JP2005024016A - 燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料タンク12の樹脂チューブ18接続用溶着ジョイント10を、燃料タンク12と溶着する樹脂材で構成された溶着側となる第一部分22と、第一部分22よりも耐燃料透過性及び強度に優れた樹脂材で構成され、樹脂チューブ18と直接嵌合して樹脂チューブ18による緊締力を受ける第二部分24とを含んで構成する。そして第一部分22と第二部分24との界面に沿った何れかの部位に、その界面からの燃料の透過を防止するOリング40及びこれを収容する環状空間38を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイントに関し、詳しくは樹脂チューブを圧入により接続固定するための溶着ジョイントに関する。
【0002】
【発明の背景】
自動車に搭載される燃料タンクには、給油口から注入された燃料を燃料タンクに導くための管体等を接続するためのジョイントが一体に設けられている。
ここで例えば給油口からの燃料を燃料タンクに導く管体の場合、従来にあってはゴムホースが用いられており、その燃料タンクへの接続構造、具体的にはジョイントとの接続構造は、ジョイントに備えられた筒状部に対してゴムホースをその弾力性を利用して外嵌させた上、更にその外側からホースバンドで締め付けて固定するといったものであった。
【0003】
例えば下記特許文献1にはこのようなホースバンド(クランプ)を用いて、ホースを燃料タンクに一体化したジョイントに接続する構造が開示されている。
しかしながら近年、環境保全の観点から燃料がホースを通じて外部に透過することに対する規制が厳しくなって来ており、そこでゴムホースに代えて樹脂チューブが採用されるに到っている。
【0004】
ここで耐燃料透過(耐ガス透過)性に優れた樹脂材は一般に硬質であり、従ってこのような樹脂チューブを用いる場合には、ゴムホース用の従来の接続構造ではこれを燃料タンクに接続することができない。
そこでそのための接続構造として、例えば図7に示すような接続構造が採用されている。
【0005】
図7において、200は樹脂製の燃料タンクで、202は同じく樹脂製の溶着ジョイントである。溶着ジョイント202は溶着により燃料タンク200に一体化されている。
溶着ジョイント202は、接続部としての筒状部204を有しており、その筒状部204の外周面上に突出する状態で環状の鍔状部206が設けられている。
208は給油口から注入された燃料を燃料タンク200に導くための樹脂チューブで、図7(B)に示しているように可撓性を付与するために蛇腹部210が設けられている。
【0006】
図7(B)及び図8において、212はクイックコネクタで、樹脂チューブ208はこのクイックコネクタ212を介して溶着ジョイント202に接続される。
クイックコネクタ212は樹脂製のコネクタ本体214と、同じく樹脂製のリテーナ216とで構成されている。
【0007】
コネクタ本体214は軸方向の一方の側にニップル部218を備えており、また他方の側にリテーナ216を弾性的に挿入させて保持するソケット状のリテーナ保持部230を備えている。
【0008】
ニップル部218は、樹脂チューブ208の端部に圧入されて固定される部分であって、外周面に且つ軸方向の複数箇所に、断面形状が略鋸歯状で先端が鋭角をなす環状突起232が形成されている。また内周側には複数のOリング(シールリング)234が保持されている。
一方ソケット状のリテーナ保持部230には円弧状の凹部236が設けられており、また対応した円弧形状をなす部分リング状部238が設けられている。
【0009】
リテーナ216は全体的に径方向に弾性変形可能とされており、リテーナ保持部230における部分リング状部238に弾性的に嵌り合う円弧状の溝240と、溶着ジョイント202側の鍔状部206を軸方向に挿入ガイドするとともにリテーナ216全体を弾性的に拡径させるためのテーパ状のガイド面242と、鍔状部206を係入させる円弧形状の係入凹部244とを備えている。
【0010】
この接続構造では、コネクタ本体214のニップル部218を樹脂チューブ208の端部に強制的に圧入して、これを樹脂チューブ208の端部に固定しておく。
その際、樹脂チューブ208の端部はニップル部218の圧入によって図7(B)に示しているように拡径変形し、強い緊締力でニップル部218を径方向に締め付ける。
そしてその締付力と、ニップル部218に設けた環状突起232の食い込み作用とで、樹脂チューブ208の端部に対しコネクタ本体214が強固に固定状態となる。
【0011】
これと併せてリテーナ216をコネクタ本体214に装着保持させておき、その状態でクイックコネクタ212を溶着ジョイント202の筒状部204に外挿する。
