JP2005016341A - 遠心式送風機 - Google Patents

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JP2005016341A JP2003179503A JP2003179503A JP2005016341A JP 2005016341 A JP2005016341 A JP 2005016341A JP 2003179503 A JP2003179503 A JP 2003179503A JP 2003179503 A JP2003179503 A JP 2003179503A JP 2005016341 A JP2005016341 A JP 2005016341A
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Masaharu Sakai
雅晴 酒井
Manabu Miyata
学 宮田
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Abstract

【課題】吹出モードや送風量によらず、遠心式送風機の送風効率を安定化させる。
【解決手段】目標吹出温度TAO等に基づいて空気流路72a内の通風抵抗を判定所し、この通風抵抗の大きさに応じてファンケーシング72の可動壁72bを移動させて空気流路72aの中心位置を変化させる。これにより、空気流路72aに対する衝突位置を、衝突位置を境に遠心ファン71の吸い込み側及び反吸い込み側で発生する旋回流に流動損失が生じない適切な位置とすることができる。したがって、衝突位置を境として発生した2つの旋回流れを乱すことなく安定的に発生させることができるので、各通風抵抗、つまり各吹出モード等に応じた理想的な流れ状態を実現することができ得る。延いては、送風効率を安定的に高く維持することができるので、送風騒音を低減することができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遠心式送風機に関するもので、車両用空調装置の送風装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術及び】
車両用空調装置の送風装置として、従来から、回転軸周りに多数枚の翼を有して回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心ファン、及び遠心ファンを収納して遠心ファンから吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路を構成するファンケーシング等からなる遠心式送風機が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−161896号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記遠心式送風機では、遠心ファンが回転することにより翼(ブレード)間に存する空気に回転力を与え、この回転力が与えられた翼間の空気に作用する遠心力により径外方側に加速されて遠心ファンから吹き出す。
【0005】
一方、遠心ファンの内径側に流入した空気は、回転軸方向一端側から他端側、つまり吸入口側から反吸入口側に向かう軸方向成分の速度を有して遠心ファンの内径側を流れるが、前述のごとく、翼間の空気が径外方側に加速されて吹き出されるので、この径外方側に吹き出される空気の流れに伴う力を受けて遠心ファンの内径側に流入した空気に径外方側に向かう速度成分が発生する。
【0006】
したがって、図12に示すように、回転軸方向から遠心ファン71の内径側に吸引された空気は、遠心ファンの内径側で流通方向を径外方側に転向して翼間で加速されて、径方向成分の速度と回転軸方向成分の速度とを有してファンケーシング72内に吹き出される。
【0007】
このとき、翼71a間を流れる空気は、翼71a間に滞在する時間、つまり翼71aを横切る経路が長いほど遠心ファンから大きな加速力を受けるので、反吸入口側に最大風速部分が発生するような風速分布が発生する。
【0008】
ところで、最大風速が発生する位置(以下、この位置を流れる空気流れを主流と呼ぶ。)は、遠心ファンの外径側に設けられた空気流路、つまりファンケーシング72内の通風抵抗に応じて変化する。
【0009】
つまり、図13に示される周知の送風特性のグラフからも明らかなように、遠心ファン71の回転数が同一のときには、通風抵抗が大きくなるほど風量が減少し、逆に通風抵抗が小さくなるほど風量が増大する。
【0010】
因みに、実際の風量は、周知のごとく、遠心式送風機の送風特性を示すグラフと通風系の圧力損失特性を示すグラフとの交点(以下、この交点を作動点と呼ぶ。)における風量である。
【0011】
このため、例えば遠心ファン71の回転数を一定とした状態で、通風系の圧力損失が大きくなると、遠心ファン71から吹き出す空気の径方向成分速度は一定(変化がない)のに対して、送風量が低下して遠心ファン71に吸引される空気の風量、つまり回転軸方向成分速度が小さくなるので、主流が吸入口側に移動する(図12(a)参照)。
