JP2005018432A - チャットシステムによる緊急通報方法、緊急通報応答端末、チャットサーバ装置、緊急通報プログラム - Google Patents
チャットシステムによる緊急通報方法、緊急通報応答端末、チャットサーバ装置、緊急通報プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】火災などの事故に遭遇したものからの緊急通報の受付を確実に受け付けること。
【解決手段】移動端末Kと、指令台端末Cと、上記両端末のチャットによるメッセージ交換を支援するウェブサーバWSとを備えた通報システムにおいて、事故に遭遇した通報者は、自己の移動端末KからウェブサーバWSの緊急通報サイトにアクセスし、通報内容の書き込み要求を送信する。これを閲覧する指令台端末Cは、事故の種別、通報内容に応じた応答用定型文を予め保持し、この応答用定型文の書き込み要求をウェブサーバWSに即座に返信する。
【選択図】 図1
【解決手段】移動端末Kと、指令台端末Cと、上記両端末のチャットによるメッセージ交換を支援するウェブサーバWSとを備えた通報システムにおいて、事故に遭遇した通報者は、自己の移動端末KからウェブサーバWSの緊急通報サイトにアクセスし、通報内容の書き込み要求を送信する。これを閲覧する指令台端末Cは、事故の種別、通報内容に応じた応答用定型文を予め保持し、この応答用定型文の書き込み要求をウェブサーバWSに即座に返信する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緊急通報方法に係り、特に、インターネットを利用することにより、事故の発生を所轄の消防署等へ迅速に通報するための緊急通報方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、火災などの事故に遭遇した市民からの緊急通報は、電話、FAXなどを利用して行われている。具体的には、市民が、消防局或いは救急センターといった通報先に電話をかけ、またはFAX送信を行うことによって通報を行っている。この通報先には常時オペレータが待機しており、通報を受けると、直ちに所轄の消防署、或いは救急医療センターに出動指令を発するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上説明したような電話やFAXを利用した通報形態は、以下のような問題点を有していた。まず、電話による通報の場合、聴覚障害者などの音声による意思疎通を苦手とする方からの通報は困難であった。また、FAXによる通報の場合であっても、コンビニエンスストア等のFAX送信設備を備えた場所に行かなければ通報できないため迅速性という点で問題があった。従って、音声による意思疎通を苦手とする方からでも容易に通報を行えるような簡易性を有し、更に事故現場に遭遇した者がその現場から直ちに通報を行えるような迅速性をも有するような緊急通報システムの実現が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、チャットシステムを緊急通報に利用してはどうかとの考えにいたった。チャットは、自己の発言を端末からチャットサーバへ送信すると、このサーバへログインしている他の端末へその内容が即座に配信されるというサービスであり、よりリアルタイムに近い端末間のコミュニケーションを実現する手段として普及している。そして、このようなチャットの利便性を高めるための技術を開示した文献も多数開示されている。
【0005】
例えば、特許文献1は、一度ログイン手続きを行ったユーザの端末に対し、他のユーザがログインしてきたことをメール等により通知する技術を開示している。この技術によれば、チャット相手となるユーザが入室してくるまでチャットルームで待ち続けなければならないという時間的無駄を回避することができる。また、特許文献2は、次のような技術を開示している。まず、特定の相手方とのチャットを希望するユーザがその相手方の電話番号をチャットサーバに送信すると、その電話番号に対応するユーザへチャット依頼が送信される。このチャット依頼を受けたユーザが、自分の都合がよいときにチャット応答をチャットサーバへ返信すると、両者間にチャットモードが確立される。この技術によれば、チャットルームで待ち合わせる時間を予め申し合わせておかなければならないという不都合を回避することができる。
【0006】
一方、チャットサービスは、これまで、パーソナルコンピュータなどの非移動端末にのみ提供されるものであったが、携帯電話などの移動端末の近年の性能の向上を背景として、これら移動端末によってもチャットサービスを利用できるようになってきている。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、市民が、常時携帯するであろう移動端末からチャットを利用して緊急通報をすることができるシステムを提供するものである。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−99376号公報
【特許文献2】
特開2002−132694号公報
【0009】
この発明の好適な態様である緊急通報方法は、チャットシステムのサーバ装置に対し、第1の端末が緊急通報と当該緊急通報の属性とを引き渡す通報過程と、サーバ装置が、第1の端末から取得した緊急通報とその属性とを記憶部に書き込む通報書き込み過程と、第2の端末が、サーバ装置の記憶部に書き込まれた緊急通報とその属性とを閲覧する通報閲覧過程と、第2の端末が、上記書き込まれた属性に対応付けて当該端末内に記憶している応答用定型文を読み出し、サーバ装置に引き渡す応答引渡し過程と、サーバ装置が、第2の端末から取得した応答用定型文を上記記憶部に書き込む応答書き込み過程と、第1の端末が、サーバ装置の記憶部に書き込まれた応答用定型文を閲覧する応答閲覧過程とを有する。
【0010】
この態様において、上記通報過程は、第1の端末が、当該端末の入力部から緊急通報の属性の入力があることを条件に、当該入力部からの緊急通報の入力を受け付ける過程とを更に有してもよい。
【0011】
また、以上述べた各態様において、上記緊急通報の属性を、当該緊急通報の原因となった事故の発生場所としてもよいし、緊急通報の原因となった事故の種別としてもよい。
【0012】
更に、以上述べた各態様において、第2の端末は、各応答用定型文のそれぞれに対応付けた各回答群を記憶することとし、応答用定型文に対応する回答群を読み出し、サーバ装置に引き渡す過程と、サーバ装置が、第2の端末から取得した回答群を上記記憶部に書き込む過程と、第1の端末が、上記記憶部に書き込まれた回答群を閲覧して、この回答群のうちのいずれかの回答の選択を促すメッセージを表示する過程と、第1の端末が、上記回答群から選択された回答をサーバ装置に引き渡す過程と、サーバ装置が上記第1の端末から取得した回答を記憶部に書き込む過程と、第2の端末が上記記憶部に書き込まれた回答を閲覧する過程とを更に有してもよい。
【0013】
この発明の別の好適な態様である緊急通報応答端末は、緊急通報の属性に対応付けて複数の応答用定型文を格納した記憶部と、情報の通信部と、サーバ装置から通信部を介して緊急通報の属性を取得し、当該取得した属性に対応する応答用定型文を上記記憶部から読み出すと共に、当該読み出した応答用定型文を通信部を介してサーバ装置に引き渡す制御部とを備える。
【0014】
この態様において、上記記憶部が、各応答用定型文のそれぞれに対応付けた各回答群を格納することとし、制御部が、上記読み出した応答用定型文に対応する回答群を上記記憶部から読み出し、通信部を介して上記サーバ装置に引き渡してもよい。
【0015】
この発明の別の好適な態様であるチャットサーバ装置は、情報の記憶部と、情報の通信部と、緊急通報の属性の入力を促すメッセージを通信部を介して通報者の端末に引き渡すと共に、緊急通報の属性を上記通信部を介して上記端末から取得することを条件として、緊急通報を上記通信部を介して上記端末から取得する制御部とを備える。
【0016】
この発明の別の好適な態様である緊急通報プログラムは、緊急通報の属性の入力を促すメッセージを表示部に表示するステップと、緊急通報の属性を入力部を介して受け取るステップと、上記属性を受け取ったことを条件として、緊急通報を入力部を介して受け取るステップと、上記取得した緊急通報の属性及び緊急通報を通信部によりチャットサーバ装置に引き渡すステップとをコンピュータに実行させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
A 第1の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る緊急通報システムについて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、いわゆる当業者が通常用いる技術的手段による代替が可能である。以下に示す緊急通報システムにおいては、火災、交通事故、水難事故といった事故に遭遇し、事故の発生を消防局に通報する者(以下、単に通報者という)が自己の所有する端末から消防局にアクセスし、当該消防局に待機するオペレータの端末との間でチャットサービスを利用した問答を何度か繰り返すことによって、上記事故についての通報が行なわれるようになっている。
【0018】
<実施形態の構成>
本実施形態に係る緊急通報システムの構成について説明する。図1は本実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【0019】
この図において、移動端末Kは、移動パケット通信網MPNのパケット通信サービスを受ける携帯電話であり、移動パケット通信網MPN及び図示せぬ移動電話網に無線接続される。移動電話網は一般的な移動電話の通話サービスを提供する網であり、移動端末Kは当該通話サービスを受けることができる。移動端末Kの詳細な機能及び構成については後述する。
【0020】
移動パケット通信網MPNは、複数の基地局BS、複数のパケット加入者処理装置PS、ゲートウェイサーバGWSを有している。
【0021】
基地局BSは、地上を分割した例えば500m等の無線ゾーンの各々に配置されており、各無線ゾーンに在圏した移動端末Kとの間で無線通信を行う。
【0022】
パケット加入者処理装置PSは、複数の基地局BSを収容するパケット加入者交換局に備えられたコンピュータシステムであり、移動端末Kからのパケット交換要求を受け付けるとともに、受け付けたパケットを宛先の装置に中継する。
【0023】
ゲートウェイサーバGWSは、移動パケット通信網MPNとインターネットINET等の他網とを相互接続するための移動パケット関門中継交換局に備えられたコンピュータシステムであり、ネットワーク間で異なる通信プロトコルの変換を行う。ここでいう通信プロトコルの変換とは、具体的には、移動パケット通信網MPNが従う移動パケット通信網用の伝送プロトコルと、インターネットINETが従う伝送プロトコルとの相互変換をいう。
【0024】
なお、インターネットINETが従う伝送プロトコルには、ネットワーク層及びトランスポート層のTCP/IP(Transmission Control Protocol/InternetProtocol)とこのTCP/IP上で実現されるHTTPやHTTPS等のプロトコルが含まれており、移動パケット通信網MPNが従う伝送プロトコルには、TCP/IPを簡素化したプロトコルとHTTP(およびHTTPS)に相当するプロトコルとが含まれている。
【0025】
また、ゲートウェイサーバGWSは、移動端末KからHTTP(あるいはHTTPS)のGET要求を受け取ると、当該GET要求に含まれるURL(Uniform Resource Locator)を調べ、当該URLがインターネットINET上の一般的なURLである場合には、インターネットINETへ当該GET要求を転送し、このGET要求に対応してインターネットINETから送信されてきた応答を当該移動端末Kへ返送する。
【0026】
次に、図1に示す消防局ネットワークNについて詳述する。この消防局ネットワークNは、インターネットサービスプロバイダ(以下、ISPという)サーバによりインターネットINETへ接続されるようになっている。このISPサーバは、インターネットINETへの回線接続を行う関門サーバであり、後に詳述する緊急通報サイトをインターネットINET上に公開する役割を担っている。ここで、本実施形態においては、消防局ネットワークNとインターネットINETとを接続するISPサーバが2つ備えられている。回線の障害又は、ISPサーバのメインテナンス等によりサービスが寸断されるのを防止するためである。
【0027】
消防局ネットワークN内部では、ファイアウォールFW、レイヤ4スイッチ、ウェブサーバWS、データベースDB、指令台端末CがLANケーブルによって接続されている。この指令台端末Cには、専用のオペレータが常時待機し、移動端末K又は非移動端末PCからの緊急通報があったときはこれに対応できるようになっている。
【0028】
ウェブサーバWSは、緊急通報サイトの情報を格納するサーバである。このウェブサーバWSのハードウェア構成について、図2を参照しつつ説明しておく。ウェブサーバWSは、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、HD(Hard Disc)103と、通信インターフェース104と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)105とを有し、これら各部はバスにより接続されている。
【0029】
ROM101には、IPL(Initial Program Loader)などの装置各部の基本制御を司るプログラムが格納されている。また、RAM102は、CPU105のワークエリアとして用いられ、CPU105により実行されるプログラムや、各種のデータが一時的に格納される。HD103は、ウェブサーバWSのオペレーティングシステムなどを格納している。また、このHD103は、本実施形態に特有の処理を行うチャット制御プログラム103aのほか、チャット専用Java(登録商標)アプリケーション103b、個人情報ファイル103cを格納している。
【0030】
