JP2005017396A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及び黒トナー像がそれぞれ形成されるカラー用の像担持体と黒用の像担持体を有していると共に、これらの像担持体に対置された転写ベルトとを有する画像形成装置において、各像担持体に形成したテストパターンを正しく検知できるようにする。
【解決手段】黒用の像担持体3BKに形成された黒テストパターンの画像濃度を検知する第1の濃度検知手段17と、カラー用の像担持体3Y,3M,3Cから転写ベルト4に転写された有彩色テストパターンの画像濃度をそれぞれ検知する第2の濃度検知手段18を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに異なった色の有彩色トナー像がそれぞれ形成される複数のカラー用の像担持体と、黒トナー像が形成される黒用の像担持体と、これらの像担持体に対向して配置された転写ベルトとを有し、各像担持体に形成されたトナー像を、前記転写ベルトに担持されて搬送される記録媒体に転写するか、又は転写ベルトに転写して記録画像を得る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は従来より周知である。かかる画像形成装置は、複数の像担持体が並んで配置されていることから、タンデム方式のカラー画像形成装置とも称せられている。この形式の画像形成装置は、冒頭に記載したように、各像担持体に形成されたトナー像を、転写ベルトに担持されて搬送される記録媒体に直に転写する直接転写方式の画像形成装置と、転写ベルトに転写してから記録媒体に転写する中間転写方式の画像形成装置とに分けられる。
【0003】
いずれの方式の画像形成装置においても、最終的に記録媒体に転写された画像の色再現性を高め、高画質を維持するために、各像担持体に形成されるトナー像の画像濃度の変動を抑える必要がある。トナー像の画像濃度が大きく変動すると、その画像を構成する狙いのドットの大きさが変化してしまい、狙いの色再現性を実現できなくなる。また記録媒体へのトナーの付着量が過多となると、画像が滲んだ状態となる「チリ」現象が発生し、その画質が劣化する。
【0004】
上述した不具合の発生を防止するため、従来より次の構成が提案されている。
▲1▼各像担持体に対向して光学センサを配置し、その各光学センサによって、各像担持体上に形成した各色のテストパターンの画像濃度を検知し、その検知結果に基づいて、各像担持体に形成するトナー像の画像濃度を制御する。
▲2▼各像担持体に形成したテストパターンをそれぞれ転写ベルトに転写し、その各テストパターンの画像濃度を1つの光学センサにより検知し、その検知結果に基づいて、各像担持体に形成するトナー像の画像濃度を制御する(例えば特許文献1参照)。
【0005】
上述の▲1▼の画像形成装置は、各像担持体毎に光学センサを設ける必要があるため、コストが上昇する欠点を有しているほか、次の欠点を免れない。
【0006】
タンデム方式のカラー画像形成装置においては、通常の画像形成動作時に、転写ベルト移動方向上流側に位置する像担持体から記録媒体又は転写ベルトに転写されたトナー像が下流側の像担持体を通過するとき、微量のトナーがその像担持体に逆転写することがある。このため、上述の▲1▼の形式の画像形成装置のように、上流側の像担持体に対向した光学センサによって、その像担持体に形成されたテストパターンの画像濃度を検知して得た画像濃度情報は、通常の画像形成動作時に上流側の像担持体から最終的に記録媒体に転写されたトナー像の画像濃度と相違する。従って、像担持体上のテストパターンの画像濃度を光学センサにより検知し、その検知結果に基づいて、通常の画像形成動作時に各像担持体に形成するトナー像の画像濃度を制御しても、最終的に記録媒体に転写された画像の色再現性を高めることは困難である。
【0007】
一方、上述の▲2▼の形式の画像形成装置は、各像担持体に形成した各テストパターンを転写ベルトに転写してから、その各テストパターンの画像濃度を検知するので、1つの光学センサで全てのテストパターンの画像濃度を検知でき、画像形成装置のコストを下げることができる。しかも最下流側の像担持体よりも、さらに下流の転写ベルト部分に対向した光学センサによって、このベルト部分上に転写されたテストパターンの画像濃度を検知することにより、上流側の像担持体から転写ベルトに転写されたテストパターンの微量のトナーが下流側の像担持体に逆転写された後のテストパターンの画像濃度を検知することになるので、通常の画像形成動作時に最終的に記録媒体に転写されたトナー像の画像濃度又はこれに近い画像濃度を検知することができる。これにより、正しい画像濃度情報が得られ、これに基づいて画像形成条件を制御することによって、通常の画像形成動作時に得た画像の色再現性を高めることができる。
