JP2005017591A - 液体現像剤の搬送装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体現像剤を使用した画像形成装置において、未転写現像剤を効率よく搬送することができる液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【解決手段】感光体から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口31が設けられた未転写現像剤の搬送路21と、この搬送路21内に収容された未転写現像剤を排出口31に搬送するための現像剤搬送手段とを備え、この搬送手段は、搬送路21内に該搬送路21の長手方向に沿って往復動可能に収容された可撓性舌部23を備えており、この舌部23は、下端が搬送路21底面の未転写現像剤を排出口31に向かって押し出すように排出口31側に向かって傾斜している液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置である。
【選択図】 図2
【解決手段】感光体から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口31が設けられた未転写現像剤の搬送路21と、この搬送路21内に収容された未転写現像剤を排出口31に搬送するための現像剤搬送手段とを備え、この搬送手段は、搬送路21内に該搬送路21の長手方向に沿って往復動可能に収容された可撓性舌部23を備えており、この舌部23は、下端が搬送路21底面の未転写現像剤を排出口31に向かって押し出すように排出口31側に向かって傾斜している液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体現像剤を使用した複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置において、画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乾式現像剤を使用した画像形成装置では、画像形成後に感光体(像担持体)に残留した未転写現像剤は、感光体に当接して配置されたクリーニングブレードなどにより除去される。除去された未転写現像剤は、例えば図11に示すような現像剤搬送装置により回収される。この現像剤搬送装置は、除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路101と、この搬送路101内に収容された未転写現像剤を排出口103に搬送するためのスクリュー型の現像剤搬送手段102とを備えている。この搬送手段102は、搬送路101に沿って延設された回転軸102aと、この回転軸102aに螺旋状に取り付けられた羽根102bと、その先端に取り付けられた刷毛102cとからなる。刷毛102cの先端は搬送路101の壁面に接触している。そして、回転軸102aの回転とともに羽根102bおよび刷毛102cが回転し、搬送路101内の未転写現像剤が排出口103に搬送され回収される。
【0003】
また、特許文献1には、像担持体から除去した廃トナーを像担持体の一端側に搬送する搬送手段に清掃部材を設け、搬送手段の搬送動作に伴って像担持体の清掃も行う乾式現像剤用のクリーニング装置が開示されている。特許文献2には、搬送路内に駆動ローラと従動ローラとを設け、これらのローラ間にエンドレスベルトを掛け渡し、このエンドレスベルトの外周に、先端を搬送路の内面に押し当てて弾性フィンを設けてなる乾式現像剤用のトナー回収装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−335015号公報
【特許文献2】
特開平8−123275号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液体キャリアにトナーを分散させた液体現像剤を用いて現像を行う画像形成装置は、3μm以下という微細なトナーを用いることができるので、オフセット印刷並みの高画質が実現できるだけでなく、トナー量が少なくても十分な画像濃度が得られるので経済的であるという利点を有している。
【0006】
しかしながら、このような液体現像剤を用いた画像形成装置に対して、乾式現像剤に適するように構成されている図11、特許文献1および特許文献2に記載のクリーニング装置およびトナー回収装置を適用すると、未転写現像剤が高粘度である場合には、搬送部材などに未転写現像剤が付着して未転写現像剤を効率よく搬送できないことがある。また、外周が搬送路と接触していないスクリュー型の搬送手段も知られているが、この搬送手段の場合、スクリューと搬送路との間に未転写現像剤が溜まりやすいため、未転写現像剤を効率よく搬送できないことがある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、液体現像剤を使用した画像形成装置において、未転写現像剤を効率よく搬送することができる液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の液体現像剤搬送装置および画像形成装置は、以下の構成からなる。
(1) 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、この搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送するための現像剤搬送手段とを備え、この搬送手段は、前記搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容された可撓性舌部を備えており、この舌部は、下端が搬送路底面の未転写現像剤を前記排出口に向かって押し出すように排出口側に向かって傾斜していることを特徴とする液体現像剤搬送装置。
(2) 前記舌部が軟質樹脂または軟質ゴムからなる(1)記載の液体現像剤搬送装置。
(3) 前記舌部は前記搬送路の長手方向に沿って複数が配列されており、これらの舌部は上部で舌部支持材に保持されている(1)または(2)記載の液体現像剤搬送装置。
(4) 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、この搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送するための現像剤搬送手段とを備え、この搬送手段は、前記搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容されたブラシを備えており、このブラシは前記搬送路の長手方向と平行な軸体とこの軸体の外周面に植設された可撓性のブラシ材とからなり、このブラシ材は、前記搬送路内の未転写現像剤を前記排出口に向かって押し出すように前記排出口側に向かって傾斜していることを特徴とする液体現像剤搬送装置。
(5) 前記軸体が回転軸であり、前記ブラシは回転しながら往復動するように構成されている(4)記載の液体現像剤搬送装置。
