、搬送手段の搬送動作に伴って像担持体の清掃も行う乾式現像剤用のクリーニング装置が開示されている。特許文献2には、搬送路内に駆動ローラと従動ローラとを設け、これらのローラ間にエンドレスベルトを掛け渡し、このエンドレスベルトの外周に、先端を搬送路の内面に押し当てて弾性フィンを設けてなる乾式現像剤用のトナー回収装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−335015号公報
【特許文献2】
特開平8−123275号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなクリーニング装置105は、乾式現像剤に適するように構成されているため、乾式現像剤や粘度の低い液体現像剤の場合には未転写現像剤を安定して現像剤搬送装置103に供給することができるが、比較的粘度の高い液体現像剤の場合には未転写現像剤がクリーニングロール102や掻き取りブレード104に付着し、そこで滞留することがあるため、未転写現像剤を安定して現像剤搬送装置103に供給できないという問題がある。また、特許文献1および特許文献2に記載のクリーニング装置およびトナー回収装置を液体現像剤を使用する画像形成装置に適用すると、未転写現像剤が高粘度である場合には、搬送部材などに未転写現像剤が付着して未転写現像剤を効率よく搬送できないことがある。
【0006】
したがって、像担持体に残留した液体現像剤、特に比較的粘度の高い液体現像剤を安定して除去し搬送することができるクリーニング装置の開発が必要とされていた。
【0007】
本発明の目的は、液体現像剤による画像形成後に、像担持体に残留した未転写現像剤を安定して除去し搬送することができる液体現像剤のクリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明にかかる液体現像剤のクリーニング装置は、液体現像剤による画像形成後に像担持体に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのものであって、前記像担持体から未転写現像剤を除去する現像剤除去手段と、この現像剤除去手段の下方に位置しかつ前記像担持体の軸方向に沿って延設された現像剤受部と、この現像剤受部の上方に設けた回転軸とこの回転軸の周面から放射状に延設された複数の可撓性の羽根とを有すると共に、下方に位置する前記羽根の先端が前記現像剤受部に溜まった前記未転写現像剤をすくい取るように配置された羽根車と、未転写現像剤を保持した前記羽根の少なくとも先端と接触して未転写現像剤が前記羽根から現像剤搬送装置内に排出されるように配置された突起部材と、前記羽根から排出された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた搬送路とこの搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送する搬送手段とを有する現像剤搬送装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
このクリーニング装置では、現像剤除去手段の下方に位置する現像剤受部に溜まった未転写現像剤は、羽根車が回転することにより羽根に保持され、現像剤搬送装置の近傍まで移動する。そして、羽根の少なくとも先端と接触するように配置された突起部材に、未転写現像剤を保持した可撓性の羽根が接触すると、この羽根は撓んで変形する。さらに羽根車が回転すると、この羽根は、突起部材を通過し、撓みのない元の形状に戻る。このような羽根の形状変化によって、羽根に保持された未転写現像剤が羽根から落下し、現像剤搬送装置内に排出される。羽根から排出された未転写現像剤は、搬送手段により排出口に搬送され、この排出口から回収される。これにより、像担持体に残留した未転写現像剤を、途中で滞留させることなく、安定して除去し搬送することができる。
【0010】
本発明の画像形成装置は、像担持体と、この像担持体上に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、画像形成後に前記像担持体に残留した未転写現像剤を除去し搬送する前記クリーニング装置とを備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体現像剤のクリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置では、帯電器38および図示しない露光装置により静電潜像が形成された感光体(像担持体)11上に、現像スリーブ(現像剤担持体)12に担持された液体現像剤を供給して静電潜像を可視化する。
可視化されたトナー像は、中間転写ロール13に転写され、さらにこの転写像が図示しない用紙などの記録媒体に転写され定着される。この画像形成装置は、画像形成後に感光体11に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのクリーニング装置21を備えている。
【0012】
