JP2005017459A - 画像形成装置 - Google Patents

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Katsushi Saiki
勝志 齋木
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Abstract

【課題】キャリブレーション動作中に不要な電力消費を防止し、かつ、キャリブレーション動作終了後にプリント動作に支障がないように定着ヒータの温度制御を行える画像形成装置を提供する。
【解決手段】キャリブレーション動作の予測所要時間Tが、
あらかじめ定められた定着ヒータオフ状態からヒータ温度安定状態に至るまでの立ち上がりに要する時間(第1のウォームアップ時間T)以上となるとき、上記予測所要時間から第1のウォームアップ時間を差し引いた時間T−T、定着ヒータをオフ制御し、
上記第1のウォームアップ時間T未満、かつ、あらかじめ定められた定着ヒータ低温制御状態からヒータ温度安定状態に至るまでの立ち上がりに要する時間(第2のウォームアップ時間T)以上となるとき、上記予測所要時間から第2のウォームアップ時間を差し引いた時間T−T、定着ヒータを低温制御し、
上記第2のウォームアップ時間T未満となるとき、定着ヒータをオフ制御も低温制御もしない。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置は、コピーやプリント動作を繰り返すことにより、画像形成の特性が変化していくので、画像の安定性を保つためにキャリブレーションが必要となる。キャリブレーションとは、画像形成条件をいろいろふって画像を補正する動作である。
【0003】
例えば、転写ベルトなどの中間転写体表面にトナーパッチを形成し、このトナーパッチの画像濃度を検出することにより、トナー像の濃度補正を行うものが知られている。特に、フルカラーの画像を得るために画像を重ねるダンデム方式では、トナーパッチ形成時にトナーパッチ形成に使用しない感光体ユニットに対応する転写帯電装置の出力を遮断することにより、感光体へのダメージをなくして消費電力を低減し、オゾンの発生量を抑える技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−314999号公報
【0005】
また、画像形成装置の各機種は、このようなキャリブレーション動作に入る固有のタイミングを有している。例えば、電源スイッチをオンしたときに実行するとか、一定の枚数をプリントすると実行するといったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このキャリブレーション動作の実行中は、コピーやプリントができないため、ユーザはただ待っているが、機械側ではその動作が終わり次第、プリントが再開できるように準備を整えている。例えば、キャリブレーションの終了に合わせて定着部のスタンバイができるように、定着ヒータをオン状態のまま維持している。したがって、そのキャリブレーションの時間が長くなればなるほど、定着ヒータへの通電時間も長くなり、電力の消費が大きくなってしまう。
【0007】
しかしながら、定着ヒータを単純にオフしておくと、キャリブレーション動作終了後に定着ヒータのウォームアップを始めることとなり、キャリブレーション動作が終了してもすぐにはプリント可能とならず、ユーザの使い勝手を著しく損ない、実使用上非常に問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、キャリブレーション動作中に不要な電力消費を防止し、かつ、キャリブレーション動作終了後にプリント動作に支障がないように定着ヒータの温度制御を行える画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の画像形成装置は、キャリブレーション動作の所要時間を予測する予測手段を備え、該予測手段によって予測される時間に応じて定着ヒータをオフ又は低温制御することが可能なことを特徴とする。
【0010】
そして、前記予測手段は、機内又は機外の温湿度、現像トナー比率、感光体表面電位、感光体表面又は中間転写体表面の画像濃度の少なくとも1つに基づいて予測することを特徴とする。
【0011】
そして、前記キャリブレーション動作の予測所要時間と定着ヒータのウォームアップ時間とを比較し、複数のモードで定着ヒータの制御を行うことを特徴とする。
【0012】
具体的には、キャリブレーション動作の予測所要時間が、
あらかじめ定められた定着ヒータオフ状態からヒータ温度安定状態に至るまでの立ち上がりに要する時間(第1のウォームアップ時間)以上となるとき、上記予測所要時間から第1のウォームアップ時間を差し引いた時間、定着ヒータをオフ制御し、
上記第1のウォームアップ時間未満、かつ、あらかじめ定められた定着ヒータ低温制御状態からヒータ温度安定状態に至るまでの立ち上がりに要する時間(第2のウォームアップ時間)以上となるとき、上記予測所要時間から第2のウォームアップ時間を差し引いた時間、定着ヒータを低温制御し、
上記第2のウォームアップ時間未満となるとき、定着ヒータをオフ制御も低温制御もしないことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を添付図に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される画像形成装置の一例を示している。画像形成装置1は、表示部2と、操作入力部3と、CCDなどにより構成される原稿読取部4と、印字部8と、これらの全ての制御を行う制御部9とから概略構成されている。印字部8は、さらに用紙Pを格納して給紙する第1給紙ユニット5aと第2給紙ユニット5bとからなる給紙部5と、感光体上に画像を形成して用紙Pに転写する画像形成部6と、給紙部5から給紙された用紙Pを一旦停止させて撓ませ、画像形成部6に搬送するタイミングをはかるレジストローラ16と、画像を用紙Pに定着させる定着部7とから概略構成される。
