JP2005017784A - トナー及び加熱定着方法 - Google Patents

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Yasuhiro Ichikawa
泰弘 市川
Nobuyoshi Sugawara
庸好 菅原
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Abstract

【課題】摩擦帯電性,定着性,混色性,光沢性に優れ、さらに高画像濃度かつ彩度が高く透明性に優れた画像形成が可能なトナー及び加熱定着方法を提供することにある。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナーであって、
該結着樹脂は、少なくともα−オレフィン系モノマーと環状オレフィン系モノマーとを用いて合成されたα−オレフィン−環状オレフィン共重合体を有しており、該ワックスの平均分散粒径が0.03〜1.40μmであり、該トナーのGPCによる分子量分布において、分子量4000〜15000の領域にピークを少なくとも1つ有し、かつ、分子量20000〜700,000の領域にピーク又は肩を少なくとも1つ有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトナーおよび加熱定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル化された複写機、特にデジタル化されたフルカラー複写機が注目されており、広く市場に展開しつつある。
【0003】
その一般的カラー画像形成方法は、原稿からの光をトナーの色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを通して光導電層上に静電潜像を形成する。次いで現像、転写工程を経てトナーは支持体に保持される。前述の工程を順次複数回行い、レジストレーションを合わせつつ、同一支持体上にトナーは重ね合わされ、定着によって最終のフルカラー画像が得られる。定着方法としては、熱ロール定着方法が装置の簡便さなどから幅広く利用されている。これは、熱源を有する加熱ロールと圧力を印加するための弾性体からなるロールの間を、トナー像が転写され画像が形成された記録材を通過させ、トナーを溶融させて紙等から構成される記録材に定着する方法であり、トナーが加熱ローラーに接触し溶融した後に加えられた圧力によって紙等に定着されるものである。この場合、加熱ローラーで溶融されたトナーは軟化し、容易に変形を起こす。溶融状態となったトナーは紙のみならず加熱ローラーに対しても接着し、いわゆるオフセット現象を発生する問題を有している。
【0004】
特に、複数回の現像を行い、定着工程として同一支持体上に色の異なる数種のトナー層の重ね合わせを必要とするカラー電子写真法では、カラートナーが持つべき定着特性は極めて重要な要素である。
【0005】
すなわち、定着したカラートナーは、トナー粒子による乱反射を出来る限り抑え、適度の光沢性やつやが必要である。また、トナー層の下層にある異なる色調のトナー層を妨げない透明性を有し、色再現性の広いカラートナーでなければならない。
【0006】
これらを満足しうるカラートナーとして、従来、特許文献1〜3で新規なカラートナー用結着樹脂と着色剤との組み合わせが開示されている。
【0007】
これら記載のカラートナーは、かなりのシャープメルト性を有しており、シリコーンオイル塗布が可能なシリコーンゴムローラーとの組み合わせにおいて、定着時完全溶融に近い状態までトナー形状が変化し、好ましい光沢性及び色再現性が得られる。
【0008】
これらの効果は、トナーの定着特性として、結着樹脂の粘弾性特性における弾性項よりも粘性項を重視することを意味している。すなわち、加熱時、トナーはより粘性体として挙動し熱溶融性が増し、光沢性も得られることになる。
【0009】
しかし、このような粘性項重視の結着樹脂設計は、必然的に熱溶融時の分子間凝集を低下せしめることになり定着装置通過時、熱ローラーへのトナーの付着性も増すことになる。これらは高温オフセット現象を起こし易くするものである。
【0010】
また、カラー画像のように画像面積が大きく、普通紙の如き支持体上のトナー保持量も、白・黒複写画像に比べて格段に多いカラー複写を、複写し続けると、定着ローラー表面は荒れた状態となり徐々にローラーの離型性が低下する。また、加圧フィルムを用いた低消費エネルギー型の定着器においては、特にフィルムへのダメージが大きく、フィルム表面に凸凹が生じてしまう。
【0011】
特許文献4〜6においては、エーテル化ビスフェノール単量体と、ジカルボン酸単量体と、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体とを含む単量体成分とより得られる非線状共重合体よりなるポリエステルをバインダーとして含有するトナーが提案されている。この技術は、エーテル化ビスフェノール単量体とジカルボン酸単量体とよりなるポリエステルを、3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体を含む多量の単量体成分により架橋することによって得られるポリエステルをバインダーとして含有させることにより、トナーにオフセット防止性能を有せしめたものである。しかしながら、これらのトナーにおいては、その軟化点が若干高く、従って良好な低温定着が困難であるし、さらに、フルカラー複写に用いた場合は耐高温オフセット性に対しては、実用化しうるレベルではあるが、上述のごとく定着性、シャープメルト性に難があるため、該ポリエステルを用いたフルカラートナーの重ね合わせによる混色性や色再現性は充分ではない。
【0012】
特許文献7及び8においては、環状オレフィンをバインダーとして用い、離型剤を含有するトナーが開示されているが、これらのトナーは、トナーを半溶融の状態で転写紙の繊維の間へ押し込み、加圧・加熱定着を行うこととなるために、カラー複写に必要なトナー層が溶融し連続皮膜を形成し、平滑面を得るということはほとんど出来ず、定着したトナーは、転写紙上で粒子状態で存在し、得られるカラー画像はくすんだものとなり彩度にとぼしい。OHP画像はトナー粒子表面で光が散乱、拡散してしまい、ほとんど光を透過せず、実用上問題がある。
【0013】
また、特許文献9及び10において、耐高温オフセット性にすぐれ、かつ、カラー複写に適用可能な新規なポリエステル樹脂が開示されているが、該樹脂はなるほど、従来のカラートナー用樹脂よりは勝っているが、定着ローラーへのオフセット防止効果が発揮するのはせいぜい繰り返し複写2〜5万枚程度であり、さらに改善する必要がある。該ポリエステルは帯電的には低温低湿環境と高温高湿環境の間で帯電量の差が大きく、繰り返し複写後のカラー画像において低湿側で濃度が若干低くなる傾向があり、高湿側では、トナー飛散やカブリが生ずることもある。
【0014】
また、特許文献11においては、環状構造をもつポリオレフィン樹脂で分子量の規定がなされているが、これだけでは定着性が不十分であるばかりでなく、繰り返し複写時などに帯電付与が十分になされず、トナーとして実用に適さない。
【0015】
近年、消耗品部品点数を減らすため、あるいは定着器構成の簡略化のために、定着時に離型性オイルを用いない、いわゆるオイルレス定着の検討が進められている。このためには主として、トナー中にワックスなどの離型剤を含有させる手段が用いられている。例えば、トナー樹脂成分の分子量分布を規定する方法(特許文献12〜18)、トナーの粘度を限定する方法(特許文献19〜22)、トナーに離型性のある樹脂等のワックスを含有させる方法(特許文献23)、ワックスの溶融粘度を限定する方法(特許文献24及び25)、ワックスドメインの径とワックスのトナー表面での存在率を限定する方法(特許文献26)、ワックスドメイン形状を限定する方法(特許文献27)等が提案されている。
【0016】
しかしながら、透明性の要求されるフルカラー用トナーにおいては、ワックスによって透明性が損なわれたり、120℃以上の比較的高い融点のワックスを用いた場合や、環状オレフィン構造を含有する結着樹脂を用いた場合においては、定着のために必要な温度がかなり高くなるという問題を抱えていた。
【0017】
特許文献28では、環状オレフィン構造をバインダー樹脂中に含み、融点が80〜140℃の範囲にあり、融点が異なるワックスを2種以上含むトナーが提案されているが、まだ定着のための温度が高く、特に、小型の定着装置や省エネルギーのための低温度の定着装置では、用いることが困難である。
【0018】
特許文献29では、シクロオレフィン共重合体樹脂をバインダー樹脂中に含有するオイルレス定着用フルカラートナーが提案されているものの、定着温度領域が狭く高温オフセットを生じやすく、また、ワックスによるトナーの帯電劣化が生じやすいことから、使用できる定着装置が極めて限定され、汎用性や耐久性を満足することが極めて困難である。
【0019】