このクリーニング装置21は、感光体11から未転写現像剤を除去するクリーニングブレード(現像剤除去手段)22と、このクリーニングブレード22の下方に位置しかつ感光体11の軸方向に沿って延設された現像剤受部25と、この現像剤受部25の上方に設けた回転軸26とこの回転軸26の周面から放射状に延設された複数の可撓性の羽根27とを有すると共に、現像剤受部25に溜まった未転写現像剤をすくい取るために、下方に位置する羽根27の先端が現像剤受部25に接触または近接するように配置された羽根車28と、未転写現像剤を保持した羽根27の少なくとも先端と接触して未転写現像剤が羽根27から現像剤搬送装置23内に排出されるように現像剤搬送装置23の現像剤入口部33またはその近傍に配置された突起部材29と、羽根27から排出された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた搬送路31とこの搬送路31内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送する搬送手段32とを有する現像剤搬送装置23とを備えている。現像剤受部25と感光体11との隙間は、クリーニングブレード22により除去された未転写現像剤が上記隙間から現像剤受部25の下方にこぼれ落ちないように、シール30により塞がれている。
【0013】
このクリーニング装置21では、現像剤受部25に溜まった未転写現像剤は、羽根車28が矢印方向へ回転することによって、先端が現像剤受部25に接触または近接する羽根27に保持され、現像剤搬送装置23の近傍まで移動する。そして、この現像剤搬送装置23の入口部33に配置された突起部材29に、未転写現像剤を保持した可撓性の羽根27が接触すると、この羽根27は撓んで変形する。さらに羽根車28が回転すると、この羽根27は、突起部材29を通過し、撓みのない元の形に戻る。このような羽根27の形状変化によって、羽根27に保持された未転写現像剤が羽根27から落下し、入口部33を通じて現像剤搬送装置23内に排出される。
【0014】
羽根27は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの軟質樹脂、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの軟質ゴムが挙げられる。
【0015】
羽根27の厚みは、現像剤受部25に溜まった未転写現像剤をすくい取って現像剤搬送装置の近傍まで保持できる程度の剛性と、突起部材29との接触により撓んで変形する可撓性とを備えるように、使用する材料に応じて適宜設定すればよい。羽根27の枚数は、特に限定されるものではないが、2〜8枚程度、好ましくは4〜6枚程度であるのがよい。また、羽根車24の回転速度は、羽根27の材質、厚み、枚数、未転写現像剤の粘度などに応じて適宜決定すればよい。羽根27の先端と現像剤受部25との距離は、現像剤受部25に収容された未転写現像剤を効率よく担持するという点で、0〜3mm、好ましくは0〜2mm程度であるのがよい。
【0016】
突起部材29は、羽根27の少なくとも先端と接触するように配置されていればよく、形状等は特に限定されるものではない。したがって、突起部材29は、例えば羽根車28の軸26に沿って延設された板状の部材であってもよく、軸26に沿って複数配置された棒状の部材であってもよい。突起部材29の材料としては、比較的剛性の高い各種金属や樹脂を使用することができる。
【0017】
現像剤搬送装置23における搬送手段32としては、従来から一般に使用されているものがいずれも使用可能である。搬送手段32としては、螺旋状のスクリュー型が一般的であるが、このようなスクリュー型の場合、液体現像剤の搬送効率を向上させる点で、搬送手段32の大半の部分が、搬送路31およびこの搬送路31から延設されたケーシング34により覆われているのが好ましい。以下、本発明において使用可能な現像剤搬送装置の他の形態を示す。
【0018】
図2は、本発明における現像剤搬送装置の他の形態を示す断面図である。この現像剤搬送装置231は、除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口39が設けられた未転写現像剤の搬送路311と、この搬送路311内に収容された未転写現像剤を排出口39に搬送するためのスクリュー型の搬送手段321とを備えている。この搬送手段321は、搬送路311に沿って延設された回転軸35と、この回転軸35に螺旋状に取り付けられた羽根36と、その先端に取り付けられた刷毛37とからなる。刷毛37の先端は搬送路311の壁面に接触している。そして、回転軸35の回転とともに羽根36および刷毛37が回転し、搬送路311内の未転写現像剤が排出口39に搬送され回収される。
【0019】
ここで、液体現像剤が高粘度である場合には、供給手段24により現像剤搬送装置231に供給された未転写現像剤をより効率よく排出口39まで搬送するために、図2に示す現像剤搬送装置231に代えて、例えば図3〜9に示すような現像剤搬送装置232〜234を用いるのが好ましい。
【0020】
図3は、本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す断面図であり、図4は、この現像剤搬送装置に備えられた搬送手段を示す斜視図である。図3および図4に示すように、この現像剤搬送装置232は、感光体11から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口51が設けられた未転写現像剤の搬送路312と、この搬送路312内に収容された未転写現像剤を排出口51に搬送するための搬送手段322とを備えている。
【0021】
