JP2005024455A - 隠蔽率算出方法、隠蔽率の数値化方法、隠蔽率算出プログラム、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体及び隠蔽率予測装置 - Google Patents

隠蔽率算出方法、隠蔽率の数値化方法、隠蔽率算出プログラム、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体及び隠蔽率予測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】受光角度、顔料濃度情報及び平均粒径情報を、隠蔽率算出式に代入して、光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を算出する隠蔽率算出方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】顔料濃度、平均粒径及び受光角度を変数とする隠蔽率算出式に代入して、光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を取得する隠蔽率予測装置である。この隠蔽率予測装置は、光輝性顔料含有塗膜の濃度・粒径情報が格納されている濃度・粒径データベース102と、濃度・粒径データベース102を参照して、顔料濃度情報及び平均粒径情報を獲得する濃度・粒径情報獲得手段106と、隠蔽率算出式に、所定の受光角度並びに濃度・粒径情報獲得手段106で獲得された顔料濃度情報及び平均粒径情報を、隠蔽率算出式に代入して、前記光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を取得する隠蔽率取得手段とを有する。
【選択図】 図18

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隠蔽率算出方法、隠蔽率の数値化方法、隠蔽率算出プログラム、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体及び隠蔽率予測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗られた塗料により下地の色が隠蔽される程度(隠蔽率)は、白と黒の下地の上に、塗料を塗布して、乾燥させた塗板を実測して求めていた。そのため、塗料の隠蔽率を求めるのに、多くの時間と多くの手間が必要であるという問題がある。
【0003】
なお、技術分野が異なる肌の濃色部分を目立たなくさせる肌色調整用の粉体に関するものであるが、肌色調整用組成物を濃度80重量%で硝化綿ビヒクルに混合したのち、白色及び黒色の下地をもつ隠蔽力試験紙に厚さ30μmになるように塗布し、当該白色下地と黒色下地における測色値の色差ΔEを用いて下記式(5)により求める(特許文献1参照)ものが知られている。
【0004】
隠蔽力=(1÷ΔE)×1005) ・・・・(5)
また、これも技術分野が異なるものであるが、トナー粒子のキャリア粒子表面隠蔽率Xとして、下記式(6)で定義される(特許文献2参照)ものが知られている。
【0005】
X=(mR・d)/(4M・r・d) ・・・・・(6)
m :トナー重量〔g〕
M :キャリア重量〔g〕
r :トナー半径〔cm〕
R :キャリア半径〔cm〕
:トナー真密度〔g/cm
:キャリア真密度〔g/cm
【特許文献1】
特開平8−81334号公報。
【0006】
【特許文献2】
特開平6−59509号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、肌色調整用粉体に係るものであることから、濃度80重量%で硝化綿ビヒクルに混合したのち、白色および黒色の下地をもつ隠蔽力試験紙に厚さ30μmになるように塗布するような条件下で隠蔽率の測定が行われている。このような特殊な条件での隠蔽率は、産業用塗料等においては、肌色調整用粉体(化粧料)とは、組成が大きく異なるので、有用でない。
【0008】
また、特許文献2に記載された発明は、トナー粒子のキャリア粒子表面隠蔽率であって、これも特殊な条件下で測定されており、同様に、産業用塗料等においては、トナー粒子は上記特許文献1と同様組成が異なり、また、光輝性顔料を使用しないので、意味がない。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、受光角度、顔料濃度情報及び平均粒径情報を、隠蔽率算出式に代入して、光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を算出する隠蔽率算出方法、隠蔽率の数値化方法、隠蔽率算出プログラム、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体及び隠蔽率予測装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0011】