特許文献30では、電磁誘導加熱方式の定着装置が開示されている。これは、誘導電流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させることができて、ハロゲンランプを熱源として用いた熱ローラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成している。ところが、従来のトナーを用いた場合においては、改良効果が十分ではなかった。
【0020】
【特許文献1】
特開昭50−62442号公報
【特許文献2】
特開昭51−144625号公報
【特許文献3】
特開昭59−57256号公報
【特許文献4】
特開昭47−12334号公報
【特許文献5】
特開昭57−37353号公報
【特許文献6】
特開昭57−208559号公報
【特許文献7】
特開平9−152739号公報
【特許文献8】
特開平11−52615号公報
【特許文献9】
特開平2−73366号公報
【特許文献10】
特開平1−224776号公報
【特許文献11】
特開平9−101631号公報
【特許文献12】
特開平3−39971号公報
【特許文献13】
特開平5−158282号公報
【特許文献14】
特開平10−063035号公報
【特許文献15】
特開平10−207126号公報
【特許文献16】
特開平10−254173号公報
【特許文献17】
特開平10−228131号公報
【特許文献18】
特開2000−347454号公報
【特許文献19】
特開平1−133065号公報
【特許文献20】
特開平2−161466号公報
【特許文献21】
特開平2−100059号公報
【特許文献22】
特開平3−229265号公報
【特許文献23】
特公昭52−3304号公報
【特許文献24】
特開平3−260659号公報
【特許文献25】
特開平3−122660号公報
【特許文献26】
特開平7−84398号公報
【特許文献27】
特開平6−161145号公報
【特許文献28】
特開2000−66438号公報
【特許文献29】
特開2003−114546号公報
【特許文献30】
特開2002−091075号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、良好な定着性能をもち、低温度領域においても紙などの転写材に対する付着力が十分で、十分な混色性を有するトナーおよび加熱定着方法を提供することである。
【0022】
さらに、本発明の目的は、充分な摩擦帯電性を有するトナーを提供することである。
【0023】
さらにまた、本発明の目的は、画像品質を著しく高めることが可能な光沢性が高いトナーおよび加熱定着方法を提供することである。
【0024】
さらにまた、本発明の目的は、高温オフセットが十分に防止され、定着可能温度域が広いトナーおよび加熱定着方法を提供することである。
【0025】
さらにまた、本発明の目的は、消耗品である離型性オイルを供給しなくても耐オフセット性が維持され、定着ローラーヘの巻き付きが発生し難いトナーおよび加熱定着方法を提供することである。
【0026】
さらにまた、本発明の目的は、現像器内、すなわち現像スリーブ,ブレード,塗布ローラーの如き部品へのトナー融着が生じ難いトナーを提供することである。
【0027】
さらにまた、本発明の目的は、感光体表面にフィルミングが生じ難いトナーを提供することである。
【0028】
さらにまた、本発明の目的は、着色剤の分散性が良好なトナーを提供することである。
【0029】
さらにまた、本発明の目的は、着色力が高く、高画像濃度が得られるトナーおよび加熱定着方法を提供することである。
【0030】
さらにまた、本発明の目的は、彩度が高く透明性に優れたトナーおよび加熱定着方法を提供することである。
【0031】
さらに、本発明の目的は、保存性が良好で、オフセットの発生が少なく、更に巻き付き現象を発生することのないトナーを提供することにある。
【0032】
さらに本発明の別の目的は、繰り返しの複写において変化の小さい耐久性の高いトナーを提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有し、
該結着樹脂は、少なくともα−オレフィン系モノマーと環状オレフィン系モノマーとを用いて合成されたα−オレフィン−環状オレフィン共重合体を有しており、
該ワックスは、平均分散粒径が0.03〜1.40μmであり、
該トナーのGPCによる分子量分布において、分子量4000〜15000の領域にピークを少なくとも1つ有し、かつ、分子量20000〜700,000の領域にピーク又は肩を少なくとも1つ有するトナーに関する。
【0034】
また、本発明は、記録材上に形成されているトナー画像の表面に定着部材を接触させ、且つ該トナー画像に熱及び圧力を付与することにより、該トナー画像を該記録材に定着する加熱定着方法において、上記構成のトナーを用いることを特徴とする。
【0035】
以前まで、α−オレフィン−環状オレフィン共重合体は透明性には優れているものの、従来の限定方法でワックスを添加しても定着温度領域が広がらず、従来、トナーの定着性と耐久性との両立が極めて困難な課題であった。
【0036】
本発明によれば、トナー中に、結着樹脂としてα−オレフィン−環状オレフィン系共重合体を有しており、トナー中におけるワックスの平均分散粒径が0.03〜1.40μmの範囲にあることがトナーの画質、定着性、オフセット防止性、耐久安定性を改善する方法であることが見出された。
【0037】
本発明は、こうした知見により完成されたものである。これらの特性を満足するトナーは、高品位、即ち定着強度、オフセット防止性、ヒートレスポンス性に優れ、特に社会的要請である電子写真式複写機及びプリンターの省電力化、高速化、小型化にその特徴を発揮できるものとなる。
【0038】
【発明の実施の形態】
結着樹脂がα−オレフィンモノマーと環状オレフィンモノマーとの共重合体を有するトナーを用いることにより、樹脂の密度が高くて硬いために、高温下でのブロッキングがなく、キャリア、現像スリーブ、感光体等へのスペント、フィルミング等の汚染がないため、保存性や耐久性が向上できる。即ち、融点が低く定着性の良好なα−オレフィン成分と、密度が高く硬い成分である環状オレフィン成分との両方の特性を有しているので、定着性と耐オフセット性が両立でき、耐巻き付き性も良好となる。また環状オレフィン成分を構成成分とするので、キャリア、現像スリーブ、感光体等へのスペント、フィルミング等の汚染が少ない。この樹脂の特性を、定着オイルを使用しないかもしくは極めて少ない定着器に用いるため、ワックスを適切な条件で使用するものである。
【0039】
また、より広い定着温度を確保することができ、更に、フィルム状の定着装置を用いた場合のように大きな曲率を有する定着装置においても、巻き付きの問題を発生することがない。さらに、離型効果のために用いる定着用オイルの使用量もきわめて少なくでき、さらには使用しないことも可能となった。
【0040】
当該オレフィン系共重合体は、炭素数が2〜12、好ましくは2〜6の低級アルケン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン(広義には非環式オレフィン)と、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキセン等の少なくとも1つの二重結合を有する炭素数が3〜17、好ましくは5〜12の環式及び/又は多環式化合物(環状(シクロ)オレフィン)、特に好ましくはエチレンとシクロヘキセン又はノルボルネンとの共重合体であり、無色透明で高い光透過率を有するものである。
【0041】
本発明のα−オレフィンと環状オレフィンモノマーとの共重合体を得るための合成触媒としては、チーグラー触媒、ナッタ触媒、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒等が使用される。なかでも分子量分布のコントロール、合成のしやすさからメタロセン触媒を使用することが好ましい。
【0042】
環状構造を有するオレフィン系重合体の重要な性質は、軟化点、融点、粘度、誘電特性、非オフセット温度域及び透明度である。これらはモノマー/コモノマー、即ちコポリマー中のモノマー相互の比、分子量、分子量分布、ハイブリッドポリマー、ブレンド及び添加物の選択によって有利に調整することができるが、非オフセット温度領域が狭いことから、従来、これらの調整のみでは、帯電能力および定着性能が不十分であって、特に加熱定着時における問題が大きかった。
【0043】
また、α−オレフィンと環状オレフィンの反応仕込モル比は、目的とする環状構造を有するオレフィン系重合体により、広範囲で変化させることができ、特に限定されないが、好ましくは40:60〜98:2に調整される。その理由としては、環状オレフィン部分がα−オレフィン部分に対して2倍を超える場合、低温定着性がやや劣る傾向が見られ、樹脂の粘性が不足して他の樹脂と併用した場合分離しやすくなる。上記の範囲にすることによって、定着のためのエネルギー消費量が大幅に節減されることも期待できる。
