JP2005022714A - 包装容器とその部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚い板状の被包装物を複数、相互の接触を避けて、若干の緩衝能を有する状態で包装し、輸送することができる包装容器を提供する。この包装容器は、被包装物の出し入れが容易かつ安全に行なえ、耐久性が高く通い箱として多数回使用でき、しかも製作のコストが低廉である。
【解決手段】包装箱(1)とその内部に配置する中仕切り装置(2)とからなる包装容器。中仕切り装置(2)は、平行に配置された2枚の横方向仕切り板(3)と、多数の縦方向仕切り板(4)とを組み合わせて構成する。これらの仕切り板は、ともに、表面に不織布(32,42)を貼り付けたプラスチック気泡ボードの長方形の板(31,41)に対し、裏面にヒートブレードで設けた罫線(33,43)で、不織布を外側にして折り重ねてつくる。それぞれの仕切り板に、高さのほぼ半ばに達する切り込み(34,44)を設けておき、それを組み合わせて格子状に形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】包装箱(1)とその内部に配置する中仕切り装置(2)とからなる包装容器。中仕切り装置(2)は、平行に配置された2枚の横方向仕切り板(3)と、多数の縦方向仕切り板(4)とを組み合わせて構成する。これらの仕切り板は、ともに、表面に不織布(32,42)を貼り付けたプラスチック気泡ボードの長方形の板(31,41)に対し、裏面にヒートブレードで設けた罫線(33,43)で、不織布を外側にして折り重ねてつくる。それぞれの仕切り板に、高さのほぼ半ばに達する切り込み(34,44)を設けておき、それを組み合わせて格子状に形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚い板状の被包装物を複数、相互の接触を防いで包装するための包装容器と、その部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばPC用のTFTモニターやTVの液晶ディスプレーなどの半製品を、輸送するために包装する場合、それらが相互に接触することを防いで、つまり1枚ずつ、ある程度の緩衝能をもった包装容器に入れることが望ましい。
【0003】
このような包装容器に要求される性質は、被包装物の輸送にとって必要な緩衝能を有し、容器に入れ、また容器から出すときに被包装物を傷つける心配のないことはもちろんのこと、出し入れの作業が容易かつ安全に行なえること、耐久性があって多数回使用できる通い箱として使えること、さらに、軽量で嵩張らず、輸送にムダがないこと、などである。
【0004】
従来、こうした性質をすべて兼ね備えた包装容器はなかったので、適宜の段ボール箱の内部に、たとえば段ボール紙やプラスチック気泡シートを必要な大きさに裁断したものを必要な枚数重ねて被包装物の間を確保し、周囲に緩衝材で詰め物をして包装するなどの手段によるほかなかった。このような包装は、いうまでもなく、手数がかかるばかりでなく、通い箱としての適性がなく、輸送コストの面でも、また使用後の廃棄物が多量に発生するという点でも、改善が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した問題を解消し、厚い板状の被包装物を複数、相互の接触を避けて、若干の緩衝能を有する状態で包装し、輸送することができる包装容器であって、容器への被包装物の出し入れが容易かつ安全に行なえ、耐久性が高く通い箱として多数回使用でき、しかも製作のコストが低廉である包装容器、とくにその部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の包装容器は、図1に全体の構成を示すように、厚手の板状体である被包装物(9)を複数、相互の接触を防いで包装するための容器であって、包装箱(1)と、その内部に配置する部品である、中仕切り装置(2)とからなる。この中仕切り装置(2)は、平行に配置された2枚の横方向仕切り板(3)と、多数の縦方向仕切り板(4)とを組み合わせてなり、横方向仕切り板および縦方向仕切り板は、ともに、表面に不織布(32,42)を貼り付けたプラスチック気泡ボードの長方形の板(31,41)に、それぞれの高さのほぼ半ばに達する切り込み(34,44)を、組み合わせるべき縦方向仕切り板および横方向仕切り板の枚数(図示した例では、それぞれ5枚および2枚)および位置に対応して設けたものであることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施形態】