チャット制御プログラム103aは、CPU105によってRAM102に読み出され、実行される。このチャット制御プログラム103aの機能によって、CPU105は、非移動端末用と移動端末用の各チャットルームを各々運営するための書き込み領域を、RAM102内に確保する。更にCPU105は、各端末からの書き込み要求に応じて当該書き込み領域の内容を更新すると共に、更新後の当該書き込み領域の内容を、上記指令台端末C、移動端末K、或いは非移動端末PCに閲覧させる。
【0031】
ここで、本実施形態において、「閲覧させる」とは、当該各書き込み領域の記憶内容の電子データを各端末へ送信することを意味する。当該電子データの各端末への送信は、HTTPプロトコル或いはこれに相当するプロトコルに従って行われる。即ち、各端末からHTTPリクエストがウェブサーバWSに送られ、このHTTPリクエストに応答して、上記書き込み領域の記憶内容が読み出され、これを含んだHTTPレスポンスが各端末に送信される。
【0032】
HD103に格納されたチャット専用Javaアプリケーション103bは、Javaプログラミング言語で記述されたアプリケーションプログラム(以下、Javaアプリケーションという)のひとつであり、指令台端末C、移動端末K、非移動端末PCなどの外部の端末にダウンロードされるようになっている。ただし、上記各端末は実現する機能やハードウェアの性能が異なるため、指令台端末用、移動端末用、非移動端末用のそれぞれのチャット専用Javaアプリケーション103bがある。また、移動端末Kのなかには、Javaアプリケーションを実行できない機種もあり、このような機種の移動端末Kにはダウンロードできないようになっている。
【0033】
ここで、このチャット専用Javaアプリケーション103bの機能について説明しておく。上述のように、ウェブサーバWSの書き込み領域の記憶内容は、HTTPプロトコル或いはこれに相当するプロトコルにしたがって送信される。したがって、ウェブサーバWS側で特定の書き込み領域の記憶内容が更新されても、その更新以降に端末からHTTPリクエストを取得しなければ、この更新した記憶内容を当該端末に送信できない。一方、各端末が実装しているブラウザは、操作者からの操作など、何らかの要求が与えられない限り、HTTPリクエストを発信することはない。そこで、上記チャット専用Javaアプリケーション103bは、これが端末にダウンロードされ、当該端末の実装するブラウザと共に機能することとなった場合に、ウェブサーバWSの書き込み領域の内容の送信を要求するHTTPリクエストを所定の間隔毎(例えば5秒に1回)に継続して送信するように構成されている。したがって、ユーザは、予め上記チャット専用Javaアプリケーション103bを端末にダウンロードしておいて通報時にこれを端末に実行させることによって、HTTPリクエストをウェブサーバWSに送信するための操作を所定期間毎に行うといった煩わしさから開放される。
【0034】
個人情報ファイル103cは、後に詳述する利用者登録において開示された個人情報、具体的には、氏名、居所、メールアドレス、会員ID、及びパスワードといった情報を格納する。
【0035】
指令台端末Cは、移動端末K又は非移動端末PCからの緊急通報に応答するパーソナルコンピュータである。図3に、指令台端末Cのハードウェア構成を示す。同図に示すように、指令台端末Cは、ROM201と、RAM202と、HD203と、通信インターフェース204と、CPU205と、コンピュータディスプレイ206と、入力デバイス207とを有し、これらの各部はバスにより接続されている。ROM101と同様、ROM201には、IPLなどの制御プログラムが格納されている。また、RAM202は、CPU205のワークエリアとして用いられる。また、入力デバイス207は、キーボード及びマウスである。
【0036】
HD203には、図示しないオペレーティングシステムの他、チャット専用Javaアプリケーション103bと、応答用定型文ファイル203bとが格納されている。このチャット専用Javaアプリケーション103bは、上記ウェブサーバWSのHD103からダウンロードされたものである。このチャット専用Javaアプリケーション103bの機能は上述した通りである。また、移動端末K又は非移動端末PCと異なり、指令台端末Cは、上記緊急通報サイトのチャットルームへ常時入室している。また、通報者の端末からの入室状況を常時監視し、この入室状況を示す情報を記憶している。
【0037】
また、図1に示すように、指令台端末Cには着信通知ランプが接続されている。この着信通知ランプは、移動端末K又は非移動端末PCからウェブサーバWSへのアクセスがあった場合にその旨を通知するために設けられたランプである。すなわち、そのようなアクセスが行われ、ウェブサーバWSに接続に当たっての認証手続きが正常終了したとき、その旨が指令台端末Cに通知され、指令台端末Cにより着信通知ランプを点灯する動作が行われる。
【0038】
HD203に記憶された応答用定型文ファイル203bの構成を図4に示す。この応答用定型文ファイル203bに格納された応答用定型文は、事件の発生場所に応じて、「○○市内」、「周辺市町村(△△市と□□町と××町と△△村が該当)」、「その他」という3つのカテゴリーに区分されている。更にこれら3つの各カテゴリーの各々が、通報種別に応じて、「火災」、「交通事故」、「水難事故」、「急病」という4つのカテゴリーに区分されている。また、各応答用定型文には、個別の定型文番号が割り振られている。CPU205は、後に詳述する優先情報画面において通報者が入力した発生場所と通報種別とをキーとして、これに対応する区分の応答用定型文を読み出すことができるようになっている。
【0039】
図1において、データベースDBは、指令台端末CからのSQL(Structured Query Language)の指令に応じて、読み込み、書き込み、更新を行うリレーショナルデータベースである。このデータベースDBは、移動端末K或いは非移動端末PCと、指令台端末Cとの間で行われるチャットのログを格納する。
【0040】
次に、図1に示す移動端末Kについて、図5のハードウェア構成図を参照しつつ説明する。本実施形態における移動端末Kは、少なくともHTML形式で記述されたデータをブラウジングできる携帯電話を想定している。
【0041】
図5に示すように、移動端末Kは、基地局BSとの無線通信を行う通信部(例えばアンテナ、無線部、送信機、受信機等を有する)11、発音するための発音部(例えば音源やスピーカ等を有する)12、数字入力、文字入力等の入力操作が行われる、キーパッド等を備えた入力部13、所定サイズの表示領域を有する液晶ディスプレイ14、これら各部を制御する制御部15を内蔵している。
【0042】
ここで、制御部15は、各種制御を行うCPU151と、このCPU151に実行されるブラウザ、Java仮想マシンを実現するソフトウェア、移動端末Kの制御プログラム、及びゲートウェイサーバGWSとの接続に必要な情報等を格納したROM152と、通信部11により受信したデータ、及び利用者の設定内容等を格納するフラッシュメモリ153と、CPU151のワーク領域として使用されるRAM154とを内蔵している。なお、Javaアプリケーションを実装することができる機種であればウェブサーバWSからダウンロードしたチャット専用Javaアプリケーションを上記フラッシュメモリ153に格納する。
【0043】
CPU151は、図示せぬ電源が投入されると、ROM152に格納された制御プログラムを読み出して実行し、当該制御プログラムおよび入力部13から入力される利用者の指示に従って移動端末K内の各部を制御する。
【0044】
また、CPU151は、フラッシュメモリ153に格納したJavaアプリケーションを実行する際にJava仮想マシンを起動し、このJava仮想マシン上で当該Javaアプリケーションを実行するようになっている。
【0045】
本実施形態において移動端末Kは、以下の手順により、上記ウェブサーバWSからチャット専用Javaアプリケーションをダウンロードすることができる。まず、CPU151がROM152に格納されたブラウザを読み出してこれを実行することにより、ウェブサーバWSの所定のディレクトリのURLにアクセスしてHTMLデータを取得する。続いて、このHTMLデータに基づいて液晶ディスプレイ14に対話画面(ページ)を表示させる。更に、この対話画面を視認した利用者が入力部13を操作すると、ウェブサーバWSのCPU105が、HD103から移動端末用のチャット専用Javaアプリケーション103bを読み出して移動端末Kに送信する。移動端末KのCPU151はこれをフラッシュメモリ153に格納する。
【0046】
ここで、上記指令台端末Cと異なり、移動端末Kは緊急通報サイトのチャットルームに常時入室している状態にあるわけではない。したがって、移動端末KからウェブサーバWSへの書き込み及び閲覧を行うためには、後の動作説明の項で詳述する認証手続きを行って入室の許可を得る必要がある。
【0047】
<実施形態の動作>
本実施形態に係る緊急通報システムの動作について説明する。図6は、本システムの動作を示すフローチャートである。本システムは、通報者が、自己の所有する端末から緊急通報サイトのURLへアクセスしたことをトリガーとして動作が開始される。緊急通報サイトのURLへのアクセスは、移動端末Kからでも非移動端末PCからでも可能であるが、ここでは、移動端末Kからアクセスするケースについて説明する。
【0048】
本システムによるサービスは、利用者登録を行った者のみ利用できるようになっている。利用者登録は、インターネットINET経由で行われる。この利用者登録は、ウェブサーバWSが管理する利用者登録用サイトのURLに自己の端末からアクセスし、このサイトの登録画面が端末に表示された状態において、自己の氏名、居所、メールアドレス、自己が任意に選定した会員ID、パスワードを入力することにより行われる。これらの入力事項は端末からウェブサーバWSに送信され、そのHD103の個人情報ファイル103cに格納される。移動端末Kから利用者登録を行う際、移動端末Kは、フラッシュメモリ153に予め格納されている固体識別番号を読み出して送信する。この固体識別番号は、各移動端末Kに付加されたユニークな11桁もしくは15桁の番号である。利用者登録の際に、移動端末Kから送信された固体識別番号は、同移動端末Kから送信された個人情報と関連付けて上記個人情報ファイル103cに格納される。
【0049】
以上説明した利用者登録を終えたユーザは、通報者となって、移動端末KによりウェブサーバWSの緊急通報サイトにアクセスすることができる。以下、その場合の動作を説明する。まず、通報者は、ウェブサーバWSの緊急通報サイトのURLに自己の移動端末Kからアクセスする(S100)。移動端末Kのアクセスを受けたウェブサーバWSのCPU151は、認証情報の引渡しを通信インターフェース104を介して移動端末Kに求める(S110)。当該要求を受けた移動端末KのCPU151は、通信部11を介して認証情報をウェブサーバWSへ送信する(S120)。
【0050】
この認証情報は、上述の固体識別番号(11桁もしくは15桁の番号)である場合と、ID及びパスワードである場合とがある。この実施形態では、認証情報の引渡しを求めるウェブサーバWSは、まず、確認画面の表示データを移動端末Kに送信して固体識別番号の引渡しを求める。この表示データを受信した移動端末KのCPU151は、液晶ディスプレイ14に確認画面を表示する。
【0051】
図7に確認画面の内容を示す。同画面最上段には「確認画面」と表示され、その下には「このURLは○○市消防局の緊急通報サイトです。携帯電話情報を送信しますか?」と表示されている。更にその下には、「はい」又は「いいえ」を選択するボタンが表示されている。この携帯電話情報は上記の固体識別番号を意味する。通報者が入力部13の操作により「はい」にカーソル表示を行わせ、これを選択する操作を行うと、当該移動端末KのCPU151は、フラッシュメモリ153から固体識別番号を読み出してこれを通信部11によりウェブサーバWSに送信する。
【0052】
ウェブサーバWSは、移動端末Kから固体識別番号を受信すると、利用者登録の際に移動端末Kから提示された固体識別番号を個人情報ファイル103cから読み出し、両固体識別番号を照合することにより、移動端末Kの認証を行う。このように、本実施形態においては、ID、パスワードの入力といったマニュアル操作を通報者に行わせることなく、利用者認証が行われる。
【0053】
一方、図7に示す画面が表示されている状態において、通報者が「いいえ」を選択する操作を行うと、CPU151は、IDとパスワードの入力を促すID/パスワード入力画面(図示略)を液晶ディスプレイ14に表示し、IDとパスワードとを通報者から取得してウェブサーバWSに送信する。ウェブサーバWSは、移動端末KからIDとパスワードを受信すると、利用者登録の際に移動端末Kから提示されたIDとパスワードを個人情報ファイル103cから読み出し、両者を照合することにより、移動端末Kの認証を行う。
【0054】
図6のフローチャートの説明に戻って、移動端末Kから受け取った認証情報を用いて利用者認証を行ったウェブサーバWSのCPU105は、当該認証情報に対応する個人情報、具体的には、氏名、居所、メールアドレスを個人情報ファイル103cから読み出す(S130)。そして、読み出した個人情報の表示を上部に有する優先情報要求画面の表示データを生成し、通信インターフェース104を介して移動端末Kに送信する(S140)。移動端末KのCPU151は、優先情報要求画面を液晶ディスプレイ14に表示する(S150)。
【0055】
図8に優先情報要求画面の内容を示す。同画面の最上段には、「消防局緊急通報サイト」と表示され、その下には、上記ウェブサーバWSのCPU105が読み出した個人情報が表示されている。そして、その下には、事故の発生場所、緊急通報種別、及び事件の概要をそれぞれ入力する入力欄が設置されている。更にその下には、「通報」又は「キャンセル」を選択するボタンが配置されている。
【0056】