【0012】
逆に、通風系の圧力損失が小さくなると、送風量が増大して遠心ファンに吸引される空気の風量、つまり回転軸方向成分速度が大きくなるので、主流が反吸入口側に移動する(図12(b)参照)。
【0013】
また、遠心ファン71から吹き出した主流は、図12に示すように、空気流路72aの外径側内壁に衝突して回転軸方向一端側(吸入口側)と回転軸方向他端側(反吸入口側)とに分流して、衝突位置を境として、空気流路内のうち回転軸方向一端側で旋回しながら下流側に流れる流れと、空気流路内のうち回転軸方向他端側で旋回しながら下流側に流れる流れとが発生する。
【0014】
そして、遠心ファン71から吹き出した空気を効率よく下流側に流すには、衝突位置を境として発生した2つの旋回流れを乱すことなく安定的に発生させることが望ましい。
【0015】
しかし、通風系の圧力損失特性が変化した場合、又は遠心ファン71の回転数が変化した場合には作動点が変化し、これに連動して主流の衝突位置が変化するので、衝突位置が過度に吸入口側に偏った場合、又は衝突位置が過度に反吸入口側に偏った場合には、安定的に旋回流れを発生させる必要な広さ(スペース)を確保することができなくなり、旋回流の旋回運動が妨げられて流動損失が生じ、騒音が増大するという問題が発生する。
【0016】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な遠心式送風機を提供し、第2には、遠心式送風機の送風効率を安定化させることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、回転軸周りに多数枚の翼(71a)を有し、回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心ファン(71)と、遠心ファン(71)を収納して遠心ファン(71)から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路(72a)を構成するファンケーシング(72)と、空気流路(72a)内の通風抵抗に応じて、遠心ファン(71)をファンケーシング(72)に対して回転軸と平行な方向に変位させるファン移動手段(21)と備えることを特徴とする。
【0018】
これにより、空気流路(72a)に対する吹出空気の衝突位置を、衝突位置を境に遠心ファン(71)の吸い込み側及び反吸い込み側で発生する旋回流に流動損失が生じない適切な位置とすることができる。
【0019】
したがって、衝突位置を境として発生した2つの旋回流れを乱すことなく安定的に発生させることができるので、各通風抵抗に応じた理想的な流れ状態を実現することができ得る。延いては、送風効率を安定的に高く維持することができるので、送風騒音を低減することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明では、回転軸周りに多数枚の翼(71a)を有し、回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心ファン(71)と、遠心ファン(71)を収納して遠心ファン(71)から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路(72a)を構成するファンケーシング(72)と、空気流路(72a)内の通風抵抗に応じて、ファンケーシング(72)を遠心ファン(71)に対して回転軸と平行な方向に変位させるケーシング移動手段(21)と備えることを特徴とする。
【0021】
これにより、空気流路(72a)に対する吹出空気の衝突位置を、衝突位置を境に遠心ファン(71)の吸い込み側及び反吸い込み側で発生する旋回流に流動損失が生じない適切な位置とすることができる。
【0022】
したがって、衝突位置を境として発生した2つの旋回流れを乱すことなく安定的に発生させることができるので、各通風抵抗に応じた理想的な流れ状態を実現することができ得る。延いては、送風効率を安定的に高く維持することができるので、送風騒音を低減することができる。
【0023】
請求項3に記載の発明では、回転軸周りに多数枚の翼(71a)を有し、回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心ファン(71)と、遠心ファン(71)を収納して遠心ファン(71)から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路(72a)を構成するファンケーシング(72)と、空気流路(72a)内の通風抵抗に応じて、回転軸と平行な方向における空気流路(72a)の中心位置を遠心ファン(71)に対して回転軸と平行な方向に変位させる空気流路移動手段(21)と備えることを特徴とする。
【0024】
