JP2005015712A - 低温用熱媒体 - Google Patents

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勝久 徳満
Akira Tanaka
皓 田中
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仁史 山岡
Kiyoshi Watanabe
澄 渡辺
Kuniaki Goto
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Abstract

【課題】極低温領域における粘度が低く、比熱が大きく、ハロゲンを含まない環境に優しい低温用熱媒体を提供する。
【解決手段】一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカン、メチルシクロペンタン又はメチルシクロヘキサンを含有することを特徴とする低温用熱媒体。
A(OR) ・・・[1]
(ただし、式中、Aは、シクロペンタン環、シクロヘキサン環又はシクロヘプタン環であり、Rは、炭素数1〜3のアルキル基であり、nは、1〜3であり、nが2又は3のとき、複数個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。)
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温用熱媒体に関する。さらに詳しくは、本発明は、極低温領域における粘度が低く、比熱が大きく、ハロゲンを含まない環境に優しい低温用熱媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃熱から高品質の熱を回収する圧縮式ヒートポンプをはじめとして、さまざまな装置に低温用熱媒体が使用されている。このような低温用熱媒体として、以前はジクロロテトラフルオロエタン(CFC114)、クロロペンタフルオロエタン(CFC115)などのクロロフルオロカーボン類が専ら使用されていた。しかし、クロロフルオロカーボン類は成層圏のオゾン層を破壊し、皮膚がんや白内障の増加、免疫力の低下などの健康被害のほか、農作物の収穫減少、海洋生態系への悪影響などを及ぼすために、モントリオール議定書が採択され、先進国においては、1995年にその消費が全廃された。クロロフルオロカーボン類を代替する物質として、ジクロロトリフルオロエタン(HCFC123)などが開発され、使用されているが、これらの代替フロンも地球温暖化係数が大きく、2019年末には、消費の全廃が予定されている。このために、低温用熱媒体のみならず、洗浄剤、発泡剤、噴射剤などの分野でも代替物質が求められている。
低温用熱媒体には、上記のように、オゾン層の破壊や地球温暖化をもたらさないことのほかに、低温用熱媒体として本来具備すべき性質、すなわち、比熱と熱伝導率が大きいこと、広い温度範囲で液状を保つこと、極低温においても粘度が低いこと、単一成分で濃度管理の必要がないこと、毒性や腐食性がないこと、入手しやすく価格が適当であることなどが求められる。政府プロジェクトとして、平成2年から5年間をかけて新エネルギー産業技術総合開発機構で行われた圧縮式ヒートポンプ用新規冷媒研究開発では、フロン代替候補物質として、ペンタフルオロエチルメチルエーテル(CFCFOCH)、ヘプタフルオロプロピルメチルエーテル(CFCFCFOCH)、ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル((CFCFOCH)が見いだされている。また、3M社から、フロンを代替して、低温用熱媒体、洗浄剤、溶剤などとして使用し得るフッ素系薬品として、ノナフルオロブチルメチルエーテル(COCH、ノベックHFE−7100)とノナフルオロブチルエチルエーテル(COC、ノベックHFE−7200)が発売されている。しかし、これらのペルフルオロアルキルアルキルエーテルは、上記の低温用熱媒体が具備すべき性質を十分に満足するとは言いがたい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、極低温領域における粘度が低く、比熱が大きく、ハロゲンを含まない環境に優しい低温用熱媒体を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭素数1〜3のアルコキシル基を有するシクロペンタン、シクロヘキサン及びシクロヘプタンは、比熱が大きく、液体として使用し得る温度範囲が広く、極低温においても低粘度であり、低温用熱媒体として必要な性質の多くを具備することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカン、メチルシクロペンタン又はメチルシクロヘキサンを含有することを特徴とする低温用熱媒体、
A(OR) ・・・[1]
(ただし、式中、Aは、シクロペンタン環、シクロヘキサン環又はシクロヘプタン環であり、Rは、炭素数1〜3のアルキル基であり、nは、1〜3であり、nが2又は3のとき、複数個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。)、(2)使用時における熱媒体の最低温度が、−10℃以下である第1項記載の低温用熱媒体、及び、
