JP2005022267A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばサーマル方式によるインクジェットプリンタに適用して、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができるようにする。
【解決手段】本発明は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、該金属側の含有量を20〔mol%〕未満に設定してタンタルの結晶粒界に該金属が存在するように発熱素子39を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、該金属側の含有量を20〔mol%〕未満に設定してタンタルの結晶粒界に該金属が存在するように発熱素子39を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばサーマル方式によるインクジェットプリンタに適用することができる。本発明は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、該金属側の含有量を20〔mol%〕未満に設定してタンタルの結晶粒界に該金属が存在するように発熱素子を形成することにより、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理等の分野において、ハードコピーのカラー化に対するニーズが高まってきている。このニーズに対して、従来、昇華型熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式及び熱現像銀塩方式等のカラーコピー方式が提案されている。
【0003】
これらの方式のうちインクジェット方式は、液体吐出ヘッドであるプリンタヘッドに設けられたノズルから記録液(インク)の液滴を飛翔させ、記録対象に付着してドットを形成するものであり、簡易な構成により高画質の画像を出力することができる。このインクジェット方式は、ノズルからインク液滴を飛翔させる方法の相違により、静電引力方式、連続振動発生方式(ピエゾ方式)及びサーマル方式に分類される。
【0004】
これらの方式のうちサーマル方式は、インクの局所的な加熱により気泡を発生し、この気泡によりインクをノズルから押し出して印刷対象に飛翔させる方式であり、簡易な構成によりカラー画像を印刷することができるようになされている。
【0005】
このようなサーマル方式によるプリンタヘッドは、インクを加熱する発熱素子が発熱素子を駆動するロジック集積回路による駆動回路と共に一体に半導体基板上に形成される。これによりこの種のプリンタヘッドにおいては、発熱素子を高密度に配置して確実に駆動できるようになされている。
【0006】
すなわちこのサーマル方式のプリンタにおいて、高画質の印刷結果を得るためには、発熱素子を高密度で配置する必要がある。具体的に、例えば600〔DPI〕相当の印刷結果を得るためには、発熱素子を42.333〔μm〕間隔で配置することが必要になるが、このように高密度で配置した発熱素子に個別の駆動素子を配置することは極めて困難である。これによりプリンタヘッドでは、半導体基板上にスイッチングトランジスタ等を作成して集積回路技術により対応する発熱素子と接続し、さらには同様に半導体基板上に作成した駆動回路により各スイッチングトランジスタを駆動することにより、簡易かつ確実に各発熱素子を駆動できるようになされている。
【0007】
またサーマル方式によるプリンタにおいては、発熱素子への所定電力の印加によりインクに気泡が発生し、ノズルからインクが飛び出すと、この気泡が消滅する。これにより発泡、消泡を繰り返す毎にキャビテーションによる機械的な衝撃を受ける。さらにプリンタは、発熱素子の発熱による温度上昇と温度下降とが、短時間〔数μ秒〕で繰り返され、これにより温度による大きなストレスを受ける。
【0008】
このためプリンタヘッドは、半導体基板上に発熱素子が形成され、この発熱素子上に窒化シリコン等による絶縁保護層が形成され、この絶縁保護層により絶縁性が確保され、また発熱素子とインクとの直接の接触を防止するようになされている。さらにこの絶縁保護層の上層に、正方晶構造であるβ−タンタル等により耐キャビテーション層が形成され、この耐キャビテーション層によりキャビテーションによる機械的な衝撃が緩和され、またインク中の含有物との間での化学反応を防止するようになされている。
【0009】
プリンタヘッドは、このような絶縁保護層、耐キャビテーション層の厚みを厚くすると、信頼性を向上することができるものの、その分、インクへの熱伝導率が低下することにより、インクを吐出するために必要な熱エネルギーが増大し、これにより消費電力が増大する。このためプリンタヘッドは、少ない消費電力により発熱素子を駆動してインク液滴を安定に飛び出させる厚みにより作成されるようになされ、通常、このような絶縁保護層が厚さ0.2〜0.6〔μm〕により作成され、耐キャビテーション層が厚さ0.2〔μm〕程度により作成されるようになされている。
【0010】
このようなプリンタヘッドにおいては、従来、発熱素子の材料に正方晶構造であるβ−タンタル又はこのβ−タンタルによる化合物であるタンタルアルミ、タンタルナイトライド等が適用される。このβ−タンタル膜においては、170〜180〔μΩ−cm〕の比抵抗を有するのに対し、タンタルアルミ膜、タンタルナイトライド膜においては、270〜280〔μΩ−cm〕の比抵抗を有するものである。これによりプリンタヘッドにおいては、発熱素子の形状に応じて発熱素子の材料が選択されるようになされている。なおタンタルにおいては、体心立方晶構造であるα−タンタルとβ−タンタルとがあるものの、α−タンタル膜においては、β−タンタル膜に対して比抵抗が10〜20〔μΩ−cm〕低いことにより、発熱素子の材料にあっては、β−タンタルが適用される。
【0011】
またこれらの材料以外に例えば特許2505900号においては、タンタルの含有量が50〔mol%〕以上80〔mol%〕以下によるタンタルとタングステンとの合金を発熱素子の材料に適用する手法が開示されるようになされ、また特開平10−114071号公報においては、タンタルシリコン合金の窒化物によるアモルファス材料を発熱素子の材料に適用する方法が提案されるようになされている。
【0012】
これに対してこのようなタンタルによる化合物であるタンタルルテニウムにおいては、ルテニウムの含有量を20〔at%〕未満とすると、タンタルの結晶粒界中にルテニウムが存在する構造を実施できることがD.S.Wuu等により報告されている(J.Vac.Sci.Technol.A17(6),P.3327−p.3332)。
【0013】
【特許文献1】
特開第2505900号
【特許文献2】
特開平10−114071号公報
【非特許文献1】
D.S.Wuu、他,「(J.Vac.Sci.Technol. A17(6) )」,P.3327−3332
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、この種のプリンタヘッドにおいては、インクカートリッジを交換してインクを補充することにより、著しく長期間、使用される場合がある。これによりプリンタヘッドにおいては、このような著しい長期間の使用に対しても十分な信頼性の確保が求められる。これに対して従来のβ−タンタルによる発熱素子を用いたプリンタヘッドにおいては、このような著しい長期間の使用によって、発熱素子が断線する場合があった。
【0015】
このような発熱素子の断線状態を走査型電子顕微鏡(SEM)により詳細に観察したところ、図11に示すように、発熱素子を構成する抵抗体膜を横切る亀裂の発生を確認することができ、またこの亀裂においては、一部でこのように横切る方向とは異なる他の方向へも延長する亀裂が確認された。なおこの図11に示す例は、1.2〔μm〕の間隔を隔てて長さ20〔μm〕、幅9.6〔μm〕による長方形形状の抵抗体膜1、2を併設し、これらの抵抗体膜1、2の一端を配線パターン3により接続すると共に、これら抵抗体膜1、2の他端に配線パターン4により駆動信号を印加し、これによりこれら抵抗体膜1、2の直列接続により発熱素子を形成した場合である。また定格による駆動電力が0.8〔W〕であるのに対し、定格の1.75倍の駆動電力1.4〔W〕により駆動した例である。符号Aにより拡大して示す図においては、符号Bにより示す亀裂が抵抗体膜を横切る亀裂であり、符号Cにより示す亀裂が他の方向に延長する亀裂である。
【0016】
この観察結果より、発熱素子の断線を招く亀裂においては、三重点を起点として発生していることが確認される。すなわちこの種の成膜においては、成膜対象上で結晶粒が成長して作成されることにより、結晶粒間で境界が作成される。三重点は、このような結晶粒による境界(結晶粒界)がぶつかり合う箇所であり、このような箇所においては、図12(A)〜(D)により順次亀裂の進行状態を示すように、パルス電流の印加による電子との衝突によりタンタル原子が移動して空孔が形成され、この空孔が起点となって亀裂が発生するものと考えられる。なお図12(A)〜(D)において、破線は、結晶粒による境界を示すものであり、実線による矢印は、電子との衝突によりタンタル原子が移動する方向を示すものである。また実線Bは結晶粒に沿って抵抗体膜を横切る亀裂であり、実線Cは他の方向に延長する亀裂である。
【0017】
これによりこのような空孔の発生を防止することができれば、発熱素子の断線を防止してプリンタヘッドの信頼性を一段と向上できると考えられる。