これにより、空気流路(72a)に対する吹出空気の衝突位置を、衝突位置を境に遠心ファン(71)の吸い込み側及び反吸い込み側で発生する旋回流に流動損失が生じない適切な位置とすることができる。
【0025】
したがって、衝突位置を境として発生した2つの旋回流れを乱すことなく安定的に発生させることができるので、各通風抵抗に応じた理想的な流れ状態を実現することができ得る。延いては、送風効率を安定的に高く維持することができるので、送風騒音を低減することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明では、空気流路移動手段(21)は、ファンケーシング(72)全体を変位させることにより、中心位置を変位させることを特徴とするものである。
【0027】
請求項5に記載の発明では、空気流路移動手段(21)は、空気流路(72a)の内壁のうち遠心ファン(71)の空気吸い込み側の内壁を変位させることにより、中心位置を変位させることを特徴とするものである。
【0028】
請求項6に記載の発明では、空気流路移動手段(21)は、空気流路(72a)の内壁のうち遠心ファン(71)の空気吸い込み側と反対側の内壁を変位させることにより、中心位置を変位させることを特徴とするものである。
【0029】
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の遠心式送風機(7)、及び室内に吹き出する空気の吹出モードを切り替える吹出モード切換装置(18〜20)を有する車両用空調装置であって、吹出モード切換装置(18〜20)の作動状態に基づいて通風抵抗を判定することを特徴とするものである。
【0030】
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の遠心式送風機(7)を有し、遠心式送風機(7)の送風量に基づいて通風抵抗を判定すことを特徴とするものである。
【0031】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の遠心式送風機(7)を有し、室内に吹き出する空気の吹出モード及び遠心式送風機(7)の送風量のうち少なくとも一方を室内に吹き出す空気の目標温度(TAO)に基づいて制御する自動制御方式の車両用空調装置であって、目標温度(TAO)に基づいて通風抵抗を判定すことを特徴とするものである。
【0032】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る遠心式送風機を車両用空調装置に適用したものであって、図1は、本実施形態に係る車両用空調装置1の模式図である。
【0034】
空気流路をなす空調ケーシング2の空気上流側部位には、車室内気を吸入するための内気吸入口3と外気を吸入するための外気吸入口4とが形成されているとともに、これらの吸入口3、4を選択的に開閉する吸入口切換ドア5が設けられている。なお、吸入口切換ドア5は、サーボモータ等の駆動手段又は手動操作によって開閉される。
【0035】
そして、吸入口切換ドア5の空気流れ下流側には、空気中の塵埃を取り除くフィルタ(図示せず)及び本実施形態に係る送風機7が配設されており、この送風機7により両吸入口3、4から吸入された空気が、後述する各吹出口14、15、17に向けて送風される。なお、図1に示された送風機7は模式図であり、詳細は後述する。
【0036】
また、送風機7の空気下流側には、室内に吹き出す空気を冷却する冷却器をなす蒸発器9が配設されており、送風機7により送風された空気は全てこの蒸発器9を通過する。なお、蒸発器9は、冷媒を蒸発させることにより冷凍能力を発生させる蒸気圧縮式冷凍機の低圧側熱交換器である。
【0037】
そして、蒸発器9の空気下流側には、室内に吹き出す空気を加熱するヒータ10が配設されており、このヒータ10は、エンジン11の冷却水等の車両で発生する廃熱を熱源として空気を加熱している。
【0038】
また、空調ケーシング2には、蒸発器9を通過した空気をヒータ10を迂回させて下流側に流すバイパス通路12が形成されており、ヒータ10の空気上流側には、ヒータ10を通る風量とバイパス通路12を通る風量との風量割合を調節することにより、車室内に吹き出す空気の温度を調節するエアミックスドア13が配設されている。
【0039】
そして、空調ケーシング2の最下流側部位には、車室内乗員の上半身に空調空気を吹き出すためのフェイス吹出口14と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すためのフット吹出口15と、フロントガラス16の内面に向かって空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口17とが形成されている。
【0040】
そして、上記各吹出口14、15、17の空気上流側は、吹出モードを切換制御する吹出モード切換ドア18、19、20が配設されている。因みに、これらの吹出モード切換ドア18、19、20は、サーボモータ等の駆動手段又は手動操作によって開閉される。
【0041】