このとき、コネクタ本体214に保持されたリテーナ216が鍔状部206によって弾性的に拡径変形させられ、そして鍔状部206が係入凹部244に到ったところで再び弾性的に縮径変形して鍔状部206と係入凹部244とが係合状態となる。
これと同時に、筒状部204の鍔状部206より先端側の部分が、コネクタ本体214の内周側のOリング234に嵌り合った状態となって、筒状部204とコネクタ本体214との間が気密にシールされる。
【0012】
しかしながらこの接続構造の場合、樹脂チューブ208接続のためにコネクタ本体214とリテーナ216から成るクイックコネクタ212が必要で接続のための部品点数が多くなり、これによりコストが高くなるとともに、接続に際しても樹脂チューブ208にクイックコネクタ212を組み付けることが必要で、接続のための手間がかかるといった問題があった。
更にこの接続構造の場合、より厳しくなる燃料の透過規制に対して必ずしも十分とは言えないといった問題があった。
【0013】
このようなことから、上記クイックコネクタ212を介することなく樹脂チューブ208を溶着ジョイント202の筒状部204に直接に(ダイレクトに)圧入し、接続を行うことが構想されている。
但しこの場合には次のような問題が新たに発生する。
【0014】
従来、燃料タンクの樹脂材としては高密度ポリエチレン(HDPE)が用いられており、従ってこれに一体化される溶着ジョイントはこの燃料タンクに溶着可能であることが求められる。
【0015】
その溶着のため、筒状部を含む溶着ジョイント全体を同材質の高密度ポリエチレンで構成すると、樹脂チューブを圧入して強い締付力が筒状部に加わると、その際の応力によって筒状部が塑性変形して、いわゆるへたりを生じてしまい、これにより圧入による固定力が弱くなって、樹脂チューブが抜け易いものとなってしまう。
【0016】
上記高密度ポリエチレンに限らず、燃料タンク200に対して溶着性を有する樹脂材の場合、強い締付力がかかると塑性変形してへたりを生じ易く、従って樹脂チューブ208を溶着ジョイント202に対し圧入により直接接続する場合には、この問題が解決されなければならない。
また高密度ポリエチレン等燃料タンクとの溶着性を有する樹脂材は耐燃料透過性の点でも不十分で、この問題も解決されなければならない。
【0017】
この耐燃料透過性の問題の解決を目的としたものとして、上記の特許文献1には、燃料タンクとの溶着性を有する材料で構成した第一部分と、耐燃料透過性を有する樹脂材で構成した第二部分とを径方向に積層して溶着ジョイントを構成する点が開示されている。
【0018】
図9はその具体例を示している。
図9において、246は樹脂製の燃料タンク、248はこの燃料タンク246に溶着一体化された樹脂製の溶着ジョイントである。
この溶着ジョイント248は、溶着部250と筒状部252とを有しており、その溶着部250と筒状部252における外層部254が、燃料タンク246に対し溶着性を有する変性オレフィン系樹脂で、また内層256が、耐燃料透過性に優れたポリアミド等の材料でそれぞれ構成され、筒状部252においてそれらが径方向に積層されている。
尚同図において258はホースで、260はホースバンド等のクランプである。
【0019】
しかしながらこの接続構造の場合、燃料タンク246に対して溶着性を有する樹脂材が筒状部252の外層部254を構成しているため、樹脂チューブを圧入してそこに強い緊締力が働くと、その部分が塑性変形によりへたりを生じてしまい、その結果として緊締力が弱まって樹脂チューブが溶着ジョイント248、具体的には筒状部252から抜け易くなってしまう問題を内包している。
【0020】
また溶着部250及び筒状部252の外層部254を構成する溶着性を有する樹脂材と、内層部256を構成する耐燃料透過性の高い樹脂材との界面で剥離が生じたとき、その界面に沿って燃料が外部に透過してしまう問題も内在している。
【0021】
【特許文献1】
特開2002−254938号公報
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイントはこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、樹脂製で接続部としての筒状部を備えて樹脂製の燃料タンクに溶着により一体化され、該筒状部に樹脂チューブを外嵌状態に圧入させて該樹脂チューブと接続される燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイントであって、前記燃料タンクとの溶着性を有する樹脂材で構成された、該燃料タンクとの溶着側となる第一部分と、該第一部分よりも耐燃料透過性及び強度に優れた樹脂材で構成され、前記樹脂チューブと直接嵌合して該樹脂チューブによる緊締力を受ける第二部分とを有しており、且つ前記第一部分と第二部分との界面に沿った何れかの部位に、該界面からの燃料の透過を防止するシールリング及び該シールリングを収容する環状空間が設けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項2のものは、請求項1において、前記筒状部と樹脂チューブとが実質的に該樹脂チューブの圧入に基づく緊締力だけで、クランプレスで接続固定されることを特徴とする。
