JP2005021894A - 液処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板表面において均一な液処理を行うことのできる液処理装置を提供する。
【解決手段】フォトレジスト膜が形成されてなるウエハWに現像液を供給し、現像処理を行う現像処理装置であって、ウエハWを水平に保持するウエハ保持部3と、このウエハ保持部3の上方に保持され、所定の水平方向に移動しながらウエハW上に現像液を供給するリニアノズル4と、リニアノズル4から吐出される現像液に吐出抵抗を与える抵抗バー6とを有する。これにより、リニアノズル4を用いるスキャン方式の現像において、特に、供給する現像液の吐出圧の低い場合であっても、すべての吐出孔から均一に現像液を吐出させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばレジストが塗布され、露光処理がされた半導体ウエハ等の基板の表面に現像液を供給して現像処理を行う液処理装置に関する。
半導体デバイスの製造においては、被処理基板としての半導体ウエハにフォトレジストを塗布し、露光処理によりマスクパターンをフォトレジストに転写し、これを現像処理することにより回路パターンを形成する。
ここで、現像処理工程においては、現像液をノズルから半導体ウエハに連続的に供給し、パターン形成面に現像液を所定時間だけ液盛りして接触させることにより塗布レジスト膜の潜像パターンを現像するいわゆるパドル方式が一般的に採用されている。
パドル方式としては、多数の液吐出孔を一直線上に所定の間隔で配列してなるいわゆるリニアノズルを用いるものが現在の主流である。このようなリニアノズルを用いる現像方式としては、(1)リニアノズルから現像液を吐出しつつウエハを180度回転させることでウエハ上に液盛りを行う「回転方式」と、(2)ウエハを回転させず、リニアノズルをウエハに対して一方向に平行に移動させることで液盛りを行う「スキャン方式」とに大きく分けられる。
前者の回転方式は、近時の現像液の消費量を節減しかつ短時間でかつ均一に液盛りするという要求から考案されたものである。しかしながら、この回転方式であると、レジストの種類によっては、回転中心であるウエハの中央部付近のチップが不良品になってしまうということがある。
すなわち、回転方式においては、ノズルを固定した状態でウエハを180度回転させることでウエハ全体に亘って現像液の液盛りを行うが、このような方法であるとウエハの中央部付近にのみ常に新鮮な現像液が供給されることになるため、周辺部分と比較してこの部位のみ過度に現像が進んでしまうことが考えられる。最近の回路パターンの微細化及び高密度化に伴い、レジストがより高性能つまり高解像度化され、従来では無視されていたような問題がクローズアップされており、例えば、化学増幅型レジスト(CAR)を用いた場合には、この現像が顕著に現われ、所望の解像度を得ることができないということがある。
一方、スキャン方式によれば、上記回転方式に比べ液盛りに若干時間がかかるものの、前述のような問題が生じないため、近年有望視されている。
ところで、スキャン現像方式においては、前述したリニアノズルを用い、このリニアノズルの吐出孔とウエハの表面とを近接させ多数の吐出孔から同時に現像液を吐出する。そして、リニアノズルを水平方向に平行に移動(スキャン移動)させることでウエハ上に現像液膜を形成するようにしている。
ここで、前記リニアノズルは、内部に設けられた液溜部内に現像液を溜めた後、この液溜部を加圧することで、前記多数の吐出孔を通して現像液を吐出するように構成されている。この場合、各吐出孔からすだれ状に供給された現像液は、ウエハの面上で幾分広がって隣りの液流同士が合体し、カーテン状もしくは膜状となってウエハ上に供給されることになる。そして、現像液の吐出速度に合わせて前記リニアノズルを移動させることで、前記膜状の液流を、ウエハ上に載せていくことができる。
このような現像方式において重要なことは、すべての吐出孔から、現像液が均等に吐出され、均一な厚さの膜状液流が形成されることである。しかし、吐出開始直後においては、これが不均一になりやすいということがある。また、特に、ウエハに塗布するレジストの種類によっては、レジストに対するインパクトの影響等を小さくするために、現像液の吐出量を少なくかつ吐出速度を遅くする必要がある。この場合には、さらに均一な厚さの膜状液流を形成することが困難になる。
一方、ウエハの直径に対応する長さを有するスリット状の吐出孔を備えたリニアノズルがある。このノズルは一般にスリットノズルと称されるものであるが、このようなスリットノズルにおいては、吐出圧のむらが生じやすく、さらに、均一厚さの膜状液流を形成することが困難であるということがある。
また、このような方式では、供給ノズルを、当該ノズルの先端がウエハ上に供給された現像液と接触する状態で移動させるので、疎水性材料により構成された供給ノズルを用いると、現像液がノズルの表面で弾かれてしまい、現像液を均一な状態で基板表面に供給しにくくなって、現像ムラが発生しやすいという問題がある。
また親水性材料により構成された供給ノズルを用いた場合では、例えば50mm/秒程度のゆっくりしたスキャンスピードでは、供給ノズルを移動させるときに現像液が押し出される状態となり、ノズルの進行方向に対する先行位置に現像液が回り込んでしまう。このように現像が供給ノズルより先回りすると、この部分の現像が進んでしまい、次にこの部分に供給ノズルが移動して当該部分に現像液が供給されると、2回現像が行われた状態と同じになり、他の部分よりも現像が進みすぎて、線幅が不均一になってしまう。
ここでウエハWの全体に亘って現像液の先回り現像が生じ、何れの箇所も2回現像が行われる状態となれば現像ムラの発生は抑えられるが、実際には現像液が先回りする箇所としない箇所とが発生し、結局現像ムラが生じて線幅が不均一になってしまうという状態である。
本発明の目的は、リニアノズル若しくはスリットノズルを用いるスキャン方式の現像において、例えば供給する現像液の吐出圧が低い場合であっても、全ての吐出孔から均一に現像液を吐出させることのできる液処理装置を提供することにある。
本発明の目的は、基板表面において均一な液処理を行うことのできる液処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の主要な観点によれば、基板に液を供給し、所定の処理を行う液処理装置であって、前記基板を水平に保持する基板保持機構と、前記基板保持機構の上方に保持され、所定の水平方向に移動しながら前記基板上に前記液を供給する液供給ノズルとを具備し、前記液供給ノズルは、内部に設けられたバッファ室を介して吐出孔から前記液が吐出するように構成され、かつ前記バッファ室内に前記液に吐出抵抗を付与する吐出抵抗付与手段が配置されていることを特徴とする液処理装置が提供される。
このような構成によれば、液が基板上に供給される際のインパクトを低減することができる。
