JP2005016659A - ロープ緊張装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取扱簡単で携帯容易でロープを傷めないロープ緊張装置を提供する。
【解決手段】ロープ緊張装置1は、1対の対向側板2a,2aを有するフレーム2と、前記両側板間に回転可能に支持したドラム10と、該ドラムの手動回転駆動手段14と、ドラム10の逆転を阻止する解除可能な逆転防止手段20と、フレーム2の後方に設けたフック7とを有し、且つ、ドラム10には、胴部11の外周壁を貫通する導入孔11cと、該導入孔と連通し且つドラム側面の中央部と側板2aとを貫通して外部に連通する導出孔13aとからなるロープの挿通路24を設けて構成する。手動回転駆動手段14は、フレーム2の外側に向け突出するドラム支持用軸部材またはドラムと一体的に回転する歯車に噛み合うピニオンの駆動軸片18の端部にレンチ装着部18aを設けて構成する。逆転防止手段20は、ドラムまたはピニオン部材にラチェット機構20を設けて構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロープの緊張装置の技術に係わり、更に詳しくは、高所作業の転落防止用の親綱または建設や解体の工事現場で部材を仮支持するロープなどの緊張作業に用いる装置であって、ロープの端末を装置に挿通させて弛んだ余長部を引き込んでたぐり寄せたのち、レンチなどでこの装置のロープ巻き掛け部を回転操作することにより前記ロープを緊張させるロープ緊張装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業の転落防止用親綱などのロープを緊張させるロープ緊張装置に関する従来技術として、対向する一対の側板と、該両側板のそれぞれの一端側同士を間隔をあけて連結する連結部と、前記両側板のそれぞれの他端側同士の間に回転自在に設けた回転部材と、前記両側板の一方に設けて前記回転部材の逆回転を阻止するラチェット機構とを備え、前記回転部材には挿通孔を有し且つ該挿通孔に前記ロープの端末を引っ掛けて巻き取る巻取部を有するとともに、該巻取部は外郭形状が略矩体状で且つ軸直角方向の一方の面の幅を他方の面の幅よりも大きくした構成からなるロープ緊張装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来のロープ緊張機は、回転部材の軸端にレンチを装着してこれを回転させ、手動操作でロープを回転部材に巻き取って緊張させる構造となっている。
【0003】
前記従来のロープ緊張装置は、ロープの弛み部の全長を前記回転部材に巻き取る方式であるが、回転部材のロープ巻取部が軸直交断面で矩形をなし、高所作業の転落防止用に用いられる被覆ワイヤーロープからなる親綱など、剛性の高いワイヤーロープを巻き取りこれを緊張する目的に対しては最適な形状であるとは言えない。即ち前記従来のロープ緊張装置は、角張った前記巻取部にロープを巻き取ると、ロープの被覆が損傷して内部の素線も断線し被覆表面に棘状に突き出し、これが手指のけがや作業衣を引っ掛かけて傷めるなどの原因になるのみならず、ロープが乱巻き状となり下層の乱れたロープの隙間に食い込んで抜き取りに困難が伴い、且つ、ロープの劣化が激しく耐久性が劣るなどといった問題がある。この装置の場合、ロープ端から順次巻き取る方式のため、弛んだ余長が長い場合は巻き取りに長時間を要し作業性が劣るばかりでなく、巻き太るにつれて回転部材の回転操作が重くなる。また、ロープの損傷を軽減し且つロープの必要な巻取容量を確保するためには回転部材の半径方向の寸法と横幅とを大きくする必要があり、装置の寸法と重量が重くなって携帯と高所での取扱に困難が伴うなどといった問題もあった。また、ロープが乱巻きになるとラチェットを外すだけではロープの抜き取りが困難で、装置を支える人とハンドルを逆転操作する人とロープを引き出す人との2〜3人がかりで抜き取る必要が生じる場合もある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−147541号公報(第1〜2頁、図1〜図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の状況に鑑み本発明が解決しようとするところは、小型軽量で携帯と高所での取扱も容易で安全に操作でき、且つロープの損傷の少ないロープの緊張装置を提供することにある。即ち、ロープに悪影響を及ぼす変形が生じることなくロープを緊張させることができるとともに、ロープの弛んだ余長部の殆ど全長を手でたぐり寄せる動作で引き込み、緊張を付加する最終段階の僅かな長さだけをロープ緊張装置にハンドル手段として軽量小型のレンチを装着してその回転操作で繰り込むことが可能な、つまり、ロープの緊張作業を軽い操作力で迅速且つ簡単に一人で行うことが可能で、且つ、ロープ抜き取り作業も一人で迅速に行えるロープ緊張装置を提供することにある。