JP2005015692A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Hideaki Sakamoto
英明 坂本
Kenji Fujii
賢治 藤井
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Abstract

【課題】難燃性が良く、耐衝撃性及び耐熱性をバランス良く具備する成形体が得られる難燃性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、(B)スチレン系樹脂と、(C)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(D)難燃剤を含有し、(D)難燃剤が(D−1)ポリリン酸メラミンと(D−2)リン酸エステル又はその縮合物とからなり、(D−1)成分と(D−2)成分の合計含有量が(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して1〜70質量部であり、(D−1)成分と(D−2)成分の比率(質量比)(D−1)/(D−2)が0.1〜10である難燃性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性樹脂組成物及びそれを成形して得られる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリエステルは、機械的特性、電気的特性、耐候性が優れているので幅広い分野で利用されているが、利用分野によっては、更に難燃性が要求されることがある。樹脂に難燃性を付与する方法としては、臭素系化合物に代表されるハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を配合する方法が知られているが、これらの方法では、燃焼時に難燃剤由来の有毒ガスが発生する恐れがある。
【0003】
ハロゲン系難燃剤の代替物として、有機リン酸エステルが難燃剤として使用されることがあるが、有機リン酸エステル系難燃剤では、ポリエステルに米国UL94規格のV−0に適合するような十分な難燃性を付与することは困難である。特開平10−298395号公報等に開示されている難燃剤としての赤燐は、難燃効果に優れているものの、ペレットや成形品の着色、取り扱いの悪さ、加工時に発生する難燃剤由来のガス等の問題がある。ポリリン酸アンモニウムに代表されるポリリン酸塩を用いた、いわゆるイントゥメッシェント(intumescent)系難燃剤は、高温における安定性が悪く、成形加工時に自らが分解したり、樹脂の分解を促進したりして、成形体の機械的強度を低下させるという問題がある。また、ポリリン酸塩が吸湿するため、成形品がべたつくという問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−298395号公報
【特許文献2】
特開2001−247751号公報
【特許文献3】
特開2003−147175号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、難燃性が良く、耐衝撃性及び耐熱性をバランス良く具備する成形体が得られる難燃性樹脂組成物及びそれから得られる成形体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、樹脂成分と難燃剤との組み合わせを選択し、更に前記難燃剤としてポリリン酸メラミンとリン酸エステルとを併用し、それらの合計含有量及び含有比率を特定範囲に設定することにより、難燃性の向上と共に、耐衝撃性及び耐熱性をバランス良く具備する成形体が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
本発明は、課題の解決手段として、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、(B)スチレン系樹脂と、(C)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(D)難燃剤としてポリリン酸メラミンを含有する難燃性樹脂組成物を提供する。
【0008】
本発明は、課題の他の解決手段として、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、(B)スチレン系樹脂と、(C)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(D)難燃剤を含有し、(D)難燃剤が(D−1)ポリリン酸メラミンと(D−2)リン酸エステル又はその縮合物とからなり、
(D−1)成分と(D−2)成分の合計含有量が(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して1〜70質量部であり、(D−1)成分と(D−2)成分の比率(質量比)(D−1)/(D−2)が0.1〜10である難燃性樹脂組成物を提供する。
【0009】
本発明は、他の課題の解決手段として、上記の難燃性樹脂組成物からなる成形体を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔(A)成分〕
(A)成分の熱可塑性ポリエステル系樹脂は、芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステルで、芳香族ジカルボン酸(又はエステル形成できる誘導体)とジオール(又はエステルを形成できる誘導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合体又は共重合体である。
【0011】
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸等のベンゼン核を有するジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のナフタレン核を有するジカルボン酸又はこれらのエステルを形成できる誘導体である。また、酸成分として、20モル%以下の芳香族ジカルボン酸を除くジカルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸)又はこれらのエステルを形成できる誘導体で置換してもよい。
【0012】
ジオール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等の脂肪族グリコール、1,4−ビス(2−オキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA等の芳香族のジオール又はこれらのエステルを形成できる誘導体である。
【0013】
