JP2005023005A - しわ改善組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、しわ改善効果に優れた組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
健康で美しい肌を保つことは、特に女性にとって非常に関心の高い問題である。しかし、肌の状態は湿度、紫外線、化粧品、加齢、疾病、ストレス、食習慣等の因子に常に影響され、その結果として肌の諸機能の減退、肌の老化など、様々な肌のトラブルが発生する。
これらのうち、しわは加齢による肌の老化や太陽光線への露出による光老化等により生じる。すなわち、太陽光線への露出や年齢の増加により、真皮の線維を作る細胞(線維芽細胞)は小さくかつ少なくなる。特に、コラーゲン線維は大きく失われたり、張力が低下するなどの影響を受けるため、真皮が退化し、また皮下脂肪組織が減少することにより皮膚が老化し、これが主にしわ、ハリの低下及び弾力性損失の原因となると言われている。
【0003】
従来、しわの抑制や治療、皮膚のハリを改善するため、種々の組成物や方法が検討されてきた。例えば、レチノイドやレチノイン酸等を用いて真皮組織を増殖させ、しわを改善する技術が知られている。また、特許文献1には、インテグリン産生促進剤とアクチン−ミオシン系活性化剤を組み合わせて真皮に作用させることで、皮膚引き締め効果が促進され、ハリのある美しい肌を実現することができる皮膚化粧料が記載されている。しかしながら、これらの技術は、ハリやしわ改善のために真皮のみに着目したものである。
【0004】
また、特許文献2には、角質層への柔軟性付与を目的として、グアニジン誘導体又はその塩を用いた皮膚化粧料が記載されている。しかしながら、ケラチン線維への作用や角質層の弾力性、しわへの効果については全く言及も示唆もされていない。
【0005】
一方、肌を構成する要素は、真皮の他に、肌の外観並びに触ったときの物性などを直接的に反映する組織として、真皮よりも外層に位置する角層(表皮)が存在する。非特許文献1には、角層の弾力性もしわに関連する重要な因子であり、角層の細胞骨格蛋白質であるケラチン線維が大きく関係していることが記載されており、グアニジン誘導体が角層の弾力性を改善し、しわ改善効果を有することが記載されている。加えて、特許文献3には、グアニジン誘導体又はその塩が、しわ改善効果を有することが開示されている。
しかしながら、いずれの方法も、しわに対する作用効果の点で必ずしも十分ではなく、更に高い効果が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−278769号公報
【特許文献2】
特開平8−109120号公報
【特許文献3】
国際公開第98/15260号パンフレット
【非特許文献1】
「フレグランスジャーナル」,2002年6月号,p.38−42
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、肌のしわを有効に改善する組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、皮膚の角層ケラチン線維の弾力性の改善と、真皮中の線維芽細胞の張力線維(アクチン−ミオシン束)の活性化を同時に行なえば、しわを改善する効果が格段に高くなること、特に、特定のグアニジン誘導体(1)と、アクチン−ミオシン系を活性化する作用を有する植物抽出物とを併用することにより、相乗的に作用し、優れたしわ改善効果が得られることを見出した。
【0009】
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】
アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリンから選ばれる複素環式基を示し、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基又はアミジノ基を示す)
で表わされるグアニジン誘導体又はその塩、
(B)アクチン−ミオシン系活性化作用を有する植物抽出物
を含有するしわ改善組成物を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、前記しわ改善組成物を皮膚に塗布することにより、皮膚の角層ケラチン線維の弾力性の改善と、真皮中の線維芽細胞の張力線維(アクチン−ミオシン束)の活性化を同時に行なうことを特徴とするしわ改善方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、しわ及びハリに関与する皮膚組織及びそのメカニズムに鑑み、皮膚を構成する角層(表皮)と真皮の双方への効果を付与し、しわ改善効果の向上を図るものである。特に、成分(A)及び(B)を併用することにより、優れたしわ改善効果を得ることができる。すなわち、グアニジン誘導体により角層の構成成分のケラチン線維を分散させ、角層の弾力性を向上させると同時に、真皮中の線維芽細胞に存在する張力線維(アクチン−ミオシン束)の収縮を活性化させ、ハリを付与することで、しわに影響する2つの因子の活性化を図り、しわ改善効果を高めるものである。
