JP2014144999A - 架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法 - Google Patents

架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法 Download PDF

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【課題】低臭気で無機発泡剤を利用した発泡倍率6倍以上のポリオレフィン系発泡体の製造方法に関するものである。
【解決手段】
ポリオレフィン系樹脂に対し加熱時に分解して炭酸ガス及び水蒸気を発生させる化合物である発泡剤並びに架橋剤を添加後混練することにより得られた架橋性発泡性組成物を加熱発泡させ6倍以上の発泡倍率を有する発泡体を作製後、収縮した発泡体を復元させる方法として作製後24時間以上経過させてから、35℃〜前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点、0.2MPa〜20MPaの高圧窒素ガス若しくは高圧空気中で1〜48時間処理することにより収縮した発泡体を復元させることを特徴とする架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法によれば、低臭気で無機発泡剤を利用した発泡倍率6倍以上のポリオレフィン系発泡体を得ることが実現された。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低臭気で無機発泡剤を利用した発泡倍率6倍以上のポリオレフィン系発泡体の製造方法に関するものである。
化学発泡によるポリオレフィンの高倍率発泡体の製造には,従来からアゾジカルボンアミド(ADCA)等の有機発泡剤が一般的に使用されているが,窒素ガスと共に微量のアンモニアや尿素も発生し,金属等の変色や異臭、ガラスの曇り等の原因になり、用途が限定された。
一方,無機発泡剤として代表的な炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)は、熱分解により炭酸ガス及び水蒸気を発生させるのみで腐食性成分や臭気を持つ成分を発生しないため、上記問題は発生しないが、高倍率発泡体を得ようとすると作製後収縮するという問題があり、低倍率の発泡体しか得られていない。
改善策として、炭酸水素ナトリウムの熱分解により発生した水を除去することを目的として、発泡前のコンパウンドにアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物を混合することによりこれと水分と反応させ吸収させる方法(例えば、特許文献1参照)や、発泡前のコンパウンドに吸水性樹脂を混合して水分を吸収させる方法(例えば、特許文献2参照)、発泡後に熱処理することにより外部に放出する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されているが、いずれも炭酸ガスの影響については考慮されていなかった。
一方、高圧の不活性ガス(超臨界状態を含む)を利用した処理法、発泡方法については、不活性ガスの溶解性が異なり互いに非相溶な二種類の樹脂をブレンドしたものを発泡させる方法(例えば、特許文献4参照)、ポリカーボネートにフッ素系界面活性剤を混合することにより微細な気泡を有する発泡体を作製する方法(例えば、特許文献5参照)、高い厚み回復率を有するよう気泡構造制御された発泡体を作製する方法(例えば、特許文献6参照)などにおいて利用されている、バッチ式に高圧の不活性ガスを樹脂に接触させ、含浸、溶解させた後、大気開放して急減圧することにより樹脂中で過飽和になった不活性ガスを気泡として発生させ発泡させる方法などが用いられている。
特開2007−217505号公報 特開2007−217639号公報 特開2007−231064号公報 特開2005−271504号公報 特開2008−127467号公報 特開2012−140599号公報
しかしながら、炭酸水素ナトリウムを発泡剤として利用した発泡倍率6倍以上のポリオレフィン発泡体を得ようとすると作製後収縮するという問題がある。