(6) 前記ブラシ材が、前記軸体の外周面に螺旋状に植設されている(4)または(5)記載の液体現像剤搬送装置。
(7) 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、この搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容され前記搬送路内の未転写現像剤を吸収する吸液部材と、前記排出口の縁部に設けられ前記吸液部材に吸収された未転写現像剤を排出させるための排液手段とを備えていることを特徴とする液体現像剤搬送装置。
(8) 前記吸液部材が軟質発泡材料で形成されている(7)記載の液体現像剤搬送装置。
(9) 前記排液手段が、軟質発泡材料からなる前記吸液部材を圧縮するための突起部材である(8)記載の液体現像剤搬送装置。
(10) 前記搬送路は、長手方向の前記排出口側が低くなるように傾斜している(1)〜(9)のいずれかに記載の液体現像剤搬送装置。
(11) 像担持体と、この像担持体上に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、画像形成後に前記像担持体から除去された未転写現像剤を回収する(1)〜(10)のいずれかに記載の液体現像剤搬送装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0009】
前記(1)および(2)記載の液体現像剤搬送装置によれば、傾斜した可撓性舌部が、搬送路の長手方向に沿って往復動するように構成されている。これにより、舌部が搬送路内を現像剤搬送方向(排出口側)に移動する際には、未転写現像剤を現像剤搬送方向へ押し出すようにして移動させることができる。一方、舌部が搬送路内を現像剤搬送方向とは反対方向に移動する際には、搬送路上に未転写現像剤が存在していても、舌部が撓んで(変形して)未転写現像剤の上を乗り越えることができ、未転写現像剤の搬送に支障をきたさない。これらの往復動を繰り返すことにより未転写現像剤を現像剤搬送方向側へ効率よく搬送することができる。
【0010】
前記(3)記載の液体現像剤搬送装置によれば、舌部は前記搬送路の長手方向に沿って複数が配列されており、これらの舌部は上部で舌部支持材に保持されているので、小刻みな往復動を繰り返すことによって未転写現像剤を現像剤搬送方向側へ搬送することができる。
【0011】
前記(4)記載の液体現像剤搬送装置によれば、傾斜した可撓性のブラシ材が、搬送路の長手方向に沿って往復動するように構成されているので、前記(1)と同様に、往復動を繰り返すことにより未転写現像剤を現像剤搬送方向側へ効率よく搬送することができる。
【0012】
前記(5)記載のように、軸体が回転軸であるときには、ブラシを回転させながら往復動させることができる。これにより、未転写現像剤の搬送効率をより向上させることができる。
【0013】
前記(6)記載の液体現像剤搬送装置によれば、ブラシ材が軸体の外周面に螺旋状に植設されているので、螺旋の間で、乾式現像装置に用いられているスパイラルと同様に現像剤を搬送することが可能であるため、効率がよくなる。
【0014】
前記(7)〜(9)記載の液体現像剤搬送装置によれば、軟質発泡材料などで形成された吸液部材が、搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容され、排出口の縁部には突起部材などの排液手段が設けられているので、搬送路内の未転写現像剤を吸液部材により吸収しあるいは吸液部材の表面に担持して現像剤搬送方向側へ搬送し、排出口の縁部において排液手段により未転写現像剤を絞り出しあるいは除去して排出口から排出することができる。
【0015】
また、前記(10)記載の液体現像剤搬送装置によれば、未転写現像剤が現像剤搬送方向の逆方向側に流れるのを防止することができると共に、未転写現像剤の自重による搬送効果も期待できるので、未転写現像剤の搬送効率をさらに向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる液体現像剤搬送装置を備えた画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置では、帯電器13および図示しない露光装置により静電潜像が形成された感光体(像担持体)12上に、現像スリーブ(現像剤担持体)11に担持された液体現像剤を供給して静電潜像を可視化する。可視化されたトナー像は、中間転写ロール14に転写され、さらにこの転写像が用紙などの記録媒体(図示せず)に転写され、定着ローラ(図示せず)などにより記録媒体に定着される。
【0017】
画像形成後、感光体12に残留する未転写現像剤は、クリーニングブレード16により掻き取られて感光体12から除去されると共に、クリーニングブレード16の感光体12の回転方向上流側でかつ感光体12の軸方向に沿って延設されたクリーニングロール15に担持される。クリーニングロール15は、その表面がゴム、発泡材料などで形成されており、感光体12の表面に接触している。クリーニングロール15に担持された未転写現像剤は、掻き取りブレード17により掻き取られて液体現像剤搬送装置19上に供給され、この液体現像剤搬送装置19により搬送され、回収される。回収された未転写現像剤は、図示しないトナー容器に戻されて再利用されるか、あるいは廃棄される。
【0018】
図2は、上記液体現像剤搬送装置19の主要部を示す断面図であり、図3は、この液体現像剤搬送装置19に備えられた現像剤搬送手段20を示す一部破断斜視図である。図1〜図3に示すように、この液体現像剤搬送装置19は、感光体12から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口31が設けられた未転写現像剤の搬送路21と、この搬送路21内に収容された未転写現像剤を排出口31に搬送するための現像剤搬送手段20とを備えている。
【0019】
この搬送手段20は、搬送路21内に該搬送路21の長手方向に沿って複数配列されかつ往復動可能に収容された可撓性舌部23と、これらの舌部23の上部において複数の舌部23を保持する舌部支持材22と、舌部支持材22の一端に配置された駆動手段32とを備えている。舌部23は、下端が搬送路21底面の未転写現像剤を排出口31に向かって押し出すように排出口31側に向かって傾斜している。舌部支持材22は、ガイド部29,30において支持されている。
【0020】
舌部23は、駆動手段32により搬送路21内を往復動する。駆動手段32は、図示しないモータと、このモータに接続されたギア26と、舌部支持材22の一端に当接したカム25と、ギア26の回転をカム25に伝える軸27とを備えている。また、舌部支持材22の他端には、ばね28が取り付けられている。そして、前記モータが回転することによって、舌部支持材22および舌部23が搬送路21内を現像剤搬送方向Aおよびその逆方向Bに往復動する。このとき、舌部23の少なくとも下端は、搬送路21の底面に接触している。これにより、液体現像剤搬送装置19上に供給された未転写現像剤24は、上記した往復動の繰り返しにより現像剤搬送方向Aへ搬送され、排出口31を通じて排出される。
