JP2005022048A - ワーク取付治具 - Google Patents

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清明 高橋
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Abstract

【課題】円筒状ワークを確実にクランプして加工精度を維持できると共に生産性に優れたワーク取付治具を提供する。
【解決手段】加工装置の主軸3に円筒状のワークWを取り付け支持するワーク取付治具10であって、基端部11A及びガイド部17を備えた治具本体11と、ガイド部17に設けられた第1当接部27と、ガイド部17に移動自在に嵌装され先端に第2当接部35が形成された挟持部材31と、挟持部材31を付勢する付勢手段45と、挟持部材31を付勢手段45に抗して第1当接部27から第2当接部35が離れる方向に押動させる操作部51とを有し、付勢手段45による挟持部材31の付勢による第1当接部27と第2当接部35によってワークWをクランプすると共に、操作部51により挟持部材31を押動してワークWをアンクランプする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状ワーク内面を加工する際に該ワークをクランプして加工装置の主軸に取り付け支持するワーク取付治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加工装置において、ワークの加工精度を維持するためにはワークを確実に位置決めしてクランプすることが必要である。しかし、ワークをクランプする力が過大であるとワークが変形して十分な加工精度ができないおそれがある。特に薄肉円筒状のワークは、比較的剛性が低い外周方向からのクランプ力により変形が発生することが懸念される。
【0003】
このような薄肉円筒状ワークの変形を抑制してクランプする方法としては、例えばセラミックなどの脆性材料からなる薄肉で脆弱な円筒状ワークの内周面を研削するにあたり、この円筒状ワークの外径よりも僅かに大きい内径の剛性材料からなる補強用円筒体を用意し、この補強用円筒体内にワークを嵌合し、嵌合した状態で補強用円筒体とワークとの間に介在させた粘稠剤によって両者を固着させて一体化し、この状態で補強用円筒体の外周を切削盤にチャック等でクランプしてワークの内面を研削加工するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、図10にチャック装置の断面図を示すように、チャック本体101の先端側の取付穴102にスリーブ103及び割コレット104を重ねて嵌合し、チャック本体101とスリーブ103の間に形成される円筒状空間105内に封入された非圧縮流体を加圧し、その流体圧力によりスリーブ103を内方に弾性変形させて割コレット104の内径を縮小し、割コレット104の把持穴104aに挿入された非把持物106のシャンク106aをクランプするものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−754号公報
【特許文献2】
実開平5−60712号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載のワークのクランプ方法にあっては、薄肉円筒状のワークの変形を回避して加工精度が確保できるものの、ワークの個々のサイズに合わせて種々の補強用円筒体を作成する必要があり、また、粘稠剤を使用するため、この粘稠剤の管理や加工後にワークと補強用円筒体とを分解して洗浄する等の付加的な工程が必要になる。
【0007】
一方、特許文献2に記載のチャック装置にあっては、円筒状のワークの外周面をクランプすることから、ワークの厚さが薄い場合にはそのクランプ力によってワークが変形してクランプ力の低下を招く共に加工精度が低下することが懸念される。また割りコレットに形成された割溝に切粉等の異物が入り込むことがあり、その除去に多くの工数を要し、ワークの加工工数の増加を招き生産性に影響を及ぼすことが懸念される。
【0008】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、円筒状ワークの変形を防止し、かつ十分なクランプ力で確実にクランプしてワークの加工精度を確保すると共に、生産性に優れたワーク取付治具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のワーク取付治具は、加工装置の主軸に、該主軸の中心軸線と同軸上に円筒状のワークを取り付け支持するワーク取付治具において、上記主軸に取り付けられる基端部及び該基端部から上記中心軸線に沿って突出する筒状のガイド部を備えた治具本体と、上記ガイド部の先端に取り付けられて第1当接部を有する基準座と、上記ガイド部の外周に筒状の基部が上記中心軸線方向に移動自在に嵌装され上記ガイド部の先端から突出するチャック爪の先端に上記第1当接部と対向する第2当接部が形成された挟持部材と、基端が前記治具本体の基端部に支持されて上記中心軸線と平行に延在する軸部が上記挟持部材の基部に穿設されたガイド孔に摺動自在の貫通するドライブ軸と、上記挟持部材を第2当接部が第1当接部に接近する方向に付勢する付勢手段と、上記挟持部材を上記付勢手段の付勢に抗して上記第2当接部が第1当接部から離れる方向に押動する操作部とを有し、上記付勢手段による上記挟持部材の付勢により第1当接部と第2当接部との協働によって前記ワークの両軸方向端部を挟持してクランプすると共に、上記操作部により上記挟持部材を押動して前記ワークをアンクランプすることを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によると、円筒状のワークのクランプを、付勢手段の付勢力によりワークの両軸方向端部から第1当接部と第2当接部によって挟持することによって、剛性に優れたワークの軸方向にクランプ力が作用し、ワークの変形を防止しつつ十分なクランプ力でワークをクランプすることができ、ワークの加工精度が確保できる。