ここで、「プラスチック気泡ボード」の語は、溶融押し出しされたプラスチックのシートに真空成形などの手段で多数のキャップ状の突起を形成し、そのキャップの底面に平坦なバックシートを貼り合わせるか、またはキャップの頂をつらねて平坦なライナーシートを貼って得た成型品を意味する。キャップシートを挟んで、バックシートとライナーシートの両方を貼って、3層構成にしたものであってもよい。
【0008】
不織布は通常、ポリエステルやポリプロピレンなどのプラスチックで、ばあいによってはそれらの混合物で製造されており、それら既存のものから選択使用すればよい。被包装物に応じて、防錆や帯電防止の機能を付加した不織布を使用することが推奨される。これらの機能は、不織布を構成する繊維を製造するに当って防錆剤や帯電防止剤を材料に練り込んでおくことによっても付加することができ、そのような不織布製品が、市場で容易に入手できる。場合によっては、製造された不織布に後から適宜の薬剤を適用することによっても、所望の機能を付加することができる。
【0009】
横方向仕切り板(3)および縦方向仕切り板(4)を構成する、プラスチック気泡ボードの長方形の板に不織布を貼ったものには、二つの態様が可能である。その一つは、プラスチック気泡ボードの長方形の板の表裏両面に不織布を貼ったものである。この場合に使用するプラスチック気泡ボードは、前記した3層構成のものが適切である。この態様においては、単にプラスチック気泡ボードの両面に不織布を貼ったものを裁断して使用すると、切断端面が露出することになる。被包装物の出し入れに伴ってキズを付けたり、作業者の手を痛めたりする危険を考えると、切断端面が露出していないことが望ましい。そこで、プラスチック気泡ボードの長方形の板の両面にわたって不織布を連続して貼り、少なくとも一つの端面を不織布が覆っているものを使用することが推奨される。
【0010】
いまひとつの、そしてより好ましい態様は、横方向仕切り板および縦方向仕切り板を、図2AおよびB、ならびに図3AおよびBに示すように、プラスチック気泡ボードの長方形の板(31,41)に対して、表面に不織布(32,42)を貼り、裏面の中央に折り曲げ用の罫線(33,43)を設け、その罫線に沿って折り、2枚重ねにすることにより形成したものを使用したものである。この場合、プラスチック気泡ボードは2層構成のもので足り、かつその方が好都合である。
【0011】
折り曲げ用の罫線の形成は、機械的なブレードの押し付け、加熱を伴うブレードの押し付け、ハーフカット(Vカット)、ミシン目など、さまざまな手法が採用可能であるが、加熱を伴うブレードの押し付けが好適であり、なかでも、近接して平行に走る3本の罫線を設けることが最適である。折り曲げに伴って、表面の不織布に対し若干の引張り力が作用するが、不織布は多少伸びて引張りに対応する。したがって、折り重ねた端面は不織布が覆っていて、美観、触感とも好ましいものになっている。この態様であれば、プラスチック気泡ボードの端面が露出しないから、上記した端面の問題は根本的に解決する。
【0012】
上述の好ましい態様における中仕切り装置(2)を構成する、2枚の横方向仕切り板(3)の1枚を展開した状態、すなわち折り重ねてない状態の、それぞれ表面および裏面を、図2AおよびBに示す。5枚の縦方向仕切り板(4)については、同様にその1枚を展開した状態すなわち折り重ねてない状態の、それぞれ表面および裏面を、図3AおよびBに示す。仕切り板を折るための罫線(33,43)の部分の詳細は、図4A、BおよびCに示す。この例は、前述の加熱ブレードの押しつけにより3本の罫線を形成した場合である。
【0013】
図示したように、横方向仕切り板(3)は、その中央の折り曲げ線を挟んで、その高さのほぼ半分に達する切り込み(34)を、組み合わせる縦方向仕切り板(4)の数に応じた数(図示した例では5本)設けてあり、一方、縦方向仕切り板(4)は、中央の折り曲げ線の両側に、その高さのほぼ半分に達する切り込み(44)を、組み合わせる横方向仕切り板(3)の数に応じた数(図示した例では2本)設けてある。これらの切り込みを組み合わせることにより、図1に示したような格子状断面をもった中仕切装置(2)ができる。
【0014】
【実施例】
ポリプロピレン製気泡ボード「プラパール」(川上産業の登録商標)P3PP3を材料として選択した。この気泡ボードは2層構成であって、平坦な表面に、ポリエステル70%とポリプロピレン30%の混合物を材料とする不織布を貼った製品である。
【0015】
この材料で、図示した構造の、つまり二つ折りタイプの仕切り板からなる中仕切り装置を、つぎの仕様で製作した。
横方向仕切り板:2枚、長辺1320mm(高さの約2倍)×短辺530mm、両端から27mmの位置に、長さ330mm、幅7mmの切り込みを入れ、それらの間を等間隔に4等分、すなわち119mmのピッチで、上記と同じ切り込みを入れ、長辺の中央で二つ折りにしたもの。
縦方向仕切り板:5枚、長辺1320mm(高さの約2倍)×短辺1266mm、両端から27mmの位置に、長さ330mm、幅7mmの切り込みを入れ、長辺の中央で二つ折りにしたもの。
