JP2005015698A - 含水土壌用中性固化材並びにそれを用いた土壌の重金属溶出抑制方法及び脱水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水硬性アルミナ85〜99質量%、炭酸リチウム1〜15質量%よりなる組成物、好ましくは水硬性アルミナ65〜98質量%、炭酸リチウム1〜15質量%及び炭酸カルシウム1〜15質量%よりなる組成物が、中性領域でセメント系固化材に匹敵する高強度の改良土を与える。この固化材を対象土壌1m3当たり50〜350kg添加・混合する重金属溶出防止方法。高含水比100%以上の高含水土壌に上記固化材を乾燥土1t当たり50〜200kg添加・混合した後、脱水機により脱水してケーキを得、土壌を固化させる含水土壌の脱水・固化処理方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、含水土壌の中性固化材並びにそれを用いて行なう、重金属汚染土壌からの重金属溶出抑制方法及び浚渫底泥や建設汚泥等の高含水土壌の脱水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱土壌の土質改良には、固化材を使用する固化処理が施される。また、土木工事等に伴って発生する建設汚泥等を搬出する際、流動性が高くそのままでの搬送が困難な場合があり、固化材を使用して固化処理を施した後、搬出する方法が採用される。何れの目的においても、固化材には、固化後の土壌が目的に合った十分な強度を有していること、適度の固化速度を有していること、固化材が化学的に安定であり有害物質が溶出しないこと等の特性が要求される。
【0003】
これ等複数機能を要求される固化材として既に多くの技術が開示されている。このうちセメントを主成分とするセメント系固化材では高強度は得られるものの、セメント自体のアルカリにより固化処理土のpH値が高くなり、これが問題となる場合がある。
また、鉛汚染土壌等の処理においては、両性金属である鉛が高アルカリ側で可溶化することから、セメント系固化材での処理が困難である等の問題がある。
【0004】
これらの問題を解決するために、セメント、石膏双方を成分とした固化材あるいは石膏系およびマグネシア系固化材等が提案されている。
例えば、特許文献1および特許文献2には、半水石膏、セメントおよび石灰、高炉スラグ等の混合材より成る固化材が開示され、特許文献3には石膏、ポルトランドセメントおよび硫酸アルミニウムより成る固化材が開示されている。また、特許文献4には、無水または半水石膏、セメントおよび硫酸基を有する無機塩よりなる固化材が開示されている。さらに、特許文献5および特許文献6には、半水石膏、アルミナセメントまたはアルミナセメントとポルトランドセメントの混合セメントと硫酸アルミニウムまたは硫酸鉄より成る固化材が開示されている。
これ等セメントと石膏を併用した中性固化材はpH値的には中性領域の指標として排水基準に規定される5.8〜8.6の範囲となるものが多いものの、改良後土壌が十分な強度を示さないなどの問題がある。
【0005】
一方、特許文献7〜9では、酸化マグネシウムとpH調整剤として酸性材料を組合せたマグネシア系固化材が開示されている。マグネシア系固化材は、前述の半水せっこう系の中性固化材に比較して高い強度が得られるのに加え、鉛を始めとする、セメント系固化材では処理が困難な六価クロム、セレン、砒素等の不溶化効果が大きい等の利点がある。しかし、セメント系固化材に比較して未だ十分な強度は得られず、また、硬化の主体となるマグネシアの特性上、改良土がpH10程度の低アルカリを示す場合が多く、中性とはなり難い等の問題がある。このpH調整を調整するため、酸性材料を添加することも開示されているが、この場合、固化強度の低下を伴う問題がある。
【0006】
一方、高含水の浚渫底泥や建設汚泥は、機械脱水により減容化し、その脱水ケーキにセメント系固化材や石灰系固化材を添加するか、あるいは、予めセメント系固化材や石灰系固化材を添加したものに脱水処理を加えて、強度を確保する方法が採られる。