【0011】
また、ワークのクランプを治具本体に設けられた基準座の第1当接部と、付勢手段の付勢力により第1当接部側に付勢された第2当接部とで行い、かつ操作部により第2当接部を第1当接部から離れる方向に押動させてアンクランプする簡単な構成でワークをクランプ及びアンクランプすることができ、上記特許文献1のような、粘稠剤の管理や加工後のワークと補強用円筒体との分解洗浄等の付加的な工程が不要で、かつ、第2特許文献のように切粉除去等のメンテナンスが不要であり生産性の向上が期待できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のワーク取付治具において、上記付勢手段は、上記ガイド孔から突出する上記ドライブ軸の軸部に嵌挿されて上記挟持部材とドライブ軸の先端部に設けられた付勢手段保持部との間に弾装されたスプリングであることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明によると、ワークをクランプするクランプ力がスプリングの付勢力によって設定でき、容易に適切な安定したクランプ力でワークをクランプすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のワーク取付治具において、上記付勢手段保持部は、上記ドライブ軸の先端に形成されたねじ部に螺合するナットであることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明によると、ドライブ軸のナットの螺合位置を変えることや、特性の異なるスプリングと替えることでワークに作用するクランプ力を容易に調整できる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のワーク取付治具において、上記操作部は、上記中心軸線と直交すると共に上記ガイド部に対向して開口形成された軸貫通孔内を上記中心軸線方向に移動可能に貫通して両端が挟持部材の基部に取付支持されたローラ支持軸と、上記ガイド部内で前記ローラ支持軸に支持された回転可能なローラと、上記治具本体に前記ローラ支持軸と平行でかつ回転自在に支持された操作軸と、該操作軸に固設されてカム面が前記ローラのローラ面に当接し、かつ操作軸の回動で上記ローラを押動するカムとを有することを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明によると、操作軸に設けたカム及びローラ支持軸に設けたローラによる簡単な構成で操作部が構成でき、かつ操作軸の回転操作による簡単な操作で、カム及びローラを介してローラ支持軸が押動し、移動するローラ支持軸によって挟持部材が移動してワークをアンクランプすることができる。即ち、付勢手段による付勢力によって第1当接部と第2当接部によりワークを安定したクランプ状態に維持できる一方、操作軸の回転操作によりワークをアンクランプすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のワーク取付治具において、上記治具本体の基端部は、磁性体で形成され、上記主軸に設けられたマグネットチャックに形成された平面状の装着面に吸着する平面状の取付面を有することを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明によると、治具本体の基端部を主軸に設けられたマグネットチャックに磁力で吸着固定できる。また、ハンマ等で治具本体を叩くことによって容易かつ適切にワーク取付治具の芯出し調整ができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のワーク取付治具において、基端が上記挟持部材に螺合支持されて上記中心軸線方向に向かって先端が突出し、かつ該先端が前記ワークの外周に当接可能な複数のワーク位置決め機構を有することを特徴とする。
【0021】
請求項6の発明によると、ワークをワーク取付治具にクランプし、ワークを中心軸上に芯出し調整することによって、ワークは中心軸線上に芯出しされた状態にクランプできる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のワーク取付治具において、上記基準座は、上記中心軸線と同軸上で断面円形の芯出治具嵌合穴が形成され、該芯出治具嵌合穴に嵌入する嵌着部及び上記ワークの内周面に嵌合するワーク嵌合部が同軸上で一体形成されたワーク芯出治具を有することを特徴とする。
【0023】
請求項7の発明によると、ワークをワーク取付治具に装着するとき、芯出治具のワーク嵌合部にワークを嵌合し、芯出治具嵌合穴に嵌着部を嵌入することによってワークの芯出し精度が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるワーク取付治具の実施の形態を、加工装置が円筒状のワークの内周面を研削加工する研削盤に使用した場合を例に説明する。
【0025】
(第1実施の形態)
図1乃至図6を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。図1は研削盤の側面図であり、研削盤はベッド1上に主軸台2と、テーブル4上を主軸台2に対して接近する作動位置と離れた待避位置との間で往復移動可能に支持された砥石台5が対向して設けられている。
【0026】
