JP2005019972A - Iii族窒化物半導体素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板やIII族窒化物半導体結晶に開口部を有するSiOやSiNの部分的なマスクを形成させる方法において、従来のプラズマCVD法はプラズマ中のイオン種が膜形成初期に基板やIII族窒化物半導体結晶の表面にダメージを与えていたが、本発明はこのダメージを少なくしたマスクを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のIII族窒化物半導体素子の製造方法は、基板あるいはIII族窒化物半導体結晶上に形成するSiO膜をラジカルシャワーCVD法で作製したものである。ラジカルシャワーCVD法はプラズマ領域と成膜領域を分離したCVD法である。
また、本発明のIII族窒化物半導体素子の製造方法は、基板あるいはIII族窒化物半導体結晶上に形成するSiN膜をカタリティックCVD法で作製したものである。カタリティックCVD法は加熱体、好ましくは原料の分解触媒である加熱されたカタライザーで原料ガスを分解するCVD法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高出力の発光ダイオード(LED)の製造方法に関する。特に、III族窒化物半導体(例えばInGaAlNで表される)発光ダイオード(LED)の製造方法に関する。
III族窒化物半導体は、可視光から紫外光領域に相当するエネルギーの直接遷移型のバンドギャップをもち高効率な発光が可能であるため、近紫外領域から青色領域にて高出力のLEDが成されている。また、これら高出力のLEDに蛍光体を加えた白色LEDが実現され、照明用途に向けてさらに高出力・高効率のLEDが求められている。
これら近紫外領域から青色領域のLEDの効率は、注入した電子・正孔対から光子への変換効率である「内部量子効率」と発生した光子が空気中に取り出される効率である「光取り出し効率」に大別される。従来のIII族窒化物半導体からなる近紫外領域から青色領域のLEDは主に内部量子効率の向上に注力されてきた。
III族窒化物半導体からなる近紫外領域から青色領域のLEDに関してなされた光取り出し効率の検討として、凹凸構造を設けたサファイア基板を用いた発光素子(例えば、非特許文献1参照)が開示されている。これら凹凸構造の形成には酸化珪素(SiO)や窒化珪素(SiN)などを表面全体に成膜し、フォトリソグラフィーの手法を用いて開口部を有した選択エッチングマスクを形成し、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)法によって開口部の基板やIII族窒化物半導体結晶を部分的にエッチングする手法が利用されている。SiOやSiNの成膜にはプラズマCVD法が広く用いられている。
一方、III族窒化物半導体結晶表面にSiOやSiNからなる開口部を有する選択成長マスクを形成し、III族窒化物半導体結晶を選択成長した例としては、レーザーダイオード用の電流狭窄構造作製を意図したもの(特許文献1参照)が、貫通転位密度の低減を意図したもの(特許文献2参照)が挙げられる。
また、基板表面にSiOやSiNに開口部を有する選択成長マスクを形成し、III族窒化物半導体結晶を選択成長した先行例としては、サファイア基板にマスクを形成したもの(特許文献2)が挙げられる。
特開平10−190142号 特開平11−31864号 ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス Vol.41(2002)pp.L1431-L1433
基板やIII族窒化物半導体結晶にSiOやSiNからなる選択エッチングマスクや選択成長マスクをプラズマCVD法で形成する際に、基板やIII族窒化物半導体結晶の表面にダメージを与え、特性や歩留まりを悪化させている事を本発明者は見出した。