本発明は、このような不具合に着目したものであり、炭酸水素ナトリウムを発泡剤として利用した発泡倍率6倍以上のポリオレフィン発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、収縮は気泡中の炭酸ガスの外部への拡散が主要な原因であるとの考えに至った。以下にその過程を具体的に説明する。高温での加圧金型中で炭酸水素ナトリウムが熱分解し炭酸ガス及び水蒸気を発生させる。その後金型圧力を開放することにより、炭酸ガス及び水蒸気は膨張し気泡が成長する。そして冷却されることで気泡は安定化する。この際、気泡内に存在する水蒸気は凝縮しており、気泡内ガスは炭酸ガス、気泡外大気中は窒素と酸素が主体であると考えられる。そして、気泡内外でこれらのガスに濃度差があるため気泡壁膜を通して拡散が生じ、ガスの置換が行われる。具体的には炭酸ガスが気泡内から気泡外へ、窒素と酸素が気泡外から気泡内へと拡散していく。拡散速度は膜の透過係数と、気泡内外のガスの濃度差(分圧差)に比例するため、ポリエチレン気泡壁膜中での二酸化炭素の初期の拡散速度は窒素のそれの10倍以上の大きさと見積もられる。そのため、ガスの拡散が始まってからしばらくは、気泡内のガスが減少していき、それに伴って気泡内圧は低下し、気泡は収縮していくと考えられる。さらに時間が経過し気泡内の炭酸ガスの濃度が低下すると、気泡内に流入する窒素や酸素の速度が気泡外に流出する炭酸ガスの速度を上回り、気泡の収縮が回復していく。最終的には気泡内外のガス濃度がつり合ったところで安定すると考えられる。
以上を踏まえると収縮を解決するための手段としては、気泡内外ガスの置換を促進することが有効であると考えられ、具体的には、雰囲気を空気中の主要なガス成分で加圧する処理によって達成できると考えられる。この処理は以下の原理により収縮を改善すると考えられる。
第一に、雰囲気を加圧することにより、気泡が圧縮され、気泡内圧が上昇し炭酸ガスの濃度が高まり気泡外への拡散が促進される。
第二に、窒素若しくは空気で加圧することにより、窒素若しくは空気の気泡内への拡散が促進される。
すなわち本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
(1)ポリオレフィン系樹脂に対し加熱時に分解して炭酸ガス及び水蒸気を発生させる化合物である発泡剤並びに架橋剤を添加後混練することにより得られた架橋性発泡性組成物を加熱発泡させ6倍以上の初期発泡倍率を有する発泡体を作製する発泡体作製工程と、この発泡体作製工程により作製した発泡体を所定時間常圧下で収縮させる収縮工程と、収縮工程により収縮させた前記発泡体を35℃〜前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点までの温度条件下で高圧窒素ガス若しくは高圧空気中で処理することにより前記発泡体の発泡倍率を前記初期発泡倍率の三分の二以上の値に復元させる高圧処理工程とを具備することを特徴とする架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
(2)前記所定時間を、24時間以上としている(1)の架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
(3)前記高圧処理工程における圧力を、0.2MPa〜20MPaとしている請求項(1)又は(2)記載の架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
(4)前記高圧処理工程を行う時間を1時間以上としている請求項(1)、(2)又は(3)記載の架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
(5)前記発泡剤を、炭酸水素ナトリウムとしている請求項(1)、(2)、(3)又は(4)記載の架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
(6)ポリオレフィン系樹脂に対し加熱時に分解して炭酸ガス及び水蒸気を発生させる化合物である発泡剤並びに架橋剤を添加後混練することにより得られた架橋性発泡性組成物を加熱発泡させ6倍以上の発泡倍率を有する発泡体を作製後、収縮した発泡体を復元させる方法として作製後24時間以上経過させてから、35℃〜前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点、0.2MPa〜20MPaの高圧窒素ガス若しくは高圧空気中で1〜48時間処理することにより収縮した発泡体を復元させることを特徴とする架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
本発明の方法によれば、臭気や金属腐食性、ガラスを曇らせる恐れのない高倍率のポリオレフィン発泡体を提供することができる。
15倍発泡品の高圧処理工程後の発泡倍率変化をグラフとして示す図。 30倍発泡品の高圧処理工程後の発泡倍率変化をグラフとして示す図。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