また、本発明が解決しようとする別の課題は、前記の機能を備えるとともに、大きな張力でロープを緊張させる必要のある場合でも軽い操作力で作業できるロープ緊張装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題解決のため、本発明では、ロープ緊張装置は、1対の対向側板を有するフレームと、前記フレームの側板間に回転可能に支持され且つほぼ円筒状の胴部を有するドラムと、該ドラムの手動回転駆動手段と、前記ドラムの逆転を阻止する解除可能な逆転防止手段と、前記フレームの後方に設けたフックとを有し、且つ、前記ドラムには、胴部外周壁を半径方向に貫通する導入孔と、前記導入孔に連通し且つドラム側面の中央部と前記フレームの側板とを貫通して外部に連通する導出孔とを有してなるロープの挿通路を設けて構成する。即ちロープをドラムのロープ挿通路を通してその端末を手でたぐり寄せるだけで迅速にロープの緊張作業に移行できるようにして、従来のような弛んだロープの余長部の全長を巻き取る手間をなくする。そしてドラムにロープの途中から数回(例えば1〜3回転程度)巻き掛けるだけでロープを緊張させてロープとドラムに作用する摩擦力で保持し、且つ、抜き取り時も逆転防止手段を解除するとロープの緊張力でドラムがその巻き掛け回数だけ逆転し、その後はロープを単純に引き抜く構成となる。つまり、緊張装置にロープの余長部の全長を巻き取る必要が無く、ドラムの幅を狭くして小型軽量化をはかり、携帯に便利で高所作業においても作業者の負担が軽減され簡単な操作で迅速に作業ができるようにする。またロープ巻き掛け部は円筒状にしてロープの損傷が起こらないようにする。
【0007】
前記において、ドラムの手動回転駆動手段は、ドラムの回転軸心に沿って前記フレームの側板を貫通して外側面に突出し且つドラムと一体的に回転するドラム支持用軸部材の端部に、レンチ装着部を設け、該レンチ装着部に装着したレンチでドラムの回転操作を可能に構成するか、または、ドラムの回転軸心と同心に設けられ且つドラムと一体的に回転する歯車と、前記フレームに回転可能に支持され且つ端部が該フレームの外側に向けて突出する軸部と、該軸部と一体的に回転し且つ前記歯車に噛み合うピニオンとを有し、該ピニオンの軸部の端部には、レンチ装着部を設け、該レンチ装着部に装着したレンチでドラムの回転操作を可能に構成すると都合がよい。つまり、ロープ緊張装置に専用のハンドルやレバーを装備しなくても、作業者が現場で常時携帯しているレンチを用いてドラムの回転操作が容易に行えるようにして装置の重量軽減をはかる。また、前記においてピニオンを介さずドラムを直接回転操作する方式ではレンチの操作回数が少なく迅速に作業が行え、一方、ピニオンを介して回転する方式ではロープに大きな緊張力を与える際のドラムの回転操作力即ち作業者の労力を軽減する。
【0008】
また、ドラムの逆転防止手段は、ドラムまたは前記ピニオンのいずれかに対し固着または一体的に装着され且つ外周に沿って形成された複数の爪を有する爪車と、前記フレームの側板に揺動可能に支持され且つ前記爪車に係合する爪を有する係止部材と、該係止部材の爪を前記爪車に向け付勢する付勢バネとを有して構成されたラチェット機構とすると都合がよい。即ちこのラチェット機構で、ロープ緊張時にドラムの逆転をセルフロックして安全に保持し、また、ロープ抜き取り時には増し締め方向にドラムを僅かに回転するだけでロック状態を外し、ドラムがロープの緊張力で数回逆転して巻き掛けたロープがほどけ、ロープを引き抜くことができるようにする。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。図1は本発明に係るロープ緊張装置の実施例の平面を示し、その側面を図2に示す。図3は図1のロープ緊張装置のフレーム部をドラム中心で水平に断面にした部分断面を、図4は前記ロープ緊張装置のフックを除く本体部の展開図をそれぞれ示す。
【0010】
本発明に係るロープ緊張装置1は、1対の側板2a,2aを所定の間隔を隔てて対向させ、且つ前方と後方とを連結部材3a,3でそれぞれ連結た構造からなるフレーム2と、フレーム2の側板2a,2aにそれぞれ貫通形成した円形孔2b,2bに軸部材としての環状ボス部材13,13を介し回転可能に支持され且つほぼ円筒状の胴部11を有するロープ巻き掛け用ドラム10と、ドラム10を回転する手動回転駆動手段(以下、「回転駆動手段」ともいう。)14と、前記ドラムの逆転を阻止する解除可能な逆転防止手段20と、フレーム2の後方即ちドラム10の後方の連結部材3に取り付けたフック7とを有し、且つ、ドラム10には、胴部11の外周壁11aを半径方向に貫通して胴部内の中空部11bに通じる導入孔11cと、胴部11の両端に取り付けられた前記環状ボス部材13,13の中央貫通孔から側板2a,2aの外側に通じる導出孔13a,13aと、導入孔11cおよび導出孔13a,13aとを連通する前記胴部11の内部の中空部11bとで構成されるロープの挿通路24とを有して構成される。
【0011】