請求項1に記載された発明は、光輝性顔料含有塗膜中の光輝性顔料含有量(以下、「顔料濃度」という。)、前記光輝性顔料の平均粒径(以下、「平均粒径」という。)及び隠蔽率測定における受光角度(以下、「受光角度」という。)を変数とする隠蔽率算出式に基づいて、光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を算出することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の隠蔽率算出方法において、前記隠蔽率算出式が、シグモイド関数であることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2記載の隠蔽率算出方法において、前記隠蔽率算出式が、下記式であることを特徴とする。
【0014】
Y=1/{1+C×e−A×D}−B
ただし、Yは隠蔽率であり、Dは、顔料濃度である。また、A、B及びCは、K、L、M、P、Q及びRを定数として、次のようにして求めた値である。
【0015】
A=K×(平均粒径)−P
B=L×(平均粒径)−Q
C=M×(受光角度)
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし3いずれか一項記載の隠蔽率算出方法において、前記K、L、M、P、Q及びRが、それぞれ次の値であることを特徴とする。
【0016】
【表3】
Figure 2005024455
請求項5に記載された発明は、請求項1ないし3いずれか一項記載の隠蔽率算出方法において、前記K、L、M、P、Q及びRが、それぞれ次の値であることを特徴とする。
【0017】
【表4】
Figure 2005024455
請求項6に記載された発明は、請求項1ないし5いずれか一項記載の隠蔽率算出方法において、前記光輝性顔料は、アルミニウムフレーク顔料であることを特徴とする。
請求項7に記載された発明は、請求項1ないし6いずれか1項記載の隠蔽率算出式を用いて、塗り板を形成して隠蔽率を測定し、又は塗り板を形成せずに塗料配合情報から、隠蔽率を推定して数値化することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載された発明は、請求項1ないし6いずれか1項記載の隠蔽率算出方法をコンピュータに実行させる隠蔽率算出プログラムである。
【0019】
請求項9に記載された発明は、請求項8記載の隠蔽率算出プログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体である。
【0020】
請求項10に記載された発明は、光輝性顔料含有塗膜中の光輝性顔料含有量(以下、「顔料濃度」という。)、前記光輝性顔料の平均粒径(以下、「平均粒径」という。)及び隠蔽率測定における受光角度(以下、「受光角度」という。)を変数とする隠蔽率算出式に代入して、前記光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を取得する隠蔽率予測装置において、塗料配合情報が格納されている塗料配合情報データベースと、光輝性顔料含有塗膜の濃度・粒径情報が格納されている濃度・粒径データベースと、前記塗料配合情報データベースと濃度・粒径データベースを参照して、前記光輝性顔料含有塗膜の顔料濃度情報及び平均粒径情報を獲得する濃度・粒径情報獲得手段と、前記隠蔽率算出式に、所定の受光角度並びに濃度・粒径情報獲得手段で獲得された顔料濃度情報及び平均粒径情報を、隠蔽率算出式に代入して、前記光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を取得する隠蔽率取得手段とを有することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
(隠蔽率算出式の作成)
▲1▼塗板の作成