【0018】
この方法の1つとして、例えば特開平10−114071号公報に提案されている手法の採用により、アモルファス構造により発熱素子を作成することが考えられる。しかしながらこの方法の場合、抵抗体膜に窒素が含まれることにより、ハロゲン混合ガスを用いて抵抗体膜を所望形状に加工する際に、この抵抗体膜に含まれる窒素とフォトレジスト材料とが反応してエッチング加工断面に多量のレジスト残渣が付着する。このレジスト残渣にあっては、レジストを除去する酸素プラズマアッシングでは除去し得ず、発熱素子の駆動により発熱素子が発熱すると、発熱素子を構成するタンタルシリコン窒化物と反応してタンタルシリコン窒化物を変質させ、発熱素子の抵抗値を変化させるようになる。これによりこの特開平10−114071号公報に提案されている手法の適用にあっては、実用上未だ不十分な欠点がある。
【0019】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提案しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定されて発熱素子が形成されることにより、タンタルの結晶粒界に金属が存在するように、発熱素子が形成されてなるようにする。
【0021】
また請求項3の発明においては、液体吐出ヘッドに設けられた発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出装置に適用して、液体吐出ヘッドが、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定されて発熱素子が形成されることにより、タンタルの結晶粒界に金属が存在するように、発熱素子が形成されてなるようにする。
【0022】
また請求項4の発明においては、発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法に適用して、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、金属の含有量を20〔mol%〕未満に設定して発熱素子を形成することにより、タンタルの結晶粒界に金属が存在するように、発熱素子を形成する。
【0023】
請求項1の構成により、発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定されて発熱素子が形成されることにより、タンタルの結晶粒界に金属が存在するように、発熱素子が形成されてなることにより、エレクトロマイグレーション耐性を有するこれらの金属によりタンタルの結晶粒界が補強される。これにより結晶粒界における電子との衝突による原子の移動が低減されて空孔の発生が防止され、これにより著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる。
【0024】
これにより請求項3及び請求項4の構成によれば、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0026】
(1)実施の形態の構成
図2は、本発明に係るプリンタを示す斜視図である。このラインプリンタ11は、全体が長方体形状の筐体12に収納されて形成され、印刷対象である用紙13を収納した用紙トレイ14をこの筐体12の正面に形成されたトレイ出入口より装着することにより、用紙13を給紙できるようになされている。
【0027】
用紙トレイ14は、このようにトレイ出入口よりラインプリンタ11に装着されると、所定の機構により用紙13が給紙ローラ15に押し当てられ、この給紙ローラ15の回転により、矢印Aにより示すように、用紙13が用紙トレイ14よりラインプリンタ11の背面側に向かって送り出される。ラインプリンタ11は、この用紙送りの側に反転ローラ16が配置され、この反転ローラ16の回転等により、矢印Bにより示すように、正面方向に用紙13の送り方向が切り換えられる。
【0028】
ラインプリンタ11は、このようにして用紙送り方向が矢印Bで示す方向に切り換えられてなる用紙13が用紙トレイ14上を横切るように拍車ローラ17等により搬送され、矢印Cにより示すように、ラインプリンタ11の正面側に配置された排出口より排出される。ラインプリンタ11は、この拍車ローラ17から排出口までの間に、矢印Dにより示すように、ヘッドカートリッジ18が交換可能に配置される。
【0029】
ヘッドカートリッジ18は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのラインヘッドをそれぞれ配置してなるプリンタヘッド19が所定形状のホルダー20の下面側に配置され、このホルダー20に順次イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)のインクカートリッジが交換可能に配置されて形成されるようになされている。これによりラインプリンタ11は、これら各色のインクに対応するラインヘッドより用紙13にインクを付着させて画像を印刷できるようになされている。
【0030】
ラインプリンタ11では、このような4色が一体となってノズルプレートが形成されることにより、各ノズルの位置精度が補償され、カートリッジの交換も容易となるようになされている。
【0031】
ここで図3は、図2の用紙13側より見たプリンタヘッドの配列構成の一部を拡大した平面図である。プリンタヘッド19は、図3に示すように、各色のインクのインク流路22の両側に、交互(千鳥状に)に同一構成によるヘッドチップ21がノズルプレート上に配置して構成される。また、各へッドチップ21においては、それぞれ発熱素子がインク流路22側となるように配置されており、つまりインク流路22側を介して両側のヘッドチップ21は向きが180度回転させた関係となるように配置されている。これによりプリンタヘッド19は、それぞれ各色において1系統のインク流路22で各ヘッドチップ21にインクを供給できるようになされ、その分、簡易な構成により印刷精度を高解像度化することができるようになされている。
【0032】
また、ヘッドチップ21は、このようにして180度回転して配置した場合でも、微小なインク吐出口であるノズル23の並ぶ方向には接続用パッド24の位置が変化しないように、これらノズル23の並ぶ方向(印刷幅方向)のほぼ中央に接続用パッド24が配置され、これによりプリンタヘッド19では、隣り合うヘッドチップ21の接続用パッド24に接続するフレキシブル配線基板が近接することを防止する、つまりフレキシブル配線基板の一部への集中を防止するようになされている。
【0033】
なお、このようにしてノズル23をシフトさせた場合、インク流路22の上方及び下方に配置されるヘッドチップ21においては、駆動信号に対して発熱素子の駆動順序が逆転することになる。各ヘッドチップ21は、このような駆動順序に対応するように、駆動回路における駆動順序を切り換えることができるように構成されている。
【0034】
図1は、このラインプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。プリンタヘッド19は、シリコン基板によるウエハ上に複数ヘッド分の駆動回路、発熱素子等が作成された後、各ヘッドチップ21にスクライビング処理され、各ヘッドチップ21にインク液室等を作成して形成される。
【0035】
すなわち図4(A)に示すように、プリンタヘッド19は、ウエハによるシリコン基板31が洗浄された後、シリコン窒化膜(Si3 N4 )が堆積される。続いてプリンタヘッド19は、リソグラフィー工程、リアクティブイオンエッチング工程によりシリコン基板31が処理され、これによりトランジスタを形成する所定領域以外の領域よりシリコン窒化膜が取り除かれる。これらによりプリンタヘッド19には、シリコン基板31上のトランジスタを形成する領域にシリコン窒化膜が形成される。
【0036】
続いてプリンタヘッド19は、シリコン窒化膜が除去されている領域に熱酸化工程により熱シリコン酸化膜が膜厚500〔nm〕により形成され、この熱シリコン酸化膜によりトランジスタを分離するための素子分離領域(LOCOS: Local Oxidation Of Silicon )32が形成される。なおこの素子分離領域32は、その後の処理により最終的に膜厚260〔nm〕に形成される。さらに続いてプリンタヘッド19は、シリコン基板31が洗浄された後、トランジスタ形成領域にタングステンシリサイド/ポリシリコン/熱酸化膜構造のゲートが作成される。さらにソース・ドレイン領域を形成するためのイオン注入工程、熱処理工程によりシリコン基板31が処理され、MOS(Metal−Oxide−Semiconductor )型によるトランジスタ33、34等が作成される。なおここでスイッチングトランジスタ33は、25〔V〕程度の耐圧を有するMOS型ドライバートランジスタであり、発熱素子の駆動に供するものである。これに対してスイッチングトランジスタ34は、このドライバートランジスタを制御する集積回路を構成するトランジスタであり、5〔V〕の電圧により動作するものである。なおこの実施の形態においては、ゲート/ドレイン間に低濃度の拡散層が形成され、その部分で加速される電子の電解を緩和することで耐圧を確保してドライバートランジスタ33が形成されるようになされている。
【0037】
