JP2005016470A - 排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】連続再生式DPFの排ガス上流側にストレートフロー構造の触媒を配置した排ガス浄化装置において、圧損の増大を抑制しつつ、触媒単位容量あたりのPM浄化率及びNO 浄化率を向上させる。
【解決手段】上流側触媒1及び下流側触媒2は、共に貴金属とNO 吸蔵材を含み、下流側触媒1の容量vに対する上流側触媒2の容量vの比率を1/3〜2/3とし、かつ内燃機関の排気量Vに対するv+vの比率を 0.8〜 2.5とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス浄化装置とその排ガス浄化装置を用いた排ガス浄化方法に関し、詳しくはディーゼル排ガス中のNO を効率よく浄化できる排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンエンジンについては、排ガスの厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排ガス中の有害成分は確実に減少されてきている。しかし、ディーゼルエンジンについては、有害成分がパティキュレート(粒子状物質:炭素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子等、以下PMという)として排出されるという特異な事情から、規制も技術の進歩もガソリンエンジンに比べて遅れている。
【0003】
現在までに開発されているディーゼルエンジン用排ガス浄化装置としては、大きく分けてトラップ型の排ガス浄化装置(ウォールフロー)と、オープン型の排ガス浄化装置(ストレートフロー)とが知られている。このうちトラップ型の排ガス浄化装置としては、コーディエライトなどのセラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルPMフィルタ(以下DPFという))が知られている。このDPFは、セラミックハニカム構造体のセルの開口部の両端を例えば交互に市松状に目封じしてなるものであり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するセル隔壁とよりなり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してPMを捕集することで排出を抑制するものである。
【0004】
しかしDPFでは、PMの堆積によって圧損が上昇するため、何らかの手段で堆積したPMを定期的に除去して再生する必要がある。そこで従来は、圧損が上昇した場合にバーナあるいは電気ヒータ等で堆積したPMを燃焼させることでDPFを再生することが行われている。しかしながらこの場合には、PMの堆積量が多いほど燃焼時の温度が上昇し、それによる熱応力でDPFが破損する場合もある。
【0005】
そこで近年では、DPFのセル隔壁の表面にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)などの貴金属を担持した連続再生式DPFが開発されている。この連続再生式DPFによれば、捕集されたPMが貴金属の触媒反応によって酸化燃焼するため、捕集と同時にあるいは捕集に連続して燃焼させることでDPFを再生することができる。そして触媒反応は比較的低温で生じること、及び捕集量が少ないうちに燃焼できることから、DPFに作用する熱応力が小さく破損が防止されるという利点がある。
【0006】
セル隔壁の細孔内にPMが捕集される状況では、PMと貴金属との接触確率が高く、かつ保温性が高いのでPMの酸化反応が円滑に進行する。またPMの捕集に伴って圧損が敏感に増大するため、圧損を検知することでPMの堆積量を推定することができる。したがって圧損が基準値を超えた場合に高温の排ガスを流すなどの再生処理を行うことで、基準量以内の堆積量でPMを燃焼することができ、燃焼時に連続再生式DPFが高温となることを防止することができる。
【0007】
このような連続再生式DPFとして、例えば特開平09−173866号公報には、セル隔壁の表面にはセル隔壁の平均細孔径より大きな粒径の活性アルミナよりなる多孔質コート層を形成し、細孔内部にはセル隔壁の平均細孔径より小さな粒径の活性アルミナをコーティングし、さらに貴金属を担持したものが開示されている。この連続再生式DPFによれば、コート層の比表面積を増加させながら圧損を低くすることができる。