【0044】
また、環状構造を有するオレフィン系重合体の少なくとも一部にカルボキシル基及び/又は酸無水物基を導入することが好ましく、このことにより、他の樹脂との相溶性を改良したり、トナー中の顔料の分散性を向上させることができる。かかるカルボキシル基及び/又は酸無水物基の導入によって、トナーの紙やフィルム等の記録材(転写材)に対する接着性を向上させ定着性を増大することができる。
【0045】
また、本発明に係るトナー組成物の結着樹脂は、カルボキシル基及び/又は酸無水物基をエチレン−環状オレフィン系共重合体に含有させてもよく、酸成分含有の現像剤製造時の熱溶融混練工程において添加しても良い。
【0046】
トナーの酸価の値は2〜80mgKOH/gであることが好ましく、2〜50mgKOH/gであり、より好ましくは5〜40mgKOH/gである。2mgKOH/g未満の場合、定着性が劣る傾向が見られ、80mgKOH/gを超えた場合、定着ローラー上の飛び散りが生じやすい。
【0047】
また、トナーの定着性を向上させるために、環状構造を有するオレフィン系重合体に架橋構造を導入することができる。この架橋構造の導入方法の一つは、当該オレフィン系重合体の重合時に、非環式オレフィンと環状オレフィンとともにシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン、テトラシクロドデカジエン、ブタジエン等のジエンモノマーを加えて三元共重合させることによる。
【0048】
もう一方のピーク又はショルダーの分子量が20,000〜700,000になく、その値が700,000を超える場合は、ワックスの分散性が悪く、定着温度も上昇し、さらに粉砕性も悪化する傾向にある。このピーク又はショルダーの分子量が20000未満では、作製したトナーは耐オフセット性、ローラーへの巻き付きが悪くなることがあるからである。
【0049】
すなわち、本発明に係る結着樹脂は、上記の分子量分布をもつ時に、定着性、耐ブロッキング性、融着防止に特に優れた効果を発揮するものである。
【0050】
本発明のトナーは、ピーク分子量(分子量分布における極大値)が4000〜15000であり、好ましくは6000〜15000であり、より好ましくは7000〜14000である。該ピーク分子量が4000より小さいと、定着時にオフセットが発生しやすい。一方、該ピーク分子量が15000より大きいと、低温で定着しにくくなり、また、OHP透過画像の彩度も低くなってしまう。
【0051】
前記のような目的を同時に達成するために種々のバインダー樹脂を用い、その構成と性能について、さまざまの角度から鋭意検討した。その結果、少なくともα−オレフィン系モノマーと環状オレフィン系モノマーとを用いて合成されたα−オレフィン−環状オレフィン共重合体を有しており、トナーのGPCによる分子量分布において、分子量4000〜15000の領域にピークを少なくとも1つ有し、かつ、分子量20000〜700,000の領域にピーク又は肩を少なくとも1つ有することを特徴とするトナーによって、前記の目的が同時に達成されるものである。
【0052】
従来、樹脂の高分子量成分は主として高温オフセット防止に効果があることが知られているが、本発明の結着樹脂を用いた場合においては、GPC分子量分布での分子量約15000以下と約20000以上の分子量を有する成分の働きが異なることを見い出した。分子量20000以上の成分が主に耐オフセット性、耐巻き付き性、定着性を左右し、分子量15000以下の成分が主に低温定着性,耐ブロッキング性,感光体への融着性,耐フィルミング性に影響を与えることが判明した。
【0053】
そして分子量20000以下の成分の割合は40〜80質量%が好ましく、より好ましくは50〜70質量%である。充分な性能を出すためには、さらに分子量15000以下であり4000以上(好ましくは4000〜15000)の領域にピークを有し、分子量20000〜700,000(好ましくは30000〜300,000)の領域にピークもしくは肩が必要である。4000〜15000にピークがなく分子量4000未満にピークがあると、耐ブロッキング性,耐高温オフセット性,感光体へのトナーの融着いわゆるフィルミング融着などが問題となる。分子量4000未満にピークがない場合でも、分子量15000超の領域にピークもしくは肩がなく、分子量4000〜15000の領域のみにピークがある場合は耐高温オフセット性が問題となる。即ち、定着温度が僅かに高温側に振れただけでも、定着ローラーや、定着フィルムなどにトナーが張り付いてしまう問題が生じる。分子量4000〜15000の領域にピークもしくは肩がなく、かつ15000超にメインピークがあると低温定着性が問題となり、定着に要する熱量が著しく大きなものとなる。
【0054】
本発明に用いられるワックスとしては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等が挙げられる。誘導体とは、酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。この他に、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等も使用することができる。
【0055】
本発明における前記ワックスのトナーに対する添加量は、1.5〜6.5質量%が好ましく、2.5〜6.0質量%がより好ましい。該添加量が1.5質量%より少ないと、十分な定着ラチチュード(トナーのオフセットなしに定着できる定着ロール温度範囲)が得られないことがあり、6.5質量%より多いと、トナーから脱離して遊離するワックス量が増えて、トナーの粉体流動性が悪化し、また、静電潜像を形成する感光体表面に遊離ワックスが付着して、静電潜像が正確に形成できなくなることがある。特に、本発明のトナー構成によって、従来に比べて少ないワックス量で、十分な効果を得ることができる。
【0056】
また、本発明においては、異なる複数種のワックスを使用することも可能である。
【0057】
本発明のトナーは、トナー中に含有されるワックスのDSC吸熱ピークが65〜103℃であるのが好ましく、該ワックスの示差走査熱量計により測定されるDSC曲線での吸熱ピークが65℃未満では、トナーの耐ブロッキング性が劣り、103℃を超えると、低温時の加熱部材からの離型性が劣り、巻き付き、オフセット等が発生しやすくなる。
【0058】
本発明のトナーは、上記に規定する物性値を総て満たすことにより初めて、耐オフセット性及びOHP透明性に優れ、高画質を得ることができる。上記に規定する物性値は、結着樹脂のモノマー種や重合温度、重合時間等を調整することにより制御することができる。
【0059】
特に、トナーにワックスを含有し、且つ、これらのワックスのトナー中での平均分散粒径が0.03〜1.40μmであることにより、十分な定着温度領域の確保と、耐久性の安定化が両立できることが明らかになった。より好ましいものとしては、該ワックスの平均分散粒径が0.04〜0.80μmであり、さらに好ましくは、0.05〜0.50μmである。
【0060】
これらのワックスを含有することにより、定着時にはトナー表面からワックスの十分な染み出しにより、十分な耐オフセット性が得られると共に、トナーの透明性を悪化させることが無く、また、現像装置における長期の撹拌においてもトナーの表面からワックスが染み出したり、ワックスが脱離することが防止され、感光体、現像ローラーやキャリアへのトナーのフィルミングや、現像剤を薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着が防止できることが明らかになった。
【0061】
DSC吸熱ピークが65〜103℃のワックスは、特に低温定着性を向上させることが明らかとなった。これらのワックスは本発明の結着樹脂に対して均一に分散されやすいことから、トナーに高い耐オフセット性を付与できる。
【0062】
また、ワックスのトナー中での平均分散粒径が0.03μmよりも小さい場合には、定着時に十分にトナー表面に染み出しにくくなって、耐オフセット性が得られなくなる。逆に1.4μmよりも大きい場合には、トナーの流動性を悪化させたり、プロセススピードが速い場合に定着性が悪化してしまう。
【0063】
また特に、ワックスのDSC融点は65〜103℃であることが好ましく、トナーを混練する際に、トナー中でのワックスが分散される過程において、ワックスの融点が低すぎる場合には、ワックスが溶融しすぎることで、ワックスの分散を制御することが難しくなる。逆に、ワックスの融点が高すぎる場合には、定着時にワックスが十分にトナー表面に染み出しにくくなって、耐オフセット性が得られにくくなる。該ワックスの平均分散粒径を制御する方法としては、特に限定されないが、上述のワックス物性の調節のほか、溶融混練時における温度を低くし、物理的シェアを大きくすることが上げられる。
【0064】
本発明において特に重要なことは、ワックスを混合するだけではトナーとしての性能上不十分であって、該ワックスの平均分散粒径が0.03〜1.40μmであることが必須である。