【0008】
ところが、▲2▼の形式の画像形成装置の場合には、黒用の像担持体上に形成した黒テストパターンも転写ベルトに転写し、そのテストパターンの画像濃度を検知するので、転写ベルトが黒色又はこれに近い色であると、転写ベルトとこれに転写された黒テストパターンの画像濃度に大差がないため、その黒テストパターンの検知感度が低下する。このため、光学センサとして、トナー付着量が多量な場合にも感度のある拡散光検出型センサを用いることができなかった。これは、黒テストパターンと黒色の転写ベルトが共に多量の光を吸収するため、拡散光検出型センサが絶対光量の少ない拡散光を検知する余地が低いからである。そこで、正反射検出型センサを用いることが考えられるが、このタイプの光学センサは、検知対象の表面粗さに検知感度をもつため、転写ベルトの傷などによって検知結果に影響が与えられやすい。しかもトナー付着量が多量な場合には検知不能である。このような理由で、黒用の像担持体上に形成されるトナー像の画像濃度を高精度に制御することが困難である。
【0009】
上述した不具合を回避するため、黒色以外の転写ベルトを使用することが考えられる。このようにすれば、黒用の像担持体から転写ベルトに転写された黒テストパターンの画像濃度と転写ベルトの濃度が大きく相違するので、拡散光検出型センサによっても、転写ベルト上の黒テストパターンの画像濃度を検知することが可能となる。ところが、黒色以外の転写ベルトは、経時的に汚れて黒色又はこれに近い色となってしまうので、比較的早期に、黒色の転写ベルトを用いた場合と同様の欠点が発生するようになる。
【0010】
また、透明な転写ベルトを用いた場合にも、光学センサからの光を反射させるために転写ベルトに設けられた反射板が経時的に黒く汚れるので、転写ベルトに転写した黒テストパターンの検知感度が悪化する欠点を免れない。
【0011】
さらに、最下流の像担持体よりも上流側に位置する複数の像担持体にそれぞれ形成したテストパターンを転写ベルトにそれぞれ転写し、次いでその各テストパターンを最下流の像担持体上に逆転写し、その最下流の像担持体に対向配置された光学センサによって、全ての色のテストパターンの画像濃度をそれぞれ検知する画像形成装置も提案されている(特許文献2参照)。この形式の画像形成装置によれば、1つの光学センサで全てのテストパターンの画像濃度を検知するので、センサに関するコストを下げることができ、しかも転写ベルトの表面の傷や色によらずテストパターンの画像濃度を正確に検知することが可能である。ところが、この方式によると、転写ベルトに転写したテストパターンを最下流の像担持体上に逆転写させる必要があるため、通常のトナー像の転写時とは逆極性の逆転写電圧を転写装置に印加しなければならず、これのための高圧電源が必要となる。かかる高圧電源を用いることによるコストの上昇分は、一般に、光学センサ1個分のコストを上回る。このため、この方式の画像形成装置は、結局そのコストが上昇してしまうおそれを免れない。
【0012】
しかも、この方式の画像形成装置の場合には、上流側の各像担持体に形成したテストパターンを転写ベルトに転写し、次いでそのテストパターンを最下流の像担持体上に逆転写するので、2度の転写工程を経たテストパターンの画像濃度を検知することになる。このため、像担持体上又は転写ベルト上のテストパターンの画像濃度を直に検知する場合に比べて検知精度が劣る欠点もある。しかも、最下流の像担持体に転写ベルト上のテストパターンを逆転写すべく、転写手段に逆転写電圧を印加したとき、その像担持体上に黒テストパターンが形成されているときは、そのトナーが強く帯電されるので、当該トナーが像担持体表面に静電的に強固に付着する。このため、この黒テストパターンをクリーニング装置により除去するとき、そのクリーニング装置に過大な負担をかけ、場合によってはそのクリーニング不良が発生するおそれもある。
【0013】
【特許文献1】
特開昭63−147177号公報(第2−3頁、第1図−第8図)