ここで、事故の発生場所、緊急通報種別は、いずれも必須入力事項となっている。事故の発生場所は、通報者が入力部13を操作してテキスト入力される。但し、本実施形態においては、各文字で始まる地名のテーブルがフラッシュメモリ153に予め格納しており、入力欄にテキストが一文字入力されると、この文字で始まる地名のリストが表示されるようになっている、更に入力部13の操作によってこのリストから地名が選択されると、選択された地名が入力欄に自動的に入力されるようになっている。また、自動入力された地名の後に続けて更に細かな場所の指定を入力することも可能である。このような機能を用いた入力手順の一例を以下に示す。まず通報者が、「か」を入力することにより「か」で始まる地名のリストを表示させ、そのリストから「神奈川県」を選択して入力欄に自動入力させる。その後に「△△市」の先頭の仮名を入力して、その仮名で始まる地名のリストを表示させ、そのリストから「△△市」を選択して入力欄に自動入力させる。更に、上記テーブルに存在していない「○○の近く」というような細かな場所を、その後に続けて一文字ずつテキスト入力する。このような入力手順によれば「神奈川県△△市○○の近く」といった複雑な場所の指定であっても迅速に行うことができる。
【0057】
緊急通報の種別は、火災、交通事故、水難事故、及び急病を選択可能なプルダウンメニュー(不図示)を図8の表示欄に表示させ、操作部13を操作してこれら4つのいずれかを選択することによって入力される。
【0058】
ここで、必須入力事項となっている事故の発生場所及び緊急通報種別は、図4に示した応答用定型文ファイル203bから応答用定型文を読み出す検索キーとして利用される。詳しくは後の動作説明の項で説明する。
【0059】
一方、図8の優先情報要求画面において事件の概要は任意入力事項となっている。事件の概要は、通報者が入力部13を操作して入力欄にテキスト入力する。移動端末KのCPU151は、入力部13の操作によって「通報」がクリックされたとき、その時点で上記各入力欄に入力されている情報をウェブサーバWSへ通信部11を介して引き渡す(S160)。
【0060】
ウェブサーバWSのCPU105は、移動端末Kから取得した情報に、必須入力事項である、事故の発生場所及び緊急通報種別を特定する情報が含まれているかを判断し、含まれていないときは、これら情報の引渡しを移動端末Kに求める(S140)。具体的には、「発生場所、緊急通報種別の入力を行ってください」といったメッセージと発生場所および緊急通報種別の入力欄とを配置した再要求画面の表示データを移動端末Kに送信する。移動端末KのCPU151は、この再要求画面を液晶ディスプレイ14に表示して、必須入力事項の入力を求める。必須入力事項をウェブサーバWSが取得するまでこれらの処理が繰り返されることになる。
【0061】
一方、移動端末Kから取得した情報に、事故の発生場所及び緊急通報種別を特定する情報が含まれていたと判断したとき、ウェブサーバWSのCPU151は、チャットルームへの当該移動端末Kの入室を許可する(S170)。入室が許可されると、移動端末KのCPU151は、後に図示する通報画面を液晶ディスプレイ14に表示する。また、ウェブサーバWSのCPU105は、当該取得した優先情報及び通報者の個人情報を指令台端末Cに送信する(S180)。指令台端末CのCPU205は、後に図示する応答画面をコンピュータディスプレイ206に表示すると共に、着信通知ランプを点灯させる(S190)。この点灯により、コンピュータディスプレイ206を注視していなかった指令台端末Cのオペレータにも、通報者からのチャットルームへの訪問があったことを直ちに了解させることができる。
【0062】
ここで、上記優先情報要求画面では、事故の発生場所及び緊急通報種別を必須入力事項とし、これらの入力がなければチャットルームへの入室が許可されないようになっているが、このように制御している理由を説明しておく。
【0063】
消防車を出動させるのかそれとも救急車を出動させるのか、はたまたどこにある消防署や救急医療センターからそのような出動を行えば現場へ早く到達できるのかといった判断は、事故の発生場所や緊急通報種別といった情報に基づいて下されるのが一般的である。これを考慮し、本実施形態では、上記優先情報入力画面を表示して事故の発生場所及び緊急通報種別の提示をまず求め、これら情報の入力がなければチャットによる自由な発言ができないように構成した。このような構成とすれば、事故の発生場所や緊急通報種別といった優先情報を取得した消防局のオペレータが、所管となる消防署或いは救急医療センターをこれら情報から判断して出動指令を直ちに下し、その後のチャットを通じて取得した更に詳細な通報内容を、既に出動したの消防車或いは救急車へ無線や携帯電話を使って随時伝達するといった運用も可能になる。
【0064】
図6のフローチャートの説明に再び戻って説明を続ける。ウェブサーバWSは、ステップS170において入室を許可した移動端末Kに対し、通報内容の入力を促す通報画面の表示データを送る。
【0065】
この結果、通報画面が移動端末Kの液晶ディスプレイ14に表示される。図9に通報画面を示す。同画面の最上段には、「消防局緊急通報サイト」と表示され、その下には、チャットログ表示欄が配置されている。このチャットログ表示欄には、移動端末Kまたは指令台端末Cからの発言が時系列順に表示されることになる。なお、移動端末Kがチャットを開始する時点では、このチャットログ表示欄は空白になっている。また、チャットログ表示欄の下には、新規書き込み欄が配置されている。通報者が新たに発言したいときは、移動端末Kの入力部13を使ってこの新規書き込み欄にテキストを一文字ずつ入力し、更に画面最下段の「入力」ボタンをクリックする。
【0066】
ここで、上記チャット専用Javaアプリケーション103bを実装していない移動端末Kの液晶ディスプレイ14に表示される通報画面は図9に示すものとレイアウトが若干異なるのでこれについても説明しておく。当該移動端末の通報画面は、図10に示すように、「入力」ボタンの右隣に「更新」ボタンを配置している。この「更新」ボタンがクリックされると、HTTPのリクエストが移動端末KからウェブサーバWSに送信されるようになっている。上述のように、ウェブサーバWS側で特定の書き込み領域の記憶内容が更新されても、その更新以降に端末からHTTPリクエストを取得しなければ、この更新した記憶内容を端末に送信できない。したがって、チャット専用Javaアプリケーションを実装していない移動端末Kを利用する通報者は、上述のクリック操作を所定のタイミング(例えば5秒に1回)で継続的に行う必要がある。
【0067】
移動端末KのCPU151は、ユーザによってテキストの書き込み要求が入力された場合に、そのテキスト書き込み要求を含むHTTPのリクエストを通信部11を介してウェブサーバWSに送信する(S200)。移動端末Kからの書き込み要求を取得したウェブサーバWSのCPU105は、書き込み領域にこれを書き込んで更新し(S210)、当該更新後の書き込み領域の内容を通信インターフェース104を介して移動端末K及び指令台端末Cに送信する(S220)。そして、上述した移動端末Kの通報画面及び指令台端末Cの応答画面に、この更新内容が表示される(S230)。
【0068】
図11に、指令台端末Cのコンピュータディスプレイ206に表示される応答画面を示す。同画面の上段には通報者情報表示欄及び優先情報表示欄が配置されている。そして、この通報者情報表示欄には、通報者の氏名、居所、Eメールアドレスが表示される。これらの情報はウェブサーバWSの個人情報ファイル103cに格納されるものであったが、指令台端末CのCPU205は、上記220ステップにおいて通報者の氏名、居所、Eメールアドレスも併せて取得し、通報者情報表示欄に表示する。また。優先情報表示欄には、事故の発生場所、緊急通報種別、事件の概要といった情報が表示される。これらの情報は、図8に示した優先情報要求画面において入力された後、移動端末Kからウェブサーバに送信されるものであったが、指令台端末CのCPU205は、上記220ステップにおいて事件の発生場所、緊急通報種別、事件の概要といった情報も併せて取得し、優先情報表示欄に表示する。
【0069】
優先情報表示欄の下には、チャットログ表示欄が配置されている。このチャットログ表示欄の機能は、上記通報画面のチャットログ表示欄と同様である。このチャットログ表示欄に表示する情報は、指令台端末CのCPU205が上記220ステップにおいて取得して表示するものである。図11の例では、通報者から一回の発言がなされているが、消防局側からは未だ発言がなされていない状態を示している。
【0070】
更にチャットログ表示欄の下には、新規書き込み欄が配置されている。この新規書き込み欄の機能は上記通報画面の新規書き込み欄と同様である。
【0071】
消防局のオペレータが指令台端末Cから応答内容を発言するときは、CPU205が、後に図示する応答画面の所定欄に入力されたテキストの書き込み要求を、通信部11を介してウェブサーバWSに送信する(S240)。
【0072】
ここで、図11に示した新規書き込み欄へのテキストの入力は、入力デバイス207のキーボードを使って一文字ずつ入力していく方法と、定型文を選択して入力する方法とがある。前者の入力による場合は、新規書き込み欄にテキストを一文字ずつ入力して「入力」ボタンをクリックする。これに対し後者の入力による場合は、「定型文選択」ボタンをまずクリックする。この定型文選択による入力の動作について、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0073】
上記新規書き込み欄の下の「定型文選択」ボタンがクリックされると、指令台端末CのCPU205は、HD203の応答用定型文ファイル203bにアクセスし、応答用定型文を読み出す(S231)。応答用定型文は上記優先情報要求画面における入力内容をキーとして応答用定型文ファイル203bから選択される。図4に示したように、応答用定型文ファイル203bは、各応答用定型文を、事件の発生場所及び通報種別に応じてカテゴリー分けした上で格納している。そして、発生場所のカテゴリーには、「○○市内」、「周辺市町村(△△市と□□町と××町と△△村が該当)」、「その他」の3つがあり、これら3つのカテゴリーの各々を更に区分する通報場所のカテゴリーには、「火災」、「交通事故」、「水難事故」、「急病」の4つがあった。一方、図8に示した優先情報入力画面において入力された、事故の発生場所及び通報種別を特定する情報は、ウェブサーバWSを経由して指令台端末Cに送信されるようになっていた。従って、例えば、事故の発生場所が「神奈川県△△市○○の近く」で、通報種別が「火災」と入力されていたとき、CPU205は、「神奈川県△△市○○の近く」の中に、周辺市町村の「△△市」と一致するテキストが含まれていることから、発生場所のカテゴリを「周辺市町村」と特定する。更に、通報種別のカテゴリを「火災」と特定して、図4に示した定型文番号「2011」乃至「2013」の応答用定型文を読み出す。
【0074】
指令台端末CのCPU205は、応答用定型文ファイル203bから読み出した各応答用定型文を選択可能に配置した定型文選択画面をコンピュータディスプレイ206に表示する(S232)。
【0075】
図13に定型文選択画面を示す。同画面左側には、図8の優先情報要求画面で入力された事故の発生場所及び通報種別を表示する。その右側には、これら発生場所及び通報種別に対応する応答用定型文の定型文番号が表示され、更にその右側には応答用定型文の内容が表示される。消防局のオペレータは、好適な応答用定型文を選択して画面右端のチェックボックスにチェックを入れ、画面下の「入力」ボタンをクリックする。すると、指令台端末CのCPU151は、定型文選択画面から選択された応答用定型文を上記応答画面の新規書き込み欄に入力する(S233)。これにより、オペレータは、事件の発生場所、緊急通報種別の内容に応じて適宜選択した応答用定型文を新規書き込み欄に直ちに入力して返信できるため、よりリアルタイムに近い形でのレスポンスが可能になる。
【0076】
図6のフローチャートに再び戻って説明を続ける。指令台端末Cからの書き込み要求を取得したウェブサーバWSのCPU105は、書き込み領域にこれを書き込んで更新し(S250)、更新後の書き込み領域の内容を通信インターフェース104を介して移動端末K及び指令台端末Cに送信する(S260)。そして、上述した移動端末Kの通報画面及び指令台端末Cの通報画面に、この更新内容が表示される(S270)。移動端末Kの所有者である通報者は、通報画面に反映された応答を参照することにより、自己の通報が消防局のオペレータに確実に伝わっていることを認識することができる。
【0077】
通報者は、指令台端末Cとのチャットを終了するときは、移動端末Kの入力部13からログアウトの操作を行う。一方、まだこちらから発言すべき通報内容があるとき、或いは、指令台端末Cからの応答内容に「けが人は見当たりませんか?」といったような事件の詳細を更に問う発言が含まれていたとき、通報者は、上記通報画面の新規書き込み欄に更なる発言を入力し、画面最下段の「入力」ボタンをクリックする。これにより、再び上記ステップ200からステップ270の処理が実行される。これらの処理は、移動端末Kの入力部13からログアウトの操作が行われるまで繰り返される。
【0078】
一方、移動端末Kの入力部13からログアウトの操作が行われたとき、移動端末KのCPU151は、ログアウト要求を通信部11を介してウェブサーバWSに送信する(S280)。ログアウト要求を取得したウェブサーバWSのCPU151は、移動端末Kとの接続状態を切断すると共に、移動端末Kの入室を許可した後に書き込み領域に書き込まれたすべての発言のログを指令台端末Cに送信する(S290)。指令台端末CのCPU205は、ウェブサーバWSから取得したログをデータベースDBに格納する(S300)。
以上で、通報一回あたりの動作が終了する。
【0079】
以上説明した本実施形態は、通報者が、自己の所有する移動端末K或いは非移動端末PCからウェブサーバWSの緊急通報サイトにアクセスし、指令台端末Cのオペレータとのチャットを通じて通報内容を伝達するようになっている。したがって、音声によるコミュニケーションを苦手とする聴覚障害者からの通報であっても容易に受け付けることができる。更に、通報者は、指令台端末Cのオペレータの応答をチャットを通じてリアルタイムで取得することができるため、自己の通報が救急車或いは消防車の出動指示に迅速に反映されていることを認識できる。
