JP2005017362A - 液晶装置の製造方法及び液晶装置 - Google Patents

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Masahito Sasaki
将人 佐々木
Masayuki Yazaki
正幸 矢崎
Shigeki Kobayashi
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Abstract

【課題】製造工程を複雑化することなく、配向膜上の液晶分子のプレチルト角を容易に調整できるようにする。
【解決手段】少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置1に対して(S1〜S13)、加熱処理或いは加湿処理を施して配向膜16,22上の液晶分子50aのプレチルト角θpを調整する後工程を実施する(S14)。液晶分子50aのプレチルト角θpの調整を、製造工程の途中ではなく、一対の基板間に液晶を注入した液晶装置1が製造された後に行うので、製造工程を複雑にすることなく、又、実際のプレチルト角θpに対応する調整を行うことができ、良好な電気光学特性を得ることができる。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置の製造方法及び液晶装置に関する。特に、配向膜上の液晶分子のプレチルト角の調整を、液晶装置の基本構造が製造された後に行う液晶装置の製造方法及び液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶装置は、液晶に電圧を印加するための電極を形成するとともにその上に配向処理を施した一対の基板を枠状のシール材を介して接合し、この両基板間のシール材で囲まれた領域に液晶を封入して製造される。液晶装置の製造において、配向処理は、ほとんどの場合、基板上にポリイミド等からなる配向膜を形成し、その膜面を所定の方向にラビングすることによって行なわれる。
【0003】
ところで、液晶素子の電気光学特性は、使用する液晶物質、液晶分子の配向状態等の種々の条件によって決定されるが、その条件の一つとして、配向膜面に対する液晶分子のプレチルト角がある。例えばプレチルト角が小さいと、微少な横電界の影響により液晶分子が意図する方向と逆方向に捩じれてしまう配向不良が生じ易い。
【0004】
一般に、プレチルト角の設定は、配向膜として多く採用されているポリイミド系材料の選択、及びラビング処理等の配向処理によって行われる。
【0005】
又、例えば特許文献1に開示されているように、基板上に配向膜を塗布した後の焼成処理において、予め実験等から求められている、配向膜の焼成温度と液晶分子のプレチルト角との関係に基づいて配向膜の焼成温度を設定することで、プレチルト角の適正化を図る技術も提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−57656号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、配向膜の材料の選択、及び配向処理を緻密に行っても、或いは特許分限1に開示されているように、配向膜の焼成処理における焼成温度を緻密に制御しても、実際に液晶が注入されるのは、その後の工程であるため、液晶を注入した後のプレチルト角が、当初予定したような適正領域に収まるとは限らない。
【0008】
又、従来のものでは、互いに対向する素子基板と対向基板との対向面に配設されている配向膜に対して、個々に配向処理、或いは配向膜の焼成時の温度管理を行わなければならず、製造工程が煩雑化し、製品コスが高くなる問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、製造工程が複雑化せず、実際の液晶分子のプレチルト角を容易に調整することのできる液晶装置の製造方法及び液晶装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に対して、加熱処理或いは加湿処理を施して配向膜上の液晶分子のプレチルト角を調整する後工程を実施することを特徴とする。
【0011】
本発明のこのような構成によれば、少なくとも基本構造を製造済みの液晶装置に対して、加熱処理或いは加湿処理を施すことで、プレチルト角を調整するようにしたので、実際のプレチルト角に対応する調整を行うことができ、良好な電気光学特性を得ることができる。又、液晶装置全体を加熱処理或いは加湿処理するので作業効率が良い。
【0012】
本発明は、少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に対して、配向膜上の液晶分子のプレチルト角を測定する工程と、上記プレチルト角と基準プレチルト角とを比較する工程と、上記プレチルト角が上記基準プレチルト角よりも大きい場合は加熱処理を行い又該プレチルト角が上記基準プレチルト角よりも小さい場合は加湿処理を行う工程とからなる後工程を実施することを特徴とする。
【0013】
本発明のこのような構成によれば、少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に設けられている液晶分子のプレチルト角が基準プレチルト角から外れている場合にのみ、加熱処理或いは加湿処理を施せばよいので作業効率が一層向上する。又、液晶分子のプレチルト角が基準プレチルト角から外れている場合は、加熱処理或いは加湿処理を施すことで、プレチルト角を調整するようにしたので、実際のプレチルト角に対応する調整を行うことができ、良好な電気光学特性を得ることができる。更に、液晶装置全体を加熱処理或いは加湿処理するので作業効率が良い。
【0014】