第1に、n型コンタクト層を表出させるドライエッチングを実施する際、エッチングさせないp型コンタクト層の部分に予めSiO膜やSiN膜を保護膜として形成するが、従来のプラズマCVD法ではこれら保護膜形成時にp型コンタクト層にダメージが加わり、p型コンタクト層の接触抵抗を悪化させ、順方向電圧が下がらないという問題を抱えていた。
第2に、p型電極とn型電極の間あるいは素子全体を覆う絶縁保護膜をSiO膜あるいはSiN膜で形成するが、従来のプラズマCVD法で形成すると、電極の縁部分やコンタクト層表面、あるいはp型層、n型層、発光層それぞれの側面に加速されたプラズマイオン種が直接衝突し、ダメージを与え、順方向電圧印加時の低電流域や逆方向電圧印加時のリーク電流が低減できなかった。
第3に、基板やIII族窒化物半導体の表面にSiOやSiNの選択成長マスクを形成し、その上にIII族窒化物半導体結晶を成長する、一般的にELO(エピタキシー・ラテラル・オーバーグロース)法と呼ばれる手法を実施する際、従来のプラズマCVD法では歩留まりが悪いという問題があった。選択成長マスク形成時に試料全面にSiOやSiNをプラズマCVD法で形成し、その後、III族窒化物半導体結晶を成長させたい部分のSiO膜やSiN膜を除去するが、表出した基板表面、あるいは表出したIII族窒化物半導体結晶表面の原子配列が乱れており、その上に成長したIII族窒化物半導体結晶核同士の結晶方位がずれている様子がX線回折法の測定により認められた。この結果、結晶核同士が合体して全面が平坦化する際に、お互いの方位や結晶面が揃わず、段差が生じたり、ピットが埋めきれず、作製したLEDはダイオード特性を示さなかった。
その原因はマスク形成時に加速されたプラズマガス中の電荷を持つ原子、分子等(イオン種)が基板に衝突し、再成長表面にダメージを与えた為と考えられる。
本発明は、基板やIII族窒化物半導体結晶にSiOやSiNをCVD法で成膜させる際に、基板表面やIII族窒化物半導体結晶表面にダメージを与えない製造方法を提供する。その結果、歩留まりが高く良質なIII族窒化物半導体素子を多量に製造することが可能となる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、プラズマガス中のイオン種をできるだけ低減して基板に接触させることからなる。即ち本発明は以下の構成からなる。
(1)基板上に基板を部分的に覆うSiOマスクを形成し、次いでIII族窒化物半導体を形成する半導体素子の製造方法において、該SiO膜の形成をラジカルシャワーCVD法で実施することを特徴とするIII族窒化物半導体素子の製造方法。
(2)III族窒化物半導体結晶表面上にIII族窒化物半導体結晶表面を部分的に覆うSiOマスクを形成し、次いでIII族窒化物半導体を形成する半導体素子の製造方法において、該SiO膜の形成をラジカルシャワーCVD法で実施することを特徴とするIII族窒化物半導体素子の製造方法。
(3)基板上に基板を部分的に覆うSiNマスクを形成し、次いでIII族窒化物半導体を形成する半導体素子の製造方法において、該SiN膜の形成をカタリティックCVD法で実施することを特徴とするIII族窒化物半導体素子の製造方法。
(4)III族窒化物半導体結晶表面上にIII族窒化物半導体結晶表面を部分的に覆うSiNマスクを形成し、次いでIII族窒化物半導体を形成する半導体素子の製造方法において、該SiN膜の形成をカタリティックCVD法で実施することを特徴とするIII族窒化物半導体素子の製造方法。
である。
本発明のIII族窒化物半導体結晶、III族窒化物半導体結晶の製造方法を用いると、SiO膜形成時またはSiN膜形成時に基板やIII族窒化物半導体結晶に与えるダメージを低減させることができるので、選択成長時のGaN層平坦化を促進させ、ひいてはIII族窒化物半導体結晶デバイスの歩留まりを格段に向上させる。
本発明のIII族窒化物半導体素子の製造方法は、基板あるいはIII族窒化物半導体結晶上に形成するSiO膜をラジカルシャワーCVD法で作製したものである。ラジカルシャワーCVD法はプラズマ領域と成膜領域を分離し、基板あるいはIII族窒化物半導体結晶にプラズマダメージを与えないCVD法である。但し、成膜したい元素の中性ラジカルの寿命は各元素により異なるため、基板に到達可能な寿命の長い元素に対して有効な手法である。酸素の中性ラジカルは寿命が長いので本ラジカルシャワーCVD法が有効である。その反応過程は