つぎに、上記構成からなるロープ緊張装置1の各部の詳細な構造を以下に説明する。まずフレーム2について説明する。フレーム2は、1対の側板2a,2aをドラム10の左右の鍔部12,12の幅よりも僅かに広い間隔で対向させ、その前方(図1の下方)と後方(図2の上方)とを連結部材3a,3でそれぞれ連結するとともに、側板2a,2aには、やや前方寄りにドラム10を回転可能に支持する円形孔2b,2bと、該円形孔の後方にドラム10の回転駆動手段14のピニオン部材15(後述)を回転可能に支持する円形孔2c,2cをそれぞれ貫通形成し、且つ、一方の側板2aには、逆転防止手段20の爪部材22(後述)を揺動可能に支持する支持ピン22aを側方に向け突出するようにして円形孔2cの近傍に固着した構造からなる。
【0012】
フレーム2の後方の連結部材3は、両端にネジ孔を設けた棒状の連結軸と、該連結軸の半分よりもやや短かく且つ連結軸に嵌合する管状部材からなるスペーサ4,4と、前記連結軸の両端を側板2a,2aの後端に固定する固定ネジ5とで構成される。この連結部材3に、フック7の基端部を装着して更にスペーサ4,4を両側から装着してフック7の基端部を挟み、側板2a,2aの後端部に形成した貫通孔に固定ネジ5,5で前記連結軸の両端を固定する。一方、フレーム2の前方の連結部材3aは、それぞれ両端にネジ孔を設けた2本の棒状の連結軸と、該連結軸に嵌合し該連結軸とほぼ同じ長さの1対の管状部材からなるスペーサ4a,4aを、互いに平行に配置しその中間部を適宜の間隔を隔てて2本のバーで連結して構成した井桁状の幅寄せ部材6と、前記連結軸の両端を側板2a,2aの前端部に固定する固定ネジ5とで構成される。この幅寄せ部材6のスペーサ4a,4aに前記連結軸をそれぞれ装着して側板2a,2a間の前端部に挟み、前記連結軸端を側板2a,2aの前端部に形成した貫通孔に一致させて4本の固定ネジ5で前記連結軸の両端を固定する。なお、固定ネジ5は、打ち込みピンに代えてもよいし、また、連結軸の軸端に前記貫通孔に嵌合する嵌合部を突設して該嵌合部をフレーム2の側板2a,2aに挿入して端部をかしめて固定する方法に代えてもよい。以上により側板2a,2aは平行に対向して固定される。井桁状の幅寄せ部材6は、ドラム10の前方に位置し、ロープ25は該幅寄せ部材の井桁状部の中央を通ってドラム10の挿通路24に挿通され、ドラム10の胴部11に数回巻き掛ける。つまり、幅寄せ部材はロープ25をドラム10幅方向の適正位置に導く案内の機能をする。
【0013】
つぎに、フック7について説明する。フック7は、一端が他端よりも長い逆U字状の鉤部材7aと、先端が該鉤部材7aの前記他端の内側面に接し且つ基端側を鉤部材7aの基端近傍にピン8aで揺動可能に連結支持した外れ止め部材8と、鉤部材7aの基端部外側に中間部をピン9aで揺動可能に支持し外れ止め部材8の揺動を規制可能なロックレバー9とで構成される。前記外れ止め部材8の基端近傍には鉤部材7aの側面に重なるように突出する係止部を有する。ロックレバー9には、外れ止め部材8の一端が鉤部材7aの他端に当接して鉤部を閉じた状態で外れ止め部材8の前記係止部の先端に係合して外れ止め部材8の揺動を規制するロックピン9bを有し、且つ、中間支持部のピン9aにはロックピン9bが外れ止め部材8の係止部と係合する方向にロックレバー9を付勢するスプリング(図示しない)を装着している。以上の構成により、外れ止め部材8が鉤部材7aの鉤部を閉じた状態では、ロックレバー9が前記スプリングの付勢力でロックピン9bが外れ止め部材8の係止部に係合して外れ止め部材8をロックする。一方、スプリング9cの付勢力に逆らってロックレバー9の先端を鉤部材7aの側に押すと、ロックレバー9が回動してロックピン9bが外方に回避し、ロックピン9bと外れ止め部材8の係止部との係合が解除され、外れ止め部材8の先端を鉤部材7aの内方に回動させて開き、その開いた鉤部材に足場パイプなどの支え部材26を挿入してフック7を引っ掛け、或いは予め引っ掛けていた前記支え部材26から取り外すことができる。
【0014】
つぎに、ドラム10および回転駆動手段14について説明する。ドラム10は、中空でほぼ円筒状の胴部11の中空部11bの両端開口部に固着した環状ボス部材13,13と、胴部11の両端から半径方向外側に延出する円形鍔部12,12と、胴部11の円筒状周壁に内部の中空部に向け半径方向に貫通形成した導入孔11cとを有する。そしてドラム10の鍔部12,12は、外周にそれぞれ歯を設けて1対の歯車12a,12aとなす。該ドラム10は、環状ボス部材13,13をフレーム2の側板2a,2aの円形孔2b,2bに装着して回転可能に支持する。つまり、上記の環状ボス部材13は、ロープの導出孔になるとともにドラム支持用軸部材でもある。なお、ドラム10の胴部11は、中空の円筒状に限らず中空の角形または中空の多角形でもよいが、ロープ25を損傷しないようにするためには角部を滑らかな円弧状にするのが好ましい。また、胴部11は中実構造としてその両端に支持用軸部材を突出形成し、該ドラムの胴部外周面に導入孔を設け、且つ、該胴部の中心部に前記導入孔に連通する案内通路を設けるとともに、支持用軸部材貫通する導出孔を形成してその奧端を前記案内通路に連通させる構成としてもよい。