光輝性顔料の種類、光輝性顔料濃度を変えて塗装を行った塗板を作成した。脱脂した磨鋼板上の黒色ベース塗膜層(以下、「黒板」という。反射率Y値:0.6)上及び白色ベース塗膜層(以下、「白板」という。反射率Y値:89.1)上に、水性アクリル・メラミン系の光輝性顔料含有塗膜層を回転霧化型塗装機で塗装して、乾燥膜厚13μm〜14μm程度形成させ、その上に、ウエットオンウエットにて耐酸性の酸・エポキシ系クリア塗膜層を回転霧化型塗装機で塗装して乾燥し、膜厚40μm形成した。
【0022】
▲2▼測色
作成された塗板に対して、変角測色計X−Rite社 MA−68IIを用いて測色を行った。X−Rite社 MA−68IIは、多変分光測色計であり、45°のイルミネーションを有し、受光角15、25、45、75、110°での測定を可能としている。
【0023】
X−Rite社 MA−68IIの主な仕様を図1に示す。
【0024】
図2〜図4の左側に、光輝性顔料としてアルミニウムフレーク顔料を用いた塗板で、平均粒径を8.9μmとした光輝材A、平均粒径を12.6μmとした光輝材B、平均粒径を18.1μmとした光輝材C、平均粒径を19.0μmとした光輝材Dについて、受光角度を15、25、45、75、110°としたもの、顔料濃度を0.5、1.0、2.5、5.0、7.5、10、15としたもの、黒地Y値(黒板上の明度)及び白地Y値(白板上の明度)の測定結果を示す。平均粒径は、長径の粒径の平均値をいう。
【0025】
▲3▼隠蔽率の計算
ここでは、隠蔽率Yを次のように定義する。
【0026】
Y(%)=黒板上の明度÷白板上の明度×100・・・(7)
なお、黒板上の明度及び白板上の明度は、上記「▲2▼測色」で測色したデータを用いる。
【0027】
上記「▲2▼測色」で測色されたものについて、その隠蔽率を図2〜図5の中央部分に示す。
【0028】
▲4▼グラフ化
上記「▲2▼測色」及び上記「▲3▼隠蔽率の計算」の結果を用いて、濃度と隠蔽率の関係をグラフにした
一受光角度(45度)における4試料の粒径をパラメータにした光輝材濃度と隠蔽率の比較をして、図6のグラフを得た。これによれば、光輝材粒径の小さい程、隠蔽率に寄与することが理解できる。
【0029】
また、一試料(18.1μm)における5角度(15、25、45、75、110°)の光輝材濃度と隠蔽率の比較をして、図7のグラフを得た。これによれば、受光角度の小さい程、隠蔽率に寄与することが理解できる。
【0030】
▲5▼近似式の発見
図6及び図7における縦軸の隠蔽率をYとし、横軸の顔料濃度をDとしたとき、試行錯誤の結果、隠蔽率Yは、顔料濃度Dの関数として、次式(8)のシグモイド曲線に近似されることがわかった。
【0031】
Y=1/{1+C×e−A×D}−B ・・・・・(8)
なお、式(8)において、A及びBは、平均粒径の関数であり、Cは、受光角度の関数である。
【0032】
▲6▼A、B、Cの算出
上記「▲2▼測色」及び上記「▲3▼隠蔽率の計算」の結果を用いて、4試料、5角度の光輝材濃度と隠蔽率の関係を(8)式にあてはめて、図8に示されているA、B、Cを求めた。
【0033】
▲7▼濃度と隠蔽率の関係のグラフ化
上記「▲6▼A、B、Cの算出」で求めたA、B、Cを、グラフ化した。
【0034】
グラフ化されたA、B、Cを図9、図10及び図11に示す。図9によれば、Aは、光輝材粒径に対して、指数関数的に減少していることが理解できる。また、図10によれば、Bは、光輝材粒径に対して、リニアな関係にあることが理解できる。また、図11によれば、Cは、受光角度に対して、指数関数的に増加していることが理解できる。
【0035】
そこで、A、B、Cを次の式(9)〜式(11)で近似した。
【0036】
A=K×(平均粒径)−P ・・・・・・(9)
B=L×(平均粒径)−Q ・・・・・(10)
C=M×(受光角度)・・・・・(11)
図9、図10及び図11に基づいて、設定されたK、L、M、P、Q、Rの値は、図2に示されているように、それぞれ、40、0.01、0.01、1.5、0.1、1.8である。
【0037】
▲8▼隠蔽率の予測
上記「▲7▼濃度と隠蔽率の関係のグラフ化」で求められたK、L、M、P、Q、Rに基づいて、隠蔽率を予測すると、図2〜図5の「予測隠蔽率」に示されているような値が求められた。
【0038】
導かれた計算式による「予測隠蔽率」(以下、単に「予測値」ともいう。)と、実際の測定による「実測隠蔽率」(以下、単に「実測値」ともいう。)を対比した図を、図12に示す。これによれば、相関係数r=0.960 (96%)の相関を有することがわかった。
【0039】
▲9▼K、L、M、P、Q、Rの有効範囲の設定