(3)一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカンが、メトキシシクロペンタンである第1項記載の低温用熱媒体、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の低温用熱媒体は、一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカン、メチルシクロペンタン又はメチルシクロヘキサンを含有する。
A(OR) ・・・[1]
ただし、一般式[1]において、Aは、シクロペンタン環、シクロヘキサン環又はシクロヘプタン環であり、Rは、炭素数1〜3のアルキル基であり、nは、1〜3であり、nが2又は3のとき、複数個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。
一般式[1]で表されるシクロペンタン誘導体としては、例えば、メトキシシクロペンタン、1,2−ジメトキシシクロペンタン、1,3−ジメトキシシクロペンタン、1,2,3−トリメトキシシクロペンタン、1,3,4−トリメトキシシクロペンタン、エトキシシクロペンタン、1−エトキシ−2−メトキシシクロペンタン、1−エトキシ−3−メトキシシクロペンタン、1−エトキシ−2,3−ジメトキシシクロペンタン、1−エトキシ−3,4−ジメトキシシクロペンタン、1,2−ジエトキシシクロペンタン、1,3−ジエトキシシクロペンタン、プロポキシシクロペンタン、1−プロポキシ−2−メトキシシクロペンタン、1−プロポキシ−3−メトキシシクロペンタン、1−プロポキシ−2,3−ジメトキシシクロペンタン、1−プロポキシ−3,4−ジメトキシシクロペンタン、1−プロポキシ−2−エトキシシクロペンタン、1−プロポキシ−3−エトキシシクロペンタン、1,2−ジプロポキシシクロペンタン、1,3−ジプロポキシシクロペンタン、イソプロポキシシクロペンタン、1−イソプロポキシ−2−メトキシシクロペンタン、1−イソプロポキシ−3−メトキシシクロペンタン、1−イソプロポキシ−2,3−ジメトキシシクロペンタン、1−イソプロポキシ−3,4−ジメトキシシクロペンタン、1−イソプロポキシ−2−エトキシシクロペンタン、1−イソプロポキシ−3−エトキシシクロペンタン、1,2−ジイソプロポキシシクロペンタン、1,3−ジイソプロポキシシクロペンタンなどを挙げることができる。
【0006】
一般式[1]で表されるシクロヘキサン誘導体としては、例えば、メトキシシクロヘキサン、1,2−ジメトキシシクロヘキサン、1,3−ジメトキシシクロヘキサン、1,4−ジメトキシシクロヘキサン、1,2,3−トリメトキシシクロヘキサン、1,3,4−トリメトキシシクロヘキサン、1,3,5−トリメトキシシクロヘキサン、エトキシシクロヘキサン、1−エトキシ−2−メトキシシクロヘキサン、1−エトキシ−3−メトキシシクロヘキサン、1−エトキシ−2,3−ジメトキシシクロヘキサン、1−エトキシ−3,4−ジメトキシシクロヘキサン、1,2−ジエトキシシクロヘキサン、1,3−ジエトキシシクロヘキサン、プロポキシシクロヘキサン、1,2−ジプロポキシシクロヘキサン、1,3−ジプロポキシシクロヘキサン、イソプロポキシシクロヘキサン、1,2−ジイソプロポキシシクロヘキサン、1,3−ジイソプロポキシシクロヘキサンなどを挙げることができる。
一般式[1]で表されるシクロヘプタン誘導体としては、例えば、メトキシシクロヘプタン、1,2−ジメトキシシクロヘプタン、1,3−ジメトキシシクロヘプタン、1,4−ジメトキシシクロヘプタン、1,2,3−トリメトキシシクロヘプタン、1,3,4−トリメトキシシクロヘプタン、1,3,5−トリメトキシシクロヘプタン、1,3,6−トリメトキシシクロヘプタン、エトキシシクロヘプタン、1−エトキシ−2−メトキシシクロヘプタン、1−エトキシ−3−メトキシシクロヘプタン、1−エトキシ−2,3−ジメトキシシクロヘプタン、1−エトキシ−3,4−ジメトキシシクロヘプタン、1,2−ジエトキシシクロヘプタン、1,3−ジエトキシシクロヘプタン、プロポキシシクロヘプタン、1,2−ジプロポキシシクロヘプタン、1,3−ジプロポキシシクロヘプタン、イソプロポキシシクロヘプタン、1,2−ジイソプロポキシシクロヘプタン、1,3−ジイソプロポキシシクロヘプタンなどを挙げることができる。
本発明においては、上記のアルコキシシクロアルカンの中で、メトキシシクロペンタン、1,3−ジメトキシシクロペンタン、1,3,4−トリメトキシシクロペンタン、エトキシシクロペンタン、プロポキシシクロペンタン、メトキシシクロヘキサン及びメトキシシクロペンタンを好適に用いることができ、メトキシシクロペンタン及びエトキシシクロペンタンをさらに好適に用いることができ、メトキシシクロペンタンを特に好適に用いることができる。
【0007】
本発明においては、一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカンの1種を単独で用いることができ、一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカンの複数種を混合して用いることもでき、あるいは、一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカンと他の化合物を混合して用いることもできる。一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカンは、ペルフルオロアルキル基を有する化合物とは異なり、多くの有機化合物と良好な相溶性を有するので、必要に応じて他の化合物と混合し、低温用熱媒体としての性能を調整することができる。一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカンの1種のみからなる低温用熱媒体は、濃度管理をする必要がないので、特に好適に用いることができる。