【0014】
本発明で用いる成分(A)のグアニジン誘導体は、前記一般式(1)で表わされるものである。式中、
【0015】
【化3】
【0016】
で示される複素環式基としては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリンが好ましい。
【0017】
また、R1及びR2で示されるアルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
【0018】
ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基が好ましい。具体的には、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられ、特にヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基が好ましい。
【0019】
また、カルボキシアルキル基としては、炭素数2〜7のカルボキシアルキル基が好ましく、特に炭素数2〜5のカルボキシアルキル基が好ましい。具体的には、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等が挙げられ、特にカルボキシメチル基及びカルボキシエチル基が好ましい。
【0020】
また、グアニジン誘導体(1)は、R1とR2によっては不斉炭素原子が存在する場合もあり、そのときには立体異性が存在するが、本発明においてはこれらの立体異性体及びその混合物のいずれも使用できる。
【0021】
グアニジン誘導体(1)の具体例としては、N−アミジノ−プロリン、N−アミジノ−4−ヒドロキシ−プロリン、2−ヒドロキシメチル−1−ピロリジンカルボキサミジン、3−ヒドロキシ−1−ピロリジンカルボキサミジン、N−アミジノ−アゼチジン−2−カルボン酸、N−アミジノ−2−ピペリジンカルボン酸、N−アミジノ−3−ピペリジンカルボン酸、N−アミジノ−4−ピペリジンカルボン酸、N−アミジノ−4−ピペリジンプロピオン酸、N−アミジノピロリジン、N−アミジノピペリジン、N−アミジノ−2−メチルピペリジン、N−アミジノ−3−メチルピペリジン、N−アミジノ−4−メチルピペリジン、N−アミジノ−2−メチルモルホリン、N−アミジノ−3−メチルモルホリン、N−アミジノ−N′−メチルピペラジン、N−アミジノ−N′−ヒドロキシエチルピペラジン、N,N′−ジアミジノ−ピペラジン等が挙げられる。
【0022】
また、グアニジン誘導体(1)の塩を形成するための酸としては、有機酸又は無機酸のいずれでも良く、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、安息香酸、ソルビン酸、ニコチン酸、ウロカニン酸、ピロリドンカルボン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、o、m又はp−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ酸;グリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイン、シスチン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ピペコリン酸、トリプトファン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、アルギニン、アミノ安息香酸等のアミノ酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸;フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸;過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸が含まれる。
【0023】
このようなグアニジン誘導体(1)又はその塩は、例えば特開平8−109120号公報に記載の方法に従って製造することができる。
【0024】
グアニジン誘導体(1)又はその塩は、1種以上を用いることができ、皮膚化粧料中に0.001〜50質量%、特に0.001〜30質量%、更に0.01〜20質量%含有するのが、しわ改善効果に優れるとともに、使用感も良好であるので好ましい。
【0025】
本発明で用いる成分(B)の植物抽出物は、アクチン−ミオシン系活性化作用を有するものであり、皮膚線維芽細胞に作用してその細胞張力を促進するものである。
真皮中の線維芽細胞に存在する張力線維(アクチン−ミオシン束)に関して、Gタンパク質を介したアクチン−ミオシン系の活性化(アクチン−ミオシン束の収縮)のメカニズムより、線維芽細胞を介してコラーゲン線維を引張ることが皮膚にハリを与える。ここで、線維芽細胞の張力評価は、Kolodneyらの方法(Kolodney MSら、J.Cell.Biol., 117, 73−82(1992))に準じて測定することができ、これにより、細胞張力を促進することが確認できる。