主軸台2の主軸3にその中心軸線Lと直交して砥石台5に対向する装着面7を有するマグネットチャック6が取り付けられる一方、砥石台5に回転駆動される砥石8が設けられている。
【0027】
マグネットチャック6の装着面7に円筒状のワークWを保持するワーク取付治具10が取り付けられ、砥石台5を主軸台2方向、即ちワークWの方向に移動してワーク取付治具10に保持されたワークWの内周面Wdを回転する砥石8によって研削加工する。これら主軸3の回転駆動や砥石台5の移動及び砥石8の回転等の作動は予め設定された加工条件に基づいてドレス装置9によって制御する。なお、このドレス装置9による作動制御は、本発明と直接的な関係がないので説明は省略する。
【0028】
次にワーク取付治具10について図2乃至図6を参照して説明する。図2はワーク取付治具10の中心軸線Lに沿った断面図、図3は図2のA矢視図、図4はワーク取付治具10の要部斜視図である。
【0029】
ワーク取付治具10は、マグネットチャック6の装着面7に取り付けられる治具本体11と、治具本体11に取り付けられる基準座23、治具本体11にガイドされて中心軸線Lに沿って移動自在する挟持部材31、挟持部材31の移動を付勢する付勢手段45及び操作部51を主要部としている。
【0030】
治具本体11は、チャックベース12とチャックボディ15によって形成される。チャックベース12は、磁性体製であってマグネットチャック6の装着面7に接面する平坦な取付面13及びチャックボディ取付面14を有する中央部が凹状のほぼ円板状で、マグネットチャック6の装着面7に磁力によって吸着可能に形成されている。
【0031】
一方、チャックボディ15は、チャックベース12のチャックボディ取付面14に当接する比較的大径の基部16と、この基部16から中心軸線Lに沿って延在する円筒状のガイド部17とが一体に形成されている。
【0032】
チャックボディ15の基部16に、後述する操作部51の操作軸55の基部56を回転可能に軸支する操作軸支持孔18が貫通し、操作軸支持孔18にOリング18cを嵌装するリング溝18aが形成されている。更に、操作軸支持孔18に開口する抜け止め装着孔18bが形成されている。
【0033】
この操作軸支持孔18に対向して同軸上に操作軸55の先端57aを軸支する操作軸穴19が形成されている。また、ガイド部17には、対向して中心軸線Lに沿って延在する一対の軸貫通孔20が開口形成されている。
【0034】
更に、フランジ状に形成された基部16には、段差21aを介して大径部21b及び小径部21cが連続するドライブ軸装着孔21が等間隔で複数、本実施の形態では3個のドライブ軸装着孔21が穿設されている。これらチャックベース12とチャックボディ15のフランジ状に形成された基部16は、チャックボディ15に各種構成部材が装着された後に、ボルト等によって互いに結合されて治具本体11の基端部11Aを形成する。
【0035】
チャックボディ15のガイド部17の先端17aに、クランプされるワークWの基準位置を決定する基準座23が取り付けられる。基準座23は、ワークWの内径より大きな内径を有する凹部24を有する有底円筒筒状でガイド部17の先端17aに圧入嵌装される装着部25と、ガイド部17の先端17aに当接して装着部25の装着位置を規制する環状の位置決め部26と、位置決め部26から等間隔で中心軸線Lとほぼ平行に突出する複数、本実施の形態では3個の第1当接部27が一体形成されている。この隣接する第1当接部27の間が切粉や砥粒等を排出する排出溝28となる。
【0036】
チャックボディ15のガイド部17に中心軸線Lに沿って移動自在に案内される挟持部材31が嵌装されている。挟持部材31は、円筒状でガイド部17の外周に中心軸線L方向に摺動自在に嵌合する本体部32と、チャックボディ15の基部16と対向して本体部32の基端にフランジ状に形成された基部33と、本体部32の先端から等間隔で中心軸線Lに沿って複数、本実施の形態では3個のチャック爪34が延設されている。各チャック爪34の先端には、基準座23の各第1当接部27と対向して第2当接部35がそれぞれ形成されている。
【0037】
チャックボディ15のガイド部17に対向して開口形成された各軸貫通孔20に対応して本体部32に操作部51のローラ支持軸53の各端部53aを嵌合支持するローラ支持軸取付孔37が形成されている。更に、基部33にチャックボディ15の基部16に穿設されたドライブ軸装着孔21に対応して中心軸線Lと平行に延在する複数のガイド孔36が穿設され、ガイド孔36の内周にOリング38を嵌装するリング溝36aが形成されている。なお、隣接するチャック爪34の間が加工時の砥粒や切粉を外部に排出する排出部40となる。
【0038】
チャックボディ15に穿設されたドライブ軸装着孔21の大径部21bに係合部42が嵌合し、かつ軸部43が小径部21cに圧入されてチャックボディ15にドライブ軸41の基端が固設されている。ドライブ軸41の軸部43はチャックボディ15の基部16から突出して中心軸線Lと平行に延在して挟持部材31の基部33に穿設されたガイド孔36を貫通し、リング溝36aに嵌着されたOリング38を介して弾性的に摺動自在に保持されている。このドライブ軸41を介してチャックボディ15と挟持部材31の相対回転が規制されてチャックボディ15と同期して挟持部材31が回転駆動される。
【0039】
更に、付勢手段45は、挟持部材31の基部33から突出する軸部43の先端に形成されたねじ部43aに螺合する付勢手段保持部となるナット46と、挟持部材31の基部33とナット46の間にバネ座47と48を介して圧縮付与された状態で弾装されたスプリング49を有し、このスプリング49の付勢力によって挟持部材31の基端33がチャックボディ15の基部16の方向に常時付勢され、挟持部材31のそれぞれのチャック爪34に形成された第2当接部35が基準座23に形成された各第1当接部27に接近するクランプ方向Cに付勢されている。また、ナット46のねじ部43aに対する螺合位置、即ちスプリング49の締め付け量を調整することによって、或いは特性の異なるスプリング49と代えることによって容易に付勢力が調整できる。なお、50はロックナットである。