(A)成分としては、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位、エチレンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位、エチレンナフタレート単位及びブチレンナフタレート単位から選ばれるものを含むホモポリマー又はコポリマーが好ましく、エチレンテレフタレート単位及び/又はブチレンテレフタレート単位を含むホモポリマー又はコポリマーがより好ましい。
【0014】
(A)成分は、極限粘度(オルトクロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定)が0.5〜1.6の範囲のものが好ましい。
【0015】
〔(B)成分〕
(B)成分のスチレン系樹脂は、スチレン系単量体の重合体、スチレン系単量体と他の単量体との共重合体であり、ゴム成分を含有しても良い。
【0016】
スチレン系単量体としては、スチレン、スチレン誘導体〔例えば、アルキルスチレン(例えば、o−,m−及びp−メチルスチレン、2,4ジメチルスチレン等のビニルトルエン類、エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン類)、α−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等)、ハロスチレン(例えば、o−,m−,及びp−クロロスチレン等)〕等が挙げられ、これらの中でもスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0017】
他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル〔(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸C〜C10アルキルエステル〕、ビニルエステル系単量体〔酢酸ビニル等〕、ヒドロキシル基含有単量体〔ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシC〜Cアルキル(メタ)アクリレート等〕、グリシジル基含有単量体〔グリシジル(メタ)アクリレート等〕、カルボキシル基含有単量体〔(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸等のα,β−不飽和カルボン酸〕、イミド系単量体〔マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等〕から選ばれる1又は2以上が挙げられ、これらの中でもシアン化ビニルが好ましい。
【0018】
スチレン系単量体とシアン化ビニルとの共重合体の場合、スチレン系単量体とシアン化ビニルとの使用割合(質量比)は、好ましくは90/10〜60/40、より好ましくは85/15〜65/35である。
【0019】
スチレン系単量体、シアン化ビニル及び他の単量体との共重合体の場合、他の単量体の使用量は、上記割合のスチレン系単量体とシアン化ビニルの合計量100質量部に対し、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは5〜25質量部である。
【0020】
(B)成分を、ゴムを含有するものにするときは、(B)成分中のゴム成分の含有量は、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは3〜60質量%、更に好ましくは10〜60質量%である。
【0021】
ゴム成分としては、様々なゴム質重合体(ブタジエンゴム、イソプレンゴム等のジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム等のスチレン−ジエン共重合ゴム(スチレンとジエン類のランダム又はブロック共重合体)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)等)から選ばれる1種以上の組合せが挙げられ、必要に応じてゴム成分は水添されていてもよい。これらの中でもジエン系ゴム(ブタジエンやイソプレン等の共役1,3−ジエンゴム又はその誘導体等)、ブタジエン系ゴム(ブタジエンゴム等のジエンゴム等)が好ましい。
【0022】
(B)成分がゴムを含む場合、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレングラフト共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−メタクリル酸メチル−スチレングラフト共重合体(ABSM樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレングラフト共重合体(AAS樹脂)、エチレン−酢酸ビニル−スチレン−アクリロニトリルグラフト共重合体等が挙げられる。
【0023】
(B)成分として、AS樹脂(アクリロニトリルとスチレンの共重合体)とABS樹脂を併用しても良いし、PS(ポリスチレンホモポリマー)とHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)を併用しても良い。
【0024】
〔(C)成分〕
(C)成分のポリフェニレンエーテル樹脂は、下記の単独重合体及び共重合体を挙げることができる。
【0025】
単独重合体としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−イソプロプル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられ、これらの中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましい。
【0026】
共重合体としては、フェニレンオキサイド単位を主たる構成単位とするものであり、前記の単独重合体を形成する単量体(例えば、2,6−ジメチルフェノール)と他のフェノール類との共重合体、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体を挙げることができる。
【0027】
〔(D)成分〕
(D)成分の難燃剤は、ポリリン酸メラミン単独使用、又はポリリン酸メラミンとリン酸エステル又はその縮合物との併用にすることができる。以下、ポリリン酸メラミン単独使用の場合も(D−1)成分として説明する。
【0028】
(D−1)成分のポリリン酸メラミンは、メラミン又はその縮合体のポリリン酸塩であり、ポリリン酸メラミン(特開2003−147175号公報の請求項6、段落18、19に記載のものを含む。)のほか、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレムも含まれる。
【0029】
(D−1)成分のポリリン酸メラミンの形態は特に制限されるものではないが、本発明では平均粒子径が、好ましくは0.5〜50μm未満、より好ましくは0.8〜15μm未満の粉末乃至は粒状のものが望ましい。