他の1の実施形態によれば、バッファ室内の内壁に前記液を前記吐出孔に案内する案内溝が設けられ、あるいは吐出抵抗付与手段の表面に前記液を前記吐出孔に案内する案内溝が設けられている。これにより、液はこれら案内溝により案内されて液供給ノズルから確実に、液切れがするようなことなく吐出させることができる。他の1の実施形態によれば、案内溝はスパイラル状に設けられている。
また、他の1の実施形態によれば、吐出抵抗付与手段を構成する部材は、前記液と接触する部位が親水性である。これにより、液が吐出抵抗付与手段の全体に確実に広がることができる。
また、他の1の実施形態によれば、液供給ノズルは、前記基板の幅に対応する範囲に亘って設けられた液吐出孔を有し、前記吐出抵抗付与手段は、前記複数の液吐出孔に沿って設けられた棒材である。これにより、液供給ノズルが基板の幅に対応する範囲に亘って広い範囲に液吐出孔を有していても、棒材からなる吐出抵抗付与手段の作用により液が棒材の軸方向に広がろうとするので、ノズルの長手方向における液の吐出量をより均一にすることができる。
本発明に係る液処理装置は、基板を略水平に保持する基板保持部と、この基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための、基板の有効領域の幅とほぼ同じかそれ以上の長さに亘って吐出孔が形成され、基板と相対的に移動可能に設けられた供給ノズルと、を備え、前記供給ノズルは、前記吐出孔を構成する部材の先端を基板表面に供給された処理液と接触させながら基板と相対的に移動して基板表面に処理液を供給するように構成され、前記吐出孔を構成する部材は、供給ノズルの進行方向に対する前方側でかつ基板表面の処理液と接触する部位が疎水性であることを特徴とする。
このような構成では、供給ノズルから基板表面に処理液を供給する際に、基板表面の処理液が供給ノズルの進行方向に対する先行位置に先回りしようとしても、処理液は、前記吐出孔を構成する部材の進行方向に沿って前方側に接触すると、当該部材の疎水性表面で弾かれるので、前記処理液の先回り現象の発生を抑えることができる。
また本発明では、前記供給ノズルの吐出孔を構成する部材の、供給ノズルの進行方向に対する前記疎水性部位の後方側であって基板表面の処理液を接触する部位を親水性としてもよく、この場合には当該部位への処理液の付着力が大きいので、より処理液の先回りを抑えることができる。
ここで疎水性とは、当該疎水性部位の表面張力が前記供給ノズルの吐出孔を構成する部材の材質の本来の表面張力よりも小さいということであり、親水性とは、当該親水性部位の表面張力が前記供給ノズルの吐出孔を構成する部材の材質の本来の表面張力よりも大きいということである。
さらに本発明では、基板を略水平に保持する基板保持部と、この基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための、基板の有効領域の幅とほぼ同じかそれ以上の長さに亘って吐出孔が形成され、基板と相対的に移動可能に設けられた供給ノズルと、を備え、前記供給ノズルは、供給ノズルの進行方向に対する前方側に、前記吐出孔を構成する部材に連続するように、吐出孔から吐出された処理液を基板の表面に案内するためのガイドが設けられていることを特徴とする。
本発明の1の実施形態によれば、ガイドには、前記供給ノズルから供給される液の流路を、前記供給ノズルの前記基板に対する相対的な移動方向とは逆方向に案内する液案内部材が設けられている。またこの際前記ガイドの先端を、前記吐出孔よりも供給ノズルの進行方向に対する後方側に位置するように湾曲するようにしてもよい。
このような構成では、供給ノズルにて基板表面に処理液を供給する際に、基板表面の処理液が供給ノズルの進行方向に対する先行位置に先回りしようとしても、処理液は、ガイドより先行する位置への進行をガイドにより阻止されるので、前記処理液の先回り現象の発生を抑えることができる。
さらに本発明では、基板を略水平に保持する基板保持部と、この基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための、基板の有効領域の幅とほぼ同じかそれ以上の長さに亘って吐出孔が形成され、基板と相対的に移動可能に設けられた供給ノズルと、を備え、前記供給ノズルの液の吐出方向は、前記基板表面に対して垂直な方向よりも、前記供給ノズルの前記基板に対する相対的な移動方向とは逆方向に傾けて設定されてなることを特徴とする液処理装置が提供される。
このような構成によれば、供給ノズルの進行方向とは逆方向に液が吐出されるため、現像液の先回りを抑制することができる。
本発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは、以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
本発明によれば、供給ノズルの基板表面上の処理液供給位置よりも供給ノズルの進行方向に対する先行位置に処理液が先回りするという現象の発生を抑えられるので、基板面内における液処理の進行の程度が揃えられ、均一性の高い液処理が行える。
以下、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は一実施形態に係る現像処理装置1を示す概略構成図であり、図2は平面図である。
図1に示すように、この現像処理装置1は、アウターカップ2と、このアウターカップ2内に設けられ被処理基板としてのウエハW(レジスト液が塗布され露光処理されたウエハ)を保持するウエハ保持部3と、リニアノズル4をスキャン駆動し前記ウエハW上に処理液としての現像液を供給する現像液供給部5と、前記アウターカップ2内に設けられ前記リニアノズル4から吐出される現像液に抵抗を与えるための抵抗バー6と、現像後のウエハWをリンス処理するためのリンスノズル7を備えたリンス液供給部8と、これら各機構を制御する制御部9とを有する。
前記アウターカップ2の上端開口は、図2に示すように、例えば矩形状に形成されている。また、前記ウエハ保持部3は、図1に示すように、ウエハWを吸着保持するスピンチャック10と、このスピンチャック10を回転駆動すると共に昇降駆動するスピンチャック駆動機構11とを備えている。このウエハ保持部3は、現像液供給部5によって供給された現像液をリンス除去する際にウエハWを高速で回転させ、遠心力により現像液を振り切る機能を有する。ウエハWの縁部から振り切られた現像液は、前記アウターカップ2により受け止められ、このカップ2の下端部に設けられた図示しない排液路から外部に排出されるようになっている。
一方、現像液供給部5は、前記リニアノズル4を保持する例えばエアシリンダ等の上下駆動機構13と、この上下駆動機構13を例えばX方向に沿って設けられたレールに沿ってスキャン駆動するX方向リニアガイド機構12とを有する。この現像液供給部5は、前記リニアノズル4を図に実線で示す待機部14(HOME)から上下に駆動しかつ、X方向に移動させることで、前記アウターカップ2内のBIGIN位置に位置させる。そして、前記X方向リニアガイド機構12を作動させることで、前記リニアノズル4をウエハWの表面に沿って図にENDで示す位置までX方向にスキャン駆動する。