【0021】
舌部23は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの軟質樹脂、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの軟質ゴムが挙げられる。
【0022】
舌部23の厚みは、使用する材料に応じて適宜決定すればよく、特に限定されないが、舌部支持材22側の厚みが厚く、下端側の厚みが薄くなるように形成されているのが好ましい。舌部23における舌部支持材22側の厚みを厚くすることで、未転写現像剤を現像剤搬送方向A側に搬送するのに十分な剛性を付与しやすくなり、一方で舌部23における下端側の厚みを薄くすることで、現像剤搬送方向とは逆方向Bに動作する際に未転写現像剤の上を乗り越えるのに必要な可撓性が損なわれない。
【0023】
また、舌部23は、図4(a),(b)に示すように、舌部支持材22側に補強板金(補強部材)32が取り付けられて補強されていてもよい。これにより、未転写現像剤を現像剤搬送方向A側に搬送するのに十分な剛性を付与しやすくなり、一方で舌部23における下端側は補強されていないので、可撓性が損なわれない。
【0024】
舌部支持材22の材料としては、比較的剛性の高い各種金属や樹脂を使用するのが好ましいが、舌部23と同じ可撓性材料を使用し、必要に応じて比較的剛性の高い材料で補強することもできる。
【0025】
舌部支持材22および舌部23は、樹脂、ゴム、金属などを成形する公知の方法を用いて成形することができる。また、舌部支持材22および舌部23の材料として可撓性材料を使用する場合には、同時に一体成形することもできる。
【0026】
図5は、本発明の他の実施形態にかかる液体現像剤搬送装置の主要部を示す部分断面図であり、図6は、この液体現像剤搬送装置に備えられた現像剤搬送手段を示す斜視図である。図5および図6に示すように、この液体現像剤搬送装置は、感光体12から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口52が設けられた未転写現像剤の搬送路41と、この搬送路41内に収容された未転写現像剤を排出口52に搬送するための現像剤搬送手段とを備えている。
【0027】
この搬送手段は、搬送路41内に該搬送路41の長手方向に沿って往復動可能に収容されたブラシ40と、このブラシ40の一端に配置された駆動手段53とを備えている。ブラシ40は、搬送路41の長手方向と平行な回転軸(軸体)42と、この回転軸42の外周面に植設された可撓性のブラシ材43とからなる。ブラシ材43は、搬送路41内の未転写現像剤を排出口52に向かって押し出すように排出口52側に向かって傾斜している。回転軸42は、ガイド部45,46において支持されている。
【0028】
ブラシ40は、駆動手段53により搬送路41内を回転しながら往復動する。駆動手段53は、図示しないモータと、このモータに接続されたギア47と、回転軸42の一端に当接したカム49と、ギア47の回転をカム49に伝える軸48とを備え、さらに回転軸42に設けられたギア50と、このギア50に接続された図示しないモータとを備えている。また、回転軸42の他端には、ばね51が取り付けられている。そして、前記モータが回転することによって、ブラシ40が搬送路41内を現像剤搬送方向Aおよびその逆方向Bに往復動するとともに、回転軸42を中心に回転する。このとき、下方に向いているブラシ材43の少なくとも下端は、搬送路41の底面に接触している。これにより、液体現像剤搬送装置上に供給された未転写現像剤44は、上記した往復動の繰り返しにより現像剤搬送方向Aへ搬送され、排出口52を通じて排出される。なお、この液体現像剤搬送装置では、回転軸42を回転させずに、ブラシ40を往復動させるだけでもよい。また、ギア50を回転させるモータは、ブラシ40の往復動に同期して往復動させるように配置されているのが好ましい。
【0029】
ブラシ材43は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、舌部23の説明で例示したものと同様のものを使用することができる他、可撓性を有していることを条件として金属も使用することができる。回転軸42は、剛性のある樹脂、金属などにより形成されている。
【0030】
ブラシ材43の径(太さ)は、使用する材料に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。また、ブラシ材43は、回転軸42から現像剤搬送方向A側に傾斜して植設されていればよく、植設位置については特に限定されない。したがって、例えば図7に示すように、ブラシ材43’を回転軸42の外周面に螺旋状に配置するようにしてもよい。
【0031】
図8(a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態にかかる液体現像剤搬送装置の主要部を示す部分断面図であり、図9は、この液体現像剤搬送装置における搬送部材およびホルダを示す斜視図であり、図10は、搬送部材およびホルダを往復動させるための駆動手段を示す部分断面図である。
【0032】
図8〜図10に示すように、この液体現像剤搬送装置は、感光体12から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口63が設けられた未転写現像剤の搬送路61と、この搬送路61内に該搬送路61の長手方向に沿って往復動可能に収容され搬送路61内の未転写現像剤を吸収する吸液部材62と、この吸液部材62を装着するためのホルダ65と、このホルダ65が螺合するねじ溝を外周面に設けたねじ棒66と、排出口63の縁部に設けられ吸液部材62に吸収された未転写現像剤を排出させるための突起部材(排液手段)64とを備えている。ねじ棒66は、ガイド部67,68において支持されている。
【0033】
図10に示すように、吸液部材62を装着したホルダ65は挿通口65aを備えており、この挿通口65a内には、ねじ棒66のねじ溝に対応した凸部65bが形成されている。また、ホルダ65は挿通口72を備えており、この挿通口72にはねじ棒66と平行に延設されたガイド用レール71が挿通されている。ガイド用レール71の両端は、搬送路61における長手方向の両側面にそれぞれ固定されている。ねじ棒66の一端には、図示しないモータが接続されている。そして、このモータが回転することによって、ねじ棒66が回転してホルダ65が移動する。ねじ棒66の回転方向を逆にすると、ホルダ65が反対方向に移動する。このようにして、吸液部材62を装着したホルダ65が搬送路61内を往復動する。このとき、吸液部材62の下面は、搬送路61の底面に接触している。
【0034】