【0065】
本発明のトナーは、前記その他の成分として、内部添加剤として帯電を調整する帯電制御剤、ワックス分散助剤等を含有することができる。更に、トナーの長期保存性、流動性、現像性、転写性をより向上させるために、トナー内部に無機粉、樹脂粉を単独又は併用して添加してもよい。特に金属化合物を含有させることは着色剤やワックスの分散制御に効果があり、前記無機粉としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、メタチタン酸化合物等が挙げられる。これらの無機粉は、本発明の結着樹脂を用いたトナーに定着ローラー、定着フィルムなどへの定着部材汚染を防止する性能を付与する効果を特に顕著に有することが見出された。前記無機粉は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、該無機粉の総添加量は、トナー粒子に対して2〜6質量%が好ましく、2.5〜5質量%がより好ましい。前記樹脂粉としては、例えば、PMMA、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミン、フッ素系等の球状粒子、そして、塩化ビニリデン、脂肪酸金属塩等の不定形粉末が挙げられる。前記樹脂粉の添加量は、トナー粒子に対して0.1〜4質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。また、それぞれの表面添加粉末は、所望の表面処理を施して用いてもよい。これらのうち、特に酸化チタン、アルミナにおいて分散性制御に効果が見出された。これら、酸化チタン、アルミナは、トナー中にワックス、顔料を適切なレベルに分散させる効果があると見られる。
【0066】
また、他の結着樹脂を併用することも可能である。結着樹脂としては公知のものがすべて使用可能であるが、例えばポリスチレン、ポリp−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独あるいは混合して使用できる。
【0067】
これらの場合、該α−オレフィン−環状オレフィン系共重合体はトナー全体の30%以上含有していることが好ましい。30%未満の場合、着色剤が分散されにくく、大きなドメインで存在しやすくなり、耐オフセット性の低下や、帯電性に分布を生じ、帯電量の低いトナーの増加による転写率の低下等の問題を発生しやすい。
【0068】
さらに、本発明におけるトナーのキャリアヘのスペントしにくさ、混色性、光透過性、耐定着ローラー汚染性が、これによってさらに好ましいレベルに向上するからである。
【0069】
これら、他の樹脂を併用する場合に、トナーの酸価を2〜80mgKOH/gにするために用いる成分としては、カルボキシル基、カルボン酸無水基、カルボン酸塩基のうち少なくとも1種以上を含有する重合体であり、カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸などのアクリル酸及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水マレイン酸などがあり、このようなモノマーを単独、或いは混合して、他のモノマーと共重合させることにより所望の重合体を作ることができる。
【0070】
本発明で用いることのできるカルボキシル基を含有するモノマーとしては、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オクテニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブテニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジカルボン酸のモノエステル類;フタル酸モノメチルエステル、フタル酸モノエチルエステル、フタル酸モノブチルエステルなどのような芳香族ジカルボン酸のモノエステル類;などが挙げられる。
【0071】
これらカルボキシル基及び/又は酸無水物基を有しているα−オレフィン−環状オレフィン共重合体は、少なくともα−オレフィン系モノマーと環状オレフィン系モノマーとカルボキシル基及び/又は酸無水物基含有モノマーとを用いて合成する手段を用いることが可能である。
【0072】
さらに、該カルボキシル基及び/又は酸無水物基を有しているα−オレフィン−環状オレフィン共重合体は、カルボキシル基及び/又は酸無水物基含有モノマーによってグラフト変性されたグラフト変性共重合体でもよく、用いることができる。
【0073】
本発明に用いられる結着樹脂は、架橋性モノマーを含有してもよいが特に限定されない。
【0074】
架橋性モノマーとしては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられる。
【0075】
例えば、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられ、他のモノマー成分100質量%に対して0.001〜0.05質量%の範囲で使用するのが良い。これにより、トナーの粒径を微粒子化した場合でも各環境下における現像剤の現像特性が安定し、耐久性も向上する。
【0076】
本発明のトナーは、有機金属化合物を含有させることも可能であって、このことによって、樹脂との相互作用により長期間にわたって帯電量が安定し、十分な耐久性が得られる。また、好ましくは、該有機金属化合物が有機金属錯化合物又は有機金属塩であることであり、より好ましくは、該有機金属化合物は、金属と、芳香族ジオール,芳香族ヒドロキシカルボン酸,芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなるグループから選択される芳香族化合物とが配位又は/及び結合している有機金属化合物であることである。これらによって、画像面積の大きい画像など、トナー消費量が多い場合においても更なる帯電の安定化が実現できる。また、金属酸化物の微粒子、例えば酸化鉄、シリカ、アルミナなどを含有させることによって、ワックスの分散粒子径を制御するために効果がある。特に、アルミナ、酸化チタンが好ましい。
【0077】
本発明に使用される定着方法は、特に限定されないが、たとえば、熱ロール定着方式のほか、固定設置された加熱体と、該加熱体に対向して圧接かつ、回転し、フィルム材を介して記録材を該加熱体に圧着させる加圧部材によりトナー像を記録材上に加熱定着するフィルム定着方式などを挙げることができる。
【0078】
いずれの方式においても必要に応じて定着クリーニングの機構を付与してもよい。この場合には、シリコーンオイルを定着の上ローラ或いはフィルムに供給する方式や、シリコーンオイルを含浸した含浸ローラ、パッド、ウェッブ等でクリーニングする方法が使用できる。シリコーンオイルとしては耐熱性の高いものが使用され、ポリジメチルシリコーン、ポリフェニルメチルシリコーン等が使用される。本発明においては、上述の定着クリーニングやオイルを使用しない構成にすることも可能である。
【0079】
また、本発明の加熱定着方法に好ましく使用される定着方法は、以下の構成のものを用いる。ここで、定着方法について例をあげて説明する。
【0080】
図1において定着装置100は電磁誘導加熱方式の装置である。図1は本例の定着装置100の要部の横断側面模式図を具体的に示したものである。
【0081】
本例装置100は、円筒状の電磁誘導発熱性ベルトを用いた、加圧ローラ駆動方式、電磁誘導加熱方式の装置である。磁場発生手段は、磁性コア17a・17b・17c及び励磁コイル18からなる。
【0082】
磁性コア17a・17b・17cは高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのがよい。
【0083】
励磁コイル18には、給電部に励磁回路を接続してある。この励磁回路は、20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
【0084】
励磁コイル18は、励磁回路から供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生する。
【0085】
16a・16bは横断面略半円弧状樋型のベルトガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせて略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱ベルトである定着ベルト10をルーズに外嵌させてある。
【0086】
前記ベルトガイド部材16aは、磁場発生手段としての磁性コア17a・17b・17cと励磁コイル18を内側に保持している。
【0087】
また、ベルトガイド部材16aには、紙面垂直方向長手の良熱伝導部材がニップ部Nの加圧ローラ30との対向面側で、定着ベルト10の内側に配設してある。
【0088】
