JP2006220554A - 塗膜の隠蔽膜厚を推定する方法 - Google Patents

塗膜の隠蔽膜厚を推定する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 目視測定を行わずに隠蔽膜厚を得ること。
【解決手段】 本発明は、(i)白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を測定する工程、(ii)塗料を前記被塗物に塗布して塗膜を形成する工程、(iii)白色被塗物および黒色被塗物を下地にした塗膜の分光反射率を測定する工程、(iv)塗膜の膜厚を測定する工程、(v)工程(iv)で得られる膜厚ならびに工程(i)および(iii)で得られる分光反射率から、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率をアルゴリズムを用いて求める工程、ならびに(vi)工程(v)で得られる任意の膜厚を有する塗膜の分光反射率から、白色被塗物および黒色被塗物を下地とする任意の膜厚の塗膜の色差ΔEを求める工程を含んで成り、色差ΔEと任意の膜厚との相関関係から隠蔽膜厚を推定することを特徴とする方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗膜の隠蔽膜厚を推定する方法に関する。より詳細には、膜厚を段階的に変化させて塗膜を形成することなく塗膜の隠蔽膜厚を推定できる方法に関する。
塗料を被塗物に塗布することによって形成される塗膜は、下地となる被塗物を保護すると共に下地を隠すことによって美観を与える機能を有している。従って、工業的には、下地を隠蔽するのに必要とされる最小限度の膜厚(以下、本明細書では「隠蔽膜厚」という)を把握しておかなければならない場合がある。従来、そのような隠蔽膜厚は目視によって測定していた。具体的には、白色と黒色とに色分けされた試験紙上に、塗膜を膜厚が段階的に変化するように形成した後、白色下地の塗膜と黒色下地の塗膜との色差を目視により判断して隠蔽膜厚を決定していた。つまり、色差がなくなる場所を目視により判断して、その場所の膜厚を隠蔽膜厚としていた。
しかしながら、この目視測定法では、膜厚を段階的に変化させて塗膜を形成しなればならず、その分、手間やコストがかかってしまう。また、あくまでも視覚という感覚的なものに頼って色差を判断するため、測定者によって差が生じる場合があると共に、そのような目視測定を行える人材が限られているため、誰もが実施できる測定法となっていなかった。
従って、本発明の課題は、目視測定を行わずに隠蔽膜厚を得る方法であって、膜厚が段階的に変化した塗膜を用いることなく隠蔽膜厚を得ることができる方法を提供することである。
本発明は、塗膜の隠蔽膜厚を推定する方法であって、
(i)白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を測定する工程、
(ii)塗料を白色被塗物および黒色被塗物に塗布して塗膜を形成する工程、
(iii)白色被塗物および黒色被塗物を下地にした塗膜の分光反射率を測定する工程、
(iv)塗膜の膜厚を測定する工程、
(v)工程(iv)で得られる膜厚ならびに工程(i)および(iii)で得られる分光反射率から、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率をアルゴリズムを用いて求める工程、ならびに
(vi)工程(v)で得られる任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率から、白色被塗物を下地とする任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜と黒色被塗物を下地とする任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜との色差ΔEを求める工程
を含んで成り、
前記色差ΔEと任意の膜厚(Xi=1,2,3…)との相関関係から隠蔽膜厚を推定することを特徴とする方法を提供する。
本発明の方法は、隠蔽膜厚の推定にKubelka−Munkの理論を好適に用いており、ある膜厚を有する塗膜を形成するだけで隠蔽膜厚を推定できるという特徴を有している。
本発明の方法では、塗膜の膜厚を段階的に変化させて形成する必要がなく、ある膜厚を有する塗膜のみを形成すればよいので、手間およびコスト的に有利であり、従来の目視測定法よりも短時間で簡易に隠蔽膜厚を得ることができる。また、目視測定ではないので、隠蔽膜厚を客観的に得ることができ、再現性の点で好ましい。
