JP2005015440A - 抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性が実証されている食品を利用することにより、長期に亘って常用しても全く安全な抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品を提供する。
【解決手段】麦麹、レモンバーム及びローズマリーを含有する抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品である。
【選択図】 なし
【解決手段】麦麹、レモンバーム及びローズマリーを含有する抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品に関するものである。特に、麦麹、レモンバーム及びローズマリーを含有する抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日本人の死亡原因は、癌、心疾患、脳血管疾患の順になっているが、心疾患と脳血管疾患の合計では、圧倒的に癌より多くなっている。したがって、動脈硬化予防は健康な生活を送る上で最も重要な課題となっている。動脈硬化、特に狭心症や心筋梗塞の原因となる因子としては、高血圧、喫煙、高脂血症が三大主因子とされている。高血圧は副作用の少ない降圧剤が登場し、そのコントロールが容易となってきたが、高脂血症については、食生活の管理が最も大事とされているのが現状である。例えば、食事からとる脂肪(特にコレステロール)と虚血性心疾患との関係は、既に明らかとなっていて、アメリカでは約20年前から、食生活の見直しを始め、その改善によって血液中のコレステロール値を下げるキャンペーンが展開されている。
【0003】
一方、日本では古くから麹菌を用いた発酵法が、味噌、醤油及び酒等の製造に利用されている。麹菌の安全性については長年にわたる食経験から既に実証されており、種々の生理活性を有することが報告されている(例えば、麹菌による抗酸化活性(山口直彦:日本食品工業学会誌 26, 71−75, 1979)、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性(寺中毅頼他:日本農芸化学会誌 69, 1163−1169, 1995)等が報告されている)。
【0004】
そして、酵素失活処理したニンニクを麹菌で発酵させた組成物、あるいは酵素失活処理したニンニクに豆類及び/又は穀類を添加し、麹菌で発酵させた組成物を有効成分とする糖尿病、肝臓病、癌、免疫疾患及び高脂血症から選ばれる疾患の予防・治療剤が知られている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、この発明の組成物の主成分はニンニクを麹菌で発酵させたものであり、ニンニクがこの発明の必須構成要素となっている。
【0005】
また、穀類及び豆類外皮由来の食物繊維原料に麹菌を接触、繁殖させて発酵処理を行った後、回収率が40〜90重量%となるように部分加水分解処理を行うことを特徴とする食物繊維が、不溶性食物繊維の生理的効果である便通改善作用とともに水溶性食物繊維の生理的効果である血清コレステロール低下作用の両方を発現し、便秘のみならず欧米型食生活による高脂血症等の各種弊害を予防するうえで有用であり、さらに、発酵処理と加水分解処理により外皮を形成している組織が緩んで良好な食感となり、食品への添加が容易であることは知られている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この発明では水溶性食物繊維の生理的効果である血清コレステロール低下作用により、高脂血症等を予防することが開示されているのみであり、発酵処理を行う理由は外皮を形成している組織を緩ませ良好な食感にするためである。
【0006】
更に、レモンバーム及びローズマリーに脂肪分解を促進し血中遊離脂肪酸量を増加させる副腎皮質ホルモンの分泌を抑制する効果があることは知られている(たとえば、特許文献3参照)。しかしながら、具体的に、レモンバーム、ローズマリーの抗高脂血症効果が実証された例は知られていない。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−154981公報(請求項2)
【特許文献2】
特開平6−007099号公報(請求項1及び要約書)
【特許文献3】
特開平9−227399号公報(請求項1及び2並びに従来の技術)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような実情を鑑み、薬物でない食品を材料とするため薬物に見られるような重篤な副作用等もなく、長期に亘って常用しても安全性が高い抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、麦麹、レモンバーム及びローズマリー又はそれらの熱水抽出物からなることを特徴とする本抗高脂血症剤によって達成される。