本発明の低温用熱媒体は、使用時における熱媒体の最低温度が−10℃以下であることが好ましく、−50℃以下であることがより好ましい。本発明の低温用熱媒体は、−50℃以下のような低温であっても低粘度を保つので、ポンプへの負荷が小さく、ポンプにより循環する際の発熱も小さいので、低温用熱媒体として好適に用いることができる。使用時における熱媒体の最低温度が0℃を超える冷却系においては、本発明の低温用熱媒体を使用する必要性は乏しく、より一般的な他の低温用熱媒体を用いることができる。
【0008】
本発明の低温用熱媒体は、酸素原子以外は炭化水素基のみからなる構造を有するので、ペルフルオロアルキル基を有する化合物に比べて、比熱が大きい。したがって、低温用熱媒体としてその顕熱を利用する場合、少量の低温用熱媒体によって大量の除熱を行うことができる。
本発明の低温用熱媒体は、ペルフルオロアルキル基を有する化合物に比べて、比重が小さい。したがって、同じ内容積の冷却系で使用する場合、少ない重量の低温用熱媒体を用いて、冷却系を運転することができる。
本発明の低温用熱媒体は、ペルフルオロアルキル基を有する化合物に比べて、沸点が高く、蒸発潜熱が大きい。したがって、一時的に大気に開放された状態におかれても、大気中への揮散が少なく、安全に使用することができる。また、本発明の低温用熱媒体は、液状で使用し得る温度範囲が広い。
本発明の低温用熱媒体は、酸素原子以外は炭化水素基のみからなる構造を有するので、焼却処理が可能である。本発明の低温用熱媒体を使用し、冷却系からの潤滑油の混入などにより、更新が必要になったとき、産業廃棄物として焼却することができる。焼却により発生する物質は、水と二酸化炭素のみであり、フッ化水素のような有害ガスは発生しないので、排ガスの二次処理の必要はなく、安全に処理することができる。
【0009】
本発明の低温用熱媒体には、老化防止剤、防錆剤、防腐剤などを添加することができる。これらの薬剤の添加量は、低温用熱媒体の10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。添加する老化防止剤に特に制限はなく、例えば、4,4−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)、ジドデシルチオジプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。
添加する防錆剤に特に制限はなく、例えば、1H−ベンゾトリアゾール又はそのナトリウム塩、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール又はそれらのカリウム塩などを挙げることができる。添加する防腐剤に特に制限はなく、例えば、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、2−ベンゾイミダゾールカルバミン酸メチル、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオン、ベンゾイソチアゾリン、トリスヒドロキシエチルトリアジン、オキシビスフェノキシアルシン、2,3,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N−フルオロジクロロメチルチオフタルイミド、N,N−ジメチル−N’−フルオロジクロロメチルチオ−N’−フェニルスルファミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジンなどを挙げることができる。
本発明において、一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカンの製造方法に特に制限はなく、例えば、モノアルコキシシクロアルカンは、シクロアルカノンの還元によりシクロアルカノールとし、さらにシクロアルカノールをアルキルエーテル化することにより、製造することができる。また、1,2−ジアルコキシシクロアルカンは、シクロアルケンの酸化により1,2−エポキシシクロアルカンとし、水との反応により1,2−ジヒドロキシシクロアルカンとし、さらにヒドロキシル基をアルキルエーテル化することにより、製造することができる。メチルシクロペンタンは、メチルシクロペンタノンの還元により製造することもできるし、ジメチルジシクロペンタジエンを熱分解してメチルシクロペンタジエンとし、これを水添して得ることもできる。メチルシクロヘキサンは、トルエンの水素添加により製造することができる。また、メチルシクロペンタン及びメチルシクロヘキサンは、市販(アルドリッチ社製)のものを用いてもよい。
本発明の低温用熱媒体は、食品工業用冷却装置、フリーズドライ装置、環境試験室、医薬品工業用冷却装置、化学工業用冷却装置などの冷媒又は熱媒、冷蔵倉庫、冷凍倉庫、冷蔵トラック、冷凍トラック等の固定式或いは移動式の冷却装置の冷媒又は熱媒、低温ブラインなどの化学プラント付帯設備の冷媒又は熱媒、液化天然ガス(LNG)利用施設の熱交換機の冷媒又は熱媒、LNG等の冷熱発電用の冷媒又は熱媒などとして好適に用いることができる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1