【特許文献2】
特開平5−188712号公報(第3−5頁、図1−図4)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した新規な認識に基づきなされたものであり、その目的とするところは、転写ベルトの色に関係なくテストパターンを正しく検知でき、しかもコストを低く抑えることのできる冒頭に記載した形式の画像形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、前記黒用の像担持体に形成された黒テストパターンの画像濃度を検知する第1の濃度検知手段と、各カラー用の像担持体にそれぞれ形成された後、前記転写ベルトにそれぞれ転写された各有彩色テストパターンの画像濃度を検知する第2の濃度検知手段と、前記第1の濃度検知手段の検知結果に基づいて前記黒用の像担持体に形成される黒トナー像の画像形成条件を制御すると共に、前記第2の濃度検知手段の検知結果に基づいて各カラー用の像担持体に形成される有彩色トナー像の画像形成条件を制御する制御手段とを具備することを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0016】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記転写ベルトの表面の色がほぼ黒色であってもよい(請求項2)。
【0017】
さらに、上記請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記第1及び第2の濃度検知手段として、拡散光検出型センサを用いることができる(請求項3)。
【0018】
また、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記カラー用の像担持体と黒用の像担持体のうち、黒用の像担持体が、これらの像担持体に対向した転写ベルト部分の移動方向における最下流側に位置していると有利である(請求項4)。
【0019】
さらに、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1の濃度検知手段は、黒用の像担持体の表面移動方向に関して、該像担持体の表面に黒トナー像が形成される現像位置よりも下流側であって、該黒トナー像が転写される転写位置よりも上流側の黒用の像担持体の表面部分に対向して配置されていると有利である(請求項5)。
【0020】
また、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、黒用の像担持体の周長が、カラー用の像担持体の周長よりも長く設定されていると有利である(請求項6)。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って説明する。
【0022】
図1及び図2は、タンデム方式のカラー画像形成装置の具体例をそれぞれ示す概略図であり、図1は直接転写方式の画像形成装置を示し、図2は中間転写方式の画像形成装置を示している。先ずこれらの画像形成装置の共通する構成から明らかにする。
【0023】
図1及び図2に示した画像形成装置は、ドラム状の感光体により構成された複数の像担持体3Y,3M,3C,3BKを有し、その各像担持体3Y,3M,3Cの表面には、イエロートナー像、マゼンタトナー像、及びシアントナー像の各有彩色トナー像がそれぞれ形成され、像担持体3BKには黒トナー像が形成される。これらの像担持体3Y乃至3BKに対向して無端ベルトより成る転写ベルト4が配置され、この転写ベルト4は、複数の支持ローラ5,6,7,8に巻き掛けられて矢印A方向に走行駆動される。
【0024】
各像担持体3Y乃至3BKにトナー像を形成するための構成は実質的に全て同一であるので、像担持体3Yにトナー像を形成する構成だけを説明する。この像担持体3Yは図1及び図2における時計方向に回転駆動され、このとき帯電装置9によって像担持体3Yの表面が所定の極性に帯電される。次いで、その帯電面に、露光装置10から出射する書き込み光(図の例ではレーザ光L)が照射され、これによって像担持体3Yに静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置11によってトナー像として可視像化される。図示した現像装置11は、現像バイアスの印加される現像ローラ19を有し、この現像ローラ19に担持された乾式現像剤によって、静電潜像が可視像化される。