なお、吹出モードとしては、主にフェイス吹出口14から空気を吹き出すフェイスモード、主にフット吹出口15から空気を吹き出すフットモード、フェイス吹出口14及びフット吹出口15から空気を吹き出すバイレベルモード、及び主にデフロスタ吹出口17から空気を吹き出すデフロスタモード等がある。
【0042】
因みに、一般的に、車両空調装置では、フェイス吹出口14から空気を吹き出すフェイスモード時において大きな風量を必要とするので、フェイスモード時の通風抵抗(圧力損失)が、他の吹出モード(フットモード及びデフモード)に比べて小さくなっている。
【0043】
また、電子制御装置(ECU21)は、図2に示すように、室内空気の温度を検出する内気センサ、室外空気の温度を検出する外気センサ、蒸発器9を通過した直後の空気温度を検出するエバ後センサ及び室内に注がれる日射量を検出する日射センサ等の空調センサ22の検出信号、並びに乗員が設定入力した希望室内温度、つまり操作パネル23の出力等が入力されている。
【0044】
そして、ECU21は、ECU21に入力された信号に基づいて、予め記憶されたプログラムに従って室内に吹き出す空気の目標温度、すなわち目標吹出温度TAOを算出し、この目標吹出温度TAOを基準に吸入口切換ドア5、エアミックスドア13、吹出モード切換ドア18、19、20及び送風機7の送風量、つまり遠心ファン71を回転させる電動モータへの印加電圧又は回転数を制御する。
【0045】
次に、送風機7について詳述する。
【0046】
この送風機7は、図3に示すように、回転軸周りに多数枚の翼71aを有して回転軸方向一端側から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心ファン71、回転軸方向他端側に配置されて遠心ファン71を回転させる駆動手段をなす電動式のファンモータ71b、及び遠心ファン71を収納して遠心ファン71から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路72aを構成するファンケーシング72等から構成されている。
【0047】
なお、ファンケーシング72の吸い込き側には、遠心ファン71の内径側に吸い込み空気を導くベルマス71cが設けられている。
【0048】
ここで、ファンケーシング72は、遠心ファン71から吹き出す空気を効率よく集合させながら下流側に流すべく、ファンケーシング72の巻き始め部、つまりノーズ部から巻き終わり部にかけて流路断面積が徐々に拡大している。具体的には、ノーズ部から計った巻き角θに対してファンケーシング72の外周側内壁半径rを対数螺旋関数的に徐々に拡大したものである。
【0049】
ここで、対数螺旋関数とはr=ro・e π /180)n・ θで示されるもので、θは、ノーズ部の曲率半径の中心とファン72の回転中心とを結ぶ基準線からファンの回転の向きに図った角度(単位:ラジアン)であり、roは基準線(θ=0)における外周側内半径である。
【0050】
因みに、ノーズ部とは、周知のごとく、ファンケーシング72の巻き始め側と巻き終わり側との重なる部分を言い、このノーズ部では、空気上流側と空気下流とが、僅かな隙間(図示せず。)を介して連通している。
【0051】
そして、本実施形態では、空気流路72a内の通風抵抗、つまり空気流路72a内の気圧に応じて空気流路72aの内壁のうち遠心ファン71の空気吸い込み側と反対側、つまりファンモータ71b側の内壁72b(以下、この内壁72bを可動壁72bと表記する。)を変位させることにより、遠心ファン71の回転軸と平行な方向における空気流路72aの中心位置を変位させる。
【0052】
ここで、空気流路72aの中心位置とは、物理的な意味にいて重要な意味をなすものではなく、本実施形態では、空気流路72aの内寸法うち遠心ファン71の回転軸と平行な部位の寸法大小を示すパラメータのようなもので、空気流路72aの中心位置がファンモータ71b側に位置するほど空気流路72aの内寸法うち遠心ファン71の回転軸と平行な部位の寸法が大きくなることを意味し、空気流路72aの中心位置が遠心ファン71の空気吸い込み側側に位置するほど空気流路72aの内寸法うち遠心ファン71の回転軸と平行な部位の寸法が小さくなることを意味する。
【0053】
また、モータ73は、可動壁72bを遠心ファン71の回転軸と平行な方向に移動させるアクチュエータをなすもので、このモータ73、つまり可動壁72bの作動は、ECU21により制御されている。
【0054】
なお、可動壁72bはモータ73により駆動されるボールねじ73a等の回転運動を平行運動に変換する機構を介してモータ73に連結されており、モータ73の回転角に比例して回転軸と平行な方向に変位する。
【0055】
次に、本実施形態に係る遠心式送風機7の特徴的作動及びその効果を述べる。
【0056】
