JP2005019701A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に紫外線を照射するとともに、該基板に処理液を供給する基板処理装置において、紫外線照射による材質の劣化を抑えながら、基板に損傷を与えることなく基板を保持する。
【解決手段】基板保持部は、本体部材21と、本体部材21に立設される支持ベース部材23と、支持ベース部材23に対して着脱自在な基板保持部材22とを備えている。この基板保持部では、基板保持部材22の中空部に支持ベース部材23の軸部を挿通した状態で支持ベース部材23を本体部材21に立設し、本体部材21の下面から締結用ネジ24の先端部を鉛直軸A0に沿って貫通孔211に挿通することで支持ベース部材23のネジ孔に螺合させている。なお、基板保持部材22は、耐薬品性を有する樹脂で形成され、支持ベース部材23は、セラミックスや石英で形成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】基板保持部は、本体部材21と、本体部材21に立設される支持ベース部材23と、支持ベース部材23に対して着脱自在な基板保持部材22とを備えている。この基板保持部では、基板保持部材22の中空部に支持ベース部材23の軸部を挿通した状態で支持ベース部材23を本体部材21に立設し、本体部材21の下面から締結用ネジ24の先端部を鉛直軸A0に沿って貫通孔211に挿通することで支持ベース部材23のネジ孔に螺合させている。なお、基板保持部材22は、耐薬品性を有する樹脂で形成され、支持ベース部材23は、セラミックスや石英で形成されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)の表面に対して処理液を供給してエッチング処理、洗浄処理などの基板処理を施す基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の基板処理装置では、基板保持手段に保持された基板の表面にエッチング液や洗浄液などの処理液を供給してエッチング処理など基板処理が実行されるが、この基板処理の効率を高めるために、さらに基板表面に紫外線を照射する技術が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の基板処理装置では、箱形の処理室内に基板の外周端面を基板支持手段により保持する、いわゆるメカチャック方式で基板が基板支持手段により保持されている。また、基板保持手段に保持された基板の上方には、エッチング液供給用のノズルや洗浄液供給用のノズルなどが配置されており、各ノズルからエッチング液や洗浄液を基板表面に供給可能となっている。また、処理室の天井部にハロゲンランプなどの紫外線照射用光源が設けられており、該光源から紫外線を基板の表面に照射可能となっている。
【0003】
そして、この基板処理装置では、まず紫外線照射用光源を点灯させて基板表面に紫外線を照射して基板表面に設けられた溝の内周面の活性化を図っている。また、その活性化処理に続いて、基板を回転させながらノズルからエッチング液を基板表面に供給してエッチング処理を行っている。また、この従来装置では、紫外線を基板表面に照射したまま基板表面にエッチング液などの処理液を供給してエッチング処理や洗浄処理などを行う場合もある。
【0004】
【特許文献1】
特公平4−15614号公報(第2−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、特許文献1に記載の装置では、単に基板に処理液を供給するのみならず、紫外線を基板表面に照射しているため、基板の処理効果を向上させることができる。しかしながら、紫外線を基板表面に向けて照射しているため、次のような問題が発生していた。すなわち、基板処理装置の構成要素のうち紫外線照射を受ける部分については、紫外線照射によって激しいダメージを受け、材質が劣化するという問題が発生することがあった。特に、基板の外周端面に当接して基板を保持する基板保持手段は、処理液が付着する関係上、耐薬品性を有する樹脂で形成される場合が多く、該基板保持手段への紫外線照射により基板保持手段の材質が著しく劣化するという問題点があった。
ここで、材質の劣化を抑えるために基板保持手段をセラミックスや石英で形成することも考えられるが、この場合、基板保持時にチッピング(基板の欠け)が発生し、基板の損傷を引き起こすという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、基板に紫外線を照射するとともに、該基板に処理液を供給する基板処理装置において、紫外線照射による材質の劣化を抑えながら、基板に損傷を与えることなく基板を保持することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、基板表面に処理液を供給する処理液供給手段と、前記基板表面に向けて紫外線を射出する紫外線照射手段と、前記基板の外周端面に離間して配置された支持ベース部材と該支持ベース部材に支持されて前記基板の外周端面に当接して前記基板を保持する基板保持部材を有する基板保持手段とを備え、前記支持ベース部材のうち少なくとも前記紫外線照射手段によって紫外線照射される部分をセラミックスまたは石英で形成する一方、前記基板保持部材を前記処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成したことを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明では、支持ベース部材のうち少なくとも紫外線照射される部分がセラミックスまたは石英で形成されており、耐紫外線性を有している。したがって、紫外線照射による材質の劣化を抑えることができる。一方、基板の外周端面と当接する基板保持部材については、処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成されている。このように耐薬品性樹脂からなる基板保持部材で基板を直接保持することによって、処理液による材質の劣化を防ぎつつ、チッピングの発生による基板の損傷を防ぐことができる。
【0009】
また、本発明は、前記支持ベース部材が、前記基板保持部材に向けて照射される紫外線を遮蔽するように形成されたことを特徴としている。このように構成された発明では、支持ベース部材が、基板保持部材に向けて照射される紫外線を遮蔽する。したがって、基板保持部材が紫外線照射によるダメージを受けることがないため、紫外線照射ダメージによる基板保持部材の材質の劣化を効果的に抑えることができる。