本実施形態に係る架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂に対し加熱時に分解して炭酸ガス及び水蒸気を発生させる発生させる化合物である発泡剤並びに架橋剤を添加後混練することにより得られた架橋性発泡性組成物を加熱発泡させ6倍以上の初期発泡倍率を有する発泡体を作製する発泡体作製工程と、この発泡体作製工程により作製した発泡体を所定時間常圧下で収縮させる収縮工程と、収縮工程により収縮させた前記発泡体を35℃〜前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点までの温度条件下で高圧窒素ガス若しくは高圧空気中で処理することにより前記発泡体の発泡倍率を前記初期発泡倍率の三分の二以上の値に復元させる高圧処理工程とを具備することを特徴とする。
本発明でいうポリオレフィンとは、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、エチレン共重合体を挙げることができる。
本発明でいう架橋剤とは、ポリエチレン系樹脂中において少なくともポリエチレン樹脂の流動開始温度以上の分解温度を有するものであって、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生してその分子間もしくは分子内に架橋結合を生じせしめるラジカル発生剤であるところの有機過酸化物、例えばジクミルパーオキサイド、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ジターシャリーブチルパーオキサイド、1,1−ジターシャリーブチルパーオキシー3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルー2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチルー2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン、α、α―ジターシャリーブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、ターシャリーブチルパーオキシケトン、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートなどがあるが、その時に使用される樹脂によって最適な有機過酸化物を選択しなければならない。
本発明においては、使用する組成物の物性の改良或いは価格の低下を目的として、架橋結合に著しい悪影響を与えない配合剤(充填剤)、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、あるいはパルプ等の繊維物質、又は各種染料、顔料並びに蛍光物質、その他常用のゴム及びプラスチック配合剤等を必要に応じて添加することができる。
そして、前記収縮工程における前記所定時間を、24時間以上とすることが望ましい。ここで、前記所定時間が24時間未満であると、高圧処理工程の後にさらに収縮が継続されてしまうため、望ましくない。
前記高圧処理工程における圧力は、0.2MPa〜20MPaとすることが望ましい。ここで、圧力が0.2MPaよりも低いとガスを気泡内に十分に拡散させることができないため望ましくない。また圧力が20MPaよりも高くても気泡内へガスが過剰量拡散するのみで収縮の回復にさらなる向上が見られないため、処理に係る手間や労力が増大し、ひいてはコストが増大するために望ましくない。
前記高圧処理工程を行う時間は1時間以上、好ましくは1〜48時間とすることが望ましい。ここで高圧処理工程を行う時間が1時間よりも短いと、ガスを気泡内に十分に拡散させることができないため望ましくない。また高圧処理工程を行う時間が48時間よりも長くても気泡内へ拡散するガスの量にさらなる向上が見られないため、処理に係る手間や時間が増大し、ひいてはコストが増大するために望ましくない。
本発明でいう発泡剤とは、加熱時に分解して炭酸ガス及び水蒸気を発生させる化合物をいい、特に炭酸水素ナトリウムが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず第一に、15倍発泡品である本発明の実施例1〜5及び、比較例1、比較例2、比較例3を以下のように作製した。
<発泡体作製工程>
低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックLF441B、密度0.924g/cm3、メルトフローレート2.0g/10min、日本ポリエチレン株式会社製)100重量部、炭酸水素ナトリウム(商品名:セルボンFE507、永和化成工業株式会社製)13.5重量部、ジクミルパーオキサイド0.6重量部、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート(商品名:パーヘキサV−40、日油株式会社)1.4重量部、ステアリン酸0.5重量部からなる組成物を115℃のロールにて混練し、160℃に加熱されたプレス内の金型(23.8×168×168mm)に練和物を充填し、60分間加圧下で加熱し、中間発泡体を成形した。