この搬送手段322は、搬送路312内に該搬送路312の長手方向に沿って複数配列されかつ往復動可能に収容された可撓性舌部41と、これらの舌部41の上部において複数の舌部41を保持する舌部支持材42と、舌部支持材42の一端に配置された駆動手段43とを備えている。舌部41は、下端が搬送路312底面の未転写現像剤50を排出口51に向かって押し出すように排出口51側に向かって傾斜している。舌部支持材42は、ガイド部44,45において支持されている。
【0022】
舌部41は、駆動手段43により搬送路312内を往復動する。駆動手段43は、図示しないモータと、このモータに接続されたギア47と、舌部支持材42の一端に当接したカム46と、ギア47の回転をカム46に伝える軸48とを備えている。また、舌部支持材42の他端には、ばね49が取り付けられている。そして、前記モータが回転することによって、舌部支持材42および舌部41が搬送路312内を現像剤搬送方向Aおよびその逆方向Bに往復動する。このとき、舌部41の少なくとも下端は、搬送路312の底面に接触している。これにより、現像剤搬送装置上に供給された未転写現像剤50は、上記した往復動の繰り返しにより現像剤搬送方向Aへ搬送され、排出口51を通じて排出される。
【0023】
舌部41は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの軟質樹脂、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの軟質ゴムが挙げられる。舌部支持材42の材料としては、比較的剛性の高い各種金属や樹脂を使用するのが好ましいが、舌部41と同じ可撓性材料を使用し、必要に応じて比較的剛性の高い材料で補強することもできる。
【0024】
舌部支持材42および舌部41は、樹脂、ゴム、金属などを成形する公知の方法を用いて成形することができる。また、舌部支持材42および舌部41の材料として可撓性材料を使用する場合には、同時に一体成形することもできる。図3および図4に示す舌部支持材42および舌部41は、可撓性材料を長尺の平板状に成形した後、等間隔に切り込みを入れて、この切り込み部分を下方に折り曲げることにより舌部41を複数形成したものである。したがって、舌部支持材42には複数の開口部42aが形成されている。この開口部42aは、羽根車28の羽根27から供給された未転写現像剤が、舌部支持材42上に堆積して滞留せずに搬送路312へ順次落下するようにする役割をも果たしている。
【0025】
図5は、本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す部分断面図であり、図6は、この現像剤搬送装置に備えられた搬送手段を示す斜視図である。
図5および図6に示すように、この現像剤搬送装置233は、感光体11から除去された未転写現像剤73を収容すると共に長手方向の一端に排出口61が設けられた未転写現像剤の搬送路313と、この搬送路313内に収容された未転写現像剤を排出口61に搬送するための搬送手段323とを備えている。
【0026】
この搬送手段323は、搬送路313内に該搬送路313の長手方向に沿って往復動可能に収容されたブラシ62と、このブラシ62の一端に配置された駆動手段63とを備えている。ブラシ62は、搬送路313の長手方向と平行な回転軸64と、この回転軸64の外周面に植設された可撓性のブラシ材65とからなる。ブラシ材65は、搬送路313内の未転写現像剤を排出口61に向かって押し出すように排出口61側に向かって傾斜している。回転軸64は、ガイド部66,67において支持されている。
【0027】
ブラシ62は、駆動手段63により搬送路313内を回転しながら往復動する。駆動手段63は、図示しないモータと、このモータに接続されたギア68と、回転軸64の一端に当接したカム70と、ギア68の回転をカム70に伝える軸69とを備え、さらに回転軸64に設けられたギア71と、このギア71に接続された図示しないモータとを備えている。また、回転軸64の他端には、ばね72が取り付けられている。そして、前記モータが回転することによって、ブラシ62が搬送路313内を現像剤搬送方向Aおよびその逆方向Bに往復動するとともに、回転軸64を中心に回転する。このとき、下方に向いているブラシ材65の少なくとも下端は、搬送路313の底面に接触している。これにより、羽根27から現像剤搬送装置233上に供給された未転写現像剤73は、上記した往復動の繰り返しにより現像剤搬送方向Aへ搬送され、排出口61を通じて排出される。なお、この現像剤搬送装置233では、回転軸64を回転させずに、ブラシ62を往復動させるだけでもよい。
【0028】
ブラシ材65は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、舌部41の説明で例示したものと同様のものを使用することができる他、可撓性を有していることを条件として金属も使用することができる。回転軸64は、剛性のある樹脂、金属などにより形成されている。
【0029】
図7(a),(b)は、本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す部分断面図であり、図8は、この現像剤搬送装置における搬送部材およびホルダを示す斜視図であり、図9は、搬送部材およびホルダを往復動させるための駆動手段を示す部分断面図である。
【0030】
