JP2005015592A - 型内発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂発泡粒子を成形型内に入れ,該成形型内に加熱水蒸気を導入して上記熱可塑性樹脂発泡粒子を互いに融着させて型内発泡成形体を製造する方法である。熱可塑性樹脂発泡粒子1は,結晶性の熱可塑性樹脂よりなる発泡状態の芯層11と,該芯層の熱可塑性樹脂よりも融点が低いか又は実質的に融点を示さないオレフィン系重合体よりなる被覆層12とからなる。熱可塑性樹脂発泡粒子1の内圧をP1[MPa],成形型内における加熱水蒸気の圧力をP2[MPa]とした場合に,上記P1と上記P2は下記の式(1)を満足する。
P2≦P1 ・・・・(1)
【選択図】 図1
Description
【技術分野】
本発明は,粒子間の間隙の数が非常に少なく外観の綺麗な型内発泡成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
熱可塑性樹脂発泡粒子を成形して得られる型内発泡成形体は,独立気泡構造に基づく低い熱伝導率を有する。そのため,断熱材,緩衝材,芯材等として広く用いられている。上記型内発泡成形体は,上記熱可塑性樹脂発泡粒子を成形型内で互いに加熱融着させることにより,製造することができる。
【0003】
上記熱可塑性発泡粒子から型内発泡成形体を得る方法としては,例えば揮発性発泡剤や無機ガスで予め発泡粒子を処理して発泡粒子の二次発泡力を高め,次いで,その二次発泡力を保持しつつ大気圧又は減圧下の金型キャビティーに充填した後,キャビティー内に熱媒を導入して加熱融着させる加熱熟成法がある(特許文献1参照)。
【0004】
また,特殊な条件にて得られる二次発泡力の高い発泡樹脂粒子を使用して大気圧又は減圧下の金型よりなるキャビティー内へ発泡粒子を充填し,次いでキャビティー内にスチーム等の熱媒を導入して加熱融着させる常圧充填法等が開発されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭51−22951号公報
【特許文献2】
特公平6−49795号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の方法のように,発泡粒子の内圧を高くすると,発泡粒子の融着性が悪くなり,得られた型内発泡成形体の粒子間に間隙が発生し,外観が劣化してしまうおそれがある。そのため,この発泡粒子の融着性を向上させるために,成形時に高圧のスチームで加熱する必要があった。ところが,この場合には加熱オーバーによる収縮が発生し易くなり,外観の優れた型内発泡成形体を得ることが困難になるという問題があった。
【0007】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,発泡粒子間の融着性に優れ,外観に優れた型内発泡成形体の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
本発明は,熱可塑性樹脂発泡粒子を成形型内に入れ,該成形型内に加熱水蒸気を導入して上記熱可塑性樹脂発泡粒子を互いに融着させて型内発泡成形体を製造する方法において,
上記熱可塑性樹脂発泡粒子は,結晶性の熱可塑性樹脂よりなる発泡状態の芯層と,該芯層の熱可塑性樹脂よりも融点が低いか又は実質的に融点を示さないオレフィン系重合体よりなる被覆層とからなり,
上記熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧をP1[MPa],上記成形型内における上記加熱水蒸気の圧力をP2[MPa]とした場合に,上記P1と上記P2は下記の式(1)を満足することを特徴とする型内発泡成形体の製造方法にある(請求項1)。
P2≦P1 ・・・・(1)
【0009】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の型内発泡成形体の製造方法においては,上記熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧をP1[MPa],上記成形型内における上記加熱水蒸気の圧力をP2[MPa]とすると,P2≦P1となるような圧力条件下で成形を行っている。
そのため,成形時に上記加熱水蒸気の圧力により,上記熱可塑性樹脂発泡粒子がつぶされて収縮することがなく,外観の優れた型内発泡成形体を得ることができる。
【0010】
また,本発明において,上記熱可塑性樹脂発泡粒子は,熱可塑性樹脂よりなる発泡状態の芯層と,芯層の熱可塑性樹脂よりも融点が低いか又は実質的に融点を示さないオレフィン系重合体よりなる被覆層とからなっている。
そのため,上記熱可塑性樹脂発泡粒子は,その内圧P1[MPa]以下という圧力条件下で,互いに容易に融着することができる。それ故,上記熱可塑性樹脂発泡粒子は,成形型内で充分に融着し,上記型内発泡成形体の粒子間に例えば0.5mm以上という大きな間隙はほとんど発生しない。そのため,外観に優れた型内発泡成形体を作製することができる。
【0011】
このように,本発明によれば,発泡粒子間の融着性に優れ,外観に優れた型内発泡成形体の製造方法を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明(請求項1)においては,上記熱可塑性樹脂発泡粒子を成形型内に導入し,加熱水蒸気を導入して型内発泡成形体を成形する。このとき,上記熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧をP1[MPa],上記成形型内における上記加熱水蒸気の圧力をP2[MPa]とした場合に,P1とP2は,P2≦P1という関係を満足する。
P2>P1の場合には,上記加熱水蒸気の圧力で,上記熱可塑性樹脂発泡粒子がつぶされて収縮し,その結果,外観に優れた型内発泡成形体を得ることができないおそれがある。
【0013】
上記熱可塑性樹脂発泡粒子は,結晶性の熱可塑性樹脂よりなる発泡状態の芯層と,芯層の熱可塑性樹脂よりも融点が低いか又は実質的に融点を示さない被覆層とから形成される複合体構造を有する。
上記芯層の上記熱可塑性樹脂には,必要に応じて他のポリマー成分や添加剤等を混合することができる。
【0014】
上記の他のポリマー成分としては,例えば高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,エチレンとα−オレフィン(炭素数4以上)の共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂;ポリブテン樹脂;エチレン−プロピレン系ゴム;エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム;スチレン−ジエンブロック共重合体やスチレン−ジエンブロック共重合体のエチレン系二重結合の少なくとも一部を水素添加により飽和してなる水素添加ブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー;これら樹脂,エラストマー或いはゴムのアクリル酸系モノマーによるグラフト変成体等が挙げられる。
本発明ではこれら樹脂,エラストマー,ゴム或いはそれら変成物を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