このようにしてシリコン基板31上に、半導体素子であるトランジスタ33、34が作成されると、プリンタヘッド19は、続いてCVD(Chemical Vapor Deposition )法によりリンが添加されたシリコン酸化膜であるPSG(Phosphorus Silicate Glass )膜、ボロンとリンが添加されたシリコン酸化膜であるBPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass)膜35が順次膜厚100〔nm〕、500〔nm〕により作成され、これにより全体として膜厚が600〔nm〕による1層目の層間絶縁膜が作成される。
【0038】
続いてフォトリソグラフィー工程の後、C4 F8 /CO/O2 /Ar系ガスを用いたリアクティブイオンエッチング法によりシリコン半導体拡散層(ソース・ドレイン)上にコンタクトホール36が作成される。
【0039】
さらにプリンタヘッド19は、希フッ酸により洗浄された後、スパッタリング法により、膜厚30〔nm〕によるチタン、膜厚70〔nm〕による窒化酸化チタンバリアメタル、膜厚30〔nm〕によるチタン、シリコンが1〔at%〕添加されたアルミニューム、または銅が0.5〔at%〕添加されたアルミニュームが膜厚500〔nm〕により順次堆積される。続いてプリンタヘッド19は、反射防止膜である窒化酸化チタン(TiON)が膜厚25〔nm〕により堆積され、これらにより配線パターン材料が成膜される。さらに続いてプリンタヘッド19は、フォトリソグラフィー工程、ドライエッチング工程により、成膜された配線パターン材料が選択的に除去され、1層目の配線パターン37が作成される。プリンタヘッド19は、このようにして作成された1層目の配線パターン37により、駆動回路を構成するMOS型トランジスタ34を接続してロジック集積回路が形成される。
【0040】
続いてプリンタヘッド19は、TEOS(テトラエトキシシラン:Si(OC2 H5 )4 )を原料ガスとしたCVD法により層間絶縁膜であるシリコン酸化膜が堆積される。続いてプリンタヘッド19は、SOG(Spin On Glass )を含む塗布型シリコン酸化膜の塗布とエッチバックとにより、シリコン酸化膜が平坦化され、これらの工程が2回繰り返されて1層目の配線パターン37と続く2層目の配線パターンとを絶縁する膜厚440〔nm〕のシリコン酸化膜による2層目の層間絶縁膜38が形成される。
【0041】
プリンタヘッド19は、続いて図4(B)に示すように、スパッタリング法により膜厚50〜100〔nm〕により抵抗体膜が堆積された後、この抵抗体膜のパターニングにより発熱素子39が形成される。この実施の形態において、この抵抗体膜は、IVA金属、VA金属、VIA金属及び銅(Cu)からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属がβ−タンタルの結晶粒界中に存在するように、これらの金属とタンタルとの合金により作成される。具体的にこの場合、IVA金属のうちのチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、VA金属のうちのバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、VIA金属のうちのクロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及び銅の何れかより、少なくとも1種類以上の金属が適用される。
【0042】
このためスパッタリングにより形成される抵抗体膜においてこれらの金属側の含有量が20〔mol%〕未満になるようにターゲットの条件が設定される。なお実験した結果によれば、タンタルとこれらの金属との組成比をそれぞれ6:4、7:3、8:2、9:1に設定して作製したターゲットを用いたスパッタリングにより、何れのターゲットを用いた場合でもβ−タンタルの結晶粒界中にこれらの金属が存在する構造により抵抗体膜を作成することができた。しかしてプリンタヘッド19は、図5に示すように、上述したターゲット40が設定されてなるスパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載された後、アルゴンガス雰囲気によりグロー放電が開始され、これにより抵抗体膜が成膜される。
【0043】
このようにして成膜された抵抗体膜においては、図6に示すように、これらの金属Kがタンタルの結晶粒界に存在する構造となり、タンタルの結晶粒界がこれらの金属Kにより補強される。具体的に、アルミニュームの含有量が20〔at%〕未満によるタンタルアルミ合金による抵抗体膜では、タンタルルテニウムについてJ.Vac.Sci.Technol.A17(6),P.3327−p.3332に発表されているタンタル結晶粒界中にルテニウムが存在する構造に対して、このタンタル結晶粒界中のルテニウムがアルミニュームに置き換わった構造であることが確認された。
【0044】
ここでこれらの金属のうち、銅以外の金属においては、電子との衝突により原子が移動するいわゆるエレクトロマイグレーションが起こり難く、かつ融点が高いことにより耐熱性を有する金属である。また銅においては、これらの金属に比してさらに一段と優れたエレクトロマイグレーション耐性を有する金属である。これによりこの実施の形態において、この抵抗体膜による発熱素子においては、結晶粒界に存在するこれら金属原子の電子との衝突による移動が低減され、これにより結晶粒界における空孔の発生が防止されるようになされている。
【0045】
またこのようにして形成される抵抗体膜においては、タンタル及びこれらの金属が半導体製造プロセスで十分に実用実績のある材料であり、かつ既存の製造プロセスを利用するものであり、これにより製造プロセスにおいて、十分な信頼性を確保することができるようになされている。
【0046】
なおこの実施の形態では、成膜温度200〜400〔度〕、直流印加電力2〜4〔kW〕、アルゴンガス流量20〜40〔sccm〕により抵抗体膜を成膜した。また具体的に発熱素子39は、タンタルとチタンとの合金により作成した。
【0047】
プリンタヘッド19は、続いてフォトリソグラフィー工程、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により、正方形形状に、又は一端を配線パターンにより接続する折り返し形状により、このようにして成膜した抵抗体膜をパターニングし、発熱素子39が作成される。
【0048】
このようにして発熱素子39が形成されると、プリンタヘッド19は、図7(C)に示すように、CVD法により膜厚300〔nm〕によるシリコン窒化膜が堆積され、発熱素子39の絶縁保護層41が形成される。続いて図7(D)に示すように、フォトリゾグラフィー工程、CHF3 /CF4 /Arガスを用いたドライエッチング工程により、所定箇所のシリコン窒化膜が除去され、これにより発熱素子39を配線パターンに接続する部位が露出される。さらにCHF3 /CF4 /Arガスを用いたドライエッチング工程により、層間絶縁膜38に開口を形成してビアホール42が作成される。
【0049】
さらに図8(E)に示すように、プリンタヘッド19は、スパッタリング法により、膜厚200〔nm〕によるチタン、シリコンを1〔at%〕添加したアルミニューム、または銅を0.5〔at%〕添加したアルミニュームが膜厚600〔nm〕により順次堆積される。続いてプリンタヘッド19は、膜厚25〔nm〕による窒化酸化チタンが堆積され、これにより反射防止膜が形成される。これらによりプリンタヘッド19は、シリコン又は銅を添加したアルミニューム等による配線パターン材料層43が成膜される。
【0050】
続いて図8(F)に示すように、フォトリソグラフィー工程、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により成膜した配線パターン材料層43が選択的に除去され、2層目の配線パターン44が作成される。プリンタヘッド19は、この2層目の配線パターン44により、電源用の配線パターン、アース用の配線パターンが作成され、またドライバートランジスタ34を発熱素子39に接続する配線パターンが作成される。なお発熱素子39の上層に取り残されたシリコン窒化膜41にあっては、この配線パターン作成の際のエッチング工程において、発熱素子39の保護層として機能する。
【0051】
続いて図9(G)に示すように、プリンタヘッド19は、CVD法によりインク保護層、絶縁層として機能するシリコン窒化膜45が膜厚400〔nm〕により堆積される。さらに熱処理炉において、4%の水素を添加した窒素ガスの雰囲気中で、又は100%の窒素ガス雰囲気中で、400度、60分間の熱処理が実施される。これによりプリンタヘッド19は、トランジスタ33、34の動作が安定化され、さらに1層目の配線パターン37と2層目の配線パターン44との接続が安定化されてコンタクト抵抗が低減される。
【0052】
プリンタヘッド19は、続いてDCマグネトロン・スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載された後、スパッタリング法によりβ−タンタルによる耐キャビテーション層の材料膜が膜厚200〔nm〕により堆積される。続いて図10(H)に示すように、プリンタヘッド19は、フォトレジスト工程、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により、耐キャビテーション層の材料膜が所定形状によりエッチング処理され、これにより耐キャビテーション層46が形成される。
【0053】
