JP2005019086A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)コバルト酸リチウムと、(b)Al、B、SnおよびNbからなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる元素とLi、NiおよびCoとを含有する酸化物との2種類の活物質を含み、これらの活物質(a)、(b)の混合割合[(a):(b)]が重量比で20:80〜80:20の範囲の正極と、少なくとも(c)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長10〜50μm、真密度2.24g/cc以上の繊維状炭素材料と、(d)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccの繊維状炭素材料を含み、前記繊維状炭素材料(d)が前記繊維状炭素材料(c)、(d)の合量に対して0.1〜10重量%占める負極とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、VTR、携帯電話、パソコンなどの各種電子機器、コードレスの携帯型電子機器の小型、軽量化に伴い、それら機器用電源の高エネルギー密度の要求が高まっている。このような要求に対応して、負極活物質として金属リチウムを使用したリチウム二次電池等の非水電解液二次電池が提案されている。
【0003】
しかしながら、負極活物質として金属リチウムを用いたリチウム二次電池は、放電時に電解液中にリチウムイオンとして溶解したリチウムが電解液中の非水溶媒と反応して一部不活性になる。このため、充放電を繰り返すと負極の表面の凸部にリチウムが電析してデンドライト状(樹枝状)に析出し、このデンドライト状リチウムがセパレータを貫通して正極と接することにより内部短絡を生じる問題があった。
【0004】
このようなことから、負極活物質としてコークス、グラファイト、樹脂焼成体、熱分解気相炭素等、種々の炭素質材料を用いる、いわゆるリチウムイオン二次電池が提案、実用化されている。例えば、特許文献1には負極にカーボンを用いた軽量の二次電池が開示されている。
【0005】
前記リチウムイオン二次電池としては、正極にLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等のカルコゲン化合物を用い、負極に前記炭素質材料を用いたものが知られており、前記炭素質材料の素材によって種々の特徴を有する。例えば、特許文献2には繊維径の断面方向にラメラ構造を持つ炭素繊維を負極活物質として含み、優れた充放電特性を有するリチウムイオン二次電池が開示されている。また、黒鉛度の高いグラファイトを負極活物質として含むリチウムイオン二次電池は高い充電エネルギーを有する。
【0006】
一方、近年、小型軽量のモバイル機器用の電源としてその利用は飛躍的に多くなると共に、高容量化の要求が強い。
【0007】
一般的に、一定体積のセルで高容量化するにはセル容積に活物質を多く充填する必要がある。このため、活物質以外の添加剤の低減や電極の密度を高くして充電する方法が採用されている。しかしながら、電極密度等を高くした場合には電極自身への電解液の浸透性が低下して、製造上の問題や特性面の劣化等の不具合が発生する。
【0008】
そこで、従来から用いられたリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)に代わって、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)を使用して高容量化を図ることが検討されている。例えば、特許文献3には異種元素(Al、Sn、In、B、P、Si等)を導入したリチウムニッケル複合酸化物が開示されている。さらに、非特許文献1には、Alを導入したリチウムニッケル複合酸化物の熱安定性が比較的高いことが記載されている。さらに、セルを0Vまで放電したときの安全性、すなわち過放電特性も改善されることが期待される。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−121260号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平5−89879号公報
【0011】
【特許文献3】
特開昭63−121258号公報
【0012】
【非特許文献1】
J.Electrochem.Soc.,142,4033(1995)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リチウムニッケル複合酸化物を使用したセルでは容量アップは期待できるもののリチウムコバルト複合酸化物より充放電効率が悪いので、充放電サイクル特性が劣るという問題があった。
【0014】