図3は、前記リニアノズル4のみを示す概略構成図である。このリニアノズル4は、前記ウエハWの直径よりも若干長い幅の本体を有し、その下面には複数の現像液吐出孔15が例えば2mmピッチで穿設されている。このノズル4内には図示しない液溜めが設けられており、図に16a,16bで示す供給配管から供給された現像液は、この液溜めに一旦貯留された後、前記吐出孔15から略均一な圧力で吐出されることになる。
ここで、このリニアノズル4は、図3に示す供給系17に接続されている。この供給系17では、現像液の入った現像液タンク18に不活性ガス、例えばN2ガスが吹き込まれ、このガス圧により現像液がフィルタ19、液量コントローラ20、開閉弁21及び供給管22を通じてリニアノズル4に送られるようになっている。
現像液の供給−停止は、各開閉弁21によって行われるようになっており、この開閉弁21は前記制御部9によって制御されるようになっている。また、前記液量コントローラ20も、前記制御部9に接続されている。吐出圧制御手段としての液量コントローラ20は、制御部9からの制御信号に基づいて吐出孔15から吐出される現像液の吐出圧を制御することができる。また、吐出圧は、開閉弁21の調節によって、あるいは現像液タンク18に吹き込まれる不活性ガスの吹き込み圧の調整によって制御してもよい。
一方、図1に示すように、前記アウターカップ2内には、リニアノズル4から吐出される現像液流に対して所定の吐出抵抗を与えるための例えばテフロン(登録商標)樹脂製の抵抗バー6が設けられている。この抵抗バー6は、前記リニアノズル4のスキャンスタート位置、すなわち、BIGIN位置に対応して設けられている。この抵抗バー6は、図4(a)に示すように、前記リニアノズル4の下面と所定の隙間Gを存して対向配置されることで、このリニアノズル4の各吐出孔15を通じて吐出される現像液に吐出抵抗を与える。このことで、前記リニアノズル4内の液溜部内の圧力を一時的に上昇させ、通常より高い圧力が各吐出孔15から吐出される現像液に印加されるようにする。
従って、この抵抗バー6と前記リニアノズル4の間の隙間Gは、このように圧力を上昇させることのできる寸法として規定される。この実施形態では、隙間Gは、3mmに設定されている。また、この抵抗バー6からウエハWまでの距離は、前記リニアノズル4がBIGIN位置から起動され前記ウエハWに達する時点で所定の一定速度になるための加速距離を考慮して決定される。この実施形態では、0〜25mm以内に配置される。
このことで、例えば、多数の吐出孔15のうち、何らかの原因でいくつかの吐出孔15から現像液が吐出されていない場合であっても、液溜め部内の圧力を一時的に上昇させ全ての吐出孔15から現像液を吐出することができる。
一方、図1に示すように、前記リンス液供給部8は、前記リンスノズル7を保持する上下駆動機構35と、この上下駆動機構35をX方向に駆動するX方向リニアガイド機構34とを有する。このリンスノズル7は、前記リニアノズル4の待機部14と前記アウターカップ2を挟んだ逆側の位置に配置されている。前記リニアノズル7は、図示しないリンス液タンクに接続されており、このリンス液タンク内のリンス液を不活性ガス例えばN2 ガスで加圧することにより、リンス液を吐出できるようになっている。
前記リンス液供給部8は、前記制御部9に接続されており、この制御部9の指令によって前記リンスノズル7を前記ウエハWの中央部に対向位置決めし、このウエハW上にリンス液を噴射するようになっている。
次に、この装置の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、前記ウエハWがこの現像処理装置にロードされる(ステップS1)。すなわち、スピンチャック10がアウターカップ2の上方まで上昇駆動され、前工程でレジスト液が塗布され露光処理されたウエハWが図示しないアームからこのスピンチャック10上に受け渡され保持される。その後、スピンチャック10が下降駆動され、ウエハWはアウターカップ2内に収容される。
次に、前記リニアノズル4が、待機部14(HOME)からZ駆動され、アウターカップ2の上方に移動される。ついで、下降駆動されることで、リニアノズル4を前記カップ2内のBIGIN位置に位置させる(ステップS2)。このことで、前記リニアノズル4の下面は、前記抵抗バー6と約3mm程度の隙間Gを存して対向する。
ついで、前記開閉弁21が開かれて前記リニアノズル4の各吐出孔15から現像液が供給開始される(ステップS3)。この現像液は、吐出直後に前記抵抗バー6に衝突し、吐出に対する抵抗力が作用することになる。このことで、前記ノズル4内の液溜部が昇圧し、これにより上述したように、全ての各吐出孔15から現像液が均一に吐出されることになる。
このことで、現像液をウエハW上に供給する場合の現像液の吐出圧が低い場合であっても、吐出開始当初の吐出圧を一時的に高めることで、全での吐出孔15から均一に現像液を吐出させることができる。
しかも、リニアノズル4から吐出された現像液は、図4(b)に示すように前記抵抗バー6に当たって広がるから、各吐出孔15からすだれ状に吐出された液流同士が接触し、膜状の液流を形成することができる。また、このときの表面張力によっても全ての吐出孔15から均一に現像液を吐出させることができると考えられる。
次に、前記X方向リニアガイド機構12が作動し、このリニアノズル4をX方向にスキャン駆動する(ステップS4)。前記リニアノズル4の下方から抵抗バー6がなくなっても、一旦形成された膜状の液流は、表面張力により膜状を維持したまま前記ウエハW側に移動することになる。
そして、前記リニアノズル4は、図1に矢印で示す状態でX方向に一定速度例えば5〜20cm/secのスキャンスピードで、移動しながらウエハW上に現像液を供給する。このことによって、ノズル4の通過後には約1mmの均一な現像液膜が形成されていく。
ついで、前記リニアノズル4がウエハWの他端側にオーバースキャンしたならば現像液の供給が停止され、X方向リニアガイド機構12によるX方向のスキャンも停止される(ステップS5)。以上の現像液供給工程の間、ウエハWの周縁部から垂れ落ちた余剰の現像液は前記カップ2に受け止められ、図示しない排出路から外部に排出されるようになっている。
リニアノズル4が待機部14に戻されかつ所定の現像時間が経過したならば、ウエハWのリンス(現像液の除去)が行われる(ステップS7)。すなわち、前記リンス液供給部8が作動し、前記リンスノズル7をウエハWの中央部に対向させ、ウエハWの中央部にリンス液としての純水が供給される。これと同時に前記スピンチャック駆動機構11が作動することでウエハWは高速で回転され、ウエハW上の現像液がリンス液と共に洗い流される。つぎに、純水の供給が停止され、回転が継続されることで、ウエハWは振り切り乾燥される(ステップS8)。