【0016】
上記の横方向仕切り板2枚と縦方向仕切り板5枚とを、切り込みを組み合わせることにより中仕切装置を製作した。この中仕切装置を、内法が、長辺1270mm×短辺540mm×深さ730mmの、同じポリプロピレン製気泡ボードで製造した通い箱となる包装箱の中に入れて、本発明の包装容器を完成した。この通い箱の材料となるポリプロピレンには耐電防止剤が練り込んであって、被包装物を静電気から守っている。
【0017】
【発明の効果】
プラスチック気泡ボードに不織布を貼った材料は、構造材料として、たとえば建築物の壁や天井に使用されており、自動車のトランク内張り材などにも利用されているが、包装容器の一部に使用された例はなかった。包装容器をプラスチック気泡ボードで構成した場合、露出した端面から水や埃が入ったり、被包装物を傷めたり、あるいは作業者にとって危険であったりするので、端面の処理が問題になる。出願人は端面処理に関し、いくつかの技術を開発して提案した(たとえば特開2003−62917)が、本発明の好ましい態様においては、特段の処理をしなくても端面の問題がおのずから解消している。
【0018】
本発明の包装容器は、それ自体適度の剛性にわずかであるが緩衝性を備えたプラスチック気泡ボードに不織布を貼った材料で中仕切り装置を作ったから、不織布が有する緩衝性が利用できる。好ましい態様に従って、プラスチック気泡ボードの表面に不織布を貼り、裏面に罫線を設けて折り重ねることにより横縦の仕切り板を形成した場合はさらに、罫線で折り曲げた部分がある程度反発して復元しようとする作用がもたらす、プラスチック気泡ボードの弾性が加わって、被包装物を緩衝的に保護するはたらきが得られる。プラスチック気泡ボードの弾性は、横方向仕切り板と縦方向仕切り板とを、切り込みをもって組み合わせたとき、その結合を強固にするという効果もある。
【0019】
不織布を貼った面は、適度の滑りやすさをもっていて、被包装物の出入を容易にする一方、容器内において被包装物が落ち着いたときは、内部でがたつきが生じることを防いでくれる。折り曲げた端面を不織布が覆っている態様は、作業者の安全確保にとっても好都合である。
【0020】
この中仕切り装置は堅牢であって、多数回の被包装物の出入に耐えるから、包装箱として堅牢なもの、たとえば同種のプラスチック気泡ボード製の通い箱を使用することにより、包装容器全体として、多数回の使用に耐える。製造は上記のように簡単でコストが低くて済むから、この包装容器は、前掲のような被包装物の輸送に使用したとき、被包装物の保護、作業の容易さ、包装材コストなどの諸点に関して、従来の包装容器を超える有利さを発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装容器の一例について、全体の構造を展開して示した斜視図。
【図2】本発明の包装容器の構成部分である中仕切り装置のうち、横方向仕切り板の展開平面図であって、Aは表面、Bは裏面から見た図。
【図3】本発明の包装容器の構成部分である中仕切り装置のうち、縦方向仕切り板の展開平面図であって、Aは表面、Bは裏面から見た図。
【図4】横方向仕切り板および縦方向仕切り板の裏面に設けた罫線部分の詳細を示す図であって、Aは平面図、Bは展開状態の断面図、Cは折り重ね状態の断面図。
【符号の説明】
1 包装箱
2 中仕切り装置
3 横方向仕切り板
31 プラスチック気泡ボードの長方形の板
32 不織布 33 罫線 34 切り込み
4 縦方向仕切り板
41 プラスチック気泡ボードの長方形の板
42 不織布 43 罫線 44 切り込み
9 被包装物
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚い板状の被包装物を複数、相互の接触を防いで包装するための包装容器と、その部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばPC用のTFTモニターやTVの液晶ディスプレーなどの半製品を、輸送するために包装する場合、それらが相互に接触することを防いで、つまり1枚ずつ、ある程度の緩衝能をもった包装容器に入れることが望ましい。
【0003】
このような包装容器に要求される性質は、被包装物の輸送にとって必要な緩衝能を有し、容器に入れ、また容器から出すときに被包装物を傷つける心配のないことはもちろんのこと、出し入れの作業が容易かつ安全に行なえること、耐久性があって多数回使用できる通い箱として使えること、さらに、軽量で嵩張らず、輸送にムダがないこと、などである。
【0004】