【0080】
また、本実施形態は、通報者をチャットルームに入室させる前にまず、発生場所、緊急通報種別といった優先情報の引渡しを求め、これらの取得を完了した後でなければチャットを開始しないようになっている。従って、指令台端末Cのオペレータは、どの地域にある消防署に消防車の出動指示を出すか或いはどの地域の救急医療センターに救急車の出動指示を出すかといった判断を行うのに必須となる優先情報を迅速に取得できる。
【0081】
更に、通報者が入力した優先情報の内容に応じた好適なカテゴリが自動的に選択され、このカテゴリにに属するものとして予め格納されていた各応答用定型文が指令台端末Cに表示される。そして、オペレータがこれら各応答用定型文のいずれかを選択すると、指令台端末Cの新規書き込み欄に自動的に入力される。従って、指令台端末Cのオペレータは発言を一文字ずつ入力して返信する手間が省け、通報者への応答時間を大幅に短縮することができる。
【0082】
B 第2の実施の形態
<実施形態の構成>
本実施形態に係る緊急通報システムの構成について説明する。ただし、上記第1の実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。上記第1実施形態と異なり、本実施形態における指令台端末Cは、回答候補ファイル203cを格納している。図14に、指令台端末Cのハードウェア構成を示す。指令台端末CのHD203には、チャット専用Javaアプリケーション103b及び応答用定型文ファイル203bを格納し、更に回答候補ファイル203cも格納している。これらのうち、チャット専用Javaアプリケーション103bは上記第1実施形態に示したものと同様のデータである。一方、応答用定型文ファイル203bはそのデータ構造が上記第1実施形態に示したものと若干異なる。
【0083】
図15に、本実施形態における応答用定型文ファイル203bのデータ構造を示す。応答用定型文ファイル203bは、上記図4に示した応答用定型文ファイル203bと同様に、緊急通報の属性と当該属性に応じてカテゴリ分けされた複数の応答用定型文とを関連付けるが、更にこれに加えて、各応答用定型文に対応する回答候補フラグが設定されている。そして、応答用定型文を読んだ通報者に選択してもらう回答候補を予め用意しているときはこの回答候補フラグが「1」と設定され、回答候補を予め用意していないときは「0」と設定される。
【0084】
図16に、本実施形態における回答候補ファイル203cのデータ構造を示す。本実施形態における回答候補ファイル203cは、上記回答候補フラグが「1」と設定された応答用定型文に対応する各回答候補を格納している。応答用定型文の中には、相手方に更なる回答を求め、且つ、想定される相手方からの回答の内容が数パターンに収斂されるたぐいのものがある。例えば、「けが人は男性ですか?それとも女性ですか?」といった応答用定型文であれば、通報者からの回答は「怪我人は男性です」または「怪我人は女性です」といったもの以外は想定しにくい。このような応答用定型文については、上記回答候補フラグを「1」と設定すると共に、想定される各回答候補を回答候補ファイル203cに予め格納する。上記応答用定型文ファイル203bの応答用定型文番号は、回答候補ファイル203cへの外部キーとなっている。従ってCPU205は、オペレータに選択された応答用定型文の回答候補フラグが「1」になっていれば、更に回答候補ファイル203cにもアクセスして回答候補を読み出す。
【0085】
<実施形態の動作>
本実施形態に係る緊急通報システムの動作について説明する。本システムにおいても、通報者が、自己の所有する端末から緊急通報サイトのURLへアクセスしたことをトリガーとして動作が開始される点、及び予め利用者登録を行った者のみがサービスを利用できる点は、上記第1実施形態と同様であり、ここでの再度の説明を省略する。
【0086】
また、通報者の端末が緊急通報サイトのURLにアクセスして認証を受け、発生場所や緊急通報種別といった優先情報及び当該通報者の個人情報がウェブサーバWSを経由して指令台端末Cに送信され、着信通知ランプが点灯するまでの一連の動作も上記第1実施形態と同様であり、ここでの再度の説明を省略する。本実施形態において特徴的なのは、上記図11に示す応答画面の「定型文選択」ボタンがクリックされ、続いて表示される定型文選択画面から応答用定型文が選択された以降の動作である。図17は、本実施形態に特徴的な動作を示すフローチャートである。
【0087】
図12のフローチャートに示したように、図13の定型文選択画面で選択された応答用定型文は、図11に示した応答画面の新規書き込み欄に自動的に入力される(S233)。これに引き続いて実行される図17の動作では、指令台端末CのCPU205が、更に、HD203の応答用定型文ファイル203bにアクセスし、上記定型文選択画面で選択された応答用定型文に対応する回答候補フラグを参照する(S234)。そして、この回答候補フラグが「0」になっていれば、当該応答用定型文に対応する回答候補が用意されていないということなので、図6に示すステップ240以降と同様の動作が実行される。一方、回答候補フラグが「1」になっていれば、当該応答用定型文に対応する回答候補が用意されているということなので、CPU205は、HD203の回答候補ファイル203cから、定型文選択画面で選択された応答用定型文の定型文番号に対応する回答候補を読み出す(S235)。
【0088】
続いて図11に示す応答画面の「入力」ボタンがクリックされると、指令台端末CのCPU205は、応答画面の新規書き込み欄に入力された応答用定型文の書き込み要求並びに上記読み出した回答候補を、通信インターフェース204を介してウェブサーバWSに送信する(S241)。指令台端末Cからの書き込み要求を取得したウェブサーバWSのCPU105は、これを書き込み領域に書き込んで更新し(S251)、当該更新された書き込み領域の内容及び指令台端末Cから取得した回答候補を、通信インターフェース104を介して移動端末Kに送信する(S261)。移動端末KのCPU151は、液晶ディスプレイ14の通報画面に、この更新内容と、選択可能に配列した各回答候補とを表示する(S271a)。一方、指令台端末Cには、ステップ251で更新された書き込み領域の内容が送信され、指令台端末Cのコンピュータディスプレイ206に表示される(S271b)。
【0089】
図18に、上記ステップ271で表示される通報画面を示す。同画面は、上記図9に示した画面と同様に、チャットログ表示欄、新規書き込み欄、及び入力ボタンを配置する。更にチャットログ表示欄には、「怪我人は男性ですか。それとも女性ですか?いずれかを選んでください」といった質問が表示され、チャットログ表示欄の下には、「怪我人は男性です。」及び「怪我人は女性です。」という各回答候補が表示されている。これら表示された質問及び各回答候補は、ウェブサーバWSを経由して指令台端末Cから取得したものである。通報者が回答候補のいずれかを選択すると、選択された回答の書き込み要求がウェブサーバWCに送信されるので、上記質問を読んだ通報者は、画面下の新規書き込み欄に発言を一文字ずつ入力して応答する必要がない。
【0090】
移動端末KのCPU151は、上記選択された回答の書き込み要求を通信部11を介してウェブサーバWSに送信する(S311)。移動端末Kからの書き込み要求を取得したウェブサーバWSのCPU105は、これを書き込み領域に書き込んで更新し(S321)、当該更新後の書き込み領域の内容を通信インターフェース104を介して当該移動端末K及び指令台端末Cに送信する(S331)。そして、移動端末Kの通報画面及び指令台端末Cの通報画面に、この更新内容が表示される(S341)。
【0091】
これ以降、通報者が移動端末Kの入力部13からログアウトの操作を行ったときは図6に示すステップ280以降の処理が実行され、再度の書き込み要求を行ったときは図6に示すステップ200以降の処理が実行される。
【0092】
以上説明した本実施形態によれば、通報者に返信する応答用定型文を予め保持しておくだけでなく、この応答用定型文が通報者に更なる情報の提示を求める質問文であった場合の回答候補をも予め保持し、応答用定型文に加えてこれら回答候補をも通報者の端末へ送信すると、通報者が選択した回答が書き込み領域に自動的に書き込まれるようになっている。したがって、指令台端末Cのオペレータだけでなく通報者も、自己の発言を入力部13から一文字ずつ入力する手間が省けるので、よりリアルタイムに近いメッセージ交換が可能になる。
【0093】
C 変形例
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0094】
<変形例1>
上記実施形態において、移動端末Kの液晶ディスプレイ14に優先情報要求画面が表示されたにもかかわらず、必須入力事項である事故の発生場所及び緊急通報種別が入力されていなかった場合の動作手順は、発生場所及び種別を特定する情報を受け取っていないと判断したウェブサーバWSが、これらの情報の入力を移動端末Kに再度要求するようになっていたが、他の動作手順によって必須入力事項の取得を行ってもよい。
【0095】
例えば、移動端末KがJava仮想マシーンを実行可能な機種であれば、必須入力事項の入力が行われたかを監視するアプレットをウェブサーバからダウンロードさせ、このアプレットが上記必須入力事項の入力が行われたと判断するまで上記優先情報要求画面の下段の「通報」ボタンをクリック出来ないように移動端末Kを制御するようにしてもよい。このような構成をとることにより、ウェブサーバWSから移動端末Kへ再要求するという動作を行う必要がなくなり、ネットワーク上に流通する無駄なトラフィックを抑えることができる。
【0096】
<変形例2>
上記実施形態において、事故の発生場所は、移動端末Kの液晶ディスプレイ14に表示される優先情報要求画面から通報者が選択するようになっていたが、通報者による操作を行うことなく、事故の発生場所を特定する情報がウェブサーバWSに自動的に送信されるように構成してもよい。
【0097】
例えば、移動端末Kがその搭載するGPS(Global Positioning System)機能を用いることによって自らの所在地を示す情報を指令台端末Cに伝達し、指令台端末CのCPU205がこの情報に基づいて事故の発生場所を特定するようにしてもよい。また、自らの管轄する無線ゾーンにの範囲内に移動端末Kが存在していると判断した基地局BSから、その無線ゾーンの位置を指定する情報が指令台端末Cに伝送され、指令台端末CのCPU205がこの情報に基づいて事故の大まかな発生場所を特定するようにしてもよい。以上のような構成を採用することによって、通報者による場所の選択操作を省略できる。また、誤った場所の選択が行われて現実の事故の発生場所と異なる地域を管轄する消防署に出動指令が出されるという事態を回避できる。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、事件の発生を通報する者の端末と消防署などに設置された端末とがサーバ装置を介して接続され、これら両端末間によるチャットを通じて緊急通報が伝達される。したがって、音声によるコミュニケーションを苦手とする聴覚障害者からの通報を確実に受け付けることが出来る。また、消防署の端末からのチャットのレスポンスをリアルタイムに確認できるため、事件の発生を通報する者は、自己の通報が消防車等の出動に即座に反映されたことを認識できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の全体構成図である。
【図2】ウェブサーバのハードウェア構成図である。
【図3】指令台端末のハードウェア構成図である。
【図4】応答用定型文ファイルの一例である。
【図5】移動端末のハードウェア構成図である。
【図6】第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】確認画面の一例である。
【図8】優先情報要求画面の一例である。
【図9】通報画面の一例である。
【図10】通報画面の一例である。
【図11】応答画面の一例である。
【図12】定型文入力動作を示すフローチャートである。
【図13】定型文選択画面の一例である。
【図14】指令台端末のハードウェア構成図である。
【図15】応答用定型文ファイルの一例である。
【図16】回答候補ファイルの一例である。
【図17】第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図18】通報画面の一例である。
【符号の説明】
K…移動端末、PC…非移動端末、MPN…移動パケット通信網、BS…基地局、PS…パケット加入者処理装置、GWS…ゲートウェイサーバ、N…消防局ネットワーク、FW…ファイアウォール、WS…ウェブサーバ、C…指令台端末、DB…データベース、INET…インターネット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、緊急通報方法に係り、特に、インターネットを利用することにより、事故の発生を所轄の消防署等へ迅速に通報するための緊急通報方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、火災などの事故に遭遇した市民からの緊急通報は、電話、FAXなどを利用して行われている。具体的には、市民が、消防局或いは救急センターといった通報先に電話をかけ、またはFAX送信を行うことによって通報を行っている。この通報先には常時オペレータが待機しており、通報を受けると、直ちに所轄の消防署、或いは救急医療センターに出動指令を発するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上説明したような電話やFAXを利用した通報形態は、以下のような問題点を有していた。まず、電話による通報の場合、聴覚障害者などの音声による意思疎通を苦手とする方からの通報は困難であった。また、FAXによる通報の場合であっても、コンビニエンスストア等のFAX送信設備を備えた場所に行かなければ通報できないため迅速性という点で問題があった。従って、音声による意思疎通を苦手とする方からでも容易に通報を行えるような簡易性を有し、更に事故現場に遭遇した者がその現場から直ちに通報を行えるような迅速性をも有するような緊急通報システムの実現が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、チャットシステムを緊急通報に利用してはどうかとの考えにいたった。チャットは、自己の発言を端末からチャットサーバへ送信すると、このサーバへログインしている他の端末へその内容が即座に配信されるというサービスであり、よりリアルタイムに近い端末間のコミュニケーションを実現する手段として普及している。そして、このようなチャットの利便性を高めるための技術を開示した文献も多数開示されている。