本発明は、正極活物質としてNi系の複合酸化物を配合して容量の向上を図り、かつこの複合酸化物の使用に伴うサイクル特性の低下を特定の負極材料の配合により補償することにより過放電特性とサイクル性を向上した高容量の非水電解液二次電池を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、セパレータおよび非水電解液を備えた非水系二次電池であって、
前記正極は、(a)コバルト酸リチウムと、(b)Al、B、SnおよびNbからなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる元素とLi、NiおよびCoとを含有する酸化物との2種類の活物質を含み、これらの活物質(a)、(b)の混合割合[(a):(b)]が重量比で20:80〜80:20の範囲で、かつ
前記負極は、少なくとも(c)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長10〜50μm、真密度2.24g/cc以上の繊維状炭素材料と、(d)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccの繊維状炭素材料を含み、前記繊維状炭素材料(d)が前記繊維状炭素材料(c)、(d)の合量に対して0.1〜10重量%占めることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる非水電解液二次電池を詳細に説明する。
【0017】
この非水電解液二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、セパレータおよび非水電解液を備える。
【0018】
次に、前記正極、負極、セパレータおよび非水電解液を説明する。
【0019】
1)正極
この正極は、集電体の片面または両面に正極活物質を含む正極層を形成した構造を有する。
【0020】
前記集電体としては、例えばアルミニウム板、アルミニウムメッシュ材等を挙げることができる。
【0021】
前記正極の活物質は、(a)コバルト酸リチウムと、(b)Al、B、SnおよびNbからなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる元素とLi、NiおよびCoとを含有する酸化物との2種類を含む。
【0022】
前記活物質(a)は、Coの一部がSn元素で置換されることを許容する。
【0023】
前記活物質(b)は、LixNi(1−y−z)CozMyO2 …(1)で表わされることが好ましい。ここで、MはAl、B、SnおよびSbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、原子比x、y、zは、0<x≦1.2、0.004≦y≦0.17、0<z≦0.3を示す。
【0024】
前記活物質(a)、(b)は、重量比で(a):(b)が20:80〜80:20の範囲で混合される。前記活物質(b)の混合割合を20未満にすると、その配合効果である容量の向上、過放電特性および貯蔵時の正極活物質の劣化を防ぐ効果を達成することが困難になる。一方、前記活物質(b)の混合割合が80を超えると、後述する負極材料(b)を配合してもサイクル特性の低下を補償することが困難になる。好ましい前記活物質(a)、(b)の混合割合[(a):(b)]は25:75〜60:40である。
【0025】
前記正極層は、前記活物質の他に結着剤とを含有する。この結着剤としては、例えば例えばフッ素系樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような熱可塑性エラストマー系樹脂、またはフッ素ゴムのようなゴム系樹脂を用いることができる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンゴム、水添スチレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの結着剤の中でエラストマー、ゴム架橋体または極性基を導入した変成体は、前記集電体と前記正極層との密着性の向上および過充電時における抵抗増大効果の向上の観点から好適である。
【0026】
前記正極層には、導電補助材としてアセチレンブラック、粉末状膨張黒鉛などのグラファイト類、炭素繊維粉砕物、黒鉛化炭素繊維粉砕物等をさらに含有することを許容する。
【0027】
2)負極
この負極は、集電体の片面または両面に負極材料を含む負極層を形成した構造を有する。
【0028】
前記集電体としては、例えば銅板、銅メッシュ材等を挙げることができる。
【0029】
前記負極材料は、(c)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長10〜50μm、真密度2.24g/cc以上の繊維状炭素材料と、(d)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccの繊維状炭素材料を含む。