【0024】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記シールリング及び環状空間は、前記界面の外周端に且つ前記樹脂チューブとの圧入嵌合面に配設されており、該樹脂チューブの圧入時に該シールリングが該樹脂チューブの内面に気密に接触して、該樹脂チューブ内面との間においてもシール作用をなすものとしてあることを特徴とする。
【0025】
請求項4のものは、請求項1,2の何れかにおいて、軸方向の異なった2位置に前記シールリングと環状空間とが設けてあり、前記樹脂チューブが圧入される先端側の位置のシールリングが該樹脂チューブの内面に接触して該内面との間でシール作用を行うものとなしてあり、また基端側の位置のシールリングが、前記界面からの燃料透過を防止するものとなしてあることを特徴とする。
【0026】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記第二部分は、前記第一部分よりも外周側に位置する外層と、内周側に位置する内層との2層構造をなしていて、それら外層及び内層が該第一部分を径方向の内,外からサンドイッチ状に挟む状態に積層されていることを特徴とする。
【0027】
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記第二部分且つ前記樹脂チューブとの圧入嵌合面には、断面形状が略鋸歯状をなし、圧入状態の該樹脂チューブの内面への食込み作用で該樹脂チューブの抜けを防止する、先端が鋭角の環状突起が軸方向の複数位置に設けてあり、且つ最も基端側である奥側に位置する環状突起が他の環状突起よりも大径に構成してあることを特徴とする。
【0028】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明は、溶着ジョイントにおける燃料タンクとの溶着側となる第一部分を、燃料タンクとの溶着性を有する樹脂材で構成する一方、樹脂チューブと直接圧入接続されて樹脂チューブによる緊締力を受ける第二部分を、耐燃料透過性及び強度に優れた樹脂材で構成し、且つそれら第一部分と第二部分との界面に沿った何れかの部位に、その界面からの燃料透過を防止するシールリング及びこれを収容する環状空間を設けたもので、本発明によれば、溶着ジョイントの筒状部に対して樹脂チューブを外嵌状態に圧入し、その筒状部に対し樹脂チューブの強い緊締力が働いた場合にも、筒状部におけるへたり即ち材料の塑性流れを伴った変形による薄肉化の現象を防止して当初の強い固定力、即ち耐引抜力を維持することができる。
【0029】
また第一部分と第二部分との界面で万一剥離が生じたとしても、シールリングによって界面からの燃料の外部への透過を防止することができる。
【0030】
また本発明では、樹脂チューブを溶着ジョイントの筒状部に直接圧入して両者を接続できるため、図8及び図9に示すクイックコネクタを接続用に用いる場合に比べて所要コストを低減することができ、またクイックコネクタを樹脂チューブに組み付けるための手間も削減することができる。
【0031】
本発明は、溶着ジョイントにおける筒状部と樹脂チューブとが、その樹脂チューブの圧入に基づく緊締力だけで、即ちクランプレスで接続固定される場合に適用して特に効果の大なるものである(請求項2)。
【0032】
本発明においてはまた、上記シールリング及び環状空間を、第一部分と第二部分との界面の外周端に且つ樹脂チューブとの圧入嵌合面に配設しておき、樹脂チューブの圧入時にそのシールリングを樹脂チューブの内面に気密に接触させて、樹脂チューブ内面との間においてもシール作用するようになしておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、樹脂チューブ内部から圧入嵌合面を通じて燃料が外部に透過するのをそのシールリングによって併せて防止できる。
【0033】
本発明においては、更に、軸方向の異なった2位置にシールリングと環状空間とを設け、樹脂チューブが圧入される先端側のシールリングで樹脂チューブ内面との間のシール作用を行わせる一方、基端側の位置のシールリングにて上記界面からの燃料透過を防止するようになしておくことができる(請求項4)。
【0034】
本発明ではまた第二部分を、第一部分よりも外周側に位置する外層と内周側に位置する内層との2層を有する構造となし、それらが第一部分を径方向において内,外からサンドイッチ状に挟む状態で積層しておくことができる(請求項5)。