【0005】
例えば、特許文献1は、一度ログイン手続きを行ったユーザの端末に対し、他のユーザがログインしてきたことをメール等により通知する技術を開示している。この技術によれば、チャット相手となるユーザが入室してくるまでチャットルームで待ち続けなければならないという時間的無駄を回避することができる。また、特許文献2は、次のような技術を開示している。まず、特定の相手方とのチャットを希望するユーザがその相手方の電話番号をチャットサーバに送信すると、その電話番号に対応するユーザへチャット依頼が送信される。このチャット依頼を受けたユーザが、自分の都合がよいときにチャット応答をチャットサーバへ返信すると、両者間にチャットモードが確立される。この技術によれば、チャットルームで待ち合わせる時間を予め申し合わせておかなければならないという不都合を回避することができる。
【0006】
一方、チャットサービスは、これまで、パーソナルコンピュータなどの非移動端末にのみ提供されるものであったが、携帯電話などの移動端末の近年の性能の向上を背景として、これら移動端末によってもチャットサービスを利用できるようになってきている。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、市民が、常時携帯するであろう移動端末からチャットを利用して緊急通報をすることができるシステムを提供するものである。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−99376号公報
【特許文献2】
特開2002−132694号公報
【0009】
この発明の好適な態様である緊急通報方法は、チャットシステムのサーバ装置に対し、第1の端末が緊急通報と当該緊急通報の属性とを引き渡す通報過程と、サーバ装置が、第1の端末から取得した緊急通報とその属性とを記憶部に書き込む通報書き込み過程と、第2の端末が、サーバ装置の記憶部に書き込まれた緊急通報とその属性とを閲覧する通報閲覧過程と、第2の端末が、上記書き込まれた属性に対応付けて当該端末内に記憶している応答用定型文を読み出し、サーバ装置に引き渡す応答引渡し過程と、サーバ装置が、第2の端末から取得した応答用定型文を上記記憶部に書き込む応答書き込み過程と、第1の端末が、サーバ装置の記憶部に書き込まれた応答用定型文を閲覧する応答閲覧過程とを有する。
【0010】
この態様において、上記通報過程は、第1の端末が、当該端末の入力部から緊急通報の属性の入力があることを条件に、当該入力部からの緊急通報の入力を受け付ける過程とを更に有してもよい。
【0011】
また、以上述べた各態様において、上記緊急通報の属性を、当該緊急通報の原因となった事故の発生場所としてもよいし、緊急通報の原因となった事故の種別としてもよい。
【0012】
更に、以上述べた各態様において、第2の端末は、各応答用定型文のそれぞれに対応付けた各回答群を記憶することとし、応答用定型文に対応する回答群を読み出し、サーバ装置に引き渡す過程と、サーバ装置が、第2の端末から取得した回答群を上記記憶部に書き込む過程と、第1の端末が、上記記憶部に書き込まれた回答群を閲覧して、この回答群のうちのいずれかの回答の選択を促すメッセージを表示する過程と、第1の端末が、上記回答群から選択された回答をサーバ装置に引き渡す過程と、サーバ装置が上記第1の端末から取得した回答を記憶部に書き込む過程と、第2の端末が上記記憶部に書き込まれた回答を閲覧する過程とを更に有してもよい。
【0013】
この発明の別の好適な態様である緊急通報応答端末は、緊急通報の属性に対応付けて複数の応答用定型文を格納した記憶部と、情報の通信部と、サーバ装置から通信部を介して緊急通報の属性を取得し、当該取得した属性に対応する応答用定型文を上記記憶部から読み出すと共に、当該読み出した応答用定型文を通信部を介してサーバ装置に引き渡す制御部とを備える。
【0014】
この態様において、上記記憶部が、各応答用定型文のそれぞれに対応付けた各回答群を格納することとし、制御部が、上記読み出した応答用定型文に対応する回答群を上記記憶部から読み出し、通信部を介して上記サーバ装置に引き渡してもよい。
【0015】
この発明の別の好適な態様であるチャットサーバ装置は、情報の記憶部と、情報の通信部と、緊急通報の属性の入力を促すメッセージを通信部を介して通報者の端末に引き渡すと共に、緊急通報の属性を上記通信部を介して上記端末から取得することを条件として、緊急通報を上記通信部を介して上記端末から取得する制御部とを備える。
【0016】
この発明の別の好適な態様である緊急通報プログラムは、緊急通報の属性の入力を促すメッセージを表示部に表示するステップと、緊急通報の属性を入力部を介して受け取るステップと、上記属性を受け取ったことを条件として、緊急通報を入力部を介して受け取るステップと、上記取得した緊急通報の属性及び緊急通報を通信部によりチャットサーバ装置に引き渡すステップとをコンピュータに実行させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
A 第1の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る緊急通報システムについて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、いわゆる当業者が通常用いる技術的手段による代替が可能である。以下に示す緊急通報システムにおいては、火災、交通事故、水難事故といった事故に遭遇し、事故の発生を消防局に通報する者(以下、単に通報者という)が自己の所有する端末から消防局にアクセスし、当該消防局に待機するオペレータの端末との間でチャットサービスを利用した問答を何度か繰り返すことによって、上記事故についての通報が行なわれるようになっている。
【0018】
<実施形態の構成>
本実施形態に係る緊急通報システムの構成について説明する。図1は本実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【0019】
この図において、移動端末Kは、移動パケット通信網MPNのパケット通信サービスを受ける携帯電話であり、移動パケット通信網MPN及び図示せぬ移動電話網に無線接続される。移動電話網は一般的な移動電話の通話サービスを提供する網であり、移動端末Kは当該通話サービスを受けることができる。移動端末Kの詳細な機能及び構成については後述する。
【0020】
移動パケット通信網MPNは、複数の基地局BS、複数のパケット加入者処理装置PS、ゲートウェイサーバGWSを有している。
【0021】
基地局BSは、地上を分割した例えば500m等の無線ゾーンの各々に配置されており、各無線ゾーンに在圏した移動端末Kとの間で無線通信を行う。
【0022】
パケット加入者処理装置PSは、複数の基地局BSを収容するパケット加入者交換局に備えられたコンピュータシステムであり、移動端末Kからのパケット交換要求を受け付けるとともに、受け付けたパケットを宛先の装置に中継する。
【0023】
ゲートウェイサーバGWSは、移動パケット通信網MPNとインターネットINET等の他網とを相互接続するための移動パケット関門中継交換局に備えられたコンピュータシステムであり、ネットワーク間で異なる通信プロトコルの変換を行う。ここでいう通信プロトコルの変換とは、具体的には、移動パケット通信網MPNが従う移動パケット通信網用の伝送プロトコルと、インターネットINETが従う伝送プロトコルとの相互変換をいう。
【0024】
なお、インターネットINETが従う伝送プロトコルには、ネットワーク層及びトランスポート層のTCP/IP(Transmission Control Protocol/InternetProtocol)とこのTCP/IP上で実現されるHTTPやHTTPS等のプロトコルが含まれており、移動パケット通信網MPNが従う伝送プロトコルには、TCP/IPを簡素化したプロトコルとHTTP(およびHTTPS)に相当するプロトコルとが含まれている。
【0025】
また、ゲートウェイサーバGWSは、移動端末KからHTTP(あるいはHTTPS)のGET要求を受け取ると、当該GET要求に含まれるURL(Uniform Resource Locator)を調べ、当該URLがインターネットINET上の一般的なURLである場合には、インターネットINETへ当該GET要求を転送し、このGET要求に対応してインターネットINETから送信されてきた応答を当該移動端末Kへ返送する。
【0026】
次に、図1に示す消防局ネットワークNについて詳述する。この消防局ネットワークNは、インターネットサービスプロバイダ(以下、ISPという)サーバによりインターネットINETへ接続されるようになっている。このISPサーバは、インターネットINETへの回線接続を行う関門サーバであり、後に詳述する緊急通報サイトをインターネットINET上に公開する役割を担っている。ここで、本実施形態においては、消防局ネットワークNとインターネットINETとを接続するISPサーバが2つ備えられている。回線の障害又は、ISPサーバのメインテナンス等によりサービスが寸断されるのを防止するためである。
【0027】
消防局ネットワークN内部では、ファイアウォールFW、レイヤ4スイッチ、ウェブサーバWS、データベースDB、指令台端末CがLANケーブルによって接続されている。この指令台端末Cには、専用のオペレータが常時待機し、移動端末K又は非移動端末PCからの緊急通報があったときはこれに対応できるようになっている。
【0028】
ウェブサーバWSは、緊急通報サイトの情報を格納するサーバである。このウェブサーバWSのハードウェア構成について、図2を参照しつつ説明しておく。ウェブサーバWSは、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、HD(Hard Disc)103と、通信インターフェース104と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)105とを有し、これら各部はバスにより接続されている。
【0029】
ROM101には、IPL(Initial Program Loader)などの装置各部の基本制御を司るプログラムが格納されている。また、RAM102は、CPU105のワークエリアとして用いられ、CPU105により実行されるプログラムや、各種のデータが一時的に格納される。HD103は、ウェブサーバWSのオペレーティングシステムなどを格納している。また、このHD103は、本実施形態に特有の処理を行うチャット制御プログラム103aのほか、チャット専用Java(登録商標)アプリケーション103b、個人情報ファイル103cを格納している。
【0030】
チャット制御プログラム103aは、CPU105によってRAM102に読み出され、実行される。このチャット制御プログラム103aの機能によって、CPU105は、非移動端末用と移動端末用の各チャットルームを各々運営するための書き込み領域を、RAM102内に確保する。更にCPU105は、各端末からの書き込み要求に応じて当該書き込み領域の内容を更新すると共に、更新後の当該書き込み領域の内容を、上記指令台端末C、移動端末K、或いは非移動端末PCに閲覧させる。
【0031】
ここで、本実施形態において、「閲覧させる」とは、当該各書き込み領域の記憶内容の電子データを各端末へ送信することを意味する。当該電子データの各端末への送信は、HTTPプロトコル或いはこれに相当するプロトコルに従って行われる。即ち、各端末からHTTPリクエストがウェブサーバWSに送られ、このHTTPリクエストに応答して、上記書き込み領域の記憶内容が読み出され、これを含んだHTTPレスポンスが各端末に送信される。
【0032】
HD103に格納されたチャット専用Javaアプリケーション103bは、Javaプログラミング言語で記述されたアプリケーションプログラム(以下、Javaアプリケーションという)のひとつであり、指令台端末C、移動端末K、非移動端末PCなどの外部の端末にダウンロードされるようになっている。ただし、上記各端末は実現する機能やハードウェアの性能が異なるため、指令台端末用、移動端末用、非移動端末用のそれぞれのチャット専用Javaアプリケーション103bがある。また、移動端末Kのなかには、Javaアプリケーションを実行できない機種もあり、このような機種の移動端末Kにはダウンロードできないようになっている。
【0033】
ここで、このチャット専用Javaアプリケーション103bの機能について説明しておく。上述のように、ウェブサーバWSの書き込み領域の記憶内容は、HTTPプロトコル或いはこれに相当するプロトコルにしたがって送信される。したがって、ウェブサーバWS側で特定の書き込み領域の記憶内容が更新されても、その更新以降に端末からHTTPリクエストを取得しなければ、この更新した記憶内容を当該端末に送信できない。一方、各端末が実装しているブラウザは、操作者からの操作など、何らかの要求が与えられない限り、HTTPリクエストを発信することはない。そこで、上記チャット専用Javaアプリケーション103bは、これが端末にダウンロードされ、当該端末の実装するブラウザと共に機能することとなった場合に、ウェブサーバWSの書き込み領域の内容の送信を要求するHTTPリクエストを所定の間隔毎(例えば5秒に1回)に継続して送信するように構成されている。したがって、ユーザは、予め上記チャット専用Javaアプリケーション103bを端末にダウンロードしておいて通報時にこれを端末に実行させることによって、HTTPリクエストをウェブサーバWSに送信するための操作を所定期間毎に行うといった煩わしさから開放される。