上記添加剤としては,発泡核剤,着色剤,帯電防止剤,滑剤等の各種の添加剤を添加することができる。これらは,通常,後述する溶融混練の際に一緒に添加されて樹脂粒子中に含有される。
上記発泡核剤としては,タルク,炭酸カルシウム,シリカ,酸化チタン,石膏,ゼオライト,ホウ砂,ホウ酸亜鉛,水酸化アルミニウム等の無機化合物の他,カーボン,リン酸系核剤,フェノール系核剤,アミン系核剤等の有機系核剤が挙げられる。これら各種添加剤の添加量は,その添加目的により異なるが,上記熱可塑性樹脂100重量部に対して15重量部以下であり,好ましくは8重量部以下,更には5重量部以下が最も好ましい。
【0016】
また,本発明において,上記芯層用の熱可塑性樹脂を混合するとき,及び該熱可塑性樹脂へ上記その他の成分を混合するときには,液体と固体との混合あるいは固体同士の混合により行うこともできるが,一般には溶融混練が利用される。
即ち,例えばロール,スクリュー,バンバリーミキサー,ニーダー,ブレンダー,ミル等の各種混練機を使って,上記熱可塑性樹脂を,または上記熱可塑性樹脂とその他の成分等とを,所望の温度で混練し,混練後は,発泡粒子の製造に適した大きさの樹脂粒子に成形することができる。
【0017】
本発明において,上記熱可塑性樹脂発泡粒子の原料は,芯層と被覆層とからなる複合体粒子である。
かかる複合体粒子の具体的製造方法としては,例えば次のような各方法が使用できる。
例えば,特公昭41−16125号公報,同43−23858号公報,同44−29522号公報,特開昭60−185816号公報等に記載の鞘芯型複合ダイが使用される。
【0018】
この場合に,2軸押出機を使用することができ,一方の押出機で芯層を形成する熱可塑性樹脂を溶融混練し,他方の押出機で被覆層を構成する樹脂を溶融混練した後,ダイで芯層と被覆層からなる鞘芯型の複合体を紐状に吐出する。
しかる後に,引き取り機を備えた切断機で規定の重量又は大きさに切断し芯層と被覆層とからなる柱状ペレット状の樹脂粒子を得ることができる。
【0019】
また,一般に,樹脂粒子1個の重量が0.1〜20mgであればこれを加熱発泡させて得られる発泡粒子の製造に支障はない。樹脂粒子1個の重量が0.2〜10mgの範囲にあって,更に粒子間の重量のばらつきが小さい場合には,発泡粒子の製造が容易になり,得られる発泡粒子の密度ばらつきも小さくなり,成形型内等への発泡粒子の充填性が良好となる。
【0020】
上記樹脂粒子から発泡粒子を得る方法としては,上記のようにして作製した樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸した後,加熱発泡する方法,具体的には,例えば,特公昭49−2183号公報,同56−1344号公報,西ドイツ特開第1285722号公報,同第2107683号公報などに記載の方法を使用することができる。
【0021】
芯層と被覆層とからなる樹脂粒子に発泡剤を含浸した後,加熱発泡させる場合には,密閉し開放できる圧力容器に揮発性発泡剤と共に樹脂粒子を入れ,芯層の樹脂の軟化温度以上に加熱して,樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させることができる。
その後,密閉容器内の内容物を密閉容器から低圧の雰囲気に放出した後,乾燥処理する。これにより,発泡粒子(熱可塑性樹脂発泡粒子)を得ることができる。
【0022】
上記揮発性発泡剤としては,プロパン,ブタン,イソブタン,ペンタン,シクロペンタン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類や,トリクロロフルオロメタン,ジクロロジフルオロメタン,テトラクロロジフルオロエタン,ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類を挙げることができる。また,窒素,空気,二酸化炭素等の無機ガス類を用いることもできる。これらは単独で,または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0023】
尚,上記の発泡粒子を製造する方法においては,芯層と被覆層とからなる樹脂粒子中に予め分解型発泡剤を練り込んでおけば圧力容器中に発泡剤を配合しなくとも,上記発泡粒子を得ることが可能である。
上記分解型発泡剤としては,樹脂粒子の発泡温度で分解してガスを発生するものであれば使用することができる。具体的には,たとえば重炭酸ナトリウム,炭酸アンモニウム,アジド化合物,アゾ化合物等が挙げられる。
【0024】
また,加熱発泡時には,樹脂粒子の分散媒として,水,アルコールなどを使用することが好ましい。更に樹脂粒子が分散媒に均一に分散させるために,酸化アルミニウム,第三リン酸カルシウム,ピロリン酸マグネシウム,酸化亜鉛,カオリンなどの難水溶性の無機物質,ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコール,メチルセルロースなどの水溶性高分子系保護コロイド剤,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤を単独または2種以上混合して使用することができる。
【0025】
低圧の雰囲気に樹脂粒子を放出する際には,当該放出を容易にするため,前記と同様な無機ガス又は揮発性発泡剤を外部より密閉容器に導入することにより密閉容器内の圧力を一定に保持することが好ましい。
【0026】
次に,上記熱可塑性樹脂発泡粒子は,これを加熱して二次発泡せしめるとともに相互に融着せしめた後に冷却することにより,成形することができる。
この場合には,様々な条件の成形型等が使用される。
【0027】
また,上記型内発泡成形体には,必要に応じてフィルムをラミネートすることができる。ラミネートするフィルムは特に制限が無く,例えば,OPS(2軸延伸ポリスチレンシート),耐熱OPS,HIPSなどのポリスチレン系樹脂フィルム,CPP(無延伸ポリプロピレンフィルム),OPP(2軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリプロピレン系樹脂のフィルムあるいはポリエチレン系樹脂フィルム,ポリエステル系樹脂フィルム等が用いられる。
【0028】
また,ラミネートするフィルムの厚さには制限はないが,通常は15μm〜150μmのフィルムが用いられる。これらのフィルムには必要に応じて印刷が施されてもよい。また,ラミネートを行う場合,熱可塑性樹脂発泡粒子の加熱融着成形と同時に行ってもよい。また,一旦成形した型内発泡成形体にラミネートを行ってもよい。尚,必要に応じてホットメルト系の接着剤を用いてラミネーションを行うこともできる。
【0029】
次に,本発明において,上記被覆層は,芯層の熱可塑性樹脂よりも融点が低いか又は実質的に融点を示さないオレフィン系重合体よりなる。
上記熱可塑性樹脂として例えばプロピレン系重合体を用いる場合には,上記熱可塑性樹脂よりも融点が低いオレフィン系重合体としては,例えば,高圧法低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,直鎖状超低密度ポリエチレンの他,酢酸ビニル,不飽和カルボン酸,不飽和カルボン酸エステル等とエチレンとの共重合体や,プロピレンとエチレンやα−オレフィン類との共重合体等を用いることができる。
【0030】