本発明は、少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に対して、配向膜上の液晶分子のプレチルト角を測定する工程と、上記プレチルト角と基準プレチルト角を中心とする許容領域とを比較する工程と、上記プレチルト角が上記基準プレチルト角を中心とする許容領域よりも大きい場合は加熱処理を行い又該プレチルト角が上記基準プレチルト角を中心とする許容領域よりも小さい場合は加湿処理を行う工程とからなる後工程を実施することを特徴とする。
【0015】
本発明のこのような構成によれば、少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に設けられている液晶分子のプレチルト角が基準プレチルト角を中心とする許容領域から外れている場合にのみ、加熱処理或いは加湿処理を施せばよいので作業効率が一層向上する。又、液晶分子のプレチルト角が基準プレチルト角を中心とする許容領域から外れている場合は、加熱処理或いは加湿処理を施して液晶分子のプレチルト角が適正領域に収まるように調整するので、実際のプレチルト角に対応する調整を行うことができ、良好な電気光学特性を得ることができる。更に、液晶装置全体を加熱処理或いは加湿処理するので作業効率が良い。
【0016】
又、本発明では、上記加熱処理は上記プレチルト角と上記基準プレチルト角との差分が大きくなるに従い長い処理時間に設定されることを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、加熱処理時間を、プレチルト角と基準プレチルト角との差分に基づき、加熱処理時間を、その差分が大きくなるほど長く設定することで、プレチルト角を基準プレチルト角により近づけることができる。
【0018】
又、本発明では、上記加湿処理は上記基準プレチルト角と上記プレチルト角との差分が大きくなるに従い長い処理時間に設定されることを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、加湿処理時間を、基準プレチルト角とプレチルト角との差分に基づき、加湿処理時間を、その差分が大きいほど長く設定することで、プレチルト角を基準プレチルト角により近づけることができる。
【0020】
又、本発明では、上記加熱処理を一定加熱温度の基で行うようにすることで、プレチルト角と基準プレチルト角との差分に応じた加熱処理の調整を時間のみで行うことができるため管理が容易になる。
【0021】
又、本発明では、上記加湿処理を一定加湿度の基で行うようにすることで、基準プレチルト角とプレチルト角との差分に応じた加湿処理の調整を時間のみで行うことができるため管理が容易になる。
【0022】
更に、本発明では、少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に対し、プレチルト角を調整する加熱処理或いは加湿処理を施す後工程を行うので、良好な電気光学特性を示す液晶装置を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1は素子基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図2は素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図1のH−H’線の位置で切断して示す断面図、図3は液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図、図4は一つの画素に着目した液晶装置の模式的断面図、図5は液晶装置の組立工程を示すフローチャート、図6はプレチルト角の調整工程を示すフローチャート、図7の(a)は加熱処理の説明図、同図(b)は加湿処理の説明図、図8の(a)は加熱処理におけるプレチルト角と加熱時間との関係を示す特性図、同図(b)は加湿処理におけるプレチルト角と加湿時間との関係を示す特性図、図9の(a)は加熱処理による液晶分子のプレチルト角の変位を示す説明図、同図(b)は加湿処理による液晶分子のプレチルト角の変位を示す説明図である。
【0024】
先ず、図1〜図4の図面を参照して液晶装置1の構造について説明する。図1、図2に示すように、液晶装置1は、透明な素子基板10と透明な対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。素子基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。素子基板10上には画素を構成する画素電極等が、マトリクス状に配置される。
【0025】
図3に示すように、素子基板10上の画素領域においては、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線3aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
【0026】
画像信号が供給されるデータ線(ソース線)6aは列方向の全TFT30のソースに共通接続される。尚、データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても良く、或いは、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。
【0027】
又、行方向の全TFT30のゲートに走査線3aが接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、対応する位置のTFT30のドレインに接続されている。
【0028】
TFT30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。又、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0029】