【0040】
操作部51は、チャックボディ15のガイド部17内を中心軸線Lと直交して延びてそれぞれ両端の軸部53aが軸貫通孔20から突出して挟持部材31の各ローラ支持軸取付孔37に嵌入し、かつ止めビス52によって固定されてローラ支持軸53が掛け渡されている。ガイド部17内においてローラ支持軸53にローラ面54aの両側にフランジ54bが形成されたローラ54が回転自在に軸支されている。
【0041】
一方、チャックボディ15の基部16に開口する操作軸支持孔18と操作軸穴19に操作軸55がローラ支持軸53と平行に配置されている。操作軸55は、操作軸支持孔18にOリング18cを介して回転可能に嵌合する大径に形成された円柱状の基部56と、この基部56から同軸上で延在して先端57aが操作軸穴19に軸支される軸部57を有している。基部56の外周に環状の切欠溝56aが形成され、基部56の端面には図示しない操作工具、例えば操作ハンドルの嵌合部が係合する工具係合部となる角穴56bが凹設されている。この切欠溝56aにチャックボディ15の基部16に開口する抜け止め装着孔18bに挿入された抜け止め56dの先端が係合して操作軸55の抜け止めが施されている。操作軸55は、その基部56がOリング18cの摩擦によって過剰に空転することが抑制され、かつOリング18cによって切粉や砥粒等の異物が内部に進入するのを防止している。
【0042】
軸部57に形成された断面4角形のカム係止部57bにカム58の軸孔58aが嵌合し、リング56e及び抜け止め56fによって固定されている。このカム58は、そのカム面59がローラ54の両フランジ54b間に嵌挿してローラ面54aに接し、ローラ54は、付勢手段45のスプリング49によって挟持部材31及びローラ支持軸53を介してカム58側、即ちクランプ方向Cに常時付勢され、カム58によってローラ54及ぶローラ支持軸53を介して挟持部材31の移動を規制している。カム58とローラ54は、ローラ54の両フランジ54bによって互いの軸方向の移動が規制され、カム面59とローラ面54aとの接触状態が安定した状態に維持される。
【0043】
ここで、図5は、カム58とローラ54の相対関係を示す作動説明図である。カム58のカム面59は、操作軸55の回転中心軸線aから互いに対向して偏心αした点bを中心とする半径Rの2つの円が連続した形状を基本形状とし、回転中心軸線aからの距離が大きい範囲の2つの長軸部59aが対向して形成され、その距離が比較的小さい範囲の2つの短軸部59bが対向して形成されている。即ち、長軸部59aと短軸部59bが回転中心軸線aを中心に周方向に90°の位相をもって交互に連続形成されている。
【0044】
操作軸55を回動することによってカム58が回転し、ローラ54のローラ面54aに当接するカム面59が短軸部59bから長軸部59a側に移行するときローラ54がスプリング49の付勢力に抗して中心軸線Lに沿って操作軸55から離れるアンクランプ方向UCに移動し、かつ長軸部59aから短軸部59b側に移行するときにローラ54が操作軸55側となるクランプ方向Cに移動する。これに連動してローラ支持軸53を介してチャックボディ15のガイド部17に案内されて挟持部材31が中心軸線Lに沿ってアンクランプ方向UC及びクランプ方向Cに往復移動し、挟持部材31に形成された第2当接部35が第1当接部27から離れたアンクランプ位置と、第1当接部27に接近するクランプ位置との間で移動する。
【0045】
カム面59の長軸部59aは、図6に図5の要部拡大図を示すように、長軸部59aの頂部に所定範囲の平坦面59cを形成して、回転中心軸線aから平坦面59cの中心59caの距離Laに対し、回転中心軸線aから平坦面59cの端部59cbの距離Lbが大きく(La<Lb)設定されている。このようにカム面59の長軸部59aに平坦面59cを形成することにより、スプリング49の付勢力によるローラ54からの反力によってカム58が回転するのを阻止している。換言すると、操作軸55の回転操作によってのみ操作軸55が回転し、スプリング49による付勢力によるローラ54からの反力では操作軸55が回転することなく、アンクランプ状態に安定的に維持される。
【0046】
更に、ワーク取付治具10には、図3に示すようにワーク位置決め機構61が設けられている。ワーク位置決め機構61は、基端63aがねじ機構62によって挟持部材31に支持されて先端63bが中心軸線L方向に向かって突出する当接部材63を有し、当接部材63を回転することによって先端63bが中心軸線Lに次第に接近する前進方向と中心軸線Lから次第に離れる後進方向に移動する。このワーク位置決め機構61は、中心軸線Lに対して周方向に予め設定された挟み角θをもって一対配置されている。なお、このワーク位置決め機構61は、図2及び図4においては省略されている。
【0047】
次に、このように構成されたワーク取付治具10の作用について図7に示すフローチャートに従って説明する。
【0048】
ワークWをクランプするには、図1に示す研削盤の砥石台5が主軸台2から離れた待避位置に維持した状態で、主軸台2の主軸3に取り付けられたマグネットチャック6の装着面7に、チャックベース12の取付面13を接面してマグネットチャック6の磁力による吸着によってマグネットチャック6にワーク取付治具10を装着する(ステップS1)。
【0049】