次いで、中間発泡体を140℃に加熱されたプレス内の金型(46.5×350×350mm)に略中央に載置し、20分間加圧下で加熱して残存する発泡剤並びに架橋剤を分解して15倍の発泡体を作製した。
<収縮工程>
上記発泡体作製工程により作製した発泡体を常圧、常温下において24時間以上置くことにより、発泡体の冷却とともに収縮を促した。
<高圧処理工程>
上記収縮工程を経て得られた発泡体から3cm×1cmの試験片を切り出し、高圧容器の中に入れ、60℃に加熱し、高圧空気により5MPaに加圧し、温度と圧力の安定後21時間保持した。その後大気開放し発泡体を圧力容器から取出し、実施例1とした。その後、経過時間に対する発泡倍率を測定した。
上記実施例1における高圧処理工程において加熱温度を35℃としたものを実施例2とした。
上記実施例1における高圧処理工程において加熱温度を90℃としたものを実施例3とした。
上記実施例1における高圧処理工程において高圧空気圧力を10MPaとしたものを実施例4とした。
上記実施例1における高圧処理工程において保持時間を48時間としたものを実施例5とした。
上記実施例1において高圧処理工程を行わず発泡体シートから3cm×1cmの試験片を切り出したものを比較例1とした。
上記実施例1における高圧処理工程において加熱温度を105℃としたものを比較例2とした。
上記実施例2における発泡体作製工程の後、0.5時間未満を経た収縮を終えていない、換言すれば収縮工程を経ていない発泡体に対し高圧処理工程を施したものを比較例3とした。
実施例1〜5、比較例1、2、比較例3いずれも、発泡体の密度を水中置換法(JIS K−7112 5.1に準拠)により測定し、以下の式により発泡倍率を計算した。
Figure 2014144999
そして第二に、30倍発泡品である実施例6、比較例4を以下のように作製した。
<発泡体作製工程>
低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックLF441B、密度0.924g/cm3、メルトフローレート2.0g/10min、日本ポリエチレン株式会社製)100重量部、炭酸水素ナトリウム(商品名:セルボンFE507、永和化成工業株式会社製)30重量部、ジクミルパーオキサイド0.6重量部、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート(商品名:パーヘキサV−40、日油株式会社)1.4重量部、ステアリン酸0.5重量部からなる組成物を115℃のロールにて混練し、160℃に加熱されたプレス内の金型(12×105×105mm)に練和物を充填し、60分間加圧下で加熱し、中間発泡体を成形した。該成形物の発泡倍率は9倍であった。
次いで、中間発泡体を145℃に加熱されたプレス内の金型(23×290×290mm)に略中央に載置し、40分間加圧下で加熱して残存する発泡剤並びに架橋剤を分解して30倍の発泡体を作製した。
<収縮工程>
上記発泡体作製工程により作製した発泡体を常圧、常温下において24時間以上置くことにより、発泡体の冷却とともに収縮を促した。
<高圧処理工程>
得られた発泡体から6cm×11cmの試験片を切り出し、高圧容器の中に入れ、60℃に加熱し、高圧窒素により5MPaに加圧し、温度と圧力の安定後21時間保持した。その後大気開放し発泡体を圧力容器から取出し、実施例5とした。その後、経過時間に対する発泡倍率を測定した。
上記実施例6において高圧処理工程を行わず発泡体シートから6cm×11cmの試験片を切り出したものを比較例4とした。
実施例6、比較例4いずれも、発泡体の密度をその重量と、寸法計測により求めた体積から算出して、以下の式により発泡倍率を計算した。
Figure 2014144999
実施例1〜6、比較例1〜4の組成、収縮工程条件、高圧処理工程条件を表1にまとめる。
Figure 2014144999
図1に実施例1〜5及び比較例1、比較例2比較例3の発泡体の経過時間に対する発泡倍率の変化を示す。高圧処理工程品は処理直後を時間0、未処理品は試験片の切り出し時を時間0としている。比較例1は時間経過に対して自然に気泡内外のガスの置換が起こることにより、若干寸法が回復し、10日程度で9.5倍程度の発泡倍率で安定した。一方、高圧処理工程を行った実施例1は処理直後14倍程度に膨張したが、その後若干収縮し10日程度で約13倍の発泡倍率で安定した。
実施例5では処理時間を48時間に長くしたが、収縮回復効果は変わらなかった。24時間でガス置換はほぼ完了しているものと考えられる。