前者の方法では、脱水処理後の脱水ケーキがある程度の強度を有しているため固化材との混合が困難であり、均一な改良土が得られない欠点を有する。一方、後者の方法では、固化強度の向上が図られるだけではなく、固化材の混合が容易であることから、均一な改良土を得ることが可能である。しかし、セメントや石灰分が濾布に侵入・硬化することにより目詰まりが生じ、処理の繰返しによる脱水速度の低下が避けられない。また、添加固化材に含まれるアルカリ成分の作用により、浚渫底泥や建設汚泥に含まれる有機物が濾水に溶出しCODが増加することから、その処理に追加費用が発生する欠点を有する。
【0007】
水硬性アルミナは、中間アルミナの1種であるρ−アルミナを主成分としその再水和により中性領域で硬化することが知られている材料である。また、それ自身が中性で安全性が高く、固化後の土壌が二次公害を引き起こす虞が少ないことから化学的には望ましい材料であり、それを成分の一つとして含んだセメント材料が開示されている(例えば、特許文献11)。
水硬性アルミナは、単独添加では固化材として使用するに十分な固化性能を有しておらず、炭酸リチウムを水硬性アルミナの硬化促進剤として使用することが開示されている(特許文献10)。しかし、これは速硬性耐酸性セメント材料としての開示であり、含水土壌用固化材としての開示ではない。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−302346号公報
【特許文献2】
特開平8−311446号公報
【特許文献3】
特開平6−220451号公報
【特許文献4】
特開平7−179854号公報
【特許文献5】
特開平10−273660号公報
【特許文献6】
特開平10−273663号公報
【特許文献7】
特開2002−206090号公報
【特許文献8】
特開2002−167582号公報
【特許文献9】
特開2002−249774号公報
【特許文献10】
特開昭56−9272号公報
【特許文献11】
特開2003−20260号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、含水土壌用固化材による固化処理において、中性で且つ固化強度に優れた中性固化材の提供および該固化材を使用する含水土壌の固化改良方法の提供を目的とする。
また、本発明は、既存のセメント系固化材では不溶化処理が困難な、六価クロム、鉛、砒素、セレンによる汚染土の処理方法の提供を目的とする。
さらに本発明は、浚渫底泥や建設汚泥等の高含水土壌の脱水・固化処理方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、水硬性アルミナを土壌固化材として用いた場合、炭酸リチウムが優れた固化助剤(固化強度増進材)として作用すること、さらにこれに炭酸カルシウムを併用することにより、中性領域でセメント系固化材に匹敵する高強度が得られることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、水硬性アルミナ85〜99質量%および炭酸リチウム1〜15質量%よりなる含水土壌用固化材に関する。また、水硬性アルミナ65〜98質量%、炭酸リチウム1〜15質量%および炭酸カルシウム1〜20質量%よりなる含水土壌用中性固化材に関する。これらにより、pH値が、排水基準に規定された中性領域である5.8〜8.6の範囲であり、且つ、既存のセメント系固化材に匹敵する固化特性を示す含水土壌用固化材が提供される。
上記固化材の使用態様の一例は、当該固化剤を重金属によって汚染された含水土壌1m3当たり50〜350kg添加・混合してなる汚染土壌の重金属溶出防止方法である。
また、上記固化材の使用態様の他の例は、浚渫底泥や建設汚泥等の高含水土壌に当該固化材を添加・混合し、脱水機により脱水してケーキを得る脱水・固化処理方法である。これにより、濾布の目詰まりや有機物の溶出がなく、且つ、土木材料として再利用するに必要なコーン指数400kN/m2以上の強度を得ることができる方法が提供される。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、水硬性アルミナを固化材として使用し、炭酸リチウムを固化助剤(固化強度増進材)として使用することを特徴としている。