上記の実質的に融点を示さないオレフィン系重合体としては,例えばエチレン・プロピレンゴム,エチレン・プロピレン・ジエンゴム,エチレン・アクリルゴム,塩素化ポリエチレンゴム,クロロスルホン化ポリエチレンゴム等のゴムやエラストマーが挙げられる。また,これらのゴムやエラストマーは,単独使用の他,2種以上の組成物として使用することができる。
【0031】
次に,上記芯層の熱可塑性樹脂は,上記要件(a)〜(c)を満足するプロピレン系重合体であることが好ましい(請求項2)。
この場合には,上記熱可塑性樹脂発泡粒子の融着性が一層向上し,表面外観により優れた型内発泡成形体を得ることができる。
【0032】
以下,上記要件(a)〜(c)について,説明する。
まず,上記要件(a)は,プロピレンから得られる構造単位が100〜85モル%,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位が0〜15モル%存在することにある。ここで,プロピレンから得られる構造単位と,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位との合計量は,100モル%である。
したがって,上記要件(a)を満足するプロピレン系重合体としては,プロピレン単独重合体(100モル%)よりなるもの,あるいはプロピレンと,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体よりなるものがある。
【0033】
上記プロピレンと共重合されるコモノマーのエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンとしては,具体的には,エチレン,1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,1−オクテン,4−メチル−1−ブテン等を挙げることができる。
【0034】
また,上記芯層の熱可塑性樹脂として上記プロピレン系重合体を用いる場合には,従来チーグラー/ナッタ触媒においては重合が困難であったモノマーをプロピレンとの共重合に用いて得られるプロピレン系重合体をも,上記芯層の熱可塑性樹脂として用いることもできる。
【0035】
こうしたモノマーとしては,例えば,シクロペンテン,ノルボルネン,1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,8,8a,5−オクタヒドロナフタレン等の環状オレフィン,5−メチル−1,4−ヘキサジエン,7−メチル−1,6−オクタジエン等の非共役ジエン,スチレン,ジビニルベンゼン等の芳香族不飽和化合物などの一種又は二種以上を挙げることができる。
【0036】
また,上記要件(a)においては,上記したように,プロピレン系重合体中のプロピレンから得られる構造単位を100モル%〜85モル%含有し,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位を0〜15モル%含有していることが必要である。
【0037】
コモノマーの構造単位が上記範囲を外れる場合には,上記プロピレン系重合体の曲げ強度及び引張強度等の機械的物性が大きく低下するおそれがある。そして,上記プロピレン系重合体を上記芯層に用いて上記熱可塑性樹脂発泡粒子を作製すると,その気泡径が不均一になってしまうおそれがある。そのため,該熱可塑性樹脂発泡粒子を成形して得られる上記型内発泡成形体の表面外観が低下するおそれがある。
【0038】
また,上記要件(a)の上記プロピレン系重合体においては,特に,プロピレンから得られる構造単位が85〜95モル%,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位が5〜15モル%存在することがより好ましい(ただし,プロピレンから得られる構造単位と,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位との合計量は100モル%である)。
【0039】
この場合には,上記のように,プロピレンから得られる構造単位と,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位とが,必須成分となる。
そして,このようなプロピレン系重合体を上記芯層の熱可塑性樹脂として含有する上記熱可塑性樹脂発泡粒子を成形した場合には,上記型内発泡成形体の表面外観を一層向上させることができる。
【0040】
また,上記要件(a)の上記プロピレン系重合体においては,プロピレンから得られる構造単位を100モル%にすることができる。
この場合には,上記プロピレン系重合体は,所謂プロピレン単独重合体となる。そして,このようなプロピレン系重合体を上記芯層の熱可塑性樹脂として含有する上記熱可塑性樹脂発泡粒子を成形した場合には,圧縮強度及び引張強度等の機械的物性に優れた型内発泡成形体を得ることができる。
【0041】
次に,上記要件(b)は,13C−NMRで測定した全プロピレン挿入中のプロピレンモノマー単位の2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5〜2.0%であり,かつプロピレンモノマー単位の1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.005〜0.4%であることにある。
この要件(b)はプロピレン系重合体の位置不規則単位の割合に関するものであり,かかる不規則単位は,プロピレン系重合体の結晶性を低下させる作用を有し,発泡適性を高める効果を示す。
【0042】
上記2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5%未満の場合,または上記1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.005%未満の場合には,上記熱可塑性樹脂発泡粒子の気泡径が不均一になるおそれがある。
【0043】
一方,上記2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が2.0%を越える場合,または上記1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.4%を越える場合には,上記型内発泡成形体の曲げ強度及び引張強度等の機械的物性が低下するおそれがある。
【0044】
ここで,上記した要件(a)にある,プロピレン系重合体中のプロピレンから得られる構造単位の分率やエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位の分率,また,上記要件(b)にある,2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合や上記1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合,また,後述するアイソタクチックトリアッド分率(以下適宜,mm分率という)は,13C−NMR法を用いて測定される値である。
【0045】
13C−NMRスペクトルの測定法は,例えば下記の通りである。
即ち,直径10mmφのNMR用サンプル管内に,350〜500mg程度の試料を入れ,溶媒としてo−ジクロロベンゼン約2.0ml及びロック用に重水素化ベンゼン約0.5mlを用いて完全に溶解させた後,130℃にてプロトン完全デカップル条件下に測定した。
【0046】