【0010】
また、本発明は、前記基板保持部材が、前記支持ベース部材に着脱自在となっていることを特徴としている。このように構成された発明では、基板保持部材が基板の処理回数や処理時間に応じて磨耗した場合や処理液付着により材質が劣化した場合でも、基板保持部材を容易に交換することが可能となる。そのため、支持ベース部材を含む基板保持部全体を交換することなく必要に応じて基板保持部材のみを交換することができ、メンテナンスの経済性と利便性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。この基板処理装置では、同一装置内で、半導体ウエハなどの基板Wの表面WSに対して紫外線が照射されるとともに、基板表面WSに対してエッチング液が本発明の「処理液」として供給されてエッチング処理が行われ、さらに純水などのリンス液によるリンス処理およびスピン乾燥処理が順番に行われる。なお、紫外線照射はエッチング液の供給前後または供給と同時に行うことができる。
【0012】
図2は図1の基板処理装置の平面図である。ただし、基板処理にかかる紫外線照射手段と処理液供給手段に相当する部分の図2への図示は省略されている。この基板処理装置は、基板Wよりも若干大きな平面サイズを有するスピンベース1を有している。このスピンベース1の上面周縁には、複数の基板保持部2が本発明の「基板保持手段」として回転中心Paを中心として放射状に配置されている。そして、各基板保持部2が基板Wの端部と当接しており、基板Wは、その基板表面WSを上方に向けた状態で、かつ略水平状態で支持される。なお、基板保持部2の構成および作用については後で詳述する。
【0013】
また、スピンベース1には、図1に示すように、回転軸31が連結されている。また、この回転軸31はベルト32を介してモータ33の出力回転軸34と連結されており、モータ33が作動するのに伴って回転する。これによって、スピンベース1の上方で基板保持部2により保持されている基板Wはスピンベース1とともに回転中心Pa回りに回転する。
【0014】
こうして回転駆動される基板Wの表面WSに対してエッチング液(薬液)およびリンス液を供給すべく、本発明の「処理液供給手段」としてノズル4がスピンベース1の上方位置に配置されている。このノズル4には、薬液吐出用開閉弁51を介して薬液供給源52が接続されている。そして、薬液供給源52を作動させた状態で薬液吐出用開閉弁51が開くと、薬液供給源52からノズル4にエッチング液が供給され、ノズル4から基板保持部2により保持された基板Wの表面WSにエッチング液が吐出される。このように本実施形態では、ノズル4と薬液供給源52とにより本発明の「処理液供給手段」が構成されている。
【0015】
また、このノズル4には、リンス液吐出用開閉弁53を介してリンス液供給源54が接続されている。そして、リンス液供給源54を作動させた状態でリンス液吐出用開閉弁53が開くと、リンス液供給源54からノズル4にリンス液が基板表面WSに吐出される。したがって、2つの開閉弁51、53を開閉制御することによってノズル4からエッチング液およびリンス液の一方を基板表面WSに選択的に供給可能となっている。なお、この実施形態では、ノズル4を共用しているが、それぞれ専用のノズルを設けるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0016】
このノズル4の胴部41には支持アーム42が取り付けられている。また、ノズル4は支持アーム42ごと、昇降・移動機構43によって、基板表面WS面内をエッチング液やリンス液が供給される供給開始位置から回転中心Paを通って供給終了位置に向かうように揺動可能となっている。さらに、後述する紫外線照射時には所定の退避位置まで揺動して待機可能となっている(図1中の破線参照)。すなわち、支持アーム42には、回転モータ431の回転軸432が連結されている。この回転モータ431が回転駆動されることによって回転中心Pbの周りにノズル4を基板W上で揺動させる。
【0017】
回転モータ431を搭載している昇降ベース434は、立設されたガイド435に摺動自在に嵌め付けられているとともに、ガイド435に並設されているボールネジ436に螺合されている。このボールネジ436は、昇降モータ437の回転軸に連動連結されている。また、この昇降モータ437が駆動されると、ボールネジ436を回転させてノズル4を上下方向に昇降させる。つまり、昇降・移動機構43により、ノズル4が昇降および揺動移動するようになっている。
【0018】
また、スピンベース1の周囲には、ノズル4から吐出されたエッチング液やリンス液が飛散するのを防止するために、飛散防止カップ7が配備されている。この飛散防止カップ7は、図示していない搬送手段が未処理の基板Wをスピンベース1上の基板保持部2に載置したり、処理済の基板Wを基板保持部2から受け取る際には、下方に駆動される。なお、図1では、カップ7を下降させた状態を示している。また、カップ7を上昇させることでスピンベース1および基板保持部2で保持された基板Wを側方位置から取り囲み、スピンベース1および基板Wから飛散するエッチング液やリンス液を捕集可能となっている。
【0019】
こうしてカップ7により捕集されたエッチング液などは配管81を介して回収部82に一時的に回収される。この回収部82は薬液循環駆動部83を介して薬液供給源52に接続されている。また、この回収部82は分離廃液機能を有しており、回収部82に回収された液体成分のうちエッチング液を選択的に分離する。そして、分離されたエッチング液は薬液循環駆動部83によって薬液供給源52に戻されて再利用に供せられる。一方、リンス液については図示を省略する配管を介して廃液される。
【0020】
さらに、スピンベース1の上方には、基板保持部2により保持された基板Wの表面WSに向けて紫外線を照射するランプユニット9が上下方向に昇降自在に配置されている。このランプユニット9は、平面サイズが基板表面WSの平面サイズと同一またはそれ以上となっているユニット本体91を有しており、基板表面WSに接近移動されると、基板表面WSを上方より覆うように構成されている。また、このユニット本体91の下面側に複数の紫外線ランプ92(例えばウシオ電機製のバリアランプ)が取り付けられており、点灯/消灯制御される。そして、紫外線ランプ92が点灯すると、ランプユニット9の下面、つまり基板保持部2により保持された基板Wの表面WSと対向する照射面94の全体から紫外線が基板表面WSに向けて照射される。なお、この照射面94はユニット本体91と同一の平面サイズを有しており、基板表面WSの平面サイズと同一またはそれ以上となっている。したがって、基板保持部2にも直接紫外線が照射されることになる。