吸液部材62が搬送路61の底面に接触しながら現像剤搬送方向Aへ移動する際には、搬送路61の底面に存在する未転写現像剤が吸液部材62中に含浸しあるいは吸液部材62の表面に担持されて現像剤搬送方向A側へ搬送される。そして、搬送されてきた未転写現像剤は、排出口63の縁部に設けられた突起部材64により吸液部材62が圧縮されることによって排出され(絞り出され)あるいは除去されて排出口63を通じて排出される。未転写現像剤を排出して回収した後、ねじ棒66を逆方向に回転させて、図8(a)に示すようにホルダ65を方向Bへ移動させる。このような往復動作を繰り返すことにより、未転写現像剤を効率よく搬送し回収することができる。
【0035】
したがって、低粘度ないし中粘度の未転写現像剤は吸液部材に容易に吸収されて担持され、一方、高粘度の未転写現像剤は、吸液部材に吸収されにくい場合であっても、吸液部材の表面に担持されるので、粘度にかかわらず、未転写現像剤を効率よく搬送し回収することができる。
【0036】
吸液部材62としては、吸液性の材料であれば特に限定されず、例えば軟質樹脂や軟質ゴムなどに発泡剤を添加して成形した軟質発泡材料の他、高吸水性樹脂、布、不織布などの吸液部材を使用することもできる。発泡樹脂としては、例えば発泡剤を添加して成形したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0037】
上記した各液体現像剤搬送装置において、搬送路21,41,61は、長手方向の排出口31,52,63側が低くなるように傾斜しているのが好ましい。これにより、未転写現像剤が現像剤搬送方向Aの逆方向B側に流れるのを防止することができると共に、搬送手段による搬送効果に加えて、未転写現像剤の自重による搬送効果も期待できるので、未転写現像剤の搬送効率をさらに向上させることができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
【0039】
例えば、上記実施形態では、ねじ棒と平行に延設されたガイド用レールをホルダの挿通口に挿通してホルダの横揺れや回転を防止する場合について説明したが、このガイド用レールを設けないで、例えばホルダの側面などにねじ棒と平行な溝を形成し、搬送路の側壁に前記溝と嵌合するガイド用レールを形成してホルダの横揺れや回転を防止するようにしてもよい。また、ガイド用レールや溝などを設けないで、ホルダが横揺れしない程度に吸液部材を搬送路の底面に押しつけて配置することによりホルダの横揺れや回転を防止するようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、吸液部材を装着したホルダを往復動させて排液手段として設けた突起部材により未転写現像剤を排出させる場合について説明したが、排液手段として平行に配置された2本のロールを用い、このロール間に軟質発泡材料、高吸水性樹脂、布、不織布などの吸液部材を通過させて吸液部材を圧縮することにより未転写現像剤を絞り出せるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を、この未転写現像剤の粘度にかかわらず現像剤搬送方向へ効率よく搬送することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる液体現像剤搬送装置を備えた画像形成装置を示す断面図である。
【図2】図1の画像形成装置に備えられた液体現像剤搬送装置の主要部を示す断面図である。
【図3】液体現像剤搬送装置に備えられた現像剤搬送手段を示す一部破断斜視図である。
【図4】(a)は、根本付近に補強板金を取り付けた舌部および舌部支持材の垂直な断面を示す横断面図であり、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかる液体現像剤搬送装置の主要部を示す部分断面図である。
【図6】液体現像剤搬送装置に備えられた現像剤搬送手段を示す斜視図である。
【図7】本発明におけるブラシの他の形態を示す正面図である。
【図8】(a),(b)は、本発明の他の実施形態にかかる液体現像剤搬送装置の主要部を示す示す部分断面図である。
【図9】搬送部材およびホルダを示す斜視図である。
【図10】搬送部材およびホルダを駆動させるための駆動手段を示す部分断面図である。
【図11】従来の画像形成装置に備えられた現像剤回収装置を示す断面図である。
【符号の説明】
11・・・現像スリーブ(現像剤担持体)、12・・・感光体(像担持体)、13・・・帯電器、14・・・中間転写ロール、15・・・クリーニングロール、16・・・クリーニングブレード、17・・・掻き取りブレード、19・・・液体現像剤搬送装置、20・・・現像剤搬送手段、21・・・搬送路、22・・・舌部支持材、23・・・舌部、24・・・未転写現像剤、25・・・カム、26・・・ギア、27・・・軸、28・・・ばね、29,30・・・ガイド部、31・・・排出口、32・・・補強板金(補強部材)、40・・・ブラシ、41・・・搬送路、42・・・回転軸(軸体)、43・・・ブラシ材、44・・・未転写現像剤、45,46・・・ガイド部、47・・・ギア、48・・・軸、49・・・カム、50・・・ギア、51・・・ばね、52・・・排出口、61・・・搬送路、62・・・吸液部材、63・・・排出口、64・・・突起部材(排液手段)、65・・・ホルダ、65a・・・挿通口、65b・・・凸部、66・・・ねじ棒、67,68・・・ガイド部、71・・・ガイド用レール、72・・・挿通口
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体現像剤を使用した複写機、プリンター、ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置において、画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乾式現像剤を使用した画像形成装置では、画像形成後に感光体(像担持体)に残留した未転写現像剤は、感光体に当接して配置されたクリーニングブレードなどにより除去される。除去された未転写現像剤は、例えば図11に示すような現像剤搬送装置により回収される。この現像剤搬送装置は、除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路101と、この搬送路101内に収容された未転写現像剤を排出口103に搬送するためのスクリュー型の現像剤搬送手段102とを備えている。この搬送手段102は、搬送路101に沿って延設された回転軸102aと、この回転軸102aに螺旋状に取り付けられた羽根102bと、その先端に取り付けられた刷毛102cとからなる。刷毛102cの先端は搬送路101の壁面に接触している。そして、回転軸102aの回転とともに羽根102bおよび刷毛102cが回転し、搬送路101内の未転写現像剤が排出口103に搬送され回収される。
【0003】