【0015】
そして、ドラム10の歯車12aに噛み合うピニオン部材15は、ドラム10の鍔部12,12の外側面間とほぼ同幅の筒体16の両端に半径方向外側に延出する円形の鍔部17,17をそれぞれ有し、且つ該各鍔部17,17には、ドラム10の歯車12a,12aに噛み合う歯を外周に沿ってそれぞれ設けて1対の歯車(つまりピニオン)17a,17aを構成する。このピニオン部材15には、一側端に駆動軸片18と他側端に支持軸片19とをそれぞれ固着するかまたは一体的に設け、この駆動軸片18と支持軸片19とをフレーム2の側板2a,2aの円形孔2c,2cにそれぞれ装着して回転可能に支持する。なお、駆動軸片18の軸端には、レンチが装着可能な六角部18a(即ちレンチ装着部)を設け、この六角部18aを側板2の外側に突出させる。以上により、該六角部18aに回転操作用のレンチ、レバー、またはハンドルなど適宜の部材を装着してピニオン部材15を回転させると、これに噛み合う歯車12a,12aが回転し、ドラム10を回転させることができる。
【0016】
つぎに、逆転防止手段20について説明する。ピニオン部材15の支持軸片19の側板2aの外側に突出した軸端部に、外周に複数の爪が形成された爪車21を固定ボルト21bで一体的に固設する。一方、爪車21の係止部材として、先端に爪車21の爪21aに係合する爪を有する爪部材22を、爪車21の外周近傍の側板2aに固設した支持ピン22aに揺動可能に取り付ける。そして、爪車21の爪21aに向け爪部材先端を付勢する付勢バネ23を支持ピン22aに介在させる。以上によりドラムの逆転防止手段としてのラチェット機構20を構成する。このラチェット機構20は、ドラム10の正回転を許容し、逆回転を規制する。そして、前記ドラム10の回転駆動手段14を正方向に僅かに回転させると、爪部材22の後端を指で回転させて爪車21の爪21aと爪部材22の先端の爪との係合を解除することができる。
【0017】
つぎに、上記構成からなるロープ緊張装置1の使用方法を説明する。ロープ緊張装置1は、例えば建設現場の足場に作業者の転落防止用安全ロープの親綱を張設してこの親綱を緊張させる作業に用いるほか、工事現場の通路確保用の安全ロープの張設作業、構造物の組み立て時の柱部材などの仮支持など各種作業におけるロープの緊張用の道具として多目的に用いる。以下に、このロープ緊張装置1を親綱の緊張作業に用いる場合を例としてその使用方法を以下に説明する。
【0018】
親綱と称されるロープ25は、一般に、合成繊維素材からなる外径約16mmの繊維ロープ、または約10mmのワイヤロープに厚さ約0.5〜1mmのビニール被覆を施した外径が約11〜約12mmのビニール被覆付きワイヤロープが用いられる。このロープ25の一端をシャックルなどを介して足場パイプなどに係止し、足場パイプなどの支え部材26にこのロープ緊張装置1のフック7を引っ掛け、前記ロープ25の他端を該ロープ緊張装置1のロープ挿通路24に導入孔11c側から挿入し、ドラム10の両側のいずれか一方の導出孔13aから導出させる。そして導出したロープ25を挿通路24を介して手で引き込んで弛んだロープ25の余長部をたぐり寄せる。つぎに、通常は作業者が腰ベルト等に挿して携帯しているレンチを、ロープ緊張装置1の駆動軸片18の軸端の六角部18aに装着して正方向に回転操作する。これによって、ロープ25はドラム10に巻き掛けられ徐々に緊張する。予めたぐり寄せられたロープ25の余長部はロープ緊張装置1の導出孔13aから外部に垂れ下がっており、上記の操作でドラム10が回転してもこの余長部はドラム10に巻き付くことはない。そしてロープ25をドラム10に数回巻き掛ける過程でロープ25は所定の緊張力に到達する。この場合、少なくとも1回転以上約3回転前後のドラム10の回転で所定の緊張力に達するように、余長部のたぐり寄せ量を予め調整しておくと短時間で緊張作業が完了するので都合がよい。ドラム10はラチェット機構20の作用で逆転が規制され、巻き掛けたロープ25が弛むことはない。このときのロープ25の初期張力はスパン5mの場合で約200N(約20kgf)、スパン10mの場合で約400N(約40kgf)が適当とされている。
【0019】
ロープ25はドラム10のロープ挿通路24を通しただけでは係止はされないが、ロープ25には適度な剛性があることと、ロープ25をドラム10に数回巻き掛けるとロープ25が緊張を増してドラム10の胴部11を押圧して挿通路24の導入孔11cでドラムの胴部外周の曲率よりも大きな曲率で曲げられることと、ロープ挿通路24は予め予定された使用ロープ25の直径にほぼ一致する隙間に作られているなどの理由により、ロープ挿通路24には適度な抵抗力が発生してロープ25の抜け出しが規制される。また、ドラム10の胴部11とロープ25との押圧面には摩擦力が発生する。そのため、ロープをドラムに対し僅か数回(通常1〜3回転程度)巻き掛けるだけで大きな緊張力に耐えられる摩擦保持力が発生する。
【0020】