液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することで、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光を出射する。
【0030】
次に、ひとつの画素に着目して液晶装置1の構成を更に詳しく説明する。図4に示すように、素子基板10には、格子状に溝11が形成されている。この溝11上に下側遮光膜12及び第1層間絶縁膜13を介してLDD(Lightly Doped Drain)構造をなすTFT30が形成されている。又、溝11によって、TFT基板の液晶50との境界面が平坦化される。
【0031】
TFT30は、チャネル領域1a′、ソース領域1d、ドレイン領域1eが形成された半導体層1aと、この半導体層1a上にゲート絶縁膜2を介して設けたゲート電極をなす走査線3aとを有している。走査線3aは、ゲート電極となる部分において幅広に形成されており、チャネル領域1a′は、半導体層1aと走査線3aとが対向する領域に構成される。
【0032】
又、素子基板10上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9aが設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿って後述するデータ線6a及び走査線3aが設けられている。そして、下側遮光膜12は、これらのデータ線6a及び走査線3aに沿って、各画素に対応して格子状に設けられている。この遮光膜12によって、反射光がTFT30のチャネル領域1a’、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。
【0033】
下側遮光膜12は、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pb等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。
【0034】
更に、TFT30上には第2層間絶縁膜14が積層され、第2層間絶縁膜14上には走査線3a及びデータ線6a方向に延びる島状の第1中間導電層15が形成されている。第1中間導電層15上には誘電体膜17を介して容量線18が対向配置されている。
【0035】
第1中間導電層15は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極(下部容量電極)として作用し、容量線18の一部は固定電位側容量電極(上部容量電極18a)として作用する。
【0036】
容量線18は、上部容量電極18aと遮光層18bの多層構造であり、第1中間導電層15に対し、誘電体膜17を介して対向配置されることで蓄積容量(図3の蓄積容量70)を構成すると共に、光の内部反射を防止する遮光機能を有する。半導体層に比較的近接した位置に中間導電層15を形成しており、光の乱反射を効率よく防止することができる。
【0037】
容量線18は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる上部容量電極18aと高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる遮光層18bとが積層された多層構造である。例えば、容量線18は、タングステン、モリブデン、チタン、タンタルのいずれかのシリサイドからなる遮光層18bとN型ポリシリコンによる上部容量電極18aとのポリサイドによって構成される。これにより、容量線18は、内蔵遮光膜を構成すると共に固定電位側容量電極としても機能する。
【0038】
第1中間導電層15は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。第1中間導電層15は、画素電位側容量電極としての機能の他、内蔵遮光膜としての容量線18とTFT30との間に配置される光吸収層としての機能を有し、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を有する。尚、第1中間導電層15も、容量線18と同様に、金属或いは合金を含む単一層膜若しくは多層膜から構成してもよい。
【0039】
下部容量電極としての第1中間導電層15と上部容量電極18aを構成する容量線18との間に配置される誘電体膜17は、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜17は薄い程よい。
【0040】
又、容量線18は、画素電極9aが配置された画像表示領域からその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。かかる定電位源としては、TFT30を駆動するための走査信号を走査線3aに供給するための後述の走査線駆動回路63や画像信号をデータ線6aに供給するサンプリング回路を制御する後述のデータ線駆動回路61に供給される正電源や負電源の定電位源でも良く、又、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも良い。更に、下側遮光膜12についても、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、容量線18と同様に、画像表示領域からその周囲に延設して定電位源に接続すると良い。
【0041】
又、データ線6aとソース領域1dを電気的に接続するために、第1中間導電層15と同一層で形成される第2中間導電層15bが形成されている。第2中間導電層15bは第2層間絶縁膜14及び絶縁膜2を貫通するコンタクトホール24aを介してソース領域1dに電気的に接続されている。