実施例4では空気圧力を10MPaに上昇させたが、収縮回復効果は改善された。これは、気泡内へ拡散した空気の量が増加したためと考えられる。
実施例2では処理温度を35℃に低下させたものであるが、処理後の収縮改善の程度は他の実施例よりも低く、10日経過後の発泡倍率も11倍程度に低下したものの、収縮回復効果自体は確認された。一方、実施例3では処理温度を樹脂の軟化点付近である90℃に上昇させたものであるが、処理後の再収縮が抑えられ、10日経過後の発泡倍率も15倍程度に上昇した。温度を上昇させても気泡内のガス量は増加しないが、これは高圧処理工程の大気開放時に気泡が再膨張する際、温度が高いと樹脂が軟化し気泡が拡大するためと考えられる。比較例2では、さらに温度を上昇させ、融点付近の105℃にしたが、処理後の発泡倍率は7倍程度と未処理よりも低い値となった。これは軟化の程度が高いことによる破泡や気泡の合一等の理由が考えられる。このように処理温度は、軟化点付近までは高い方が収縮改善効果は高いが、融点付近になると逆に低くなることが分かる。
比較例3では、発泡体作製工程のち、収縮工程を経ずに高圧処理工程を行ったが、処理後の発泡倍率は7倍程度と低い値となった。これは、気泡内の炭酸ガスが十分残ったまま発泡体を高圧容器の中に入れるため、気泡中から外部へ拡散する炭酸ガスにより高圧容器内の炭酸ガス濃度が高くなり、気泡内外のガス置換が十分に行われないためと考えられる。このように収縮工程において24時間以上常温常圧下で十分に収縮させた場合には高圧処理工程による収縮改善効果は高いが、収縮に至る前の発泡体は高圧処理工程を行っても発泡倍率は改善されなくなることが分かる。
図2に実施例6及び比較例4の発泡体の経過時間に対する発泡倍率の変化を示す。十分時間経過後について10倍程度の比較例4に対し、実施例6では20倍程度の発泡倍率であり、比較的大きな試験片についても上記と同様の傾向で処理の効果が得られることが分かる。
本発明は低臭気で無機発泡剤を利用した発泡倍率6倍以上のポリオレフィン系発泡体の製造方法として利用することができる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂に対し加熱時に分解して炭酸ガス及び水蒸気を発生させる化合物である発泡剤並びに架橋剤を添加後混練することにより得られた架橋性発泡性組成物を加熱発泡させ6倍以上の初期発泡倍率を有する発泡体を作製する発泡体作製工程と、
    この発泡体作製工程により作製した発泡体を所定時間常圧下で収縮させる収縮工程と、
    収縮工程により収縮させた前記発泡体を35℃〜前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点までの温度条件下で高圧窒素ガス若しくは高圧空気中で処理することにより前記発泡体の発泡倍率を前記初期発泡倍率の三分の二以上の値に復元させる高圧処理工程とを具備することを特徴とする架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
  2. 前記所定時間を、24時間以上としている請求項1記載の架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
  3. 前記高圧処理工程における圧力を、0.2MPa〜20MPaとしている請求項1又は2記載の架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
  4. 前記高圧処理工程を行う時間を1時間以上としている請求項1、2又は3記載の架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
  5. 前記発泡剤を、炭酸水素ナトリウムとしている請求項1、2、3又は4記載の架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
  6. ポリオレフィン系樹脂に対し加熱時に分解して炭酸ガス及び水蒸気を発生させる化合物である発泡剤並びに架橋剤を添加後混練することにより得られた架橋性発泡性組成物を加熱発泡させ6倍以上の発泡倍率を有する発泡体を作製後、収縮した発泡体を復元させる方法として作製後24時間以上経過させてから、35℃〜前記ポリオレフィン系樹脂の軟化点、0.2MPa〜20MPaの高圧窒素ガス若しくは高圧空気中で1〜48時間処理することにより収縮した発泡体を復元させることを特徴とする架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法。
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