従来、こうした性質をすべて兼ね備えた包装容器はなかったので、適宜の段ボール箱の内部に、たとえば段ボール紙やプラスチック気泡シートを必要な大きさに裁断したものを必要な枚数重ねて被包装物の間を確保し、周囲に緩衝材で詰め物をして包装するなどの手段によるほかなかった。このような包装は、いうまでもなく、手数がかかるばかりでなく、通い箱としての適性がなく、輸送コストの面でも、また使用後の廃棄物が多量に発生するという点でも、改善が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した問題を解消し、厚い板状の被包装物を複数、相互の接触を避けて、若干の緩衝能を有する状態で包装し、輸送することができる包装容器であって、容器への被包装物の出し入れが容易かつ安全に行なえ、耐久性が高く通い箱として多数回使用でき、しかも製作のコストが低廉である包装容器、とくにその部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の包装容器は、図1に全体の構成を示すように、厚手の板状体である被包装物(9)を複数、相互の接触を防いで包装するための容器であって、包装箱(1)と、その内部に配置する部品である、中仕切り装置(2)とからなる。この中仕切り装置(2)は、平行に配置された2枚の横方向仕切り板(3)と、多数の縦方向仕切り板(4)とを組み合わせてなり、横方向仕切り板および縦方向仕切り板は、ともに、表面に不織布(32,42)を貼り付けたプラスチック気泡ボードの長方形の板(31,41)に、それぞれの高さのほぼ半ばに達する切り込み(34,44)を、組み合わせるべき縦方向仕切り板および横方向仕切り板の枚数(図示した例では、それぞれ5枚および2枚)および位置に対応して設けたものであることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施形態】
ここで、「プラスチック気泡ボード」の語は、溶融押し出しされたプラスチックのシートに真空成形などの手段で多数のキャップ状の突起を形成し、そのキャップの底面に平坦なバックシートを貼り合わせるか、またはキャップの頂をつらねて平坦なライナーシートを貼って得た成型品を意味する。キャップシートを挟んで、バックシートとライナーシートの両方を貼って、3層構成にしたものであってもよい。
【0008】
不織布は通常、ポリエステルやポリプロピレンなどのプラスチックで、ばあいによってはそれらの混合物で製造されており、それら既存のものから選択使用すればよい。被包装物に応じて、防錆や帯電防止の機能を付加した不織布を使用することが推奨される。これらの機能は、不織布を構成する繊維を製造するに当って防錆剤や帯電防止剤を材料に練り込んでおくことによっても付加することができ、そのような不織布製品が、市場で容易に入手できる。場合によっては、製造された不織布に後から適宜の薬剤を適用することによっても、所望の機能を付加することができる。
【0009】
横方向仕切り板(3)および縦方向仕切り板(4)を構成する、プラスチック気泡ボードの長方形の板に不織布を貼ったものには、二つの態様が可能である。その一つは、プラスチック気泡ボードの長方形の板の表裏両面に不織布を貼ったものである。この場合に使用するプラスチック気泡ボードは、前記した3層構成のものが適切である。この態様においては、単にプラスチック気泡ボードの両面に不織布を貼ったものを裁断して使用すると、切断端面が露出することになる。被包装物の出し入れに伴ってキズを付けたり、作業者の手を痛めたりする危険を考えると、切断端面が露出していないことが望ましい。そこで、プラスチック気泡ボードの長方形の板の両面にわたって不織布を連続して貼り、少なくとも一つの端面を不織布が覆っているものを使用することが推奨される。
【0010】
いまひとつの、そしてより好ましい態様は、横方向仕切り板および縦方向仕切り板を、図2AおよびB、ならびに図3AおよびBに示すように、プラスチック気泡ボードの長方形の板(31,41)に対して、表面に不織布(32,42)を貼り、裏面の中央に折り曲げ用の罫線(33,43)を設け、その罫線に沿って折り、2枚重ねにすることにより形成したものを使用したものである。この場合、プラスチック気泡ボードは2層構成のもので足り、かつその方が好都合である。
【0011】
折り曲げ用の罫線の形成は、機械的なブレードの押し付け、加熱を伴うブレードの押し付け、ハーフカット(Vカット)、ミシン目など、さまざまな手法が採用可能であるが、加熱を伴うブレードの押し付けが好適であり、なかでも、近接して平行に走る3本の罫線を設けることが最適である。折り曲げに伴って、表面の不織布に対し若干の引張り力が作用するが、不織布は多少伸びて引張りに対応する。したがって、折り重ねた端面は不織布が覆っていて、美観、触感とも好ましいものになっている。この態様であれば、プラスチック気泡ボードの端面が露出しないから、上記した端面の問題は根本的に解決する。
【0012】