【0042】
容量線18上に第3層間絶縁膜19が配置され、第3層間絶縁膜19上にデータ線6aが積層される。データ線6aは、第3層間絶縁膜19及び誘電体膜17を貫通するコンタクトホール24bを介してソース領域1dに電気的に接続される。
【0043】
データ線6a上には第4層間絶縁膜25を介して画素電極9aが積層されている。画素電極9aは、第4層間絶縁膜25、第3層間絶縁膜19、誘電体膜17を貫通するコンタクトホール26bにより第1中間導電層15に電気的に接続される。そして、第1中間導電層15は第2層間絶縁膜14及び絶縁膜2を貫通するコンタクトホール26aを介してドレイン領域1eに電気的に接続される。画素電極9a上にはポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜16が積層され、所定方向にラビング処理されている。
【0044】
走査線3a(ゲート電極)にON信号が供給されることで、チャネル領域1a′が導通状態となり、ソース領域1dとドレイン領域1eとが接続されて、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに与えられる。
【0045】
一方、対向基板20には、素子基板のデータ線6a、走査線3a及びTFT30の形成領域に対向する領域、即ち各画素の非表示領域において第1遮光膜23が設けられている。この第1遮光膜23によって、対向基板20側からの入射光がTFT30のチャネル領域1a′、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。又、第1遮光膜23上に、対向電極(共通電極)21が基板20全面に亘って形成されている。更に、対向電極21上にポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜22が積層され、所定方向にラビング処理されている。
【0046】
又、素子基板10と対向基板20との間に液晶50が封入されている。これにより、TFT30は所定のタイミングでデータ線6aから供給される画像信号を画素電極9aに書き込む。書き込まれた画素電極9aと対向電極21との電位差分に応じて液晶50の分子集合の配向や秩序が変化して、光を変調し、階調表示を可能にする。
【0047】
図1、図2に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。遮光膜42は、例えば第1遮光膜23と同一、或いは異なる遮光性材料によって形成されている。
【0048】
又、遮光膜42の外側の領域で、且つ、素子基板10と対向基板20との間に、液晶50を封入するシール材41が形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、素子基板10と対向基板20とを相互に固着する。シール材41は、素子基板10の1辺の一部において欠落しており、この欠落部位と、その上下に張り合わされている両基板10,20とで、液晶注入口78が形成される。この液晶注入口78は、シール材41で区画された内部に液晶50を注入するためのもので、液晶50の注入が完了した後は、封止材79で封止される。
【0049】
又、素子基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62が素子基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。素子基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。又、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
【0050】
次に、このように構成された液晶装置1の組立工程について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。尚、素子基板10と対向基板20とは別個に製造される。
【0051】
先ず、ステップS1,S6において、組立ライン上に所定に形成された素子基板10、対向基板20が投入されると、続く、ステップS2,S7で、各基板10,20の対向面に、配向膜16,22となるポリイミド溶液を、印刷等の手段により塗布し、続く、ステップS3,S8で、配向膜16,22を焼成する。
【0052】
次いで、ステップS4,S9へ進み、配向膜16,22上の液晶が所定方向に配向されるように、各配向膜16,22に対してラビング処理を施す。
【0053】
次いで、素子基板10側の組立工程では、ステップS5において、素子基板10上の外周部に枠状にシール材41をシルク印刷、ディスペンス等の手段により塗布すると共に、導通材65を形成する(図1参照)。
【0054】
その後、ステップS10へ進み、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせ、ステップS11で、アライメントを施しながら圧着し、シール材41を、加熱、或いは紫外線照射等の手段により硬化させる。
【0055】
そして、ステップS12へ進み、シール材41の一部に切欠き形成した液晶注入口78(図1参照)から液晶50を注入し、注入が完了した後、液晶注入口78を封止材79で封止する。
【0056】
次いで、ステップS13へ進み、液晶50を一旦等方相まで加熱し、ネマチック相に急冷することで液晶を再配列する等方処理を施す。
【0057】
そして、所定に等方処理が終了した後、ステップS14へ進み、各液晶装置1に設けた、液晶50を構成する液晶分子50aのプレチルト角θpを調整する。
【0058】