本発明に使用する水硬性アルミナとしてはρ−アルミナを30質量%以上含むものが好ましく、50質量%以上含むものは更に好ましい。一般に水硬性アルミナはρ−アルミナの他にχ−アルミナやγ−アルミナおよびベーマイトを不可避成分として含む。これらの存在割合は製造条件によって異なるが、ρ−アルミナ分が30質量%より少ないと十分な固化強度が得られない場合が多い。
【0012】
また、水硬性アルミナの反応性は粒度に影響されるため、好ましくはレーザー回折式粒度分布計により測定された平均粒径が2〜20μmのものが好ましく、5〜10μmものの使用は更に望ましい。平均粒径が20μmより大である場合、十分な固化強度が得られ難く材料分離を生じる虞がある。2μmより小では、粉体流動性が悪化し輸送時のハンドリング性や固化助剤との混合性に問題が生じる。
【0013】
これらの水硬性アルミナは、従来公知の方法によって製造されたもの、すなわち、水酸化アルミニウムを瞬間仮焼して得られたものが好適に使用できるが、この他に、アルミニウム製造産業の副産物として生成する水酸化アルミニウム等を主成分とするスラッジ乾燥物を原料とすることにより、大幅な低コスト化が図れ、一層好ましい結果が得られる。
【0014】
本発明の固化材において固化助剤として使用する炭酸リチウムは、純度90質量%以上のものが望ましい。90質量%未満の製品も使用可能であるが、その場合、水硬性アルミナに対する割合を調整する必要がある。また、その粒度は平均粒径で2〜20μmのものが好ましく、2〜10μmのものが更に好ましい。20μmより大では十分な促進効果が得られないか、材料分離を生じる虞があり、また、2μmより小では、上述の水硬性アルミナと同様の問題が生じる。なお、炭酸リチウムの他に、塩化リチウム、硝酸リチウム等の無機塩等も使用可能であるが、入手の容易さで炭酸リチウムの使用が最も好ましい。
【0015】
本発明の好ましい態様では、水硬性アルミナを土壌固化材基材、炭酸リチウムを固化助剤として用い、さらにこれに炭酸カルシウムを併用した固化材とすることにより、中性領域でセメント系固化材に匹敵する高強度が得られる。
本発明の固化材を構成する第3の成分である炭酸カルシウムは、排煙脱硫用や道路用等の石灰石粉砕粉等が好適に使用できるが、粒度の細かい排煙脱硫用がより好ましい。この排煙脱硫用石灰石粉砕粉のブレーン比表面積は8000cm2/g程度である。なお、ハンドリング性を悪化させない範囲で更に粒度の細かい製紙用等を使用するとより好ましい結果が得られる。
【0016】
これらの材料は、水硬性アルミナ85〜99質量%、炭酸リチウム1〜15質量%或いは、水硬性アルミナ65〜98質量%、炭酸リチウム1〜15質量%及び炭酸カルシウム1〜20質量%の割合で混合する。より好ましくは、水硬性アルミナ90〜98質量%、炭酸リチウム2〜10質量%或いは、水硬性アルミナ75〜93質量%、炭酸リチウム2〜10質量%及び炭酸カルシウム 〜 質量%の割合で混合する。炭酸リチウムの添加量が1質量%より小では十分な固化強度が得られず、一方、15質量%より大としてもそれ以上の添加効果が発現しないことから経済的に好ましくない。また、炭酸カルシウムの添加量が1質量%より小ではその添加効果が十分に発現せず、また20質量%より大とした場合、逆に強度低下に繋がる。
本発明の固化材は上記の必須成分のほか、必要に応じて、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどを添加することができる。これらの添加量は、水硬性アルミナ、炭酸リチウム及び炭酸カルシウム合計100質量%に対して5〜20質量%がよい。
【0017】