発明を実施するための形態
以下において、本発明の方法を詳細に説明する。
本明細書に用いる「塗料」は、特に限定されるものではなく、溶剤型であっても水性であってもよい。
「隠蔽」とは、塗料を被塗物に塗布することによって塗膜が形成された場合に、下地となる被塗物を覆い隠す塗膜の性質を意味している。なお、本明細書で用いる「隠蔽膜厚」とは、特に断りのない限り、下地が実質的に見えないように隠蔽するのに必要な最小の塗膜膜厚を意味している。
図1に、本発明の方法のフローを示す。まず、工程(i)では、白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を測定する。従って、塗料が塗布されることになる白色被塗物および黒色被塗物を最初に用意する。白色被塗物および黒色被塗物は、塗料の薄膜化が促進されるように、塗料が塗布される面が実質的に平滑性を有するような板状部材であることが好ましく、このようなものとして、鋼板、表面コーティングした紙、ガラス、タイル板または硬質プラスチック等が挙げられる。
なお、白色被塗物と黒色被塗物とを別々に用意しなくても、例えば1つの板状部材が白色と黒色とに色分けされたような被塗物を用意してもよい。
本発明の方法の工程(i)の分光反射率の測定は、塗料業界で分光反射率を測定するのに一般的に用いられているような方法であれば、いずれの方法で行ってもよい。なお、光の波長が300nm〜830nm程度の光源を用いることが好ましい。
工程(ii)では、塗料を白色被塗物および黒色被塗物上に塗布して、下地が透けるような塗膜を形成する。従って、塗料は塗布によって薄膜化するものであることが好ましい。このような塗膜の形成にはスプレー塗装が用いられることが好ましく、その際には、20℃においてフォードカップ#4で15〜30秒の粘度に調整される。塗膜の膜厚は、工程(iv)で結果的には測定されるものであるが、約5μm〜約100μmとミクロン・オーダーの範囲に予めしておくことが好ましい。なお、塗膜の形成には、一般的な塗布方法を適用することができ、スプレー以外にも、例えば、器具としてバーコーター、アプリケーターまたはスピンコーターを使用することができる。塗装後、塗料に応じた条件で乾燥を行い、塗膜を得る。
次に工程(iii)について説明する。工程(iii)では、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした塗膜の分光反射率が測定される。「白色被塗物および黒色被塗物を下地にした塗膜」としては、工程(ii)で形成された塗膜が用いられる。この分光反射率の測定は、分光反射率を測定するのに一般的に用いられている方法であれば、いずれの測定方法を用いてもよい。なお、工程(iii)で用いる光源としては、光の波長が300nm〜830nm程度の光源が好ましく、工程(i)で用いる光源と同じであってもかまわない。
工程(iii)において、塗膜の分光反射率を測定する手段としては、分光反射率を測定するのに一般的に用いられているような分光器(即ち分光反射率計など)であれば、いずれの種類の分光器でも用いることができる。
測定された分光反射率は、アルゴリズム処理(即ち、プログラム処理)されるので、例えばA/Dコンバーター等によってデジタル信号に変換されることが好ましい。
次に工程(iv)について説明する。工程(iv)では塗膜の膜厚を測定する。この膜厚の測定方法は特に規定されず、一般的に用いられる膜厚計を用いることができる。なお、工程(iii)および工程(iv)は、その順序を入れ替えて実施することが可能である。工程(iv)における膜厚の測定に接触式の膜厚計を用いる場合、膜厚の測定の際に、塗膜の表面を傷つけるおそれがあるので、工程(iii)の分光反射率の測定を先に実施することが好ましい。
次に工程(v)について説明する。工程(v)では、工程(iv)で得られる膜厚ならびに工程(i)および(iii)で得られる分光反射率から、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜の分光反射率をアルゴリズムを用いて求める。このアルゴリズムは、以下の理論(または手法)および計算式に基づいている。
Kubelka−Munkの理論では、厚さXの塗膜が、反射率Rの被塗物の上に密着して置かれた時の反射率をRとし、下地となる被塗物の影響が出ない程度に塗膜を十分な厚さにした時の反射率をRとすると、塗膜の散乱係数Sが次の式より求められる。