本例においては、良熱伝導性部材40にアルミニウムを用いている。前記良熱伝導部材40は熱伝導率kがk=240[W・m−1・K−1]であり、厚さ1[mm]である。
【0089】
また、良熱伝導部材40は、磁場発生手段である励磁コイル18と磁性コア17a・17b・17cから発生する磁場の影響を受けないように、この磁場の外に配設してある。
【0090】
具体的には、良熱伝導部材40を励磁コイル18に対して磁性コア17cを隔てた位置に配設し、励磁コイル18による磁路の外側に位置させて良熱伝導体40に影響を与えないようにしている。
【0091】
22は、ベルトガイド部材16bの内面平面部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイである。
【0092】
19は、磁性コア17a・17b・17c及び励磁コイル18と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁するための絶縁部材である。
【0093】
加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、芯金30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回転自由に軸受け保持させて配設してある。
【0094】
加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動による前記加圧ローラ30と定着ベルト10の外面との摩擦力で定着ベルト10に回転力が作用し、前記定着ベルト10が、その内面が定着ニップNにおいて良熱伝導部材40の下面に密着して摺動しながら、矢示の方向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってベルトガイド部材16a・16bの外回りを回転状態になる。
【0095】
この場合、定着ニップ部Nにおける良熱伝導部材40の下面と定着ベルト10の内面との相互摺動摩擦力を低減化させるために、定着ニップ部Nの良熱伝導部材40の下面と定着ベルト10の内面との間に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させる、あるいは良熱伝導性部材40の下面を潤滑部材で被覆することもできる。定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように温調される。26は定着ベルト10の温度を検知するサーミスタなどの温度センサであり、本例においては温度センサ26で測定した定着ベルト10の温度情報をもとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
【0096】
而して、定着ベルト10が回転し、励磁回路27から励磁コイル18への給電により上記のように定着ベルト10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された記録材Pが定着ニップ部Nの定着ベルト10と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト10の外面に密着して定着ベルト10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着ベルト10と一緒に記録材Pが挟持搬送されていく過程において定着ベルト10の電磁誘導発熱で加熱されて、記録材P上の未定着トナー画像t1が加熱定着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると回転定着ベルト10の外面から分離して排出搬送されていく。記録材上の加熱定着トナー画像t2は定着ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
【0097】
本発明においては、色再現性、混色性、光透過性、定着性、耐久性を高めるべく着色剤を高度に分散させ、すなわちカラートナー粒子中の顔料粒子は、個数平均粒径0.7μm以下を有し、0.1〜0.5μmの粒径を有する顔料粒子を60個数%以上含有し、0.8μm以上の粒径を有する顔料粒子を10個数%以下含有するよう、顔料粒子の分散粒径をコントロールすることによって、耐オフセット性向上と色再現性,混色性との両立を達成することができたものである。特に、本発明のα−オレフィン−環状オレフィンモノマー共重合体を結着樹脂として用いることによって、定着性と光透過性、混色性がいっそう優れていることが、見出された。
【0098】
さらに、本発明者らは、トナー中の顔料粒子が均一に分散され、かつ上述の如き分散粒径がコントロールされている時に、前記結着樹脂から構成されるトナーを重ね合わせて用いてもあらゆる色調の再現を可能とし、理想的な減色混合法による色調を様々な濃度領域で実現できることを見い出したものである。
【0099】
すなわち、カラートナー粒子中の顔料粒子の個数平均粒径が0.7μmより大きいときは、基本的に充分に分散されていない顔料粒子が多く存在していることを意味し、これでは色再現性及びトランスペアレンシーフィルムの透明性が良好ではなく、さらに、トナー中の顔料粒子が不均一な状態で凝集体として存在していると、トナー粒子間での帯電のバラツキが顕著となり、いわゆるトリボ分布はブロードなものになってしまう。その結果、定着時にトナーの飛び散りに差を生じたり、耐久性の劣ったものとなる。
【0100】
さらに、本発明において、トナー中の顔料粒子は、0.1〜0.5μmの粒径の顔料粒子を60個数%以上含有していることが好ましい。
【0101】
特にマゼンタ,シアン,イエローの3色重ね合わせによる減色混合法においては、着色剤の有する分光反射特性を最大限に引き出せるよう、極力シャープな分散粒径分布を有していることが望ましい。
【0102】
基本的に0.1μmより小さい微小粒径の顔料粒子は、光の反射,吸収特性に悪影響を及ぼさないと考えられ、良好な色再現性と優れたトランスペアレンシーフィルムの透明性を提供する。一方、0.5μmより大きな粒径の顔料粒子が多く存在していると、投影画像の明るさ及び彩かさが低下しやすい。
【0103】
よって本発明においては、0.1〜0.5μmの粒径の顔料粒子を60個数%以上、好ましくは65個数%以上、より好ましくは70個数%以上含有していることが好ましい。
【0104】
さらに本発明においては、0.8μm以上の粒径の顔料粒子を10個数%以下含有していることを特徴とし、基本的には0.8μm以上の粒子は少ない方が好ましい。0.8μm以上の大きな粒径の顔料粒子が10個数%より多く含有している場合には、特に表面近傍にこのような大きな粒径の顔料粒子が多く存在していると、トナー表面からの脱離がしやすいことから、カブリ,ドラム汚染,クリーニング不良といった種々の問題を引き起こしやすい。
【0105】
また、トナーには着色剤が分散された状態で存在されているが、この着色剤の分散性向上のためには一つの方法として、大きなせん断力で分散させることが挙げられる。大きなせん断力で分散させるためには、樹脂の粘度を高くする必要がある。このためには樹脂に加える熱を少なくする必要があるが、本発明の特定の酸価を持つα−オレフィン−環状オレフィン系共重合体含有トナーにすることで、製造温度の自由度を広げることができる。
【0106】
さらに、本発明のα−オレフィン−環状オレフィン系共重合体含有トナーにすることで従来のトナーよりも顔料粒子の分散性が優れているため、従来の定着温度よりも低い定着温度で定着を行なって定着カラー画像のグロス値を低く設定しても、従来と同等又はそれ以上の良好な色再現性及びトランスペアレンシーフィルムに定着したカラー画像の透明性を有する。
【0107】
本発明の目的に適合する顔料粒子としては、従来公知の有彩色及びカーボンブラックなどの他、黒色〜白色の公知の顔料が挙げられる。
【0108】
たとえば、ナフトールイエローS,ハンザイエローG,パーマネントイエローNCG,パーマネントオレンジGTR,ピラゾロンオレンジ,ベンジジンオレンジG,パーマネントレッド4R,ウオッチングレッドカルシウム塩,ブリリアントカーミン3B,ファストバイオレットB,メチルバイオレットレーキ,フタロシアニンブルー,ファーストスカイブルー,インダンスレンブルーBCが挙げられる。
【0109】
好ましくは、ポリ縮合アゾ系,不溶性アゾ系,キナクリドン系,イソインドリノン系,ペリレン系,アントラキノン系,銅フタロシアニン系の如き高耐光性の顔料が良い。
【0110】
特に好ましいマゼンタ色の顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,146,150,163,184,185,202,206,207,209,238;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。
【0111】
特に好ましいシアン色の顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又は下記式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0112】