ウエハWの乾燥が終了したならば、ウエハWはこの現像処理装置からアンロードされる(ステップS9)。すなわち、前記ウエハWがスピンチャック10によって上昇駆動され、図示しないアームによって取り出され、この現像処理装置から排出される。
以上のような構成によれば、スキャン現像方式において、現像液の吐出圧が低い場合であっても、すべての吐出孔から均一な状態で現像液を吐出することができる。
なお、この実施形態は、このような塗布現像ユニット以外の装置にも適用可能であることはもちろんである。また、その他発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
この現像処理装置は、図6〜図8に示す塗布現像処理システムに適用されることが好ましい。
図6に示すように、この塗布現像処理システムは、ウエハWが収容されたカセットCRからウエハWを順次取り出すカセット部60と、カセット部60によって取り出されたウエハWに対しレジスト液塗布及び現像のプロセス処理を行うプロセス処理部61と、レジスト液が塗布されたウエハWを図示しない露光装置に受け渡すインタフェース部62とを備えている。
前記カセット部60には、カセットCRを位置決め保持するための4つの突起部70aと、この突起部70aによって保持されたカセットCR内からウエハWを取り出す第1のサブアーム機構71とが設けられている。このサブアーム機構71は、θ方向に回転自在に構成され、カセットから取り出したウエハWを、前記プロセス処理部61に設けられたメインアーム機構72側に受け渡す機能を有する。
このカセット部60とプロセス処理部61間でのウエハWの受け渡しは第3の処理ユニット群G3を介して行われるようになっている。この第3の処理ユニット群G3は、図8に示すように複数のプロセス処理ユニットを縦形に積み上げて構成したものである。すなわち、この処理ユニット群G3は、ウエハWを冷却処理するクーリングユニット(COL)、ウエハWに対するレジスト液の定着性を高める疎水化処理を行なうアドヒージョンユニット(AD)、ウエハWの位置合わせをするアライメントユニット(ALIM)、ウエハWを待機させておくためのエクステンションユニット(EXT)、レジスト塗布後の加熱処理を行なう2つのプリベーキングユニット(PREBAKE)、露光処理後の加熱処理を行なうポストエキスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)及びポストベーキングユニット(POBAKE)が順次下から上へと積み上げて構成されている。
なお、この図に示すように、前記メインアーム機構72を挟んだ前記第3の処理ユニット群G3の反対側には、第4の処理ユニット群G4が設けられているが、前記第3の処理ユニット群G3と略同様に構成されているので、その詳しい説明は省略する。
また、図6に示すように、このメインアーム機構72の周囲には、前記第3、第4の処理ユニット群G3、G4を含む第1〜第5の処理ユニット群G1〜G5がこのメインアーム機構72を囲むように設けられている。前述した第3の処理ユニット群G3、G4と同様に、他の処理ユニット群G1、G2、G5も各種の処理ユニットを上下方向に積み上げ的に構成されている。
この実施形態の現像処理装置(DEV)は、図7に示すように、前記第1、第2の処理ユニット群G1、G2に設けられている。この第1、第2の処理ユニット群G1、G2は、レジスト塗布装置(COT)と現像処理装置(DEV)とを上下方向に積み上げ構成したものである。
一方、前記メインアーム機構72は、図8に示すように、上下方向に延接された筒状のガイド79と、ガイド79に沿って上下駆動されるメインアーム78を備えている。また、このメインアーム78は平面方向に回転し、かつ進退駆動されるように構成されている。したがって、このメインアーム78を上下方向に駆動することで、ウエハWを前記各処理ユニット群G1〜G5の各処理ユニットに対して任意にアクセスさせることができるようになっている。
前記第1のサブアーム機構71からメインアーム機構72への前記ウエハWの受け渡しは、前記第3の処理ユニット群G3の前記エクステンションユニット(EXT)及びアライメントユニット(ALIM)を介して行われる。
ウエハWを受け取ったメインアーム機構72は、先ず、このウエハWを第3の処理ユニット群G3のアドヒージョンユニット(AD)に搬入し、疎水化処理を行なう。ついで、アドヒージョンユニット(AD)からウエハWを搬出し、クーリングユニット(COL)で冷却処理する。
冷却処理されたウエハWは、前記メインアーム機構72によって前記第1の処理ユニット群G1(若しくは第2の処理ユニット群G2)のレジスト液塗布装置(COT)に対向位置決めされ、搬入される。このレジスト液塗布装置(COT)によりレジスト液が塗布されたウエハWは、メインアーム機構72によってアンロードされ、第3、第4の処理ユニット群G3、G4の加熱処理ユニット(PEBAKE)でレジスト溶媒を蒸発させる加熱処理を施される。
次に、前記ウエハWはクーリングユニット(COL)で冷却された後、第4の処理ユニット群G4のエクステンションユニット(EXT)を介して前記インタフェース部62に設けられた第2のサブアーム機構64に受け渡される。
ウエハWを受け取った第2のサブアーム機構64は、受け取ったウエハWを順次バッファカセット(BUCR)内に収納する。その後、図示しない露光装置より受け取り信号が出されるとバッファカセット(BUCR)に収納されたウエハを順次サブアーム機構64により露光装置に受け渡す。この露光装置による露光が終了したならば、露光済みウエハをサブアーム機構64で受け取り、周辺露光ユニット(WEE)により、ウエハ周縁部を例えば2mmの幅で周辺露光処理する。
周辺露光処理された後のウエハWは、前記とは逆に第4の処理ユニット群G4を介してメインアーム機構72に受け渡され、このメインアーム機構72は、この露光後のウエハWをポストエキスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)に受け渡す。このことで、前記ウエハWは加熱処理され、その後、クーリングユニット(COL)にて所定の温度に冷却処理される。
ついで、ウエハWは、メインアーム機構72により、この実施形態の現像装置(DEV)に挿入され、現像処理が施される。現像処理後のウエハWは、いずれかのベーキングユニットに搬送され、加熱乾燥した後、この第3の処理ユニット群G3のエクステンションユニット(EXT)を介してカセット部60に排出される。
なお、前記第5の処理ユニット群G5は、選択的に設けられるもので、この例では前記第4の処理ユニット群G4と同様に構成されている。また、この第5の処理ユニット群G5はレール65によって移動可能に保持され、前記メインアーム機構72及び前記第1〜第4の処理ユニット群G1〜G4に対するメンテナンス処理を容易に行ない得るようになっている。