【0021】
このランプユニット9の上面中央には垂直コラム95が取り付けられている。また、この垂直コラム95の上端は水平ビーム96によってランプ昇降駆動機構97と連結されている。そして、ランプ昇降駆動機構97が作動することでランプユニット9が水平ビーム96および垂直コラム95とともに一体的に昇降移動される。このように、この実施形態では、本発明の「紫外線照射手段」たるランプユニット9を上下方向に移動させることにより基板保持部2とランプユニット9との距離Lを変更可能に構成している。したがって、例えば基板の搬入出に際しては、紫外線ランプ92を消灯させておいて、搬入出される基板との干渉が回避されるようにランプユニット9を基板保持部2に保持された基板Wから上方に離間移動させることができる一方で、基板表面WSに紫外線を照射する際には、基板表面WSと照射面94とを近接させた状態で紫外線ランプ92を点灯させて、基板表面WSに向けて紫外線を照射することができる。また、基板表面WSと照射面94とのギャップを処理液の厚み等に応じて調整することで、紫外線が基板表面WSに効率的に照射され、処理効果を高めることが可能となっている。
【0022】
図3は基板保持部の一実施形態を示す組立斜視図である。また、図4と図5はそれぞれ図3の基板保持部の断面図と平面図である。なお、上記複数の基板保持部2はいずれも同一構成を有しているため、ここでは一の基板保持部2の構成について図3ないし図5を参照しつつ説明する。
【0023】
基板保持部2は、スピンベース1の上面周縁に配設される本体部材21と、本体部材21に立設される支持ベース部材23と、支持ベース部材23に対して着脱可能な状態に軸支される基板保持部材22とを備えている。本体部材21には締結用ネジ24の先端部を挿通可能な貫通孔211が形成される一方、支持ベース部材23には鉛直軸A0に沿って締結用ネジ24に対応する雌ネジが刻設されたネジ孔が形成されている。そして、円筒状に形成された基板保持部材22の中空部に支持ベース部材23の軸部を挿通した状態で支持ベース部材23を本体部材21に立設し、本体部材21の下面から締結用ネジ24の先端部を鉛直軸A0に沿って貫通孔211に挿通することで支持ベース部材23のネジ孔に螺合させている。このように本実施形態では締結用ネジ24を用いて本体部材21と支持ベース部材23とを固着するように構成しているので、締結用ネジ24の嵌脱により基板保持部材22の着脱を自在にすることができる。
【0024】
この実施形態では、基板保持部材22を、エッチング液や洗浄液などの処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成している。これにより、次のような作用効果が得られる。すなわち、処理液の付着による材質の劣化を防止することができ、基板保持部材22の長期使用によるランニングコストの低減を図ることができる。また、材料が有する弾力性のため基板保持時のチッピングが発生するのを防止することができ、基板Wに対して損傷を与えることなく、基板Wを確実に保持することができる。
【0025】
一方、支持ベース部材23については、セラミックスや石英で形成されている。これにより、ランプユニット9より基板表面WSに向けて照射される紫外線Uによるダメージを回避することができる。また、支持ベース部材23の頂部半径R1が、図4や図5に示すように基板Wの外周端面と基板保持部材22との当接箇所Waを含む円周の半径R2より大きくなるように支持ベース部材23は形成されている。そのため、ランプユニット9からの紫外線のうち基板保持部材22に向けて照射される紫外線Uは支持ベース部材23の頂部に遮蔽される。したがって、基板保持部材22に紫外線Uが直接照射されることがなく、基板保持部材22の紫外線照射ダメージによる材質の劣化を抑えることができる。
【0026】
また、上記したように、基板保持部材22は、本体部材21と支持ベース部材23から着脱自在に構成している。このため、基板保持部材22が、基板の処理回数や処理時間に応じて基板Wとの当接によって磨耗した場合や処理液付着によって材質劣化した場合でも、本体部材21はスピンベース1に配置したまま基板保持部材22のみを取り外し、新品に交換することができる。したがって、基板保持部2全体を交換する場合に比べて、メンテナンスの経済性と利便性を向上させることができる。
【0027】
さらに、基板保持部材22には、基板Wの外周端面が当接する箇所に傾斜面22aが設けられるとともに、この傾斜面22aに基板Wが載置されることにより、基板Wの落下を防止している。そのため、基板Wと基板保持部材22との当接箇所を最小限に抑えながら基板Wを保持することでき、基板外周端面の当接箇所の洗浄等が基板保持部材22に阻まれて不完全となることがない。
【0028】
なお、本発明にかかる基板保持手段たる基板保持部2は、特に、図1に示す基板処理装置において、基板の処理効果を高めるために基板表面WSにエッチング液などの処理液を供給して照射面94を基板表面WSに近接させて紫外線を照射する場合に有効である。この場合、基板保持部2には照射面94と近接した位置から紫外線が直接照射されることになるため、基板保持部2に与えるダメージは遠方から紫外線を照射する場合に比べてはるかに大きい。さらに、基板保持部2には処理液が付着した状態で紫外線が直接照射されることになるため、処理液と紫外線照射によるエッチングの相乗効果により、さらに基板保持部2に与えるダメージは大きくなる。そのため、従来の耐薬品性を有する樹脂のみで形成された基板保持部では、紫外線照射ダメージによる著しい材質の劣化が見られていた。
【0029】
これに対し、本発明にかかる基板保持部2は、基板保持部2の材質を基板外周端面と当接して基板Wを保持する基板保持部材22と、基板保持部材22を支持する支持ベース部材23とで分けている。すなわち、基板保持部材22を耐薬品性を有する樹脂で形成する一方、支持ベース部材23をセラミックスや石英で形成しているため、基板保持時のチッピングの発生を防止しながらも、紫外線照射ダメージを受けることがない。そのため、基板表面WSに処理液を供給して照射面94を基板表面WSに近接させて紫外線を照射する場合であっても、基板Wに損傷を与えることなく基板Wを保持しながら紫外線照射ダメージによる材質の劣化を抑えることができる。