図7〜図9に示すように、この現像剤搬送装置234は、感光体11から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口81が設けられた未転写現像剤の搬送路314と、この搬送路314内に該搬送路314の長手方向に沿って往復動可能に収容され搬送路314内の未転写現像剤を吸収する吸液部材82と、この吸液部材82を装着するためのホルダ83と、このホルダ83が螺合するねじ溝を外周面に設けたねじ棒84と、排出口81の縁部に設けられ吸液部材82に吸収された未転写現像剤を排出させるための排液部材85とを備えている。ねじ棒84は、ガイド部86,87において支持されている。
【0031】
図9に示すように、吸液部材82を装着したホルダ83は挿通口88を備えており、この挿通口88内には、ねじ棒84のねじ溝に対応した凸部89が形成されている。また、ホルダ83は挿通口90を備えており、この挿通口90にはねじ棒84と平行に延設されたガイド用レール91が挿通されている。ガイド用レール91の両端は、搬送路314における長手方向の両側面にそれぞれ固定されている。ねじ棒84の一端には、図示しないモータが接続されている。そして、このモータが回転することによって、ねじ棒84が回転してホルダ83が移動する。ねじ棒84の回転方向を逆にすると、ホルダ83が反対方向に移動する。このようにして、吸液部材82を装着したホルダ83が搬送路314内を往復動する。このとき、吸液部材82の下面は、搬送路314の底面に接触している。
【0032】
吸液部材82が搬送路314の底面に接触しながら現像剤搬送方向Aへ移動する際には、搬送路314の底面に存在する未転写現像剤が吸液部材82中に含浸しあるいは吸液部材82の表面に担持されて現像剤搬送方向A側へ搬送される。そして、搬送されてきた未転写現像剤は、排出口81の縁部に設けられた排液部材85により吸液部材82が圧縮されることによって排出され(絞り出され)あるいは除去されて排出口81を通じて排出される。未転写現像剤を排出して回収した後、ねじ棒84を逆方向に回転させて、図8(a)に示すようにホルダ83を方向Bへ移動させる。このような往復動作を繰り返すことにより、未転写現像剤を効率よく搬送し回収することができる。
【0033】
したがって、低粘度ないし中粘度の未転写現像剤は吸液部材に容易に吸収されて担持され、一方、高粘度の未転写現像剤は、吸液部材に吸収されにくい場合であっても、吸液部材の表面に担持されるので、粘度にかかわらず、未転写現像剤を効率よく搬送し回収することができる。
【0034】
吸液部材82としては、吸液性の材料であれば特に限定されず、例えば軟質樹脂や軟質ゴムなどに発泡剤を添加して成形した軟質発泡材料の他、高吸水性樹脂、布、不織布などの吸液部材を使用することもできる。発泡樹脂としては、例えば発泡剤を添加して成形したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0035】
上記した各現像剤搬送装置231〜234において、搬送路311〜314は、長手方向の排出口側が低くなるように傾斜しているのが好ましい。これにより、未転写現像剤が現像剤搬送方向Aの逆方向B側に流れるのを防止することができると共に、搬送手段による搬送効果に加えて、未転写現像剤の自重による搬送効果も期待できるので、未転写現像剤の搬送効率をさらに向上させることができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
【0037】
例えば、上記実施形態では、現像剤除去手段としてクリーニングブレードを用いた場合について説明したが、本発明では、現像剤除去手段としては、画像形成後に像担持体に残留した未転写現像剤を除去できるものであれば、いずれも使用可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、現像剤除去手段により像担持体から除去され現像剤受部に溜まった未転写現像剤を前記した羽根車の羽根ですくい取り、この羽根に保持された未転写現像剤を突起部材により現像剤搬送装置内に排出し、さらにこの現像剤搬送装置により搬送できるので、像担持体に残留した未転写現像剤を、途中で滞留させることなく、安定して除去し搬送することができる。これにより、画像形成装置を安定して稼働させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置を示す断面図である。
【図2】本発明における現像剤搬送装置の他の形態を示す断面図である。
【図3】本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す断面図である。
【図4】図3の現像剤搬送装置に備えられた搬送手段を示す斜視図である。
【図5】本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す断面図である。
【図6】図5の現像剤搬送装置に備えられた搬送手段を示す斜視図である。
【図7】(a),(b)は、本発明における現像剤搬送装置のさらに他の形態を示す部分断面図である。
【図8】図7の現像剤搬送装置における搬送部材およびホルダを示す斜視図である。
【図9】搬送部材およびホルダを往復動させるための駆動手段を示す部分断面図である。