【0025】
ここで、図1に示した直接転写方式の画像形成装置においては、図示していない給紙部から、転写紙又は樹脂フィルムなどから成る記録媒体Pが、レジストローラ対12の回転によって所定のタイミングで、矢印Bで示すように、像担持体3Yとその像担持体3Yに当接しながら矢印A方向に走行する転写ベルト4との間に送り込まれ、該記録媒体Pは転写ベルト4に担持されて搬送される。転写ベルト4を挟んで、像担持体3Yにほぼ対向する位置には、転写装置13が配置され、その転写装置13に対して、像担持体3Y上のトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、これによって像担持体3Y上のイエロートナー像が記録媒体P上に転写される。記録媒体Pに転写されずに像担持体3Yに残された転写残トナーはクリーニング装置14によって除去される。
【0026】
全く同様にして、図1に示した他の像担持体3M,3C,3BK上にマゼンタトナー像、シアントナー像及び黒トナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像が、イエロートナー像の転写された記録媒体P上に順次重ねて転写される。このようにして4色の合成トナー像を担持した記録媒体Pは、転写ベルト4から離れた後、図示していない定着装置を通過し、このときそのトナー像が熱と圧力の作用によって記録媒体P上に定着される。図1に符号16で示すものは、転写ベルト4上に付着したトナーを除去するベルト用のクリーニング装置である。
【0027】
上述のように、直接転写方式の画像形成装置は、各像担持体3Y乃至3BKに形成されたトナー像を、転写ベルトに担持されて搬送される記録媒体Pに転写して記録画像を得るように構成されている。
【0028】
一方、図2に示した中間転写方式の画像形成装置においては、像担持体3Y上に形成されたイエロートナー像は、矢印A方向に走行駆動される転写ベルト4の表面に、転写装置13の作用によって転写される。トナー像転写後に像担持体3Y上に付着する転写残トナーはクリーニング装置14によって除去される。全く同様にして他の像担持体3M,3C,3BK上にそれぞれ形成されたマゼンタトナー像、シアントナー像及び黒トナー像が、イエロートナー像の転写された転写ベルト4の表面に順次重ねて転写される。このようにして、転写ベルト4上に4色の合成トナー像が形成される。
【0029】
また、図2に示すように、転写ベルト4を挟んで、支持ローラ6に対向して二次転写装置15が配置され、図示していない給紙部から送り出された転写紙又は樹脂フィルムなどから成る記録媒体Pが、レジストローラ対12Aの回転によって、所定のタイミングで、矢印Cで示すように、二次転写装置15と転写ベルト4との間に送り込まれる。このようにして、記録媒体Pが二次転写装置15を通過するとき、この転写装置15の作用によって転写ベルト4上のトナー像が記録媒体P上に一括して転写される。トナー像転写後の転写ベルト4の表面に付着する転写残トナーはベルト用のクリーニング装置16によって除去される。トナー像を転写された記録媒体Pは、この場合も、図示していない定着装置を通過し、このとき熱と圧力の作用によって、転写されたトナー像が記録媒体P上に定着される。
【0030】
上述のように、中間転写方式の画像形成装置は、各像担持体3Y乃至3BKに形成されたトナー像を、転写ベルト4に転写して記録画像を得るように構成されている。
【0031】
ここで、図1及び図2に示した画像形成装置において、有彩色トナー像が形成される像担持体3Y,3M,3Cを、必要に応じてカラー用の像担持体と称し、黒トナー像が形成される像担持体3BKを黒用の像担持体と称することにする。図示した例では、3個のカラー用の像担持体が設けられているが、その数は2個以上であればよい。このように、本発明の対象とする画像形成装置は、互いに異なった色の有彩色トナー像がそれぞれ形成される複数のカラー用の像担持体と、黒トナー像が形成される黒用の像担持体を有している。
【0032】