自動制御方式の車両用空調装置では、前述のごとく、目標吹出温度TAOに基づいてファンモータ71bへの印可電圧及び吹出モードが制御される。そして、吹出モード又はファンモータ71bへの印可電圧、つまり遠心ファン71の回転数が変化すると、空気流路72a内の通風抵抗が変化するので、「発明が解決しようとする課題」の欄で述べたように、作動点が変化して遠心ファン71から吹き出す主流の衝突位置が変化する。
【0057】
そして、フェイスモード時には、前述のごとく、他の吹出モード(フットモード及びデフモード)に比べて通風抵抗(圧力損失)が小さくなって風量が増大するとともに、及び空気流路72a内の気圧(静圧)が低下するため、主流の衝突位置は、遠心ファン71の吸い込み側と反対側、つまりファンモータ71b側に移動する。
【0058】
一方、フットモード及びデフモード時には、フェイスモード時に比べて通風抵抗(圧力損失)が大きくなって風量が低下するとともに、空気流路72a内の気圧(静圧)が上昇するため、主流の衝突位置は、遠心ファン71の吸い込み側、つまりファンモータ71b側と反対側に移動する。
【0059】
そこで、本実施形態では、目標吹出温度TAOに基づいて可動壁72bを変位させて空気流路72aの中心位置を移動させ、主流の衝突位が空気流路72aに対して適切な位置となるようにしている。
【0060】
具体的には、目標吹出温度TAOが小さくなると、冷房運転となってフェイスモードとなり、目標吹出温度TAOが大きくなると暖房運転運転となってフットモードとなることから、目標吹出温度TAOが第1所定値より小さいときには、図4(a)に示すように、可動壁72bを遠心ファン71の吸い込み側と反対側、つまりファンモータ71b側に移動させ、目標吹出温度TAOが第1所定値より大きい第2所定値より大きいときには、図4(b)に示すように、可動壁72bを遠心ファン71の吸い込み側、つまりファンモータ71b側と反対側に移動させ、目標吹出温度TAOが第1所定値と第2所定値との間のときには、図4(a)に示す位置と図4(b)に示す位置との間の位置において、目標吹出温度TAOの増大に応じて可動壁72bを移動させる。
【0061】
なお、図5は可動壁72bの制御フローを示す一例であり、空調装置の運転が開始されると、先ず、目標吹出温度TAOを算出し(S1)、この算出した目標吹出温度TAOに基づいて可動壁72bの移動量を算出する(S2)。
【0062】
次に、S2で算出した移動量となるように、モータ73を回転させて可動壁72bの移動量を制御する(S3)。
【0063】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0064】
本実施形態では、空気流路72a内の通風抵抗に応じて空気流路72aの中心位置を変化させるので、空気流路72aに対する衝突位置を、衝突位置を境に遠心ファン71の吸い込み側及び反吸い込み側で発生する旋回流に流動損失が生じない適切な位置とすることができる。
【0065】
したがって、衝突位置を境として発生した2つの旋回流れを乱すことなく安定的に発生させることができるので、各通風抵抗、つまり各吹出モード等に応じた理想的な流れ状態を実現することができ得る。延いては、送風効率を安定的に高く維持することができるので、送風騒音を低減することができる。
【0066】
なお、本実施形態に係る空調装置のフェイスモード時に発生する騒音は、フットモード時等の低風量時に最適となるような送風機7を用いた空調装置のフェイスモード時に発生する騒音に対して、約1.5dBの低騒音化が達成できた。
【0067】
また、本実施形態に係る空調装置のフットモード時に発生する騒音は、フットモード等の低風量時には、フェイスモード時に最適となるような送風機7を用いた空調装置のフットモード時に発生する騒音に対して0.5dBの低騒音化が達成できた。
【0068】
(第2実施形態)
第1実施形態では、空気流路72aの内壁のうち遠心ファン71の空気吸い込み側と反対側の内壁のみを可動壁72bとした、本実施形態は、図6に示すように、空気流路72aの内壁全体、つまり遠心ファン71の空気吸い込み側の内壁、遠心ファン71の空気吸い込み側と反対側の内壁、及び外周側内壁を可動壁72bとしたものである。
【0069】
つまり、本実施形態では、ECU21の制御下で実質的にファンケーシング72全体が遠心ファン71の回転軸と平行な方向に変位することとなる。
【0070】
したがって、本実施形態においても、空気流路72a内の通風抵抗に応じて空気流路72aの中心位置を変化させることができるので、空気流路72aに対する衝突位置を、衝突位置を境に遠心ファン71の吸い込み側及び反吸い込み側で発生する旋回流に流動損失が生じない適切な位置とすることができ、送風効率を安定的に高く維持して送風騒音を低減することができる。
【0071】
(第3実施形態)
第1実施形態では、ボールねじ73aを用いて可動壁72bを移動させたが、本実施形態は、図7に示すように、蛇腹状のベローズ73cに空気や水等の流体を出し入れすることにより、ベローズ73cを遠心ファン71の回転軸と平行な方向に伸縮させて可動壁72bを移動させるものである。
【0072】
