JP2005019300A - 有機el素子 - Google Patents

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正典 吉田
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Abstract

【課題】有機EL構造体の応力破壊を生じることなく、簡便な方法で形状保持性の高い保護膜が形成できる有機EL素子を提供すること。
【解決手段】基板1上に少なくとも1つの有機EL構造体を含む有機EL表示部12を有し、該有機EL表示部12上を硬化型樹脂層8にて被覆してある有機EL素子であって、前記硬化型樹脂層8が、該硬化型樹脂層8を構成する硬化型樹脂の硬化を阻害する硬化阻害材料7を介して前記有機EL表示部12に接している。これにより、有機EL表示部に接する部位の硬化型樹脂のみを未硬化として膜応力を緩和し、有機EL素子の応力破壊を防止すると同時に、それ以外の部位を硬化させることにより、硬化型樹脂層による素子全体の形状保持性を高めることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機化合物からなる薄膜に電界を印加することにより光を放出する有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子とは、陰極と陽極との間に流れる電流によって、両電極間に在る有機化合物が発光する素子のことである。
【0003】
有機EL素子は自発光性であるために視認性が高いと同時に、液晶表示素子に比し、薄型軽量化が可能であるため、特にモバイル用途での応用展開が進められている。
【0004】
有機EL素子の断面構造の一例を、図1に示す。図中、101は基板、102は金属電極、103は正孔輸送層、104は発光層、105は電子輸送層、106は透明電極をそれぞれ表しており、基板側とは反対側の面から発光107を取り出して発光表示を行う。本明細書中では、一対の電極(102、106)と該一対の電極により挟まれた有機層(103、104、105)とを少なくとも含む構造体を有機EL構造体と称する。図1に示すように、基板側とは反対側の面から発光を取り出す構造の有機EL素子は一般にトップエミッション素子と呼ばれ、基板裏面より発光表示を行うボトムエミッション素子に比べ、開口率を高めることができる利点がある。
【0005】
しかしながら、有機EL素子には、微量の水分や酸素により、有機発光性材料の変質、あるいは、発光層と電極間の剥離を生じ、発光効率の低下、非発光領域の増大等の表示性能劣化が発生することがある。
【0006】
この問題を解決する手段として、素子全体を、乾燥剤を含有した樹脂膜で被覆する取り組みがなされている。例えば、特開平11−040344号公報(特許文献1)では、素子全体をUV硬化性樹脂で被覆保護する方法が開示されている。しかしながら、このような方法で有機EL素子上に保護膜を形成した場合、保護膜の硬化収縮による応力のために、素子の表面が破壊される恐れもあった。
【0007】
一方、流動性のある樹脂で素子表面を被覆し、素子表面の応力を緩和する取り組みがなされている。たとえば、特開平8−124677号公報(特許文献2)、特開平9−204981号公報(特許文献3)では、素子と対向基板間をシリコーンオイル、シリコーンゲルで被覆する取り組みが報告されている。
【0008】
しかしながら、シリコーンオイルやゲルは、流動性を持つがために、素子表面を指で加圧した場合、素子と対向基板間のギャップが変化し、その結果、特に、トップエミッション素子において、表示側に保護膜の膜厚ムラに起因する干渉縞が現れ、表示品位が悪化することがあった。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−40344号公報
【特許文献2】
特開平8−124677号公報
【特許文献3】
特開平9−204981号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機EL構造体の応力破壊を生じることなく、簡便な方法で形状保持性の高い保護膜が形成できる有機EL素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための発明は、
基板上に少なくとも1つの有機EL構造体を含む有機EL表示部を有し、該有機EL表示部上を硬化型樹脂層にて被覆してある有機EL素子であって、
前記硬化型樹脂層が、該硬化型樹脂層を構成する硬化型樹脂の硬化を阻害する硬化阻害材料を介して前記有機EL表示部に接していることを特徴とする。
【0012】
本発明は、
「前記有機EL表示部と前記硬化型樹脂層との間に、前記硬化型樹脂層を構成する硬化型樹脂の硬化を阻害する硬化阻害材料を介在させたこと」、
「前記有機EL表示部の前記基板側とは反対側の面から発光を取り出すトップエミッション素子であり、光取り出し側に前記硬化型樹脂層が形成されていること」、