続いて操作部51の操作軸55に凹設された角穴56bに操作ハンドルの嵌合部を挿入して係合し、操作ハンドルによって操作軸55を回動操作してカム58を90°回転させて、ローラ54を回転させつつローラ面54aに当接するカム面59の範囲を短軸部59bから長軸部59a側に移行させる。このローラ54に当接するカム面59が短軸部59bから長軸部59aに移行するに従ってローラ面54aに当接するカム面59の部分における回転中心軸線aからの距離が漸次増大し、カム面59によってローラ54を介してローラ支持軸53を押動し、スプリング49の付勢力に抗して挟持部材31の本体部32がチャックボディ15のガイド部17に案内され、かつドライブ軸41とガイド孔36の係合によってチャックボディ15との相対回転が阻止されつつ挟持部材31が中心軸線Lに沿ってアンクランプ方向UCに移動し、挟持部材31のチャック爪34の先端に形成された第2当接部35が第1当接部27から次第に離れる。更に、カム58が回転して図5及び図6に示すようにカム面59の長軸部59aに形成した平坦面59cがローラ54のローラ面54aに当接した回転位置で操作ハンドルによる操作軸55の回転を停止する。この操作軸55の回転を停止することによって、スプリング49の付勢力によりローラ54のローラ面54aがカム面59の長軸部59aに形成された平坦面59cに押圧し、カム58の回転が阻止された状態に維持され、第2当接部35が第1当接部27から離れたアンクランプ位置に保持される(ステップS2)。
【0050】
第2当接部35がアンクランプ位置に保持された状態で、互いのチャック爪34の間から円筒状のワークWを挿入し、かつ図3に示すように各ワーク位置決め機構61の当接部材63の先端63bに外周面Wcを当接させて位置決めし、その軸心が中心軸線Lとほぼ平行に保持した状態でワークWを保持させる(ステップS3)。
【0051】
その搬入した状態で、操作ハンドルによって操作軸55を90°回動してカム58を回転させて、ローラ面54aに当接するカム面59の範囲を長軸部59aから短軸部59b側に移行させる。このローラ54に当接するカム面59が長軸部59aから短軸部59bに移行するに従ってローラ面54aに当接するカム面59の部分における回転中心軸線aからの距離が漸次減少し、スプリング49の付勢力によって挟持部材31の本体部32がチャックボディ15のガイド部17に案内され、かつドライブ軸41とガイド孔36の係合によってチャックボディ15との相対回転が阻止されつつ挟持部材31が中心軸線Lに沿ってクランプ方向Cに移動して、挟持部材31のチャック爪34の先端に形成された第2当接部35がワークWの軸方向端部Wbに当接してワークWの軸方向端部Waが第1当接部27に当接するまで押動する。更にカム58を回転して短軸部59bが中心軸線Lの軸上となるクランプ位置まで回転させて停止する。この状態においてはカム58のカム面59とローラ54のローラ面54aとの間に若干の隙間が生じ、スプリング49の付勢力によってのみ挟持部材31の第2当接部35がワークWの軸方向端部Wbを押圧し、第1当接部27と第2当接部35によってワークWの軸方向端部Wa及びWbの側から挟持し、ワークWをクランプする(ステップS4)。
【0052】
このワークWのクランプ状態は、対向配置された第1当接部27と第2当接部35によって比較的剛性が確保されるワークWの軸方向にクランプ力が作用し、十分なクランプ力でワークWをクランプすることができ、更に、カム58のカム面59とローラ54のローラ面54aが離れることからスプリング49の付勢力による一定の安定したクランプ力でワークWをクランプできる。
【0053】
しかる後、マグネットチャック6の装着面7に吸着している治具本体11の基端部11Aをマグネットチャック6の装着面7に沿ってハンマ等によって叩き、その衝撃でマグネットチャック6の装着面7に吸着しているワーク取付治具10の位置をずらして芯出し、ワーク取付治具10にクランプしているワークWの軸心を中心軸線Lと同軸上に合わせて位置決めする(ステップS5)。この位置合わせは、ワーク取付治具10をハンマ等によって叩いて行うことから、容易に高精度で芯出しができる。
【0054】
続いて、主軸台2の主軸3を回転し、主軸3に設けられたマグネットチャック6に吸着されたワーク取付治具10にクランプされたワークWを回転駆動する。一方、砥石8を回転駆動すると共に砥石台5を待避位置から中心軸線Lに沿って作動位置へ前進移動して、ワークWの内周面Wdを、主軸3の回転によるワークWの回転と砥石8の相対回転及び砥石8の中心軸線L方向に沿った往復運動によって研削加工する。この研削加工は砥石8の先端を基準座23の凹部24内にまで挿入することによってワークWの内周面Wdの全範囲を有効的に研削加工できる(ステップS6)。この研削加工に伴い生じる砥粒や切粉等が基準座23の隣接する第1当接部27の間に形成される排出溝28及び挟持部材31の隣接するチャック爪34の間に形成される排出部40から外部に排出される。
【0055】
所定時間研削加工し、砥石8によるワークWの内周面Wdの研削加工が終わると、砥石台5を待避位置に後退移動させて砥石8をワークWから離すと共に、主軸3の回転を停止してワークWの回転を停止し、かつ砥石8の回転を停止してワークWの研削加工を終了する(ステップS7)。
【0056】