また、特許文献1には、像担持体から除去した廃トナーを像担持体の一端側に搬送する搬送手段に清掃部材を設け、搬送手段の搬送動作に伴って像担持体の清掃も行う乾式現像剤用のクリーニング装置が開示されている。特許文献2には、搬送路内に駆動ローラと従動ローラとを設け、これらのローラ間にエンドレスベルトを掛け渡し、このエンドレスベルトの外周に、先端を搬送路の内面に押し当てて弾性フィンを設けてなる乾式現像剤用のトナー回収装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−335015号公報
【特許文献2】
特開平8−123275号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液体キャリアにトナーを分散させた液体現像剤を用いて現像を行う画像形成装置は、3μm以下という微細なトナーを用いることができるので、オフセット印刷並みの高画質が実現できるだけでなく、トナー量が少なくても十分な画像濃度が得られるので経済的であるという利点を有している。
【0006】
しかしながら、このような液体現像剤を用いた画像形成装置に対して、乾式現像剤に適するように構成されている図11、特許文献1および特許文献2に記載のクリーニング装置およびトナー回収装置を適用すると、未転写現像剤が高粘度である場合には、搬送部材などに未転写現像剤が付着して未転写現像剤を効率よく搬送できないことがある。また、外周が搬送路と接触していないスクリュー型の搬送手段も知られているが、この搬送手段の場合、スクリューと搬送路との間に未転写現像剤が溜まりやすいため、未転写現像剤を効率よく搬送できないことがある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、液体現像剤を使用した画像形成装置において、未転写現像剤を効率よく搬送することができる液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の液体現像剤搬送装置および画像形成装置は、以下の構成からなる。
(1) 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、この搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送するための現像剤搬送手段とを備え、この搬送手段は、前記搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容された可撓性舌部を備えており、この舌部は、下端が搬送路底面の未転写現像剤を前記排出口に向かって押し出すように排出口側に向かって傾斜していることを特徴とする液体現像剤搬送装置。
(2) 前記舌部が軟質樹脂または軟質ゴムからなる(1)記載の液体現像剤搬送装置。
(3) 前記舌部は前記搬送路の長手方向に沿って複数が配列されており、これらの舌部は上部で舌部支持材に保持されている(1)または(2)記載の液体現像剤搬送装置。
(4) 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、この搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送するための現像剤搬送手段とを備え、この搬送手段は、前記搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容されたブラシを備えており、このブラシは前記搬送路の長手方向と平行な軸体とこの軸体の外周面に植設された可撓性のブラシ材とからなり、このブラシ材は、前記搬送路内の未転写現像剤を前記排出口に向かって押し出すように前記排出口側に向かって傾斜していることを特徴とする液体現像剤搬送装置。
(5) 前記軸体が回転軸であり、前記ブラシは回転しながら往復動するように構成されている(4)記載の液体現像剤搬送装置。
(6) 前記ブラシ材が、前記軸体の外周面に螺旋状に植設されている(4)または(5)記載の液体現像剤搬送装置。
(7) 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、この搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容され前記搬送路内の未転写現像剤を吸収する吸液部材と、前記排出口の縁部に設けられ前記吸液部材に吸収された未転写現像剤を排出させるための排液手段とを備えていることを特徴とする液体現像剤搬送装置。
(8) 前記吸液部材が軟質発泡材料で形成されている(7)記載の液体現像剤搬送装置。
(9) 前記排液手段が、軟質発泡材料からなる前記吸液部材を圧縮するための突起部材である(8)記載の液体現像剤搬送装置。
(10) 前記搬送路は、長手方向の前記排出口側が低くなるように傾斜している(1)〜(9)のいずれかに記載の液体現像剤搬送装置。
(11) 像担持体と、この像担持体上に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、画像形成後に前記像担持体から除去された未転写現像剤を回収する(1)〜(10)のいずれかに記載の液体現像剤搬送装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0009】
前記(1)および(2)記載の液体現像剤搬送装置によれば、傾斜した可撓性舌部が、搬送路の長手方向に沿って往復動するように構成されている。これにより、舌部が搬送路内を現像剤搬送方向(排出口側)に移動する際には、未転写現像剤を現像剤搬送方向へ押し出すようにして移動させることができる。一方、舌部が搬送路内を現像剤搬送方向とは反対方向に移動する際には、搬送路上に未転写現像剤が存在していても、舌部が撓んで(変形して)未転写現像剤の上を乗り越えることができ、未転写現像剤の搬送に支障をきたさない。これらの往復動を繰り返すことにより未転写現像剤を現像剤搬送方向側へ効率よく搬送することができる。
【0010】
前記(3)記載の液体現像剤搬送装置によれば、舌部は前記搬送路の長手方向に沿って複数が配列されており、これらの舌部は上部で舌部支持材に保持されているので、小刻みな往復動を繰り返すことによって未転写現像剤を現像剤搬送方向側へ搬送することができる。
【0011】
前記(4)記載の液体現像剤搬送装置によれば、傾斜した可撓性のブラシ材が、搬送路の長手方向に沿って往復動するように構成されているので、前記(1)と同様に、往復動を繰り返すことにより未転写現像剤を現像剤搬送方向側へ効率よく搬送することができる。
【0012】
前記(5)記載のように、軸体が回転軸であるときには、ブラシを回転させながら往復動させることができる。これにより、未転写現像剤の搬送効率をより向上させることができる。
【0013】
前記(6)記載の液体現像剤搬送装置によれば、ブラシ材が軸体の外周面に螺旋状に植設されているので、螺旋の間で、乾式現像装置に用いられているスパイラルと同様に現像剤を搬送することが可能であるため、効率がよくなる。
【0014】