プリンタヘッド19は、続いて図1に示すように、有機系樹脂によるドライフィルム47が圧着により配置された後、インク液室48、インク流路に対応する部位が取り除かれ、その後硬化され、これによりインク液室48の隔壁、インク流路の隔壁等が作成される。
【0054】
また続いて各ヘッドチップ21にスクライビングされた後、ノズルプレート49が積層される。ここでノズルプレート49は、発熱素子39の上にノズル23を形成するように所定形状に加工された板状部材であり、ドライフィルム47上に接着により保持される。これによりプリンタヘッド19は、ノズル23、インク液室48、このインク液室48にインクを導くインク流路22等が形成されて作成される。
【0055】
プリンタヘッド19は、このようなインク液室48が紙面の奥行き方向に連続するように形成され、これによりラインヘッドを構成するようになされている。
【0056】
(2)実施の形態の動作
以上の構成において、プリンタヘッド19は、半導体基板であるシリコン基板31に素子分離領域32が作成されて半導体素子であるトランジスタ33、34が作成され、絶縁層35により絶縁されて1層目の配線パターン37が作成される。また続いて発熱素子39が作成された後、2層目の配線パターン45が作成される。また続いて絶縁保護層45が作成された後、熱処理により配線パターン37及び45間、配線パターン45と発熱素子39等との間の接続が安定化され、耐キャビテーション層46、インク液室48、ノズル23が順次形成されて作成される(図1、図4、図7〜図10)。
【0057】
このラインプリンタ11は、このようにして作成されたプリンタヘッド19のインク液室48にヘッドカートリッジ18に保持されてなるインクがインク流路22により導かれ(図3)、発熱素子39の駆動によりインク液室48に保持したインクが加熱されて気泡が発生し、この気泡によりインク液室48内の圧力が急激に増大する。ラインプリンタ11では、この圧力の増大によりインク液室48のインクがノズル23からインク液滴として飛び出し、ローラ15、16、17等により用紙トレイ14から搬送された印刷対象である用紙13にこのインク液滴が付着する。
【0058】
ラインプリンタ11では、このような発熱素子39の駆動が間欠的に繰り返され、これにより所望の画像等が用紙13に印刷されて排出口より排出される(図2)。しかしてプリンタヘッド19においては、この発熱素子39の間欠的な駆動により、インク液室48内において、気泡の発生、気泡の消滅が繰り返され、これにより機械的な衝撃であるキャビテーションが発生する。プリンタヘッド19では、このキャビテーションによる機械的な衝撃が耐キャビテーション層46により緩和され、これにより耐キャビテーション層46により発熱素子39が保護される。また絶縁保護層45、耐キャビテーション層46により発熱素子39へのインクの直接の接触が防止され、これによっても発熱素子39が保護される。
【0059】
また発熱素子39においては、このような駆動の繰り返しにより抵抗体膜中を移動する電子が抵抗体膜を構成する金属原子への衝突を繰り返し、この衝突の繰り返しにより三重点の金属原子が移動して空孔が発生すると、この空孔の部位から結晶粒界に沿って亀裂が発生することになる。ラインプリンタ11では、このような発熱素子39の駆動により用紙13への印刷が繰り返され、インクが不足すると、インクカートリッジが交換されてインクが補充され、これにより著しく長期間、用紙13への印刷が繰り返される。これにより従来の発熱素子にあっては、結晶粒界に沿った亀裂が徐々に成長し、ついには断線に至ることになる。
【0060】
しかしながらこの実施の形態では、IVA金属であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、VA金属であるバナジウム、ニオブ、VIA金属であるクロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中から少なくとも1種類又は複数種類の金属が選択され、この選択された金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定された金属とタンタルとの合金により発熱素子39が作成され(図1)、β−タンタルの結晶粒界中にこれらの金属が存在する構造になる(図6)。これらの金属においては、エレクトロマイグレーション耐性を有する金属である。これによりプリンタヘッド19では、これらの金属によりタンタルの結晶粒界が補強されることにより、発熱素子39に通電した時に電子との衝突による原子の移動が低減されて空孔の発生が防止され、これにより著しい長期の使用によっても発熱素子39の断線を防止して十分な信頼性を確保することができるようになされている。
【0061】
またこれらの金属のうち、銅以外の金属においては、高い融点により耐熱性を有する金属であることにより、発熱素子39に適用して十分な信頼性を確保することができる。
【0062】
またこのような発熱素子39に適用されるタンタルとこれらの金属とによる合金においては、半導体製造プロセスで十分に実用実績のある材料であり、かつ既存の製造プロセスを利用するものであり、これにより製造プロセスにおいて、十分な信頼性を確保することができる。
【0063】
なおこのようにして形成される発熱素子39においては、β−タンタルのみにより発熱素子を作成する場合に比して比抵抗が上昇し、その分、発熱素子39の形状を小さくすることができる。
【0064】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中から選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、該金属側の含有量を20〔mol%〕未満に設定してタンタルの結晶粒界に該金属が存在するように発熱素子を形成することにより、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる。
【0065】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、スパッタリング法により抵抗体膜を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ターゲットと基板との間隔が一定の間隔以上離された遠距離スパッタリング法を用いる場合、ターゲットと基板との間に配置されたコイルにより高密度プラズマを発生させて成膜種をイオン化させるイオン化スパッタリング法を用いる場合等、種々の成膜手法を広く適用することができる。
【0066】
また上述の実施の形態においては、本発明をプリンタヘッドに適用してインク液滴を飛び出させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インク液滴に代えて液滴が各種染料の液滴、保護層形成用の液滴等である液体吐出ヘッド、さらには液滴が試薬等であるマイクロディスペンサー、各種測定装置、各種試験装置、液滴がエッチングより部材を保護する薬剤である各種のパターン描画装置等に広く適用することができる。
【0067】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、該金属側の含有量を20〔mol%〕未満に設定してタンタルの結晶粒界に該金属が存在するように発熱素子を形成することにより、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリンタを示す斜視図である。
【図3】図2のプリンタヘッドにおけるヘッドチップの配列構成を示す平面図である。
【図4】図1のプリンタヘッドの作成工程の説明に供する断面図である。
【図5】発熱素子の作成の説明に供する略線図である。
【図6】発熱素子の結晶構造の説明に供する略線図である。
【図7】図4の続きを示す断面図である。
【図8】図7の続きを示す断面図である。
【図9】図8の続きを示す断面図である。
【図10】図9の続きを示す断面図である。
【図11】従来のプリンタヘッドにおける発熱素子の断線の説明に供する平面図である。
【図12】図11の発熱素子における亀裂の進行の説明に供する平面図である。
【符号の説明】
3、4、37、44……配線パターン、11……プリンタ、19……プリンタヘッド、31……シリコン基板、33、34……トランジスタ、39……発熱素子、40……ターゲット
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法に関し、例えばサーマル方式によるインクジェットプリンタに適用することができる。本発明は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、該金属側の含有量を20〔mol%〕未満に設定してタンタルの結晶粒界に該金属が存在するように発熱素子を形成することにより、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像処理等の分野において、ハードコピーのカラー化に対するニーズが高まってきている。このニーズに対して、従来、昇華型熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式及び熱現像銀塩方式等のカラーコピー方式が提案されている。
【0003】
これらの方式のうちインクジェット方式は、液体吐出ヘッドであるプリンタヘッドに設けられたノズルから記録液(インク)の液滴を飛翔させ、記録対象に付着してドットを形成するものであり、簡易な構成により高画質の画像を出力することができる。このインクジェット方式は、ノズルからインク液滴を飛翔させる方法の相違により、静電引力方式、連続振動発生方式(ピエゾ方式)及びサーマル方式に分類される。