具体的には、線維芽細胞包埋コラーゲンゲルを作製し、得られたゲルを37℃に保温した無血清培地中に固定し、50〜100mgの負荷をかけて安定化させた後、無血清DMEMで最終濃度の50倍程度の濃度に調整した評価サンプル液を1mL添加し、発生する力をIsotomic Transducerで計測し、BIOPACで記録する。得られる値について、評価サンプル液添加前の比較的安定した5分間、添加後の張力が最大となる5分間の平均の差を、発生した線維芽細胞張力とする。
【0026】
成分(B)の植物抽出物としては、具体的には、マロニエ、オウゴン、オウバク、クチナシ、ジオウ、ショウキョウ、レンゲソウ等の植物の抽出物を用いることができる。
【0027】
ここで、マロニエとは、トチノキ科(Hippocastanaceae)のセイヨウトチノキ(Aesculus hippocastanum)の樹皮または種子部などを;オウゴンとはシソ科(Labiatae)のコガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)の周皮を除いた根を;オウバクとはミカン科(Rutaceae)のキハダ(Phellodendron amurense Ruprecht)又はその他同属植物の周皮を除いた樹を;クチナシとはアカネ科(Rubiaceae)のGardenia jasminoides Ellisを;ジオウとはゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)のアカヤジオウ(Rehmannia glutinosa Liboschitz var. purpurea Makino又はRehmannia glutinosa Liboschitz)の根又はそれを蒸したものを;ショウキョウとはショウガ科(Zingiberaceae)のショウガ(Zingiber officinale Roscoe)の根茎を;レンゲソウとはマメ科(Leguminosae)のAstragalus sinicusをそれぞれ示す。
【0028】
これらの植物は、その植物の該当部位、又は全草若しくは葉、根、果実、種子、花、樹皮のうちの1以上をそのまま又は粉砕して用いることができる。
【0029】
また、本発明における抽出物とは、更にこれらを常温又は加温下にて抽出するか、又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得られる各種溶剤抽出液、その希釈液、その濃縮液又はその乾燥末を意味する。ここで抽出物は、1種の植物からのものでも2種以上の植物から得られたものであってもよい。
【0030】
抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類などが挙げられ、これらは2種以上を混合して用いることもできる。
【0031】
上記抽出物は、そのまま用いることもできるが、当該抽出物を希釈、濃縮又は凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。
また、液々分配等の技術により、上記抽出物から不活性な夾雑物を除去して用いることもでき、本発明においてはこのようなものを用いることが好ましい。これらは、必要により公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してから用いてもよい。
【0032】
本発明においては、このようにして得られた抽出物として、特にマロニエ、ショウキョウ、オウバクの抽出物を用いるのが好ましい。
成分(B)は、1種以上を用いることができ、乾燥物換算で、皮膚化粧料中に0.0001〜5質量%、特に0.001〜1質量%含有するのが好ましい。
【0033】
本発明の組成物は、上記成分以外に、一般的な化粧料用成分、例えば水、油性成分、及びその他の成分を配合することにより、化粧水、乳液、クリーム、美容液、水性ジェル、パック等の皮膚化粧料として用いることができる。その剤型としては、乳化物、可溶化物、分散物、ジェル等が含まれる。
【0034】
その他の成分としては、例えば水溶性多価アルコール類、低級アルコール類、水溶性増粘剤、有機酸、無機酸、塩基等の水溶性成分;天然又は合成の液状、固形、半固形状の炭化水素、高級アルコール、脂肪酸、エステル油、シリコーン油等の油性成分が含まれる。
【0035】
水溶性多価アルコール類としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等が含まれ、皮膚化粧料中に0.001〜30質量%含有することができる。低級アルコール類としては、エタノール等が含まれ、皮膚化粧料中に0.001〜60質量%含有することができる。水溶性増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム等が含まれ、皮膚化粧料中に0.001〜3質量%含有することができる。有機酸としては、コハク酸、乳酸等が含まれ、無機酸としては、リン酸、硫酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が含まれる。これら有機酸、無機酸、塩基は、皮膚化粧料中に0.0001〜2質量%含有することができる。