上述の好ましい態様における中仕切り装置(2)を構成する、2枚の横方向仕切り板(3)の1枚を展開した状態、すなわち折り重ねてない状態の、それぞれ表面および裏面を、図2AおよびBに示す。5枚の縦方向仕切り板(4)については、同様にその1枚を展開した状態すなわち折り重ねてない状態の、それぞれ表面および裏面を、図3AおよびBに示す。仕切り板を折るための罫線(33,43)の部分の詳細は、図4A、BおよびCに示す。この例は、前述の加熱ブレードの押しつけにより3本の罫線を形成した場合である。
【0013】
図示したように、横方向仕切り板(3)は、その中央の折り曲げ線を挟んで、その高さのほぼ半分に達する切り込み(34)を、組み合わせる縦方向仕切り板(4)の数に応じた数(図示した例では5本)設けてあり、一方、縦方向仕切り板(4)は、中央の折り曲げ線の両側に、その高さのほぼ半分に達する切り込み(44)を、組み合わせる横方向仕切り板(3)の数に応じた数(図示した例では2本)設けてある。これらの切り込みを組み合わせることにより、図1に示したような格子状断面をもった中仕切装置(2)ができる。
【0014】
【実施例】
ポリプロピレン製気泡ボード「プラパール」(川上産業の登録商標)P3PP3を材料として選択した。この気泡ボードは2層構成であって、平坦な表面に、ポリエステル70%とポリプロピレン30%の混合物を材料とする不織布を貼った製品である。
【0015】
この材料で、図示した構造の、つまり二つ折りタイプの仕切り板からなる中仕切り装置を、つぎの仕様で製作した。
横方向仕切り板:2枚、長辺1320mm(高さの約2倍)×短辺530mm、両端から27mmの位置に、長さ330mm、幅7mmの切り込みを入れ、それらの間を等間隔に4等分、すなわち119mmのピッチで、上記と同じ切り込みを入れ、長辺の中央で二つ折りにしたもの。
縦方向仕切り板:5枚、長辺1320mm(高さの約2倍)×短辺1266mm、両端から27mmの位置に、長さ330mm、幅7mmの切り込みを入れ、長辺の中央で二つ折りにしたもの。
【0016】
上記の横方向仕切り板2枚と縦方向仕切り板5枚とを、切り込みを組み合わせることにより中仕切装置を製作した。この中仕切装置を、内法が、長辺1270mm×短辺540mm×深さ730mmの、同じポリプロピレン製気泡ボードで製造した通い箱となる包装箱の中に入れて、本発明の包装容器を完成した。この通い箱の材料となるポリプロピレンには耐電防止剤が練り込んであって、被包装物を静電気から守っている。
【0017】
【発明の効果】
プラスチック気泡ボードに不織布を貼った材料は、構造材料として、たとえば建築物の壁や天井に使用されており、自動車のトランク内張り材などにも利用されているが、包装容器の一部に使用された例はなかった。包装容器をプラスチック気泡ボードで構成した場合、露出した端面から水や埃が入ったり、被包装物を傷めたり、あるいは作業者にとって危険であったりするので、端面の処理が問題になる。出願人は端面処理に関し、いくつかの技術を開発して提案した(たとえば特開2003−62917)が、本発明の好ましい態様においては、特段の処理をしなくても端面の問題がおのずから解消している。
【0018】
本発明の包装容器は、それ自体適度の剛性にわずかであるが緩衝性を備えたプラスチック気泡ボードに不織布を貼った材料で中仕切り装置を作ったから、不織布が有する緩衝性が利用できる。好ましい態様に従って、プラスチック気泡ボードの表面に不織布を貼り、裏面に罫線を設けて折り重ねることにより横縦の仕切り板を形成した場合はさらに、罫線で折り曲げた部分がある程度反発して復元しようとする作用がもたらす、プラスチック気泡ボードの弾性が加わって、被包装物を緩衝的に保護するはたらきが得られる。プラスチック気泡ボードの弾性は、横方向仕切り板と縦方向仕切り板とを、切り込みをもって組み合わせたとき、その結合を強固にするという効果もある。
【0019】
不織布を貼った面は、適度の滑りやすさをもっていて、被包装物の出入を容易にする一方、容器内において被包装物が落ち着いたときは、内部でがたつきが生じることを防いでくれる。折り曲げた端面を不織布が覆っている態様は、作業者の安全確保にとっても好都合である。
【0020】
この中仕切り装置は堅牢であって、多数回の被包装物の出入に耐えるから、包装箱として堅牢なもの、たとえば同種のプラスチック気泡ボード製の通い箱を使用することにより、包装容器全体として、多数回の使用に耐える。製造は上記のように簡単でコストが低くて済むから、この包装容器は、前掲のような被包装物の輸送に使用したとき、被包装物の保護、作業の容易さ、包装材コストなどの諸点に関して、従来の包装容器を超える有利さを発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装容器の一例について、全体の構造を展開して示した斜視図。
【図2】本発明の包装容器の構成部分である中仕切り装置のうち、横方向仕切り板の展開平面図であって、Aは表面、Bは裏面から見た図。