【化1】
Figure 2005017784
【0113】
特に好ましいイエロー色の顔料としてはC.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,74,81,83,93,95,97,98,109,117,120,137,138,139,147,151,154,167,173,180,181,183,C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられる。
【0114】
本発明においては、上記の着色剤の公知の製造工程におけるろ過工程前の顔料スラリーから、ただの一度も乾燥工程を経ずして得られたペースト状顔料が、一度乾燥させた粉末の顔料粒子を水系にもどしてペースト状にしたものよりも好ましい。
【0115】
イエロー色の顔料の含有量としては、OHPフィルムの透過性に対し敏感に反映するイエロートナーについては、結着樹脂100質量部に対して12質量部以下であり、好ましくは0.5〜7質量部が好ましい。12質量部を超えると、イエローの混合色であるグリーン,レッド、また画像としては人間の肌色の再現性に劣る。
【0116】
その他のマゼンタトナー及びシアントナーについては、マゼンタ色の顔料又はシアン色の顔料の含有量は、結着樹脂100質量部に対しては15質量部以下、より好ましくは0.1〜9質量部が好ましい。
【0117】
本発明のトナーは、トナー粒子及び外添剤の混合物によって構成されていることが良く、この外添剤としては、例えば、トナーの流動性を向上させるための、流動性向上剤が挙げられる。流動性向上剤としては、着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、添加前に比べて流動性が増加し得るものであれば、どのようなものでも使用可能である。
【0118】
例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛等の如き脂肪酸金属塩;酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末の如き金属酸化物または、上記金属酸化物を疎水化処理した粉末;及び湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如きシリカ微粉末または、それらシリカにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理を施した表面処理シリカ微粉末が挙げられる。
【0119】
更に、本発明のトナーには、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン等の流動化剤や、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩からなる滑剤を添加することもできる。
【0120】
更に、本発明のトナーは特に、磁性粉、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子、樹脂粒子などを混入させて使用することもできる。
【0121】
本発明のトナーは、二成分系現像剤又は一成分系現像剤として用いることが可能である。
【0122】
本発明のトナーを二成分系現像剤として用いる場合は、使用されるキャリアとしては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル,銅,亜鉛,コバルト,マンガン,クロム,希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物及び磁性フェライトなどが使用できる。またその製造方法として特別な制約はない。
【0123】
上記キャリアの表面を樹脂で被覆する系は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の被覆材を溶解剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に被覆材の粉体をキャリアと混合して被覆する方法の如き、従来公知の方法がいずれも適用できる。
【0124】
本発明のトナーと混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、1〜15質量%、好ましくは2〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が1質量%未満では画像濃度が低くなり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短縮しがちである。
【0125】
本発明に係る測定法は以下に示す通りである。後述の実施例もこれらの方法に基づいている。
【0126】
(1)酸価の測定法
サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50ml加えてサンプルを溶解する。溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えてもよい。0.1%のブロムチモルブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算式(1)に従って酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×f×56.1/試料質量 …(1)
(式中、fはN/10KOHのファクターを示す。)
【0127】
(2)粒度分布の測定
測定装置としてはCOULTER MULTISIZER II(コールター社製)に、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピュータ(NEC製)を接続したものを用いた。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分分散処理を行い前記COULTER MULTISIZER IIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し、2〜40μmの粒子の体積分布と個数分布を算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求めた。
【0128】
(3)分子量の測定
分子量換算方法:標準ポリエチレン使用
使用カラム :JORDI−SAEULE 500×10 LINEAR
移動相 :1,2−ジクロロベンゼン(135℃)、(流速0.5mL/分)
検出器 :示差屈折計
【0129】
(4)DSCによる吸熱ピーク値測定:
本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定する。
【0130】
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。
【0131】
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
【0132】
この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られた温度を、本発明の吸熱ピーク値とする。
【0133】
(5)ワックスの平均分散粒径測定方法
トナー粒子の断層面を測定する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を必要により四三酸化ルテニウム、四三酸化オスミウムを用い染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナー粒子の断層形態を測定する。ワックス平均分散径は、ランダムに150個のワックスドメインを選択して、画像解析装置を用いてドメインの面積を測定し、そのドメインと等しい面積を持つ円の直径を円相当径として求めたものである。
【0134】
【実施例】
表1に示すワックス、表2、表3に示す樹脂を用いて、実施例及び比較例を行った。
【0135】
<実施例1>
・C1 (表2参照) 80質量部
・ポリエステル樹脂 20質量部
(テレフタル酸/ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物/無水トリメリット酸より得られたポリエステル)
上記2種類の樹脂を混合して、樹脂1とした。
【0136】
・ワックスA 4質量部
・ルチル型酸化チタン 微粒子 1質量部
・シアン顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:3) 5質量部
上記の処方で十分ヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、二軸押出し混練機で温度を110℃に設定し溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級して、粒度分布における体積平均径が6.5μmになるように選択してトナー粒子(分級品)を得た。