続いて操作軸55の角穴56bに操作ハンドルの嵌合部を挿入して係合し、操作ハンドルによって操作軸55を90°回転して、カム58の回転によりローラ面54aに当接するカム面59の範囲を短軸部59bから長軸部59a側に移行させる。このカム58の回転に伴うカム面59によってローラ54を介してローラ支持軸53を押動し、スプリング49の付勢力に抗して挟持部材31の本体部32がチャックボディ15のガイド部17に案内され、かつドライブ軸41とガイド孔36の係合によってチャックボディ15との相対回転が阻止されつつ挟持部材31が中心軸線Lに沿ってアンクランプ方向UCに移動する。そして、第2当接部35がワークWの軸方向端部Wbから離れてワークWをアンクランプすると共に、カム面59の長軸部59aに形成した平坦面59cがローラ54のローラ面54aに当接した回転位置で操作ハンドルによる操作軸55の回転を停止する。この操作軸55の回転を停止することによって、スプリング49の付勢力によるローラ54のローラ面54aがカム面59の長軸部59aに形成された平坦面59cに押圧し、カム58の回転が阻止された状態に維持され、第2当接部35が第1当接部27から離れたアンクランプ位置に保持される(ステップS8)。
【0057】
第2当接部35がアンクランプ位置に保持された状態で、互いのチャック爪34の間からワークWを搬出する(ステップS9)。そして、次の研削加工すべきワークWを互いのチャック爪34の間から挿入し、ワークWの一方の軸方向端部Waを各第1当接部27に当接し、かつ各ワーク位置決め機構61の当接部材63の先端63bに外周面Wcを当接させてワークWを位置する(ステップS10)。
【0058】
このワークWが各ワーク位置決め機構61の当接部材63の先端63bによって保持された状態で、操作ハンドルによって操作軸55を90°回動してカム58を回転させて、ローラ面54aに当接するカム面59の範囲を長軸部59aから短軸部59b側に移行させる。これによりスプリング49の付勢力によって挟持部材31の本体部32がチャックボディ15のガイド部17に案内され中心軸線Lに沿ってクランプ方向Cに移動し、挟持部材31の第2当接部35がワークWの軸方向端部Wbを押圧して第1当接部27と第2当接部35によってワークWの軸方向端部Wa及びWbの側から挟持してワークWをクランプする(ステップS11)。
【0059】
このクランプされたワークWは、各ワーク位置決め機構61の当接部材63の先端63bに外周部Wcを当接し、かつ第1当接部27に当接軸方向端部Waが当接して位置決めされた状態で、第1当接部27と第2当接部35とによってクランプされ、ワークWの軸心を中心軸線L上に合わせ位置決めされて芯出し精度が確保される。以降上記ステップS6のワーク研削からステップS11のワーククランプが繰り返すことによって順次搬送されてくるワークWの内周面Wdを研削加工する。
【0060】
従って、本実施の形態によるワーク取付治具10によると、ワークWのクランプはワークの両軸方向端部Wa、Wbをスプリング49の付勢力で第1当接部27と第2当接部35によって挟持して行うことにより、剛性が高い円筒状ワークWの軸方向にクランプ力が作用し、ワークWの変形が抑制できる。換言すると十分なクランプ力でワークWをクランプすることができ、ワークWの加工精度が確保できる。また、ワークWのクランプを対向する第1当接部27と第2当接部35で行い、スプリング49の付勢力に抗して第2当接部35を第1当接部27から離れるアンクランプ方向UCに押動させるカム機構と操作部51による簡単な構成で容易にワークWをクランプ及びアンクランプすることができる。
【0061】
また、ワークWをクランプし、マグネットチャック6に吸着されたワーク取付治具10をハンマ等によって叩くことによって容易に高精度でワークWの軸心を中心軸線L上に芯出し位置決めできる。更に、このワーク取付治具10の調整は初回のみで、次からワーク位置決め機構61によってワークWを中心軸線L上に位置決めしてクランプすることができ、ワーク取付治具10のマグネットチャック6に対する取付位置の調整を省略できて作業の効率化が得られ、更に、上記特許文献1のような粘稠剤の管理や加工後のワークと補強用円筒体との分解洗浄等の付加的な工程が不要でかつ、第2特許文献のように切粉除去等のメンテナンスが不要であり生産性の向上が期待できる。
【0062】
なお、マグネットチャック6に磁力で吸着するチャックベース12以外の各構成部材は、各構成部材が磁化すると切粉等の吸着が発生することが懸念されることから、非磁性体を多用することが好ましい。
【0063】
(第2実施の形態)
次に、図8及び図9を参照して本発明の第2実施の形態を説明する。なお、上記図1乃至図6と対応する部分には同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。
【0064】
本実施の形態におけるワーク取付治具70は、第1実施の形態とチャックベース及び基準座が異なり、マグネットチャックを用いることなく主軸3に直接ワーク取付治具70を取り付けると共に、ワーク芯出治具91を使用してワークWの芯出しをすることを特徴とする。
【0065】
図8は、ワーク取付治具70の要部断面図であり、ワーク取付治具70が取り付けられる主軸3の先端は中心軸線Lと直交する先端面3a及び円板状のフランジ3bが形成されている。チャックベース71は主軸3の先端面3aに接面する平坦な取付面72a及びチャックボディ取付面72bを有する円板状の基部72と、基部72の取付面72aから同軸上で環状に突出して内周73aがフランジ3bの外周に嵌合する取付部73が一体に形成されている。取付部73には、中心軸線L方向に穿設されたネジ孔73c及び中心軸線Lと直交する方向に貫通するネジ孔73dが形成されている。このチャックベース71のチャックボディ取付面72bに同軸上でチャックボディ15がボルト等によって互いに結合されて治具本体11を形成し、チャックベース71とチャックボディ15の基部16によって治具本体11の基端部11Aを形成している。
【0066】