【0004】
これらの方式のうちサーマル方式は、インクの局所的な加熱により気泡を発生し、この気泡によりインクをノズルから押し出して印刷対象に飛翔させる方式であり、簡易な構成によりカラー画像を印刷することができるようになされている。
【0005】
このようなサーマル方式によるプリンタヘッドは、インクを加熱する発熱素子が発熱素子を駆動するロジック集積回路による駆動回路と共に一体に半導体基板上に形成される。これによりこの種のプリンタヘッドにおいては、発熱素子を高密度に配置して確実に駆動できるようになされている。
【0006】
すなわちこのサーマル方式のプリンタにおいて、高画質の印刷結果を得るためには、発熱素子を高密度で配置する必要がある。具体的に、例えば600〔DPI〕相当の印刷結果を得るためには、発熱素子を42.333〔μm〕間隔で配置することが必要になるが、このように高密度で配置した発熱素子に個別の駆動素子を配置することは極めて困難である。これによりプリンタヘッドでは、半導体基板上にスイッチングトランジスタ等を作成して集積回路技術により対応する発熱素子と接続し、さらには同様に半導体基板上に作成した駆動回路により各スイッチングトランジスタを駆動することにより、簡易かつ確実に各発熱素子を駆動できるようになされている。
【0007】
またサーマル方式によるプリンタにおいては、発熱素子への所定電力の印加によりインクに気泡が発生し、ノズルからインクが飛び出すと、この気泡が消滅する。これにより発泡、消泡を繰り返す毎にキャビテーションによる機械的な衝撃を受ける。さらにプリンタは、発熱素子の発熱による温度上昇と温度下降とが、短時間〔数μ秒〕で繰り返され、これにより温度による大きなストレスを受ける。
【0008】
このためプリンタヘッドは、半導体基板上に発熱素子が形成され、この発熱素子上に窒化シリコン等による絶縁保護層が形成され、この絶縁保護層により絶縁性が確保され、また発熱素子とインクとの直接の接触を防止するようになされている。さらにこの絶縁保護層の上層に、正方晶構造であるβ−タンタル等により耐キャビテーション層が形成され、この耐キャビテーション層によりキャビテーションによる機械的な衝撃が緩和され、またインク中の含有物との間での化学反応を防止するようになされている。
【0009】
プリンタヘッドは、このような絶縁保護層、耐キャビテーション層の厚みを厚くすると、信頼性を向上することができるものの、その分、インクへの熱伝導率が低下することにより、インクを吐出するために必要な熱エネルギーが増大し、これにより消費電力が増大する。このためプリンタヘッドは、少ない消費電力により発熱素子を駆動してインク液滴を安定に飛び出させる厚みにより作成されるようになされ、通常、このような絶縁保護層が厚さ0.2〜0.6〔μm〕により作成され、耐キャビテーション層が厚さ0.2〔μm〕程度により作成されるようになされている。
【0010】
このようなプリンタヘッドにおいては、従来、発熱素子の材料に正方晶構造であるβ−タンタル又はこのβ−タンタルによる化合物であるタンタルアルミ、タンタルナイトライド等が適用される。このβ−タンタル膜においては、170〜180〔μΩ−cm〕の比抵抗を有するのに対し、タンタルアルミ膜、タンタルナイトライド膜においては、270〜280〔μΩ−cm〕の比抵抗を有するものである。これによりプリンタヘッドにおいては、発熱素子の形状に応じて発熱素子の材料が選択されるようになされている。なおタンタルにおいては、体心立方晶構造であるα−タンタルとβ−タンタルとがあるものの、α−タンタル膜においては、β−タンタル膜に対して比抵抗が10〜20〔μΩ−cm〕低いことにより、発熱素子の材料にあっては、β−タンタルが適用される。
【0011】
またこれらの材料以外に例えば特許2505900号においては、タンタルの含有量が50〔mol%〕以上80〔mol%〕以下によるタンタルとタングステンとの合金を発熱素子の材料に適用する手法が開示されるようになされ、また特開平10−114071号公報においては、タンタルシリコン合金の窒化物によるアモルファス材料を発熱素子の材料に適用する方法が提案されるようになされている。
【0012】
これに対してこのようなタンタルによる化合物であるタンタルルテニウムにおいては、ルテニウムの含有量を20〔at%〕未満とすると、タンタルの結晶粒界中にルテニウムが存在する構造を実施できることがD.S.Wuu等により報告されている(J.Vac.Sci.Technol.A17(6),P.3327−p.3332)。
【0013】
【特許文献1】
特開第2505900号
【特許文献2】
特開平10−114071号公報
【非特許文献1】
D.S.Wuu、他,「(J.Vac.Sci.Technol. A17(6) )」,P.3327−3332
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、この種のプリンタヘッドにおいては、インクカートリッジを交換してインクを補充することにより、著しく長期間、使用される場合がある。これによりプリンタヘッドにおいては、このような著しい長期間の使用に対しても十分な信頼性の確保が求められる。これに対して従来のβ−タンタルによる発熱素子を用いたプリンタヘッドにおいては、このような著しい長期間の使用によって、発熱素子が断線する場合があった。
【0015】
このような発熱素子の断線状態を走査型電子顕微鏡(SEM)により詳細に観察したところ、図11に示すように、発熱素子を構成する抵抗体膜を横切る亀裂の発生を確認することができ、またこの亀裂においては、一部でこのように横切る方向とは異なる他の方向へも延長する亀裂が確認された。なおこの図11に示す例は、1.2〔μm〕の間隔を隔てて長さ20〔μm〕、幅9.6〔μm〕による長方形形状の抵抗体膜1、2を併設し、これらの抵抗体膜1、2の一端を配線パターン3により接続すると共に、これら抵抗体膜1、2の他端に配線パターン4により駆動信号を印加し、これによりこれら抵抗体膜1、2の直列接続により発熱素子を形成した場合である。また定格による駆動電力が0.8〔W〕であるのに対し、定格の1.75倍の駆動電力1.4〔W〕により駆動した例である。符号Aにより拡大して示す図においては、符号Bにより示す亀裂が抵抗体膜を横切る亀裂であり、符号Cにより示す亀裂が他の方向に延長する亀裂である。
【0016】
この観察結果より、発熱素子の断線を招く亀裂においては、三重点を起点として発生していることが確認される。すなわちこの種の成膜においては、成膜対象上で結晶粒が成長して作成されることにより、結晶粒間で境界が作成される。三重点は、このような結晶粒による境界(結晶粒界)がぶつかり合う箇所であり、このような箇所においては、図12(A)〜(D)により順次亀裂の進行状態を示すように、パルス電流の印加による電子との衝突によりタンタル原子が移動して空孔が形成され、この空孔が起点となって亀裂が発生するものと考えられる。なお図12(A)〜(D)において、破線は、結晶粒による境界を示すものであり、実線による矢印は、電子との衝突によりタンタル原子が移動する方向を示すものである。また実線Bは結晶粒に沿って抵抗体膜を横切る亀裂であり、実線Cは他の方向に延長する亀裂である。
【0017】
これによりこのような空孔の発生を防止することができれば、発熱素子の断線を防止してプリンタヘッドの信頼性を一段と向上できると考えられる。
【0018】
この方法の1つとして、例えば特開平10−114071号公報に提案されている手法の採用により、アモルファス構造により発熱素子を作成することが考えられる。しかしながらこの方法の場合、抵抗体膜に窒素が含まれることにより、ハロゲン混合ガスを用いて抵抗体膜を所望形状に加工する際に、この抵抗体膜に含まれる窒素とフォトレジスト材料とが反応してエッチング加工断面に多量のレジスト残渣が付着する。このレジスト残渣にあっては、レジストを除去する酸素プラズマアッシングでは除去し得ず、発熱素子の駆動により発熱素子が発熱すると、発熱素子を構成するタンタルシリコン窒化物と反応してタンタルシリコン窒化物を変質させ、発熱素子の抵抗値を変化させるようになる。これによりこの特開平10−114071号公報に提案されている手法の適用にあっては、実用上未だ不十分な欠点がある。
【0019】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提案しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定されて発熱素子が形成されることにより、タンタルの結晶粒界に金属が存在するように、発熱素子が形成されてなるようにする。
【0021】
また請求項3の発明においては、液体吐出ヘッドに設けられた発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出装置に適用して、液体吐出ヘッドが、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定されて発熱素子が形成されることにより、タンタルの結晶粒界に金属が存在するように、発熱素子が形成されてなるようにする。
【0022】