ガラス製反応容器に、N,N−ジメチルホルムアミド283.0重量部を仕込み、窒素置換したのち、60重量%油性水素化ナトリウム58.0重量部を加え、次いで、シクロペンタノール103.3重量部を室温から50℃の温度範囲で滴下した。この混合物を1時間かけて110℃に昇温したのち、110〜120℃で1時間反応した。続いて、この混合物を50℃まで冷却し、ヨウ化メチル341.0重量部を滴下した。滴下終了後、さらに110〜120℃で5時間反応した。
反応液から低沸点物を留去したのち、水100重量部を加えて分液した。有機相を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過して、ろ液210重量部を得た。得られたろ液をヴィグリュー精留管を用いて常圧で精留した。留出温度100℃までの留分A77.1重量部、留出温度100〜106℃の留分B3.4重量部、留出温度106℃の留分C70.0重量部及び釜残53.5重量部を得た。ガスクロマトグラフィーにより分析すると、留分Cは、純度99.8重量%のメトキシシクロペンタンであった。他の留分の分析結果を含めて、結果を第1表に示す。
【0011】
【表1】
Figure 2005015712
【0012】
実施例1
製造例1で得られたメトキシシクロペンタンについて、低温用熱媒体として重要な物性を測定した。
コーンプレート型粘度計[(株)ユービーエム、Rheosol−G5000]を用いて、30℃から−100℃までの粘度を、剪断速度600sec−1で測定した。粘度は、30℃で0.13mPa・s、20℃で0.14mPa・s、10℃で0.16mPa・s、0℃で0.17mPa・s、−10℃で0.18mPa・s、−20℃で0.20mPa・s、−30℃で0.22mPa・s、−40℃で0.26mPa・s、−50℃で0.66mPa・s、−60℃で0.99mPa・s、−70℃で1.48mPa・s、−80℃で2.14mPa・s、−90℃で3.29mPa・s、−100℃で4.70mPa・sであった。
レーザフラッシュ法熱定数測定装置[真空理工(株)、TC−7000]を用いて、比熱を測定した。1,818J/kg・Kであった。
微量融点測定装置[ジャパンハイテック(株)、リンカム社製]を用いて、融点を測定した。−140℃以下であった。なお、沸点は、製造例1の精密蒸留の結果から、106℃である。
ワードン型比重びんを用いて、20℃における密度を測定した。0.88g/cmであった。
比較例1
実施例1と同様にして、ペルフルオロブチルエチルエーテルの30℃から−100℃までの粘度を、剪断速度600sec−1で測定した。粘度は、30℃で0.07mPa・s、20℃で0.12mPa・s、10℃で0.24mPa・s、0℃で0.26mPa・s、−10℃で0.39mPa・s、−20℃で0.46mPa・s、−30℃で0.78mPa・s、−40℃で1.24mPa・s、−50℃で1.43mPa・s、−60℃で2.08mPa・s、−70℃で4.04mPa・s、−80℃で6.84mPa・s、−90℃で9.24mPa・s、−100℃で9.48mPa・sであった。
実施例1のメトキシシクロペンタンの粘度と、比較例1のペルフルオロブチルエチルエーテルの粘度の温度依存性を、図1に示す。また、メトキシシクロペンタンとペルフルオロブチルエチルエーテルの粘度、比熱、融点、沸点及び密度を第2表に示す。ただし、ペルフルオロブチルエチルエーテルの比熱、融点、沸点及び密度は、文献値である。
【0013】
【表2】
Figure 2005015712
【0014】
本発明の低温用熱媒体は、ペルフルオロアルキルアルキルエーテル型の低温用熱媒体に比べて、極低温域における粘度が低く、ポンプへの負荷が小さい状態で冷却系を運転することができる。また、液状で使用し得る温度範囲が広い。さらに、本発明の低温用熱媒体の比熱は、ペルフルオロアルキルアルキルエーテル型の低温用熱媒体の約1.5倍であり、低温用熱媒体の顕熱を利用する場合、ペルフルオロアルキルアルキルエーテル型の低温用熱媒体の3分の2の送液量で同じ冷却効果を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明の低温用熱媒体は、極低温領域における粘度が低く、比熱が大きいので、効率的に冷却系を運転することができる。また、本発明の低温用熱媒体は、ハロゲンを含まないので、環境に与える悪影響が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、低温用熱媒体の粘度と温度の関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカン、メチルシクロペンタン又はメチルシクロヘキサンを含有することを特徴とする低温用熱媒体。
    A(OR) ・・・[1]
    (ただし、式中、Aは、シクロペンタン環、シクロヘキサン環又はシクロヘプタン環であり、Rは、炭素数1〜3のアルキル基であり、nは、1〜3であり、nが2又は3のとき、複数個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。)
  2. 使用時における熱媒体の最低温度が、−10℃以下である請求項1記載の低温用熱媒体。
  3. 一般式[1]で表されるアルコキシシクロアルカンが、メトキシシクロペンタンである請求項1記載の低温用熱媒体。
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