そして、チャックベース71の取付部73を主軸3のフランジ3bに嵌合すると共に取付面72aを先端面3aに当接し、ネジ孔73cに螺合するボルト75によって取付部73に取り付けられる締め金具74と取付面72aとによってフランジ3bを挟持し、かつ押しネジ76をネジ孔73dに螺合して先端をフランジ3bの外周に押し当てて主軸3の先端にワーク取付治具70を取り付ける。このワーク取付治具70の取付けにあたり、主軸3を回転しつつダイヤルゲージ等の検出装置によって基部72の外周72cの変位を検知しネジ孔73dに螺合する押しネジ76による締め付け量を調整してワーク取付治具70を中心軸線Lと同軸上に位置決めする。
【0067】
一方、基準座81は、中心軸線Lと同軸上で底部84及び内周面85を有する断面円形の芯出治具嵌合穴83を有してガイド部17の先端に圧入嵌装される装着部82と、ガイド部17の先端17aに当接して装着部82の装着位置を規制する環状の位置決め部86と、位置決め部86から等間隔で中心軸線L方向に突出する3個の第1当接部87とが一体形成され、隣接する第1当接部87の間に切粉や砥粒等を排出する排出溝88が形成されている。芯出治具嵌合穴83の底部84は中心軸線Lと直交する平面状で、複数の逃げ溝84aが形成されている。内周面85はワークWの内周面Wdより若干小径の芯出治具嵌合部85aとワークWの内周面Wdより若干大径の凹部85bが連続形成され、かつ図9に示すように中心軸線Lに沿って延在する複数の逃げ溝85cが形成されている。
【0068】
一方、ワーク芯出治具91は、芯出治具嵌合穴83の芯出治具嵌合部85aに嵌入可能な円筒の嵌着部92と、ワークWの内周面Wdに嵌合可能な円筒のワーク嵌合部93と、円筒状の把持部94が同軸上で一体連続形成された筒状で、嵌着部92の端面95がワーク芯出治具91の軸心と直交する平面状でかつ複数の逃げ溝95aが形成されている。
【0069】
次に、このように構成されたワーク取付治具70の作用について説明する。
【0070】
ワークWをクランプするには、研削盤の砥石台5が主軸台2から離れた待避位置に維持した状態で、操作部51の操作軸55に凹設された角穴56bに操作ハンドルの嵌合部を挿入係合し、操作ハンドルによって操作軸55を回動してカム58(図5,図6参照)を回転して挟持部材31が中心軸線Lに沿ってアンクランプ方向UCに移動して第2当接部35が第1当接部87から離れたアンクランプ位置に保持する。
【0071】
そして、予めワーク嵌合部93にワークWを装着したワーク芯出治具91を、その嵌着部92を互いのチャック爪34の間から基準座81に形成された芯出治具嵌合穴83の芯出治具嵌合部85aに挿入し、かつ各ワーク位置決め機構61の当接部材63の先端63b上にワークWの外周面Wcを載置してワークWをセットする(図3参照)。
【0072】
次に、操作ハンドルによって操作軸55を回動してカム58を回転させて、ローラ面54aに当接するカム面59の範囲を長軸部59aから短軸部59b側に移行させる。このカム58の回転に伴って、挟持部材31が中心軸線Lに沿ってクランプ方向Cに移動し、挟持部材31の第2当接部35がワークWの他方の軸方向端部Wbに圧接してワークWの軸方向端部Waを第1当接部87に押圧して第1当接部87と第2当接部35によってワークWを軸方向端部Wa及びWbの両側から挟持してクランプする。
【0073】
このクランプにあたり、ワークWが第2当接部35によって第1当接部87に押動に伴ってワーク芯出治具91の端面95が基準座81に形成された芯出治具嵌合穴83の底部84に圧接して安定的に保持され、この安定的に保持されたワーク芯出治具91に保持された状態で第1当接部87と第2当接部37によってクランプされ、ワークWのクランプ精度がより確保できる。なお、芯出治具嵌合穴83の底部84と内周面85に形成された逃げ溝84a、85c及び、ワーク芯出治具91の端面95に形成された逃げ溝95aにより、底部84と端面95の当接部に切粉等の異物が介在することが極力回避でき、芯出治具嵌合穴83の底部84とワーク芯出治具91の端面95の密着が確保できより確実にワーク芯出治具91を安定した状態に維持できる。
【0074】
しかる後、ワーク芯出治具91を芯出治具嵌合部85a及びワークWから引き抜く。
【0075】
続いて、第1実施の形態と同様に主軸台2の主軸3を回転し、主軸3に設けられたワーク取付治具70にクランプされたワークWを回転駆動する一方、砥石8を回転駆動すると共に砥石台5を待避位置から中心軸線Lに沿って作動位置へ前進移動して、ワークWの内周面Wdを、主軸3の回転によるワークWの回転と砥石8の相対回転及び砥石8の中心軸線L方向に沿った往復運動によって研削する。
【0076】
従って、本実施の形態によると、ワークWのクランプにあたり、ワーク芯出治具91によってワークWを安定的に保持することから、第1実施の形態に加えワークWのクランプ精度がより向上し、加工精度が向上する。
【0077】
なお、本発明は上記第1実施の形態及び第2実施の形態に限定されることなく、種々変更可能である。例えば、上記第1実施の形態における基準座23に代えて第2実施の形態の基準座81を設け、ワーク芯出治具91を使用してクランプ精度を向上することもできる。また、本発明によるワーク取付治具は、研削盤に限らず他の円筒状のワークを加工する加工装置のワーククランプに広く適用することもできる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明した本発明のワーク取付治具によると、円筒状のワークのクランプを付勢手段の付勢力によりワークの両軸方向端部から第1当接部と第2当接部によって挟持することによって、剛性に優れたワークの軸方向にクランプ力が作用し、ワークの変形を防止しつつ十分なクランプ力でワークをクランプすることができ、ワークの加工精度が確保できる。
【0079】