【0030】
また、上記実施形態では、支持ベース部材23の部材全体をセラミックスや石英で形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば紫外線照射される外周部分のみをセラミックスや石英で形成するようにしてもよく、紫外線照射されない部材内部については、その材質を問わない。また、支持ベース部材23のみならず本体部材21および締結用ネジ24をすべてセラミックスや石英で形成することも可能である。これによって、ステンレス等の金属で形成する場合と比較して締結用ネジ24の嵌脱時に起こる部材の磨耗による金属汚染を防止することができる。
【0031】
図6は基板保持部の別の実施形態を示す組立斜視図である。また、図7は図6の基板保持部の断面図である。この実施形態では、基板保持部2は、スピンベース1の上面周縁に配設される本体部材25と、本体部材25に立設される支持ベース部材27と、支持ベース部材27に着脱可能な状態に嵌入された基板保持部材26とを備えている。支持ベース部材27の軸部には水平方向に基板保持部材26の先端部に対応したピン孔271が形成されており、ピン孔271に基板保持部材26の先端部を嵌入・抜出することで基板保持部材26を着脱することができる。
【0032】
なお、基板保持部材26の頂部には、基板Wの外周端面が当接する箇所に傾斜面26aが設けられるとともに、この傾斜面26aに基板Wが載置されることにより、基板Wの落下を防止している。そのため、基板Wと基板保持部材26との当接箇所を最小限に抑えながら基板Wを保持することでき、基板外周端面の当接箇所の洗浄等が基板保持部材26に阻まれて不完全となることがない。
【0033】
また、基板保持部材26および支持ベース部材27の各材質については、先の実施形態と全く同一である。すなわち、基板保持部材26は、エッチング液や洗浄液などの処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成されているため、処理液の付着による材質の劣化を防止することができる。さらに、樹脂材料が有する弾力性のため基板保持時のチッピングが発生するのを防止することができ、基板Wに対して損傷を与えることなく基板Wを保持することができる。一方、支持ベース部材27は、セラミックスや石英で形成されているため、ランプユニット9より基板表面WSに向けて照射される紫外線Uによるダメージを受けることがない。また、先の実施形態と同様に基板保持部材26に向けて照射される紫外線Uは支持ベース部材27の頂部に遮蔽されて基板保持部材26に紫外線Uが直接照射されることを防止することができる。そのため、基板保持部材26の紫外線照射ダメージによる材質の劣化を効果的に抑えることができる。
【0034】
なお、この実施形態によれば、先の実施形態と同様に基板保持部材26は、支持ベース部材27から着脱自在に構成している。このため、基板保持部材26が、基板の処理回数や処理時間に応じて基板Wとの当接によって磨耗した場合や処理液付着によって材質が劣化した場合でも、本体部材25と支持ベース部材27はスピンベース1に配置したまま基板保持部材26のみを取り外し、新品に交換することができる。したがって、基板保持部2全体を交換する場合に比べて、メンテナンスの経済性と利便性を向上させることができる。しかも、この実施形態によれば、支持ベース部材27を取り外すことなく基板保持部材26を交換することができるため、さらに利便性が向上する。
【0035】
また、上記実施形態では、先の実施形態と同様に支持ベース部材27の部材全体をセラミックスや石英で形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば紫外線照射される外周部分のみをセラミックスや石英で形成するようにしてもよく、紫外線照射されない部材内部については、その材質を問わない。また、本体部材25についてもセラミックスや石英で形成することによって支持ベース部材27と一体的に形成することも可能である。このようにすることで、本体部材25と支持ベース部材27を固着するために付加的な構成を設ける必要がなくなるというメリットがある。
【0036】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、エッチング液を基板Wに供給してエッチング処理する基板処理装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、基板に処理液(現像液、洗浄液など)を供給して所定の基板処理を施す基板処理装置全般に適用可能である。
【0037】
また、上記実施形態では、基板保持部材2に基板Wの外周端面が当接する箇所に傾斜面を設けて、この傾斜面に基板を載置することにより基板Wを保持しているが、基板Wの保持方法としては、これに限定されるものではない。例えば図8に示すように基板保持部2の本体部材25の上面から複数の支持ピン29を立設させ、これらの支持ピン29により基板Wを下面側から略水平状態で支持するとともに、基板保持部材28によって基板Wの水平方向の移動を規制するようにしてもよい。このように基板保持部材28と支持ピン29とにより基板Wを保持する装置においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、基板保持部を、耐薬品性を有する樹脂で形成した基板保持部材と、セラミックスや石英で形成した支持ベース部材とにより構成することで、基板保持時のチッピングの発生を防止しながら紫外線照射ダメージによる材質の劣化を抑えることができる。しかも、基板保持部材は着脱自在な構成にしているため、メンテナンスの経済性と利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の基板処理装置の平面図である。
【図3】基板保持部の一実施形態を示す組立斜視図である。
【図4】図3の基板保持部の断面図である。
【図5】図3の基板保持部の平面図である。
【図6】基板保持部の別の実施形態を示す組立斜視図である。
【図7】図6の基板保持部の断面図である。
【図8】基板保持部の変形態様を示す図である。
【符号の説明】