【0008】
また特開平09−220423号公報には、セル隔壁の気孔率が40〜65%で、平均細孔径が5〜35μmであり、コート層を構成する多孔質酸化物はセル隔壁の平均細孔径より小さい粒径のものが90wt%以上を占めている構成のものが開示されている。このような高比表面積の多孔質酸化物をコートすることにより、セル隔壁の表面だけでなく細孔の内部表面にまでコート層を形成することができる。またコート量を一定とすればコート厚さを薄くすることができるので、圧損の増大を抑制することができる。
【0009】
そして特開平06−159037号公報及び特開平06−272541号公報には、上記コート層にさらにNO 吸蔵材を担持した連続再生式DPFが記載されている。このようにすればNO 吸蔵材にNO を吸蔵することができ、軽油などの還元剤を噴霧することで、吸蔵されたNO を還元して浄化することが可能となる。
【0010】
またDPFの排ガス上流側に、ストレートフロー構造の触媒を配置することも行われている。例えば特開平08−338229号公報には、DPFの排ガス上流側に酸化触媒を配置し、酸化触媒とDPFの少なくとも一方にNO 吸収材を担持してなる排ガス浄化装置が記載されている。この排ガス浄化装置によれば、酸化触媒でのNOの酸化によって生成するNO が低温域ではNO 吸収材に吸収され、高温域で放出されてDPFに捕集されたPMの酸化に消費される。したがってNO の排出が抑制され、DPF上のPMの堆積も抑制される。
【0011】
さらに特開2002−153733号公報には、DPFの排ガス上流側に、SOF (可溶性有機成分)を吸着及び酸化するとともに 200℃以下でNO を吸着するストレートフロー構造の触媒を配置した排ガス浄化装置が記載されている。この排ガス浄化装置によれば、SOF 分とドライスート分とを分離して処理することができ、SOF とNO との反応を抑制してNO をドライスートの酸化に多く利用することができる。またSOF は主として酸素によって酸化される。したがってNO の利用効率が高く、NO ,SOF 及びドライスートを高い効率で浄化することができる。
【0012】
【特許文献1】特開平09−173866号
【特許文献2】特開平09−220423号
【特許文献3】特開平06−159037号
【特許文献4】特開平06−272541号
【特許文献5】特開平08−338229号
【特許文献6】特開2002−153733号
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の連続再生式DPFとストレートフロー構造の触媒とを組み合わせた排ガス浄化装置では、触媒の単位容量あたりのPM浄化率、NO 浄化率は低く、触媒全体としてPM浄化率及びNO 浄化率のいずれについても良好なものにしようとすると、装置の大きさが大きなものとなり、搭載スペース面で不具合が生じる。一方、触媒全体の容量を小さくするとPM浄化率、NO 浄化率は低下し、さらに圧損が増大する問題が生じる。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、連続再生式DPFの排ガス上流側にストレートフロー構造の触媒を配置した排ガス浄化装置において、圧損の増大を抑制しつつ、触媒単位容量あたりのPM浄化率及びNO 浄化率を向上させることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化装置の特徴は、内燃機関の排ガス流路に配置され、上流側にストレートフロー構造の上流側触媒を配置し、上流側触媒より下流側にウォールフロー構造の下流側触媒を配置した排ガス浄化装置であって、
上流側触媒及び下流側触媒は、共に貴金属とNO 吸蔵材を含み、下流側触媒の容量に対する上流側触媒の容量の比率が1/3〜2/3であり、かつ内燃機関の排気量に対する上流側触媒と下流側触媒の合計容量の比率が 0.8〜 2.5であることにある。
【0016】
上流側触媒の軸方向の長さが4cm以上であることが好ましく、内燃機関の排気量に対する上流側触媒の容量の比率が 0.2〜 0.5であることが好ましい。また上流側触媒の排ガス上流側端面から3cmの範囲に含まれるNO 吸蔵材の量は、上流側触媒の排ガス下流側端面から3cmの範囲に含まれるNO 吸蔵材の量より少ないことが好ましい。さらにNO 吸蔵材は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0017】