【0030】
前記繊維状炭素材料(d)は、前記繊維状炭素材料(c)、(d)の合量に対して0.1〜10重量%占める。前記繊維状炭素材料(d)の配合量を0.1重量%未満にすると、サイクル特性を向上する効果を達成することが困難になる。一方、前記繊維状炭素材料(d)の配合量が10重量%を超えると、容量の低下を招く。好ましい前記繊維状炭素材料(d)の配合量は、前記繊維状炭素材料(c)、(d)の合量に対して2〜6重量%である。
【0031】
前記負極層は、前記負極材料の他に、結着剤を含有する。この結着剤は、PVdFに代表される有機溶媒に溶解性を持つ高分子材料、CMC、SBRに代表される水に分散し易い高分子材料等を用いることができるが、これらの高分子材料は一例に過ぎず特に制約を受けない。ただし、今後の環境の点も考慮すると水に分散し易い高分子材料が好ましい。
【0032】
3)セパレータ
このセパレータとしては、例えば20〜30μmの厚さを有するポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム等を用いることができる。
【0033】
4)非水電解液
この非水電解液は、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種からなる非水溶媒に過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)を溶解した組成のもの等を用いることができる。
【0034】
前記非水溶媒は、粘性との関係から単独で使用するよりも2〜3種類を混合して使用することが好ましく、この非水溶媒に溶解する電解質の濃度は0.5〜1.5モル/Lの範囲にすることが好ましい。特に、前記非水溶媒中にはγ−ブチロラクトンが50体積%(より好ましくは75体積%以上)含有することが望ましい。また、γ−ブチロラクトンとともに混合される非水溶媒はエチレンカーボネートが好ましい。
【0035】
本発明に係る非水電解液二次電池としては、次に説明する図1に示す円筒型、図2に示す角型、図3、図4に示す薄型の構造のものが挙げられる。
【0036】
(1)円筒型非水電解液二次電池
図1に示すように有底円筒状をなす金属製外装缶1は、例えば負極端子を兼ね、底部内面に下部絶縁板2が配置されている。発電要素である電極体3は、前記外装缶1内に収納されている。前記電極体3は、負極4とセパレータ5と正極6とを前記セパレータ5が最外周に位置するように渦巻き状に捲回することにより作製したものである。前記負極4の下端面には、負極リードタブ7が接続され、かつこのリードタブ7の他端は前記外装缶1の底部内面に接続されている。中心付近に正極リードタブ取出穴を有する上部絶縁板8は、前記外装缶1内の前記電極体3上に配置されている。
【0037】
防爆機構を有する封口部材9は、正極端子を兼ね、前記外装缶1の上端開口部に絶縁ガスケット10を介してかしめ固定されている。この封口部材9は、中央付近にガス抜き穴11が開口された皿形封口板12と、この封口板12に前記ガス抜き穴11を覆うように固定された例えばアルミニウムからなる弁膜ラプチャ13と、前記封口板12の周縁に配置されたリング状のPTC(Positive temperature Coefficient)14と、複数のガス抜き孔15が開口された帽子形の正極端子16とから構成されている。前記封口板12の下面には、正極リードタブ17が接続され、かつこのリードタブ17の他端は前記上部絶縁板8のリード取出穴を通して前記電極3の正極6に接続されている。
【0038】
(2)角型非水電解液二次電池
図2に示すアルミニウムのような金属から作られる有底矩形筒状の外装缶21は、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁フィルム22が配置されている。電極体23は、前記外装缶21内に収納されている。なお、外装缶21がステンレスまたは鉄からなる場合には負極端子を兼ねる。前記電極群23は、負極24とセパレータ25と正極26とを前記正極26が最外周に位置するように渦巻状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製される。中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ27は、前記外装缶21内の前記電極体23上に配置されている。
【0039】
金属製蓋体28は、前記外装缶21の上端開口部に例えばレーザ溶接により気密に接合されている。前記蓋体28の中心付近には、負極端子の取出穴29が開口されている。負極端子30は、前記蓋体28の穴29にガラス製または樹脂製の絶縁材31を介してハーメティックシールされている。前記負極端子30の下端面には、リード32が接続され、かつこのリード32の他端は前記電極体23の負極24に接続されている。前記蓋体28には、前記取出穴29から離れた箇所に注液孔(図示せず)が開口され、非水電解液は前記注液孔を通して前記外装缶21内に注液されている。なお、非水電解液の注液後において前記注液孔は図示しない封止蓋で封止される。