【0035】
次に請求項6は、高強度の第二部分且つ樹脂チューブとの圧入嵌合面に、先端が鋭角の環状突起を軸方向の複数位置に設け、且つ最も奥側に位置する環状突起を他の環状突起よりも大径となしたもので、このようになしておくことで、圧入した樹脂チューブの耐抜き力を効果的に高めることができる。
【0036】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図3において、10は樹脂製の溶着ジョイントで、同じく樹脂製の燃料タンク12に対し開口部14おいて溶着され一体化されるようになっている。ここで燃料タンク12は高密度ポリエチレンからなっている。
【0037】
溶着ジョイント10は、フランジ部16と樹脂チューブ18の接続部となる筒状部20とを有している。
尚樹脂チューブ18は耐燃料透過性に優れた硬質樹脂から成っている。この樹脂チューブは例えばETFE(エチレン・テトラ・フロロエチレン共重合体),PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素樹脂、或いはPBN(ポリブチレンナフタレート),PBT(ポリエチレンテレナフタレート)等のポリエステル樹脂とその熱可塑性エラストマー(TPE)、或いはPPS(ポリフェニレンサルファイド)等に代表されるポリアリーレンサルファイドとその熱可塑性エラストマー(TPE)、或いはPOM(ポリオキシメチレン)、或いはPA11,PA12に代表される脂肪族ポリアミド樹脂とそのTPE、或いはPA9T,PA6T等に代表される芳香族ポリアミド樹脂、上記樹脂又はTPEを単層または2つ以上に複層して構成される。特にここに例示した中でETFE,PBN,PPS,PA12は押出加工性が良好であり好適である。
溶着ジョイント10は、燃料タンク12に対して溶着性の高い樹脂材から成る第一部分22と、これよりも耐燃料透過性及び強度に優れた樹脂材から成る第二部分24とで構成されている。
【0038】
本例において、第一部分22は具体的には高密度ポリエチレンにて構成されている。一方、第二部分24は、脂肪族ポリアミド樹脂,POM,ポリエステル樹脂,ポリアリーレンサルファイド等の樹脂材、或いはこれらの樹脂に補強材として、ガラス繊維を含有した樹脂材にて構成される。
ここで強度に優れるとは、少なくとも応力に対し第一部分22よりも耐性が大で、塑性変形による所謂へたりを生じ難いことを意味する。
【0039】
図2にも示しているように、第一部分22は筒状部20の中間層26と、フランジ外層28とを構成している。フランジ外層28の下端部は、後述のフランジ内層42よりも僅かに図中下向きに突出しており、燃料タンク12に対し溶着される溶着部30を成している。
【0040】
一方第二部分24は、中間層26の外周側に位置する筒状の外層32と、内周側に位置する筒状の内層34とに分れていて、それら外層32と内層34とが第一部分22の中間層26を径方向において内,外両側からサンドイッチ状に挟む状態に、かかる中間層26に対し積層され、固着一体化されている。
尚本例において、第一部分22と第二部分24とは2色成形により互いに接着状態で一体に成形されている。
【0041】
内層34には、樹脂チューブ18との圧入側の先端部(図中上端部)に大径部36が形成されており、この大径部36と中間層26及び外層32とによって環状空間38が形成されており、そこにOリング(シールリング)40が装着保持されている。
尚大径部36の外周面はテーパ面41とされている。
【0042】
内層34にはまた、大径部36とは反対側の基端部においてフランジ内層42が形成されており、このフランジ内層42が、第一部分22に形成されたフランジ外層28に積層状態で固着一体化されている。
【0043】
他方、外層32の外周面には軸方向の複数箇所(この例では2箇所)において環状突起44が形成されている。ここで環状突起44は、断面形状が略鋸歯状をなし、圧入された樹脂チューブ18の内面に食い込んで樹脂ホース18の抜けを阻止する、先端部が鋭角の突起とされている。
【0044】
本例においては、溶着ジョイント10における筒状部20に樹脂チューブ18を外嵌状態に軸方向に圧入することでかかる樹脂チューブ18を溶着ジョイント10、具体的には筒状部20に接続固定する。また溶着ジョイント10を溶着部30において加熱により燃料タンク12に溶着する。
従って樹脂チューブ18は図8に示すようなクイックコネクタを介することなく、直接に樹脂タンク12に対し、具体的には溶着ジョイント10に接続固定される。
尚図1に示しているように、この例では樹脂チューブ18を溶着ジョイント10の筒状部20に単に圧入するだけで両者の接続が行われ、クランプによって樹脂チューブ18の圧入部分を外周側から締め付け固定するといったことは特別に行わない。