図1及び図2に示したいずれの方式の画像形成装置においても、黒用の像担持体3BKの表面に対向して1つの第1の濃度検知手段17が設けられていると共に、複数の像担持体3Y乃至3BKに対向した転写ベルト部分の移動方向における最下流側に位置する像担持体、図の例では黒用の像担持体3BKよりもさらに下流側の転写ベルト部分に対向して、1つの第2の濃度検知手段18が設けられている。黒用の像担持体BK以外の像担持体3Y,3M,3Cには濃度検知手段が対向配置されていない。これらの検知手段17,18としては、例えば、発光素子と受光素子を有する光学センサが用いられる。
【0033】
記録媒体Pの通紙が行われていない時期などの通常のトナー像の形成の妨げとならぬ時期に、各像担持体3Y、3M,3C,3BK上に、通常のトナー像を形成するのと同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒色のトナー像より成る各テストパターンがそれぞれ形成される。その際、黒用の像担持体3BK上に形成された黒色のテストパターンを黒テストパターンと称し、各カラー用の像担持体3Y、3M、3C上に形成された各有彩色のテストパターンを有彩色テストパターンと称することにすると、黒用の像担持体3BKに形成された黒テストパターンの画像濃度は第1の濃度検知手段17によって検知される。例えば、黒用の像担持体3BK上に形成された黒テストパターンからの反射光量と、黒テストパターンの付着していない黒用の像担持体3BKの表面からの反射光量が、第1の濃度検知手段17によって検知され、その両反射光量が比較されることにより、黒テストパターンの画像濃度が検出される。
【0034】
これに対し、各カラー用の像担持体3Y,3M,3Cにそれぞれ形成された有彩色テストパターンは、転写ベルト4を挟んで、その各像担持体3Y,3M,3Cに対向した各転写装置13の作用によって、矢印A方向に走行駆動される転写ベルト4の表面にそれぞれ転写される。各有彩色テストパターンが、転写ベルト4上で重ね合わされることなく、転写ベルト4の走行方向における別々の位置にそれぞれ転写されるのである。そして、これらの各有彩色テストパターンの画像濃度は、第2の濃度検知手段18によって検知される。このように、第2の濃度検知手段18は、各カラー用の像担持体3Y,3M,3Cにそれぞれ形成された後、転写ベルト4にそれぞれ転写された各有彩色テストパターンの画像濃度を検知する。例えば、転写ベルト4上にそれぞれ転写された各有彩色テストパターンからの反射光量と、これらのテストパターンの付着していない転写ベルト4の表面からの反射光量が、第2の濃度検知手段18によって検知され、その両反射光量を比較することにより、各有彩色テストパターンの画像濃度が検出される。検知後の各テストパターンは、それぞれクリーニング装置によって黒用の像担持体3BK及び転写ベルト4から除去される。
【0035】
また、図1及び図2に示した画像形成装置は、第1の濃度検知手段17の検知結果に基づいて黒用の像担持体3BKに形成される黒トナー像の画像形成条件を制御すると共に、第2の濃度検知手段18の検知結果に基づいて各カラー用の像担持体3Y,3M,3Cに形成される有彩色トナー像の画像形成条件を制御する制御手段を有している。図3はかかる制御手段の一例を示すブロック図である。図3に示した第1及び第2の濃度検知手段17,18からの検知信号は、制御部20に取り込まれ、その検知情報が、黒トナー像作成制御系21BK、イエロートナー像作成制御系21Y、マゼンタトナー像作成制御系21M及びシアントナー像作成制御系21Cにそれぞれフィードバックされ、各像担持体3Y乃至3BK上に形成されるトナー像の画像濃度が適切なものとなるように制御される。例えば、テストパターンの画像濃度が基準濃度よりも低いときは、トナー像の画像濃度が高まるように、各現像装置11の現像ローラ19に印加する現像バイアスの絶対値を上げ、これに伴って帯電装置9への印加電圧の絶対値も上げる。或いは各現像装置11において、トナーとキャリアを有する二成分系の現像剤が用いられているときは、その現像剤にトナーを補給して、当該現像剤のトナー濃度を上昇させる。このような制御を行うことにより、最終的に記録媒体Pに転写された画像の色再現性を高め、高画質を維持することが可能である。
【0036】
