JP2007265764A - 有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トップエミッション方式の有機EL素子では表示領域上に吸湿材として光透過性を有する物質を用いると、十分な吸湿能力を得るために吸湿材を厚く設定する必要があり、光が吸湿材によって多分に吸収されてしまうという。一方、非表示領域上のみに、十分な吸湿能力が得るように多量の吸湿材を配置すると、パネルの周辺領域が拡大してしまう。
【解決手段】 気相成膜法を用いて吸湿層を形成したことから、表示領域上の吸湿層を薄膜状に形成することができ、光の吸収率を抑制できる。また、表示領域および非表示領域という異なった2つの場所に吸湿層を形成し、かつ非表示領域に吸湿可能量の大きい吸湿層を設けたことから、十分な吸湿能力を有することができ、また、非表示部の領域の拡大をも抑制することができる。この結果、表示特性に優れ、表示領域の最大化を可能とする長寿命の有機EL素子を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL素子に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイとして有機EL素子が注目されている。有機EL素子は、対向する陽極と陰極からなる一対の電極の間に有機発光層が挟持され、この一対の電極と有機発光層からなる発光部が基板上に固定されている。また、有機発光層は外部駆動回路から電圧が印加されることによって発光し、光取り出し側の電極には有機発光層の光を外部に取り出すためにITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極が用いられている。
このような有機EL素子は、水分に極めて弱いことが知られている。例えば、有機EL素子に水分が浸入した場合、有機EL素子基板上にはダークスポットと称する非発光部分が発生し、発光状態が維持できないといった問題が生じる。そこで、有機EL素子中に浸入する水分による寿命低下を解決するための吸湿材や配置方法などが提案されている。
ところで、有機EL素子においては、基板上の下部電極を透明電極にして、基板側から光を取り出すボトムエミッション方式と、基板上の下部電極と対向する上部電極を透明電極として上部電極側から光を取り出すトップエミッション方式が考えられている。トップエミッション方式は、基板とは逆方向に光を取り出していることから、TFTやキャパシタ等の配置によって発光面積が小さくなるというボトムエミッション方式が有していた課題を解決することができ、発光面積を大きくすることができるという利点がある。
従来、トップエミッション方式の有機EL素子に用いる吸湿材として、表示領域上に光透過性を有する物質を採用しているものがある(特許文献1)。特許文献1には、表示領域上の封止材に多孔性シリカと金属化合物とを含む吸湿材を設ける技術が記載されている。
また、トップエミッション方式を採用した場合であっても、発光部から発光した光が遮られないように、非表示領域上に吸湿材を配置する有機EL素子も提案されている(特許文献2)。
特開2005−158687号公報(第12頁、図1A) 特開2003−142254号公報(第8頁、図1)
しかしながら、表示領域上に吸湿材として光透過性を有する物質を用いた場合にあっては、十分な吸湿能力を得るために吸湿材を厚く設定する必要があり、発光部から発光された光が吸湿材によって多分に吸収されてしまうという問題点がある。また一方で、非表示領域上のみに、十分な吸湿能力が得るように多量の吸湿材を配置すると、パネルの周辺領域が拡大するという問題点が生じる。
そこで、十分な吸湿性能を確保しつつ、表示領域における吸湿材による光吸収を低下させ、しかも非表示領域の拡大を抑制するという複数の課題を同時に解決する有機EL素子が望まれる。
本発明は、以上のような従来技術の問題点に着目し、表示特性に優れ、パネルの表示領域の最大化を可能とする、長寿命の有機EL素子を提供することを目的とするものである。
本発明は、一対の電極間に有機発光層が挟持された発光部を有する有機EL素子基板と封止材とを有する有機EL素子において、有機EL素子基板と封止材との間に気相成膜法により形成された吸湿層を有し、吸湿層が表示領域上に形成されている吸湿層(A)と、非表示領域上に形成されている吸湿層(B)とからなり、吸湿層(A)と吸湿層(B)は共に、有機EL素子基板上または封止材上の一方に形成され、吸湿層(A)と吸湿層(B)の吸湿可能量について、吸湿層(A)よりも吸湿層(B)が大きいことを特徴とする。