【0010】
更に、前記目的は、上記抗高脂血症剤を含む飲食品によって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
本発明の抗高脂血症剤において、麦麹、レモンバーム及びローズマリーの重量比率がそれぞれの乾燥状態で2〜5:2〜5:1〜4であることが好ましく、3:3:2であると特に好ましい。
【0013】
又、本発明の抗高脂血症剤を熱水抽出物として利用する場合、麦麹、レモンバーム及びローズマリーは、生きた麹又は生葉の状態で熱水抽出しても良いが、好ましくは乾燥した状態で熱水抽出される。特に好ましくは、乾燥物を更に焙煎した後、熱水抽出すると良い。更に、その熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライし、エキス粉体、顆粒、錠剤等として服用しても有効である。
【0014】
又、本発明の抗高脂血症剤は、熱水抽出せずに乾燥粉砕物又は焙煎粉砕物としてそのまま服用しても有効である。
【0015】
本発明の抗高脂血症剤の投与量は、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、通常、1日当たり乾燥物の重量として5〜25gを熱水抽出して服用しるか、若しくは焙煎後熱水抽出して服用するのが適当である。熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライし、エキス粉体、顆粒、錠剤等として服用する場合は3〜6gが適当である。
【0016】
熱水抽出を行なう際、上記乾燥物又は焙煎物をそのまま熱水抽出しても良いが、実用上の面から更に細かく粉砕したものから抽出を行なっても良い。また、抽出溶媒として用いる熱水と上記乾燥物又は焙煎物との重量比率は特に限定されないが、上記乾燥物又は焙煎物に対して、10〜50重量倍の熱水、特に抽出操作や効率の点で20〜40重量倍の熱水が好ましい。抽出温度は、高温が効率的であるが、低温でも十分に抽出を行うことができる。特に70〜95℃が良い。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば、長くても短くてもよく、抽出温度、抽出時間により適宜定めればよい。また、抽出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。特に好ましい抽出条件は、常圧下、抽出温度75〜90℃の範囲、抽出時間3〜5分の範囲とするのが好ましい。
【0017】
なお、焙煎方法については、麦麹、レモンバーム及びローズマリーの乾燥物をそのまま焙煎しても問題はないが、実用上の面から粗く粉砕した後、焙煎するのが好ましい。上記乾燥物を粗く粉砕するには、粉砕機等を用い一般的な方法で0.2〜2.0mm程度の大きさに粉砕すればよい。また、焙煎方法としては、一般的な方法、すなわち、砂焙り、網焙り、熱風焙煎等であれば如何なる方法でも問題ない。焙煎時間及び焙煎温度等の焙煎条件は、一度に焙煎する量等により適宜定めればよく、たとえば、100gの混合物を焙煎する場合、焙煎温度110〜130℃の範囲、焙煎時間10〜18分の範囲とするのが好ましい。
【0018】
本発明による抗高脂血症剤の麦麹は、水に浸漬し膨潤させ水分含量を10〜30重量%程度に調整した麦を30〜40分蒸煮し、蒸煮終了後品温が30℃以下となったところで、種麹を0.05〜0.2重量%接種し、約30℃で24〜72時間保持することで得られる。
【0019】
なお、本発明において種麹として使用する麹菌は、一般的に使用される麹菌であれば何れでも良いが、例えばAspergillus oryzae、Aspergillus sojae、Aspergillus kawachi、Aspergillus awamori等の麹菌から選択される。特に好ましくはAspergillus oryzaeを使用すると良い。
【0020】
本発明において使用される麦については、小麦、大麦等如何なる麦類であって良い。
【0021】
本発明の抗高脂血症剤は、更に、ハッカを含有させることで、抗高脂血症効果を補助することが可能である。また更に、本発明の抗高脂血症剤は、ステビアを含有させることで味を良くし、患者が飲みやすいようにしても良い。
【0022】