SiH+O*→HSiO→HSiO→SiO
と推測され、基板表面上でSiOが形成される。
このラジカルシャワーCVD法(RS−CVDという)を図1により説明する。CVD装置1は隔壁プレート3によりプラズマ領域9と成膜領域10に分離される。プラズマガスがこの隔壁プレート3に接触することによってプラズマ領域9中のプラスあるいはマイナスの電荷を有するイオン種がラジカル等の中性原子あるいは分子となり、これが成膜領域に入り、基板上に導入される。基板上に導く為にプラズマ領域の圧力P1と成膜領域の圧力P2はP1>P2の関係に保たれている。このようにCVD法において電荷を有するプラズマ領域と電荷を低減させた成膜領域に分離した方法を本発明ではRS−CVD法という。隔壁プレートはプラズマ中の電荷を中性にするものであればよいが、図1に示すものは1例にして導電性の隔壁プレート、例えば金属製の接地32されたものが使用されている。プラズマ領域は高周波電源(VHF)を用いた電極2により形成され、その中に酸素ガスが供給されている。隔壁プレートは中空にしてこの中にSiHガスとHeガスが供給され、そこから成膜領域に導入される。プラズマガスは隔壁プレート3に接触して電荷が中和され、プラスあるいはマイナスのイオン種が低減され、それが隔壁プレートの通気口31を通って成膜領域に入る。そして基板4上にSiO膜が形成される。図の5は基板支持体である。
本発明のIII族窒化物半導体素子の製造方法において、基板あるいは半導体結晶表面を部分的に覆うマスクがSiN膜である場合はカタリティックCVD法により作製する。カタリティックCVD法は原料ガスを高温の加熱体、望ましくは原料の分解触媒となる加熱体により、原料を分解し、基板あるいは半導体結晶表面にSiN膜を形成する方法である。この方法も基板等の表面ではプラスやマイナスのイオン種は従来のプラズマ法に比べ低減されているので、プラズマダメージが少なく良好なSiN膜が得られる。
このカタリティックCVD法を図2により説明する。図2において図1と同一符号は同じものを表す。原料ガスであるSiHとNおよびキャリアガスのHは原料供給体6によりCVD装置1内に供給され、そのガスが加熱体7に接触する。加熱体7はタングステン等の原料ガスの分解触媒となる金属等が好ましい。この金属等は例えばそのワイヤーをネット状にしたものが用いられる。その他粒状のものを層状にして通気性を持たせたものでもよい。
上記のラジカルシャワーCVD法およびカタリティックCVD法によれば基板等の表面でイオンを有する原子等が少ないことはプラズマ分光法により確かめられている。また平板プローブ法によりラジカルシャワーCVD法の成膜室でのプラズマイオン密度は10〜10cm−3が確認されており、従来の平行平板プラズマCVDでの値10〜1010cm−3に比して7桁以下となっている。
本発明のRS−CVD法およびカタリティックCVD法は従来のCVD法に比べエッチングにより露出させた基板表面あるいはIII族窒化物半導体結晶表面の原子配列や表面平坦性を損なうことがない。GaN膜上にRS−CVD法で形成したSiO膜およびカタリティックCVD法で形成したSiN膜を除去したGaN膜表面について、AFMで観測したGaN膜表面のステップフローの様子はSiO膜やSiN膜形成前と同様になだらかなステップフローが明確に観測された。従来のCVD法ではSiO膜、SiN膜を除去した後のGaN膜表面はステップフローのラインがなだらかではなく細かいひだ状になっていた。また、転位芯のまわりは大きくエッチングされ、ピットとして明確に観測されていた。断面TEMのZC像によれば、SiO膜あるいはSiN膜を形成した界面付近のGaN膜について、RS−CVD法あるいはカタリティックCVD法で形成したGaN膜と、従来CVD法で形成したGaN膜と顕著な差が認められた。従来CVD法では界面付近のGaN膜が界面から遠い部分のGaN膜に比べ、白く見えた。これは界面付近の格子配列または結晶方位が乱れた事を示すものである。RS−CVD法あるいはカタリティックCVD法で形成した試料では界面付近のGaN膜と界面から遠いGaN膜にコントラストの違いは認められなかった。以上の効果により、以下の問題点が解決された。
