JP2005022991A - [3]ロタキサン、エステル共有結合を経由する[3]ロタキサンの製造方法及びその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
ロタキサンやカテナンなどの複数の分子が機械的に絡み合った構造を持つ化合物群は、超分子としての基礎的な物性のみならず、分子デバイスなどへの応用の観点からも注目を集めている。また、三次元的空孔を利用した有機分子や各種イオンに対するホスト化合物として、さらにはホストーゲスト反応を利用したセンサー機能の発現も期待されている。
【0002】
【従来の技術】
両末端にかさ高い置換基を持つ軸分子と大環状の輪分子とからなる[3]ロタキサンの合成法としては、軸分子が輪分子を貫通した中間体を作り軸の両端に嵩高い置換基を付ける方法やかさ高い置換基を両末端に持つ軸分子の周りに輪分子を巻き付ける方法が知られている。いずれも水素結合などの相互作用を用いて、自己集合的に[3]ロタキサンを合成しており、適用範囲が限られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
分子デバイスやセンサーとして用いるためのロタキサンには、機能を発揮するための官能基を任意に配置できることが望ましい。自己集合によるロタキサンの合成法はすぐれた方法であるが、水素結合などの弱い相互作用を用いているために大環状部分や軸部分の官能基の配置には制限がある。
また、合成する際に溶媒の影響を受けやすいという問題点があった。共有結合を経由する方法では、このような問題が解決できると期待されるが、従来の方法では、多段階を必要とし、したがって収率が極めて悪いという欠点があった。
本発明では、二つの大環状部分をエステル基で結んだ化合物に対して、かさ高い置換基を持つアミン化合物を反応させることによって[3]ロタキサンが高収率で生成させることが可能であることを見出した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、二つの大環状部分をエステル基で結んだ化合物にかさ高い置換基を持つアミンを反応させることにより、両末端にかさ高い置換基を持つ軸部分と二つの大環状の輪郭分を有する[3]ロタキサン、およびその製造方法を見出した。すなわち、
一般式(A)
【化9】
ここで、mは整数であり、R1は、式
【化10】
(式中nは正数)で表されるa〜dのひとつであり、
R2は、式
【化11】
で表される[3]ロタキサン を、 一般式(i)
【化12】
で表わされる大環状エステル化合物と一般式(ii)
【化13】
で表わされる置換基R1(前記と同じ意味である)を持つ有機ジ酸クロライドを反応させて、 一般式(iii)
【化14】
で表される中間体を得、さらに、一般式(iV)
【化15】
(式中、mは整数であり、R2は前記と同じ意味である。)
で表わされるかさ高い置換基R2(前記と同じ)を持つアミンを反応させることにより、両末端にかさ高い置換基を持つ軸部分と二つの大環状の輪部分を有する一般式(A)
【化16】
で表わされる上記の[3]ロタキサンを製造することに成功した。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる一般式(iii)で表される中間体は、式
【化17】
で表される25員環クラウノファンと一般式(ii)
【化18】
(式中R1は、前述と同じ)で表される有機ジ酸クロライドを反応させることにより合成することができる。
本発明において用いるかさ高い置換基を持つアミンとしては、トリフエニルメチルベンジルアミンやアントラセニルメチルアミン等を挙げることができる。
【0006】
(実施例)本発明に関する具体例について詳述するが、本発明を拘束するものではない。
(大環状エステルの合成)
式(i)で表わされる25員環クラウノファン0.3g(0.52mmol)を100mlのテトラヒドロフラン中に入れ、第三級ブトキシカリウム0.06g(0.58mmol)を加えて室温で3時間撹拝する。この溶液に、テトラヒドロフラン100mlをさらに加えて一般式(ii)(Rl=a)で表わされるジ酸クロリド0.06g(0.26mmol)を加え、室湿で一昼夜反応させ、化(iii)(Rl=a)で表わされる大環状エステル中間体を0.12g収率35%で得た。ESlマス1329.8(計算値1328+H+)
【0007】
実施例1
([3]ロタキサンの合成)
化(i)(Rl=a)で表わされる大環状エステル0.12g(0.09mmol)にアミノリシスを行うために、一般式(ii)(R2=a,m=1)で表わされる9−アミノメチルアントラセン0.10g(0.5mmol)を加え、DMF3ml中、室温で5日間撹拝した。その結果、本条件下32mg収率20%で、一般式A(Rl=a,R2=a,n=1)で表わされる[3]ロタキサンが単離された。
ESlマス1723.0(計算値1722+H+)
【0008】
実施例2
([3]ロタキサンのセシウムイオンとの錯体)
化3(Rl=a,R2=a,n=1)で表わされる[3]ロタキサンの2.2×10−6Mの塩化メチレン溶液に、過塩素酸テトラブチルアンモニウム4.4×10− 4Mの存在下、セシウムTFPB塩の塩化メチレン溶液を加え、蛍光スぺクトルの変化を観測した。414nmでの蛍光強度の増加をセシウムTFPB塩の濃度に対してプロットすることにより、[3]ロタキサンとセシウムイオンとの錯体の会合定数が6.3×105Mと求まった。
【0009】
[3]ロタキサンにLiイオン、Csイオンを添加した1H NMRスペクトルを図1に示す。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、アミド基などの種々の官能基を持った新規な[3]ロタキサンを得ることができる。また、本発明で得られた[3]ロタキサンはセシウムイオンやリチウムイオンに対してホスト化合物として働くので、セシウムイオンやリチウムイオンのセンサーの部品となることが期待できる。また、本発明の[3]ロタキサンは分子スイッチや分子ゲートなどの分子デバイス等に用いることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】[3]ロタキサンのLi、Cs錯体の1H NMRスペクトル
Claims (3)
- 請求項1に記載した[3]ロタキサンをLiイオン、Csイオンの検出に用いること。
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JP2003188092A JP2005022991A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | [3]ロタキサン、エステル共有結合を経由する[3]ロタキサンの製造方法及びその用途 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100460446C (zh) * | 2006-03-14 | 2009-02-11 | 四川大学 | 自聚集超分子形状记忆材料及其制备方法 |
JP2014139554A (ja) * | 2012-12-19 | 2014-07-31 | National Institute For Materials Science | 蛍光プローブ、および、セシウム含有物質を検出する方法 |
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2003
- 2003-06-30 JP JP2003188092A patent/JP2005022991A/ja active Pending
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JP2014139554A (ja) * | 2012-12-19 | 2014-07-31 | National Institute For Materials Science | 蛍光プローブ、および、セシウム含有物質を検出する方法 |
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