本発明において、吸湿層は、気相成膜法を用いることによって有機EL素子基板と封止材との間に形成される。ここで、気相成膜法とは、物理蒸着法(PVD法)と化学気相成長法(CVD法)とを総称したものである。
本発明における表示領域とは、素子の外部から発光情報を視認できる領域のことをいい、非表示領域とは、視認できない領域のことをいう。また、本発明における吸湿可能量とは、吸着層における単位面積あたりの吸湿量のことをいう。
本発明による有機EL素子では、気相成膜法を用いて吸湿層を形成したことから、表示領域上の吸湿層を薄膜状に形成することができ、素子から発光する光の吸収率を抑制することができる。また、表示領域および非表示領域という異なった2つの場所に吸湿層を形成し、かつ非表示領域に吸湿可能量の大きい吸湿層を設けたことから、十分な吸湿能力を有することができ、また、非表示部の領域の拡大をも抑制することができる。この結果、本発明は、表示特性に優れ、表示領域の最大化を可能とする長寿命の有機EL素子を提供することができるものである。
以下、材料の種類が異なる吸湿層であることを説明するために、第一の吸湿層、第二の吸湿層等という用語を用いる。
本発明において、第一の吸湿層と第二の吸湿層を設ける場合、第一の吸湿層は少なくとも吸湿層(A)を形成する。また、第一の吸湿層のみ、すなわち一種類の材料のみを用いて吸湿層(A)および吸湿層(B)を形成してもよい。さらに、第一の吸湿層と第二の吸湿層に加えて第三の吸湿層、すなわち3種の材料を用いて吸湿層(A)および吸湿層(B)を形成してもよい。そして、これら第一の吸湿層および第二の吸湿層等は重畳して形成されていてもよい。
以下に吸湿層(A)および吸湿層(B)の代表的な形成例を材料および膜厚によって記載する。なお、下記(1)は、第一の吸湿層のみで吸湿層(A)および(B)を形成したもの、下記(2)は、第一の吸湿層で吸湿層(A)を形成し、第二の吸湿層で吸湿層(B)を形成したものである。また、下記(3)は、第一の吸湿層と第二の吸湿層が重畳しているもの、下記(4)は、第一から第三までの吸湿層を設けたものである。
(1)吸湿層(A):〔SrO層(第一の吸湿層)、500nm〕
吸湿層(B):〔SrO層(第一の吸湿層)、1000nm〕
(2)吸湿層(A):〔SrO層(第一の吸湿層)、500nm〕
吸湿層(B):〔Sr層(第二の吸湿層)、1000nm〕
(3)吸湿層(A):〔SrO層(第一の吸湿層)、500nm〕
吸湿層(B):〔SrO層(第一の吸湿層)、500nm〕および〔Sr層(第二の吸湿層)、1000nm〕
(4)吸湿層(A):〔SrO層(第一の吸湿層)、500nm〕
吸湿層(B):〔Sr層(第二の吸湿層)、500nm〕および〔CaO層(第三の吸湿層)、1000nm〕
本発明の実施形態において吸湿層は、従来から吸湿材として使用されている物質を適宜用いることができる。例えば、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、及び金属過塩素酸塩などである。
本発明の封止材としては、平板ガラスをカチオン硬化型の紫外線硬化樹脂や、インジウム、インジウム化合物等の金属材料を用いて接着してもよく、平ガラスを利用せずに封止膜として無機膜を設けてもよい。無機膜の材料としては、SiN等の防湿性および透過率の高い材料を用いることが好ましい。
〔第一の実施形態〕
図2は有機ELパネルの上面図を示したものであり、図1は、本発明の第一の実施形態における図2のA−A線断面図を示したものである。第一の実施形態では、第一の吸湿層8および第二の吸湿層12は共に封止材としての封止ガラス11の上に形成しており、かつ両層は重畳している。
本発明の第一の実施形態において、第一の吸湿層8は、表示領域14および非表示領域15の上に形成していることから、吸湿層(A)および吸湿層(B)を構成している。そして、第二の吸湿層12は非表示領域15の上に形成していることから、吸湿層(B)を構成している。
本発明の第一の実施形態では、第一の吸湿層8をSrO層とし、第二の吸湿層12をSr層としているため、Srという一つの金属ターゲットで性質の異なる二つの吸湿層を形成でき、生産性の向上を図ることができる。また、第一の吸湿層8と第二の吸湿層12を重畳して形成したことから、メタルマスクの設計が簡易となる。