これらの材料は何れも粉末状であることと、固化材がそれら材料の混合物であることから、その調製に当たっては特別な機器、手段を必要とせず、ミキサー等公知の粉体混合用の機器を使った、公知の粉体混合方法が適用できる。更に好ましくは、これらの粉体の混合と粉砕をボールミル等公知の粉砕機で同時に行うことで、より固化特性に優れた混合物を得ることが出来る。
【0018】
本発明の固化材を使用して含水土壌の改良を行うに当たっては、土壌に余分な水を加えない点で、粉末状態で混合するのが望ましい。その際、一般に行なわれている改良プラントを用いて混合するプラント混合法やバックホウやスタビライザー等を用いる方法が効果的に適用できる。また、状況に応じて予めスラリー状態にした本発明の固化材を土壌に混合することも可能である。
【0019】
本発明の固化材の土壌に対する添加量は、一般に50〜350kg/m3の範囲で、目標強度、処理コスト等を考慮して選定する。固化材の添加量が少ないと強度が低下し、添加量が多いと処理コストが上昇する。また、汚染土壌の処理に使用する場合には、予め溶出試験等を行って適正な固化材添加量を選定するのが好ましい。更に、鉛等の重金属汚染土において溶出防止に最適なpH値、例えばpH10程度に調整するため、マグネシアを本発明の固化材に必要量加えることも可能である。その所要量は通常水硬性アルミナ、炭酸リチウム及び炭酸カルシウム合計100質量%に対して5〜20質量%である。
【0020】
本発明の固化材を、含水比100%以上の浚渫底泥や建設汚泥の脱水処理へ適用するに当たっては、脱水前の高含水土に本発明の固化材を添加・混合後、フィルタープレス等の公知の脱水機で脱水処理する。固化材の添加量は、一般に50〜200kg/t乾燥土の範囲で、ケーキ強度、処理コスト等を考慮して設定することになる。固化材の添加量が少ないと強度が低下し、添加量が多いと処理コストが上昇する。
【0021】
この場合、固化材の添加は脱水直前に行うのが望ましく、固化材と併用して、脱水速度を向上させる目的で従来公知のPAC(ポリ塩化アルミニウム)と消石灰を組合せた凝集剤、ポリアクリルアミド等の有機計の高分子凝集剤を併用添加しても良い。また、状況によっては炭酸リチウムがろ液側に流失し、十分な固化強度が得られない場合があるため、予め、炭酸リチウムを除いた本発明の固化材を添加・脱水した後、脱水ケーキに炭酸リチウムを添加・混合する方法を採用することも出来る。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明をさらに詳細に説明する。
(1)固化材の調製
固化材は、水硬性アルミナとして住化アルケム(株)製BK−105、炭酸リチウムとして本荘ケミカル(株)製工業品、炭酸カルシウムとして備北粉化工業(株)製ソフトン1200を所定割合で混合して調製した。
【0023】
(2)供試体の調製
(a)固化試験用:
上記(1)で調製した固化材の所定量を供試土壌に添加した後、ホバート型ミキサーで3分間混合して改良土壌を調製した。その後、地盤工学会基準JGS0821−2000あるいはセメント協会法L−01に則り、直径5cm×高さ10cmの成型体を得た。成型体は、温度20℃、湿度96%の恒温恒湿槽内で7日間養生して供試体を得た。
【0024】
(b)重金属溶出試験用:処理対象土として、含水量40質量%の粘性土に六価クロム、鉛、砒素、セレンの所定量を夫々添加した模擬汚染土を使用した以外は上記の(a)固化試験用と同じ方法で供試体を得た。
【0025】
(c)脱水・固化試験用:上記(1)で調整した固化材を所定量添加・混合した浚渫底泥を小型フィルタープレス(□400×15mm×9室(15リットル)、ポンプ圧力:0.4MPa、流量:0.8m3/hr)で脱水して得られた脱水ケーキを、温度20℃、湿度96%の恒温恒湿槽内で7日間養生して供試体を得た。また、この処理工程で発生する濾水も分析の対象とした。
【0026】
(3)改良土壌の評価:一軸圧縮試験
上記(2)の(a)で得られた供試体を、JISA−1216:1998に則り一軸圧縮試験を行った。一軸圧縮強さについては、既存のセメント系固化材と同等の強さを目標とした。
【0027】
(4)改良土壌の評価:pH測定