また請求項4の発明においては、発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法に適用して、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、金属の含有量を20〔mol%〕未満に設定して発熱素子を形成することにより、タンタルの結晶粒界に金属が存在するように、発熱素子を形成する。
【0023】
請求項1の構成により、発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドに適用して、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定されて発熱素子が形成されることにより、タンタルの結晶粒界に金属が存在するように、発熱素子が形成されてなることにより、エレクトロマイグレーション耐性を有するこれらの金属によりタンタルの結晶粒界が補強される。これにより結晶粒界における電子との衝突による原子の移動が低減されて空孔の発生が防止され、これにより著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる。
【0024】
これにより請求項3及び請求項4の構成によれば、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0026】
(1)実施の形態の構成
図2は、本発明に係るプリンタを示す斜視図である。このラインプリンタ11は、全体が長方体形状の筐体12に収納されて形成され、印刷対象である用紙13を収納した用紙トレイ14をこの筐体12の正面に形成されたトレイ出入口より装着することにより、用紙13を給紙できるようになされている。
【0027】
用紙トレイ14は、このようにトレイ出入口よりラインプリンタ11に装着されると、所定の機構により用紙13が給紙ローラ15に押し当てられ、この給紙ローラ15の回転により、矢印Aにより示すように、用紙13が用紙トレイ14よりラインプリンタ11の背面側に向かって送り出される。ラインプリンタ11は、この用紙送りの側に反転ローラ16が配置され、この反転ローラ16の回転等により、矢印Bにより示すように、正面方向に用紙13の送り方向が切り換えられる。
【0028】
ラインプリンタ11は、このようにして用紙送り方向が矢印Bで示す方向に切り換えられてなる用紙13が用紙トレイ14上を横切るように拍車ローラ17等により搬送され、矢印Cにより示すように、ラインプリンタ11の正面側に配置された排出口より排出される。ラインプリンタ11は、この拍車ローラ17から排出口までの間に、矢印Dにより示すように、ヘッドカートリッジ18が交換可能に配置される。
【0029】
ヘッドカートリッジ18は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのラインヘッドをそれぞれ配置してなるプリンタヘッド19が所定形状のホルダー20の下面側に配置され、このホルダー20に順次イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)のインクカートリッジが交換可能に配置されて形成されるようになされている。これによりラインプリンタ11は、これら各色のインクに対応するラインヘッドより用紙13にインクを付着させて画像を印刷できるようになされている。
【0030】
ラインプリンタ11では、このような4色が一体となってノズルプレートが形成されることにより、各ノズルの位置精度が補償され、カートリッジの交換も容易となるようになされている。
【0031】
ここで図3は、図2の用紙13側より見たプリンタヘッドの配列構成の一部を拡大した平面図である。プリンタヘッド19は、図3に示すように、各色のインクのインク流路22の両側に、交互(千鳥状に)に同一構成によるヘッドチップ21がノズルプレート上に配置して構成される。また、各へッドチップ21においては、それぞれ発熱素子がインク流路22側となるように配置されており、つまりインク流路22側を介して両側のヘッドチップ21は向きが180度回転させた関係となるように配置されている。これによりプリンタヘッド19は、それぞれ各色において1系統のインク流路22で各ヘッドチップ21にインクを供給できるようになされ、その分、簡易な構成により印刷精度を高解像度化することができるようになされている。
【0032】
また、ヘッドチップ21は、このようにして180度回転して配置した場合でも、微小なインク吐出口であるノズル23の並ぶ方向には接続用パッド24の位置が変化しないように、これらノズル23の並ぶ方向(印刷幅方向)のほぼ中央に接続用パッド24が配置され、これによりプリンタヘッド19では、隣り合うヘッドチップ21の接続用パッド24に接続するフレキシブル配線基板が近接することを防止する、つまりフレキシブル配線基板の一部への集中を防止するようになされている。
【0033】
なお、このようにしてノズル23をシフトさせた場合、インク流路22の上方及び下方に配置されるヘッドチップ21においては、駆動信号に対して発熱素子の駆動順序が逆転することになる。各ヘッドチップ21は、このような駆動順序に対応するように、駆動回路における駆動順序を切り換えることができるように構成されている。
【0034】
図1は、このラインプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。プリンタヘッド19は、シリコン基板によるウエハ上に複数ヘッド分の駆動回路、発熱素子等が作成された後、各ヘッドチップ21にスクライビング処理され、各ヘッドチップ21にインク液室等を作成して形成される。
【0035】
すなわち図4(A)に示すように、プリンタヘッド19は、ウエハによるシリコン基板31が洗浄された後、シリコン窒化膜(Si3 N4 )が堆積される。続いてプリンタヘッド19は、リソグラフィー工程、リアクティブイオンエッチング工程によりシリコン基板31が処理され、これによりトランジスタを形成する所定領域以外の領域よりシリコン窒化膜が取り除かれる。これらによりプリンタヘッド19には、シリコン基板31上のトランジスタを形成する領域にシリコン窒化膜が形成される。
【0036】
続いてプリンタヘッド19は、シリコン窒化膜が除去されている領域に熱酸化工程により熱シリコン酸化膜が膜厚500〔nm〕により形成され、この熱シリコン酸化膜によりトランジスタを分離するための素子分離領域(LOCOS: Local Oxidation Of Silicon )32が形成される。なおこの素子分離領域32は、その後の処理により最終的に膜厚260〔nm〕に形成される。さらに続いてプリンタヘッド19は、シリコン基板31が洗浄された後、トランジスタ形成領域にタングステンシリサイド/ポリシリコン/熱酸化膜構造のゲートが作成される。さらにソース・ドレイン領域を形成するためのイオン注入工程、熱処理工程によりシリコン基板31が処理され、MOS(Metal−Oxide−Semiconductor )型によるトランジスタ33、34等が作成される。なおここでスイッチングトランジスタ33は、25〔V〕程度の耐圧を有するMOS型ドライバートランジスタであり、発熱素子の駆動に供するものである。これに対してスイッチングトランジスタ34は、このドライバートランジスタを制御する集積回路を構成するトランジスタであり、5〔V〕の電圧により動作するものである。なおこの実施の形態においては、ゲート/ドレイン間に低濃度の拡散層が形成され、その部分で加速される電子の電解を緩和することで耐圧を確保してドライバートランジスタ33が形成されるようになされている。
【0037】
このようにしてシリコン基板31上に、半導体素子であるトランジスタ33、34が作成されると、プリンタヘッド19は、続いてCVD(Chemical Vapor Deposition )法によりリンが添加されたシリコン酸化膜であるPSG(Phosphorus Silicate Glass )膜、ボロンとリンが添加されたシリコン酸化膜であるBPSG(Boron Phosphorus Silicate Glass)膜35が順次膜厚100〔nm〕、500〔nm〕により作成され、これにより全体として膜厚が600〔nm〕による1層目の層間絶縁膜が作成される。
【0038】
続いてフォトリソグラフィー工程の後、C4 F8 /CO/O2 /Ar系ガスを用いたリアクティブイオンエッチング法によりシリコン半導体拡散層(ソース・ドレイン)上にコンタクトホール36が作成される。
【0039】
さらにプリンタヘッド19は、希フッ酸により洗浄された後、スパッタリング法により、膜厚30〔nm〕によるチタン、膜厚70〔nm〕による窒化酸化チタンバリアメタル、膜厚30〔nm〕によるチタン、シリコンが1〔at%〕添加されたアルミニューム、または銅が0.5〔at%〕添加されたアルミニュームが膜厚500〔nm〕により順次堆積される。続いてプリンタヘッド19は、反射防止膜である窒化酸化チタン(TiON)が膜厚25〔nm〕により堆積され、これらにより配線パターン材料が成膜される。さらに続いてプリンタヘッド19は、フォトリソグラフィー工程、ドライエッチング工程により、成膜された配線パターン材料が選択的に除去され、1層目の配線パターン37が作成される。プリンタヘッド19は、このようにして作成された1層目の配線パターン37により、駆動回路を構成するMOS型トランジスタ34を接続してロジック集積回路が形成される。
【0040】