プレチルト角の調整工程は、図6に示すフローチャートに従って行われる。先ず、ステップS21において、液晶分子50aのプレチルト角θp(図9参照)を測定する。尚、このプレチルト角の測定方法としては、液晶装置1を回転させながら透過する測定光の入射角と透過率の関係からプレチルト角を求める、クリスタルローテーション法が広く知られている。
【0059】
この場合、計測されるプレチルト角θpは、各配向膜16,22上の液晶分子50aが有するプレチルト角の和として検出されるため、例えば、配向膜16,22の一方の液晶分子50aのプレチルト角θpが小さく、又、他方の液晶分子50aのプレチルト角θpが大きい場合は、互いに相殺した状態のプレチルト角θpが測定される。
【0060】
そして、ステップS22,23で、プレチルト角θpが、予め設定されている基準プレチルト角θoを中心とする許容領域±θk(図9参照)に収まっているか否かを調べる。すなわち、ステップS22では、測定したプレチルト角θpと、基準プレチルト角θoにプラス側許容値θkを加算した値(θp+θk)とを比較し、θp>θp+θkのプレチルト角θpが許容領域を上回っているときは、ステップS24へ進む。
【0061】
一方、ステップS23では、測定したプレチルト角θpと、基準プレチルト角θoにマイナス側許容値θkを減算した値(θp−θk)とを比較し、θp<θo−θkのプレチルト角θpが許容領域を下回っているときは、ステップS24へ進む。
【0062】
又、θo−θk≦θp≦θp+θkの許容領域±θkにプレチルト角θpが収まっているときは、そのままルーチンを終了する。
【0063】
尚、プレチルト角θpを、より厳密に調整しようとする場合は、ステップS22,23において、許容領域±θkを設けず、プレチルト角θpと基準プレチルト角θoとの比較により、加熱処理、或いは加湿処理の有無を判定するようにしても良い。
【0064】
実験によれば、液晶装置1をある温度以上で加熱すると、配向膜16,22上の液晶分子50aのプレチルト角θpが小さくなる方向へ変位し、又、ある湿度以上で加湿するとプレチルト角θpが大きくなる方向へ変位する現象が確認された。本実施の形態では、この現象に着目し、プレチルト角θpがθp>θp+θkのときは、ステップS24で加熱処理を施して、プレチルト角θpが小さくなる方向へ調整する。又、θp<θo−θkのときは、ステップS25へ進み、加湿処理を施して、プレチルト角θpが大きくなる方向へ調整する。
【0065】
尚、ロット毎に同一のプレチルト角θpが検出される場合は、任意に抽出した液晶装置1でプレチルト角θpを測定し、そのプレチルト角θpが、許容領域±θkから外れている場合は、ロット毎に加熱処理、或いは加湿処理を行うようにしても良い。この場合、加熱処理、或いは加湿処理は、分断前の大判パネルの状態で行っても良く、又、分断後に行っても良い。
【0066】
ステップS24で実行される加熱処理は、例えば、図7(a)に示すような加熱炉81に液晶装置1を投入し、所定時間加熱することで行う。又、ステップS25で実行される加湿処理は、例えば、同図(b)に示すような加湿室86に液晶装置1を投入し、所定時間加湿することで行う。
【0067】
加熱炉81に投入された液晶装置1の加熱温度と加熱時間、及び、加湿室86に投入された液晶装置1の湿度及び加湿時間は、パーソナルコンピュータ等で構成されたコントローラ82,87にて監視される。
【0068】
先ず、加熱処理について説明する。加熱監視用コントローラ82では、入力された測定したプレチルト角θpと、基準プレチルト角θoとの差分Δθに基づき、図8(a)に示す加熱特性を参照して、加熱時間tを決定する。同図に示す加熱特性は、予め実験等から求めて加熱監視用コントローラ82の記憶手段に記憶されている。
【0069】
本実施の形態では、加熱温度を一定(例えば80℃)とし、加熱時間tを可変設定することで、プレチルト角を調整するようにしている。従って、図8(a)の特性では、プレチルト角θpと、基準プレチルト角θoとの差分が、+Δθ1,+Δθ2,+Δθ3…と大きくなるに従い、加熱時間が次第に長い値に設定される。尚、この場合、プレチルト角θpと、基準プレチルト角θoとの差分に応じ、加熱温度と加熱時間とを可変設定することでプレチルト角を調整するようにしても良い。但し、本実施の形態のように、加熱温度を一定とすれば、加熱処理は加熱時間の調整のみで良くなるため管理が容易となる。
【0070】
加熱監視用コントローラ82では、先ず、加熱炉81に配設されている温度センサ83で検出した炉内温度に基づき、駆動手段84を介して、加熱炉81に配設されているヒータエレメント85を加熱し、設定温度に上昇するまで炉内を予熱する。そして、設定温度に達した後、液晶装置1を投入し、差分Δθに基づいて設定した加熱時間tだけ加熱させる。その間、温度センサ83で検出した炉内温度に基づき、ヒータエレメント85の加熱温度を制御し、炉内を一定温度に保持する。そして、設定時間に到達した後、液晶装置1を加熱炉81から取り出し、常温に戻して、加熱処理を終了する。
【0071】
次に、加湿処理について説明する。加湿監視用コントローラ87では、入力されたプレチルト角θpと、基準プレチルト角θoとの差分Δθに基づき、図8(b)に示すような加湿特性を参照して、加湿時間tを決定する。同図に示す加湿特性は、予め実験等から求めて加湿監視用コントローラ87の記憶手段に記憶されている。
【0072】
本実施の形態では、加湿室86の環境を一定(例えば湿度90%、温度50℃)とし、加湿時間tを可変設定することで、プレチルト角θpを調整するようにしている。図8(b)の特性では、プレチルト角θpと、基準プレチルト角θoとの差分が、−Δθ1,−Δθ2,−Δθ3…と小さくなるに従い、加湿時間tが次第に長い値に設定される。尚、この場合、加湿温度、加湿時間、及び室温との少なくとも2つを可変設定することでプレチルト角を調整するようにしても良い。但し、本実施の形態のように、加湿室86内の環境を一定にしておけば、加湿処理は加湿時間のみの調整で良くなるため管理が容易となる。