【図10】従来のクリーニング装置を備えた画像形成装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11・・・感光体(像担持体)、12・・・現像スリーブ(現像剤担持体)、13・・・中間転写ロール、21・・・クリーニング装置、22・・・クリーニングブレード、23,231,232,233,234・・・搬送装置、25・・・現像剤受部、26・・・回転軸、27・・・羽根、28・・・羽根車、29・・・突起部材、30・・・シール、31,311,312,313,314・・・搬送路、32,321,322,323・・・搬送手段、33・・・現像剤入口部、34・・・ケーシング、35・・・回転軸、36・・・羽根、37・・・刷毛、39・・・排出口、41・・・舌部、42・・・舌部支持材、43・・・駆動手段、44,45・・・ガイド部、46・・・カム、47・・・ギア、48・・・軸、49・・・ばね、50・・・未転写現像剤、51,61・・・排出口、62・・・ブラシ、63・・・駆動手段、64・・・回転軸、65・・・ブラシ材、66,67・・・ガイド部、68・・・ギア、69・・・軸、70・・・カム、71・・・ギア、72・・・ばね、73・・・未転写現像剤、81・・・排出口、82・・・吸液部材、83・・・ホルダ、84・・・ねじ棒、85・・・排液部材、86,87・・・ガイド部、88・・・挿通口、89・・・凸部、90・・・挿通口、91・・・ガイド用レール
Claims (2)
- 液体現像剤による画像形成後に像担持体に残留した未転写現像剤を除去し搬送するためのクリーニング装置であって、
前記像担持体から未転写現像剤を除去する現像剤除去手段と、
この現像剤除去手段の下方に位置しかつ前記像担持体の軸方向に沿って延設された現像剤受部と、
この現像剤受部の上方に設けた回転軸とこの回転軸の周面から放射状に延設された複数の可撓性の羽根とを有すると共に、下方に位置する前記羽根の先端が前記現像剤受部に溜まった前記未転写現像剤をすくい取るように配置された羽根車と、
未転写現像剤を保持した前記羽根の少なくとも先端と接触して未転写現像剤が前記羽根から現像剤搬送装置内に排出されるように配置された突起部材と、
前記羽根から排出された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた搬送路とこの搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送する搬送手段とを有する現像剤搬送装置とを備えたことを特徴とするクリーニング装置。 - 像担持体と、この像担持体上に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、画像形成後に前記像担持体に残留した未転写現像剤を除去し搬送する請求項1記載のクリーニング装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003206127A JP2005025083A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 液体現像剤のクリーニング装置および画像形成装置 |
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Publications (1)
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ID=34190028
Family Applications (1)
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JP2003206127A Pending JP2005025083A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 液体現像剤のクリーニング装置および画像形成装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005025083A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009031649A (ja) * | 2007-07-30 | 2009-02-12 | Seiko Epson Corp | 現像剤搬送構造及びそれを用いた画像形成装置 |
JP2010281469A (ja) * | 2009-06-02 | 2010-12-16 | Hoshizaki Electric Co Ltd | 氷ディスペンサの氷搬送装置の洗浄方法 |
US11957285B2 (en) | 2019-09-29 | 2024-04-16 | Beijing Roborock Technology Co., Ltd. | Automatic cleaning device |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003206127A patent/JP2005025083A/ja active Pending
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JP7480326B2 (ja) | 2019-09-29 | 2024-05-09 | 北京石頭世紀科技股▲ふん▼有限公司 | 自動クリーニング装置 |
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