また、水は、皮膚化粧料中に0.1〜95質量%含むことができる。
【0036】
油性成分としては、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸;オリーブ油、ホホバ油、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル油;アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテル等のエーテル油;メチルポリシロキサン等のシリコーン油が含まれ、皮膚化粧料中に0.001〜50質量%含有することができる。
更に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の界面活性剤を、皮膚化粧料中に0.001〜10質量%含有することができる。
【0037】
また、パップ化粧料等の剤型とすることもでき、その場合には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等の架橋型高分子を1〜30質量%、水酸化アルミニウム等の塩類を0.0001〜5質量%、水溶性多価アルコール類を0.001〜60質量%、油性基材を0.001〜30質量%、界面活性剤を0.001〜10質量%含有させることができる。
【0038】
このほか、例えばベタイン等の保湿剤、パラベン等の防腐剤、紫外線吸収剤、色素、香料、被膜形成性の高分子化合物、粉体類等の感触向上剤、キレート剤、抗酸化剤、エキス類・ビタミン類等の生理活性物質、薬効剤などを適宜含有することができる。
【0039】
本発明の皮膚化粧料は、通常の方法により製造することができ、また、一般の皮膚化粧料に限定されず、薬用化粧料等をも包含するものである。
【0040】
【実施例】
製造例1〜7
表1に示す植物の抽出物を以下の方法で調製した。
すなわち、表1の植物の各部位の粉砕物1kgを、室温で抽出溶剤5Lに1週間浸漬し、溶剤可溶成分を抽出した。抽出液を分離した残渣について同様の操作を繰り返し、合計10Lの抽出液を得た。この抽出液の溶媒を留去し、減圧乾固し、抽出物を得た。
なお、表1中、ETはエタノールを、Wは水を、BGは1,3−ブチレングリコールを示す。
【0041】
【表1】
【0042】
実施例1
表2に示す組成のジェルを製造し、しわ改善効果について評価した。結果を表2に併せて示す。
【0043】
(製法)
成分(1)〜(6)及び(8)を成分(9)に加えて溶解させる。これに、成分(7)を加えて中和した後、撹拌して、ジェルを得た。
【0044】
(評価方法)
32歳〜49歳までの健常な女性36名をパネラーとし、3群(各12名)に分けた。各パネラーに、右下眼瞼部位に実施例又は比較例のジェルを、左下眼瞼部位にプラセボのジェルを、各々0.1mL、1日2回、10週間塗布した。試験開始前及び10週間塗布後の状態を、目視にて下記基準(J.Cosmet.Sci., 2000, Vol.51, 127−139)をもとに絶対評価(スコア)し、試験前後の差「試験前スコア−10週後のスコア=しわ改善効果値」とし、平均値を求めた。
(評価基準)
0:しわがない。
1:かすかにしわがある。
2:ややしわがある。
3:しわがある。
4:かなりしわがある。
【0045】
【表2】
【0046】
「しわの状態」は、初期状態に個人差があるため、試験前後の変化をしわ改善効果値として判定を行なった。すなわち、ある人のスコアが開始前スコア「1」から試験後「0」の状態にしわが改善した場合と、別の人が開始前スコア「4」から試験後「3」であった場合は、同様の改善効果を有するものであると判定した。また、個人のしわスコアにおいて、値が1変化した場合には、明らかなしわ改善効果を有するものである。
表2より、実施例1のしわ改善効果値の平均値は1に近く、明らかにしわ改善効果を有するのに対し、比較例1、2はプラセボの判定値に近い値であり、改善効果に劣るものであった。
【0047】
実施例2(ジェル)
以下に示す組成のジェルを製造した。得られたジェルは、明らかなしわ改善効果を有するものであった。
【0048】
(成分)
(1)N−アミジノ−プロリン 4(質量%)
(2)マロニエ抽出物(製造例1;固形分1%) 2
(3)ショウキョウ抽出物(製造例6;固形分3%) 1
(4)カルボキシビニルポリマー 0.5
(5)ポリオキシエチレンメチルグルコシド 10
(6)86%グリセリン 10
(7)グリシンベタイン 3
(8)コハク酸 適量
(9)水酸化カリウム 0.15
(10)香料 適量
(11)精製水 バランス
【0049】
(製法)
成分(1)〜(8)を成分(11)に加えて溶解させる。これに、成分(9)を加えて中和した後、成分(10)を添加して撹拌し、ジェルを得る。
【0050】
実施例3(乳液)
以下に示す組成の乳液を製造した。得られた乳液は、明らかなしわ改善効果を有するものであった。
【0051】
(成分)
(1)パルミチン酸 0.5(質量%)
(2)オリーブ油 2
(3)セタノール 1
(4)ホホバ油 5
(5)モノヘキサデシルリン酸ナトリウム 2