測定条件としては,フリップアングル65deg,パルス間隔 5T1以上(但し,T1はメチル基のスピン格子緩和時間の内の最長の値)を選択した。プロピレン系重合体においては,メチレン基及びメチン基のスピン格子緩和時間はメチル基のそれよりも短いため,この測定条件では全ての炭素の磁化の回復は99%以上である。
なお,13C−NMR法での位置不規則単位の検出感度は,通常0.01%程度であるが,積算回数を増加することにより,これを高めることが可能である。
【0047】
また,上記測定におけるケミカルシフトは,頭−尾結合しておりメチル分岐の方向が同一であるプロピレン単位5連鎖の第3単位目のメチル基のピークを21.8ppmとして設定し,このピークを基準として他の炭素ピークのケミカルシフトを設定した。
【0048】
この基準を用いると,下記式[化1]中のPPP[mm]で示されるプロピレン単位3連鎖中の第2単位目のメチル基に基づくピークは21.3〜22.2ppmの範囲に,PPP[mr]で示されるプロピレン単位3連鎖中の第2単位目のメチル基に基づくピークは20.5〜21.3ppmの範囲に,PPP[rr]で示されるプロピレン単位3連鎖中の第2単位目のメチル基に基づくピークは19.7〜20.5ppmの範囲に現れる。
【0049】
ここで,PPP[mm],PPP[mr],及びPPP[rr]はそれぞれ下記の式[化1]のように示される。
【0050】
【化1】
【0051】
さらに,上記芯層の熱可塑性樹脂として用いる上記プロピレン系重合体は,プロピレンの2,1−挿入及び1,3−挿入に基づく位置不規則単位を含む下記の式[化2]の部分構造(Ι)及び(ΙΙ)を特定量含有するものである。
【0052】
【化2】
【0053】
この様な部分構造は,例えばメタロセン系触媒を用いて重合反応を行った場合に,プロピレン系重合体の重合時に発生する位置不規則性により生ずると考えられている。
即ち,プロピレンモノマーは,通常,メチレン側が触媒中の金属成分と結合する方式,すなわち,いわゆる「1,2−挿入」にて反応するが,希には,「2,1−挿入」や「1,3−挿入」を起こすことがある。「2,1−挿入」は,「1,2−挿入」とは付加方向が逆となる反応形式であり,ポリマー鎖中に上記の部分構造(Ι)で表される構造単位を形成する。
【0054】
また,「1,3−挿入」とは,プロピレンモノマーのC−1とC−3とでポリマー鎖中に取り込まれるものであり,その結果として直鎖状の構造単位,すなわち上記の式[化2]の部分構造(ΙΙ)を生ずるものである。
【0055】
上記プロピレン系重合体の全ポリマー連鎖中のmm分率は,次の[数1]式で表される。ところで,部分構造(ΙΙ)では,1,3−挿入の結果として,プロピレンモノマーに由来するメチル基が1個相当分だけ消失している。
【0056】
【数1】
【0057】
この式において,ΣΙCH3は全メチル基(ケミカルシフトの19〜22ppmのピーク全て)の面積を示す。また,A▲1▼,A▲2▼,A▲3▼,A▲4▼,A▲5▼,A▲6▼,A▲7▼,A▲8▼及びA▲9▼は,それぞれ,42.3ppm,35.9ppm,38.6ppm,30.6ppm,36.0ppm,31.5ppm,31.0ppm,37.2ppm,27.4ppmのピークの面積であり,上記式[化2]における部分構造(Ι)及び(ΙΙ)で示した炭素の存在量比を示す。
また,全プロピレン挿入に対する2,1−挿入したプロピレンの割合,及び1,3−挿入したプロピレンの割合は,下記の式で計算した。
【0058】
【数2】
【0059】
次に,上記要件(c)は,上記プロピレン系重合体を,フィルムに成形した場合の水蒸気透過度と融点との関係を示している。
即ち,上記要件(c)は,示差走査熱量計にて30℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温して得られる吸熱曲線のピーク温度である融点をTm[℃],フィルムにしたときの水蒸気透過度をY[g/m2/24hr]とした場合に,TmとYとが下記の式(2)を満足することにある。
(−0.20)・Tm+35≦Y≦(−0.33)・Tm+60・・・(2)
【0060】
上記水蒸気透過度は,JIS K7129「プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法」により測定することができる。
上記プロピレン系重合体の水蒸気透過度の値Yが,上記式(1)の範囲にある場合には,上記熱可塑性樹脂発泡粒子を用いて,気泡径が極めて均一な型内発泡成形体を得ることができる。また,上記型内発泡成形体は,表面外観や機械的物性に一層優れたものとなる。
【0061】
水蒸気透過度の値Yが,上記式(2)の範囲から外れる場合には,上記プロピレン系重合体の機械的物性が低下するおそれがある。そして,このプロピレン系重合体を上記芯層の基材樹脂として用いた上記熱可塑性樹脂発泡粒子は,その気泡径が不均一となり,該熱可塑性樹脂発泡粒子を用いて得られる上記型内発泡成形体の機械的物性が低下するおそれがある。
【0062】
この理由は定かではないが,気泡径の均一さには発泡剤を加温加圧下に含浸し,低圧雰囲気に放出して発泡粒子を製造する際の,発泡剤の浸透及び逃散のバランスが関与し,融点(Tma)と水蒸気透過度(Y)とが上記式(2)の関係を満たす様なプロピレン系重合体を上記芯層の熱可塑性樹脂発泡粒子として用いた場合には,このバランスが好適となるものと推定される。
【0063】
上記の要件(a)〜(c)を満たすプロピレン系重合体は,例えばいわゆるメタロセン系触媒を用いて得ることができる。
【0064】
また,上記プロピレン系重合体は,頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部における13C−NMRで測定したアイソタクチックトリアッド分率が97%以上であることが好ましい。
上記のアイソタクチックトリアッド分率が97%未満の場合には,上記熱可塑性樹脂発泡粒子の気泡径が不均一になるおそれがある。また,上記型内発泡成形体の機械的強度が低下するおそれがある。
【0065】
次に,上記加熱水蒸気を導入して上記熱可塑性樹脂発泡粒子を成形する時の上記加熱蒸気の温度をT[℃]とし,上記被覆層のオレフィン系重合体の融点Tm2[℃]とした場合に,T,Tm2,及び上記芯層の熱可塑性樹脂の融点Tmは,下記の式(3)を満足することが好ましい(請求項3)。
Tm−20≦T≦Tm,T≧Tm2 ・・・・(3)
【0066】
T<Tm−20の場合には,上記型内発泡成形体の製造時に上記芯層が充分に軟化せず,充分な発泡力を発揮できず,表面外観に優れた型内発泡成形体を得ることができないおそれがある。T>Tmの場合には,加熱過多による型内発泡成形体の熱収縮がおこり,表面外観が劣化するおそれがある。また,T<Tm2の場合には,上記被覆層が充分に溶融せず融着性がわるくなるおそれがある。
【0067】
【実施例】
次に,本発明の実施例につき説明する。
[熱可塑性樹脂の製造]
上記熱可塑性樹脂発泡粒子の芯層を形成する熱可塑性樹脂は,次の製造例1及び2に示す方法により合成した。
【0068】
製造例1(プロピレン単独重合)
(i)[ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド]の合成
以下の反応は全て不活性ガス雰囲気で行い,また,反応には予め乾燥精製した溶媒を用いた。
【0069】
(a)ラセミ・メソ混合物の合成