K、L、M、P、Q、Rの値を変動させ、図13に示されているように、推定隠蔽率と実測隠蔽率から計算される相関係数rが、0.900(90%)以上の値のものと、相関係数rが、0.950(95%)以上の値のものの範囲を求めた。相関係数rが、0.900(90%)以上の値は、「好ましい値」であり、相関係数rが、0.950(95%)以上が「より好ましい値」である。
【0040】
(10)他の光輝性顔料について
上記説明では、アルミニウムフレーク顔料による場合について説明した。他の光輝材(光輝材E〜光輝材F)について、隠蔽率の式(8)に、代入して、隠蔽率を求めた。その結果を図14に示す。
【0041】
なお、光輝材E〜光輝材Kとして、次のようなものを用いた。
・光輝材E:平均粒径12.0μmのアルミニウムフレーク顔料
・光輝材F:平均粒径14.9μmのアルミニウムフレーク顔料
・光輝材G:平均粒径16.0μmのアルミニウムフレーク顔料
・光輝材H:平均粒径13.0μmのアルミニウムフレーク顔料
・光輝材I:平均粒径9.7μmのアルミニウムフレーク顔料
・光輝材J:平均粒径21.0μmのアルミニウムフレーク顔料
・光輝材K:平均粒径17.2μmのアルミニウムフレーク顔料
図14の結果が、実測値とどの程度一致するかを見るために、図15を作成した。図15は、光輝材E〜光輝材Kについて、所定の受光角度における顔料濃度と隠蔽率との関係を、実測値と予測値で比較したものである。
【0042】
これによれば、実測値と予測値に大差の無いことが理解でき、隠蔽率の式(8)が、アルミニウムフレーク顔料以外の、光輝材に適用できることが理解できる。
【0043】
(11)比較例
他の光輝材(光輝材E〜光輝材F)について、隠蔽率に関する式(8)、(9)、(10)及び(11)において、K、L、M、P、Q、Rの値を、好ましい範囲から外れた場合の隠蔽率を求めた。その結果を図16に示す。
【0044】
図16では、光輝材Eにおいて、Kの値を「40」から「60」に変更し、光輝材Fにおいて、Lの値を「0.01」から「0.04」に変更し、光輝材Gにおいて、Mの値を「0.01」から「0.05」に変更し、光輝材Hにおいて、Pの値を「1.5」から「1.8」に変更し、光輝材Iにおいて、Qの値を「0.1」から「0.5」に変更し、光輝材Jにおいて、Rの値を「1.8」から「2.5」に変更したものである。
【0045】
これによれば、実測値と予測値に大きな差があり、隠蔽率の式(8)が、K、L、M、P、Q、Rの値を、有効範囲から外れたときには、適用できない場合があることが理解できる。
【0046】
なお、上記光輝性顔料としては、アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、ステンレスフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、金属めっきガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料等を用いることができる。
(隠蔽率予測装置)
光輝性顔料含有塗膜中の顔料濃度と平均粒径と受光角度が判明すれば、隠蔽率算出式((8)、(9)、(10)及び(11))に代入することによって、光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を取得することができる。
【0047】
図18に隠蔽率予測装置の例を示す。図18の隠蔽率予測装置100は、配合情報が格納されている配合情報データベース101と、光輝性顔料含有塗膜の濃度・粒径情報が格納されている濃度・粒径データベース102と、隠蔽率算出用データが格納されている隠蔽率算出データベース103と、塗膜情報を獲得する塗膜情報獲得手段104と、配合情報データベース101を参照して塗膜の塗膜情報に基づいて配合情報を獲得する配合情報獲得手段105と、濃度・粒径データベース102を参照して塗膜の塗膜情報に基づいて光輝性顔料含有塗膜の濃度・粒径情報を獲得する濃度・粒径情報獲得手段106と、隠蔽率算出データベース103を参照して光輝性顔料含有塗膜の濃度・粒径情報に基づいて、隠蔽率を算出する隠蔽率算出手段107とを有する。
【0048】
塗膜情報を獲得する塗膜情報獲得手段104は、塗膜の色をCIELAB、RGB、XYZ等によって特定する。
【0049】
配合情報データベース101は、着色顔料や光輝材顔料等の多角度分光反射率データを格納し、CIELAB、RGB、XYZ等による色の指定に対して、その色の配合を決定することができる。したがって、配合情報獲得手段105は、CIELAB、RGB、XYZ等によって特定された色の配合情報を、配合情報データベース101から獲得することができる。