(6)モノステアリン酸ソルビタン 0.5
(7)2−ヒドロキシメチル−1−ピロリジンカルボキサミジン 2
(8)マロニエ抽出物(製造例1;固形分1%) 1
(9)86%グリセリン 15
(10)エタノール 5
(11)乳酸 0.2
(12)精製水 バランス
【0052】
(製法)
成分(1)〜(6)を80℃に保ち、均一溶解させて油相を得る。成分(7)〜(12)を溶解し、撹拌しながら油相を加え、ホモミキサーで処理した後、急冷して乳液を得る。
【0053】
実施例4(化粧水)
以下に示す組成の化粧水を製造した。得られた化粧水は、明らかなしわ改善効果を有するものであった。
【0054】
(成分)
(1)N−アミジノ−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン 2(質量%)
(2)レンゲソウ抽出物(製造例7;固形分3%) 1
(3)モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1
(4)1,3−ブチレングリコール 3
(5)ソルビトール(70%) 2
(6)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 3
(7)エタノール 10
(8)精製水 バランス
【0055】
(製法)
成分(1)〜(8)を均一に溶解させ、化粧水を得る。
【0056】
実施例5(クリーム)
以下に示す組成のクリームを製造した。得られたクリームは、明らかなしわ改善効果を有するものであった。
【0057】
(成分)
(1)3−ヒドロキシ−1−ピロリジンカルボキサミジン 2(質量%)
(2)オウバク抽出物(製造例3;固形分0.3%) 1
(3)ステアリン酸 7.5
(4)セトステアリルアルコール 1.5
(5)流動パラフィン 10
(6)トリイソオクタン酸グリセリン 12
(7)ラノリン 3
(8)パルミチン酸セチル 4
(9)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40) 2
(10)モノステアリン酸グリセリン(自己乳化型) 5
(11)精製水 バランス
【0058】
(製法)
成分(3)〜(10)を80℃に保ち均一に溶解させて油相を得る。成分(1)、(2)及び(11)を溶解し、撹拌しながら油相を加え、ホモミキサーで処理した後、急冷してクリームを得る。
【0059】
実施例6(パック)
以下に示す組成のパックを製造した。得られたパックは、明らかなしわ改善効果を有するものであった。
【0060】
(成分)
(1)N−アミジノ−4−ピペリジンカルボン酸 2(質量%)
(2)ショウキョウ抽出物(製造例6;固形分3%) 2
(3)マロニエ抽出物(製造例1;固形分1%) 1
(4)ポリビニルアルコール(35〜45cps) 6
(5)ポリビニルアルコール(20〜25cps) 7
(6)エタノール 20
(7)モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1
(8)プロピレングリコール 3
(9)グリセリン 1
(10)精製水 バランス
【0061】
(製法)
成分(10)に成分(4)、(5)及び(7)〜(9)を加えて溶解させる。その後、成分(1)〜(3)及び(6)を撹拌して加え、パックを得る。
【0062】
実施例7(パップ剤)
以下に示す組成のパップ剤を製造した。得られたパップ剤は、明らかなしわ改善効果を有するものであった。
【0063】
(成分)
(1)N−アミジノ−プロリン 1(質量%)
(2)マロニエ抽出物(製造例1;固形分1%) 1
(3)ポリアクリル酸10%水溶液 35
(4)ポリアクリル酸ナトリウム 7
(5)グリセリン 20
(6)モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 0.5
(7)塩化カルシウム20%水溶液 1
(8)カリミョウバン10%水溶液 4
(9)水酸化アルミニウム 0.2
(10)カオリン 4
(11)精製水 バランス
【0064】
(製法)
成分(11)の一部に、成分(3)〜(5)を溶解させ、別途成分(11)の残部に成分(6)〜(9)を溶解させたものを添加して水相とし、更に撹拌しながら成分(10)を添加してゲルを得る。このゲルを不織布に均一に塗工してパップ剤を得る。
【0065】
【発明の効果】
本発明の組成物は、肌のしわを改善する効果に優れたものである。
Claims (4)
- (B)アクチン−ミオシン系活性化作用を有する植物抽出物が、マロニエ、オウゴン、オウバク、クチナシ、ジオウ、ショウキョウ及びレンゲソウから選ばれる植物の抽出物である請求項1記載のしわ改善組成物。
- 皮膚化粧料である請求項1又は2記載のしわ改善組成物。
- 請求項1記載のしわ改善組成物を皮膚に塗布することにより、皮膚の角層ケラチン線維の弾力性の改善と、真皮中の線維芽細胞の張力線維(アクチン−ミオシン束)の活性化を同時に行なうことを特徴とするしわ改善方法。
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