特開昭62−207232号公報に記載の方法に従って合成した2−メチルアズレン2.22gをヘキサン30mLに溶解し,フェニルリチウムのシクロヘキサン−ジエチルエーテル溶液15.6mL(1.0当量)を0℃にて少量ずつ添加した。
この溶液を室温で1時間撹拌した後,−78℃に冷却し,テトラヒドロフラン30mLを加えた。
【0070】
次いで,ジメチルジクロロシラン0.95mLを加えた後,室温まで昇温し,更に50℃で90分間加熱した。この後,塩化アンモニウム飽和水溶液を加え,有機層を分離後,硫酸ナトリウムで乾燥し,溶媒を減圧下に留去した。
【0071】
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−:ジクロロメタン=5:1)で精製することにより,ビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)ジメチルシラン1.48gを得た。
上記で得られたビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレニル)ジメチルシラン786mgをジエチルエーテル15mLに溶解し,−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.68mol/L)1.98mLを滴加し,徐々に室温に昇温し,その後室温にて12時間撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた固体をヘキサンで洗浄し,減圧乾固した。
【0072】
更に,トルエン−ジエチルエーテル混合溶媒(40:1)を20mL加え,−60℃にて四塩化ジルコニウム325mgを加え,徐々に昇温して室温で15分間撹拌した。
得られた溶液を減圧下に濃縮し,ヘキサンを加えて再沈殿させることにより,ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドよりなる,ラセミ/メソ混合物150mgを得た。
【0073】
(b)ラセミ体の分離
上記の反応を繰り返して得たラセミ/メソ混合物887mgをガラス容器に入れ,ジクロロメタン30mLに溶解し,高圧水銀ランプで30分間光照射した。その後ジクロロメタンを減圧下に留去し,黄色固体を得た。
この固体にトルエン7mLを添加して撹拌後,静置することにより,黄色固体が沈殿として分離した。上澄みを除去し,固体を減圧乾固して,ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドよりなる,ラセミ体を437mg得た。
【0074】
(ii)触媒の合成
(a)触媒担体の処理
脱塩水135mLと硫酸マグネシウム16gをガラス製容器に入れ,撹拌し溶液とした。この溶液にモンモリロナイト(クニミネ工業製「クニピア−F」)22.2gを加えた後,昇温し,80℃で1時間保持した。
次いで,脱塩水300mLを加えた後に濾過により,固形分を分離した。この固形分に,脱塩水46mLと硫酸23.4g及び硫酸マグネシウム29.2gを加えた後,昇温し,加熱還流下に2時間処理した後,脱塩水200mLを加え,濾過した。
更に脱塩水400mLを加えて濾過する,という操作を2回実施した。その後,固体を100℃で乾燥し,触媒担体としての化学処理モンモリロナイトを得た。
【0075】
(b)触媒成分の調製
内容積1リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,脱水ヘプタン230mLを導入し,系内温度を40℃に保持した。
ここに,上記にて調製した,触媒担体としての化学処理モンモリロナイト10gを200mLのトルエンに懸濁させて添加した。
【0076】
更に,別容器中に調製した,ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリドのラセミ体(0.15mmol)と,トリイソブチルアルミニウム(3mmol)とを,トルエン(計20mL)中にて混合したものをオートクレーブ内に添加した。
【0077】
その後,プロピレンを10g/hrの速度で120分間導入し,更にその後に120分間,重合反応を継続した後,窒素雰囲気下に溶媒を留去,乾燥して固体触媒成分を得た。この触媒成分は,固体成分1gあたり,1.9gの重合体を含有するものであった。
【0078】
(iii)プロピレンの重合
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,十分に脱水した液化プロピレン45kgを導入した。これに,トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液500mL(0.12mol),及び水素(3NL)を導入し,オートクレーブ内を75℃に昇温した。
その後,上記固体触媒成分(1.7g)をアルゴンで圧入して重合を開始させ,3時間重合反応を行った。
【0079】
その後,反応系にエタノール100mLを圧入して反応を停止させ,残存ガス成分をパージすることで,14.1kgのポリマーを得た。
このポリマーは,プロピレンから得られる構造単位が100モル%であり,即ちプロピレン単独重合体である。これは上記要件(a)を満たす。
【0080】
また,このポリマーはMFR(メルトフローレート)が10g/10分,アイソタクチックトリアッド分率が99.7%,DSC法(但し,30℃から10℃/分の速度で昇温)で測定した融点が146℃であった。さらに,2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が1.32%,1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.08%であった。これは,上記要件(b)を満たす。
以下,ここで得られた重合体を「ポリマー1」と称する。
【0081】
(iv)水蒸気透過度の測定
上記で得られたポリマー1を厚み25ミクロンのフィルムに成形し,JIS K7129に記載の方法に従って水蒸気透過度Yを測定した(以下の製造例も同じ)結果,10.5(g/m2/24hr)であった。
なお,ポリマー1は,融点Tmが146℃であるため,上記式(2)からYは5.8≦Y≦11.8の範囲内にあるべきところ,その範囲内に入っているので,上記要件(c)を満足している。
【0082】
製造例2(プロピレン/エチレン共重合)
内容積200Lの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後,精製したn−ヘプタン60Lを導入し,トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液500mL(0.12mol)を添加し,オートクレーブ内を70℃に昇温した。その後,上記固体触媒成分(6.0g)を添加し,プロピレンとエチレンとの混合ガス(プロピレン:エチレン=96.5:3.5;但し重量比)を圧力が0.7MPaとなるように導入して重合を開始させ,本条件下に3時間重合反応を行った。
【0083】
その後,反応系にエタノール100mLを圧入して反応を停止させ,残存ガス成分をパージすることで,8.8kgのポリマーを得た。
このポリマーには,プロピレンから得られる構造単位が95.3モル%,エチレンから得られる構造単位が4.7モル%存在している。これは上記要件(a)を満足する。
【0084】