【0014】
また、画像形成部6は、図中時計方向に回転する感光体10と、その感光体10の表面を帯電させる帯電部11と、帯電した感光体10を露光して静電潜像を形成させる露光部12と、現像ローラ13aを介して静電潜像をトナーで可視像として現像する現像部13と、そのトナーの可視像を用紙P上に転写させる転写部14と、用紙P上に転写されない残留トナーを感光体10の表面から除去するクリーニング部15とを備えている。
【0015】
さらに、定着部7は、定着ヒータ17により定着温度に熱せられてその熱で前記のトナーの可視像を定着する定着ローラ18と、該定着ローラ18の温度を検出するサーミスタ19とを備えている。
【0016】
以上の構成をブロック図にして具体的に説明する。図2は、本発明に係わる画像形成装置1の主要部を示すブロック図である。制御部9は、CPU20と、画像形成装置1の制御用プログラムを格納するフラッシュメモリからなるプログラムROM21と、作業用の記憶装置である作業用RAM22と、EEPROMを使用し、制御パラメータとコピー枚数などの変動データをバックアップして格納するデータROM23を有している。
【0017】
さらに、図1を参照して説明した表示部2と、操作入力部3と、原稿読取部4と、給紙部5と、画像形成部6と、定着部7とがそれぞれ制御部9に電気的に接続されている。また、その他の電気的部品として、複数のモータやクラッチ(不図示)などを含む駆動部24や、サーミスタ19(図1)などの温度センサや、機内温度、機内湿度を検出する温湿度センサ28、現像部13内のトナー比率(二成分現像の場合、現像材(トナー及びキャリア)の全量に占めるトナー量の割合をいう。)を測定するトナー濃度センサ29、感光体10の表面電位を検出する表面電位センサ30、感光体10表面にトナーパッチを形成し、そのトナーパッチの画像濃度を測定する画像濃度センサ31などからセンサ入力が行われるセンサ入力部25が制御部9に接続されている。FAX送受信の機能や、情報処理装置からの印字データを受け印字を行うプリンタ機能が必要な場合は、FAXコントローラ26とプリンタコントローラ27がそれぞれ制御部9に接続される。
【0018】
画像形成装置1ではトナーによる可視像を熱で定着するため、定着部7を使用し、定着部7が備える定着ローラ18を定着ヒータ17により所定の定着温度に熱して、その熱でトナーの可視像を定着する。実際には、画像形成装置1を起動し、定着ローラ18の温度が定着温度より若干低い準備温度に到達すると、定着ローラ18の表面の温度を均一にするため、定着ローラを図示しないモータで回転させる。その後、定着ローラ18の温度が定着温度に到達すると、画像形成の作業が可能になる。
【0019】
次に、本発明に特徴的なキャリブレーション動作中の定着ヒータ17の制御について説明する。これは、キャリブレーション動作の開始時にその所要時間を予測し、その予測所要時間に基づきキャリブレーション動作終了時に即座にプリント可能となるように定着ヒータ17の温度制御を行うものである。
【0020】
例えば、図3は、キャリブレーション動作の予測所要時間を3段階に分類し、定着ヒータ17の制御を3つのモードで切り替える場合のタイミングチャートを示している。図4は、定着ヒータ17の各制御モードに移行する手順を示したフローチャートである。
【0021】
画像形成装置1は、通常のプリント動作(或いはコピー動作)を繰り返し行う(ステップS1及びステップS2の否定判定)。本体制御部30によりキャリブレーション実行の必要があると判断される(ステップS2の肯定判定)と、そのキャリブレーション動作が開始される際に、その所要時間を予測する(ステップS3)。この予測の基準となるパラメータとしては、外気及び機内の温湿度、現像部13内のトナー比率、感光体10の表面電位値、感光体10表面又は中間転写体表面の画像濃度などがある(ステップS2)。一般に、キャリブレーションの所要時間は、外気及び機内の温湿度が高すぎたり、低すぎたりする場合には長くなる。また、現像部13内のトナー比率が高くなるほど、或いは低くなるほど長くなる。さらに、感光体10の表面電位が高くなると、或いは低くなると長くなる傾向がある。そして、感光体10表面又は中間転写体表面の画像濃度が規定範囲を外れると長くなる。
【0022】
このようにして予測したキャリブレーション動作の所要時間は、あらかじめ定められた所定値と比較される。図3の例では、予測所要時間(以下、符号Tで表す。)と比較される基準となる時間が二つある。一つは、定着ヒータオフ状態からヒータ温度安定状態に至るまでの立ち上がりに要する時間(第1のウォームアップ時間(以下、符号Tで表す。))である。もう一つは、定着ヒータ低温制御状態からヒータ温度安定状態に至るまでの立ち上がりに要する時間(第2のウォームアップ時間(以下、符号Tで表す。))である。当然、第1、第2のウォームアップ時間T、Tの関係は、T>Tとなる。
【0023】
予測所要時間Tは、まず、第1のウォームアップ時間Tと比較され(ステップS4)、予測所要時間Tが第1のウォームアップ時間T以上(T≦T)と判定される(ステップS4の肯定判定)と、ステップS5に移行し、図3(a)に示すように、予測所要時間Tから第1のウォームアップ時間Tを差し引いた(T−T)時間、定着ヒータ17をオフ制御する。その後、定着ヒータ17をオンし、キャリブレーション動作が終了するまで定着ヒータ17のオン状態をそのまま継続する(ステップS6及びステップS7)。