2…基板保持部(基板保持手段)
4…ノズル(処理液供給手段)
9…ランプユニット(紫外線照射手段)
22、26、28…基板保持部材
23、27…支持ベース部材
52…薬液供給源(処理液供給手段)
U…紫外線
W…基板
WS…基板表面
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)の表面に対して処理液を供給してエッチング処理、洗浄処理などの基板処理を施す基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の基板処理装置では、基板保持手段に保持された基板の表面にエッチング液や洗浄液などの処理液を供給してエッチング処理など基板処理が実行されるが、この基板処理の効率を高めるために、さらに基板表面に紫外線を照射する技術が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の基板処理装置では、箱形の処理室内に基板の外周端面を基板支持手段により保持する、いわゆるメカチャック方式で基板が基板支持手段により保持されている。また、基板保持手段に保持された基板の上方には、エッチング液供給用のノズルや洗浄液供給用のノズルなどが配置されており、各ノズルからエッチング液や洗浄液を基板表面に供給可能となっている。また、処理室の天井部にハロゲンランプなどの紫外線照射用光源が設けられており、該光源から紫外線を基板の表面に照射可能となっている。
【0003】
そして、この基板処理装置では、まず紫外線照射用光源を点灯させて基板表面に紫外線を照射して基板表面に設けられた溝の内周面の活性化を図っている。また、その活性化処理に続いて、基板を回転させながらノズルからエッチング液を基板表面に供給してエッチング処理を行っている。また、この従来装置では、紫外線を基板表面に照射したまま基板表面にエッチング液などの処理液を供給してエッチング処理や洗浄処理などを行う場合もある。
【0004】
【特許文献1】
特公平4−15614号公報(第2−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、特許文献1に記載の装置では、単に基板に処理液を供給するのみならず、紫外線を基板表面に照射しているため、基板の処理効果を向上させることができる。しかしながら、紫外線を基板表面に向けて照射しているため、次のような問題が発生していた。すなわち、基板処理装置の構成要素のうち紫外線照射を受ける部分については、紫外線照射によって激しいダメージを受け、材質が劣化するという問題が発生することがあった。特に、基板の外周端面に当接して基板を保持する基板保持手段は、処理液が付着する関係上、耐薬品性を有する樹脂で形成される場合が多く、該基板保持手段への紫外線照射により基板保持手段の材質が著しく劣化するという問題点があった。
ここで、材質の劣化を抑えるために基板保持手段をセラミックスや石英で形成することも考えられるが、この場合、基板保持時にチッピング(基板の欠け)が発生し、基板の損傷を引き起こすという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、基板に紫外線を照射するとともに、該基板に処理液を供給する基板処理装置において、紫外線照射による材質の劣化を抑えながら、基板に損傷を与えることなく基板を保持することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、基板表面に処理液を供給する処理液供給手段と、前記基板表面に向けて紫外線を射出する紫外線照射手段と、前記基板の外周端面に離間して配置された支持ベース部材と該支持ベース部材に支持されて前記基板の外周端面に当接して前記基板を保持する基板保持部材を有する基板保持手段とを備え、前記支持ベース部材のうち少なくとも前記紫外線照射手段によって紫外線照射される部分をセラミックスまたは石英で形成する一方、前記基板保持部材を前記処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成したことを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明では、支持ベース部材のうち少なくとも紫外線照射される部分がセラミックスまたは石英で形成されており、耐紫外線性を有している。したがって、紫外線照射による材質の劣化を抑えることができる。一方、基板の外周端面と当接する基板保持部材については、処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成されている。このように耐薬品性樹脂からなる基板保持部材で基板を直接保持することによって、処理液による材質の劣化を防ぎつつ、チッピングの発生による基板の損傷を防ぐことができる。
【0009】
また、本発明は、前記支持ベース部材が、前記基板保持部材に向けて照射される紫外線を遮蔽するように形成されたことを特徴としている。このように構成された発明では、支持ベース部材が、基板保持部材に向けて照射される紫外線を遮蔽する。したがって、基板保持部材が紫外線照射によるダメージを受けることがないため、紫外線照射ダメージによる基板保持部材の材質の劣化を効果的に抑えることができる。
【0010】
また、本発明は、前記基板保持部材が、前記支持ベース部材に着脱自在となっていることを特徴としている。このように構成された発明では、基板保持部材が基板の処理回数や処理時間に応じて磨耗した場合や処理液付着により材質が劣化した場合でも、基板保持部材を容易に交換することが可能となる。そのため、支持ベース部材を含む基板保持部全体を交換することなく必要に応じて基板保持部材のみを交換することができ、メンテナンスの経済性と利便性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。この基板処理装置では、同一装置内で、半導体ウエハなどの基板Wの表面WSに対して紫外線が照射されるとともに、基板表面WSに対してエッチング液が本発明の「処理液」として供給されてエッチング処理が行われ、さらに純水などのリンス液によるリンス処理およびスピン乾燥処理が順番に行われる。なお、紫外線照射はエッチング液の供給前後または供給と同時に行うことができる。
【0012】