Figure 2006220554
ここで、下地の被塗物が白色および黒色の場合に算出される散乱係数Sはそれぞれ同一となるはずなので、次の式(式1)が得られる(いわゆる「湊の方法」)。
Figure 2006220554
上記の式(式1)において、Rg1,Rg2,R,Rは、上述の工程(i)〜(iii)から得ることができるので、X=Xとすると、未知数はRだけとなる(「S=」の部分は無視する)。従って、この式をRについてまとめると以下の式が導かれることになる。
Figure 2006220554
この式より、Rを求めることができるので、式1に対してR,Rg1,RおよびXまたはR,Rg2,RおよびXを代入して散乱係数Sを求めることができる。
が求められ、これより散乱係数Sが得られると、以下のKubelka−Munkの式(式2)より吸収係数(K)を求めることができる。
Figure 2006220554
以上より、散乱係数Sおよび吸収係数Kが得られることになる。次に、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした塗膜であって、任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率を求める。
ある散乱係数Sと吸収係数Kとを有する塗膜が厚さXi=1,2,3…で反射率Rなる下地の上に密着して置かれた際、反射率Rは双曲線余接関数(coth(x))を用いて以下の式(式3)で表される。
Figure 2006220554
従って、散乱係数Sおよび吸収係数Kが既に得られているので、式3より任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率Rが求められることになる。
引き続いて、工程(vi)では、工程(v)で得られた任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜の分光反射率から、例えばL表色系において、白色被塗物を下地とする任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜と黒色被塗物を下地とする任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜との色差ΔE(即ちΔEab)が求められることになる。分光反射率から色差ΔEを求める手法は、測色分野では一般的に知られており、通常、測色計にはΔEが自動的に得られるプログラムが内蔵されている。
工程(v)および(vi)では、まず膜厚Xi=1に関して上記色差ΔEを求めた後、引き続いて、膜厚をXi=1からXi=2、Xi=3・・・と少なくとも1回置き換え、工程(v)および工程(vi)を再度実施することになる。具体的に説明すると、
(1)工程(iv)で得られた膜厚ならびに工程(i)および(iii)で得られた分光反射率より、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした塗膜であって、膜厚Xi=2を有する塗膜の分光反射率をアルゴリズム(膜厚Xi=1のときに用いたアルゴリズム)を用いて求める;
(2)上記(1)で得られた膜厚Xi=2を有する塗膜の分光反射率から、白色被塗物を下地とする塗膜(膜厚:Xi=2)と黒色被塗物を下地とする塗膜(膜厚:Xi=2)との色差ΔEを求める。
これにより、膜厚Xi=2に関して、白色被塗物および黒色被塗物を下地とする塗膜の色差ΔEが得られることになる。
更に引き続いて膜厚Xi=3に関する色差ΔEを得る場合には、膜厚Xi=2を膜厚Xi=3として上記(1)および(2)を繰り返し実施すればよい。
以上の工程(i)〜(vi)より、白色被塗物を下地とする膜厚Xi=1,2,3…の塗膜と黒色被塗物を下地とする膜厚Xi=1,2,3…の塗膜との色差ΔEと、膜厚Xi=1,2,3…との相関関係が得られることになり、この相関関係から隠蔽膜厚が推定される。例えば、横軸を膜厚Xi=1,2,3…とし、縦軸(好ましくは対数目盛り)を色差ΔEとしてプロットすることによって得られるグラフから隠蔽膜厚を推定することができる。この場合、隠蔽膜厚とみなすのに適当な色差ΔEを予め決めておくことが必要である。例えば、色差ΔEが、好ましくは0.01〜0.8、より好ましくは0.05〜0.4、例えば0.1となる膜厚を隠蔽膜厚とすることができる。
例えば、色差ΔEが0.1となる膜厚を隠蔽膜厚とみなす場合には、ΔEが0.1となる膜厚を閾値として、それより小さい膜厚を有する塗膜では下地が透ける一方、それにより大きい膜厚を有する塗膜では下地が透けず、人の目では下地が見えないことになる。