そして本発明の排ガス浄化方法の特徴は、本発明の排ガス浄化装置を用い、リーン雰囲気の排ガス中でNO 吸蔵材にNO を吸蔵し、排ガス中に間欠的に還元剤を添加したストイキ雰囲気又はリッチ雰囲気でNO 吸蔵材からNO を放出させて還元除去することにある。なおストイキとは理論空燃比のことであり、リーン雰囲気とはストイキより酸素が過剰な雰囲気をいい、リッチ雰囲気とはストイキより酸素が少ない雰囲気をいう。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化装置では、上流側にストレートフロー構造の上流側触媒を配置し、上流側触媒より下流側にウォールフロー構造の下流側触媒を配置している。以下、
内燃機関の排気量:V
上流側触媒の容量:v
下流側触媒の容量:v
上流側触媒の長さ:L
として説明する。なお触媒の容量とは、触媒の見掛けの体積を意味する。
【0019】
Vに対するv+vの比率が小さくなれば、省スペース面で有利となるものの、触媒単位容量あたりで処理しなければならないPM量やNO 量が増加する。また、触媒単位容量あたりの排ガス流量が増加するので、圧損が増大する。
【0020】
したがって触媒容量を大きくしないためには、圧損の増大を抑制しつつ、触媒単位容量あたりに対するNO 浄化率及びPM浄化効率を向上させる必要がある。
【0021】
そこで本発明では、上流側触媒及び下流側触媒は、共に貴金属とNO 吸蔵材を含む構成としている。こうすることで、上流側触媒及び下流側触媒の両方でNO を浄化することができ、NO 浄化効率が格段に向上する。また上流側触媒による反応熱によって下流側触媒の暖機性能が向上し、下流側触媒に捕集されたPMの燃焼効率も向上する。
【0022】
さらに(v+v)/Vを 0.8〜 2.5とすることで、触媒の熱容量が小さくなって触媒の昇温が促進され、その効果と上流側触媒による反応熱によって下流側触媒の暖機性能が向上する効果とが相乗的に作用するため、下流側触媒に捕集されたPMの燃焼効率がさらに向上する。(v+v)/Vが 0.8より小さいと、下流側触媒におけるフィルタ濾過面積が減少し、排ガスの通気抵抗が大きくなって初期圧損が増大する。また触媒面積に対して排ガス流量が多いため、NO 浄化能及びPM酸化能も低下してしまう。
【0023】
一方(v+v)/Vが 2.5を超えると、上流側触媒における排ガスのセル通過抵抗が大きくなり、初期圧損が増大する。また熱容量が大きく触媒の暖機性が悪いためPM酸化能も低下する。
【0024】
また、下流側触媒の容量に対する上流側触媒の容量の比率(v/v)を1/3〜2/3とすることで、上流側触媒又は下流側触媒の顕著な圧損の増大が抑制され、触媒全体の圧損の増大が抑制される。v/vが1/3より小さいと、上流側触媒における排ガスのセル通過抵抗が大きくなり、圧損が増大しやすい。またv/vが2/3より大きいと、下流側触媒におけるフィルタ濾過面積が減少し、排ガスの通気抵抗が大きくなって圧損が増大する。
【0025】
上流側触媒は、軸方向の長さ(L)が4cm以上であることが好ましい。Lが4cmに満たないと、NO 浄化性能が低下する。また上流側触媒による反応熱が減少するため、下流側触媒の暖機性能も低下しPM浄化率も低下してしまう。
【0026】
さらに、内燃機関の排気量に対する上流側触媒の容量の比率(v/V)が 0.2〜 0.5であることが望ましい。v/Vが 0.2より小さいと、NO 浄化能が低下する。またv/Vが 0.5より大きくなると、vが小さくなるため初期圧損が増大する。
【0027】
また上流側触媒の排ガス上流側端面から3cmの範囲に含まれるNO 吸蔵材の量は、上流側触媒の排ガス下流側端面から3cmの範囲に含まれるNO 吸蔵材の量より少ないことが望ましい。上流側端面では排ガス温度の影響が大きいために、上流側端面から3cmの範囲ではNO 吸蔵材に吸蔵されるNO 量が少なく、無駄なNO 吸蔵材量が多くなるからである。
【0028】
上流側触媒は、ストレートフロー構造のハニカム基材にコート層を形成し、そのコート層に貴金属とNO 吸蔵材とを担持した、従来のNO 吸蔵還元型触媒などを用いることができる。コート層は Al、TiO、ZrO、CeO、SiOなどの多孔質酸化物粉末からウォッシュコート法により形成されたものとすることができ、セルの隔壁表面に形成される。
【0029】