【0040】
上部側絶縁紙33および下部側絶縁紙34は、前記蓋体28の外表面全体および前記外装缶21の底面にそれぞれ被覆されている。外装チューブ35は、前記外装缶21の側面から上下面の絶縁紙33、34の周辺まで延出するように配置され、前記上部側絶縁紙33および下部側絶縁紙34を前記外装缶21に固定している。
【0041】
(3)薄型非水電解液二次電池
図3、図4に示すように発電要素41は、例えば活物質および結着剤を含む正極材料である正極活物質層42が集電体43の両面に担持された正極44とセパレータ45と活物質および結着剤を含む負極材料である負極活物質層46が集電体47の両面に担持された負極48とセパレータ45とを渦巻状に捲回し、さらに成形した扁平で矩形状をなす。前記正極44、負極48に接続された外部リード端子49、50は、それぞれ前記発電要素41の同一側面から外部に延出されている。
【0042】
前記発電要素41は、図3に示すように例えば2つ折りのカップ型外装フィルム51のカップ52内にその折曲げ部が前記発電要素41の前記外部リード端子49、50が延出された側面と反対側の側面側に位置するように包み込まれている。この外装フィルム51は、図4に示すように内面側に位置するシーラントフィルム53、アルミニウムまたはアルミニウム合金の箔54および剛性を有する有機樹脂フィルム55をこの順序で積層した構造を有する。前記外装フィルム51における前記折り曲げ部を除く前記発電要素41の2つの長側面および1つの短側面に対応する3つの側部は、前記シーラントフィルム53同士を熱シールして水平方向に延出したシール部56a、56b,56cが形成され、これらのシール部56a,56b,56cにより前記発電要素41を封口している。前記発電要素41の正極44、負極48に接続された外部端子49、50は、前記折り曲げ部と反対側のシール部56bを通して外部に延出されている。前記発電要素41内部および前記シール部56a,56b,56cで封口された前記外装フィルム51内には、非水電解液が含浸・収容されている。
【0043】
なお、前記薄型非水電解液二次電池において外装フィルムはカップ型に限らず、ピロー型、パウチ型にしてもよい。
【0044】
以上説明したように本発明に係る非水電解液二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、セパレータおよび非水電解液を備えた非水系二次電池であって、前記正極は(a)コバルト酸リチウムと、(b)Al、B、SnおよびNbからなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる元素とLi、NiおよびCoとを含有する酸化物との2種類の活物質を含み、これらの活物質(a)、(b)の混合割合[(a):(b)]が重量比で20:80〜80:20の範囲で、かつ前記負極は、少なくとも(c)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長10〜50μm、真密度2.24g/cc以上の繊維状炭素材料と、(d)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccの繊維状炭素材料を含み、前記繊維状炭素材料(d)が前記繊維状炭素材料(c)、(d)の合量に対して0.1〜10重量%占める構成を有する。
【0045】
このように正極として(a)コバルト酸リチウムのみならず、(b)Al、B、SnおよびNbからなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる元素とLi、NiおよびCoとを含有する酸化物との2種類の活物質を含む組成とし、これらの活物質(a)、(b)の混合割合[(a):(b)]が重量比で20:80〜80:20の範囲に規定することによって、容量を向上できると共に、過放電特性を向上できるばかりか貯蔵時での劣化を防止できる。
【0046】
特に、前記正極の活物質(b)としてLixNi(1−y−z)CozMyO2で表わされるNi系の複合酸化物用いることによって、前記容量の向上、過放電特性の向上および貯蔵時での正極の劣化防止をより効果的に達成することができる。
【0047】
ただし、前記正極活物質(b)の配合は充放電時のサイクル特性を低下させる。
【0048】
このようなことから前記負極の負極材料として前記繊維状炭素材料(c)に平均繊維径8〜18μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccの繊維状炭素材料(d)を配合し、かつ前記繊維状炭素材料(d)を前記繊維状炭素材料(c)、(d)の合量に対して0.1〜10重量%配合することによって、前記正極の活物質(b)を配合することに伴なう充放電時のサイクル特性の低下を補償することができる。