上述した画像形成装置によれば、第1及び第2の2つの濃度検知手段17,18を用いるだけで、全ての像担持体上に形成されるトナー像の画像濃度を制御することができ、全ての像担持体に対向して光学センサを配置した従来の画像形成装置よりもコストを低減することができる。また、カラー用の像担持体3Y,3M,3Cに形成した有彩色テストパターンを転写ベルト4上に転写し、その各有彩色テストパターンが当該テストパターンの形成された像担持体よりも下流側の像担持体を通過した後に、その各有彩色テストパターンの画像濃度を第2の濃度検知手段18によって検知するので、得られた画像濃度情報は、通常の画像形成動作時に最終的に記録媒体に転写されたトナー像の画像濃度にほぼ一致し、各像担持体に形成されるトナー像の画像濃度を正しく制御することができる。
【0037】
しかも、黒用の像担持体2BKに形成した黒テストパターンは、これを転写ベルト4に転写してから、その画像濃度を検知するのではなく、黒用の像担持体上に形成されたままの黒テストパターンの画像濃度を第1の濃度検知手段17によって検知するので、転写ベルト4の表面の色がほぼ黒色のときも、また転写ベルトが汚れて経時的に黒色又はこれに近い色になったときも黒テストパターンの検知感度が低くなることはなく、高い精度でその画像濃度を検知することができる。表面の色が黒色の転写ベルトも、その他の色の転写ベルトも、或いは透明な転写ベルトも支障なく使用することができるのである。
【0038】
上述した理由により、第1及び第2の濃度検知手段17,18として、テストパターンのトナー付着量が多量の場合も感度のある拡散光検出型センサを用いることができ、その検知精度を高めることができる。
【0039】
図4は、表面が黒色の転写ベルトを用い、この転写ベルトの表面に黒テストパターンと、イエロー、マゼンタ又はシアンの有彩色テストパターンを転写し、その各テストパターンの画像濃度を拡散光検出型センサによって検知したときの検出感度の一例を示す図である。横軸Ifはセンサに入力する電流値であり、縦軸Voutは、センサの出力電圧を示している。この図から判るように、センサに入力する電流値がいかなるときも、黒色の転写ベルトと黒テストパターンの出力電圧に大きな差はなく、黒テストパターンの検知感度が低い。黒色の転写ベルト上に転写した黒テストパターンの画像濃度を検知し難いのである。本例の画像形成装置においては、このような不具合を阻止することができる。
【0040】
なお、拡散光検出型センサは、発光素子から出射して、検知対象で反射した拡散光を、例えばLEDより成る受光素子で受光して、テストパターンの画像濃度を検知するセンサであるのに対し、正反射検出型センサは、発光素子から出射して検知対象で反射した正反射光を、例えばLEDより成る受光素子で受光して、テストパターンの画像濃度を検知するセンサである。
【0041】
また、図1及び図2に示した画像形成装置によれば、カラー用の像担持体から転写ベルトに転写した有彩色テストパターンを黒用の像担持体に再転写して、その各有彩色テストパターンの画像濃度を検知するのではないため、有彩色テストパターンの再転写のために転写装置に逆転写電圧を印加する必要がない。これにより、画像形成装置のコストの上昇を抑え、しかも有彩色テストパターンの画像濃度の検知精度を高めることができる。さらに黒用の像担持体を清掃するクリーニング装置の負担が高められて、そのクリーニング不良が発生する不具合を防止できる。
【0042】
また、図1及び図2に示した画像形成装置においては、カラー用の像担持体3Y,3M,3Cと黒用の像担持体3BKのうち、黒用の像担持体3BKが、これらの像担持体3Y乃至3BKに対向した転写ベルト部分の移動方向における最下流側に位置している。これにより、通常の画像形成動作時に最終的に記録媒体に転写された黒トナー像の画像濃度又はこれに近い画像濃度を第1の濃度検知手段17によって検知でき、画像形成条件を正しく制御することが可能である。仮に、黒用の像担持体3BKを最上流側に配置し、その像担持体上に形成した黒テストパターンを第1の濃度検知手段17によって検知するように構成したとすると、通常の画像形成動作時に、黒用の像担持体3BK上に形成されたトナー像は、記録媒体P又は転写ベルト4に転写された後、3本のカラー用の像担持体を通過するので、このとき微量の黒トナーがカラー用の像担持体に逆転写する。従って、最上流側に位置する黒用の像担持体3BK上に形成した黒テストパターンの画像濃度を検知しても、その画像濃度情報は、通常の画像形成動作時に最終的に記録媒体上に形成された黒トナー像の画像濃度と異なることになり、そのトナー像の画質を高めることは困難である。本例の画像形成装置によれば、かかる不具合を阻止できるのである。
【0043】