なお、ベローズ73cに出し入れする流体は、図示しないポンプにより行われており、このポンプはECU21により制御されている。
【0073】
なお、図8(a)はフェイスモード時におけるベローズ73cの状態を示しており、この状態では、ベローズ73cは縮小して空気流路72aの中心位置は反吸い込み側に位置する。
【0074】
また、図8(b)はフットモード時におけるベローズ73cの状態を示しており、この状態では、ベローズ73cは伸張して空気流路72aの中心位置は吸い込み側に位置する。
【0075】
(第4実施形態)
本実施形態も第3実施形態と同様に、ベローズ73cにて可動壁72bを移動させるものであるが、第3実施形態では、空気流路72aの反吸い込み側の内壁を可動壁72bとしたものに対して、本実施形態は、空気流路72aの吸い込み側の内壁を可動壁72bとしたものである。
【0076】
なお、図9(a)はフェイスモード時におけるベローズ73cの状態を示しており、この状態では、ベローズ73cは伸張して空気流路72aの中心位置は反吸い込み側に位置する。
【0077】
また、図9(b)はフットモード時におけるベローズ73cの状態を示しており、この状態では、ベローズ73cは縮小して空気流路72aの中心位置は吸い込み側に位置する。
【0078】
(第5実施形態)
本実施形態は、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせたものである。具体的には、空気流路72aの吸い込み側及び反吸い込み側の内壁を可動壁72bとしたものである。
【0079】
そして、フェイスモード時には、図10(a)に示すように、吸い込み側のベローズ73cを伸張させ、かつ、反吸い込み側のベローズ73cを縮小させて空気流路72aの中心位置を反吸い込み側に位置させ、一方、フットモード時には、図10(b)に示すように、吸い込み側のベローズ73cを縮小させ、かつ、反吸い込み側のベローズ73cを伸張させて空気流路72aの中心位置を吸い込み側に位置させる。
【0080】
(第6実施形態)
上述の実施形態では、空気流路72a内の通風抵抗に応じてファンケーシング72側を遠心ファン71に対して移動させることにより、空気流路72aの中心位置を移動させたが、本実施形態は、図11に示すように、空気流路72a内の通風抵抗に応じて遠心ファン71をファンケーシング72に対して移動させることにより、空気流路72aの中心位置を移動させるものである。
【0081】
なお、本実施形態では、遠心ファン71は、ファンモータ71b及びベルマウス71cと共にボールねじ(図示せず。)により回転軸方向に変位し、このボールねじの作動をECU21により制御している。
【0082】
そして、フェイスモード時には、図11(a)に示すように、遠心ファン71を吸い込み側に移動させて空気流路72aの中心位置を反吸い込み側に位置させ、一方、フットモード時には、図11(b)に示すように、遠心ファン71を反吸い込み側に移動させて空気流路72aの中心位置を吸い込み側に位置させる。
【0083】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、車両用空調装置に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
また、例えば圧力センサ等により送風機7から吹出口14、15、17に至る通風系の気圧を測定することにより空気流路72aの中心位置を移動させてもよい。
【0085】
また、第1〜6実施形態のうち少なくとも2つの実施形態を組み合わせてよい。
【0086】
また、上述の実施形態では、目標吹出温度TAOに基づいて空気流路72a内の通風抵抗を判定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、直接、吹出モード切換装置18〜20の作動状態や送風機7の送風量に基づいて通風抵抗を判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る空調装置の制御系を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る送風機の説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る送風機の作動説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る送風機の作動を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る送風機の作動説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る送風機の説明図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る送風機の作動説明図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る送風機の作動説明図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る送風機の作動説明図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係る送風機の作動説明図である。