【0049】
したがって、本発明によれば過放電特性と充放電時のサイクル性を向上した高容量の非水電解液二次電池を提供することができる。
【0050】
また、非水電解液の非水溶媒としてγ−ブチロラクトンを50体積%含有する組成にすることによって、充放電時、高温貯蔵時および保管時での正負極の膨れを抑制することができる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0052】
(実施例1−1)
<正極の作製>
下記組成の正極原料をN−メチルピロリドン溶液に溶解分散させて正極塗工スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのAl箔(集電体)の両面にそれそれ塗工し、乾燥した後、プレスすることにより総厚さ150μmの正極を作製した。
【0053】
[正極原料の組成]
活物質(a):LiCoO2(2.4%LiSnO3置換) 80重量部
活物質(b):LiNiCoAlO2 20重量部
導電性カーボン(アセチレンブラック) 2重量部
ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVdF)(バインダ) 4重量部
<負極の作製>
下記組成の負極原料を水の存在下でせん断分散し、さらに均一の混合攪拌して負極塗工スラリーを調製した。つづいて、この塗工スラリーをナイフエッジコータにより厚さ10μmの銅箔(集電体)の両面にそれぞれ塗工し、乾燥した後、プレスを施して総厚さ145μmの負極を作製した。
【0054】
[負極原料の組成]
平均繊維径8μm、平均繊維長25μm、真密度2.28g/ccの繊維状炭
素材料(c) 99重量部
平均繊維径8μm、平均繊維長20μm、真密度1.60g/ccの繊維状炭
素材料(d) 1重量部
導電性カーボン(アセチレンブラック) 5重量部
スチレン−ブタジエン−ゴム(SBR) 2重量部
<二次電池の組立>
前記正負極の集電体にリードタブをそれぞれ接合し、自動捲回機を用いてポリエチレン製多孔膜からなるセパレータを2枚介してスパイラル状に巻き上げて円筒状の電極体を作製した。この電極体を有底円筒状のアルミニウム製の外装缶に収納した。つづいて、このアルミニウム製蓋体の正極端子に前記電極体の正極のリードタブを接続した後、この蓋体を前記外装缶の開口部に気密に接合した。この状態で80℃、0Torrにて24時間真空乾燥した後、エチレンカーボネート/γ−ブチロラクトン=1/2の非水溶媒に1.8モル/LのLiBF4を溶解した非水電解液を前記蓋体の注液孔を通して注入し、その注液孔を封止蓋で封止することにより円筒型リチウムイオン二次電池を組立てた。
【0055】
(比較例1−1〜1−3および実施例1−2〜1−4)
正極の活物質(a)、(b)の混合割合、および負極の繊維状炭素材料(c)、(d)の混合割合を下記表1に規定した以外、実施例1−1と同様な円筒型リチウムイオン二次電池を組立てた。
【0056】
(比較例2−1〜2−3および実施例2−1〜2−4)
正極の活物質(a)、(b)の混合割合、および負極の繊維状炭素材料(c)、(d)の混合割合を下記表2に規定した以外、実施例1−1と同様な円筒型リチウムイオン二次電池を組立てた。
【0057】
(比較例3−1〜3−3および実施例3−1〜3−4)
正極の活物質(a)、(b)の混合割合、および負極の繊維状炭素材料(c)、(d)の混合割合を下記表3に規定した以外、実施例1−1と同様な円筒型リチウムイオン二次電池を組立てた。
【0058】
(比較例4−1〜4−3および実施例4−1〜4−4)
正極の活物質(a)、(b)の混合割合、および負極の繊維状炭素材料(c)、(d)の混合割合を下記表4に規定した以外、実施例1−1と同様な円筒型リチウムイオン二次電池を組立てた。
【0059】
(比較例5−1〜5−7)
正極の活物質(a)、(b)の混合割合、および負極の繊維状炭素材料(c)、(d)の混合割合を下記表5に規定した以外、実施例1−1と同様な円筒型リチウムイオン二次電池を組立てた。
【0060】
(比較例6−1〜6−7)
正極の活物質(a)、(b)の混合割合、および負極の繊維状炭素材料(c)、(d)の混合割合を下記表6に規定した以外、実施例1−1と同様な円筒型リチウムイオン二次電池を組立てた。
【0061】
得られた各実施例および各比較例の二次電池について、次のような特性評価を行なった。
【0062】
初期放電容量:各二次電池を室温にて定電流定電圧(CCCV)の条件で4.2V、0.5C、7時間の充電を実施し、1時間の放置した後定電流(CC)条件で0.5C−3Vカットオフ放電を実施した。この時の容量を放電容量として測定した。この初期放電容量の測定終了後、以下の評価を実施した。