図2は図1の基板処理装置の平面図である。ただし、基板処理にかかる紫外線照射手段と処理液供給手段に相当する部分の図2への図示は省略されている。この基板処理装置は、基板Wよりも若干大きな平面サイズを有するスピンベース1を有している。このスピンベース1の上面周縁には、複数の基板保持部2が本発明の「基板保持手段」として回転中心Paを中心として放射状に配置されている。そして、各基板保持部2が基板Wの端部と当接しており、基板Wは、その基板表面WSを上方に向けた状態で、かつ略水平状態で支持される。なお、基板保持部2の構成および作用については後で詳述する。
【0013】
また、スピンベース1には、図1に示すように、回転軸31が連結されている。また、この回転軸31はベルト32を介してモータ33の出力回転軸34と連結されており、モータ33が作動するのに伴って回転する。これによって、スピンベース1の上方で基板保持部2により保持されている基板Wはスピンベース1とともに回転中心Pa回りに回転する。
【0014】
こうして回転駆動される基板Wの表面WSに対してエッチング液(薬液)およびリンス液を供給すべく、本発明の「処理液供給手段」としてノズル4がスピンベース1の上方位置に配置されている。このノズル4には、薬液吐出用開閉弁51を介して薬液供給源52が接続されている。そして、薬液供給源52を作動させた状態で薬液吐出用開閉弁51が開くと、薬液供給源52からノズル4にエッチング液が供給され、ノズル4から基板保持部2により保持された基板Wの表面WSにエッチング液が吐出される。このように本実施形態では、ノズル4と薬液供給源52とにより本発明の「処理液供給手段」が構成されている。
【0015】
また、このノズル4には、リンス液吐出用開閉弁53を介してリンス液供給源54が接続されている。そして、リンス液供給源54を作動させた状態でリンス液吐出用開閉弁53が開くと、リンス液供給源54からノズル4にリンス液が基板表面WSに吐出される。したがって、2つの開閉弁51、53を開閉制御することによってノズル4からエッチング液およびリンス液の一方を基板表面WSに選択的に供給可能となっている。なお、この実施形態では、ノズル4を共用しているが、それぞれ専用のノズルを設けるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0016】
このノズル4の胴部41には支持アーム42が取り付けられている。また、ノズル4は支持アーム42ごと、昇降・移動機構43によって、基板表面WS面内をエッチング液やリンス液が供給される供給開始位置から回転中心Paを通って供給終了位置に向かうように揺動可能となっている。さらに、後述する紫外線照射時には所定の退避位置まで揺動して待機可能となっている(図1中の破線参照)。すなわち、支持アーム42には、回転モータ431の回転軸432が連結されている。この回転モータ431が回転駆動されることによって回転中心Pbの周りにノズル4を基板W上で揺動させる。
【0017】
回転モータ431を搭載している昇降ベース434は、立設されたガイド435に摺動自在に嵌め付けられているとともに、ガイド435に並設されているボールネジ436に螺合されている。このボールネジ436は、昇降モータ437の回転軸に連動連結されている。また、この昇降モータ437が駆動されると、ボールネジ436を回転させてノズル4を上下方向に昇降させる。つまり、昇降・移動機構43により、ノズル4が昇降および揺動移動するようになっている。
【0018】
また、スピンベース1の周囲には、ノズル4から吐出されたエッチング液やリンス液が飛散するのを防止するために、飛散防止カップ7が配備されている。この飛散防止カップ7は、図示していない搬送手段が未処理の基板Wをスピンベース1上の基板保持部2に載置したり、処理済の基板Wを基板保持部2から受け取る際には、下方に駆動される。なお、図1では、カップ7を下降させた状態を示している。また、カップ7を上昇させることでスピンベース1および基板保持部2で保持された基板Wを側方位置から取り囲み、スピンベース1および基板Wから飛散するエッチング液やリンス液を捕集可能となっている。
【0019】
こうしてカップ7により捕集されたエッチング液などは配管81を介して回収部82に一時的に回収される。この回収部82は薬液循環駆動部83を介して薬液供給源52に接続されている。また、この回収部82は分離廃液機能を有しており、回収部82に回収された液体成分のうちエッチング液を選択的に分離する。そして、分離されたエッチング液は薬液循環駆動部83によって薬液供給源52に戻されて再利用に供せられる。一方、リンス液については図示を省略する配管を介して廃液される。
【0020】
さらに、スピンベース1の上方には、基板保持部2により保持された基板Wの表面WSに向けて紫外線を照射するランプユニット9が上下方向に昇降自在に配置されている。このランプユニット9は、平面サイズが基板表面WSの平面サイズと同一またはそれ以上となっているユニット本体91を有しており、基板表面WSに接近移動されると、基板表面WSを上方より覆うように構成されている。また、このユニット本体91の下面側に複数の紫外線ランプ92(例えばウシオ電機製のバリアランプ)が取り付けられており、点灯/消灯制御される。そして、紫外線ランプ92が点灯すると、ランプユニット9の下面、つまり基板保持部2により保持された基板Wの表面WSと対向する照射面94の全体から紫外線が基板表面WSに向けて照射される。なお、この照射面94はユニット本体91と同一の平面サイズを有しており、基板表面WSの平面サイズと同一またはそれ以上となっている。したがって、基板保持部2にも直接紫外線が照射されることになる。
【0021】
このランプユニット9の上面中央には垂直コラム95が取り付けられている。また、この垂直コラム95の上端は水平ビーム96によってランプ昇降駆動機構97と連結されている。そして、ランプ昇降駆動機構97が作動することでランプユニット9が水平ビーム96および垂直コラム95とともに一体的に昇降移動される。このように、この実施形態では、本発明の「紫外線照射手段」たるランプユニット9を上下方向に移動させることにより基板保持部2とランプユニット9との距離Lを変更可能に構成している。したがって、例えば基板の搬入出に際しては、紫外線ランプ92を消灯させておいて、搬入出される基板との干渉が回避されるようにランプユニット9を基板保持部2に保持された基板Wから上方に離間移動させることができる一方で、基板表面WSに紫外線を照射する際には、基板表面WSと照射面94とを近接させた状態で紫外線ランプ92を点灯させて、基板表面WSに向けて紫外線を照射することができる。また、基板表面WSと照射面94とのギャップを処理液の厚み等に応じて調整することで、紫外線が基板表面WSに効率的に照射され、処理効果を高めることが可能となっている。