【0050】
濃度・粒径データベース102には、個々の光輝性顔料含有塗膜毎に、濃度データ及び粒径データが格納されている。したがって、濃度・粒径情報獲得手段106は、濃度・粒径データベース102を参照して、配合情報獲得手段105によって獲得された光輝性顔料から、その濃度・粒径情報を獲得することができる。
【0051】
隠蔽率算出データベース103には、隠蔽率算出に必要な、隠蔽率算出式((8)、(9)、(10)及び(11))及びK、L、M、P、Q、Rの値を格納している。したがって、隠蔽率算出手段107は、濃度・粒径情報獲得手段106で獲得された濃度・粒径情報と、隠蔽率算出データベース103に格納されている隠蔽率算出式((8)、(9)、(10)及び(11))及びK、L、M、P、Q、Rの値を用いて、隠蔽率を算出する。
【0052】
なお、実際の塗板を測定して、濃度・粒径情報を得て、直接、隠蔽率算出手段107によって、隠蔽率を算出するようにしてもよい。
【0053】
また、「塗膜情報を獲得する塗膜情報獲得手段104、配合情報データベース101を参照して塗膜の塗膜情報に基づいて配合情報を獲得する配合情報獲得手段105、濃度・粒径データベース102を参照して塗膜の塗膜情報に基づいて光輝性顔料含有塗膜の濃度・粒径情報を獲得する獲得手段濃度・粒径情報獲得手段106、隠蔽率算出データベース103を参照して光輝性顔料含有塗膜の濃度・粒径情報に基づいて、隠蔽率を算出する隠蔽率算出手段107」等の機能を、コンピュータに格納したプログラムによって、当該コンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0054】
このとき、上記機能をコンピュータに実行させるプログラムを隠蔽率算出プログラムと呼ぶことができる。また、この隠蔽率算出プログラムを記録したCD−ROM等の記録媒体から、読出して、コンピュータにインストールして、上記機能をコンピュータに実行させるようにしてもよい。
(隠蔽率の数値化方法)
隠蔽率を算出することは、隠蔽率を数値化することでもある。したがって、図18の隠蔽率予測装置を用いて、隠蔽率の数値化することができる。
【0055】
隠蔽率の数値化は、隠蔽率の算出と同様に、隠蔽率算出式を用いて、塗り板を形成して隠蔽率を測定し、又は塗り板を形成せずに塗料配合情報から、隠蔽率の数値化を行うことができる。
(その他)
本実施の形態により、塗料の成分から隠蔽率を求めることができるので、下地を完全に見えなくする塗料を塗料成分から求めることができる。
【0056】
また、下地の色が透けて見える場合、つまり、下地の色とその上に塗られた塗料の色とで、外観上の色を出す場合において、本実施の形態により、塗料の成分から隠蔽率を求め、下地の色の寄与の割合と、その上に塗られた塗料の色の寄与の割合を予め求めることができる。その結果、下地の色と塗料の成分から、予め外観上の色を知ることができる。
【0057】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、受光角度、顔料濃度情報及び平均粒径情報を、隠蔽率算出式に代入して、光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を算出する隠蔽率算出方法、隠蔽率の数値化方法、隠蔽率算出プログラム、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体及び隠蔽率予測装置を提供することができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】変角測色計の主な仕様である。
【図2】光輝材Aについての実測値、係数及び予測値のデータである。
【図3】光輝材Bについての実測値、係数及び予測値のデータである。
【図4】光輝材Cについての実測値、係数及び予測値のデータである。
【図5】光輝材Dについての実測値、係数及び予測値のデータである。
【図6】粒径をパラメータにした光輝材濃度と隠蔽率の関係を示すグラフである。
【図7】測色受光角をパラメータにした光輝材濃度と隠蔽率の関係を示すグラフである。
【図8】A、B、Cのデータである。
【図9】Aと光輝材粒径の関係を示すグラフである。
【図10】Bと光輝材粒径の関係を示すグラフである。
【図11】Cと受光角度の関係を示すグラフである。