【0045】
而して樹脂チューブ18を溶着ジョイント10の筒状部20に強制圧入すると、その圧入部分が拡径変形して筒状部20に対し強い緊締力を及ぼし、その緊締力によって樹脂チューブ18が溶着ジョイント10から良好に抜け止めされる。
このとき、環状空間38に収容されているOリング40が樹脂チューブ18の内面に気密に接触して、樹脂チューブ18内面との間でシールを行う。
【0046】
このOリング40はまた、第一部分22と第二部分24との界面の外周端に且つ筒状部20における樹脂チューブ18との圧入嵌合面に設けられており、樹脂チューブ18との間でシールをなすと同時に、万一第一部分22と第二部分24との接合界面が剥離を生じた場合においても、その界面を伝って燃料が外部に透過するのを防止する働きもなす。
【0047】
以上のような本例の溶着ジョイント10の場合、その筒状部20に対して樹脂チューブ18を外嵌状態に圧入することで筒状部20に樹脂チューブ18の緊締力が働いた場合にも、筒状部20のへたり変形を防止して、当初の強い固定力即ち耐引抜力を維持することができる。
また第一部分22と第二部分24との界面で万一剥離が生じたとしても、Oリング40によって界面からの燃料の外部への透過を防止できる。
【0048】
また本例では樹脂チューブ18を溶着ジョイント10の筒状部20に圧入して直接両者を接続するため、図8及び図9に示すクイックコネクタを接続用に用いる場合に比べて所要コストを低減することができ、またクイックコネクタを樹脂チューブ18に組み付けるための手間も削減することができる。
【0049】
本例ではまた、Oリング40によって樹脂チューブ18内部から圧入嵌合面を通じ燃料が外部に透過するのを防止することができる。
【0050】
図4は本発明の他の実施例を示している。
ここでは第一部分22に軸方向の立上り部45が形成されている。また第二部分24には、その立上り部45の内周側に位置する内層46と、これに続いて先端側に筒状の厚肉部48が形成されている。
そしてこの厚肉部48の外周面に環状突起44A,44Bとが、軸方向の複数箇所(ここでは3箇所)に形成されている。
【0051】
ここで最も奥側の環状突起44Bは、図5に示しているようにその外径d2が他の環状突起44Aの外径d1よりも大径とされている。
尚、第一部分22における上記立上り部45の外径もまた、この奥側の環状突起44Bの外径d2と同等ないし若干大きくされている。
【0052】
奥側の環状突起44Bと立上り部45との間には環状空間38が形成されていて、そこにシールリングとしてのOリング40が装着保持されており、このOリング40が、溶着ジョイント10に圧入された樹脂チューブ18の内面に気密に接してシールをなしている。
この例でもまた、Oリング40は上記実施例と同様に第一部分22と第二部分24との界面のシールも行っており、万一その界面で剥離が生じた場合であっても、燃料がその界面を伝って外部に透過するのが防止される。
【0053】
本例では、高強度の第二部分24且つ樹脂チューブ18との圧入嵌合面に、先端が鋭角の環状突起44Aを軸方向の複数位置に設け、且つ最も奥側に位置する環状突起44Bを環状突起44Aよりも大径としていることから、圧入した樹脂チューブ18の耐抜き力を効果的に高めることができる。
【0054】
図6は本発明の更に他の実施例を示している。
この例においても第二部分24に筒状の厚肉部48が形成されていて、筒状部20における先端側の部分が内周面から外周面に到るまでこの厚肉部48によって構成されている。そしてこの厚肉部48の外周面に環状突起44が軸方向の異なる2箇所において設けられている。
【0055】
第二部分24にはまた、基端側に図中下向きの筒状の立下り部52が形成されていて、この立下り部52が、第一部分22に形成された環状の凹所54内に埋り込んでいる。そしてその立下り部52と第一部分22とによって環状空間38が形成され、そこにOリング40が装着保持されている。
このOリング40は、第一部分22と第二部分24との界面をシールするもので、この例においてもそれら第一部分22と第二部分24との界面で万一剥離が生じた場合においても、Oリング40によって燃料がその界面を伝って外部に透過するのが防止される。
【0056】
本例ではまた、第二部分24における厚肉部48の外周面且つ先端近傍部分に環状空間38が形成されていて、そこにOリング40が装着保持されている。このOリング40は、圧入された樹脂チューブ18の内面に気密に接触し、樹脂チューブ18の内部から圧入嵌合面を経て燃料が外部に透過するのを防止する。