上記(2)で得られた改良土壌について材齢7日で、地盤工学会基準JGS0211−2000に則りpHを測定した。pH値については、一般に中性の指標とされる排水基準5.8〜8.6の範囲内に在ることを目標とした。
【0028】
(5)改良土壌の評価:重金属溶出量の測定
上記(2)の(b)で得られた改良土壌について材齢7日で、環告第46号の方法に則り溶出操作を行った後、六価クロム、鉛、砒素、セレン量を測定した。
【0029】
(6)改良土壌の評価:脱水時間および脱水ケーキのコーン指数の測定
脱水時間は、上記(2)の(c)による脱水終了時間を測定した。また、得られた脱水ケーキを解きほぐし、9.5mm篩を通した後、直径10cm、容量1リットルのモールドに締固め、JIS A1228に則った方法でコーン指数を測定した。コーン指数については、第3種改良土相当であるコーン指数400kN/m2以上を目標とした。
【0030】
(7)改良土壌の評価:有機物溶出量の測定
上記(2)の(c)で得られた濾水をJIS−K−0102 17にてCODを測定した。
【0031】
(8)濾布への目詰まり評価:目視観察
上記(2)の(c)の脱水操作を50回繰返し、その後、濾布を水で洗浄し、濾布の目詰まり状況を観察した。
【0032】
実施例1〜9、比較例1〜7
水硬性アルミナ、炭酸リチウムおよび炭酸カルシウムより成る固化材を調製し、含水比や土質の異なる4種の土壌を対象とした場合の固化試験結果を表1に示す。本発明の範囲に含まれる組成を有する固化材を用いた場合、材齢7日の固化改良土壌のpH値は何れも5.8〜8.6の中性領域であり、且つ、比較対象としたセメント系固化材である宇部三菱セメント(株)社製ユースタビラー10と同等の強度が得られた。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例10〜13
粘性土(a)に所定量の重金属を添加して作製した模擬汚染土に、水硬性アルミナ、炭酸リチウムおよび炭酸カルシウムより成る固化材を添加し、材齢7日で溶出試験を行った結果を表2に示す。本発明の範囲で水硬性アルミナ、炭酸リチウムおよび炭酸カルシウムの組成物を用いた改良土からの重金属溶出量は、いずれの重金属においても環境基準値以下であった。
【0035】
【表2】
【0036】
実施例14、比較例8,9
含水比400%の浚渫底泥に固化材を添加した後、機械脱水した場合の脱水時間、ケーキ強度、濾水COD、pH試験および目詰まりの目視観察結果を表3に示す。本発明の範囲の固化材は、セメント系固化材を添加した浚渫土と同等の脱水時間で目標とするコーン指数400kN/m2を満足し、且つ、濾水CODの測定値が未処理土と同等であることから、固化材添加による有機物の溶出はないことが確認された。また、繰返し脱水試験後の濾布付着物は水で簡単に除去されることから目詰まりがないことが確認された。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】
本発明の固化材を使用した改良土は、pH5.8〜8.6の中性を確保し、また、既存のセメント系固化材に匹敵する強度を有する。また、本発明の固化材は、重金属の溶出抑制方法にも適用できる他、含水比の高い浚渫土の脱水・固化処理手段としても利用できる。
Claims (4)
- 水硬性アルミナ85〜99質量%および炭酸リチウム1〜15質量%より成る含水土壌用中性固化材。
- 水硬性アルミナ65〜98質量%、炭酸リチウム1〜15質量%および炭酸カルシウム1〜20質量%より成る含水土壌用中性固化材。
- 請求項1または2記載の固化材を、対象土壌1m3当たり50〜350kg添加・混合して対象土壌を固化させる、重金属汚染土壌からの重金属溶出防止方法。
- 含水比100%以上の高含水土壌に請求項1または2記載の固化材を乾燥土1t当たり50〜200kg添加・混合した後、脱水機により脱水してケーキを得、土壌を固化させる、高含水土壌の脱水・固化処理方法。
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