前記(7)〜(9)記載の液体現像剤搬送装置によれば、軟質発泡材料などで形成された吸液部材が、搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容され、排出口の縁部には突起部材などの排液手段が設けられているので、搬送路内の未転写現像剤を吸液部材により吸収しあるいは吸液部材の表面に担持して現像剤搬送方向側へ搬送し、排出口の縁部において排液手段により未転写現像剤を絞り出しあるいは除去して排出口から排出することができる。
【0015】
また、前記(10)記載の液体現像剤搬送装置によれば、未転写現像剤が現像剤搬送方向の逆方向側に流れるのを防止することができると共に、未転写現像剤の自重による搬送効果も期待できるので、未転写現像剤の搬送効率をさらに向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体現像剤搬送装置およびこれを備えた画像形成装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる液体現像剤搬送装置を備えた画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置では、帯電器13および図示しない露光装置により静電潜像が形成された感光体(像担持体)12上に、現像スリーブ(現像剤担持体)11に担持された液体現像剤を供給して静電潜像を可視化する。可視化されたトナー像は、中間転写ロール14に転写され、さらにこの転写像が用紙などの記録媒体(図示せず)に転写され、定着ローラ(図示せず)などにより記録媒体に定着される。
【0017】
画像形成後、感光体12に残留する未転写現像剤は、クリーニングブレード16により掻き取られて感光体12から除去されると共に、クリーニングブレード16の感光体12の回転方向上流側でかつ感光体12の軸方向に沿って延設されたクリーニングロール15に担持される。クリーニングロール15は、その表面がゴム、発泡材料などで形成されており、感光体12の表面に接触している。クリーニングロール15に担持された未転写現像剤は、掻き取りブレード17により掻き取られて液体現像剤搬送装置19上に供給され、この液体現像剤搬送装置19により搬送され、回収される。回収された未転写現像剤は、図示しないトナー容器に戻されて再利用されるか、あるいは廃棄される。
【0018】
図2は、上記液体現像剤搬送装置19の主要部を示す断面図であり、図3は、この液体現像剤搬送装置19に備えられた現像剤搬送手段20を示す一部破断斜視図である。図1〜図3に示すように、この液体現像剤搬送装置19は、感光体12から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口31が設けられた未転写現像剤の搬送路21と、この搬送路21内に収容された未転写現像剤を排出口31に搬送するための現像剤搬送手段20とを備えている。
【0019】
この搬送手段20は、搬送路21内に該搬送路21の長手方向に沿って複数配列されかつ往復動可能に収容された可撓性舌部23と、これらの舌部23の上部において複数の舌部23を保持する舌部支持材22と、舌部支持材22の一端に配置された駆動手段32とを備えている。舌部23は、下端が搬送路21底面の未転写現像剤を排出口31に向かって押し出すように排出口31側に向かって傾斜している。舌部支持材22は、ガイド部29,30において支持されている。
【0020】
舌部23は、駆動手段32により搬送路21内を往復動する。駆動手段32は、図示しないモータと、このモータに接続されたギア26と、舌部支持材22の一端に当接したカム25と、ギア26の回転をカム25に伝える軸27とを備えている。また、舌部支持材22の他端には、ばね28が取り付けられている。そして、前記モータが回転することによって、舌部支持材22および舌部23が搬送路21内を現像剤搬送方向Aおよびその逆方向Bに往復動する。このとき、舌部23の少なくとも下端は、搬送路21の底面に接触している。これにより、液体現像剤搬送装置19上に供給された未転写現像剤24は、上記した往復動の繰り返しにより現像剤搬送方向Aへ搬送され、排出口31を通じて排出される。
【0021】
舌部23は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの軟質樹脂、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムなどの軟質ゴムが挙げられる。
【0022】
舌部23の厚みは、使用する材料に応じて適宜決定すればよく、特に限定されないが、舌部支持材22側の厚みが厚く、下端側の厚みが薄くなるように形成されているのが好ましい。舌部23における舌部支持材22側の厚みを厚くすることで、未転写現像剤を現像剤搬送方向A側に搬送するのに十分な剛性を付与しやすくなり、一方で舌部23における下端側の厚みを薄くすることで、現像剤搬送方向とは逆方向Bに動作する際に未転写現像剤の上を乗り越えるのに必要な可撓性が損なわれない。
【0023】
また、舌部23は、図4(a),(b)に示すように、舌部支持材22側に補強板金(補強部材)32が取り付けられて補強されていてもよい。これにより、未転写現像剤を現像剤搬送方向A側に搬送するのに十分な剛性を付与しやすくなり、一方で舌部23における下端側は補強されていないので、可撓性が損なわれない。
【0024】
舌部支持材22の材料としては、比較的剛性の高い各種金属や樹脂を使用するのが好ましいが、舌部23と同じ可撓性材料を使用し、必要に応じて比較的剛性の高い材料で補強することもできる。
【0025】
舌部支持材22および舌部23は、樹脂、ゴム、金属などを成形する公知の方法を用いて成形することができる。また、舌部支持材22および舌部23の材料として可撓性材料を使用する場合には、同時に一体成形することもできる。
【0026】
図5は、本発明の他の実施形態にかかる液体現像剤搬送装置の主要部を示す部分断面図であり、図6は、この液体現像剤搬送装置に備えられた現像剤搬送手段を示す斜視図である。図5および図6に示すように、この液体現像剤搬送装置は、感光体12から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口52が設けられた未転写現像剤の搬送路41と、この搬送路41内に収容された未転写現像剤を排出口52に搬送するための現像剤搬送手段とを備えている。
【0027】
この搬送手段は、搬送路41内に該搬送路41の長手方向に沿って往復動可能に収容されたブラシ40と、このブラシ40の一端に配置された駆動手段53とを備えている。ブラシ40は、搬送路41の長手方向と平行な回転軸(軸体)42と、この回転軸42の外周面に植設された可撓性のブラシ材43とからなる。ブラシ材43は、搬送路41内の未転写現像剤を排出口52に向かって押し出すように排出口52側に向かって傾斜している。回転軸42は、ガイド部45,46において支持されている。
【0028】