【図12】「予測隠蔽率」と「実測隠蔽率」の関係を示すグラフである。
【図13】K、L、M、P、Q、Rの有効範囲の設定を説明するための図である。
【図14】光輝材E〜光輝材Fについての実測値と予測値のデータである。
【図15】光輝材E〜光輝材Fについての実測値と予測値の関係を示すグラフである。
【図16】K、L、M、P、Q、Rの好ましい範囲の設定を超えた光輝材E〜光輝材Fについての実測値と予測値のデータである。
【図17】K、L、M、P、Q、Rの好ましい有効範囲の設定を超えた光輝材E〜光輝材Fについての実測値と予測値の関係を示すグラフである。
【図18】隠蔽率予測装置を説明するための図である。
【符号の説明】
101 配合情報データベース
102 濃度・粒径データベース
103 隠蔽率算出データベース
104 塗膜情報獲得手段
105 配合情報獲得手段
106 濃度・粒径情報獲得手段
107 隠蔽率算出手段

Claims (10)

  1. 光輝性顔料含有塗膜中の光輝性顔料含有量(以下、「顔料濃度」という。)、前記光輝性顔料の平均粒径(以下、「平均粒径」という。)及び隠蔽率測定における受光角度(以下、「受光角度」という。)を変数とする隠蔽率算出式に基づいて、光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を算出することを特徴とする隠蔽率算出方法。
  2. 前記隠蔽率算出式が、シグモイド関数であることを特徴とする請求項1記載の隠蔽率算出方法。
  3. 前記隠蔽率算出式が、下記式(1)であることを特徴とする請求項1又は2記載の隠蔽率算出方法。
    Y=1/{1+C×e−A×D}−B ・・・・・(1)
    ただし、Yは隠蔽率であり、Dは、顔料濃度である。また、A、B及びCは、K、L、M、P、Q及びRを定数として、次のようにして求めた値である。
    A=K×(平均粒径)−P ・・・・・(2)
    B=L×(平均粒径)−Q ・・・・・(3)
    C=M×(受光角度)・・・・・(4)
  4. 前記K、L、M、P、Q及びRが、それぞれ次の値であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項記載の隠蔽率算出方法。
    Figure 2005024455
  5. 前記K、L、M、P、Q及びRが、それぞれ次の値であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項記載の隠蔽率算出方法。
    Figure 2005024455
  6. 前記光輝性顔料は、アルミニウムフレーク顔料であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項記載の隠蔽率算出方法。
  7. 請求項1ないし6いずれか1項記載の隠蔽率算出式を用いて、塗り板を形成して隠蔽率を測定し、又は塗り板を形成せずに塗料配合情報から、隠蔽率を推定することを特徴とする隠蔽率の数値化方法。
  8. 請求項1ないし6いずれか1項記載の隠蔽率算出方法をコンピュータに実行させる隠蔽率算出プログラム。
  9. 請求項8記載の隠蔽率算出プログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
  10. 光輝性顔料含有塗膜中の光輝性顔料含有量(以下、「顔料濃度」という。)、前記光輝性顔料の平均粒径(以下、「平均粒径」という。)及び隠蔽率測定における受光角度(以下、「受光角度」という。)を変数とする隠蔽率算出式に代入して、前記光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を取得する隠蔽率予測装置において、
    塗料配合情報が格納されている塗料配合情報データベースと、
    光輝性顔料含有塗膜の濃度・粒径情報が格納されている濃度・粒径データベースと、
    前記塗料配合情報データベースと濃度・粒径データベースを参照して、前記光輝性顔料含有塗膜の顔料濃度情報及び平均粒径情報を獲得する濃度・粒径情報獲得手段と、
    前記隠蔽率算出式に、所定の受光角度並びに濃度・粒径情報獲得手段で獲得された顔料濃度情報及び平均粒径情報を、隠蔽率算出式に代入して、前記光輝性顔料含有塗膜の隠蔽率を取得する隠蔽率取得手段とを有することを特徴とする隠蔽率予測装置。
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