さらに、吸湿層を封止ガラス11側に形成したことから、発光部からの発光スペクトルが吸湿層の膜厚ムラを受けにくく、発光特性の向上を図ることができる。また、有機EL素子基板の作成とは別の工程において、封止材に吸湿層を形成できるため、生産性の向上を図ることもできる。
〔第二の実施形態〕
図3は、本発明の第二の実施形態における図2のA−A線断面図を示したものである。図3に用いている符合は図1で用いた符号と同じものを示す。第二の実施形態では、第一の吸湿層8および第二の吸湿層12は共に有機EL素子基板上に形成しており、かつ両層は重畳している。また、封止材としては、封止ガラス11を用いている。
本発明の第二の実施形態において、第一の吸湿層8は、表示領域14および非表示領域15の上に形成していることから、吸湿層(A)および吸湿層(B)を構成している。そして、第二の吸湿層12は非表示領域15の上に形成していることから、吸湿層(B)を構成している。
本発明の第二の実施形態においては、第一の実施形態と同様に、第一の吸湿層8をSrO層とし、第二の吸湿層12をSr層としているため、Srという一つのターゲットで性質の異なる二つの吸湿層を形成でき、生産性の向上を図ることができる。また、第一の吸湿層8と第二の吸湿層12を重畳して形成したことから、メタルマスクの設計が簡易となる。
また、本発明の第二の実施形態によれば、有機EL素子基板上に気相成膜法によって吸湿層を設けていることから、発光部の形成から保護層の形成までを一連の真空環境下で行うことが可能となる。そのため、有機EL発光素子を大気にさらすことなく吸湿層を形成することができ、大気との接触による劣化を防止できる。
さらに、気相成膜法は原子または分子レベルでの堆積法であることから、有機EL素子基板と吸湿層との界面から浸入する水分を防止する効果が高いという利点がある。
〔第三の実施形態〕
図4は、本発明の第三の実施形態における図2のA−A線断面図を示したものである。図4に用いている符合は、図1、図3で用いた符合と同じものを示す。第三の実施形態では、第一の吸湿層8および第二の吸湿層12は共に有機EL素子基板上に形成しており、かつ両層は重畳していない。また、封止材としては、封止ガラス11を用いる。
本発明の第三の実施形態において、第一の吸湿層8は表示領域14の上に形成していることから吸湿層(A)を構成している。そして、第二の吸湿層12は非表示領域15の上に形成していることから吸湿層(B)を構成している。
本発明の第三の実施形態では、第一の吸湿層8として炭酸セシウム(CsCO)層を形成し、第二の吸湿層12としてSr層を形成している。
〔第四の実施形態〕
図5は、本発明の第四の実施形態における図2のA−A線断面図を示したものである。図5に用いている符合は、図1、図3および図4で用いた符合と同じものを示す。第三の実施形態では、第一の吸湿層8および第二の吸湿層12は共に有機EL素子基板上に形成しており、かつ両層は重畳している。また、封止材としては、無機膜16を用いる。
本発明の第四の実施形態において、第一の吸湿層8は、表示領域14および非表示領域15の上に形成していることから、吸湿層(A)および吸湿層(B)を構成している。そして、第二の吸湿層12は非表示領域15の上に形成していることから、吸湿層(B)を構成している。
本発明の第四の実施形態においては、第一、第二、第三の実施形態と同様に、第一の吸湿層をSrOとし、第二の吸湿層Srとしているため、Srという一つの金属ターゲットで性質の異なる二つの吸湿層を形成でき、生産性の向上を図ることができる。また、第一の吸湿層8と第二の吸湿層12を重畳して形成したことから、メタルマスクの設計が簡易となる。
また、本発明の第四の実施形態においては、封止材としてガラス基板ではなく無機膜を用いていることから、薄型化、軽量化が可能となる。
(実験例1)
実験例1は、第一の実施形態に関するものである。図1に示した有機ELパネルを作成するために、ガラス基板上1に、TFT(薄膜トランジスタ)2を作製し、さらに、TFT(薄膜トランジスタ)2を保護する機能を有する絶縁層3を形成した。また、前記TFTバックプレーン形成により生じた凹凸を平坦化するために、有機平坦化層4を形成し、不透明電極5、有機層6、透明電極7からなる有機EL発光部を形成した。そして、画素を分割する素子分離層10を形成した後に、接着剤13と封止ガラス11を用いて封止を行った。