を好ましい態様として含むものであり、
更には、
「前記硬化型樹脂がシリコーン化合物であり、前記硬化阻害材料がSiNx膜であること」、
「前記硬化型樹脂がシリコーン化合物であり、前記硬化阻害材料がSiOxNy膜であること」、
「前記硬化型樹脂がシリコーン化合物であり、前記硬化阻害材料が含スズ透明電極であること」、
「前記硬化型樹脂がシリコーン化合物であり、前記硬化阻害材料がリン化合物であること」、
「前記硬化型樹脂がアクリル系樹脂であり、前記硬化阻害材料がハイドロキノン誘導体であること」、
「前記硬化型樹脂がアクリル系樹脂であり、前記硬化阻害材料がフェノチアジン誘導体であること」、
「前記硬化型樹脂がアクリル系樹脂であり、前記硬化阻害材料がヂチオカルバミド酸塩誘導体であること」、
を好ましい態様として含むものである。
【0013】
本発明は、硬化型樹脂層が、該硬化型樹脂層を構成する硬化型樹脂の硬化を阻害する硬化阻害材料を介して有機EL表示部に接していることにより、有機EL表示部に接する部位の硬化型樹脂のみを未硬化として膜応力を緩和し、有機EL素子の応力破壊を防止すると同時に、それ以外の部位を硬化させることにより、硬化型樹脂層による素子全体の形状保持性を高めるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の有機EL素子の一例を示す断面図である。
【0015】
図2に示すように本発明は、基板1上に少なくとも1つの有機EL構造体を含む有機EL表示部12を有し、該有機EL表示部12上を硬化型樹脂層8にて被覆してある有機EL素子であって、硬化型樹脂層8が、該硬化型樹脂層8を構成する硬化型樹脂の硬化を阻害する硬化阻害材料を介して有機EL表示部12に接している。図2に示した形態においては、有機EL表示部12と硬化型樹脂層8との間に、硬化型樹脂層8を構成する硬化型樹脂の硬化を阻害する硬化阻害材料7を介在させることで、硬化型樹脂層8が硬化阻害材料7を介して有機EL表示部12に接するようにしている。また、硬化型樹脂層8にて被覆された有機EL表示部12を、更に透明基板10とシール樹脂11により封止してある。
【0016】
前記硬化型樹脂層8のうち、硬化阻害材料7に接する部位が未硬化となるため、硬化型樹脂層8の硬化に伴い有機EL表示部12にかかる膜応力を緩和し、有機EL構造体の応力破壊が防止できる。また同時に硬化型樹脂層8の大部分は硬化する為、形状保持性が高く、指で押される等により加わる押圧力による変形が防止できるという効果がある。
【0017】
したがって、特に、有機EL表示部の基板側とは反対側の面から発光を取り出すトップエミッション素子に本発明を応用した場合、膜応力による素子破壊を防止すると同時に、硬化型樹脂層の変形による干渉縞の発生も防止でき、良好な表示品位の有機EL素子を得ることができる。
【0018】
本発明で使用できる硬化型樹脂としては、▲1▼有機EL表示部の耐熱温度以下、すなわち、少なくとも100℃以下の低温で硬化可能であること。▲2▼硬化時の体積収縮が小さいこと。▲3▼硬化の際、水、アルコール等の副生成物が発生しないこと。▲4▼固有の硬化阻害材料が存在することが要求される。また、トップエミッション素子に用いる場合に、▲5▼可視光領域での光透過性が高いことが必要である。これらの条件を兼ね備えた樹脂として、アクリル系のUV硬化樹脂、付加重合型のシリコーン化合物が好適に利用できる。
【0019】
硬化型樹脂としてシリコーン化合物を用いる場合、硬化阻害材料としては、SiNx膜あるいはSiOxNy等の含窒素化合物、ITO等の含スズ化合物、五酸化リン等のリン化合物を用いることができる。付加重合型シリコーンの硬化メカニズムは触媒存在下でのヒドロシリル化反応、すなわち、2重結合に対するSiH基の付加反応である。この際、窒素化合物、スズ化合物、リン化合物の存在下では触媒が失活して、硬化反応が進まない。したがって、硬化阻害材料近傍の付加重合型シリコーン化合物は硬化せず、膜応力を緩和する。一方、硬化阻害材料に直接接触していない部位のシリコーン化合物は硬化し、高い形状保持性能を発揮する。
【0020】
硬化型樹脂としてアクリル系樹脂を用いる場合、硬化阻害材料としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のハイドロキノン誘導体、フェノチアジン、スチレネーテッドフェノチアジン等のフェノチアジン誘導体、N,N−ジブチルジチオカルバミド酸銅、N,N−ジメチルジチオカルバミド酸ナトリウム、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム、N,N−ジブチルジチオカルバミド酸ナトリウム等のジチオカルバミド酸塩誘導体が使用できる。アクリル系UV硬化樹脂の硬化メカニズムはラジカル反応である為、硬化阻害材料には、上記の化合物以外にも、ラジカルトラップ機能を持つ化合物が幅広く使用できる。