前記の摩擦保持力について、キャプスタンヘッドやボラードなどのドラム部にロープを巻き付けて係止保持する場合を参考例に補足説明する。ドラムの胴部とこれに巻き掛けたロープとの摩擦係数をfとし、該ロープのドラムへの巻き掛け角度(胴部中心から見て胴部周面に沿って巻き掛けたロープの巻き掛け始点から終点(即ち自由端)までの総巻き掛け角度)をa(単位はラジアン)、自然対数の底をe=2.71828とすると、ロープがスリップする限界の保持張力(即ちロープがスリップせずに保持可能な負荷)Tは、ドラムに巻き掛けたロープの版深川の自由端における引き留め抵抗力tの値にeの(f×a)乗の値を乗じた力として求められる(つまり、T=t×efaの関係がある。)。この関係を用いて鉄製ドラムにビニール被覆付きワイヤロープを2〜3回転巻き掛けた場合を試算すると、摩擦係数fが約0.3、全巻き掛け角度aが(2または3)×2π(=約12.57〜約18.85)ラジアンとなる(但しπは円周率で3.1415)。従ってf×aの値は0.3×(12.57〜18.85=3.77〜5.66となるから、eの3.77〜5.66乗の値は43〜287となる。つまり、ロープのスリップする限界の保持力は、ロープ2回巻きでロープの自由端側の引き留め抵抗力tの約43倍、ロープ3回巻きではtの約287倍となる。
【0021】
一方、本発明に係るロープ緊張装置1において、ロープ挿通部24における引き留め抵抗力tは、親綱自体の剛性と、この親綱の緊張作用で親綱がドラム外周面に張り付き且つロープ挿通路24の導入孔11cの部分で曲がる曲率と、親綱とロープ挿通路との隙間などで異なるが、約10N〜約100N程度である。上記の試算の関係を用いると、ロープ緊張装置1は前記抵抗力tの約43倍(ロープ2回巻きの場合)〜285倍(ロープ3回巻きの場合)の力を保持可能と想定される。つまり、ビニール被覆付きワイヤロープを親綱に用いて、該親綱が保持必要な力を仮に約14kN(約1430kgf)とした場合、ロープ緊張装置1のドラム10に親綱を3回巻き掛けると約49N(約5kgf)の引き留め抵抗力でこれを保持できるといえる。この試算はドラム10が鉄製の場合である。実際には軽量化のためドラム10はエンジニアリングプラスチックなどの合成樹脂材で成形する。従ってロープとドラムとの摩擦係数が上記よりも大い。つまりその場合には、摩擦保持力が上記よりも大きくなり、或いは保持必要に対抗させるためにロープ挿通路24で必要な引き留め抵抗力tは上記よりも小さなる。
【0022】
本発明に係るロープ緊張装置の機能と強度の確認手段としては、社団法人仮設工業会が制定した「親綱支柱・支柱用親綱・緊張器の認定基準」における「緊張器の性能試験」の項に記載された基準が参考になる。この試験方法によると、「緊張器に親綱を取り付けて11.5kNの荷重を作用させて異常の有無及び荷重の最大値を測定する」、且つ、「緊張器の強度は最小14kN以上の荷重に耐える」と定められている。一方、作業者が転落して安全ロープ(長さ1.5m)で親綱に吊り下がる際に親綱に対し衝撃的に作用する負荷に対する機能と強度の確認手段としては、上記の社団法人仮設工業会制定の認定基準の「親綱支柱の落下阻止性能試験」の項に記載された基準が参考になる。この落下阻止性能試験の項には、「10mスパンで固定した親綱支柱間に親綱を張設し初期張力を約500Nとし、その親綱の中央部に、長さ1.5mの安全帯用ロープの一端を引っ掛け且つ該安全帯用ロープの他端に質量85kgのウエイトを取り付け、このウエイトを親綱のレベルから自由落下させた際に、支柱に折損や亀裂が無く且つ支柱が固定治具から離脱せず、また、親綱保持金具から親綱治具が離脱しない事。」との趣旨の基準が定められている。
【0023】
なお、ウエイトを自然落下させた際にウエイト吊り索に作用する衝撃荷重は、現場における親綱の張り方で異なる。実際の工事現場では、親綱や安全帯用ロープは統一された仕様ではなく繊維索およびビニール被覆付きワイヤロープの複数種が用いられ、ロープ緊張装置に作用する荷重即ち必要な摩擦保持力は、親綱および安全帯用ロープの種類と親綱の支持支柱のスパンと親綱に加える初期緊張力などの条件により異なってくる。
【0024】
前述の構成からなるロープ緊張装置が、作業者の転落(自由落下)に伴う衝撃荷重に耐え且つスリップや損傷が起こらずに親綱を安全に保持する機能を有するか否かを確認するため、上記の「親綱支柱の落下阻止性能試験」の基準を参考にして、図5に模式的に示す実験装置40で動的な荷重を作用させる実験を行った。この落下阻止性能の確認と合わせて、ロープ緊張装置に上記の仮設工業会が定めた「緊張器の性能試験」に基づく強度確認実験を行った。実験に用いたロープ緊張装置41は、図1に示すものと同じ構造で且つドラムは合成樹脂製である。該ロープ緊張装置41のドラムの主要寸法は、直径76mm、長さ(鍔部内面間の幅)38mm、鍔部外周部における内面間の幅44mm、鍔部直径114mm、導入孔の横幅36mm、導入孔の周方向の幅15mm、環状ボス部材の内径30mm、環状ボス部材の外端部間の幅70mmである。実験装置40は、外径11mmのビニール被覆付きワイヤロープ(ワイヤロープ外径10mm、被覆材の厚さ約0.5mm)を親綱42とし、該親綱42の一端を約10mの間隔で配置された1対の支柱43,43の一方に係止し、他端を前記他方の支柱43にフック部を引っ掛けたロープ緊張装置41のドラムに通して端末をたぐり寄せ、該ロープ緊張装置41を操作して、親綱42のスパンLが約10m、高さHが約3mになるようにして水平に張設するとともに、親綱42のスパンLの中間部には、一端に質量85kgのウエイトを取り付けたウエイト吊り索44(安全ロープに相当するもの)の他端をシャックルを介して掛け止めて構成した。このウエイト吊り索44の長さは1.5mである。ロープ緊張装置41は、親綱42をドラムに約2回転巻き掛けた状態で初期緊張力が約500Nに達する様に調整した。