この発明の現像処理装置を、図6〜図8に示した冷却現像ユニットに適用した場合、複数のウエハの並行処理が容易に行なえるから、ウエハWの塗布現像処理工程を非常に効率的に行なうことができる。また、各処理ユニットが上下に積上げ式に構成されているから装置の設置面積を著しく減少させることができる。
なお、この発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
例えば、上記一実施形態では、前記リニアノズル4は、複数の円形吐出孔15を有するものであったが、図9に示すように、一本(若しくは数本)のスリット状の吐出孔90を有するノズル4′であっても良い。
さらに、上記一実施形態では、抵抗バー6を使用して吐出抵抗を与えていたが、これに限定されるものではなく、吐出に対して抵抗を与えることのできる手段であれば良い。例えば、図10(a)に示すようにN2 ノズルを通したN2 ブローをノズル4の下面に対して吹き付けることによっても同様の作用効果を得ることができる。
また、図10(b)に示すように、前記抵抗バー6に代えて多数の孔101が穿設されてなるメッシュ板102を配置しても良い。ここで、多数の孔101は、現像液の排出通路として機能することになる。このような構成によっても、前記一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上述べたように、この発明によれば、リニアノズル若しくはスリットノズルを用いるスキャン方式の現像において、特に、供給する現像液の吐出圧が低い場合であっても、全ての吐出孔から均一に現像液を吐出させることのできる現像処理装置を得ることができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
この実施形態では、図11に示すように、ノズル104内に抵抗バー106を設けたものである。ノズル104内には円筒状のバッファ室107が設けられ、そのほぼ中心には抵抗バー106が配置されている。そして、バッファ室107の上部の供給路108からこのバッファ室107内に現像液が供給され、一旦抵抗バー106に当たり、バッファ107室の下部に設けられた吐出孔109からウエハW上に現像液が供給されるようになっている。
本実施形態では、特に、現像液が一旦抵抗バー106に当たってウエハW上に供給される構成であるので、直接ウエハW上に現像液が供給される場合と比べて現像液がウエハ上に供給される際のインパクトを低減することができる。また、現像液が抵抗バー106の軸方向に広がろうとするので、ノズル104の長手方向における現像液の吐出量をより均一にすることが可能となる。
抵抗バー106の材質として、石英等の親水性のものが好ましい。これにより、現像液が抵抗バー106の軸方向により確実に広がろうとするからである。
また、図12に示すように、バッファ室107の内壁の円周方向に溝110を、軸方向に所定の間隔をもって設けるようにしてもよい。これにより、供給路108から供給された現像液はバッファ室107内でこの溝110により案内されて吐出孔109より確実に(液切れがするようなことはなく)吐出させることができる。
図12に示した実施形態と同様の趣旨で、図13に示すように、抵抗バー106の表面にスパイラル状の溝111を設けてもよい。
次に、本発明のまた別の実施形態について説明する。
図14及び図15にこの実施の形態を示す概略図である。202は基板であるウエハWの裏面中心部を真空吸着し、略水平に保持する基板保持部をなすスピンチャックである。このスピンチャックは駆動部220により回転及び昇降できるように構成されている。
ウエハWがスピンチャック202に吸着保持された状態において、ウエハWの側方を囲むようにしてカップ203が設けられており、カップ203は各々上下可動な外カップ231と内カップ232とからなる。内カップ232は円筒の上部側が上方内側に傾斜し、上部側開口部が下部側開口部より狭くなるように形成されており、昇降部230により外カップ231が上昇すると外カップ231の移動範囲の一部において連動して昇降するように構成されている。
カップ203の下部側はスピンチャック202の周囲を囲む円板233と、円板233の周り全周に亘って凹部を形成し、底面に排液口234が形成されている液受け部235とにより構成されている。この液受け部235の側面より僅かに内側に外カップ231(及び内カップ232)が収まっており、前記凹部とカップ203とによりウエハWの上方レベル及び下方レベルに跨ってウエハWの側方を囲っている。また円板233の周縁部には上端がウエハWの裏面に接近する断面山形のリング体236が設けられている。
続いてスピンチャック202に吸着保持されたウエハWに処理液である現像液を供給するための供給ノズル204について説明する。この供給ノズル204は、例えば図16に示すように、現像液が供給される細長い四角形状のノズル本体241と、その下面に設けられたノズル部242とを備えており、前記ノズル部242には例えばウエハWの有効領域(デバイスの形成領域)の幅と同じかそれ以上の長さに亘って多数の吐出孔243が配列されていて、例えば図17に示すように、吐出孔243はノズル本体241に通流路244により接続されている。ここでノズル部242は吐出孔243を構成する部材に相当し、これらノズル本体241やノズル部242は例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、ポピプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルカーボネート(PVC)、ポリアセタール(POM)などの材料により構成されている。
このような供給ノズル204は後述のように水平方向に移動可能に構成されており、例えば図17に斜線で示す領域である、当該供給ノズル204の進行方向(図18において矢印で示す方向)に対する前方側であって、この供給ノズル204からウエハWに現像液Dを供給するときに、ノズル部242がウエハW上の現像液Dに接触する部位を含む領域240の表面が疎水性となっている。
例えばこの例では当該供給ノズル204の通流路244よりも前記進行方向に対する前方側の領域242aの表面が疎水化されて疎水性となっており、例えば通流路244よりも前記進行方向に対する後方側の領域242bの表面は親水化されて親水性となっている。
ここでノズル部242の表面を疎水性又は親水性に改質するとは、これら表面の表面張力を変化させるということである。具体的には例えばノズル部242の表面を疎水性に改質した場合には、当該表面の表面張力は小さくなり、現像液等の処理液との親和性が小さくなるので、当該表面に現像液が接触すると、現像液は当該表面で弾かれる状態となる。
一方前記表面を親水性に改質した場合には、当該表面の表面張力が大きくなり、現像液との親和性が大きいので、この表面に現像液が接触すると、当該表面への現像液の濡れ性がよくなって、当該表面と現像液との付着力が大きい状態となる。