以下、TFTバックプレーン上に有機EL発光部を形成して封止を行うまでを、アノード電極形成、前処理、正孔輸送層形成、発光層形成、電子注入電極層形成、カソード電極形成、吸湿層形成、封止工程、の順で詳細に説明する。
〔アノード電極〕
アノード電極(陽極)は、絶縁層3および有機平坦化層4にコンタクトホールを形成後、Crを100nmの厚さで成膜して、その後、湿式処理を用いてパターンを形成した。
〔前処理〕
次に、正孔輸送層等を形成するに先立って前処理を行った。まず、基板をUVおよびオゾンで洗浄を行い、1×10−2Pa、50℃の環境下で7時間、真空ベークを行った。次に、基板を有機EL蒸着装置へ移して真空排気し、処理室に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し酸素プラズマ洗浄処理を行った。なお、酸素圧力は0.6Pa、処理時間は40秒であった。
〔正孔輸送層〕
正孔輸送層は、基板を前処理室より成膜室へ搬送し、成膜室の真空度が1×10−4Paになるまで排気した後、抵抗加熱蒸着法により、膜厚35nmのαNPDを基板上に形成した。なお、成膜速度は0.2nm/sとした。また、正孔輸送層は格子状のメタルマスクを用いてすべての画素にそれぞれ蒸着した。
〔発光層〕
発光層は、抵抗加熱蒸着法を用いて、膜厚15nmのAlq3層を、正孔輸送層の上に形成した。成膜条件は正孔輸送層の成膜条件と同様に設定した。なお、本実施形態では発光層を各R・G・Bに塗り分けていないが、各R・G・Bに塗り分ける際には、各R・G・Bの配列に対応したメタルマスクを用いてそれぞれの発光層を形成すればよい。
〔電子注入電極層〕
電子注入電極層は、抵抗加熱共蒸着法を用いて、Alq3と炭酸セシウム(CsCO)を発光層上に形成した。Alq3と炭酸セシウム(CsCO)の割合は9:1、蒸着速度を0.3nm/sとし、膜厚35nmの電子注入電極層を形成した。
〔カソード電極〕
透明電極であるカソード電極(陰極)は、電極形成用のスパッタ室に基板を搬送し、DCマグネトロンスパッタリング法を用いることにより、膜厚130nmのITO膜を電子注入層の上に形成した。ターゲットはITOとし、成膜条件は、プラズマ電源出力:500W、成膜圧力:1.0Pa、Ar流量:500cm/min、HO流量:1.5cm/min、O流量:5.0cm/minとした。
〔前処理〕
第一の吸湿層および第二の吸湿層の形成に先立ち、封止材としての封止ガラス11に対して前処理を行った。前処理は、封止ガラス11をUVおよびオゾンで洗浄した後、1×10−2Pa、50℃の条件で、真空ベークを7時間行った。
〔第一の吸湿層〕
第一の吸湿層8は、封止ガラス11を吸湿層成膜スパッタ室に搬送した後、リアクティブスパッタ成膜法を用いて、封止ガラス11上に膜厚500nmのSrO吸湿膜を形成した。ターゲットは金属Srとし、成膜条件は、プラズマ電源出力:150W、成膜圧力:2.7Pa、Ar流量:180cm/min、O流量:2cm/min、成膜時間:5minとした。なお、メタルマスクは、図2の表示領域14および非表示領域15に成膜ができるように、これらの領域にあわせて開口されたメタルマスクを用いた。
〔第二の吸湿層〕
第二の吸湿層12は、リアクティブスパッタ成膜法を用いて、膜厚1000nmのSr吸湿膜を、第一の吸湿層8上に形成した。ターゲットは金属Srとし、成膜条件は、プラズマ電源出力:150W、成膜圧力:2.7Pa、Ar流量:180cm/min、成膜時間:10minとした。なお、メタルマスクは、図2の非表示領域15にあわせて開口したものを用いた。
〔封止手順〕
封止材として平板状の封止ガラス11を用い、カチオン硬化型の紫外線硬化樹脂により有機EL素子基板と封止ガラス11とを接着した。図1において図示した接着剤13としては、光カチオン重合系の液状樹脂(KR695/旭電化製)を用いた。この接着剤13をディスペンサ用シリンジに注入し、封止ガラス11をグローブボックスに搬送し、ディスペンスロボットを用いて封止ガラス11の周辺部に幅0.5mm、厚み35μm程度で塗布した。
次に、第一の吸湿層および第二の吸湿層を形成した封止ガラス11と、有機EL素子基板を、接着剤13を介して封着した。なお、封止をする際の紫外線照射強度は100mW/cmで、光量は3000mJ/cmとした。また、以上に述べた封止工程は、グローブボックス内の水分濃度を10ppm以下に制御して行った。