【0022】
図3は基板保持部の一実施形態を示す組立斜視図である。また、図4と図5はそれぞれ図3の基板保持部の断面図と平面図である。なお、上記複数の基板保持部2はいずれも同一構成を有しているため、ここでは一の基板保持部2の構成について図3ないし図5を参照しつつ説明する。
【0023】
基板保持部2は、スピンベース1の上面周縁に配設される本体部材21と、本体部材21に立設される支持ベース部材23と、支持ベース部材23に対して着脱可能な状態に軸支される基板保持部材22とを備えている。本体部材21には締結用ネジ24の先端部を挿通可能な貫通孔211が形成される一方、支持ベース部材23には鉛直軸A0に沿って締結用ネジ24に対応する雌ネジが刻設されたネジ孔が形成されている。そして、円筒状に形成された基板保持部材22の中空部に支持ベース部材23の軸部を挿通した状態で支持ベース部材23を本体部材21に立設し、本体部材21の下面から締結用ネジ24の先端部を鉛直軸A0に沿って貫通孔211に挿通することで支持ベース部材23のネジ孔に螺合させている。このように本実施形態では締結用ネジ24を用いて本体部材21と支持ベース部材23とを固着するように構成しているので、締結用ネジ24の嵌脱により基板保持部材22の着脱を自在にすることができる。
【0024】
この実施形態では、基板保持部材22を、エッチング液や洗浄液などの処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成している。これにより、次のような作用効果が得られる。すなわち、処理液の付着による材質の劣化を防止することができ、基板保持部材22の長期使用によるランニングコストの低減を図ることができる。また、材料が有する弾力性のため基板保持時のチッピングが発生するのを防止することができ、基板Wに対して損傷を与えることなく、基板Wを確実に保持することができる。
【0025】
一方、支持ベース部材23については、セラミックスや石英で形成されている。これにより、ランプユニット9より基板表面WSに向けて照射される紫外線Uによるダメージを回避することができる。また、支持ベース部材23の頂部半径R1が、図4や図5に示すように基板Wの外周端面と基板保持部材22との当接箇所Waを含む円周の半径R2より大きくなるように支持ベース部材23は形成されている。そのため、ランプユニット9からの紫外線のうち基板保持部材22に向けて照射される紫外線Uは支持ベース部材23の頂部に遮蔽される。したがって、基板保持部材22に紫外線Uが直接照射されることがなく、基板保持部材22の紫外線照射ダメージによる材質の劣化を抑えることができる。
【0026】
また、上記したように、基板保持部材22は、本体部材21と支持ベース部材23から着脱自在に構成している。このため、基板保持部材22が、基板の処理回数や処理時間に応じて基板Wとの当接によって磨耗した場合や処理液付着によって材質劣化した場合でも、本体部材21はスピンベース1に配置したまま基板保持部材22のみを取り外し、新品に交換することができる。したがって、基板保持部2全体を交換する場合に比べて、メンテナンスの経済性と利便性を向上させることができる。
【0027】
さらに、基板保持部材22には、基板Wの外周端面が当接する箇所に傾斜面22aが設けられるとともに、この傾斜面22aに基板Wが載置されることにより、基板Wの落下を防止している。そのため、基板Wと基板保持部材22との当接箇所を最小限に抑えながら基板Wを保持することでき、基板外周端面の当接箇所の洗浄等が基板保持部材22に阻まれて不完全となることがない。
【0028】
なお、本発明にかかる基板保持手段たる基板保持部2は、特に、図1に示す基板処理装置において、基板の処理効果を高めるために基板表面WSにエッチング液などの処理液を供給して照射面94を基板表面WSに近接させて紫外線を照射する場合に有効である。この場合、基板保持部2には照射面94と近接した位置から紫外線が直接照射されることになるため、基板保持部2に与えるダメージは遠方から紫外線を照射する場合に比べてはるかに大きい。さらに、基板保持部2には処理液が付着した状態で紫外線が直接照射されることになるため、処理液と紫外線照射によるエッチングの相乗効果により、さらに基板保持部2に与えるダメージは大きくなる。そのため、従来の耐薬品性を有する樹脂のみで形成された基板保持部では、紫外線照射ダメージによる著しい材質の劣化が見られていた。
【0029】
これに対し、本発明にかかる基板保持部2は、基板保持部2の材質を基板外周端面と当接して基板Wを保持する基板保持部材22と、基板保持部材22を支持する支持ベース部材23とで分けている。すなわち、基板保持部材22を耐薬品性を有する樹脂で形成する一方、支持ベース部材23をセラミックスや石英で形成しているため、基板保持時のチッピングの発生を防止しながらも、紫外線照射ダメージを受けることがない。そのため、基板表面WSに処理液を供給して照射面94を基板表面WSに近接させて紫外線を照射する場合であっても、基板Wに損傷を与えることなく基板Wを保持しながら紫外線照射ダメージによる材質の劣化を抑えることができる。
【0030】
また、上記実施形態では、支持ベース部材23の部材全体をセラミックスや石英で形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば紫外線照射される外周部分のみをセラミックスや石英で形成するようにしてもよく、紫外線照射されない部材内部については、その材質を問わない。また、支持ベース部材23のみならず本体部材21および締結用ネジ24をすべてセラミックスや石英で形成することも可能である。これによって、ステンレス等の金属で形成する場合と比較して締結用ネジ24の嵌脱時に起こる部材の磨耗による金属汚染を防止することができる。
【0031】
図6は基板保持部の別の実施形態を示す組立斜視図である。また、図7は図6の基板保持部の断面図である。この実施形態では、基板保持部2は、スピンベース1の上面周縁に配設される本体部材25と、本体部材25に立設される支持ベース部材27と、支持ベース部材27に着脱可能な状態に嵌入された基板保持部材26とを備えている。支持ベース部材27の軸部には水平方向に基板保持部材26の先端部に対応したピン孔271が形成されており、ピン孔271に基板保持部材26の先端部を嵌入・抜出することで基板保持部材26を着脱することができる。