貴金属はPt、Rh、Pd、Irなどから選択でき、その担持量はハニカム基材の容量1リットルあたり 0.1〜20gの範囲が好ましい。またNO 吸蔵材は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種を用いることができ、中でもNO 吸蔵能に長けたアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を用いることが望ましい。NO 吸蔵材の担持量は、ハニカム基材の容量1Lあたり0.01〜2モルの範囲が好ましい。
【0030】
下流側触媒は、ウォールフロー構造のフィルタ基材のセル隔壁の表面及び内部細孔の表面にコート層を形成し、そのコート層に貴金属とNO 吸蔵材とを担持したものを用いることができる。
【0031】
フィルタ基材は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するセル隔壁とからなるものである。このようなフィルタ基材は、先ずセルの両端が開口しているストレートフロー型のハニカム体を形成し、その後両端を上記のように塞ぐことで製造することができる。
【0032】
このフィルタ基材は三次元細孔構造を有し、平均細孔径が 0.5〜50μm、より好ましくは10〜20μmであることが望ましい。このようなフィルタ基材とすることで、NO 吸蔵材及び貴金属をより確実に高分散担持することができるとともに、PMをさらに効率よく捕集することができる。
【0033】
フィルタ基材のセル隔壁の表面及び細孔内表面に形成されたコート層は、 Al、ZrO、CeO、TiO、SiOなどの多孔質酸化物粉末からウォッシュコート法により形成することができる。上流側触媒のコート層と同じ材質としてもよいし、異なる材質とすることもできる。コート層を形成するには、多孔質酸化物粉末をアルミナゾルなどのバインダ成分及び水とともにスラリーとし、そのスラリーをセル隔壁に付着させた後に焼成すればよい。スラリーをセル隔壁に付着させるには通常の浸漬法を用いることができるが、エアブローあるいは吸引によって、セル隔壁の細孔に強制的にスラリーを充填するとともに、細孔内に入ったスラリーの余分なものを除去することが望ましい。
【0034】
コート層の形成量は、フィルタ基材の容量1Lあたり 100〜 200gとすることが好ましい。コート層が 100g/L未満では、NO 吸蔵材を担持したときにNO 吸蔵能の耐久性の低下が避けられず、 200g/Lを超えると圧損が高くなりすぎて実用的ではない。
【0035】
コート層に担持される貴金属は、触媒反応によってNO を還元でき、かつPMの酸化を促進するものであれば用いることができるが、少なくともPt、Rh、Pdなどの白金族の貴金属から選ばれた一種あるいは複数種を用いることが好ましい。貴金属の担持量はフィルタ基材の容量1リットルあたり1〜5gの範囲が好ましい。またNO 吸蔵材は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種を用いることができ、中でもNO 吸蔵能に長けたアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を用いることが望ましい。NO 吸蔵材の担持量は、フィルタ基材の容量1Lあたり0.15〜0.45モルの範囲が好ましい。
【0036】
上流側触媒と下流側触媒とは、排ガス流路内に互いに離間して直列に配置してもよいし、互いに接触した状態で直列に配置することもできる。また場合によっては、上流側をストレートフロー構造とし下流側をウォールフロー構造とした一つの基材を用いることも可能である。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0038】
(実施例1)
Al粉末に予めPtが 3.2重量%担持されたPt/ Al粉末を用い、ウォッシュコート法によって容量 0.5L(断面積:130cm、長さ:3.85cm)のストレートフロー構造のモノリス基材のセル隔壁表面にコート層を形成した。コート層の形成量は、モノリス基材1Lあたり 270gである。次に硝酸リチウム水溶液を用い、含浸担持法によってコート層にLiを担持して、上流側触媒を調製した。Pt及びLiの担持量は、モノリス基材1Lあたり5g及び 0.3モルである。
【0039】