〔素子評価1〕
長期信頼性を確認するために、有機ELパネル作製直後の発光状態を確認したのち、60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の耐久試験を行った。その結果、パネル内部に配された第一の吸湿層と第二の吸湿層の吸湿効果により、輝度劣化やダークスポットの発生は見られなかった。
透過率測定装置(SCI社製、商品名:Film Tek3000)を用いて第一の吸湿層の透過率を測定したところ、可視光領域の波長である550nmにおいて、第一の吸湿層の透過率は98%であった。
本発明の第一の実施形態で用いた第一の吸湿層8(SrO)と、第二の吸湿層12(Sr)の吸湿量を確認するための実験を行った。まず初めに、第一の吸湿層と第二の吸湿層を上記条件で封止ガラス上に単膜成膜して、それぞれのテストサンプルの重量を測定した。そして、60℃/90%RHの条件で1000時間の耐久試験を行い、耐久試験後の重量を測定して、重量増加量を算出した。図6に、第一の吸湿層と、第二の吸湿層の経時的な重量変化を示す。耐久試験後の重量増加比は、第一の吸湿層サンプルの重量増加量1に対して第二の吸湿層サンプルの重量増加量1.54であった。
(実験例2)
実験例2は本発明の第二の実施形態に関するものである。図3に示した有機ELパネルは、カソード電極の形成までは実験例1と同様に作成した。
〔第一の吸湿層〕
第一の吸湿層8は、吸湿層成膜スパッタ室に有機EL素子基板を搬送した後、リアクティブスパッタ成膜法を用い、膜厚500nmのSrO吸湿膜を有機EL素子基板の上に形成した。ターゲットは金属Srとし、成膜条件は、プラズマ電源出力:150W、成膜圧力:2.7Pa、Ar流量:180cm/min、O流量:2cm/min、成膜時間:5minとした。メタルマスクは、図2の表示領域14および非表示領域15に成膜ができるように、これらにあわせて開口されたメタルマスクを用いた。
〔第二の吸湿層〕
第二の吸湿層12は、リアクティブスパッタ成膜法を用いて、膜厚1000nmのSr吸湿膜を、第一の吸湿層8上に形成した。ターゲットは金属Srとし、成膜条件は、プラズマ電源出力:150W、成膜圧力:2.7Pa、Ar流量:180cm/min、成膜時間:10minとした。メタルマスクは、図2の非表示領域15にあわせて開口したものを用いた。
〔封止工程〕
封止の前処理として封止ガラス11を、UVおよびオゾンで洗浄をしたのち、1×10−2Pa、50℃で7時間、真空ベークを行った。そして、実験例1と同様の条件にて、封止ガラス11と有機EL素子基板とを、接着剤13を介して封着した。
〔素子評価2〕
本発明の第二の実施形態により作成した有機EL素子パネルにおいても長期信頼性を確認するために、有機ELパネル作製直後の発光状態を確認したのち、60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の耐久試験を行った。その結果、第二の実施形態においても、輝度劣化やダークスポットの発生は見られなかった。
(実験例3)
実験例3は本発明の第三の実施形態に関するものである。図4に示した有機ELパネルは、カソード電極の形成までは実験例1および実験例2と同様に作成した。
〔第一の吸湿層〕
第一の吸湿層8は、抵抗加熱蒸着法により、膜厚300nmの炭酸セシウム(CsCO)膜をカソード電極上に形成した。成膜条件は、蒸着速度:0.3nm/sとした。
〔第二の吸湿層〕
第二の吸湿層12は、吸湿層成膜スパッタ室に有機EL素子基板を搬送し、リアクティブスパッタ成膜法を用いて、膜厚1000nmのSr吸湿膜を有機EL素子基板上に形成した。ターゲットは金属Srとし、成膜条件は、プラズマ電源出力:150W、成膜圧力:2.7Pa、Ar流量:180cm/min、成膜時間:10minとした。
〔封止工程〕
実験例3も実験例2と同様に、封止ガラスの前処理を行った後、封止ガラスをグローブボックス内に搬送し、接着材13を塗布し、封止ガラスと有機EL素子基板とを接着剤13を介して封着した。
〔素子評価3〕
本発明の第三の実施形態により作成した有機EL素子パネルにおいても長期信頼性を確認すべく、有機ELパネル作製直後の発光状態を確認したのち、60℃/90%RHの雰囲気条件で1000時間の耐久試験を行った。その結果、第三の実施形態においても、輝度劣化やダークスポットの発生は見られなかった。