【0021】
また、硬化型樹脂層のHO遮蔽性を高める為に、硬化型樹脂に乾燥剤を添加しても良い。乾燥剤としては、酸化ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、等の金属酸化物、水素化カルシウム、水素化アルミニウムカルシウム等の金属ハイドライド化合物、あるいは、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト等が利用できる。
【0022】
尚、有機EL表示部12は、一対の電極(2、6)と該一対の電極により挟まれた有機層(正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5)とを少なくとも含む構造体である有機EL構造体を少なくとも1つ含んでいれば良いが、複数の有機EL構造体をマトリクス状に並べて配置しておくことにより、駆動回路等を適切に配線してモノクロやカラーの画像表示装置を構成することができる。
【0023】
基板1としては、有機EL構造体を表面に形成できるものであれば良く、例えばソーダライムガラスなどのガラス、樹脂フィルム等の透明絶縁性基板を用いるのが好ましい。
【0024】
両電極のうち、陽極の材料としては仕事関数の大きなものが好ましく、例えばITO、酸化錫、金、白金、パラジウム、セレン、イリジウム、ヨウ化銅などを用いることができる。一方、陰極の材料としては仕事関数が小さなものが望ましく、例えばMg/Ag、Mg、Al、In、Crあるいはこれらの合金などを用いることができる。
【0025】
有機層は、図2のような正孔輸送層、発光層、電子輸送層の3層構成に限られず、電子輸送層が発光層を兼ねる構成や、混合一層構成で正孔輸送層、電子輸送層、蛍光層を兼ねた構成等、従来知られている構成で良い。
【0026】
正孔輸送層としては、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン等が使用できる。また、例えばa−Si、a−SiCなどの無機材料を用いても良い。
【0027】
電子輸送層としては、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等を用いることができる。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0029】
(実施例1)
本発明に基づく実施例1について、図2にしたがって説明する。基板(1)上にスパッタ法により、クロム膜を200nmの厚みで成膜し、金属電極(2)とした。
【0030】
その後、該基板をアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄した。
【0031】
次いで、真空蒸着装置[真空機工社製]を用いて、洗浄後の該基板上に正孔輸送性を有する下記化学式1:
【0032】
【化1】
Figure 2005019300
で表されるαNPDを真空蒸着法により50nmの膜厚で成膜して、正孔輸送層(3)を形成した。蒸着時の真空度は、1.3×10−4Pa、成膜速度は0.2〜0.3nm/secの条件で成膜した。次に、同様の手法で、前記正孔輸送層(3)の上に、化学式2:
【0033】
【化2】
Figure 2005019300
で表される、アルミキレート錯体(Alq3)と、化学式3:
【0034】
【化3】
Figure 2005019300
で表せるクマリン6を100:6の重量比率で共蒸着し、50nmの膜厚で発光層(4)を形成した。次に、電子輸送層(5)として、化学式4:
【0035】
【化4】
Figure 2005019300
で表されるフェナントロリン化合物を10nm成膜した。続いて、透明電極(6)(ITO)をスパッタ法にて150nm成膜して、有機EL表示部(12)を得た。
【0036】
有機EL表示部(12)上に、硬化阻害材料(7)として、CVD法によりSiNx膜を1μm形成した後、スクリーン印刷法により、硬化型シリコーン(TSE3756、GE東芝シリコーン社製)の膜(8)を100μmの厚みで形成し、続いて、透明基板(10)とエポキシ系シール樹脂(アラルダイト、日本チバガイギー社製)(11)で素子全体を封止した。さらに、室温で24時間放置し、硬化性シリコーンを硬化させることにより、表面がシリコーン膜で被覆された有機EL素子を得た。
【0037】
このようにして得られた有機EL素子にヒートサイクル試験(1サイクル:−30℃(30分)+60℃(30分))を行ったが、応力による素子破壊は生じなかった。また、素子表面の指押し試験前後での表示品位の劣化は生じなかった。
【0038】
(実施例2)
実施例1と同様の手法で有機EL表示部(12)を形成した後、硬化阻害材料(7)として、CVD法によりSiOxNy膜を1μm形成し、さらに、スクリーン印刷法により、硬化型シリコーン(TSE3756、GE東芝シリコーン社製)の膜(8)を100μmの厚みで形成し、続いて、透明基板(10)とエポキシ系シール樹脂(アラルダイト、日本チバガイギー社製)(11)で素子全体を封止した。さらに、室温で24時間放置し、硬化性シリコーンを硬化させることにより、表面がシリコーン膜で被覆された有機EL素子を得た。