またノズル部242の表面の改質の一例を挙げると、例えば疎水性に改質する場合は、図示しないチャンバ内においてノズル部242の疎水性にしようとする領域にフッ素化合物のガスのプラズマを照射することにより、当該領域が疎水化される。ここでフッ素化合物のガスとしては、例えばF2 ガスやC2 F4 ガス、CF4 ガスなどを用いることができ、これらのガスを反応気体としてプラズマ処理される。
また親水性に改質する場合は、図示しないチャンバ内においてノズル部242の親水性にしようとする領域に、COガスやO2 ガス、N2 ガス等のプラズマを照射することにより、当該領域が親水化され、これらのガスを反応気体としてプラズマ処理される。
このような供給ノズル204は、第1の移動機構206によりカップ203の外側に設けられたガイドレール205に沿って、図15に示すカップ203の外側の待機位置(ガイドレール205の一端側の位置)からウエハWの上方側を通って前記待機位置とウエハWを挟んで対向する位置まで移動可能に設けられている。
つまりガイドレール205は、図15にも示すように例えば外カップ231の一辺と平行になるようにX方向に延びるように設けられており、ガイドレール205の一端側に第1の移動機構206が位置している。第1の移動機構206はアーム部261とベース部262とにより構成されており、前記多数の処理液の吐出孔243がY方向に配列されるように供給ノズル204をアーム部261により吊下げ支持し、移動部であるベース部262を介してガイドレール205に沿って移動できるようになっている。
前記ベース部262は例えば図18に示すように、例えばボールネジ機構263などにより構成される昇降機構264を有しており、例えばモータなどの図示しない動力源からの駆動力によりアーム部261をZ方向へ移動(上下)させることができる。
また図15中符号250はウエハWに洗浄液を供給してウエハWの表面を洗浄するための洗浄ノズルであり、この洗浄ノズル250は例えば第2の移動機構251により、図15に示すカップ203の外側の待機位置(ガイドレール205の他端側の位置)からウエハWの上方側を通って前記待機位置とウエハWを挟んで対向する位置まで水平に移動可能に設けられている。
ここで図15において第1の移動機構206及び第2の移動機構251が夫々示されている位置は既述の非作業時における供給ノズル204及び洗浄ノズル250の待機位置であって、ここには例えば上下可動の板状体により構成された第1の移動機構206及び第2の移動機構251の待機部252,253が設けられている。
これまで述べてきた駆動部220、昇降部230、第1の移動機構206及び第2の移動機構251は夫々制御部207と接続されており、例えば駆動部220によるスピンチャック202の昇降に応じて第1の移動機構206による処理液の供給(スキャン)を行うように、各部を連動させたコントロールを可能としている。またカップ203、第1の移動機構206及び第2の移動機構251は箱状の筐体271により囲まれた一ユニットとして形成されており、図示しない搬送アームによりウエハWの受け渡しがなされる。
次に本実施の形態における作用について説明する。先ずスピンチャック202がカップ203の上方まで上昇し、既に前工程でレジストが塗布され、露光処理されたウエハWが図示しない搬送アームからスピンチャック202に受け渡される。そしてウエハWが図14中実線で示す所定の位置に来るようにスピンチャック202が下降する。なおこのとき外カップ231及び内カップ232は共に下降した状態である。
続いて第1の移動機構206がガイドレール205に沿って外カップ231とウエハWの周縁との間に対応する位置まで案内され、続いてその位置からウエハWの周縁外側の待機位置まで下降する。このとき供給ノズル204の位置(高さ)はウエハWに対して現像液の供給を行う高さにセットされるため、吐出孔243はウエハW表面レベルよりも例えば1mm程度高い位置に置かれる。
そして図19(a)、(b)に示すように、現像液Dの吐出を開始しながら供給ノズル204をウエハWの一端側から他端側へと移動(図19(a)、(b)中左から右への移動)させることにより、ウエハWの表面に例えば1.2mmの高さの液膜を形成する。この際供給ノズル204の先端は、ウエハ表面上に供給された現像液Dと接触する位置にあり、供給ノズル204の先端をウエハ上の現像液Dと接触させた状態で供給ノズル204を一方向にスキャンさせることにより、当該ノズル204の先端部によりウエハ上の現像液Dが押し広げられ、ウエハWの表面全体に満偏なく現像液Dが液盛りされることとなる。
またこのとき供給ノズル204の移動は、当該供給ノズル204の吐出孔243が配列されている吐出領域の中心がウエハWの中心上方を通過するようにして行われ、例えば約50mm/secのスキャンスピードで行われる。
そして前記ウエハWの他端側の内カップ232上方にて供給ノズル204のスキャン及び現像液Dの供給を停止する。ここでウエハWへの現像液Dの吐出が複数回必要な場合には、前記停止位置にて供給ノズル204をスキャンさせる高さ例えばウエハW表面から1mm上方まで上昇させ、スキャンしたルートを戻るように例えば現像液Dの供給を行う。
現像液Dの塗布終了後、図19(c)に示すように現像液DをウエハWの表面に液盛りしたままの状態にして静止現像が行われる。そして第1の移動機構206は待機部252へと戻り、この第1の移動機構206と入れ替わって待機部253から第2の移動機構251がウエハW側へと移動する。
そして図19(d)に示すように、ウエハWの中央上方に洗浄ノズル250の吐出部が位置するように位置決めすると共にスピンチャック202を回転させ、洗浄ノズル250から洗浄液R例えば純水をウエハW中心部に供給して、ウエハWの遠心力により洗浄液RをウエハWの中心部から周縁部へ広げることにより現像液Dが洗い流される。その後このウエハWは図19(e)に示すように、スピン乾燥などの工程を経て現像処理が終了する。
この際現像液Dと洗浄液Rは内リング232を伝って下方側へと流れて液受け部235へと貯溜され、これらの液は排液口234から図示しないドレインラインを通って排出される。
これまで述べてきたように、本発明に係る実施の形態では供給ノズル204のノズル部242の通流路244よりも進行方向に対する前方側の領域242aを改質して疎水性としているので、供給ノズル204を50mm/秒程度のスピードでスキャンさせて現像液Dの液盛りを行う場合であっても、現像液Dが供給ノズル204よりも進行方向に対する先行位置に回り込むといういわゆる現像液Dの先回り現像を抑えて、均一性の高い現像処理を行うことができる。
つまり現像液Dの液盛りを行う際、供給ノズル204の吐出孔243からウエハ表面に吐出された現像液Dがノズル部242よりも先回りしようとしても、ノズル部242の前方側は疎水性であるので、現像液Dは当該表面で弾かれ、後方側に戻される状態となる。このため図20に示すように、現像液Dは供給ノズル204の通流路244よりも前方側になかなか進行できず、結局現像液Dの先回り現象の発生が抑えられる。これによりウエハWの全ての箇所において現像の進行の程度がほぼ揃えられるので、現像線幅の均一性を高めることができる。