このポリマーはMFRが8g/10分,アイソタクチックトリアッド分率が99.2%,DSC法(但し,30℃から10℃/分の速度で昇温)で測定した融点が125℃であった。さらに,2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.95%,1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.11%であった。これは,上記要件(b)を満たしている。
以下,ここで得られた重合体を「ポリマー2」と称する。
【0085】
上記ポリマー2について,上記製造例1と同様にして,フィルムに成形したときの水蒸気透過度Yを調べたところ,16.8(g/m2/24hr)であった。
なお,このポリマー2は,融点Tmが125℃であるため,上記式(2)からYは10.0≦Y≦18.8の範囲内にあるべきところ,その範囲内に入っているので,上記要件(c)を満足している。
【0086】
次に,上記製造例1及び2により得られた熱可塑性樹脂としてのプロピレン系重合体(ポリマー1及び2)を用いて,熱可塑性樹脂発泡粒子を製造し,さらに該熱可塑性樹脂発泡粒子を用いて型内発泡成形体を作製した実施例及び比較例につき,説明する。
なお,以下の各例において,融点は,次のようにして求めた。
【0087】
<融点> 示差走査熱量計(DSC)により,上記ポリマー1及び2,又は後述する表1,表2に記載の被覆層の樹脂からなる試料3〜5mgを30℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温して得られる吸熱曲線のピーク温度をもって融点とした。
【0088】
(実施例1)
内径65mmφ単軸押出機を用いて,製造例1で得たポリマー1(プロピレン単独重合体)に酸化防止剤(吉冨製薬(株)製 商品名「ヨシノックスBHT」0.05wt%,及びチバガイギー製 商品名「イルガノックス1010」0.10wt%)を加えて混練し,内径30mmφ単軸押出機を用いて密度0.92g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンを混練した。
【0089】
次いで,直径1.5mmのダイオリフィスを有するダイから,上記のプロピレン単独重合体を芯層とし,密度0.92g/cm3,融点が121℃の直鎖状低密度ポリエチレンを被覆層としてストランド状に押出した。
更に,このストランドを水槽を通して冷却し,1ヶの重量が重さ1.0mgになる様カットして樹脂粒子としての細粒ペレットを得た。この樹脂粒子を位相差顕微鏡により観察したところ,被覆層としての厚さ30ミクロンの直鎖状低密度ポリエチレンが,芯層としてのプロピレン重合体を被覆していた。
【0090】
次に,上記樹脂粒子を発泡粒子とするために,上記細粒ペレットを水2500g,第三リン酸カルシウム(但し,10%水分散液)200g,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(2%水溶液)30.0gと共に内容積5リットルのオートクレーブに入れ,更にイソブタン200gを加えて,135℃迄60分間で昇温した後,この温度で30分間保持した。
【0091】
その後,オートクレーブ内の圧力を2.3MPaに保持するために外部より圧縮窒素ガスを加えながら,オートクレーブ底部のバルブを開き内容物を大気下に放出して発泡させた。
以上の操作より得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を乾燥後,該熱可塑性樹脂発泡粒子の嵩密度を測定したところ,24kg/m3であった。
図1に示すごとく,上記熱可塑性樹脂発泡粒子1は,芯層11とその外周を被覆する被覆層12とよりなる,柱状の細粒ペレットである。
【0092】
次に,内容積50リットルの圧力タンクを70℃に加温し,上記で得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を70℃に加温して圧力タンクに投入し,次いで加圧空気で熱可塑性樹脂発泡粒子に内圧を付与した。このときの加圧条件は,0.55MPaで17hrとした。
この処理により得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,0.35MPaであった。
【0093】
なお,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,以下のようにして測定することができる。
即ち,まず,サンプリング用の網袋の風袋重量を測定し,これをWbとする。上記の内圧付与の処理が終わった熱可塑性樹脂発泡粒子を約10Lの網袋に抜き出し,直ちに袋ごと重量を測定する。これをW2とする。なお,このときの重量は,1分以内に測定する。次に,サンプリングした熱可塑性樹脂発泡粒子を室温で24hr放置(又は80℃で1hr放置)した後の重量を袋ごと測定する。これをW3とする。この重量W3を測定後,袋内の熱可塑性樹脂発泡粒子の嵩密度を測定する。これをBDとする。
続いて,ビーズの重さW1(W1=W3−Wb)を算出し,このようにして得られたW1,W2,W3及びBDをもとに,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧P[atm]は,下記の式(4)により算出できる。
但し,下記式(4)中,tは,測定時の温度[℃]を表すものである。
P=0.00471×BD×(W2−W3)×(273+t)/W1・・・(4)
【0094】
次に,上記のようにして得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を用いて,型内発泡成形体を作製する。
まず,熱可塑性樹脂発泡粒子をその内圧を保持したまま,大気圧下の金型キャビティーに充填した。
その後,キャビティー内に0.30MPaのスチームを導入し,加熱融着させて,密度25kg/m3の型内発泡成形体を作製した。
【0095】
図2及び図3に示すごとく,本例にて得られた型内発泡成形体2は,粒子3間に間隙がほとんどなく,外観に優れたものであった。
次に,本例にて得られた型内発泡成形体について,発泡粒子の融着性を調べるために下記の融着試験を行った。また,型内性発泡成形体の外観を下記の方法により評価した。
【0096】
(融着試験)
型内発泡成形体を割断し,その断面における粒子破壊の数と粒子間破壊の数とを目視にて計測し,両者の合計数に対する粒子破壊の数の割合を算出した。
上記の結果に基づいて,粒子破壊の数の割合が70%以上の場合を○として判定し,粒子破壊の数の割合が30〜70%の場合を△として判定し,粒子破壊の数の割合が30%以下の場合を×として判定した。その結果を後述する表1に示す。
【0097】
(外観)
型内発泡成形体の表面の任意の箇所において,50×50mmの面積中の間隙を計測した。
このとき,直径0.5mm以上の間隙の数が5個以下の場合を○として評価し,直径0.5mm以上の間隙の数が6個〜20個の場合を△として評価し,直径0.5mm以上の間隙の数が21個以上の場合を×として評価した。その結果を後述する表1に示す。
【0098】
(実施例2)
まず,製造例1で得られたポリマー1(プロピレン単独重合体)を用いて,実施例1と同様にして,熱可塑性樹脂発泡粒子を作製した。
本例の熱可塑性樹脂発泡粒子の作製にあたっては,樹脂粒子から発泡粒子を作製するときのイソブタンの添加量を215gとした点を除いては,実施例1と同様にして行った。その結果,嵩密度18kg/m3の熱可塑性樹脂発泡粒子が得られた。