なお、本発明で用いる計算式(式1〜3)は、理想的状態をモデルとしている。理想的状態とは、塗料が均一であって、塗膜と空気との境界線および塗膜と下地との境界線でそれぞれ屈折率の差による光の反射がおきないことをいう。実際の塗膜では、厚さが有限であって、空気および下地との境界面で種々の光の反射が起こっており、一般的には理想的状態からは外れてしまう。従って、本発明では、いわゆるサンダーソン(Saunderson)の補正式を用いることによって、工程(i)および(iii)で測定される分光反射率を理想状態の分光反射率へと変換して上記式1〜3に用いると共に、引き続いて工程(v)で得られる任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜の分光反射率を理想状態から実際の状態へと変換し直すことが好ましい。図2にサンダーソン補正を用いる場合の本発明の方法のフローを示す。具体的には、以下の式4を用いることによって、工程(i)および(iii)で得られる分光反射率を理想状態へと変換し、また、以下の式5を用いることによって、工程(v)で得られる任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜の分光反射率を理想状態から実際の状態へと変換し直す。このようにサンダーソン補正を好適に用いることによって、得られる隠蔽膜厚の精度が向上することになる。
Figure 2006220554
Figure 2006220554
なお、変換係数kおよびkは、塗膜の屈折率や塗膜の表面状態等に依存するパラメーターであって、kは、好ましくは0.01〜0.05、より好ましくは0.02〜0.04、例えば0.04であり、kは、好ましくは0.3〜0.8、より好ましくは0.4〜0.6、例えば0.6である。
以上、本発明の1つの実施態様について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は理解されよう。
1つの実施形態として、本発明の方法を実施して隠蔽膜厚を求めた。比較例として、従来技術の目視測定法を実施した。
[1]塗料
実施例1および比較例1に用いた塗料は、カーボンブラック、シャニンブルー、チタンおよびキナクリドンレッド(以上、顔料)、ならびにアルミニウムフレークおよびマイカ等を含むダークシルバー色の塗料であり、粘度は20℃におけるフォードカップ#4で27秒に調整したものであった。実施例2および比較例2に用いた塗料は、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄エロー、酸化鉄レッド等を含む淡グレー色の塗料であり、粘度は20℃におけるフォードカップ#4で21秒に調整したものであった。
[2]本発明の実施例
〈塗布工程ならびに膜厚および分光反射率の測定工程〉
(1)白色と黒色とに色分けされた試験紙をそれよりも大きいサイズを有する金属板上に貼り合わせることによって被塗物(白色被塗物および黒色被塗物)を用意した。試験紙のサイズは金属板よりも小さいので、金属板表面の一部が試験紙に覆われずに露出していた。
(2)白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を分光器(グレタマクベス社製、型番:XTH)で測定した。
(3)被塗物に塗料を塗布した後、所定条件で乾燥させることによって塗膜を形成した。
(4)白色被塗物および黒色被塗物を下地にした塗膜の分光反射率を分光器(上記(2)で用いた分光器)で測定した。
(5)電磁膜厚計を用いて、塗膜の膜厚を測定した。得られた塗膜の膜厚は、実施例1では9μm、実施例2では18μmであった。
〈データ解析工程〉
(1)本発明で用いられるアルゴリズムを実行することによって、任意の膜厚(Xi=1,2,3…)と色差ΔE[白色被塗物を下地とする任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜と黒色被塗物を下地とする任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜との色差ΔE]との相関関係を示すグラフを得た。
(2)任意の膜厚(Xi=1,2,3…)と色差ΔEとの相関関係から隠蔽膜厚を推定した。
[3]比較例
比較例は、実施例で用いた被塗物と同一の被塗物を用いた。