【0073】
加湿監視用コントローラ87では、先ず、加湿室86に配設されている温度センサ83で検出した室内温度、及び湿度センサ88で検出した室内湿度に基づき、駆動手段89を介して、ヒータ等により加熱した蒸気を加湿室86に供給し、加湿室86内の環境が予め設定した状態(例えば湿度90%、温度50℃)に達するまで昇温、及び加湿する。そして、加湿室86内が予め設定した環境に達した後、液晶装置1を投入し、差分Δθに基づいて設定した加湿時間tだけ加湿させる。
【0074】
その間、温度センサ83で検出した室内温度、及び湿度センサ88で検出した室内湿度に基づき、駆動手段89による加温、加湿を制御し、加湿室86を一定環境に保持する。そして、設定時間に到達した後、液晶装置1を加湿室86から取り出し、常温に戻して、加湿処理を終了する。
【0075】
このように、本実施の形態では、液晶装置1の基本構造の製造が完成した後に、液晶分子50aのプレチルト角θpを調整するようにしたので、素子基板10側と対向基板20側とに対して、個々にプレチルト角θpを調整する処理を施す従来のものに比し、プレチルト角θpの調整が容易で、プレチルト角θpの均一化を実現することができる。又、互いに対向する配向膜16,22上のプレチルト角θpを個別に調整する必要がないので作業効率がよい。
【0076】
尚、この液晶装置は、投射光学系を介してスクリーン等に拡大投影するプロジェクターや、リアプロジェクター等の投射型表示装置に適用するのに好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】素子基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図
【図2】素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図1のH−H’線の位置で切断して示す断面図
【図3】液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図
【図4】一つの画素に着目した液晶装置の模式的断面図
【図5】液晶装置の組立工程を示すフローチャート
【図6】プレチルト角の調整工程を示すフローチャート
【図7】(a)は加熱処理の説明図、(b)は加湿処理の説明図
【図8】(a)は加熱処理におけるプレチルト角と加熱時間との関係を示す特性図、(b)は加湿処理におけるプレチルト角と加湿時間との関係を示す特性図
【図9】(a)は加熱処理による液晶分子のプレチルト角の変位を示す説明図、(b)は加湿処理による液晶分子のプレチルト角の変位を示す説明図
【符号の説明】
1 液晶装置、16,22 配向膜、50a 液晶分子、θo 基準プレチルト角、θp プレチルト角、Δθ 差分、±θk 許容領域

Claims (8)

  1. 少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に対して、
    加熱処理或いは加湿処理を施して配向膜上の液晶分子のプレチルト角を調整する後工程を実施することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  2. 少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に対して、
    配向膜上の液晶分子のプレチルト角を測定する工程と、
    上記プレチルト角と基準プレチルト角とを比較する工程と、
    上記プレチルト角が上記基準プレチルト角よりも大きい場合は加熱処理を行い又該プレチルト角が上記基準プレチルト角よりも小さい場合は加湿処理を行う工程とからなる後工程を実施することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  3. 少なくとも一対の基板間に液晶を注入した液晶装置に対して、
    配向膜上の液晶分子のプレチルト角を測定する工程と、
    上記プレチルト角と基準プレチルト角を中心とする許容領域とを比較する工程と、
    上記プレチルト角が上記基準プレチルト角を中心とする許容領域よりも大きい場合は加熱処理を行い又該プレチルト角が上記基準プレチルト角を中心とする許容領域よりも小さい場合は加湿処理を行う工程とからなる後工程を実施することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  4. 上記加熱処理は上記プレチルト角と上記基準プレチルト角との差分が大きくなるに従い長い処理時間に設定されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
  5. 上記加湿処理は上記基準プレチルト角と上記プレチルト角との差分が大きくなるに従い長い処理時間に設定されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
  6. 上記加熱処理は一定加熱温度の基で行われることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
  7. 上記加湿処理は一定加湿度の基で行われることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法。
  8. 上記請求項1乃至7の何れか一項に記載の液晶装置の製造方法によって製造したことを特徴とする液晶装置。
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