第1に、n型コンタクト層を表出させるドライエッチングを実施する際、p型コンタクト層にダメージを与えず、p型コンタクト層の接触抵抗は改善し、順方向電圧の低減に効果が認められた。
第2にp型電極とn型電極の間あるいは素子全体を覆う絶縁保護膜形成時に電極の縁部分やコンタクト層表面、あるいはp型層、n型層、発光層それぞれの側面にダメージを与えず、順方向電圧印加時の低電流域や逆方向電圧印加時のリーク電流が改善された。
第3に、ELO法を実施する際、結晶核同士の合体が改善され2インチウエハ全面が平坦化し、作製したLEDの特性、歩留まりが大幅に改善された。
概して、従来のCVD法を用いたIII族窒化物半導体素子の製造方法に比べ、本発明のラジカルシャワーCVD法あるいはカタリティックCVD法によるIII族窒化物半導体素子の製造方法は特性・歩留まりが優れている。
本発明では、ラジカルシャワーCVDで形成したSiO膜表面あるいはカタリティックCVD法で形成したSiN膜表面にフォトリソグラフ法によりレジスト膜をパターン形成し弗酸を用いて基板あるいはIII族窒化物半導体結晶を部分的に露出することが望ましい。
本発明においてSiO及びSiNによる部分的なマスクの形成方法としてはIII族窒化物半導体結晶の(11−20)方向または(1−100)方向に沿ったストライプ構造あるいは六角形状のマスクが前記方向に沿って所定の間隔で多数配置されている構造のものが好ましい。なお本明細書でマスクを(11−20)方向または(1−100)方向に沿って形成するとは、±5℃以内の範囲で方向がずれた場合を含むものとする。ストライプ構造については図3に示すようにライン状のストライプ12−1がマスクで、その間がスペース12−2となり、これらは紙面に対し垂直方向に伸びている。
本発明では、基板としてサファイア、GaN、AlN、SiCを初め、ガラス、Si、GaAs、GaPなどを用いることができる。
六方晶基板の面方位としては、m面、a面、c面等が使えるが、なかでもc面((0001)面)が好ましく、さらに基板表面の垂直軸が<0001>方向から特定の方向に傾斜していることが望ましい。また本発明に用いる基板は、有機洗浄やエッチングのような前処理を行うと基板表面の状態を一定の状態に保つことができるため好ましい。
本発明の発光素子の製造において、n型層、p型層、発光層の成長や電極の形成、樹脂封入等は、従来公知の方法を用いることができる。半導体の成長方法は、気相成長法としては有機金属化学気相成長法(MOCVD法)、気相エピタキシー法(VPE法)、分子線エピタキシー法(MBE法)を用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例1では、表面を(0001)面とする2インチφのサファイア基板を使用した。サファイア基板を有機洗浄、酸洗浄した後、図1に示すラジカルシャワーCVD法にて膜厚80nmのSiO膜を全面に成膜した。
その後、レジスト膜をスピンコートにより全面塗布し、乾燥した。2μm×2μmのライン&スペースのストライプ構造のフォトマスクをサファイア基板の<1−100>方向に一致させて固定し、露光機にてレジスト膜の一部を感光させ、感光部分のレジスト膜を洗い流した。次いで弗酸を用いてレジスト膜の無い部分のSiO膜を除去し、サファイア基板を露出させた。エッチング条件によりSiOの側面は意図的に傾斜させてある。最後に残っているレジストを除去した。以上の様にして、サファイア基板上に2μm×2μmの図3に示すSiOストライプ構造の選択成長マスクを形成した。