(1)膜厚が段階的に変化するように、被塗物に塗料を塗布して塗膜を形成した。なお、試験紙上のみならず金属板上にも塗料が及ぶように塗布して塗膜を形成した。
(2)金属板上の塗膜の膜厚を測定することによって、試験紙上の塗膜の膜厚を間接的に求めた(膜厚計としては電磁膜厚計を用いた)。
(3)下地となる試験紙が透けていない場所を目視により確認し、その場所の膜厚を隠蔽膜厚とした。
[4]結果
実施例および比較例の結果を図3および図4に示すと共に、得られた隠蔽膜厚を表1に示す。図3および図4を参照すると、膜厚が増加するにつれΔEの値が小さくなり隠蔽性が増すが、実施例および比較例の双方とも、膜厚と色差ΔEとの相関関係が相互に似ていることが分かった。そして、本発明の実施例で色差ΔEが約0.1となる膜厚を隠蔽膜厚とすると、比較例の目視測定法の結果とほぼ整合性が取れることが分かり、本発明の方法で隠蔽膜厚の測定が可能であることが示された。
Figure 2006220554
本発明の隠蔽膜厚の推定方法は、従来の目視測定法に取って代わる技術であるが、従来の目視測定法に加えて用いることで、目視測定法に対する信頼性を保証することができる。また、本発明の方法は、下地を隠蔽するのに必要な最小の膜厚を比較的短時間で簡易に得ることができるので、自動車ボディーの塗装に対する隠蔽膜厚を短時間で簡易に測定できるだけでなく、バイク、自転車、船舶、家電製品および重機等の種々のボディーの塗装に対しても隠蔽膜厚を短時間で簡易に測定できることが意図されている。
図1は、本発明の方法のフローを示す。 図2は、サンダーソン補正を用いる本発明の方法のフローを示す。 図3は、実施例1および比較例1の結果を示す。 図4は、実施例2および比較例2の結果を示す。

Claims (4)

  1. 塗膜の隠蔽膜厚を推定する方法であって、
    (i)白色被塗物および黒色被塗物の分光反射率を測定する工程、
    (ii)塗料を白色被塗物および黒色被塗物に塗布して塗膜を形成する工程、
    (iii)白色被塗物および黒色被塗物を下地にした塗膜の分光反射率を測定する工程、
    (iv)塗膜の膜厚を測定する工程、
    (v)工程(iv)で得られる膜厚ならびに工程(i)および(iii)で得られる分光反射率から、白色被塗物および黒色被塗物を下地にした任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率をアルゴリズムを用いて求める工程、ならびに
    (vi)工程(v)で得られる任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率から、白色被塗物を下地とする任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜と黒色被塗物を下地とする任意の膜厚(Xi=1,2,3…)の塗膜との色差ΔEを求める工程
    を含んで成り、
    該色差ΔEと任意の膜厚(Xi=1,2,3…)との相関関係から隠蔽膜厚を推定することを特徴とする方法。
  2. アルゴリズムが、
    式1および式2を用いて、工程(iv)で得られる膜厚ならびに工程(i)および(iii)で得られる分光反射率から散乱係数および吸収係数を算出する工程、ならびに
    式3を用いて、散乱係数、吸収係数および工程(i)で得られる分光反射率から任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率を算出する工程
    を含んで成ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
    Figure 2006220554
    Figure 2006220554
    Figure 2006220554
  3. 式4を用いて、工程(i)および(iii)で測定された分光反射率を理想状態の分光反射率へと変換する工程、ならびに、
    式5を用いて、工程(v)で得られる任意の膜厚(Xi=1,2,3…)を有する塗膜の分光反射率を理想状態から実際の状態へと変換し直す工程
    を更に含んで成る、請求項1または2に記載の方法。
    Figure 2006220554
    Figure 2006220554
  4. 前記色差ΔEが0.05〜0.4となる膜厚を隠蔽膜厚とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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