【図12】従来技術の問題点を説明するための図である。
【図13】ファン特性を示す図である。
【符号の説明】
71…遠心ファン、71a…翼(ブレード)、71b…ファンモータ、
72…ファンケーシング、72a…空気流路、72b…可動壁、
73…モータ、73a…ボールねじ。

Claims (9)

  1. 回転軸周りに多数枚の翼(71a)を有し、前記回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心ファン(71)と、
    前記遠心ファン(71)を収納して前記遠心ファン(71)から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路(72a)を構成するファンケーシング(72)と、
    前記空気流路(72a)内の通風抵抗に応じて、前記遠心ファン(71)を前記ファンケーシング(72)に対して前記回転軸と平行な方向に変位させるファン移動手段(21)と備えることを特徴とする遠心式送風機。
  2. 回転軸周りに多数枚の翼(71a)を有し、前記回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心ファン(71)と、
    前記遠心ファン(71)を収納して前記遠心ファン(71)から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路(72a)を構成するファンケーシング(72)と、
    前記空気流路(72a)内の通風抵抗に応じて、前記ファンケーシング(72)を前記遠心ファン(71)に対して前記回転軸と平行な方向に変位させるケーシング移動手段(21)と備えることを特徴とする遠心式送風機。
  3. 回転軸周りに多数枚の翼(71a)を有し、前記回転軸の軸方向から吸入した空気を径外方に向けて吹き出す遠心ファン(71)と、
    前記遠心ファン(71)を収納して前記遠心ファン(71)から吹き出した空気が流れる渦巻き状の空気流路(72a)を構成するファンケーシング(72)と、
    前記空気流路(72a)内の通風抵抗に応じて、前記回転軸と平行な方向における前記空気流路(72a)の中心位置を前記遠心ファン(71)に対して前記回転軸と平行な方向に変位させる空気流路移動手段(21)と備えることを特徴とする遠心式送風機。
  4. 前記空気流路移動手段(21)は、前記ファンケーシング(72)全体を変位させることにより、前記中心位置を変位させることを特徴とする請求項3に記載の遠心式送風機。
  5. 前記空気流路移動手段(21)は、前記空気流路(72a)の内壁のうち前記遠心ファン(71)の空気吸い込み側の内壁を変位させることにより、前記中心位置を変位させることを特徴とする請求項3に記載の遠心式送風機。
  6. 前記空気流路移動手段(21)は、前記空気流路(72a)の内壁のうち前記遠心ファン(71)の空気吸い込み側と反対側の内壁を変位させることにより、前記中心位置を変位させることを特徴とする請求項3に記載の遠心式送風機。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の遠心式送風機(7)、及び室内に吹き出する空気の吹出モードを切り替える吹出モード切換装置(18〜20)を有する車両用空調装置であって、
    前記吹出モード切換装置(18〜20)の作動状態に基づいて前記通風抵抗を判定することを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の遠心式送風機(7)を有し、
    前記遠心式送風機(7)の送風量に基づいて前記通風抵抗を判定すことを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の遠心式送風機(7)を有し、室内に吹き出する空気の吹出モード及び前記遠心式送風機(7)の送風量のうち少なくとも一方を室内に吹き出す空気の目標温度(TAO)に基づいて制御する自動制御方式の車両用空調装置であって、
    前記目標温度(TAO)に基づいて前記通風抵抗を判定すことを特徴とする車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010144545A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Panasonic Corp 遠心送風機
JP2013092160A (ja) * 2013-02-22 2013-05-16 Panasonic Corp 遠心送風機

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