【0025】
第1実験は、ウエイト吊り索44に取り付けたウエイト45を親綱42の高さから自由落下させて、そのときのロープ緊張装置41の状態を目視にて確認した。第2実験は、図示は省略するが、上記のロープ緊張装置41のドラムに親綱42を通しこれを約2回転巻き掛けた状態にして、フック部を固定部に掛けて支持し、親綱42の他端側に14kNの静荷重を作用させた時のロープ緊張装置41の状態を目視にて確認した。
【0026】
第1実験および第2実験の結果、ともに、ロープ緊張装置41には損傷発生等の異常は発見されず、親綱のスリップも無く、安定的に保持状態を保つことが確認された。そして、第1実験、第2実験のいずれにおいても、親綱には危険なキンク現象や大きな曲率の永久変形は認められず、ワイヤ素線の断線やビニール被覆の重大な損傷などは認められなかった。
【0027】
つぎに、詳細構造は図示はしないが、本発明に係るロープ緊張装置に関し、前述の構造以外の他の実施例について以下に説明する。ドラムの回転手段20のピニオン部材15の駆動軸片18の六角部18aは、六角部18a係合する2面を端部に備えたレンチで回転させるための形態であるが、これにかえて例えば、駆動軸部材の端部を丸軸状の外周を切り欠いて前記六角部の対向2面と同幅の平行に対向する2面を形成した形態でもよく、或いは、六角レンチを装着可能な六角凹部を駆動軸部材の端部に形成した形態でもよい。ドラムの回転駆動手段20は、ドラム10の回転中心に沿って側板2aの外側面に突出してドラムと一体的に回転するドラム支持軸部の軸端に、前記いずれかの形態のレンチ装着部を形成して、ドラムを直接回転させる構造にしてもよい。また、フックは添付の図に示す形態に限らず、一般市場に流通するフックを適宜選択して採用してもよい。
【0028】
また、ピニオン部材15は、筒体16を中実部材に代え、または、筒体16と駆動軸片18と支持軸片19とを一体形成した軸部材にしてもよい。更に前記一体形成した軸部材に対し、歯車17a,17aを一体形成するかまたは別体の歯車を固着するなど、適宜の形態に代えてよい。また、歯車12aと歯車17aについては、ドラムとピニオン部材の左右のいずれか片側に設けていればよい。そして歯車12a,17aを片側だけに設ける場合、ドラムとピニオン部材のそれぞれの鍔部は片側のみとして他方の鍔部は側板2aを鍔部に兼ねさせてもよい。更に、ドラムの回転駆動手段14は、ドラムの歯車12aとピニオン部材の歯車17aをスプロケットに代えて、この両スプロケットにチェーンを巻き掛けた巻き掛け伝動装置で構成してもよい。
【0029】
更に、逆転防止手段20については、爪車21は、側板2aの外側に限らず側板2aの内側即ち側板2とピニオン部材15の筒体16の側面との間に筒体16と一体的に回転するように設けてもよい。歯車12a,17aを左右いずれか片側のみに設ける形態にした場合、その反対側の鍔部に爪21aに相当する爪を形成して爪車21に代えてもよい。そして上記の場合、爪部材22は、側板の内側の上記爪車と係合する位置に設ければよい。
【0030】
一方、軽負荷で使用するロープ緊張装置の場合、前述のピニオン部材などの減速機構を介さずドラムを直接駆動する構造に構成してもよい。図6にドラムを直接駆動する構造のロープ緊張装置30の実施例を示し、図7にはそのロープ緊張装置30の側面を示し、図8にはドラムと逆転防止機構の部分を展開して斜視図で示している。ロープ緊張装置30は、対向する1対の側板31a,31aを、前述の実施例のロープ緊張装置1の場合と同様、連結部材を介して所定の間隔を隔てて連結固定したフレーム31と、フレーム31の側板31a,31aにそれぞれ貫通形成した円形孔に対し一端を環状ボス部材37他端を駆動軸片36をそれぞれ介し回転可能に支持され且つほぼ円筒状の胴部33を有するドラム32と、ドラム32を回転する手動回転駆動手段35と、前記ドラムの逆転を阻止する解除可能な逆転防止手段38と、フレーム31の後方連結部材に取り付けたフック7とを有する構成からなる。
【0031】