【0034】
個人情報ファイル103cは、後に詳述する利用者登録において開示された個人情報、具体的には、氏名、居所、メールアドレス、会員ID、及びパスワードといった情報を格納する。
【0035】
指令台端末Cは、移動端末K又は非移動端末PCからの緊急通報に応答するパーソナルコンピュータである。図3に、指令台端末Cのハードウェア構成を示す。同図に示すように、指令台端末Cは、ROM201と、RAM202と、HD203と、通信インターフェース204と、CPU205と、コンピュータディスプレイ206と、入力デバイス207とを有し、これらの各部はバスにより接続されている。ROM101と同様、ROM201には、IPLなどの制御プログラムが格納されている。また、RAM202は、CPU205のワークエリアとして用いられる。また、入力デバイス207は、キーボード及びマウスである。
【0036】
HD203には、図示しないオペレーティングシステムの他、チャット専用Javaアプリケーション103bと、応答用定型文ファイル203bとが格納されている。このチャット専用Javaアプリケーション103bは、上記ウェブサーバWSのHD103からダウンロードされたものである。このチャット専用Javaアプリケーション103bの機能は上述した通りである。また、移動端末K又は非移動端末PCと異なり、指令台端末Cは、上記緊急通報サイトのチャットルームへ常時入室している。また、通報者の端末からの入室状況を常時監視し、この入室状況を示す情報を記憶している。
【0037】
また、図1に示すように、指令台端末Cには着信通知ランプが接続されている。この着信通知ランプは、移動端末K又は非移動端末PCからウェブサーバWSへのアクセスがあった場合にその旨を通知するために設けられたランプである。すなわち、そのようなアクセスが行われ、ウェブサーバWSに接続に当たっての認証手続きが正常終了したとき、その旨が指令台端末Cに通知され、指令台端末Cにより着信通知ランプを点灯する動作が行われる。
【0038】
HD203に記憶された応答用定型文ファイル203bの構成を図4に示す。この応答用定型文ファイル203bに格納された応答用定型文は、事件の発生場所に応じて、「○○市内」、「周辺市町村(△△市と□□町と××町と△△村が該当)」、「その他」という3つのカテゴリーに区分されている。更にこれら3つの各カテゴリーの各々が、通報種別に応じて、「火災」、「交通事故」、「水難事故」、「急病」という4つのカテゴリーに区分されている。また、各応答用定型文には、個別の定型文番号が割り振られている。CPU205は、後に詳述する優先情報画面において通報者が入力した発生場所と通報種別とをキーとして、これに対応する区分の応答用定型文を読み出すことができるようになっている。
【0039】
図1において、データベースDBは、指令台端末CからのSQL(Structured Query Language)の指令に応じて、読み込み、書き込み、更新を行うリレーショナルデータベースである。このデータベースDBは、移動端末K或いは非移動端末PCと、指令台端末Cとの間で行われるチャットのログを格納する。
【0040】
次に、図1に示す移動端末Kについて、図5のハードウェア構成図を参照しつつ説明する。本実施形態における移動端末Kは、少なくともHTML形式で記述されたデータをブラウジングできる携帯電話を想定している。
【0041】
図5に示すように、移動端末Kは、基地局BSとの無線通信を行う通信部(例えばアンテナ、無線部、送信機、受信機等を有する)11、発音するための発音部(例えば音源やスピーカ等を有する)12、数字入力、文字入力等の入力操作が行われる、キーパッド等を備えた入力部13、所定サイズの表示領域を有する液晶ディスプレイ14、これら各部を制御する制御部15を内蔵している。
【0042】
ここで、制御部15は、各種制御を行うCPU151と、このCPU151に実行されるブラウザ、Java仮想マシンを実現するソフトウェア、移動端末Kの制御プログラム、及びゲートウェイサーバGWSとの接続に必要な情報等を格納したROM152と、通信部11により受信したデータ、及び利用者の設定内容等を格納するフラッシュメモリ153と、CPU151のワーク領域として使用されるRAM154とを内蔵している。なお、Javaアプリケーションを実装することができる機種であればウェブサーバWSからダウンロードしたチャット専用Javaアプリケーションを上記フラッシュメモリ153に格納する。
【0043】
CPU151は、図示せぬ電源が投入されると、ROM152に格納された制御プログラムを読み出して実行し、当該制御プログラムおよび入力部13から入力される利用者の指示に従って移動端末K内の各部を制御する。
【0044】
また、CPU151は、フラッシュメモリ153に格納したJavaアプリケーションを実行する際にJava仮想マシンを起動し、このJava仮想マシン上で当該Javaアプリケーションを実行するようになっている。
【0045】
本実施形態において移動端末Kは、以下の手順により、上記ウェブサーバWSからチャット専用Javaアプリケーションをダウンロードすることができる。まず、CPU151がROM152に格納されたブラウザを読み出してこれを実行することにより、ウェブサーバWSの所定のディレクトリのURLにアクセスしてHTMLデータを取得する。続いて、このHTMLデータに基づいて液晶ディスプレイ14に対話画面(ページ)を表示させる。更に、この対話画面を視認した利用者が入力部13を操作すると、ウェブサーバWSのCPU105が、HD103から移動端末用のチャット専用Javaアプリケーション103bを読み出して移動端末Kに送信する。移動端末KのCPU151はこれをフラッシュメモリ153に格納する。
【0046】
ここで、上記指令台端末Cと異なり、移動端末Kは緊急通報サイトのチャットルームに常時入室している状態にあるわけではない。したがって、移動端末KからウェブサーバWSへの書き込み及び閲覧を行うためには、後の動作説明の項で詳述する認証手続きを行って入室の許可を得る必要がある。
【0047】
<実施形態の動作>
本実施形態に係る緊急通報システムの動作について説明する。図6は、本システムの動作を示すフローチャートである。本システムは、通報者が、自己の所有する端末から緊急通報サイトのURLへアクセスしたことをトリガーとして動作が開始される。緊急通報サイトのURLへのアクセスは、移動端末Kからでも非移動端末PCからでも可能であるが、ここでは、移動端末Kからアクセスするケースについて説明する。
【0048】
本システムによるサービスは、利用者登録を行った者のみ利用できるようになっている。利用者登録は、インターネットINET経由で行われる。この利用者登録は、ウェブサーバWSが管理する利用者登録用サイトのURLに自己の端末からアクセスし、このサイトの登録画面が端末に表示された状態において、自己の氏名、居所、メールアドレス、自己が任意に選定した会員ID、パスワードを入力することにより行われる。これらの入力事項は端末からウェブサーバWSに送信され、そのHD103の個人情報ファイル103cに格納される。移動端末Kから利用者登録を行う際、移動端末Kは、フラッシュメモリ153に予め格納されている固体識別番号を読み出して送信する。この固体識別番号は、各移動端末Kに付加されたユニークな11桁もしくは15桁の番号である。利用者登録の際に、移動端末Kから送信された固体識別番号は、同移動端末Kから送信された個人情報と関連付けて上記個人情報ファイル103cに格納される。
【0049】
以上説明した利用者登録を終えたユーザは、通報者となって、移動端末KによりウェブサーバWSの緊急通報サイトにアクセスすることができる。以下、その場合の動作を説明する。まず、通報者は、ウェブサーバWSの緊急通報サイトのURLに自己の移動端末Kからアクセスする(S100)。移動端末Kのアクセスを受けたウェブサーバWSのCPU151は、認証情報の引渡しを通信インターフェース104を介して移動端末Kに求める(S110)。当該要求を受けた移動端末KのCPU151は、通信部11を介して認証情報をウェブサーバWSへ送信する(S120)。
【0050】
この認証情報は、上述の固体識別番号(11桁もしくは15桁の番号)である場合と、ID及びパスワードである場合とがある。この実施形態では、認証情報の引渡しを求めるウェブサーバWSは、まず、確認画面の表示データを移動端末Kに送信して固体識別番号の引渡しを求める。この表示データを受信した移動端末KのCPU151は、液晶ディスプレイ14に確認画面を表示する。
【0051】
図7に確認画面の内容を示す。同画面最上段には「確認画面」と表示され、その下には「このURLは○○市消防局の緊急通報サイトです。携帯電話情報を送信しますか?」と表示されている。更にその下には、「はい」又は「いいえ」を選択するボタンが表示されている。この携帯電話情報は上記の固体識別番号を意味する。通報者が入力部13の操作により「はい」にカーソル表示を行わせ、これを選択する操作を行うと、当該移動端末KのCPU151は、フラッシュメモリ153から固体識別番号を読み出してこれを通信部11によりウェブサーバWSに送信する。
【0052】
ウェブサーバWSは、移動端末Kから固体識別番号を受信すると、利用者登録の際に移動端末Kから提示された固体識別番号を個人情報ファイル103cから読み出し、両固体識別番号を照合することにより、移動端末Kの認証を行う。このように、本実施形態においては、ID、パスワードの入力といったマニュアル操作を通報者に行わせることなく、利用者認証が行われる。
【0053】
一方、図7に示す画面が表示されている状態において、通報者が「いいえ」を選択する操作を行うと、CPU151は、IDとパスワードの入力を促すID/パスワード入力画面(図示略)を液晶ディスプレイ14に表示し、IDとパスワードとを通報者から取得してウェブサーバWSに送信する。ウェブサーバWSは、移動端末KからIDとパスワードを受信すると、利用者登録の際に移動端末Kから提示されたIDとパスワードを個人情報ファイル103cから読み出し、両者を照合することにより、移動端末Kの認証を行う。
【0054】
図6のフローチャートの説明に戻って、移動端末Kから受け取った認証情報を用いて利用者認証を行ったウェブサーバWSのCPU105は、当該認証情報に対応する個人情報、具体的には、氏名、居所、メールアドレスを個人情報ファイル103cから読み出す(S130)。そして、読み出した個人情報の表示を上部に有する優先情報要求画面の表示データを生成し、通信インターフェース104を介して移動端末Kに送信する(S140)。移動端末KのCPU151は、優先情報要求画面を液晶ディスプレイ14に表示する(S150)。
【0055】
図8に優先情報要求画面の内容を示す。同画面の最上段には、「消防局緊急通報サイト」と表示され、その下には、上記ウェブサーバWSのCPU105が読み出した個人情報が表示されている。そして、その下には、事故の発生場所、緊急通報種別、及び事件の概要をそれぞれ入力する入力欄が設置されている。更にその下には、「通報」又は「キャンセル」を選択するボタンが配置されている。
【0056】
ここで、事故の発生場所、緊急通報種別は、いずれも必須入力事項となっている。事故の発生場所は、通報者が入力部13を操作してテキスト入力される。但し、本実施形態においては、各文字で始まる地名のテーブルがフラッシュメモリ153に予め格納しており、入力欄にテキストが一文字入力されると、この文字で始まる地名のリストが表示されるようになっている、更に入力部13の操作によってこのリストから地名が選択されると、選択された地名が入力欄に自動的に入力されるようになっている。また、自動入力された地名の後に続けて更に細かな場所の指定を入力することも可能である。このような機能を用いた入力手順の一例を以下に示す。まず通報者が、「か」を入力することにより「か」で始まる地名のリストを表示させ、そのリストから「神奈川県」を選択して入力欄に自動入力させる。その後に「△△市」の先頭の仮名を入力して、その仮名で始まる地名のリストを表示させ、そのリストから「△△市」を選択して入力欄に自動入力させる。更に、上記テーブルに存在していない「○○の近く」というような細かな場所を、その後に続けて一文字ずつテキスト入力する。このような入力手順によれば「神奈川県△△市○○の近く」といった複雑な場所の指定であっても迅速に行うことができる。
【0057】
緊急通報の種別は、火災、交通事故、水難事故、及び急病を選択可能なプルダウンメニュー(不図示)を図8の表示欄に表示させ、操作部13を操作してこれら4つのいずれかを選択することによって入力される。
【0058】
ここで、必須入力事項となっている事故の発生場所及び緊急通報種別は、図4に示した応答用定型文ファイル203bから応答用定型文を読み出す検索キーとして利用される。詳しくは後の動作説明の項で説明する。
【0059】
一方、図8の優先情報要求画面において事件の概要は任意入力事項となっている。事件の概要は、通報者が入力部13を操作して入力欄にテキスト入力する。移動端末KのCPU151は、入力部13の操作によって「通報」がクリックされたとき、その時点で上記各入力欄に入力されている情報をウェブサーバWSへ通信部11を介して引き渡す(S160)。
【0060】
ウェブサーバWSのCPU105は、移動端末Kから取得した情報に、必須入力事項である、事故の発生場所及び緊急通報種別を特定する情報が含まれているかを判断し、含まれていないときは、これら情報の引渡しを移動端末Kに求める(S140)。具体的には、「発生場所、緊急通報種別の入力を行ってください」といったメッセージと発生場所および緊急通報種別の入力欄とを配置した再要求画面の表示データを移動端末Kに送信する。移動端末KのCPU151は、この再要求画面を液晶ディスプレイ14に表示して、必須入力事項の入力を求める。必須入力事項をウェブサーバWSが取得するまでこれらの処理が繰り返されることになる。