【0039】
このようにして得られた有機EL素子にヒートサイクル試験(1サイクル:−30℃(30分)+60℃(30分))を行ったが、応力による素子破壊は生じなかった。また、素子表面の指押し試験前後での表示品位の劣化は生じなかった。
【0040】
(実施例3)
実施例1と同様の手法で有機EL表示部(12)を形成した後、スクリーン印刷法によりシリカゲル粉末を分散した硬化型シリコーン(TSE3756、GE東芝シリコーン社製)の膜(8)を100μmの厚みで形成し、室温で24時間放置、硬化型シリコーンを硬化させることにより、表面がシリコーン膜で被覆された有機EL素子を得た(図3)。この場合、ITOは透明電極と、硬化阻害層としての働きを兼ね備える。
【0041】
このようにして得られた有機EL素子にヒートサイクル試験(1サイクル:−30℃(30分)+60℃(30分))を行ったが、応力による素子破壊は生じなかった。また、素子表面の指押し試験前後での表示品位の劣化は生じなかった。
【0042】
(実施例4)
実施例1と同様の手法で有機EL表示部(12)を形成した後、硬化阻害材料(7)として、真空蒸着法でトリフェニルホスフィンを5nmの厚みで成膜し、さらに、スクリーン印刷法により、硬化型シリコーン(TSE3756、GE東芝シリコーン社製)膜(8)を100μmの厚みで形成し、続いて、透明基板(10)とエポキシ系シール樹脂(アラルダイト、日本チバガイギー社製)(11)で素子全体を封止した。さらに、室温で24時間放置し、硬化性シリコーンを硬化させることにより、表面がシリコーン膜で被覆された有機EL素子を得た。
【0043】
このようにして得られた有機EL素子にヒートサイクル試験(1サイクル:−30℃(30分)+60℃(30分))を行ったが、応力による素子破壊は生じなかった。また、素子表面の指押し試験前後での表示品位の劣化は生じなかった。
【0044】
(実施例5)
実施例1と同様の手法で有機EL表示部(12)を形成した後、前記有機EL表示部上に硬化阻害材料(7)として、真空蒸着法でハイドロキノンモノメチルエーテルを5nmの厚みで成膜し、さらに、スクリーン印刷法により、アクリル樹脂(ワールドロック815T、協立化学社製)を100μmの厚みで印刷して、硬化型樹脂層(8)を形成し、続いて、透明基板(10)とエポキシ系シール樹脂(アラルダイト、日本チバガイギー社製)(11)で素子全体を封止した。さらに、素子にUV光を照射することにより、アクリル樹脂を硬化させ、表面がアクリル樹脂膜で被覆された有機EL素子を得た。
【0045】
このようにして得られた有機EL素子にヒートサイクル試験(1サイクル:−30℃(30分)+60℃(30分))を行ったが、応力による素子破壊は生じなかった。また、素子表面の指押し試験前後での表示品位の劣化は生じなかった。
【0046】
(実施例6)
実施例1と同様の手法で有機EL表示部(12)を形成した後、前記有機EL表示部上に硬化阻害材料(7)として、真空蒸着法でフェノチアジンを5nmの厚みで成膜し、さらに、スクリーン印刷法により、アクリル樹脂(ワールドロック815T、協立化学社製)を100μmの厚みで印刷して、硬化型樹脂層(8)を形成し、続いて、透明基板(10)とエポキシ系シール樹脂(アラルダイト、日本チバガイギー社製)(11)で素子全体を封止した。さらに、素子にUV光を照射することにより、アクリル樹脂を硬化させ、表面がアクリル樹脂膜で被覆された有機EL素子を得た。
【0047】
このようにして得られた有機EL素子にヒートサイクル試験(1サイクル:−30℃(30分)+60℃(30分))を行ったが、応力による素子破壊は生じなかった。また、素子表面の指押し試験前後での表示品位の劣化は生じなかった。
【0048】
(実施例7)
実施例1と同様の手法で有機EL表示部(12)を形成した後、前記有機EL表示部上に硬化阻害材料(7)として、真空蒸着法でN,N−ジメチルジチオカルバミド酸ナトリウムを5nmの厚みで成膜し、さらに、スクリーン印刷法により、アクリル樹脂(ワールドロック815T、協立化学社製)を100μmの厚みで印刷して、硬化型樹脂層(8)を形成し、続いて、透明基板(10)とエポキシ系シール樹脂(アラルダイト、日本チバガイギー社製)(11)で素子全体を封止した。さらに、素子にUV光を照射することにより、アクリル樹脂を硬化させ、表面がアクリル樹脂膜で被覆された有機EL素子を得た。
【0049】
このようにして得られた有機EL素子にヒートサイクル試験(1サイクル:−30℃(30分)+60℃(30分))を行ったが、応力による素子破壊は生じなかった。また、素子表面の指押し試験前後での表示品位の劣化は生じなかった。
【0050】