【0137】
流動性向上及び帯電特性付与を目的として、Si系化合物で疎水化処理したアルミナ微粉末をシアントナー粒子100質量部に1.5質量部外添し、トナー1とした。得られたシアントナーの重量平均粒径は6.0μmであった。また、分子量を測定したところ、Mw=27000であった。
【0138】
このトナー7.0質量部に対し、シリコーン樹脂コートMn−Mgフェライトキャリアを、総量100質量部になるように混合し二成分系現像剤とした。
【0139】
この二成分現像剤を、キヤノン製,カラーレーザーコピア1130改造機に用いてN/N 環境下(23℃、60%RH)において複写試験を行った。
【0140】
定着器としては、まず、カラーレーザーコピア1130のオイル塗布機構を省いたものを用いた。これを定着器Aとする。
【0141】
この複写試験において、初期画像を得たが、原稿に極めて忠実で良好であった。
【0142】
さらに8.0万枚の耐久後でもカブリのないオリジナルを忠実に再現するシアン色画像が得られ、再現性に優れていた。複写機内での搬送、現像剤濃度検知も良好で安定した画像濃度が得られた。
【0143】
低温低湿下(15℃/10%RH)、高温高湿下(32.5℃/85%RH)の各環境下で帯電量測定を行ったが、きわめて環境依存性の少ないものとなり、その環境による帯電量比は1.18であった。
【0144】
実施例1において、耐久初期の画像濃度は1.77(マクベス反射濃度)であった。
【0145】
<実施例2>
実施例1における定着器を変更した以外は、実施例1と同様に行って、定着画像を得た。
【0146】
定着器としては、図1に示す定着ユニットを用いた。これを定着器Bとする。
【0147】
定着器Bの構成は以下の通りである(図1参照)。
【0148】
磁場発生手段である磁性コア17a,17b,17cはフェライトであり、励磁コイル18は束線を10ターン巻いて形成している。
【0149】
定着ベルトの構成としては、発熱層には、厚み10μmのニッケル層を用いた。さらに、離型層としてはPFA樹脂をコートし、厚さ50μmとした。加圧ローラーは鉄製の芯金30aに対し、シリコーンゴム及びPFA樹脂を被覆させたローラー硬度60度(Asker−C500g)のローラーを用いた。
【0150】
加圧力としては、80g/cmの紙を介した状態で、線圧686N/m(0.7kgf/cm)で圧接して定着ニップ8mmとした。
【0151】
その結果、実施例1と同等以上の良好な結果が得られた。結果を表8に示す。
【0152】
<比較例1>
結着樹脂として、ポリエステル樹脂(テレフタル酸/ビスフェノールA・エチレンオキシド付加物/無水トリメリット酸より得られたポリエステル)のみを用いた以外は、混合物を実施例1と同様の方法で製造を行ってトナーを得て、実施例1と同様に評価を行った。
【0153】
−評価内容−
以下に評価方法について、具体的に述べる。
【0154】
(1)(初期および耐久)画像濃度
前述の試験機によって画出しを行い、初期および10万枚後の画像濃度をマクベス濃度測定器により測定した。初期の画像濃度の値、および、初期から10万枚画出し中の画像濃度の変動幅を「A〜D」で表8に示した。変動幅については両環境で最も悪い(大きい)値を示す。
A:変動幅0以上0.1未満
B:変動幅0.1以上0.2未満
C:変動幅0.2以上0.3未満
D:変動幅0.3以上
【0155】
(2)カブリ
白画像上に生じたカブリを『リフレクトメーター』(東京電色社製)により測定した。定着器通過の白地部分の白色度と定着器通過前の転写紙の白色度の関係から、カブリ(%)を算出し、画像汚れを評価した。初期および8万枚後を含む耐久途中における最悪値により、判断した。
最悪値 0.7%未満;A、 0.7%以上1.5%未満;B、
1.5%以上2.3%未満;C、 2.3%以上;D
【0156】
(3)トナー保存性
トナー10gを100mlのポリカップに入れ、50℃の恒温槽に7日間安置し、その時のトナーのブロッキングの程度を評価した。
A:変わらない。
B:流動性が僅かに劣る。
C:僅かに固まりが見られるがすぐにほぐれる、実用可。
D:塊ができ、実用不可。
【0157】
(4)ハーフトーン再現性
ハーフトーンの再現性は、低温低湿下、写真画像を複写し、それを目視で評価した。評価基準を以下に示す。
A(非常に良好):写真画像を、忠実に再現できる。
B(良好):滑らかさにやや欠けるが、写真画像を良く再現できる。
C(可):写真画像の再現において、滑らかさに欠ける。
D(不可):写真画像の再現ができていない。
【0158】
(5)トナースペント
8万複写後の現像剤から洗浄剤を用いてトナーを分離し、キャリアのみを取り出す。この洗浄キャリア20gから、20ccのメチルエチルケトンを用いて、被覆したフッ素樹脂とスペントしたトナー成分を抽出する。未使用のキャリアについても同様の処理を行った。この液を100mlとなるように希釈し、分光光度計を用いて500nmで透過率を測定した。未使用キャリアとの透過率の差により判断した。
7%未満;A、 7%以上14%未満;B、
14%以上21%未満;C、 21%以上;D
【0159】
(6)フィルミング評価
10万枚複写後の感光体を目視で観察し、フィルミングの有無を評価。
A:フィルミング発生全く認められず。
B:付着物痕跡僅かに有り、画像への影響なし。
C:付着物痕跡有り、画像への影響なし。
D:フィルミング発生、画像への影響有り。
【0160】
定着性評価:
以下の定着性評価結果は、低温低湿下(15℃/10%RH)、高温高湿下(32.5℃/85%RH)の2つの環境における悪いレベルの方(最悪値)を比較した。
【0161】
(7)画像飛び散り
1万枚及び2万枚め定着時に細線画像(7本/1mm)を定着し、その解像度をルーペを用いて評価した。トナーが飛び散り、解像度が落ちた度合いについて確認した。(判別可能なライン数、縦方向のライン横方向のラインそれぞれ10カ所の平均値、1万枚及び2万枚めの平均値)
A:7本
B:5〜6本
C:3〜4本
D:2本以下
【0162】
(8)定着ローラー(フィルム)汚れ
定着試験終了後、定着ローラー表面への異物の付着の様子に基づいて、定着ローラー(実施例28、および比較例5においては、定着フィルム表面)の耐久性への影響について評価を行った。
A(非常に良好):付着物はほとんど見られず、画像上も影響が小さい。
B(良好):付着物はほとんど見られず、画像品位の変化が少ない。
C(可):付着物は極めて少なく、画像も問題ないレベル。
D(不可):付着物が多く、画像欠陥を生じる。
【0163】
(9)トランスペアレンシー透過画像評価
トランスペアレンシーシート画像の透過率は以下の如く評価した。
【0164】
転写材としてトランスペアレンシーシート(CG3700:3M製)上に温度23度/湿度65%RHの環境下で、階調を有する未定着トナー画像を得た。得られたものを外部定着器にて、定着画像を得た。得られた定着画像の画像濃度0.4〜0.6の箇所の透過率を測定した。
【0165】
透過率の測定は、島津自己分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し測定した。そして、トランスペアレンシーシート単独の透過率を100%とし、600nmでの最大吸収波長における透過率を測定した。
【0166】
なお、下記の基準で評価した。
A:透過率が85%以上
B:透過率が70%以上85%未満
C:透過率が55%以上70%未満
D:透過率が55%未満
【0167】
<実施例2〜36、および比較例2〜11>
トナー中のワックス分散粒子径の制御は、二軸押出し混練機で温度、パドル構成、フィード量、温度分布を調節することによって行った。その結果、表5に示すようなワックス分散粒子径のトナーを得た。
【0168】
トナーを表4〜7に示すように変更した以外は、実施例1と同様に評価を行って、表8および9に示す結果を得た。
【0169】
<実施例37,38、および比較例12,13>
外部定着器を図2に示すものに変更し、トナーを表4〜7に示すように変更した以外は、実施例1と同様に評価を行って、表8および9に示す結果を得た。
【0170】
【表1】
Figure 2005017784
【0171】
【表2】
Figure 2005017784
【0172】
【表3】
Figure 2005017784
【0173】
【表4】
Figure 2005017784
【0174】
【表5】
Figure 2005017784
【0175】
【表6】
Figure 2005017784
【0176】
【表7】
Figure 2005017784
【0177】
【表8】
Figure 2005017784
【0178】
【発明の効果】