【0061】
一方、移動端末Kから取得した情報に、事故の発生場所及び緊急通報種別を特定する情報が含まれていたと判断したとき、ウェブサーバWSのCPU151は、チャットルームへの当該移動端末Kの入室を許可する(S170)。入室が許可されると、移動端末KのCPU151は、後に図示する通報画面を液晶ディスプレイ14に表示する。また、ウェブサーバWSのCPU105は、当該取得した優先情報及び通報者の個人情報を指令台端末Cに送信する(S180)。指令台端末CのCPU205は、後に図示する応答画面をコンピュータディスプレイ206に表示すると共に、着信通知ランプを点灯させる(S190)。この点灯により、コンピュータディスプレイ206を注視していなかった指令台端末Cのオペレータにも、通報者からのチャットルームへの訪問があったことを直ちに了解させることができる。
【0062】
ここで、上記優先情報要求画面では、事故の発生場所及び緊急通報種別を必須入力事項とし、これらの入力がなければチャットルームへの入室が許可されないようになっているが、このように制御している理由を説明しておく。
【0063】
消防車を出動させるのかそれとも救急車を出動させるのか、はたまたどこにある消防署や救急医療センターからそのような出動を行えば現場へ早く到達できるのかといった判断は、事故の発生場所や緊急通報種別といった情報に基づいて下されるのが一般的である。これを考慮し、本実施形態では、上記優先情報入力画面を表示して事故の発生場所及び緊急通報種別の提示をまず求め、これら情報の入力がなければチャットによる自由な発言ができないように構成した。このような構成とすれば、事故の発生場所や緊急通報種別といった優先情報を取得した消防局のオペレータが、所管となる消防署或いは救急医療センターをこれら情報から判断して出動指令を直ちに下し、その後のチャットを通じて取得した更に詳細な通報内容を、既に出動したの消防車或いは救急車へ無線や携帯電話を使って随時伝達するといった運用も可能になる。
【0064】
図6のフローチャートの説明に再び戻って説明を続ける。ウェブサーバWSは、ステップS170において入室を許可した移動端末Kに対し、通報内容の入力を促す通報画面の表示データを送る。
【0065】
この結果、通報画面が移動端末Kの液晶ディスプレイ14に表示される。図9に通報画面を示す。同画面の最上段には、「消防局緊急通報サイト」と表示され、その下には、チャットログ表示欄が配置されている。このチャットログ表示欄には、移動端末Kまたは指令台端末Cからの発言が時系列順に表示されることになる。なお、移動端末Kがチャットを開始する時点では、このチャットログ表示欄は空白になっている。また、チャットログ表示欄の下には、新規書き込み欄が配置されている。通報者が新たに発言したいときは、移動端末Kの入力部13を使ってこの新規書き込み欄にテキストを一文字ずつ入力し、更に画面最下段の「入力」ボタンをクリックする。
【0066】
ここで、上記チャット専用Javaアプリケーション103bを実装していない移動端末Kの液晶ディスプレイ14に表示される通報画面は図9に示すものとレイアウトが若干異なるのでこれについても説明しておく。当該移動端末の通報画面は、図10に示すように、「入力」ボタンの右隣に「更新」ボタンを配置している。この「更新」ボタンがクリックされると、HTTPのリクエストが移動端末KからウェブサーバWSに送信されるようになっている。上述のように、ウェブサーバWS側で特定の書き込み領域の記憶内容が更新されても、その更新以降に端末からHTTPリクエストを取得しなければ、この更新した記憶内容を端末に送信できない。したがって、チャット専用Javaアプリケーションを実装していない移動端末Kを利用する通報者は、上述のクリック操作を所定のタイミング(例えば5秒に1回)で継続的に行う必要がある。
【0067】
移動端末KのCPU151は、ユーザによってテキストの書き込み要求が入力された場合に、そのテキスト書き込み要求を含むHTTPのリクエストを通信部11を介してウェブサーバWSに送信する(S200)。移動端末Kからの書き込み要求を取得したウェブサーバWSのCPU105は、書き込み領域にこれを書き込んで更新し(S210)、当該更新後の書き込み領域の内容を通信インターフェース104を介して移動端末K及び指令台端末Cに送信する(S220)。そして、上述した移動端末Kの通報画面及び指令台端末Cの応答画面に、この更新内容が表示される(S230)。
【0068】
図11に、指令台端末Cのコンピュータディスプレイ206に表示される応答画面を示す。同画面の上段には通報者情報表示欄及び優先情報表示欄が配置されている。そして、この通報者情報表示欄には、通報者の氏名、居所、Eメールアドレスが表示される。これらの情報はウェブサーバWSの個人情報ファイル103cに格納されるものであったが、指令台端末CのCPU205は、上記220ステップにおいて通報者の氏名、居所、Eメールアドレスも併せて取得し、通報者情報表示欄に表示する。また。優先情報表示欄には、事故の発生場所、緊急通報種別、事件の概要といった情報が表示される。これらの情報は、図8に示した優先情報要求画面において入力された後、移動端末Kからウェブサーバに送信されるものであったが、指令台端末CのCPU205は、上記220ステップにおいて事件の発生場所、緊急通報種別、事件の概要といった情報も併せて取得し、優先情報表示欄に表示する。
【0069】
優先情報表示欄の下には、チャットログ表示欄が配置されている。このチャットログ表示欄の機能は、上記通報画面のチャットログ表示欄と同様である。このチャットログ表示欄に表示する情報は、指令台端末CのCPU205が上記220ステップにおいて取得して表示するものである。図11の例では、通報者から一回の発言がなされているが、消防局側からは未だ発言がなされていない状態を示している。
【0070】
更にチャットログ表示欄の下には、新規書き込み欄が配置されている。この新規書き込み欄の機能は上記通報画面の新規書き込み欄と同様である。
【0071】
消防局のオペレータが指令台端末Cから応答内容を発言するときは、CPU205が、後に図示する応答画面の所定欄に入力されたテキストの書き込み要求を、通信部11を介してウェブサーバWSに送信する(S240)。
【0072】
ここで、図11に示した新規書き込み欄へのテキストの入力は、入力デバイス207のキーボードを使って一文字ずつ入力していく方法と、定型文を選択して入力する方法とがある。前者の入力による場合は、新規書き込み欄にテキストを一文字ずつ入力して「入力」ボタンをクリックする。これに対し後者の入力による場合は、「定型文選択」ボタンをまずクリックする。この定型文選択による入力の動作について、図12のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0073】
上記新規書き込み欄の下の「定型文選択」ボタンがクリックされると、指令台端末CのCPU205は、HD203の応答用定型文ファイル203bにアクセスし、応答用定型文を読み出す(S231)。応答用定型文は上記優先情報要求画面における入力内容をキーとして応答用定型文ファイル203bから選択される。図4に示したように、応答用定型文ファイル203bは、各応答用定型文を、事件の発生場所及び通報種別に応じてカテゴリー分けした上で格納している。そして、発生場所のカテゴリーには、「○○市内」、「周辺市町村(△△市と□□町と××町と△△村が該当)」、「その他」の3つがあり、これら3つのカテゴリーの各々を更に区分する通報場所のカテゴリーには、「火災」、「交通事故」、「水難事故」、「急病」の4つがあった。一方、図8に示した優先情報入力画面において入力された、事故の発生場所及び通報種別を特定する情報は、ウェブサーバWSを経由して指令台端末Cに送信されるようになっていた。従って、例えば、事故の発生場所が「神奈川県△△市○○の近く」で、通報種別が「火災」と入力されていたとき、CPU205は、「神奈川県△△市○○の近く」の中に、周辺市町村の「△△市」と一致するテキストが含まれていることから、発生場所のカテゴリを「周辺市町村」と特定する。更に、通報種別のカテゴリを「火災」と特定して、図4に示した定型文番号「2011」乃至「2013」の応答用定型文を読み出す。
【0074】
指令台端末CのCPU205は、応答用定型文ファイル203bから読み出した各応答用定型文を選択可能に配置した定型文選択画面をコンピュータディスプレイ206に表示する(S232)。
【0075】
図13に定型文選択画面を示す。同画面左側には、図8の優先情報要求画面で入力された事故の発生場所及び通報種別を表示する。その右側には、これら発生場所及び通報種別に対応する応答用定型文の定型文番号が表示され、更にその右側には応答用定型文の内容が表示される。消防局のオペレータは、好適な応答用定型文を選択して画面右端のチェックボックスにチェックを入れ、画面下の「入力」ボタンをクリックする。すると、指令台端末CのCPU151は、定型文選択画面から選択された応答用定型文を上記応答画面の新規書き込み欄に入力する(S233)。これにより、オペレータは、事件の発生場所、緊急通報種別の内容に応じて適宜選択した応答用定型文を新規書き込み欄に直ちに入力して返信できるため、よりリアルタイムに近い形でのレスポンスが可能になる。
【0076】
図6のフローチャートに再び戻って説明を続ける。指令台端末Cからの書き込み要求を取得したウェブサーバWSのCPU105は、書き込み領域にこれを書き込んで更新し(S250)、更新後の書き込み領域の内容を通信インターフェース104を介して移動端末K及び指令台端末Cに送信する(S260)。そして、上述した移動端末Kの通報画面及び指令台端末Cの通報画面に、この更新内容が表示される(S270)。移動端末Kの所有者である通報者は、通報画面に反映された応答を参照することにより、自己の通報が消防局のオペレータに確実に伝わっていることを認識することができる。
【0077】
通報者は、指令台端末Cとのチャットを終了するときは、移動端末Kの入力部13からログアウトの操作を行う。一方、まだこちらから発言すべき通報内容があるとき、或いは、指令台端末Cからの応答内容に「けが人は見当たりませんか?」といったような事件の詳細を更に問う発言が含まれていたとき、通報者は、上記通報画面の新規書き込み欄に更なる発言を入力し、画面最下段の「入力」ボタンをクリックする。これにより、再び上記ステップ200からステップ270の処理が実行される。これらの処理は、移動端末Kの入力部13からログアウトの操作が行われるまで繰り返される。
【0078】
一方、移動端末Kの入力部13からログアウトの操作が行われたとき、移動端末KのCPU151は、ログアウト要求を通信部11を介してウェブサーバWSに送信する(S280)。ログアウト要求を取得したウェブサーバWSのCPU151は、移動端末Kとの接続状態を切断すると共に、移動端末Kの入室を許可した後に書き込み領域に書き込まれたすべての発言のログを指令台端末Cに送信する(S290)。指令台端末CのCPU205は、ウェブサーバWSから取得したログをデータベースDBに格納する(S300)。
以上で、通報一回あたりの動作が終了する。
【0079】
以上説明した本実施形態は、通報者が、自己の所有する移動端末K或いは非移動端末PCからウェブサーバWSの緊急通報サイトにアクセスし、指令台端末Cのオペレータとのチャットを通じて通報内容を伝達するようになっている。したがって、音声によるコミュニケーションを苦手とする聴覚障害者からの通報であっても容易に受け付けることができる。更に、通報者は、指令台端末Cのオペレータの応答をチャットを通じてリアルタイムで取得することができるため、自己の通報が救急車或いは消防車の出動指示に迅速に反映されていることを認識できる。
【0080】
また、本実施形態は、通報者をチャットルームに入室させる前にまず、発生場所、緊急通報種別といった優先情報の引渡しを求め、これらの取得を完了した後でなければチャットを開始しないようになっている。従って、指令台端末Cのオペレータは、どの地域にある消防署に消防車の出動指示を出すか或いはどの地域の救急医療センターに救急車の出動指示を出すかといった判断を行うのに必須となる優先情報を迅速に取得できる。
【0081】
更に、通報者が入力した優先情報の内容に応じた好適なカテゴリが自動的に選択され、このカテゴリにに属するものとして予め格納されていた各応答用定型文が指令台端末Cに表示される。そして、オペレータがこれら各応答用定型文のいずれかを選択すると、指令台端末Cの新規書き込み欄に自動的に入力される。従って、指令台端末Cのオペレータは発言を一文字ずつ入力して返信する手間が省け、通報者への応答時間を大幅に短縮することができる。
【0082】
B 第2の実施の形態
<実施形態の構成>
本実施形態に係る緊急通報システムの構成について説明する。ただし、上記第1の実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。上記第1実施形態と異なり、本実施形態における指令台端末Cは、回答候補ファイル203cを格納している。図14に、指令台端末Cのハードウェア構成を示す。指令台端末CのHD203には、チャット専用Javaアプリケーション103b及び応答用定型文ファイル203bを格納し、更に回答候補ファイル203cも格納している。これらのうち、チャット専用Javaアプリケーション103bは上記第1実施形態に示したものと同様のデータである。一方、応答用定型文ファイル203bはそのデータ構造が上記第1実施形態に示したものと若干異なる。
【0083】
図15に、本実施形態における応答用定型文ファイル203bのデータ構造を示す。応答用定型文ファイル203bは、上記図4に示した応答用定型文ファイル203bと同様に、緊急通報の属性と当該属性に応じてカテゴリ分けされた複数の応答用定型文とを関連付けるが、更にこれに加えて、各応答用定型文に対応する回答候補フラグが設定されている。そして、応答用定型文を読んだ通報者に選択してもらう回答候補を予め用意しているときはこの回答候補フラグが「1」と設定され、回答候補を予め用意していないときは「0」と設定される。
【0084】