続いてプリンタヘッド19は、TEOS(テトラエトキシシラン:Si(OC2 H5 )4 )を原料ガスとしたCVD法により層間絶縁膜であるシリコン酸化膜が堆積される。続いてプリンタヘッド19は、SOG(Spin On Glass )を含む塗布型シリコン酸化膜の塗布とエッチバックとにより、シリコン酸化膜が平坦化され、これらの工程が2回繰り返されて1層目の配線パターン37と続く2層目の配線パターンとを絶縁する膜厚440〔nm〕のシリコン酸化膜による2層目の層間絶縁膜38が形成される。
【0041】
プリンタヘッド19は、続いて図4(B)に示すように、スパッタリング法により膜厚50〜100〔nm〕により抵抗体膜が堆積された後、この抵抗体膜のパターニングにより発熱素子39が形成される。この実施の形態において、この抵抗体膜は、IVA金属、VA金属、VIA金属及び銅(Cu)からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属がβ−タンタルの結晶粒界中に存在するように、これらの金属とタンタルとの合金により作成される。具体的にこの場合、IVA金属のうちのチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、VA金属のうちのバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、VIA金属のうちのクロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及び銅の何れかより、少なくとも1種類以上の金属が適用される。
【0042】
このためスパッタリングにより形成される抵抗体膜においてこれらの金属側の含有量が20〔mol%〕未満になるようにターゲットの条件が設定される。なお実験した結果によれば、タンタルとこれらの金属との組成比をそれぞれ6:4、7:3、8:2、9:1に設定して作製したターゲットを用いたスパッタリングにより、何れのターゲットを用いた場合でもβ−タンタルの結晶粒界中にこれらの金属が存在する構造により抵抗体膜を作成することができた。しかしてプリンタヘッド19は、図5に示すように、上述したターゲット40が設定されてなるスパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載された後、アルゴンガス雰囲気によりグロー放電が開始され、これにより抵抗体膜が成膜される。
【0043】
このようにして成膜された抵抗体膜においては、図6に示すように、これらの金属Kがタンタルの結晶粒界に存在する構造となり、タンタルの結晶粒界がこれらの金属Kにより補強される。具体的に、アルミニュームの含有量が20〔at%〕未満によるタンタルアルミ合金による抵抗体膜では、タンタルルテニウムについてJ.Vac.Sci.Technol.A17(6),P.3327−p.3332に発表されているタンタル結晶粒界中にルテニウムが存在する構造に対して、このタンタル結晶粒界中のルテニウムがアルミニュームに置き換わった構造であることが確認された。
【0044】
ここでこれらの金属のうち、銅以外の金属においては、電子との衝突により原子が移動するいわゆるエレクトロマイグレーションが起こり難く、かつ融点が高いことにより耐熱性を有する金属である。また銅においては、これらの金属に比してさらに一段と優れたエレクトロマイグレーション耐性を有する金属である。これによりこの実施の形態において、この抵抗体膜による発熱素子においては、結晶粒界に存在するこれら金属原子の電子との衝突による移動が低減され、これにより結晶粒界における空孔の発生が防止されるようになされている。
【0045】
またこのようにして形成される抵抗体膜においては、タンタル及びこれらの金属が半導体製造プロセスで十分に実用実績のある材料であり、かつ既存の製造プロセスを利用するものであり、これにより製造プロセスにおいて、十分な信頼性を確保することができるようになされている。
【0046】
なおこの実施の形態では、成膜温度200〜400〔度〕、直流印加電力2〜4〔kW〕、アルゴンガス流量20〜40〔sccm〕により抵抗体膜を成膜した。また具体的に発熱素子39は、タンタルとチタンとの合金により作成した。
【0047】
プリンタヘッド19は、続いてフォトリソグラフィー工程、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により、正方形形状に、又は一端を配線パターンにより接続する折り返し形状により、このようにして成膜した抵抗体膜をパターニングし、発熱素子39が作成される。
【0048】
このようにして発熱素子39が形成されると、プリンタヘッド19は、図7(C)に示すように、CVD法により膜厚300〔nm〕によるシリコン窒化膜が堆積され、発熱素子39の絶縁保護層41が形成される。続いて図7(D)に示すように、フォトリゾグラフィー工程、CHF3 /CF4 /Arガスを用いたドライエッチング工程により、所定箇所のシリコン窒化膜が除去され、これにより発熱素子39を配線パターンに接続する部位が露出される。さらにCHF3 /CF4 /Arガスを用いたドライエッチング工程により、層間絶縁膜38に開口を形成してビアホール42が作成される。
【0049】
さらに図8(E)に示すように、プリンタヘッド19は、スパッタリング法により、膜厚200〔nm〕によるチタン、シリコンを1〔at%〕添加したアルミニューム、または銅を0.5〔at%〕添加したアルミニュームが膜厚600〔nm〕により順次堆積される。続いてプリンタヘッド19は、膜厚25〔nm〕による窒化酸化チタンが堆積され、これにより反射防止膜が形成される。これらによりプリンタヘッド19は、シリコン又は銅を添加したアルミニューム等による配線パターン材料層43が成膜される。
【0050】
続いて図8(F)に示すように、フォトリソグラフィー工程、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により成膜した配線パターン材料層43が選択的に除去され、2層目の配線パターン44が作成される。プリンタヘッド19は、この2層目の配線パターン44により、電源用の配線パターン、アース用の配線パターンが作成され、またドライバートランジスタ34を発熱素子39に接続する配線パターンが作成される。なお発熱素子39の上層に取り残されたシリコン窒化膜41にあっては、この配線パターン作成の際のエッチング工程において、発熱素子39の保護層として機能する。
【0051】
続いて図9(G)に示すように、プリンタヘッド19は、CVD法によりインク保護層、絶縁層として機能するシリコン窒化膜45が膜厚400〔nm〕により堆積される。さらに熱処理炉において、4%の水素を添加した窒素ガスの雰囲気中で、又は100%の窒素ガス雰囲気中で、400度、60分間の熱処理が実施される。これによりプリンタヘッド19は、トランジスタ33、34の動作が安定化され、さらに1層目の配線パターン37と2層目の配線パターン44との接続が安定化されてコンタクト抵抗が低減される。
【0052】
プリンタヘッド19は、続いてDCマグネトロン・スパッタリング装置内のスパッタ成膜チェンバーに搭載された後、スパッタリング法によりβ−タンタルによる耐キャビテーション層の材料膜が膜厚200〔nm〕により堆積される。続いて図10(H)に示すように、プリンタヘッド19は、フォトレジスト工程、BCl3 /Cl2 ガスを用いたドライエッチング工程により、耐キャビテーション層の材料膜が所定形状によりエッチング処理され、これにより耐キャビテーション層46が形成される。
【0053】
プリンタヘッド19は、続いて図1に示すように、有機系樹脂によるドライフィルム47が圧着により配置された後、インク液室48、インク流路に対応する部位が取り除かれ、その後硬化され、これによりインク液室48の隔壁、インク流路の隔壁等が作成される。
【0054】
また続いて各ヘッドチップ21にスクライビングされた後、ノズルプレート49が積層される。ここでノズルプレート49は、発熱素子39の上にノズル23を形成するように所定形状に加工された板状部材であり、ドライフィルム47上に接着により保持される。これによりプリンタヘッド19は、ノズル23、インク液室48、このインク液室48にインクを導くインク流路22等が形成されて作成される。
【0055】
プリンタヘッド19は、このようなインク液室48が紙面の奥行き方向に連続するように形成され、これによりラインヘッドを構成するようになされている。
【0056】
(2)実施の形態の動作
以上の構成において、プリンタヘッド19は、半導体基板であるシリコン基板31に素子分離領域32が作成されて半導体素子であるトランジスタ33、34が作成され、絶縁層35により絶縁されて1層目の配線パターン37が作成される。また続いて発熱素子39が作成された後、2層目の配線パターン45が作成される。また続いて絶縁保護層45が作成された後、熱処理により配線パターン37及び45間、配線パターン45と発熱素子39等との間の接続が安定化され、耐キャビテーション層46、インク液室48、ノズル23が順次形成されて作成される(図1、図4、図7〜図10)。
【0057】
このラインプリンタ11は、このようにして作成されたプリンタヘッド19のインク液室48にヘッドカートリッジ18に保持されてなるインクがインク流路22により導かれ(図3)、発熱素子39の駆動によりインク液室48に保持したインクが加熱されて気泡が発生し、この気泡によりインク液室48内の圧力が急激に増大する。ラインプリンタ11では、この圧力の増大によりインク液室48のインクがノズル23からインク液滴として飛び出し、ローラ15、16、17等により用紙トレイ14から搬送された印刷対象である用紙13にこのインク液滴が付着する。