また、ワークのクランプを第1当接部と付勢手段の付勢力により第1当接部側に付勢された挟持部材の第2当接部とで行い、かつ操作部により第2当接部を第1当接部から離れる方向に押動させてアンクランプする簡単な構成でワークをクランプ及びアンクランプすることができ、生産性の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施の形態のワーク取付治具の使用状態を示す研削盤の全体側面図である。
【図2】本実施の形態におけるワーク取付治具の断面図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】ワーク取付治具の要部斜視図である。
【図5】カムとローラの相対関係を示す作動説明図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】作動を示すフローチャートである。
【図8】本発明による第2実施の形態におけるワーク取付治具の要部断面図である。
【図9】図8に示すワーク取付治具における基準座の説明図である。
【図10】従来のワーク取付治具となるクランプ装置の概要を示す断面図である。
【符号の説明】
2 主軸台
3 主軸
5 砥石台
6 マグネットチャック
7 装着面
8 砥石
10 ワーク取付治具
11 治具本体
11A 基端部
12 チャックベース
13 取付面
14 チャックボディ取付面
15 チャックボディ
16 基部
17 ガイド部
17a 先端
18 操作軸支持孔
20 軸貫通孔
21 ドライブ軸装着孔
23 基準座
24 凹部
25 装着部
26 位置決め部
27 第1当接部
31 挟持部材
32 本体部
33 基部
34 チャック爪
35 第2当接部
36 ガイド孔
37 ローラ支持軸取付孔
41 ドライブ軸
42 係合部
43 軸部
43a ねじ部
45 付勢手段
46 ナット(付勢手段保持部)
49 スプリング
51 操作部
53 ローラ支持軸
54 ローラ
54a ローラ面
55 操作軸
56 基部
57 軸部
58 カム
59 カム面
61 ワーク位置決め機構
62 ねじ機構
63 当接部材
63a 基端
63b 先端
70 ワーク取付治具
81 基準座
82 装着部
83 芯出治具嵌合穴
87 第1当接部
91 ワーク芯出治具
92 嵌着部
93 ワーク嵌合部
W ワーク
Wa、Wb 軸方向端部
Wc 外周面
Wd 内周面

Claims (7)

  1. 加工装置の主軸に、該主軸の中心軸線と同軸上に円筒状のワークを取り付け支持するワーク取付治具において、
    上記主軸に取り付けられる基端部及び該基端部から上記中心軸線に沿って突出する筒状のガイド部を備えた治具本体と、
    上記ガイド部の先端に取り付けられて第1当接部を有する基準座と、
    上記ガイド部の外周に筒状の基部が上記中心軸線方向に移動自在に嵌装され上記ガイド部の先端から突出するチャック爪の先端に上記第1当接部と対向する第2当接部が形成された挟持部材と、
    基端が前記治具本体の基端部に支持されて上記中心軸線と平行に延在する軸部が上記挟持部材の基部に穿設されたガイド孔に摺動自在の貫通するドライブ軸と、
    上記挟持部材を第2当接部が第1当接部に接近する方向に付勢する付勢手段と、
    上記挟持部材を上記付勢手段の付勢に抗して上記第2当接部が第1当接部から離れる方向に押動する操作部とを有し、
    上記付勢手段による上記挟持部材の付勢により第1当接部と第2当接部との協働によって前記ワークの両軸方向端部を挟持してクランプすると共に、上記操作部により上記挟持部材を押動して前記ワークをアンクランプすることを特徴とするワーク取付治具。
  2. 上記付勢手段は、
    上記ガイド孔から突出する上記ドライブ軸の軸部に嵌挿されて上記挟持部材とドライブ軸の先端部に設けられた付勢手段保持部との間に弾装されたスプリングであることを特徴とする請求項1に記載のワーク取付治具。
  3. 上記付勢手段保持部は、
    上記ドライブ軸の先端に形成されたねじ部に螺合するナットであることを特徴とする請求項2に記載のワーク取付治具。
  4. 上記操作部は、
    上記中心軸線と直交すると共に上記ガイド部に対向して開口形成された軸貫通孔内を上記中心軸線方向に移動可能に貫通して両端が挟持部材の基部に取付支持されたローラ支持軸と、
    上記ガイド部内で前記ローラ支持軸に支持された回転可能なローラと、
    上記治具本体に前記ローラ支持軸と平行でかつ回転自在に支持された操作軸と、
    該操作軸に固設されてカム面が前記ローラのローラ面に当接し、かつ操作軸の回動で上記ローラを押動するカムとを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワーク取付治具。
  5. 上記治具本体の基端部は、磁性体で形成され、上記主軸に設けられたマグネットチャックに形成された平面状の装着面に吸着する平面状の取付面を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワーク取付治具。
  6. 基端が上記挟持部材に螺合支持されて上記中心軸線方向に向かって先端が突出し、かつ該先端が前記ワークの外周に当接可能な複数のワーク位置決め機構を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワーク取付治具。
  7. 上記基準座は、上記中心軸線と同軸上で断面円形の芯出治具嵌合穴が形成され、
    該芯出治具嵌合穴に嵌入する嵌着部及び上記ワークの内周面に嵌合するワーク嵌合部が同軸上で一体形成されたワーク芯出治具を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワーク取付治具。
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