第一の実施形態に係る図2のA−A線断面図 有機ELパネルの上面図 第二の実施形態に係る図2のA−A線断面図 第三の実施形態に係る図2のA−A線断面図 第四の実施形態に係る図2のA−A線断面図 実験例1で行った重量増加実験に関するグラフ
符号の説明
1 ガラス基板
2 TFT(薄膜トランジスタ)
3 絶縁膜
4 有機平坦化膜
5 不透明電極
6 有機層
7 透明電極
8 第一の吸湿層
9 不活性ガス
10 素子分離層
11 封止ガラス
12 第二の吸湿層
13 接着剤
14 表示領域
15 非表示領域
16 無機膜

Claims (13)

  1. 一対の電極間に有機発光層が挟持された発光部を有する有機EL素子基板と封止材とを有する有機EL素子において、
    前記有機EL素子基板と前記封止材との間に気相成膜法により形成された吸湿層を有し、
    前記吸湿層が表示領域上に形成されている吸湿層(A)と、非表示領域上に形成されている吸湿層(B)とからなり、
    前記吸湿層(A)と前記吸湿層(B)は共に、前記有機EL素子基板上または前記封止材上に形成され、
    前記吸湿層(A)と前記吸湿層(B)の吸湿可能量について、該吸湿層(A)よりも該吸湿層(B)が大きいことを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記吸湿層(A)の吸湿可能量1に対して前記吸湿層(B)の吸湿可能量が1.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記吸湿層(A)と前記吸湿層(B)の可視光領域における透過率について、該吸湿層(B)よりも該吸湿層(A)が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 前記吸湿層(A)の可視光領域における光の透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の有機EL素子。
  5. 前記吸湿層(A)の可視光領域における光の透過率が95%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の有機EL素子。
  6. 前記吸湿層(A)および前記吸湿層(B)の膜厚について、該吸湿層(A)よりも該吸湿層(B)が大きいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の有機EL素子。
  7. 前記吸湿層(A)の膜厚に対して、前記吸湿層(B)の膜厚が2倍以上厚いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の有機EL素子。
  8. 前記吸湿層(A)はアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、及び金属過塩素酸塩よりなる群から選択された一つ以上から形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の有機EL素子。
  9. 前記吸湿層(A)と前記吸湿層(B)が単層であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の有機EL素子。
  10. 前記吸湿層(A)は酸化ストロンチウム層であり、前記吸湿層(B)はストロンチウム層であることを特徴とする請求項9記載の有機EL素子。
  11. 前記吸湿層(B)が積層となっており、該積層の一部が前記吸湿層(A)を構成する材料と同一の層であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の有機EL素子。
  12. 前記吸湿層(A)は酸化ストロンチウム層からなり、前記吸湿層(B)は酸化ストロンチウム層とストロンチウム層とからなることを特徴とする請求項11記載の有機EL素子。
  13. 前記吸湿層(A)と前記吸湿層(B)は同一の金属成分を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載の有機EL素子。
JP2006088355A 2006-03-28 2006-03-28 有機el素子 Withdrawn JP2007265764A (ja)

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