次に、本発明の飲食品は、例えば、スープ類、各種飲料(ジュース、酒、ミネラルウォータ、コーヒー、茶等)、菓子類(ガム、キャンディー、チョコレート、スナック、ゼリー等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)をはじめとする一般食品および、健康食品、栄養補助食品(栄養ドリンク等)に配合することができる。これによって、日常生活において抵抗なく抗高脂血症剤を摂取することが可能になり、高脂血症の日々の予防に役立つ。
【0023】
また、本発明の飲食品中の抗高脂血症剤濃度については、飲食品の種類によって適宜変更することが可能であるが、通常、熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライしたエキス粉体として混合する場合、1日当たりの摂取量が5〜10gより好ましくは3〜6gとなるように配合すると良い。なお、上記濃度については、一例であり、種々の状況に応じて適宜変更可能である。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0025】
[実施例1]抗高脂血症剤の調製
小麦麹の乾燥物45g、レモンバームの乾燥物45g及びローズマリーの乾燥物30gを混合後粗粉砕し、120℃にて15分間焙煎し、本発明の抗高脂血症剤を調製した。
【0026】
[実施例2]抗高脂血症剤の調製
小麦麹の乾燥物45g、レモンバームの乾燥物45g及びローズマリーの乾燥物30gを混合後粗粉砕し、本発明の抗高脂血症剤を調製した。
【0027】
[実施例3]抗高脂血症剤の調製
小麦麹の乾燥物3g、マジョラムの乾燥物2g、レモンバームの乾燥物3g、ローズマリーの乾燥物2g、ハッカの乾燥物1g及びステビアの乾燥物0.6gを混合後粗粉砕し、本発明の抗高脂血症剤を調製した。
【0028】
[比較例1]小麦麹単独焙煎物の調製
小麦麹の乾燥物100.0gを粗粉砕し、120℃にて15分間焙煎し、比較例1とした。
【0029】
[比較例2]レモンバーム単独焙煎物の調製
レモンバームの乾燥物100.0gを粗粉砕し、120℃にて15分間焙煎し、比較例2とした。
【0030】
[比較例3]ローズマリー単独焙煎物の調製
ローズマリーの乾燥物100.0gを粗粉砕し、120℃にて15分間焙煎し、比較例3とした。
【0031】
[試験例1]
本発明品の抗高脂血症効果を測定するための臨床試験は、以下のとおり行なった。
【0032】
高脂血症患者18例のうち3例に本発明の焙煎有りタイプの抗高脂血症剤である実施例1を、一日2回に分けて、100℃の熱水で35分間抽出し服用してもらい、3例に本発明の焙煎無しタイプの抗高脂血症剤である実施例2を、3例に本発明の焙煎有りタイプの別の実施の形態の抗高脂血症剤である実施例3を、残りの3例に比較例1を、残りの3例に比較例2を、残りの3例に比較例3を同様に服用してもらった。服用前及び服用期間一ヶ月後に採血を行い、それぞれの血液成分の分析を行った。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示すように、本発明の3成分の単独投与群(比較例1乃至3)では明らかな有効性が認められないものの、本発明品投与群(実施例1乃至3)では血中総コレステロール、中性脂肪、LDL及びLDHの濃度がいずれも有意に減少した。以上の結果は、本発明品が明らかに血液中の脂質成分を減少させる作用を有していることを示している。したがって、本発明品は、高脂血症の発症予防に極めて有効であることが判明した。
【0035】
次に、本発明の抗高脂血症剤を含有する飲食品の例を示す。
【0036】
[実施例4]
実施例1で得られた抗高脂血症剤を用い、以下の処方に従って常法にてスープを調製した。
【0037】
スープの処方
抗高脂血症剤 30.0重量%
緑豆 15.0重量%
ステビア 1.5重量%
食塩 1.0重量%
水 52.5重量%
合計 100重量%
【0038】
上記実施例の抗高脂血症剤を含有する飲食品により、日常の生活の中で容易に摂取することが可能となり、高脂血症を効果的に予防することが可能となった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品は、継続的使用により、高脂血症の発症予防に顕著な効果を示すものである。しかも食品素材を原料としているので、薬品に見られる重篤な副作用も無く、安全性が高い。また、本発明の飲食品によって、日常の生活の中で高脂血症を予防することが可能である。
【産業上の利用分野】