【0030】
(D−2)成分のリン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(o−又はp−フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、o−フェニルフェニルジクレジルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、テトラフェニル−m−フェニレンジホスフェート、テトラフェニル−p−フェニレンジホスフェート、フェニルレゾルシン・ポリホスフェート、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA・ポリフェニルホスフェート、ジピロカテコールハイポジホスフェート等を挙げることができる。
【0031】
その他にも、脂肪族−芳香族リン酸エステルとして、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、フェニルネオペンチルホスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジホスフェート、エチルピロカテコールホスフェート等の正リン酸エステル及びこれらの縮合物が挙げられる。
【0032】
(D−2)成分がリン酸エステルの縮合物であるとき、下記一般式(I)で表される芳香族リン酸エステルが挙げられる。
【0033】
【化1】
Figure 2005015692
【0034】
〔式中、R、R、R及びRは、それぞれ互いに独立した置換又は非置換の炭素数6〜30の芳香族基を示し、Xは置換又は非置換の炭素数6〜25のアリーレン基を示し、nは整数を示し、平均値は0〜5.0である。なお、nの平均値は、Σnixi/Σxi(式中、niは一般式(I)中のi番目のホスフェート分子のn値を示し、xiはi番目のホスフェート分子の重量分率を示す)で定義される。〕
置換又は非置換の炭素数6〜30の芳香族基であるR、R、R及びRとしては、下記のものが挙げられる。
【0035】
【化2】
Figure 2005015692
【0036】
置換又は非置換の炭素数6〜25のアリーレン基Xとしては、下記のものが挙げられる。
【0037】
【化3】
Figure 2005015692
【0038】
一般式(I)で表される芳香族リン酸エステルとしては、ヒドロキシル基で置換された芳香族基を有するものが挙げられる。このような芳香族リン酸エステルとしては、トリクレジルホスフェートやトリフェニルホスフェートに1又2個以上のヒドロキシル基を有するもの挙げられ、例えば、レゾルシノルジフェニルホスフェート、ビスフェノールAジフェニルホスフェート等が好ましい。
【0039】
本発明の組成物における(A)、(B)、(C)及び(D)成分の含有量は次のとおりである。
【0040】
(A)成分は、(A)及び(B)成分の合計量中、好ましくは99〜20質量%、より好ましくは99〜50質量%、更に好ましくは99〜70質量%である。
【0041】
(B)成分は、(A)及び(B)成分の合計量中、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは3〜30質量%である。
【0042】
(C)成分は、(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは3〜60質量部、より好ましくは10〜60質量部、更に好ましくは10〜40質量部である。
【0043】
(D)成分として(D−1)成分のポリリン酸メラミンを単独使用する場合の含有量は、(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは1〜70質量部、より好ましくは5〜60質量部、更に好ましくは10〜60質量部である。
【0044】
(D)成分として(D−1)成分と(D−2)成分を併用する場合の合計含有量は、(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して、1〜70質量部、好ましくは5〜60質量部、より好ましくは10〜60質量部である。
【0045】
(D−1)成分と(D−2)成分の含有比率(D−1)/(D−2)(質量比)は、本発明の課題を解決するため、0.1〜10、好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.1〜3未満である。
【0046】
〔その他の成分〕
本発明では、(E)成分として、金属酸化物、金属水酸化物、硼素含有化合物、金属炭酸塩及びフッ素含有化合物から選ばれる1又は2以上の難燃助剤を含有してもよい。
【0047】
(E)成分の難燃助剤としては、フェロセン等の有機金属錯体化合物、水酸化コバルト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、硼酸マグネシウム、硼酸カルシウムマグネシウム等の硼酸アルカリ土類金属塩、硼酸マンガン、硼酸亜鉛、メタ硼酸亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナ三水和物、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化コバルト、酸化亜鉛等の金属酸化物類、ゼオライト等のアルミノケイ酸塩、シリカチタニア等の珪酸塩型固体酸、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等の金属リン酸塩、ハイドロタルサイト、カオリナイト、セリサイト、パイロフィライト、ベントナイト、タルク等の粘土鉱物類、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0048】
(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.01〜3質量部である。
【0049】
本発明では、(F)成分として、充填材を含有してもよい。(F)成分の充填材は、繊維、フレーク、板、粒状等の一般的に熱可塑樹脂の強化のために用いられるものが好ましい。(F)成分の充填材としては、ガラス、炭素、珪素含有化合物、チタン酸カリウム等の金属化合物、合成樹脂、セルロースファイバー等の有機系のものを用いることができ、無機系充填材の場合、樹脂成分との接着性を向上させるため、シラン、エポキシ、アクリル、チタン酸塩カップリング剤等で表面処理することが好ましい。
【0050】
(F)成分は、(A)〜(E)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは0.5〜100質量部、より好ましくは1〜70質量部、更に好ましくは10〜70質量部である。
【0051】