作製した選択成長SiOマスク付きサファイア基板を有機洗浄、酸洗浄し、MOCVD装置に投入した。投入後1160℃まで昇温し以後一定に保った。このサファイア基板上に第1の工程として、トリメチルアルミニウム(TMAl)の蒸気を含む気体を流通する処理を施し、基板上にAl粒あるいはAl膜を形成した。続いて第2の工程としてアンモニアを流通しAl粒あるいはAl膜を全て窒化アルミニウムに変質させた。引き続き第3の工程としてTMGaとアンモニアを流通して非ドーピングの窒化ガリウム(GaN)結晶層を3時間形成した。3時間成長後のGaN表面は平坦である。
その後引き続き、以下の工程でn型層、発光層、p型層の順に積層し、LED用エピタキシャルウェーハを作製した。
非ドーピングのGaN結晶層に引き続きTMGa及びNHの供給を続けたままSiHの供給を開始し、Siドープのn型GaN層の成長を約1時間15分行った。SiH4の供給量は、SiドープGaN層の電子濃度が1×1019cm-3となるように調整した。SiドープGaN層の膜厚は2μmである。
SiドープGaN層を成長した後、TMGaとSiH4のバルブを切り替えて、これらの原料の炉内への供給を停止した。アンモニアはそのまま流通させながら、バルブを切り替えてキャリアガスを水素から窒素へ切り替えた。その後、基板の温度を1160℃から830℃へ低下させた。
温度変更に伴う成長中断中にあらかじめトリメチルインジウム(TMIn)とトリエチルガリウム(TEGa)のバブラへのキャリアガスの流通を開始しておいた。バブリングによって発生したTMInおよびTEGaの蒸気は、クラッド層の成長工程が始まるまでは、キャリアガスと一緒に除害装置への配管へ流通させ、除害装置を通して系外へ放出した。
次に、GaNよりなる障壁層とIn0.06Ga0.94Nよりなる井戸層で構成される多重量子井戸構造の発光層を作製した。多重量子井戸構造の作製にあたっては、始めに7nmのGaN障壁層を形成し、そのGaN障壁層上に3nmのIn0.06Ga0.94N井戸層を形成した。この構造を5回繰り返し積層したのち、5番目のIn0.06Ga0.94N井戸層上に、6番目のGaN障壁層を形成し、多重量子井戸構造の両側をGaN障壁層で構成する構造とした。
この多重量子井戸構造上に、基板の温度を1100℃まで昇温し、キャリアガスを水素に変更し、3nmの膜厚を成すノンドープのAl0.2Ga0.8Nクラッド層を作製した。
更に、このノンドープのAl0.2Ga0.8Nクラッド層上に、0.1μmの膜厚を成すMgドープのGaNからなるp型コンタクト層を作製した。Mg原料としてはCp2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、分子式(CMg)を用いた。Cp2Mgの供給量はp型GaN層の正孔濃度が1×1018cm-3となるように調整した。
MgドープGaN層の成長を終了した後、誘導加熱式ヒータへの通電を停止して、基板の温度を室温まで20分をかけて降温した。成長温度から300℃までの降温中は、反応炉内のキャリアガスを窒素のみから構成し、容量にして1%のNH3を流通した。その後、基板温度が300℃となったのを確認した時点でNH3の流通を停止し、雰囲気ガスを窒素のみとした。基板温度が室温まで降温したのを確認して、ウェーハを大気中に取り出した。
以上のような手順により、半導体発光素子用のエピタキシャル層構造を有するエピタキシャルウェーハを作製した。ここでMgドープGaN層はp型キャリアを活性化するためのアニール処理を行わなくてもp型を示した。
以上のようにして作製された半導体発光素子を図3に示す。
次いで、上記のサファイア基板上にエピタキシャル層構造が積層されたエピタキシャルウェーハを用いて半導体発光素子の一種である発光ダイオードを作製した。作製したウェーハについて、フォトリソグラフィー法によってMgドープGaN層の表面上に、表面側から順にチタン、アルミニウム、金を積層した構造を持つp電極ボンディングパッドとそれに接合したAuのみからなる透光性p電極を形成し、p側電極を作製した。
更にその後ウェーハにドライエッチングを行い、SiドープGaN層のn側電極を形成する部分を露出させ、露出した部分にNi、Al、Ti、Auの4層よりなるn電極を作製した。