【図3】本発明の包装容器の構成部分である中仕切り装置のうち、縦方向仕切り板の展開平面図であって、Aは表面、Bは裏面から見た図。
【図4】横方向仕切り板および縦方向仕切り板の裏面に設けた罫線部分の詳細を示す図であって、Aは平面図、Bは展開状態の断面図、Cは折り重ね状態の断面図。
【符号の説明】
1 包装箱
2 中仕切り装置
3 横方向仕切り板
31 プラスチック気泡ボードの長方形の板
32 不織布 33 罫線 34 切り込み
4 縦方向仕切り板
41 プラスチック気泡ボードの長方形の板
42 不織布 43 罫線 44 切り込み
9 被包装物
Claims (5)
- 包装箱(1)の内部に配置し、厚手の板状体である被包装物(9)を複数、相互の接触を防いで包装するための部品として、平行に配置された2枚の横方向仕切り板(3)と、多数の縦方向仕切り板(4)とを組み合わせることにより構成された中仕切り装置(2)であって、この中仕切り装置(2)が、平行に配置された2枚の横方向仕切り板(3)と、多数の縦方向仕切り板(4)とを組み合わせてなり、横方向仕切り板および縦方向仕切り板は、ともに、表面に不織布(32,42)を貼り付けたプラスチック気泡ボードの長方形の板(31,41)に、それぞれの高さのほぼ半ばに達する切り込み(34,44)を、組み合わせるべき縦方向仕切り板および横方向仕切り板の枚数および位置に対応して設けたものであることを特徴とする包装容器の部品。
- 横方向仕切り板(3)および縦方向仕切り板(4)の一方または両方が、プラスチック気泡ボードの長方形の板の表裏両面に不織布を貼ったものである請求項1の包装容器の部品。
- プラスチック気泡ボードの長方形の板の両面に、不織布を連続して貼り、少なくとも一つの端面を覆っている請求項2の包装容器の部品。
- 横方向仕切り板(3)および縦方向仕切り板(4)の一方または両方が、プラスチック気泡ボードの長方形の板の表面に不織布を貼り、裏面の中央に折り曲げ用の罫線を設け、その罫線に沿って折り、2枚重ねにすることにより形成したものである請求項1の包装容器の部品。
- 請求項1〜4のいずれかに記載した包装容器の部品を、包装箱(1)に入れてなる包装容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003191434A JP2005022714A (ja) | 2003-07-03 | 2003-07-03 | 包装容器とその部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003191434A JP2005022714A (ja) | 2003-07-03 | 2003-07-03 | 包装容器とその部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005022714A true JP2005022714A (ja) | 2005-01-27 |
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ID=34189047
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003191434A Pending JP2005022714A (ja) | 2003-07-03 | 2003-07-03 | 包装容器とその部品 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005022714A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011031908A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 包装箱 |
JP2011168290A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Kawakami Sangyo Co Ltd | 組立式収納箱 |
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JP2015013669A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-22 | 川上産業株式会社 | 収納箱 |
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-
2003
- 2003-07-03 JP JP2003191434A patent/JP2005022714A/ja active Pending
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