【0099】
次に,内容積50リットルの圧力タンクを70℃に加温し,上記で得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を70℃に加温して圧力タンクに投入し,次いで加圧空気で熱可塑性樹脂発泡粒子に内圧を付与した。このときの加圧条件は,0.55MPaで12hrとした。
この処理により得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,0.30MPaであった。
なお,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,実施例1と同様にして測定した。
【0100】
次に,上記のようにして得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を,その内圧を保持したまま,大気圧下の金型キャビティーに充填した。その後,キャビティー内に0.25MPaのスチームを導入し,加熱融着させて,密度20kg/m3の型内発泡成形体を作製した。
本例にて作製した型内発泡成形体について,実施例1と同様にして,融着性及び外観を判定した。その結果を後述する表1に示す。
【0101】
(実施例3)
まず,製造例2で得られたポリマー2(プロピレン/エチレン共重合体)を用いて,実施例1と同様にして,熱可塑性樹脂発泡粒子を作製した。本例の熱可塑性樹脂発泡粒子の作製にあたっては,ポリマー1の代わりにポリマー2を用い,また,樹脂粒子から発泡粒子を作製するときに,イソブタンの添加量を205gとし,さらに昇温時の温度を115℃とした点を除いては,実施例1と同様にして行った。その結果,嵩密度18kg/m3の熱可塑性樹脂発泡粒子が得られた。
【0102】
次に,内容積50リットルの圧力タンクを70℃に加温し,上記で得られた熱可塑性樹脂発泡粒子をこの圧力タンクに投入し,次いで加圧空気で熱可塑性樹脂発泡粒子に内圧を付与した。このときの加圧条件は,0.55MPaで5hrとした。
この処理により得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,0.20MPaであった。
なお,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,実施例1と同様にして測定した。
【0103】
次に,上記のようにして得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を,その内圧を保持したまま,大気圧下の金型キャビティーに充填した。その後,キャビティー内に0.12MPaのスチームを導入し,加熱融着させて,密度20kg/m3の型内発泡成形体を作製した。
本例にて作製した型内発泡成形体について,実施例1と同様にして,融着性及び外観を判定した。その結果を後述する表1に示す。
【0104】
(比較例1)
本例は,実施例1と同様の熱可塑性樹脂発泡粒子を用いるが,実施例1とは成形条件を変えて,型内発泡成形体を作製した例である。
まず,実施例1と同様の熱可塑性樹脂発泡粒子を準備した。
次に,常温(30℃)の内容積50リットルの圧力タンクに,上記で得られた熱可塑性樹脂発泡粒子(常温)を投入し,次いで加圧空気で熱可塑性樹脂発泡粒子に内圧を付与した。このときの加圧条件は,0.55MPaで5hrとした。この処理により得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,0.10MPaであった。なお,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,実施例1と同様にして測定した。
【0105】
次に,この熱可塑性樹脂発泡粒子を,その内圧を保持したまま,大気圧下の金型キャビティーに充填した。その後,実施例1と同様の条件で成形を行い,密度25kg/m3の型内発泡成形体を作製した。
本例にて作製した型内発泡成形体について,実施例1と同様にして,融着性及び外観を判定した。その結果を後述する表2に示す。
【0106】
(比較例2)
本例は,実施例2と同様の熱可塑性樹脂発泡粒子を用いるが,実施例2とは成形条件を変えて,型内発泡成形体を作製する例である。
まず,実施例2と同様の熱可塑性樹脂発泡粒子を準備した。
次に,内容積50リットルの圧力タンクを70℃に加温し,上記で得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を70℃に加温して圧力タンクに投入し,次いで加圧空気で熱可塑性樹脂発泡粒子に内圧を付与した。このときの加圧条件は,0.55MPaで5hrとした。
この処理により得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,0.20MPaであった。なお,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,実施例1と同様にして測定した。
【0107】
次に,この熱可塑性樹脂発泡粒子を,その内圧を保持したまま,大気圧下の金型キャビティーに充填した。その後,実施例2と同様の条件で成形を行い,密度20kg/m3の型内発泡成形体を作製した。本例にて作製した型内発泡成形体について,実施例1と同様にして,融着性及び外観を判定した。その結果を後述する表2に示す。
【0108】
(比較例3)
本例は,実施例3と同様の熱可塑性樹脂発泡粒子を用いるが,その成形条件を実施例3とは変えて,型内発泡成形体を作製する例である。
まず,実施例3と同様の熱可塑性樹脂発泡粒子を準備した。
次に,常温(30℃)の内容積50リットルの圧力タンクに,上記で得られた熱可塑性樹脂発泡粒子(常温)を投入し,次いで加圧空気で熱可塑性樹脂発泡粒子に内圧を付与した。このときの加圧条件は,0.55MPaで5hrとした。
この処理により得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,0.10MPaであった。
なお,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,実施例1と同様にして測定した。
【0109】
次に,この熱可塑性樹脂発泡粒子を,その内圧を保持したまま,大気圧下の金型キャビティーに充填した。その後,実施例3と同様の条件で,密度20kg/m3の型内発泡成形体を作製した。本例にて作製した型内発泡成形体について,実施例1と同様にして,融着性及び外観を判定した。その結果を後述する表2に示す。
【0110】
(比較例4)
本例は,被覆層を持たない熱可塑性樹脂発泡粒子を用いて,型内発泡成形体を作製する例である。
まず,内径65mmφ単軸押出機を用いて,製造例1で得たポリマー1(プロピレン単独重合体)に酸化防止剤(吉冨製薬(株)製 商品名「ヨシノックスBHT」0.05wt%,及びチバガイギー製 商品名「イルガノックス1010」0.10wt%)を加えて混練した。
【0111】
次いで,直径1.5mmのダイオリフィスを有するダイから,上記のプロピレン単独重合体をストランド状に押出した。
更に,このストランドを水槽を通して冷却し,1ヶの重量が重さ1.0mgになる様カットして単層の樹脂粒子としての細粒ペレットを得た。
【0112】