ドラム32には、前述の実施例と同様に、胴部33の外周壁33aを貫通して胴部内の中空部33bに通じる導入孔33cと、胴部33の片側に取り付けられた前記環状ボス部材37の中央貫通孔から側板31aの外側に通じる導出孔37aと、導入孔33cおよび導出孔37aとを連通する前記胴部33の内部の中空部33bとからなるロープ挿通路39を備える。また、逆転防止手段38は、ドラム32の一方の鍔部に外周に沿って爪を設けて形成した爪車38aと、爪車38aの爪に係合する爪を先端に有する爪部材38bと、爪部材38bを側板31aに対し揺動可能に支持するため側板31aに固設した支持ピン38cと、爪部材38bの先端を爪車38aに向け付勢する付勢バネ38dとで構成する。
【0032】
このロープ緊張装置30の使用方法、作用、機能についての説明は省略するが、ロープの導出孔37aがドラム32の一方の側に1箇所設けていること、ドラム32の回転駆動手段の駆動軸片36をドラム32の他方の側に一体的に設けていること、逆転防止手段38がドラム32の鍔部34に形成した爪車38aとフレーム31の側板31aに揺動可能に支持されて爪車38aに係合する爪部材38bとで構成していることを除き、使用方法、作用、機能は前述の実施例のロープ緊張装置1で説明した内容とほぼ同様である。
【0033】
【発明の効果】
以上にしてなる請求項1に係る発明のロープ緊張装置は、1対の対向側板を有するフレームと、前記側板間に回転可能に支持されほぼ円筒状の胴部を有するドラムと、該ドラムの手動回転駆動手段と、前記ドラムの逆転を阻止する解除可能な逆転防止手段と、前記フレームの後方に設けたフックとを有し、且つ、前記ドラムには、胴部外周壁を半径方向に貫通する導入孔と、前記導入孔に連通し且つドラム側面の中央部とフレームの側板とを貫通して外部に連通する導出孔とを有してなるロープの挿通路を設けて構成したので、ロープの端末をドラム外周からロープの挿通路に挿入して側板の側面外側に導き出し、このロープの端末を手でたぐり寄せて弛んだ余長部を引き込み、最終段階でドラムの手動回転手段を操作してドラムを数回転(1〜3回転程度)回転させてドラムにロープの途中を巻き掛けるだけでロープとドラムとの摩擦力でロープに所定の緊張力を付加させて保持できる。即ち、最終段階のロープ緊張作業時にロープの途中をドラムの円筒状の胴部に沿って数回巻き掛けるだけでだけでよい。従って、本発明のロープ緊張装置は、従来のロープ緊張装置のような、初期のロープの弛みを無くするため余長部の全長を回転部材に巻き取るといった手間がいらず、且つ、断面が矩形の回転部材の角部でロープが何回も曲げられて大きな曲率の永久変形を多数生ずる事や、乱巻きとなって食い込んだりキンクしたりしてロープが早期損耗する危険などがない。つまり、本発明のロープの緊張作業は、ロープに悪影響を与えるような変形やしごきが加わることがなく、極めて迅速且つ短時間でしかも安全に作業を行うことができ、またロープの巻き掛け回数が少ない結果、ドラムの横幅を狭くすることができて小型軽量となり、携帯が容易で高所作業時にも作業者の負担を軽減し作業が安全に行え、更に、ロープ引き抜き時も、逆転防止機構を解除してロープの緊張力でドラムが数回逆転するとその後はドラムを回転させることなく迅速に引き抜きできる、など多くの作用効果が得られる。
【0034】
請求項2に係る発明のロープ緊張装置は、ドラムの手動回転駆動手段が、該ドラムの回転軸心に沿って前記フレームの側板を貫通して外側面に突出し且つドラムと一体的に回転するドラム支持用軸部材の端部に、レンチ装着部を設け、該レンチ装着部に装着したレンチでドラムの回転操作を可能に構成したので、ロープ緊張装置に専用のハンドルやレバーを装備したりあるいは作業者が携帯しなくても作業者が現場で常時携帯しているレンチで簡単に操作でき、小型軽量化ができて携帯にも便利となる。また、直接ドラムを回転させるため、レンチの操作回数が少なく、作業が迅速に行える。などといった作用効果が得られる。
【0035】
請求項3に係る発明のロープ緊張装置は、ドラムの手動回転駆動手段を、ドラムの手動回転駆動手段が、該ドラムの回転軸心と同心に設けられ且つドラムと一体的に回転する歯車と、前記フレームに回転可能に支持され且つ端部が該フレームの外側に向けて突出する軸部と、該軸部と一体的に回転し且つ前記歯車に噛み合うピニオンとを有し、該ピニオンの軸部の端部には、レンチ装着部を設け、該レンチ装着部に装着したレンチでドラムの回転操作を可能に構成したので、ロープ緊張装置に専用のハンドルやレバーを装備したりあるいは作業者が携帯しなくても作業者が現場で常時携帯しているレンチで簡単に操作でき、小型軽量化ができて携帯にも便利となるといった作用効果が得られるほか、ピニオンと歯車からなる減速機構を備えているので、大きな張力でロープを緊張させる必要のある場合にも軽い操作力で作業が行えるといった作用効果が得られる。
【0036】