【0063】
サイクル特性:初期放電容量の測定終了後、定電流定電圧(CCCV)の条件で4.2V、1C、4時間の充電し、1C−3Vカットオフ放電を500サイクル繰り返した。サイクル維持率を次式に基づいて求めた。
【0064】
サイクル維持率(%)=500サイクル目の放電容量/初期放電容量
過放電特性:初期放電容量の測定終了後、定電流定電圧(CCCV)の条件で4.2V、1C、4時間の充電、0.7C−3Vカットオフ、0.1C−2.7Vカットオフ、0.001C−0Vカットオフの完全放電を行なった。この時、放電電位曲線の0V付近に負極の集電体であるCu溶出を示すプラトーがあるか否かを調べ、負極集電体のCu溶出の有無を判断した。
【0065】
これらの結果を下記表1〜表6に併記する。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
前記表1〜表6から明らかように活物質(a)、(b)を含み、それらの混合割合[(a):(b)]が重量比で20:80〜80:20の範囲の正極と繊維状炭素材料(c)、(d)含み、繊維状炭素材料(d)が繊維状炭素材料(c)、(d)の合量に対して0.1〜10重量%占める負極とを備えた実施例1−1〜1−4、2−1〜2−4、3−1〜3−4、4−1〜4−4の二次電池は、比較例1−1〜1−3、2−1〜2−3、3−1〜3−3、5−1〜5−7、6−1〜6−7の二次電池に比べて初期放電容量、サイクル特性および過放電特性の3つの特性をバランスよく有することがわかる。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば過放電特性と充放電時のサイクル性を向上した高容量の非水電解液二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解液二次電池の一形態である円筒型非水電解液二次電池(円筒型リチウムイオン二次電池)を示す部分断面図。
【図2】本発明に係る非水電解液二次電池の他の形態ある角型非水電解液二次電池(角型リチウムイオン二次電池)を示す部分切欠斜視図。
【図3】本発明に係る非水電解液二次電池のさらに他の形態ある薄型非水電解液二次電池(薄型リチウムイオン二次電池)を示す斜視図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【符号の説明】
1、21…外装缶、3、23…電極体、4、24、48…負極、5、25、45…セパレータ、6、26、44…正極、12…封口板、28…蓋体、41…発電要素、43、47…集電体、51…外装フィルム。
Claims (4)
- リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、セパレータおよび非水電解液を備えた非水系二次電池であって、
前記正極は、(a)コバルト酸リチウムと、(b)Al、B、SnおよびNbからなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる元素とLi、NiおよびCoとを含有する酸化物との2種類の活物質を含み、これらの活物質(a)、(b)の混合割合[(a):(b)]が重量比で20:80〜80:20の範囲で、かつ
前記負極は、少なくとも(c)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長10〜50μm、真密度2.24g/cc以上の繊維状炭素材料と、(d)平均繊維径8〜18μm、平均繊維長8〜20μm、真密度1.50〜1.75g/ccの繊維状炭素材料を含み、前記繊維状炭素材料(d)が前記繊維状炭素材料(c)、(d)の合量に対して0.1〜10重量%占めることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記正極の活物質(a)は、Coの一部がSn元素で置換されていることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記正極の活物質(b)は、下記(1)式で示される組成を有することを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
LixNi(1−y−z)CozMyO2 …(1)
ただし、MはAl、B、Sn及びSbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、原子比x、y、zは、0<x≦1.2、0.004≦y≦0.17、0<z≦0.3を示す。 - 前記非水電解液は、50体積%以上のγ−ブチロラクトンを含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
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