このようにしてp側およびn側の電極を形成したウェーハについて、サファイア基板の裏面を100μm厚まで研削し、研磨してミラー状の面とした。その後、該ウェーハを350μm角の正方形のチップに切断し、電極が下になるように、サブマウントに載置し、サブマウントからリードフレームへ結線して発光素子とした。更に、エポキシ樹脂で砲弾型に封止し、LEDランプを作製した。
上記のようにして作製したLEDランプ100ヶについて20mA印加の順方向電流を流したところ、発光波長の最頻値は382±1nm、出力値の最頻値は14.0±1.0mWであり、両者を満たした個数は92ヶであった。残りの8ヶを解析した所、パーティクル起因によるエピ成長不良が存在する試料である事が判明した。
(比較例1)
比較例1では、実施例1とほとんど同じ工程で、ラジカルシャワーCVD法に変えてプラズマCVD法でSiO膜を形成したことだけが異なるLEDランプ100ヶについて20mA印加の順方向電流を流したところ、発光波長の最頻値は382±1nm、出力値の最頻値は14.0±1.0mWであり、両者を満たした個数は55ヶであった。残りの45ヶを解析した所、パーティクル起因によるエピ成長不良が存在する試料と、SiOマスク上でGaN膜が合体する部分で六角錘のピットが残り電流リークを引き起こしている試料である事が判明した。
(実施例2)
実施例2では、ラジカルシャワーCVD法に変えて図2に示すカタリティックCVD法でSiN膜を形成したことだけが異なり、その他の工程は実施例1と同じである。カタリティックCVD法における加熱体はタングステンワイヤーネットを使用した。得られたLEDランプ100ヶについて20mA印加の順方向電流を流したところ、発光波長の最頻値は382±1nm、出力値の最頻値は14.0±1.0mWであり、両者を満たした個数は96ヶであった。残りの4ヶを解析した所、パーティクル起因によるエピ成長不良が存在する試料である事が判明した。
近紫外領域から青色領域まで高出力のLEDとして利用され、またこれに蛍光体を加えて白色LEDとしての応用が可能である。
ラジカルシャワーCVD法の概略断面図である。 カタリティックCVD法の概略断面図である。 本発明の実施例1に係わる半導体発光素子用のエピタキシャル層構造を有するエピタキシャルウェーハの断面を示す模式図である。
符号の説明
1 CVD装置
2 電極
3 隔壁プレート
31 通気孔
32 接地
4 基板
5 基板支持体
6 原料供給体
7 加熱体(タングステンワイヤーネット)
8 ガス排出口
9 プラズマ領域
10 成膜領域
11 基板
12 SiOマスクあるいはSiNマスク
13 非ドーピングのIII族窒化物半導体結晶層
14 n型クラッド層 兼 n型コンタクト層
15 発光層
16 p型クラッド層
17 p型コンタクト層

Claims (4)

  1. 基板上に基板を部分的に覆うSiOマスクを形成し、次いでIII族窒化物半導体を形成する半導体素子の製造方法において、該SiO膜の形成をラジカルシャワーCVD法で実施することを特徴とするIII族窒化物半導体素子の製造方法。
  2. III族窒化物半導体結晶表面上にIII族窒化物半導体結晶表面を部分的に覆うSiOマスクを形成し、次いでIII族窒化物半導体を形成する半導体素子の製造方法において、該SiO膜の形成をラジカルシャワーCVD法で実施することを特徴とするIII族窒化物半導体素子の製造方法。
  3. 基板上に基板を部分的に覆うSiNマスクを形成し、次いでIII族窒化物半導体を形成する半導体素子の製造方法において、該SiN膜の形成をカタリティックCVD法で実施することを特徴とするIII族窒化物半導体素子の製造方法。
  4. III族窒化物半導体結晶表面上にIII族窒化物半導体結晶表面を部分的に覆うSiNマスクを形成し、次いでIII族窒化物半導体を形成する半導体素子の製造方法において、該SiN膜の形成をカタリティックCVD法で実施することを特徴とするIII族窒化物半導体素子の製造方法。
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