請求項4に係る発明のロープ緊張装置は、ドラムの逆転防止手段を、ドラムまたは前記ピニオンのいずれかに対し固着または一体的に装着され且つ外周に沿って形成された複数の爪を有する爪車と、フレームの側板に揺動可能に支持され且つ前記爪車に係合する爪を有する係止部材と、該係止部材の爪を前記爪車に向け付勢する付勢バネとを有して構成するラチェット機構としたので、ロープを緊張させる作業時および緊張後もドラムの逆転がセルフロックされて安全に作業が行える。また、ロープ抜き取り時には増し締め方向にドラムを僅かに回転するだけでロック状態を外すことができる。本発明のロープ緊張装置は、ロープをドラムに数回巻き掛けるだけでロープを緊張させ、そのロープの緊張力によるドラムとの摩擦力で保持するので、爪の係合を外しドラムがロープ張力で逆転して数回の巻き掛けが外れるとその後はドラムを回転させずにロープを引き抜くことができ、手間が省けて作業性が極めて良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロープ緊張装置の実施例を示す平面図である。
【図2】図1のロープ緊張装置の側面図である。
【図3】図1のロープ緊張装置のフレーム部をドラム中心で水平断面にして示す部分断面図である。
【図4】図1のロープ緊張装置のフックを除く本体部を展開して示す斜視図である。
【図5】図1のロープ緊張装置の実験装置を示す図である。
【図6】本発明に係るロープ緊張装置の別の実施例を示す平面図である。
【図7】図6のロープ緊張装置の側面図である。
【図8】図6のロープ緊張装置のドラムおよび逆転防止機構の部分を展開して示す斜視図である。
【符号の説明】
1,30 ロープ緊張装置
2、31 フレーム
2a,31a 側板
2b,2c 円形孔
3,3a 連結部材
4,4a スペーサ
5 固定ネジ
6 幅寄せ部材
7 フック
7a 鉤部材
8 外れ止め部材
8a ピン
9 ロックレバー
9a ピン
9b ロックピン
9c スプリング
10,32 ドラム
11,33 胴部
11a,33a 外周壁
11b,33b 中空部
11c,33c 導入孔
12,34 鍔部
12a 歯車
13,37 環状ボス部材(ドラム支持用軸部材)
13a,37a 導出孔
14,35 回転駆動手段
15 ピニオン部材
16 筒体
17 鍔部
17a 歯車(ピニオン)
18,36 駆動軸片
18a,36a 六角部(レンチ装着部)
19 支持軸片
20,38 逆転防止手段(ラチェット機構)
21,38a 爪車
21a 爪
21b 固定ボルト
22,38b 爪部材(係止部材)
22a,38c 支持ピン
23、38d 付勢バネ
24,39 ロープ挿通路
25 ロープ
26 支え部材
40 実験装置
41 ロープ緊張装置
42 親綱
43 支柱
44 ウエイト吊り索
45 ウエイト

Claims (4)

  1. 1対の対向側板を有するフレームと、前記フレームの側板間に回転可能に支持され且つほぼ円筒状の胴部を有するドラムと、該ドラムの手動回転駆動手段と、前記ドラムの逆転を阻止する解除可能な逆転防止手段と、前記フレームの後方に設けたフックとを有し、且つ、前記ドラムには、胴部外周壁を半径方向に貫通する導入孔と、前記導入孔に連通し且つドラム側面の中央部と前記フレームの側板とを貫通して外部に連通する導出孔とを有してなるロープの挿通路を設けて構成したロープ緊張装置。
  2. ドラムの手動回転駆動手段が、該ドラムの回転軸心に沿って前記フレームの側板を貫通して外側面に突出し且つドラムと一体的に回転するドラム支持用軸部材の端部に、レンチ装着部を設け、該レンチ装着部に装着したレンチでドラムの回転操作を可能に構成した、請求項1記載のロープ緊張装置。
  3. ドラムの手動回転駆動手段が、該ドラムの回転軸心と同心に設けられ且つドラムと一体的に回転する歯車と、前記フレームに回転可能に支持され且つ端部が該フレームの外側に向けて突出する軸部と、該軸部と一体的に回転し且つ前記歯車に噛み合うピニオンとを有し、該ピニオンの軸部の端部には、レンチ装着部を設け、該レンチ装着部に装着したレンチでドラムの回転操作を可能に構成した、請求項1記載のロープ緊張装置。
  4. ドラムの逆転防止手段が、該ドラムまたは前記ピニオンのいずれかに対し固着または一体的に装着され且つ外周に沿って形成された複数の爪を有する爪車と、前記フレームの側板に揺動可能に支持され且つ前記爪車に係合する爪を有する係止部材と、該係止部材の爪を前記爪車に向け付勢する付勢バネとを有して構成されたラチェット機構からなる、請求項1〜3のいずれかに記載のロープ緊張装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009128072A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Tokyo Electric Power Co Inc:The 原子力発電所の使用済燃料プール等の各種設備における安全ロープの緊張設置方法
JP2014013064A (ja) * 2012-07-04 2014-01-23 Ingu:Kk 緊張装置
WO2020027449A1 (ko) * 2018-07-31 2020-02-06 정용식 로프 장력 조절 연결 구조체
CN111120579A (zh) * 2020-01-21 2020-05-08 国网福建省电力有限公司 免绑扎式绳索扣

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