また上述の例のように供給ノズル204のノズル部242の通流路244よりも進行方向に対する後方側を親水性に改質すると、当該表面は現像液Dの濡れ性が大きく、現像液Dは当該表面に付着しやすいので、ノズル部242よりも先回りしようとする現像液Dが少なくなる。さらに先回りしてノズル部242の前方側表面で弾かれた現像液Dも当該親水性の表面に付着しやすいので、より現像液Dの先回り現象の発生が抑えられる。
また親水性の表面には現像液Dが馴染みやすいので、この親水性表面がウエハ表面の現像液Dに接触しても当該現像液Dが乱されにくく、供給ノズル204をスキャンさせて現像液Dの液盛りを行うときにこの親水性表面で現像液Dを押し広げることにより、より均一性の高い現像液の液盛りを行うことができ、現像線幅の均一性をより高くすることができる。
続いて本発明の他の例について図21(a)により説明すると、この例では供給ノズル204には、ノズル部242の長さ方向に沿って、ノズルの進行方向側の前方側に、通流路244に連続するようにほぼ垂直なガイド208が設けられている。このガイド208は吐出孔243から吐出された現像液をウエハ表面に案内するためのものであり、ウエハ表面に現像液を供給するときには、ガイド208の先端がウエハ表面からわずかに浮上した位置に位置するように、ガイド208の高さや供給ノズル204の供給時の高さ位置が決定されている。
このような構成では、ガイド208は吐出孔243の通流路244に連続して設けられているので、吐出孔243から吐出された現像液Dはこのガイド208に沿ってウエハ表面に向かって流れて行き、当該表面に供給される。この際ガイド208はノズル204の進行方向側の前方側に設けられており、ガイド208の先端はウエハ表面近傍に位置しているので、図21(b)に示すように、現像液Dが供給ノズル204よりも先回りしようとしても、ガイド205に衝突して流れがガイド208により妨げられる。このように現像液Dはガイド208よりも進行方向側の先行位置までは進むことが出来ないので、現像液の先回り現象が抑えられ、均一性の高い現像処理を行うことができる。
ここで、ガイドの構成としては、ウエハに対する供給ノズル204の移動方向とは逆方向に現像液Dを案内する液案内部材が設けられていてもよい。一例としては、例えば図22(a)に示すように、ガイド281の先端を進行方向に対して後方側に湾曲するように構成してもよい。このようにすると、ガイド281の先端はウエハ表面において吐出孔243の進行方向に対する前面位置よりも後方側に位置するので、吐出孔243から吐出された現像液Dはこのガイド281に沿って流れて行き、当該ウエハ表面の進行方向側の後方位置に供給される。そしてこの位置においてガイド281により現像液Dの先回りが阻止されるので、より現像液Dの先回り現象が抑えられ、均一性の高い現像処理を行うことができる。なおこの例においては、ガイド281の先端を進行方向に対して後方側に屈曲するように構成しても同様の効果が得られる。また、必ずしもガイド281の先端を後方側に屈曲させる構成に限らず、例えば図22(b)に示すように、供給ノズル204から供給される現像液Dの流路をノズル204の進行方向とは逆方向に変える部分を有していれば、先端は後方側に屈曲していなくてもよい。
このような現像装置は、上述の実施形態と同様に、図6〜図8に示したシステムに適用することが可能である。
以上において本発明では、供給ノズル204の疎水性とする部位は、通流路244の進行方向に対して前方側全体ではなくて、進行方向に対して前方側であってウエハ表面に供給された現像液と接触する部位であれば上述の効果が得られ、また疎水性表面の進行方向に対して後方側を親水性とすれば、より均一性の高い現像処理を行うことができるが、この親水性とする部位も、通流路244の進行方向に対して後方側全体ではなくて、進行方向に対して後方側であってウエハ表面に供給された現像液と接触する部位であれば同様の効果が得られる。
また供給ノズル204の表面を疎水化や親水化する手法としては、上述の例に限らず、PTFEなどの既述の材質により構成されたノズル部242の疎水化(親水化)しようとする部位に疎水化材料(親水化材料)を塗布することにより当該部位を疎水性(親水性)とするようにしてもよい。
さらに供給ノズル204を、図23(a)、(b)に示すように、アーム部261の先端側の回転軸部265にて吊下げ支持し、前記回転軸部265を図示しない駆動機構により左右に回転できるように構成して、供給ノズル204から処理液が吐出される方向を下方垂直方向を中心にX方向前後に傾けるようにしてもよい。つまり現像液の液盛りの際には、供給ノズル204を進行方向と逆方向へ吐出孔243が向くように角度θ傾けて、現像液の吐出及び供給ノズル204のスキャンを開始するようにしてもよく、この場合には進行方向と逆方向へ吐出孔243が向いているので、さらに現像液の先回り現象を抑えることが出来る。
さらにまたガイドを設ける構成では、ノズル部242やガイドの材質は特に限定されないが、ノズル部242及びガイドの進行方向に対して前方側であってウエハ表面に供給された現像液と接触する部位を疎水性とすれば、より現像液の先回り現象が抑えられるので望ましく、さらに疎水性表面の進行方向に対して後方側を親水性とすれば、より均一性の高い現像処理を行うことができるので望ましい。
次に、本発明の更に別の実施形態について説明する。
図23に示した実施形態では、液盛りの際に供給ノズル204を進行方向と逆方向へ吐出孔243が向くように傾けていたが、この実施形態では、図24に示すように、供給ノズル301自体を傾けるのではなく吐出孔302を角度θ′傾けたものである。そして、供給ノズル301の吐出孔302が露出する側とは反対側の方向303に向けて供給ノズル301をスキャンさせるように構成したものである。この場合、これとは反対方向にスキャンする場合には例えばウエハWを180度回転させるようにすればよい。
本実施形態によっても現像液の先回り現象を抑えることが出来る。
本発明は上述した実施形態には限定されない。
例えば、本発明の液処理装置は、現像処理に限らずレジストの塗布処理にも適用することができ、基板と供給ノズルとを相対的に回転させながら処理液の液膜を形成するタイプの液処理装置にも適用できる。
さらに、上記一実施形態では、被処理基板として半導体ウエハを例に挙げたが、これに限定されるものではない。例えばLCD製造用のガラス基板を現像処理する装置であっても良い。