図16に、本実施形態における回答候補ファイル203cのデータ構造を示す。本実施形態における回答候補ファイル203cは、上記回答候補フラグが「1」と設定された応答用定型文に対応する各回答候補を格納している。応答用定型文の中には、相手方に更なる回答を求め、且つ、想定される相手方からの回答の内容が数パターンに収斂されるたぐいのものがある。例えば、「けが人は男性ですか?それとも女性ですか?」といった応答用定型文であれば、通報者からの回答は「怪我人は男性です」または「怪我人は女性です」といったもの以外は想定しにくい。このような応答用定型文については、上記回答候補フラグを「1」と設定すると共に、想定される各回答候補を回答候補ファイル203cに予め格納する。上記応答用定型文ファイル203bの応答用定型文番号は、回答候補ファイル203cへの外部キーとなっている。従ってCPU205は、オペレータに選択された応答用定型文の回答候補フラグが「1」になっていれば、更に回答候補ファイル203cにもアクセスして回答候補を読み出す。
【0085】
<実施形態の動作>
本実施形態に係る緊急通報システムの動作について説明する。本システムにおいても、通報者が、自己の所有する端末から緊急通報サイトのURLへアクセスしたことをトリガーとして動作が開始される点、及び予め利用者登録を行った者のみがサービスを利用できる点は、上記第1実施形態と同様であり、ここでの再度の説明を省略する。
【0086】
また、通報者の端末が緊急通報サイトのURLにアクセスして認証を受け、発生場所や緊急通報種別といった優先情報及び当該通報者の個人情報がウェブサーバWSを経由して指令台端末Cに送信され、着信通知ランプが点灯するまでの一連の動作も上記第1実施形態と同様であり、ここでの再度の説明を省略する。本実施形態において特徴的なのは、上記図11に示す応答画面の「定型文選択」ボタンがクリックされ、続いて表示される定型文選択画面から応答用定型文が選択された以降の動作である。図17は、本実施形態に特徴的な動作を示すフローチャートである。
【0087】
図12のフローチャートに示したように、図13の定型文選択画面で選択された応答用定型文は、図11に示した応答画面の新規書き込み欄に自動的に入力される(S233)。これに引き続いて実行される図17の動作では、指令台端末CのCPU205が、更に、HD203の応答用定型文ファイル203bにアクセスし、上記定型文選択画面で選択された応答用定型文に対応する回答候補フラグを参照する(S234)。そして、この回答候補フラグが「0」になっていれば、当該応答用定型文に対応する回答候補が用意されていないということなので、図6に示すステップ240以降と同様の動作が実行される。一方、回答候補フラグが「1」になっていれば、当該応答用定型文に対応する回答候補が用意されているということなので、CPU205は、HD203の回答候補ファイル203cから、定型文選択画面で選択された応答用定型文の定型文番号に対応する回答候補を読み出す(S235)。
【0088】
続いて図11に示す応答画面の「入力」ボタンがクリックされると、指令台端末CのCPU205は、応答画面の新規書き込み欄に入力された応答用定型文の書き込み要求並びに上記読み出した回答候補を、通信インターフェース204を介してウェブサーバWSに送信する(S241)。指令台端末Cからの書き込み要求を取得したウェブサーバWSのCPU105は、これを書き込み領域に書き込んで更新し(S251)、当該更新された書き込み領域の内容及び指令台端末Cから取得した回答候補を、通信インターフェース104を介して移動端末Kに送信する(S261)。移動端末KのCPU151は、液晶ディスプレイ14の通報画面に、この更新内容と、選択可能に配列した各回答候補とを表示する(S271a)。一方、指令台端末Cには、ステップ251で更新された書き込み領域の内容が送信され、指令台端末Cのコンピュータディスプレイ206に表示される(S271b)。
【0089】
図18に、上記ステップ271で表示される通報画面を示す。同画面は、上記図9に示した画面と同様に、チャットログ表示欄、新規書き込み欄、及び入力ボタンを配置する。更にチャットログ表示欄には、「怪我人は男性ですか。それとも女性ですか?いずれかを選んでください」といった質問が表示され、チャットログ表示欄の下には、「怪我人は男性です。」及び「怪我人は女性です。」という各回答候補が表示されている。これら表示された質問及び各回答候補は、ウェブサーバWSを経由して指令台端末Cから取得したものである。通報者が回答候補のいずれかを選択すると、選択された回答の書き込み要求がウェブサーバWCに送信されるので、上記質問を読んだ通報者は、画面下の新規書き込み欄に発言を一文字ずつ入力して応答する必要がない。
【0090】
移動端末KのCPU151は、上記選択された回答の書き込み要求を通信部11を介してウェブサーバWSに送信する(S311)。移動端末Kからの書き込み要求を取得したウェブサーバWSのCPU105は、これを書き込み領域に書き込んで更新し(S321)、当該更新後の書き込み領域の内容を通信インターフェース104を介して当該移動端末K及び指令台端末Cに送信する(S331)。そして、移動端末Kの通報画面及び指令台端末Cの通報画面に、この更新内容が表示される(S341)。
【0091】
これ以降、通報者が移動端末Kの入力部13からログアウトの操作を行ったときは図6に示すステップ280以降の処理が実行され、再度の書き込み要求を行ったときは図6に示すステップ200以降の処理が実行される。
【0092】
以上説明した本実施形態によれば、通報者に返信する応答用定型文を予め保持しておくだけでなく、この応答用定型文が通報者に更なる情報の提示を求める質問文であった場合の回答候補をも予め保持し、応答用定型文に加えてこれら回答候補をも通報者の端末へ送信すると、通報者が選択した回答が書き込み領域に自動的に書き込まれるようになっている。したがって、指令台端末Cのオペレータだけでなく通報者も、自己の発言を入力部13から一文字ずつ入力する手間が省けるので、よりリアルタイムに近いメッセージ交換が可能になる。
【0093】
C 変形例
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0094】
<変形例1>
上記実施形態において、移動端末Kの液晶ディスプレイ14に優先情報要求画面が表示されたにもかかわらず、必須入力事項である事故の発生場所及び緊急通報種別が入力されていなかった場合の動作手順は、発生場所及び種別を特定する情報を受け取っていないと判断したウェブサーバWSが、これらの情報の入力を移動端末Kに再度要求するようになっていたが、他の動作手順によって必須入力事項の取得を行ってもよい。
【0095】
例えば、移動端末KがJava仮想マシーンを実行可能な機種であれば、必須入力事項の入力が行われたかを監視するアプレットをウェブサーバからダウンロードさせ、このアプレットが上記必須入力事項の入力が行われたと判断するまで上記優先情報要求画面の下段の「通報」ボタンをクリック出来ないように移動端末Kを制御するようにしてもよい。このような構成をとることにより、ウェブサーバWSから移動端末Kへ再要求するという動作を行う必要がなくなり、ネットワーク上に流通する無駄なトラフィックを抑えることができる。
【0096】
<変形例2>
上記実施形態において、事故の発生場所は、移動端末Kの液晶ディスプレイ14に表示される優先情報要求画面から通報者が選択するようになっていたが、通報者による操作を行うことなく、事故の発生場所を特定する情報がウェブサーバWSに自動的に送信されるように構成してもよい。
【0097】
例えば、移動端末Kがその搭載するGPS(Global Positioning System)機能を用いることによって自らの所在地を示す情報を指令台端末Cに伝達し、指令台端末CのCPU205がこの情報に基づいて事故の発生場所を特定するようにしてもよい。また、自らの管轄する無線ゾーンにの範囲内に移動端末Kが存在していると判断した基地局BSから、その無線ゾーンの位置を指定する情報が指令台端末Cに伝送され、指令台端末CのCPU205がこの情報に基づいて事故の大まかな発生場所を特定するようにしてもよい。以上のような構成を採用することによって、通報者による場所の選択操作を省略できる。また、誤った場所の選択が行われて現実の事故の発生場所と異なる地域を管轄する消防署に出動指令が出されるという事態を回避できる。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、事件の発生を通報する者の端末と消防署などに設置された端末とがサーバ装置を介して接続され、これら両端末間によるチャットを通じて緊急通報が伝達される。したがって、音声によるコミュニケーションを苦手とする聴覚障害者からの通報を確実に受け付けることが出来る。また、消防署の端末からのチャットのレスポンスをリアルタイムに確認できるため、事件の発生を通報する者は、自己の通報が消防車等の出動に即座に反映されたことを認識できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の全体構成図である。
【図2】ウェブサーバのハードウェア構成図である。
【図3】指令台端末のハードウェア構成図である。
【図4】応答用定型文ファイルの一例である。
【図5】移動端末のハードウェア構成図である。
【図6】第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】確認画面の一例である。
【図8】優先情報要求画面の一例である。
【図9】通報画面の一例である。
【図10】通報画面の一例である。
【図11】応答画面の一例である。
【図12】定型文入力動作を示すフローチャートである。
【図13】定型文選択画面の一例である。
【図14】指令台端末のハードウェア構成図である。
【図15】応答用定型文ファイルの一例である。
【図16】回答候補ファイルの一例である。
【図17】第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図18】通報画面の一例である。
【符号の説明】
K…移動端末、PC…非移動端末、MPN…移動パケット通信網、BS…基地局、PS…パケット加入者処理装置、GWS…ゲートウェイサーバ、N…消防局ネットワーク、FW…ファイアウォール、WS…ウェブサーバ、C…指令台端末、DB…データベース、INET…インターネット。
Claims (9)
- チャットシステムのサーバ装置に対し、第1の端末が緊急通報と当該緊急通報の属性とを引き渡す通報過程と、
前記サーバ装置が、前記第1の端末から取得した緊急通報とその属性とを記憶部に書き込む通報書き込み過程と、
前記第2の端末が、前記サーバ装置の記憶部に書き込まれた緊急通報とその属性とを閲覧する通報閲覧過程と、
前記第2の端末が、前記書き込まれた属性に対応付けて当該端末内に記憶している応答用定型文を読み出し、前記サーバ装置に引き渡す応答引渡し過程と、
前記サーバ装置が、前記第2の端末から取得した応答用定型文を前記記憶部に書き込む応答書き込み過程と、
前記第1の端末が、前記サーバ装置の記憶部に書き込まれた応答用定型文を閲覧する応答閲覧過程と、を有する緊急通報方法。 - 請求項1記載の緊急通報方法において、
前記通報過程は、
前記第1の端末が、当該端末の入力部から緊急通報の属性の入力があることを条件に、当該入力部からの緊急通報の入力を受け付ける過程と、を更に有する緊急通報方法。 - 請求項1又は2記載の緊急通報方法において、
前記緊急通報の属性を、当該緊急通報の原因となった事故の発生場所としたことを特徴とする、緊急通報方法。 - 請求項1又は2記載の緊急通報方法において、
前記緊急通報の属性を、当該緊急通報の原因となった事故の種別としたことを特徴とする、緊急通報方法。 - 請求項1乃至4記載の緊急通報方法において、
前記第2の端末は、前記各応答用定型文のそれぞれに対応付けた各回答群を記憶し、
前記応答引渡し過程は、
前記読み出した応答用定型文に対応する回答群を読み出し、前記サーバ装置に引き渡す過程を有し、
前記応答書き込み過程は、
前記サーバ装置が、前記第2の端末から取得した回答群を前記記憶部に書き込む過程を有し、
前記応答閲覧過程は、
前記第1の端末が、前記記憶部に書き込まれた回答群を閲覧して、この回答群のうちのいずれかの回答の選択を促すメッセージを表示する過程を有し、
更に、
前記第1の端末が、前記回答群から選択された回答を前記サーバ装置に引き渡す過程と、
前記サーバ装置が前記第1の端末から取得した回答を前記記憶部に書き込む過程と、
前記第2の端末が前記記憶部に書き込まれた回答を閲覧する過程と、を有する緊急通報方法。 - 緊急通報の属性に対応付けて複数の応答用定型文を格納した記憶部と、情報の通信部と、
サーバ装置から前記通信部を介して緊急通報の属性を取得し、
当該取得した属性に対応する応答用定型文を前記記憶部から読み出すと共に、当該読み出した応答用定型文を前記通信部を介して前記サーバ装置に引き渡す制御部と、を備えた緊急通報応答端末。 - 請求項6記載の緊急通報応答端末において、
前記記憶部は、前記各応答用定型文のそれぞれに対応付けた各回答群を格納し、
前記制御部が、
前記読み出した応答用定型文に対応する回答群を前記記憶部から読み出し、前記通信部を介して前記サーバ装置に引き渡す、緊急通報応答端末。 - 情報の記憶部と、情報の通信部と、
緊急通報の属性の入力を促すメッセージを前記通信部を介して通報者の端末に引き渡すと共に、
緊急通報の属性を前記通信部を介して前記端末から取得することを条件として、緊急通報を前記通信部を介して前記端末から取得する制御部と、を備えるチャットサーバ装置。 - 緊急通報の属性の入力を促すメッセージを表示部に表示するステップと、
緊急通報の属性を入力部を介して受け取るステップと、
前記属性を受け取ったことを条件として、緊急通報を前記入力部を介して受け取るステップと、
前記受け取った緊急通報の属性及び緊急通報を通信部によりチャットサーバ装置に引き渡すステップと、をコンピュータに実行させる緊急通報プログラム。
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