【0058】
ラインプリンタ11では、このような発熱素子39の駆動が間欠的に繰り返され、これにより所望の画像等が用紙13に印刷されて排出口より排出される(図2)。しかしてプリンタヘッド19においては、この発熱素子39の間欠的な駆動により、インク液室48内において、気泡の発生、気泡の消滅が繰り返され、これにより機械的な衝撃であるキャビテーションが発生する。プリンタヘッド19では、このキャビテーションによる機械的な衝撃が耐キャビテーション層46により緩和され、これにより耐キャビテーション層46により発熱素子39が保護される。また絶縁保護層45、耐キャビテーション層46により発熱素子39へのインクの直接の接触が防止され、これによっても発熱素子39が保護される。
【0059】
また発熱素子39においては、このような駆動の繰り返しにより抵抗体膜中を移動する電子が抵抗体膜を構成する金属原子への衝突を繰り返し、この衝突の繰り返しにより三重点の金属原子が移動して空孔が発生すると、この空孔の部位から結晶粒界に沿って亀裂が発生することになる。ラインプリンタ11では、このような発熱素子39の駆動により用紙13への印刷が繰り返され、インクが不足すると、インクカートリッジが交換されてインクが補充され、これにより著しく長期間、用紙13への印刷が繰り返される。これにより従来の発熱素子にあっては、結晶粒界に沿った亀裂が徐々に成長し、ついには断線に至ることになる。
【0060】
しかしながらこの実施の形態では、IVA金属であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、VA金属であるバナジウム、ニオブ、VIA金属であるクロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中から少なくとも1種類又は複数種類の金属が選択され、この選択された金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定された金属とタンタルとの合金により発熱素子39が作成され(図1)、β−タンタルの結晶粒界中にこれらの金属が存在する構造になる(図6)。これらの金属においては、エレクトロマイグレーション耐性を有する金属である。これによりプリンタヘッド19では、これらの金属によりタンタルの結晶粒界が補強されることにより、発熱素子39に通電した時に電子との衝突による原子の移動が低減されて空孔の発生が防止され、これにより著しい長期の使用によっても発熱素子39の断線を防止して十分な信頼性を確保することができるようになされている。
【0061】
またこれらの金属のうち、銅以外の金属においては、高い融点により耐熱性を有する金属であることにより、発熱素子39に適用して十分な信頼性を確保することができる。
【0062】
またこのような発熱素子39に適用されるタンタルとこれらの金属とによる合金においては、半導体製造プロセスで十分に実用実績のある材料であり、かつ既存の製造プロセスを利用するものであり、これにより製造プロセスにおいて、十分な信頼性を確保することができる。
【0063】
なおこのようにして形成される発熱素子39においては、β−タンタルのみにより発熱素子を作成する場合に比して比抵抗が上昇し、その分、発熱素子39の形状を小さくすることができる。
【0064】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中から選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、該金属側の含有量を20〔mol%〕未満に設定してタンタルの結晶粒界に該金属が存在するように発熱素子を形成することにより、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる。
【0065】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、スパッタリング法により抵抗体膜を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ターゲットと基板との間隔が一定の間隔以上離された遠距離スパッタリング法を用いる場合、ターゲットと基板との間に配置されたコイルにより高密度プラズマを発生させて成膜種をイオン化させるイオン化スパッタリング法を用いる場合等、種々の成膜手法を広く適用することができる。
【0066】
また上述の実施の形態においては、本発明をプリンタヘッドに適用してインク液滴を飛び出させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インク液滴に代えて液滴が各種染料の液滴、保護層形成用の液滴等である液体吐出ヘッド、さらには液滴が試薬等であるマイクロディスペンサー、各種測定装置、各種試験装置、液滴がエッチングより部材を保護する薬剤である各種のパターン描画装置等に広く適用することができる。
【0067】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、該金属側の含有量を20〔mol%〕未満に設定してタンタルの結晶粒界に該金属が存在するように発熱素子を形成することにより、著しい長期の使用によっても発熱素子の断線を防止して十分な信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンタに適用されるプリンタヘッドを示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリンタを示す斜視図である。
【図3】図2のプリンタヘッドにおけるヘッドチップの配列構成を示す平面図である。
【図4】図1のプリンタヘッドの作成工程の説明に供する断面図である。
【図5】発熱素子の作成の説明に供する略線図である。
【図6】発熱素子の結晶構造の説明に供する略線図である。
【図7】図4の続きを示す断面図である。
【図8】図7の続きを示す断面図である。
【図9】図8の続きを示す断面図である。
【図10】図9の続きを示す断面図である。
【図11】従来のプリンタヘッドにおける発熱素子の断線の説明に供する平面図である。
【図12】図11の発熱素子における亀裂の進行の説明に供する平面図である。
【符号の説明】
3、4、37、44……配線パターン、11……プリンタ、19……プリンタヘッド、31……シリコン基板、33、34……トランジスタ、39……発熱素子、40……ターゲット
Claims (4)
- 発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドにおいて、
チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、前記金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定されて前記発熱素子が形成されることにより、前記タンタルの結晶粒界に前記金属が存在するように、前記発熱素子が形成された
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記発熱素子は、
前記発熱素子を駆動する半導体と一体に所定の基板上に形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 液体吐出ヘッドに設けられた発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出装置において、
前記液体吐出ヘッドが、
チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、前記金属の含有量が20〔mol%〕未満に設定されて前記発熱素子が形成されることにより、前記タンタルの結晶粒界に前記金属が存在するように、前記発熱素子が形成された
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 発熱素子の駆動により液滴を飛び出させる液体吐出ヘッドの製造方法において、
チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン及び銅からなる群の中より選ばれた少なくとも1種類又は複数種類の金属とタンタルとの合金により、前記金属の含有量を20〔mol%〕未満に設定して前記発熱素子を形成することにより、前記タンタルの結晶粒界に前記金属が存在するように、前記発熱素子を形成する
ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003190766A JP2005022267A (ja) | 2003-07-03 | 2003-07-03 | 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009222742A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-10-01 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 熱光学位相シフタおよびその製造方法 |
-
2003
- 2003-07-03 JP JP2003190766A patent/JP2005022267A/ja active Pending
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