(比較例1)
実施例1と同様の手法で有機EL表示部(12)を形成した後、前記有機EL表示部上に、スクリーン印刷法により、アクリル樹脂(ワールドロック815T、協立化学社製)を100μmの厚みで印刷して、硬化型樹脂層(8)を形成し、続いて、透明基板(10)とエポキシ系シール樹脂(アラルダイト、日本チバガイギー社製)(11)で素子全体を封止した。さらに、素子にUV光を照射することにより、アクリル樹脂を硬化させ、表面がアクリル樹脂膜で被覆された有機EL素子を得た。
【0051】
このようにして得られた有機EL素子にヒートサイクル試験(1サイクル:−30℃(30分)+60℃(30分))を行ったところ、応力による素子破壊起因の非発光部が発生した。
【0052】
(比較例2)
実施例1と同様の手法で有機EL表示部(12)を形成した後、前記有機EL表示部上に、スクリーン印刷法により、シリコーンオイル(TSK5353、GE東芝シリコーン社製)を100μmの厚みで印刷し、続いて、透明基板(10)とエポキシ系シール樹脂(アラルダイト、日本チバガイギー社製)(11)で素子全体を封止し、有機EL素子を得た。
【0053】
このようにして得られた有機EL素子を、指押ししたところ、指押し部位のシリコーン膜が薄くなり、干渉縞が発生した。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、有機EL構造体の応力破壊を生じることなく、形状保持性の高い保護膜を簡便な方法で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な有機EL素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の有機EL素子の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の有機EL素子の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 金属電極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 透明電極
7 硬化阻害材料
8 硬化型樹脂層
10 透明基板
11 シール樹脂
12 有機EL表示部

Claims (10)

  1. 基板上に少なくとも1つの有機EL構造体を含む有機EL表示部を有し、該有機EL表示部上を硬化型樹脂層にて被覆してある有機EL素子であって、
    前記硬化型樹脂層が、該硬化型樹脂層を構成する硬化型樹脂の硬化を阻害する硬化阻害材料を介して前記有機EL表示部に接していることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記有機EL表示部と前記硬化型樹脂層との間に、前記硬化型樹脂層を構成する硬化型樹脂の硬化を阻害する硬化阻害材料を介在させたことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記有機EL表示部の前記基板側とは反対側の面から発光を取り出すトップエミッション素子であり、光取り出し側に前記硬化型樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL素子。
  4. 前記硬化型樹脂がシリコーン化合物であり、前記硬化阻害材料がSiNx膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
  5. 前記硬化型樹脂がシリコーン化合物であり、前記硬化阻害材料がSiOxNy膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
  6. 前記硬化型樹脂がシリコーン化合物であり、前記硬化阻害材料が含スズ透明電極であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
  7. 前記硬化型樹脂がシリコーン化合物であり、前記硬化阻害材料がリン化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
  8. 前記硬化型樹脂がアクリル系樹脂であり、前記硬化阻害材料がハイドロキノン誘導体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
  9. 前記硬化型樹脂がアクリル系樹脂であり、前記硬化阻害材料がフェノチアジン誘導体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
  10. 前記硬化型樹脂がアクリル系樹脂であり、前記硬化阻害材料がヂチオカルバミド酸塩誘導体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機EL素子。
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