次に,上記樹脂粒子を発泡粒子とするために,上記細粒ペレットを水2500g,第三リン酸カルシウム(但し,10%水分散液)200g,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(2%水溶液)30.0gと共に内容積5リットルのオートクレーブに入れ,更にイソブタン200gを加えて,135℃迄60分間で昇温した後,この温度で30分間保持した。
【0113】
その後,オートクレーブ内の圧力を2.3MPaに保持するために外部より圧縮窒素ガスを加えながら,オートクレーブ底部のバルブを開き内容物を大気下に放出して発泡させた。
以上の操作より得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を乾燥後,該熱可塑性樹脂発泡粒子の嵩密度を測定したところ,21kg/m3であった。
【0114】
次に,内容積50リットルの圧力タンクを70℃に加温し,上記で得られた熱可塑性樹脂発泡粒子をこの圧力タンクに投入し,次いで加圧空気で熱可塑性樹脂発泡粒子に内圧を付与した。このときの加圧条件は,0.55MPaで12hrとした。
この処理により得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,0.30MPaであった。なお,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,実施例1と同様の方法により測定した。
【0115】
次に,この熱可塑性樹脂発泡粒子をその内圧を保持したまま,大気圧下の金型キャビティーに充填した。その後,キャビティー内に0.25MPaのスチームを導入し,加熱融着させて,密度22kg/m3の型内発泡成形体を作製した。本例にて作製した型内発泡成形体について,実施例1と同様にして,融着性及び外観を判定した。その結果を後述する表2に示す。
【0116】
(比較例5)
本例は,比較例4と同様の熱可塑性樹脂発泡粒子を用いるが,比較例4とは成形条件を変えて,型内発泡成形体を作製した例である。
まず,比較例4と同様の熱可塑性樹脂発泡粒子を準備した。
次に,内容積50リットルの圧力タンクを70℃に加温し,上記で得られた熱可塑性樹脂発泡粒子を70℃に加温してこの圧力タンクに投入し,次いで加圧空気で熱可塑性樹脂発泡粒子に内圧を付与した。このときの加圧条件は,0.55MPaで5hrとした。
この処理により得られた熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,0.20MPaであった。
なお,熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧は,実施例1と同様にして測定した。
【0117】
次に,この熱可塑性樹脂発泡粒子を,その内圧を保持したまま,大気圧下の金型キャビティーに充填した。その後,比較例4と同様の条件で成形を行い,密度22kg/m3の型内発泡成形体を作製した。
本例にて作製した型内発泡成形体について,実施例1と同様にして,融着性及び外観を判定した。その結果を後述する表2に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
表1及び表2において,型内発泡成形体の成形時における加熱温度は,加熱水蒸気の圧力(ゲージ圧)から,Antoineの式に基づく近似値から算出した。図6に,Antoine式に基づく,温度(℃)とゲージ圧(MPa)の関係を示す。
【0121】
表1より知られるごとく,実施例1〜実施例3で得られた型内発泡成形体は,発泡粒子の融着性に優れ,間隙などもほとんどなく外観に優れるものであった。一方,表2,図4及び図5に示すごとく,比較例1〜3及び比較例5で得られた型内発泡成形体4は,粒子45間に間隙5が発生し,表面外観に問題があった。
また,比較例4にて得られた型内発泡成形体は,表面外観は優れていたが,融着性に問題があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にかかる,熱可塑性樹脂発泡粒子の構成を示す説明図。
【図2】実施例1にかかる,型内発泡成形体の全体を示す説明図。
【図3】実施例1にかかる,型内発泡成形体の粒子の状態を示す説明図。
【図4】比較例1〜3及び比較例5にかかる,型内発泡成形体の全体を示す説明図。
【図5】比較例1〜3及び比較例5にかかる,型内発泡成形体の粒子の状態を示す説明図。
【図6】Antoine式に基づく,温度(℃)とゲージ圧(MPa)の関係を示す説明図。
【符号の説明】
1...熱可塑性樹脂発泡粒子,
11...芯層,
12...被覆層,
2...型内発泡成形体(実施例1〜3),
4...型内発泡成形体(比較例1〜3及び比較例5),
5...間隙,
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂発泡粒子を成形型内に入れ,該成形型内に加熱水蒸気を導入して上記熱可塑性樹脂発泡粒子を互いに融着させて型内発泡成形体を製造する方法において,
上記熱可塑性樹脂発泡粒子は,結晶性の熱可塑性樹脂よりなる発泡状態の芯層と,該芯層の熱可塑性樹脂よりも融点が低いか又は実質的に融点を示さないオレフィン系重合体よりなる被覆層とからなり,
上記熱可塑性樹脂発泡粒子の内圧をP1[MPa],上記成形型内における上記加熱水蒸気の圧力をP2[MPa]とした場合に,上記P1と上記P2は下記の式(1)を満足することを特徴とする型内発泡成形体の製造方法。
P2≦P1 ・・・・(1) - 請求項1において,上記芯層の熱可塑性樹脂は,下記の要件(a)〜(c)を満足するプロピレン系重合体であることを特徴とする型内発泡成形体の製造方法。
(a)プロピレンから得られる構造単位が100〜85モル%,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位が0〜15モル%存在すること(但し,プロピレンから得られる構造単位と,エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる構造単位との合計量は,100モル%である)。
(b)13C−NMRで測定したときの,全プロピレン挿入中のプロピレンモノマー単位の2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5〜2.0%であり,かつ全プロピレン挿入中のプロピレンモノマー単位の1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.005〜0.4%であること。
(c)示差走査熱量計にて30℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温して得られる吸熱曲線のピーク温度である融点をTm[℃],フィルムにしたときの水蒸気透過度をY[g/m2/24hr]とした場合に,TmとYとが下記の式(2)を満足すること。
(−0.20)・Tm+35≦Y≦(−0.33)・Tm+60・・・(2) - 請求項2において,上記加熱水蒸気を導入して上記熱可塑性樹脂発泡粒子を成形する時の上記加熱水蒸気の温度をT[℃]とし,上記被覆層のオレフィン系重合体の融点Tm2[℃]とした場合に,T,Tm2,及び上記芯層の熱可塑性樹脂の融点Tmは,下記の式(3)を満足することを特徴とする型内発泡成形体の製造方法。
Tm−20≦T≦Tm,T≧Tm2 ・・・・(3)
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