本発明の組成物には、その他の成分として、熱、光又は酸素に対する安定化剤(フェノール系化合物、リン系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン化合物、サリチル酸フェニル化合物等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系安定剤やスズ化合物、エポキシ化合物等の熱安定化剤等)、結晶核剤、可塑剤、ポリジメチルシロキサン等の摺動性改良剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等を配合することができる。
【0052】
本発明の組成物は、バンバリーミキサー、オープンロール、ニーダー、一軸や多軸押出し機等の溶融混練装置を用いて混練したり、ヘンシェルミキサー、タンブラー混合器等で混合後、前記溶融混練装置で混練したりして得ることができる。
【0053】
本発明の成形体は、射出成形、押出成形等の周知の成形法を適用し、所望形状に成形して得ることができる。
【0054】
【実施例】
実施例、比較例においては、以下の各成分を使用した。また、実施例、比較例においては、以下の各測定方法により測定した。
【0055】
1.使用成分
(A)成分
PET:三菱レイヨン社製のポリエチレンテレフタレート,ダイヤナイトMA−521H
PBT:ポリプラスチックス社製のポリブチレンテレフタレート,ジュラネックス2000
(B)成分
ABS:ダイセルポリマー社製,セビアン−V 500SF
AS:ダイセルポリマー社製,セビアン−N 050SF
PS:東洋スチレン社製のポリスチレンホモポリマー,トーヨースチロールHRM13N
(C)成分
PPE:三菱エンジニアリングプラスチック社製,YPX100F
(D−1)成分
ポリリン酸メラミン:DSM社製,Melapur200
(D−2)成分
縮合リン酸エステル:大八化学社製,PX200
(その他)
ガラス繊維:日本電気硝子社製,ECS03T−120H
(シャルピー衝撃強さ)
ISO179に基づくノッチ付シャルピー衝撃強度試験を行った。
【0056】
(耐熱性試験)
ISO75に基づく荷重たわみ温度(HDT)(アニールなし;1.8MPa)を測定して評価した。
【0057】
(難燃性)
UL−94規格に基づく垂直燃焼試験を行い、1/32インチの厚みを持つ射出成形品を使用し、評価した。
【0058】
試料を10秒間2回火炎中に保持し、火炎を除去したときに火が消えるまでの時間を各回ごとに測定した。V−0の評価は次の(a)〜(e)の要求事項を満たしている。(a)いずれの試験片も、10秒より長く燃焼することがない、(b)5つの試験片の各組に対して10回の燃焼時間の合計が50秒を越えない、(c)いずれの試験片も支持クランプにまで達する燃焼を伴って燃焼することがない、(d)いずれの試験片も、試験片の下12インチに置かれた外科用脱脂綿を発火させるような火炎粒子を滴下させない、(e)いずれの試験片も、試験炎の2回目の除去後30秒間を越えて持続する白熱燃焼をともなわない。
【0059】
実施例1〜10、比較例1〜5
表1に示した配合割合〔(A)及び(B)成分は質量%、(C)成分、(D)成分及びガラス繊維は(A)及び(B)成分の合計100質量部に対する質量部表示〕で、タンブラーを使ってガラス繊維以外を混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製,TEX30α)を用いて溶融混練し、ペレット化した。シリンダー温度は280℃(最高値)とし、またガラス繊維は、押出機途中のサイドフィードから投入、混合した。得られたペレットを、シリンダー温度280℃、金型温度50℃で射出成形し、得られた成形品について各評価を行った。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 2005015692
【0061】
実施例は、衝撃強さ、耐熱性及び難燃性の全てをバランス良く具備していた。一方、比較例1〜3は、(D−1)成分と(D−2)成分の比率又は合計含有量を満たしていないので、1つ又は2つの試験項目で劣っており、比較例5は、(D)成分についての要件を満たしているが、(B)成分を含んでいないので耐熱性が劣っていた。
【0062】
【発明の効果】
本発明の難燃性樹脂組成物から得られる成形体は、耐衝撃性、耐熱性及び難燃性の全てがバランス良く具備されている。

Claims (5)

  1. (A)熱可塑性ポリエステル樹脂、(B)スチレン系樹脂と、(C)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(D)難燃剤としてポリリン酸メラミンを含有する難燃性樹脂組成物。
  2. (A)熱可塑性ポリエステル樹脂、(B)スチレン系樹脂と、(C)ポリフェニレンエーテル系樹脂及び(D)難燃剤を含有し、
    (D)難燃剤が(D−1)ポリリン酸メラミンと(D−2)リン酸エステル又はその縮合物とからなり、
    (D−1)成分と(D−2)成分の合計含有量が(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して1〜70質量部であり、(D−1)成分と(D−2)成分の比率(質量比)(D−1)/(D−2)が0.1〜10である難燃性樹脂組成物。
  3. (A)及び(B)成分の合計量中、(A)成分の含有量が99〜20質量%で、(B)成分の含有量が1〜80質量%であり、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して、(C)成分の含有量が3〜60質量部である、請求項1又は2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. (D−1)/(D−2)(質量比)が3未満である、請求項2又は3記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物からなる成形体。
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CN102207612A (zh) * 2010-03-29 2011-10-05 成都易生玄科技有限公司 折射、反射缩聚镜为主体的集成聚光方法
JP4869255B2 (ja) * 2005-03-28 2012-02-08 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ 難燃性熱可塑性樹脂組成物及びそれを含んでなる物品
CN112321900A (zh) * 2020-11-23 2021-02-05 浙江长安仁恒科技股份有限公司 一种阻燃剂用膨润土及其制备方法

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