ブラシ40は、駆動手段53により搬送路41内を回転しながら往復動する。駆動手段53は、図示しないモータと、このモータに接続されたギア47と、回転軸42の一端に当接したカム49と、ギア47の回転をカム49に伝える軸48とを備え、さらに回転軸42に設けられたギア50と、このギア50に接続された図示しないモータとを備えている。また、回転軸42の他端には、ばね51が取り付けられている。そして、前記モータが回転することによって、ブラシ40が搬送路41内を現像剤搬送方向Aおよびその逆方向Bに往復動するとともに、回転軸42を中心に回転する。このとき、下方に向いているブラシ材43の少なくとも下端は、搬送路41の底面に接触している。これにより、液体現像剤搬送装置上に供給された未転写現像剤44は、上記した往復動の繰り返しにより現像剤搬送方向Aへ搬送され、排出口52を通じて排出される。なお、この液体現像剤搬送装置では、回転軸42を回転させずに、ブラシ40を往復動させるだけでもよい。また、ギア50を回転させるモータは、ブラシ40の往復動に同期して往復動させるように配置されているのが好ましい。
【0029】
ブラシ材43は、可撓性材料により形成されている。可撓性材料としては、舌部23の説明で例示したものと同様のものを使用することができる他、可撓性を有していることを条件として金属も使用することができる。回転軸42は、剛性のある樹脂、金属などにより形成されている。
【0030】
ブラシ材43の径(太さ)は、使用する材料に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。また、ブラシ材43は、回転軸42から現像剤搬送方向A側に傾斜して植設されていればよく、植設位置については特に限定されない。したがって、例えば図7に示すように、ブラシ材43’を回転軸42の外周面に螺旋状に配置するようにしてもよい。
【0031】
図8(a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態にかかる液体現像剤搬送装置の主要部を示す部分断面図であり、図9は、この液体現像剤搬送装置における搬送部材およびホルダを示す斜視図であり、図10は、搬送部材およびホルダを往復動させるための駆動手段を示す部分断面図である。
【0032】
図8〜図10に示すように、この液体現像剤搬送装置は、感光体12から除去された未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口63が設けられた未転写現像剤の搬送路61と、この搬送路61内に該搬送路61の長手方向に沿って往復動可能に収容され搬送路61内の未転写現像剤を吸収する吸液部材62と、この吸液部材62を装着するためのホルダ65と、このホルダ65が螺合するねじ溝を外周面に設けたねじ棒66と、排出口63の縁部に設けられ吸液部材62に吸収された未転写現像剤を排出させるための突起部材(排液手段)64とを備えている。ねじ棒66は、ガイド部67,68において支持されている。
【0033】
図10に示すように、吸液部材62を装着したホルダ65は挿通口65aを備えており、この挿通口65a内には、ねじ棒66のねじ溝に対応した凸部65bが形成されている。また、ホルダ65は挿通口72を備えており、この挿通口72にはねじ棒66と平行に延設されたガイド用レール71が挿通されている。ガイド用レール71の両端は、搬送路61における長手方向の両側面にそれぞれ固定されている。ねじ棒66の一端には、図示しないモータが接続されている。そして、このモータが回転することによって、ねじ棒66が回転してホルダ65が移動する。ねじ棒66の回転方向を逆にすると、ホルダ65が反対方向に移動する。このようにして、吸液部材62を装着したホルダ65が搬送路61内を往復動する。このとき、吸液部材62の下面は、搬送路61の底面に接触している。
【0034】
吸液部材62が搬送路61の底面に接触しながら現像剤搬送方向Aへ移動する際には、搬送路61の底面に存在する未転写現像剤が吸液部材62中に含浸しあるいは吸液部材62の表面に担持されて現像剤搬送方向A側へ搬送される。そして、搬送されてきた未転写現像剤は、排出口63の縁部に設けられた突起部材64により吸液部材62が圧縮されることによって排出され(絞り出され)あるいは除去されて排出口63を通じて排出される。未転写現像剤を排出して回収した後、ねじ棒66を逆方向に回転させて、図8(a)に示すようにホルダ65を方向Bへ移動させる。このような往復動作を繰り返すことにより、未転写現像剤を効率よく搬送し回収することができる。
【0035】
したがって、低粘度ないし中粘度の未転写現像剤は吸液部材に容易に吸収されて担持され、一方、高粘度の未転写現像剤は、吸液部材に吸収されにくい場合であっても、吸液部材の表面に担持されるので、粘度にかかわらず、未転写現像剤を効率よく搬送し回収することができる。
【0036】
吸液部材62としては、吸液性の材料であれば特に限定されず、例えば軟質樹脂や軟質ゴムなどに発泡剤を添加して成形した軟質発泡材料の他、高吸水性樹脂、布、不織布などの吸液部材を使用することもできる。発泡樹脂としては、例えば発泡剤を添加して成形したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0037】
上記した各液体現像剤搬送装置において、搬送路21,41,61は、長手方向の排出口31,52,63側が低くなるように傾斜しているのが好ましい。これにより、未転写現像剤が現像剤搬送方向Aの逆方向B側に流れるのを防止することができると共に、搬送手段による搬送効果に加えて、未転写現像剤の自重による搬送効果も期待できるので、未転写現像剤の搬送効率をさらに向上させることができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態のみに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
【0039】
例えば、上記実施形態では、ねじ棒と平行に延設されたガイド用レールをホルダの挿通口に挿通してホルダの横揺れや回転を防止する場合について説明したが、このガイド用レールを設けないで、例えばホルダの側面などにねじ棒と平行な溝を形成し、搬送路の側壁に前記溝と嵌合するガイド用レールを形成してホルダの横揺れや回転を防止するようにしてもよい。また、ガイド用レールや溝などを設けないで、ホルダが横揺れしない程度に吸液部材を搬送路の底面に押しつけて配置することによりホルダの横揺れや回転を防止するようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、吸液部材を装着したホルダを往復動させて排液手段として設けた突起部材により未転写現像剤を排出させる場合について説明したが、排液手段として平行に配置された2本のロールを用い、このロール間に軟質発泡材料、高吸水性樹脂、布、不織布などの吸液部材を通過させて吸液部材を圧縮することにより未転写現像剤を絞り出せるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を、この未転写現像剤の粘度にかかわらず現像剤搬送方向へ効率よく搬送することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる液体現像剤搬送装置を備えた画像形成装置を示す断面図である。