一方、Al粉末に予めPtが 3.2重量%担持されたPt/ Al粉末を用い、ウォッシュコート法によって容量 1.4L(断面積:130cm、長さ:10.77cm)のウオールフロー構造のフィルタ基材のセル隔壁及び細孔表面にコート層を形成した。コート層の形成量は、フィルタ基材1Lあたり 150gである。次に硝酸リチウム水溶液を用い、含浸担持法によってコート層にLiを担持して、下流側触媒を調製した。Pt及びLiの担持量は、フィルタ基材1Lあたり5g及び 0.3モルである。
【0040】
図1に示すように、上流側触媒1と下流側触媒2を僅かに離間するようにケース3内に直列に詰め、上流側触媒1が排ガス上流側となるように配置して触媒コンバータとした。
【0041】
排気量2Lの直噴ディーゼルエンジンを搭載したエンジンベンチに上記触媒コンバータを配置し、1600 rpm×30Nmで運転して、PMが2g、4g、6g、8g堆積したときの圧力損失とPM酸化率をそれぞれ測定した。圧力損失の基準となる初期圧損は、空気を5Nm/分で流通させた時の圧損を測定した。またPM酸化率は、次式で算出した。結果を表1に示す。
【0042】
PM酸化率= 100×(入りガスPM量−出ガスPM量−堆積PM量)/入りガスPM量
一方、2600 rpm×80Nmで運転しながら、A/F=14.5となるように軽油を触媒コンバータの上流側から 0.2秒間添加し、その後5分間のNO 浄化率を測定した。結果を表4に示す。
【0043】
(実施例2)
上流側触媒に用いたモノリス基材の容量を 0.8L(断面積:130cm、長さ:6.15cm)とし、下流側触媒に用いたフィルタ基材の容量を2L(断面積:130cm、長さ:15.38 cm)としたこと以外は実施例1と同様にして触媒コンバータを調製し、同様に各種特性値を測定した。結果を表1に示す。
【0044】
(実施例3)
上流側触媒に用いたモノリス基材の容量を1L(断面積:130cm、長さ:7.69cm)とし、下流側触媒に用いたフィルタ基材の容量を3L(断面積:130cm、長さ:23.08 cm)としたこと以外は実施例1と同様にして触媒コンバータを調製し、同様に各種特性値を測定した。結果を表1に示す。
【0045】
(実施例4)
下流側触媒に用いたフィルタ基材の容量を 1.2L(断面積:130cm、長さ:9.23cm)としたこと以外は実施例2と同様にして触媒コンバータを調製し、同様に各種特性値を測定した。結果を表1に示す。
【0046】
(比較例1)
上流側触媒に用いたモノリス基材の容量を1L(断面積:130cm、長さ:7.69cm)とし、下流側触媒に用いたフィルタ基材の容量を1L(断面積:130cm、長さ:7.69cm)としたこと以外は実施例1と同様にして触媒コンバータを調製し、同様に各種特性値を測定した。結果を表1に示す。
【0047】
(比較例2)
上流側触媒に用いたモノリス基材の容量を 0.2L(断面積:130cm、長さ:1.54cm)とし、下流側触媒に用いたフィルタ基材の容量を 0.5L(断面積:130cm、長さ:3.85cm)としたこと以外は実施例1と同様にして触媒コンバータを調製し、同様に各種特性値を測定した。結果を表1に示す。
【0048】
(比較例3)
上流側触媒に用いたモノリス基材の容量を 2.4L(断面積:130cm、長さ:18.46 cm)とし、下流側触媒に用いたフィルタ基材の容量を 3.6L(断面積:130cm、長さ:27.69 cm)としたこと以外は実施例1と同様にして触媒コンバータを調製し、同様に各種特性値を測定した。結果を表1に示す。
【0049】
<評価>
【0050】
【表1】
Figure 2005016470
表1より、各実施例の排ガス浄化装置は、いずれも60%以上の高いNO 浄化率を示し、初期圧損も3 kPa未満と低い。またPMが堆積することによる圧損の増加程度も小さく、高いPM酸化率が発現されている。
【0051】
各触媒の容量による効果を調査するために、表1においてv/vが同一である実施例2,比較例2,比較例3のデータを抽出し、(v+v)/Vに対するNO 浄化率の関係を図2に、(v+v)/Vに対するPM酸化率の関係を図3に、(v+v)/Vに対するPM8g堆積時の圧損の関係を図4に、(v+v)/Vに対する初期圧損の関係を図5に示す。各図には、それぞれ望ましい範囲を太線と矢印で示している。
【0052】
図2〜5より、(v+v)/Vは 0.8〜 2.5の範囲が望ましいことが明らかである。
【0053】