この発明の一実施形態にかかる現像処理装置を示す概略構成図。 同実施形態に係る現像処理装置の平面図。 同実施形態に係るリニアノズルの斜視図及びリンス液供給系統を示す構造図。 同実施形態に係るリニアノズル及び抵抗バー(抵抗付与手段)との位置関係及び作用を説明するための模式図。 同実施形態に係る動作を説明するためのフローチャートを示す図。 この発明の一実施形態が適用される塗布現像システムの全体構成を示す平面配置図。 この発明の一実施形態が適用される塗布現像システムの全体構成を示す正面配置図。 この発明の一実施形態が適用される塗布現像システムの全体構成を示す背面配置図。 この発明の他の実施形態を示す斜視図。 この発明の他の実施形態を示す概略構成図。 この発明の更に別の実施形態を示すリニアノズルの断面図。 図11に示した実施形態の変形例を示すリニアノズルの断面図。 図11に示した実施形態の別の実施形態を示す吐出抵抗付与手段としての棒材の斜視図。 本発明に係る液処理装置の実施の形態を表す断面図。 本発明に係る液処理装置の実施の形態を表す平面図。 前記液処理装置の供給部を示す斜視図。 前記液処理装置の供給ノズルを示す側面図。 前記液処理装置の供給部を示す側面図。 前記液処理装置の作用について示した工程図。 前記液処理装置の供給ノズルの作用について示した側面図。 本発明に係る液処理装置の他の実施の形態の供給ノズルについて示す斜視図。 本発明に係る液処理装置のさらに他の実施の形態の供給ノズルについて示す側面図。 液処理装置の他の実施の形態の供給ノズルについて示す側面図。 液処理装置の別の実施の形態の供給ノズルについて示す断面図。
符号の説明
1…現像処理装置、2…アウターカップ、3…ウエハ保持部、4…リニアノズル、5…現像液供給部、6…抵抗バー、7…リンスノズル、8…リンス液供給部、9…制御部、10…スピンチャック、11…スピンチャック駆動機構、12…X方向リニアガイド機構、13…上下駆動機構、14…待機部、15…現像液吐出孔、16a,16b…供給配管、17…供給系、18…現像液タンク、19…フィルタ、20…液量コントローラ、21…開閉弁、22…供給管、60…カセット部、61…プロセス処理部、62…インタフェース部、64…第2のサブアーム機構、65…レール、70a…突起部、71…第1のサブアーム機構、72…メインアーム機構、78…メインアーム、79…ガイド、90…吐出孔、101…孔、102…メッシュ板、104…ノズル、105,106…抵抗バー、107…バッファ室、108…供給路、109…吐出孔、110,111…溝、202…スピンチャック、203…カップ、204…供給ノズル、205…ガイドレール、206…第1の移動機構、207…制御部、208…ガイド、220…駆動部、230…昇降部、231…外カップ、232…内カップ、233…円板、234…排液口、235…液受け部、236…リング体、240…領域、241…ノズル本体、242…ノズル部、243…吐出孔、244…通流路、250…洗浄ノズル、251…第2の移動機構、252,253…待機部、261…アーム部、262…ベース部、263…ボールネジ機構、264…昇降機構、265…回転軸部、271…筐体、281…ガイド、301…供給ノズル、302…吐出孔、303…方向。

Claims (13)

  1. 基板に液を供給し、所定の処理を行う液処理装置であって、前記基板を水平に保持する基板保持機構と、前記基板保持機構の上方に保持され、所定の水平方向に移動しながら前記基板上に前記液を供給する液供給ノズルとを具備し、
    前記液供給ノズルは、内部に設けられたバッファ室を介して吐出孔から前記液が吐出するように構成され、かつ前記バッファ室内に前記液に吐出抵抗を付与する吐出抵抗付与手段が配置されていることを特徴とする液処理装置。
  2. 請求項1の液処理装置において、前記バッファ室内の内壁に前記液を前記吐出孔に案内する案内溝が設けられていることを特徴とする液処理装置。
  3. 請求項1の液処理装置において、前記吐出抵抗付与手段の表面に前記液を前記吐出孔に案内する案内溝が設けられていることを特徴とする液処理装置。
  4. 請求項3の液処理装置において、前記案内溝はスパイラル状に設けられていることを特徴とする液処理装置。
  5. 請求項1の液処理装置において、前記吐出抵抗付与手段を構成する部材は、前記液と接触する部位が親水性であることを特徴とする液処置装置。
  6. 請求項1の液処理装置において、前記液供給ノズルは、前記基板の幅に対応する範囲に亘って設けられた液吐出孔を有し、前記吐出抵抗付与手段は、前記複数の液吐出孔に沿って設けられた棒材であることを特徴とする液処理装置。
  7. 基板を略水平に保持する基板保持部と、この基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための、基板の有効領域の幅とほぼ同じかそれ以上の長さに亘って吐出孔が形成され、基板と相対的に移動可能に設けられた供給ノズルと、を備え、
    前記供給ノズルは、前記吐出孔を構成する部材の先端を基板表面に供給された処理液と接触させながら基板と相対的に移動して基板表面に処理液を供給するように構成され、前記吐出孔を構成する部材は、供給ノズルの進行方向に対する前方側でかつ基板表面の処理液と接触する部位が疎水性であることを特徴とする液処理装置。
  8. 請求項7の液処理装置において、前記供給ノズルの吐出孔を構成する部材は、供給ノズルの進行方向に対する前記疎水性部位の後方側であって基板表面の処理液と接触する部位が親水性であることを特徴とする液処理装置。
  9. 基板を略水平に保持する基板保持部と、この基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための、基板の有効領域の幅とほぼ同じかそれ以上の長さに亘って吐出孔が形成され、基板と相対的に移動可能に設けられた供給ノズルと、を備え、
    前記供給ノズルは、供給ノズルの進行方向に対する前方側に、前記吐出孔を構成する部材に連続するように、吐出孔から吐出された処理液を基板の表面に案内するためのガイドが設けられていることを特徴とする液処理装置。
  10. 請求項9の液処理装置において、前記ガイドには、前記供給ノズルから供給される液の流路を、前記供給ノズルの前記基板に対する相対的な移動方向とは逆方向に案内する液案内部材が設けられていることを特徴とする液処理装置。
  11. 請求項9の液処理装置において、前記ガイドの先端は、前記吐出孔よりも供給ノズルの進行方向に対する後方側に位置するように湾曲されていることを特徴とする液処理装置。
  12. 請求項9の液処理装置において、前記供給ノズルは、前記基板保持部に保持された基板の一端側から他端側へ基板と相対的に移動して基板表面に処理液の供給を行うものであることを特徴とする液処理装置。
  13. 基板を略水平に保持する基板保持部と、この基板保持部に保持された基板の表面に処理液を供給するための、基板の有効領域の幅とほぼ同じかそれ以上の長さに亘って吐出孔が形成され、基板と相対的に移動可能に設けられた供給ノズルと、を備え、
    前記供給ノズルの液の吐出方向は、前記基板表面に対して垂直な方向よりも、前記供給ノズルの前記基板に対する相対的な移動方向とは逆方向に傾けて設定されてなることを特徴とする液処理装置。
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