また、図1及び図2に示した画像形成装置においては、第1の濃度検知手段17が、黒用の像担持体3BKの表面移動方向に関して、該像担持体3BKの表面に黒トナー像が形成される現像位置よりも下流側であって、該黒トナー像が転写される転写位置よりも上流側の黒用の像担持体3BKの表面部分に対向して配置されている。かかる構成により、転写ベルト4によって乱されない黒テストパターンを第1の濃度検知手段17によって検知でき、その検知精度を高めることができる。転写位置を通過した黒テストパターンの画像濃度を第1の濃度検知手段によって検知するように構成してもよいが、このように構成すると、現像装置11によって形成された黒テストパターンが転写ベルト4に接触した後に、その黒テストパターンの画像濃度が検知されることになるので、その検知精度が多少低下するおそれを免れない。
【0044】
さらに、図1及び図2に示した画像形成装置においては、これらの図に示すように、黒用の像担持体3BKの周長が、カラー用の像担持体3Y,3M,3Cの周長よりも長く設定されている。これにより、第1の濃度検知手段17を配置するための大きなスペースを確保でき、その設計自由度を高めることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、転写ベルトの色に関係なくテストパターンを正しく検知でき、しかも画像形成装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直接転写方式の画像形成装置の一例を示す部分断面概略図である。
【図2】中間転写方式の画像形成装置の一例を示す部分断面概略図である。
【図3】濃度検知手段と制御手段の一例を示すブロック図である。
【図4】拡散光検出型センサの入力電流と出力電圧の関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
3Y,3M,3C,3BK 像担持体
4 転写ベルト
17 第1の濃度検知手段
18 第2の濃度検知手段
P 記録媒体

Claims (6)

  1. 互いに異なった色の有彩色トナー像がそれぞれ形成される複数のカラー用の像担持体と、黒トナー像が形成される黒用の像担持体と、これらの像担持体に対向して配置された転写ベルトとを有し、各像担持体に形成されたトナー像を、前記転写ベルトに担持されて搬送される記録媒体に転写するか、又は転写ベルトに転写して記録画像を得る画像形成装置において、前記黒用の像担持体に形成された黒テストパターンの画像濃度を検知する第1の濃度検知手段と、各カラー用の像担持体にそれぞれ形成された後、前記転写ベルトにそれぞれ転写された各有彩色テストパターンの画像濃度を検知する第2の濃度検知手段と、前記第1の濃度検知手段の検知結果に基づいて前記黒用の像担持体に形成される黒トナー像の画像形成条件を制御すると共に、前記第2の濃度検知手段の検知結果に基づいて各カラー用の像担持体に形成される有彩色トナー像の画像形成条件を制御する制御手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記転写ベルトの表面の色がほぼ黒色である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1及び第2の濃度検知手段として、拡散光検出型センサを用いた請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記カラー用の像担持体と黒用の像担持体のうち、黒用の像担持体が、これらの像担持体に対向した転写ベルト部分の移動方向における最下流側に位置している請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記第1の濃度検知手段は、黒用の像担持体の表面移動方向に関して、該像担持体の表面に黒トナー像が形成される現像位置よりも下流側であって、該黒トナー像が転写される転写位置よりも上流側の黒用の像担持体の表面部分に対向して配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 黒用の像担持体の周長が、カラー用の像担持体の周長よりも長く設定されている請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
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