【0024】
これにより、キャリブレーション動作実行中に定着ヒータ17を所定時間オフ制御することができ、無駄な電力消費を防止することができる。このように、キャリブレーション動作実行中に定着ヒータ17をオフ制御しても、キャリブレーション動作終了と同時にヒータ温度安定状態に達しており、定着部7はプリントのスタンバイができているので、ユーザは支障なく画像形成装置1を使用することができる。
【0025】
また、ステップS4で、予測所要時間Tが第1のウォームアップ時間T未満(T<T)と判定される(否定判定)と、さらに、第2のウォームアップ時間Tと比較され(ステップS8)る。このとき、予測所要時間Tが第2のウォームアップ時間T以上(T≦T<T、ステップS8の肯定判定)と判定されると、ステップS9に移行し、図3(b)に示すように、予測所要時間Tから第2のウォームアップ時間Tを差し引いた(T−T)時間、定着ヒータ17を低温制御する。低温制御とは、定着ヒータ17のオン・オフを周期的に繰り返したり、通電電流を段階的に切り替えたりして、ヒータ温度を安定状態よりも低い所定の温度に維持することである。その後、キャリブレーション動作が終了するまで、定着ヒータ17をオン状態に維持する。(ステップS10及びステップS11)。
【0026】
これにより、キャリブレーション動作実行中に定着ヒータ17を所定時間低温制御することができ、無駄な電力消費を防止することができる。このように、キャリブレーション動作実行中に定着ヒータ17を低温制御しても、キャリブレーション動作終了と同時にヒータ温度安定状態に達しており、定着部7はプリントのスタンバイができているので、ユーザは支障なく画像形成装置1を使用することができる。
【0027】
また、ステップS8で、予測所要時間Tが第2のウォームアップ時間T未満(T<T)と判定される(否定判定)と、ステップS12に移行し、図3(c)に示すように、定着ヒータ17をオフ制御も低温制御もしないで、予測所要時間Tが経過するまで定着ヒータ17のオン状態をそのまま継続する。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、キャリブレーション動作の所要時間を予測する予測手段を備え、該予測手段によって予測される時間に応じて定着ヒータをオフ又は低温制御することが可能なので、キャリブレーション動作実行中に定着ヒータを所定時間オフ制御若しくは低温制御することができ、無駄な電力消費を防止することができる。このように、キャリブレーション動作実行中に定着ヒータをオフ制御若しくは低温制御しても、キャリブレーション動作終了と同時にヒータ温度安定状態に達しており、定着部はプリントのスタンバイができているので、ユーザは支障なく画像形成装置を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の一例を示している。
【図2】本発明に係わる画像形成装置の主要部を示すブロック図である。
【図3】キャリブレーション動作の予測所要時間を3段階に分類し、定着ヒータの制御を3つのモードで切り替える場合のタイミングチャートを示している。
【図4】定着ヒータの各制御モードに移行する手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
6 画像形成部
7 定着部
8 印字部
9 制御部
10 感光体
11 帯電部
13 現像部
13a 現像ローラ
14 転写部
17 定着ヒータ
18 定着ローラ
19 サーミスタ
20 本体制御部
P 用紙

Claims (4)

  1. キャリブレーション動作の所要時間を予測する予測手段を備え、該予測手段によって予測される時間に応じて定着ヒータをオフ又は低温制御することが可能なことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記予測手段は、機内又は機外の温湿度、現像トナー比率、感光体表面電位、感光体表面又は中間転写体表面の画像濃度の少なくとも1つに基づいて予測することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記キャリブレーション動作の予測所要時間と定着ヒータのウォームアップ時間とを比較し、複数のモードで定着ヒータの制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. キャリブレーション動作の予測所要時間が、
    あらかじめ定められた定着ヒータオフ状態からヒータ温度安定状態に至るまでの立ち上がりに要する時間(第1のウォームアップ時間)以上となるとき、上記予測所要時間から第1のウォームアップ時間を差し引いた時間、定着ヒータをオフ制御し、
    上記第1のウォームアップ時間未満、かつ、あらかじめ定められた定着ヒータ低温制御状態からヒータ温度安定状態に至るまでの立ち上がりに要する時間(第2のウォームアップ時間)以上となるとき、上記予測所要時間から第2のウォームアップ時間を差し引いた時間、定着ヒータを低温制御し、
    上記第2のウォームアップ時間未満となるとき、定着ヒータをオフ制御も低温制御もしないことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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