また表1において(v+v)/Vが同一である実施例1,実施例4,比較例1のデータを抽出し、v/vに対するNO 浄化率の関係を図6に、v/vに対するPM酸化率の関係を図7に、v/vに対するPM8g堆積時の圧損の関係を図8に、v/vに対する初期圧損の関係を図9に示す。各図には、それぞれ望ましい範囲を太線と矢印で示している。
【0054】
図6〜9より、v/vは1/3〜2/3の範囲が望ましいことが明らかである。
【0055】
さらに、表1においてv/vが同一である実施例2,比較例2,比較例3のデータを抽出し、Lに対するNO 浄化率の関係を図10に、Lに対するPM酸化率の関係を図11に、Lに対するPM8g堆積時の圧損の関係を図12に、Lに対する初期圧損の関係を図13に示す。各図には、それぞれ望ましい範囲を太線と矢印で示している。
【0056】
図10〜13より、Lは4cm以上とするのが望ましいことが明らかである。
【0057】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法によれば、圧損の増大を抑制しつつ、触媒の単位容量あたりのPM浄化率及びNO 浄化率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化装置の模式的な断面図である。
【図2】内燃機関の排気量に対する上流側触媒と下流側触媒の合計容量の比率とNO 浄化率との関係を示すグラフである。
【図3】内燃機関の排気量に対する上流側触媒と下流側触媒の合計容量の比率とPM酸化率との関係を示すグラフである。
【図4】内燃機関の排気量に対する上流側触媒と下流側触媒の合計容量の比率と堆積時圧損との関係を示すグラフである。
【図5】内燃機関の排気量に対する上流側触媒と下流側触媒の合計容量の比率と初期圧損との関係を示すグラフである。
【図6】下流側触媒の容量に対する上流側触媒の容量の比率とNO 浄化率との関係を示すグラフである。
【図7】下流側触媒の容量に対する上流側触媒の容量の比率とPM酸化率との関係を示すグラフである。
【図8】下流側触媒の容量に対する上流側触媒の容量の比率と堆積時圧損との関係を示すグラフである。
【図9】下流側触媒の容量に対する上流側触媒の容量の比率と初期圧損との関係を示すグラフである。
【図10】上流側触媒の軸方向の長さとNO 浄化率との関係を示すグラフである。
【図11】上流側触媒の軸方向の長さとPM酸化率との関係を示すグラフである。
【図12】上流側触媒の軸方向の長さと堆積時圧損との関係を示すグラフである。
【図13】上流側触媒の軸方向の長さと初期圧損との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:上流側触媒 2:下流側触媒

Claims (6)

  1. 内燃機関の排ガス流路に配置され、上流側にストレートフロー構造の上流側触媒を配置し、該上流側触媒より下流側にウォールフロー構造の下流側触媒を配置した排ガス浄化装置であって、
    該上流側触媒及び該下流側触媒は、共に貴金属とNO 吸蔵材を含み、下流側触媒の容量に対する前記上流側触媒の容量の比率が1/3〜2/3であり、かつ該内燃機関の排気量に対する該上流側触媒と該下流側触媒の合計容量の比率が 0.8〜 2.5であることを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 前記上流側触媒の軸方向の長さが4cm以上である請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記上流側触媒の排ガス上流側端面から3cmの範囲に含まれる前記NO 吸蔵材の量は、前記上流側触媒の排ガス下流側端面から3cmの範囲に含まれる前記NO 吸蔵材の量より少ない請求項2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 前記内燃機関の排気量に対する該上流側触媒の容量の比率が 0.2〜 0.5である請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  5. 前記NO 吸蔵材はアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒を用い、リーン雰囲気の排ガス中で前記NO 吸蔵材にNO を吸蔵し、排ガス中に間欠的に還元剤を添加したストイキ雰囲気又はリッチ雰囲気で前記NO 吸蔵材からNO を放出させて還元除去することを特徴とする排ガス浄化方法。
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