【図2】図1の画像形成装置に備えられた液体現像剤搬送装置の主要部を示す断面図である。
【図3】液体現像剤搬送装置に備えられた現像剤搬送手段を示す一部破断斜視図である。
【図4】(a)は、根本付近に補強板金を取り付けた舌部および舌部支持材の垂直な断面を示す横断面図であり、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかる液体現像剤搬送装置の主要部を示す部分断面図である。
【図6】液体現像剤搬送装置に備えられた現像剤搬送手段を示す斜視図である。
【図7】本発明におけるブラシの他の形態を示す正面図である。
【図8】(a),(b)は、本発明の他の実施形態にかかる液体現像剤搬送装置の主要部を示す示す部分断面図である。
【図9】搬送部材およびホルダを示す斜視図である。
【図10】搬送部材およびホルダを駆動させるための駆動手段を示す部分断面図である。
【図11】従来の画像形成装置に備えられた現像剤回収装置を示す断面図である。
【符号の説明】
11・・・現像スリーブ(現像剤担持体)、12・・・感光体(像担持体)、13・・・帯電器、14・・・中間転写ロール、15・・・クリーニングロール、16・・・クリーニングブレード、17・・・掻き取りブレード、19・・・液体現像剤搬送装置、20・・・現像剤搬送手段、21・・・搬送路、22・・・舌部支持材、23・・・舌部、24・・・未転写現像剤、25・・・カム、26・・・ギア、27・・・軸、28・・・ばね、29,30・・・ガイド部、31・・・排出口、32・・・補強板金(補強部材)、40・・・ブラシ、41・・・搬送路、42・・・回転軸(軸体)、43・・・ブラシ材、44・・・未転写現像剤、45,46・・・ガイド部、47・・・ギア、48・・・軸、49・・・カム、50・・・ギア、51・・・ばね、52・・・排出口、61・・・搬送路、62・・・吸液部材、63・・・排出口、64・・・突起部材(排液手段)、65・・・ホルダ、65a・・・挿通口、65b・・・凸部、66・・・ねじ棒、67,68・・・ガイド部、71・・・ガイド用レール、72・・・挿通口
Claims (11)
- 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、
前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、この搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送するための現像剤搬送手段とを備え、
この搬送手段は、前記搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容された可撓性舌部を備えており、
この舌部は、下端が搬送路底面の未転写現像剤を前記排出口に向かって押し出すように排出口側に向かって傾斜していることを特徴とする液体現像剤搬送装置。 - 前記舌部が軟質樹脂または軟質ゴムからなる請求項1記載の液体現像剤搬送装置。
- 前記舌部は前記搬送路の長手方向に沿って複数が配列されており、これらの舌部は上部で舌部支持材に保持されている請求項1または2記載の液体現像剤搬送装置。
- 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、
前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、この搬送路内に収容された未転写現像剤を前記排出口に搬送するための現像剤搬送手段とを備え、
この搬送手段は、前記搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容されたブラシを備えており、
このブラシは前記搬送路の長手方向と平行な軸体とこの軸体の外周面に植設された可撓性のブラシ材とからなり、
このブラシ材は、前記搬送路内の未転写現像剤を前記排出口に向かって押し出すように前記排出口側に向かって傾斜していることを特徴とする液体現像剤搬送装置。 - 前記軸体が回転軸であり、前記ブラシは回転しながら往復動するように構成されている請求項4記載の液体現像剤搬送装置。
- 前記ブラシ材が、前記軸体の外周面に螺旋状に植設されている請求項4または5記載の液体現像剤搬送装置。
- 液体現像剤による画像形成後に像担持体から除去された未転写現像剤を搬送するための液体現像剤搬送装置であって、
前記像担持体から除去された前記未転写現像剤を収容すると共に長手方向の一端に排出口が設けられた未転写現像剤の搬送路と、
この搬送路内に該搬送路の長手方向に沿って往復動可能に収容され前記搬送路内の未転写現像剤を吸収する吸液部材と、
前記排出口の縁部に設けられ前記吸液部材に吸収された未転写現像剤を排出させるための排液手段とを備えていることを特徴とする液体現像剤搬送装置。 - 前記吸液部材が軟質発泡材料で形成されている請求項7記載の液体現像剤搬送装置。
- 前記排液手段が、軟質発泡材料からなる前記吸液部材を圧縮するための突起部材である請求項8記載の液体現像剤搬送装置。
- 前記搬送路は、長手方向の前記排出口側が低くなるように傾斜している請求項1〜9のいずれかに記載の液体現像剤搬送装置。
- 像担持体と、この像担持体上に液体現像剤を供給する現像剤担持体と、画像形成後に前記像担持体から除去された未転写現像剤を回収する請求項1〜10のいずれかに記載の液体現像剤搬送装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003180920A JP2005017591A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | 液体現像剤の搬送装置および画像形成装置 |
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JP2005017591A true JP2005017591A (ja) | 2005-01-20 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009145661A (ja) * | 2007-12-14 | 2009-07-02 | Fuji Xerox Co Ltd | 清掃装置および画像形成装置 |
-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003180920A patent/JP2005017591A/ja active Pending
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