本発明においては、結着樹脂としてα−オレフィン−環状オレフィン系共重合体を成分とし、ワックスの分散粒径を制御したトナー粒子を用い、トナーのGPCによる分子量分布において、特定の部位にピーク、サブピーク又は肩を持たせることによって、摩擦帯電性,定着性,混色性,光沢性に優れており、さらに高画像濃度かつ彩度が高く透明性に優れた画像形成が可能である。また、耐トナースペント性を持ち、耐久性が高く、貯蔵安定性が十分である。さらに定着オイルを使用しなくても定着ローラーへの巻き付きを発生することのないオフセット防止効果があり、さらに装置の省電力化、小型化、高速化に寄与することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた外部定着器の断面概略図である。
【符号の説明】
10 定着ベルト
16a,16b フィルム(ベルト)ガイド部材
17a,17b,17c 磁性コア
18 励磁コイル
19 絶縁部材(励磁コイル保持部材)
22 加圧用剛性ステイ
26 温度センサ
30 加圧ローラ(弾性)
30a 芯金
30b 弾性材層
40 良熱伝導部材
50 サーモスイッチ
100 像加熱装置(定着装置)
N 定着ニップ
P 転写材(記録材)

Claims (31)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナーであって、
    該結着樹脂は、少なくともα−オレフィン系モノマーと環状オレフィン系モノマーとを用いて合成されたα−オレフィン−環状オレフィン共重合体を有しており、
    該ワックスは、平均分散粒径が0.03〜1.40μmであり、
    該トナーのGPCによる分子量分布において、分子量4000〜15000の領域にピークを少なくとも1つ有し、かつ、分子量20000〜700,000の領域にピーク又は肩を少なくとも1つ有することを特徴とするトナー。
  2. 該トナー中に含まれる該ワックスの含有量がトナー全体に対して、1.5〜6.5質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナーは、その分子量分布において、分子量2万〜50万にショルダー部もしくはサブピークを有していることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のトナー。
  4. 該トナーは、分子量2.5万〜40万にショルダー部もしくはサブピークを有していることを特徴とする請求項3に記載のトナー。
  5. 該ワックスの平均分散粒径が0.04〜0.80μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該ワックスの平均分散粒径が0.05〜0.50μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 該トナー中の樹脂の少なくとも一部分には、カルボキシル基及び/又は酸無水物基を有しており、該トナーは、2〜80mgKOH/gの酸価をもつことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 該トナーは、5〜40mgKOH/gの酸価を有していることを特徴とする請求項7に記載のトナー。
  9. 該α−オレフィン−環状オレフィン共重合体の環状オレフィン重合体が、シクロヘキセンもしくはノルボルネンであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. 該α−オレフィン−環状オレフィン系共重合体は、該トナー中に30%以上含有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. 該トナーは金属化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナー。
  12. 該金属化合物は、チタン又はアルミニウムの化合物であることを特徴とする請求項11に記載のトナー。
  13. 該トナーは、該着色剤として顔料粒子を含有しているカラートナーであり、該トナー中の該顔料粒子は、個数平均粒径が0.7μm以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  14. 該トナーは、該着色剤として顔料粒子を含有しているカラートナーであり、該トナー中の該顔料粒子は、個数平均粒径が0.7μm以下であり、0.1〜0.5μmの粒径の顔料粒子を60個数%以上含有し、0.8μm以上の粒径の顔料粒子を10個数%以下含有している粒度分布を有していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  15. 該トナーは、少なくとも該結着樹脂、該着色剤及び該有機金属化合物を溶融混練して混練物を得る混練工程、及び得られた混練物を粉砕する粉砕工程を経て製造されたものであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  16. 該トナーは、該着色剤としてイエロー顔料、シアン顔料及びマゼンタ顔料からなるグループから選択されるカラー顔料を含有するカラートナーであり、該カラートナーは、マルチカラー画像又はフルカラー画像を形成するために用いられることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  17. 記録材上に形成されているトナー画像の表面に定着部材を接触させ、且つ該トナー画像に熱及び圧力を付与することにより、該トナー画像を該記録材に定着する加熱定着方法において、
    該トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナーであって、
    該結着樹脂は、少なくともα−オレフィン系モノマーと環状オレフィン系モノマーとを用いて合成されたα−オレフィン−環状オレフィン共重合体を有しており、該ワックスは、平均分散粒径が0.03〜1.40μmであり、該トナーのGPCによる分子量分布において、分子量4000〜15000の領域にピークを少なくとも1つ有し、かつ、分子量20000〜700,000の領域にピーク又は肩を少なくとも1つ有することを特徴とする加熱定着方法。
  18. 該トナー中に含まれる該ワックスの含有量がトナー全体に対して、1.5〜6.5質量%の範囲にあることを特徴とする請求項17に記載の加熱定着方法。
  19. 該トナーは、その分子量分布において、分子量2万〜50万にショルダー部もしくはサブピークを有していることを特徴とする請求項17に記載の加熱定着方法。
  20. 該トナーは、分子量2.5万〜40万にショルダー部もしくはサブピークを有していることを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の加熱定着方法。
  21. 該ワックスの平均分散粒径が0.04〜0.80μmであることを特徴とする請求項18乃至19のいずれかに記載の加熱定着方法。
  22. 該ワックスの平均分散粒径が0.05〜0.50μmであることを特徴とする請求項17乃至21のいずれかに記載の加熱定着方法。
  23. 該トナー中の樹脂の少なくとも一部分には、カルボキシル基及び/又は酸無水物基を有しており、該トナーは、2〜80mgKOH/gの酸価をもつことを特徴とする請求項17乃至22のいずれかに記載の加熱定着方法。
  24. 該トナーは、5〜40mgKOH/gの酸価を有していることを特徴とする請求項23に記載の加熱定着方法。
  25. 該α−オレフィン−環状オレフィン共重合体の環状オレフィン重合体が、シクロヘキセンもしくはノルボルネンであることを特徴とする請求項17乃至24のいずれかに記載の加熱定着方法。
  26. 該α−オレフィン−環状オレフィン系共重合体は、該トナー中に30%以上含有していることを特徴とする請求項25に記載の加熱定着方法。
  27. 該トナーは金属化合物を含有することを特徴とする請求項26に記載の加熱定着方法。
  28. 該金属化合物は、チタン又はアルミニウムの化合物であることを特徴とする請求項27に記載の加熱定着方法。
  29. 該トナーは、該着色剤として顔料粒子を含有しているカラートナーであり、該トナー中の該顔料粒子は、個数平均粒径が0.7μm以下であることを特徴とする請求項17乃至28のいずれかに記載の加熱定着方法。
  30. 該トナーは、該着色剤として顔料粒子を含有しているカラートナーであり、該トナー中の該顔料粒子は、個数平均粒径が0.7μm以下であり、0.1〜0.5μmの粒径の顔料粒子を60個数%以上含有し、0.8μm以上の粒径の顔料粒子を10個数%以下含有している粒度分布を有していることを特徴とする請求項29に記載の加熱定着方法。
  31. 該加熱定着方法において、磁界発生手段と、電磁誘導により発熱する発熱層と離型層とを有する回転加熱部材と、該回転加熱部材とニップ幅を形成する回転加圧部材とを有する加熱加圧手段を使用し、記録材上のトナー画像を加熱加圧して定着画像を形成する定着方法を用いることを特徴とする請求項17乃至30のいずれかに記載の加熱定着方法。
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