【0032】
なお、基板保持部材26の頂部には、基板Wの外周端面が当接する箇所に傾斜面26aが設けられるとともに、この傾斜面26aに基板Wが載置されることにより、基板Wの落下を防止している。そのため、基板Wと基板保持部材26との当接箇所を最小限に抑えながら基板Wを保持することでき、基板外周端面の当接箇所の洗浄等が基板保持部材26に阻まれて不完全となることがない。
【0033】
また、基板保持部材26および支持ベース部材27の各材質については、先の実施形態と全く同一である。すなわち、基板保持部材26は、エッチング液や洗浄液などの処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成されているため、処理液の付着による材質の劣化を防止することができる。さらに、樹脂材料が有する弾力性のため基板保持時のチッピングが発生するのを防止することができ、基板Wに対して損傷を与えることなく基板Wを保持することができる。一方、支持ベース部材27は、セラミックスや石英で形成されているため、ランプユニット9より基板表面WSに向けて照射される紫外線Uによるダメージを受けることがない。また、先の実施形態と同様に基板保持部材26に向けて照射される紫外線Uは支持ベース部材27の頂部に遮蔽されて基板保持部材26に紫外線Uが直接照射されることを防止することができる。そのため、基板保持部材26の紫外線照射ダメージによる材質の劣化を効果的に抑えることができる。
【0034】
なお、この実施形態によれば、先の実施形態と同様に基板保持部材26は、支持ベース部材27から着脱自在に構成している。このため、基板保持部材26が、基板の処理回数や処理時間に応じて基板Wとの当接によって磨耗した場合や処理液付着によって材質が劣化した場合でも、本体部材25と支持ベース部材27はスピンベース1に配置したまま基板保持部材26のみを取り外し、新品に交換することができる。したがって、基板保持部2全体を交換する場合に比べて、メンテナンスの経済性と利便性を向上させることができる。しかも、この実施形態によれば、支持ベース部材27を取り外すことなく基板保持部材26を交換することができるため、さらに利便性が向上する。
【0035】
また、上記実施形態では、先の実施形態と同様に支持ベース部材27の部材全体をセラミックスや石英で形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば紫外線照射される外周部分のみをセラミックスや石英で形成するようにしてもよく、紫外線照射されない部材内部については、その材質を問わない。また、本体部材25についてもセラミックスや石英で形成することによって支持ベース部材27と一体的に形成することも可能である。このようにすることで、本体部材25と支持ベース部材27を固着するために付加的な構成を設ける必要がなくなるというメリットがある。
【0036】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、エッチング液を基板Wに供給してエッチング処理する基板処理装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、基板に処理液(現像液、洗浄液など)を供給して所定の基板処理を施す基板処理装置全般に適用可能である。
【0037】
また、上記実施形態では、基板保持部材2に基板Wの外周端面が当接する箇所に傾斜面を設けて、この傾斜面に基板を載置することにより基板Wを保持しているが、基板Wの保持方法としては、これに限定されるものではない。例えば図8に示すように基板保持部2の本体部材25の上面から複数の支持ピン29を立設させ、これらの支持ピン29により基板Wを下面側から略水平状態で支持するとともに、基板保持部材28によって基板Wの水平方向の移動を規制するようにしてもよい。このように基板保持部材28と支持ピン29とにより基板Wを保持する装置においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、基板保持部を、耐薬品性を有する樹脂で形成した基板保持部材と、セラミックスや石英で形成した支持ベース部材とにより構成することで、基板保持時のチッピングの発生を防止しながら紫外線照射ダメージによる材質の劣化を抑えることができる。しかも、基板保持部材は着脱自在な構成にしているため、メンテナンスの経済性と利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の基板処理装置の平面図である。
【図3】基板保持部の一実施形態を示す組立斜視図である。
【図4】図3の基板保持部の断面図である。
【図5】図3の基板保持部の平面図である。
【図6】基板保持部の別の実施形態を示す組立斜視図である。
【図7】図6の基板保持部の断面図である。
【図8】基板保持部の変形態様を示す図である。
【符号の説明】
2…基板保持部(基板保持手段)
4…ノズル(処理液供給手段)
9…ランプユニット(紫外線照射手段)
22、26、28…基板保持部材
23、27…支持ベース部材
52…薬液供給源(処理液供給手段)
U…紫外線
W…基板
WS…基板表面
Claims (3)
- 基板表面に処理液を供給する処理液供給手段と、
前記基板表面に向けて紫外線を射出する紫外線照射手段と、
前記基板の外周端面に離間して配置された支持ベース部材と、該支持ベース部材に支持されて前記基板の外周端面に当接して前記基板を保持する基板保持部材とを有する基板保持手段とを備え、
前記支持ベース部材のうち少なくとも前記紫外線照射手段によって紫外線照射される部分をセラミックスまたは石英で形成する一方、前記基板保持部材を前記処理液に対する耐薬品性を有する樹脂で形成したことを特徴とする基板処理装置。 - 前記支持ベース部材が、
前記基板保持部材に向けて照射される紫外線を遮蔽するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。 - 前記基板保持部材が、
前記支持ベース部材に着脱自在となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
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