【0057】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明は給油口から燃料タンクに燃料を導くための樹脂チューブの接続用の溶着ジョイントに限られず、燃料タンクに溶着されて他の管体を接続するための各種溶着ジョイントに対して適用することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の溶着ジョイントを燃料タンクへの溶着状態及び樹脂チューブとの接続状態で示す図である。
【図2】同実施例の溶着ジョイントを単体で示す図である。
【図3】同実施例の溶着ジョイントを樹脂タンクに溶着する前の状態及び樹脂チューブを接続する前の状態で示す図である。
【図4】本発明の他の実施例の溶着ジョイントを燃料タンクへの溶着状態及び樹脂チューブとの接続状態で示す図である。
【図5】図4の溶着ジョイントを単体状態で示す図である。
【図6】本発明の他の実施例の溶着ジョイントを樹脂タンクへの溶着状態及び樹脂ホースとの接続状態で示す図である。
【図7】樹脂チューブの燃料タンクに対する従来の接続構造を示す図である。
【図8】図7の接続構造を各部材に分解して示す図である。
【図9】従来公知の溶着ジョイントの構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 溶着ジョイント
12 燃料タンク
18 樹脂チューブ
20 筒状部
22 第一部分
24 第二部分
32 外層
34 内層
38 環状空間
40 Oリング
44,44A,44B 環状突起
Claims (6)
- 樹脂製で接続部としての筒状部を備えて樹脂製の燃料タンクに溶着により一体化され、該筒状部に樹脂チューブを外嵌状態に圧入させて該樹脂チューブと接続される燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイントであって、
前記燃料タンクとの溶着性を有する樹脂材で構成された、該燃料タンクとの溶着側となる第一部分と、該第一部分よりも耐燃料透過性及び強度に優れた樹脂材で構成され、前記樹脂チューブと直接嵌合して該樹脂チューブによる緊締力を受ける第二部分とを有しており、且つ前記第一部分と第二部分との界面に沿った何れかの部位に、該界面からの燃料の透過を防止するシールリング及び該シールリングを収容する環状空間が設けられていることを特徴とする燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイント。 - 請求項1において、前記筒状部と樹脂チューブとが実質的に該樹脂チューブの圧入に基づく緊締力だけで、クランプレスで接続固定されることを特徴とする燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイント。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記シールリング及び環状空間は、前記界面の外周端に且つ前記樹脂チューブとの圧入嵌合面に配設されており、該樹脂チューブの圧入時に該シールリングが該樹脂チューブの内面に気密に接触して、該樹脂チューブ内面との間においてもシール作用をなすものとしてあることを特徴とする燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイント。
- 請求項1,2の何れかにおいて、軸方向の異なった2位置に前記シールリングと環状空間とが設けてあり、前記樹脂チューブが圧入される先端側の位置のシールリングが該樹脂チューブの内面に接触して該内面との間でシール作用を行うものとなしてあり、また基端側の位置のシールリングが、前記界面からの燃料透過を防止するものとなしてあることを特徴とする燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイント。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記第二部分は、前記第一部分よりも外周側に位置する外層と、内周側に位置する内層との2層構造をなしていて、それら外層及び内層が該第一部分を径方向の内,外からサンドイッチ状に挟む状態に積層されていることを特徴とする燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイント。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記第二部分且つ前記樹脂チューブとの圧入嵌合面には、断面形状が略鋸歯状をなし、圧入状態の該樹脂チューブの内面への食込み作用で該樹脂チューブの抜けを防止する、先端が鋭角の環状突起が軸方向の複数位置に設けてあり、且つ最も基端側である奥側に位置する環状突起が他の環状突起よりも大径に構成してあることを特徴とする燃料タンクの樹脂チューブ接続用溶着ジョイント。
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