本発明は、抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品に関するものである。特に、麦麹、レモンバーム及びローズマリーを含有する抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日本人の死亡原因は、癌、心疾患、脳血管疾患の順になっているが、心疾患と脳血管疾患の合計では、圧倒的に癌より多くなっている。したがって、動脈硬化予防は健康な生活を送る上で最も重要な課題となっている。動脈硬化、特に狭心症や心筋梗塞の原因となる因子としては、高血圧、喫煙、高脂血症が三大主因子とされている。高血圧は副作用の少ない降圧剤が登場し、そのコントロールが容易となってきたが、高脂血症については、食生活の管理が最も大事とされているのが現状である。例えば、食事からとる脂肪(特にコレステロール)と虚血性心疾患との関係は、既に明らかとなっていて、アメリカでは約20年前から、食生活の見直しを始め、その改善によって血液中のコレステロール値を下げるキャンペーンが展開されている。
【0003】
一方、日本では古くから麹菌を用いた発酵法が、味噌、醤油及び酒等の製造に利用されている。麹菌の安全性については長年にわたる食経験から既に実証されており、種々の生理活性を有することが報告されている(例えば、麹菌による抗酸化活性(山口直彦:日本食品工業学会誌 26, 71−75, 1979)、アンジオテンシンI変換酵素阻害活性(寺中毅頼他:日本農芸化学会誌 69, 1163−1169, 1995)等が報告されている)。
【0004】
そして、酵素失活処理したニンニクを麹菌で発酵させた組成物、あるいは酵素失活処理したニンニクに豆類及び/又は穀類を添加し、麹菌で発酵させた組成物を有効成分とする糖尿病、肝臓病、癌、免疫疾患及び高脂血症から選ばれる疾患の予防・治療剤が知られている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、この発明の組成物の主成分はニンニクを麹菌で発酵させたものであり、ニンニクがこの発明の必須構成要素となっている。
【0005】
また、穀類及び豆類外皮由来の食物繊維原料に麹菌を接触、繁殖させて発酵処理を行った後、回収率が40〜90重量%となるように部分加水分解処理を行うことを特徴とする食物繊維が、不溶性食物繊維の生理的効果である便通改善作用とともに水溶性食物繊維の生理的効果である血清コレステロール低下作用の両方を発現し、便秘のみならず欧米型食生活による高脂血症等の各種弊害を予防するうえで有用であり、さらに、発酵処理と加水分解処理により外皮を形成している組織が緩んで良好な食感となり、食品への添加が容易であることは知られている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この発明では水溶性食物繊維の生理的効果である血清コレステロール低下作用により、高脂血症等を予防することが開示されているのみであり、発酵処理を行う理由は外皮を形成している組織を緩ませ良好な食感にするためである。
【0006】
更に、レモンバーム及びローズマリーに脂肪分解を促進し血中遊離脂肪酸量を増加させる副腎皮質ホルモンの分泌を抑制する効果があることは知られている(たとえば、特許文献3参照)。しかしながら、具体的に、レモンバーム、ローズマリーの抗高脂血症効果が実証された例は知られていない。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−154981公報(請求項2)
【特許文献2】
特開平6−007099号公報(請求項1及び要約書)
【特許文献3】
特開平9−227399号公報(請求項1及び2並びに従来の技術)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような実情を鑑み、薬物でない食品を材料とするため薬物に見られるような重篤な副作用等もなく、長期に亘って常用しても安全性が高い抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、麦麹、レモンバーム及びローズマリー又はそれらの熱水抽出物からなることを特徴とする本抗高脂血症剤によって達成される。
【0010】
更に、前記目的は、上記抗高脂血症剤を含む飲食品によって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
本発明の抗高脂血症剤において、麦麹、レモンバーム及びローズマリーの重量比率がそれぞれの乾燥状態で2〜5:2〜5:1〜4であることが好ましく、3:3:2であると特に好ましい。
【0013】
又、本発明の抗高脂血症剤を熱水抽出物として利用する場合、麦麹、レモンバーム及びローズマリーは、生きた麹又は生葉の状態で熱水抽出しても良いが、好ましくは乾燥した状態で熱水抽出される。特に好ましくは、乾燥物を更に焙煎した後、熱水抽出すると良い。更に、その熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライし、エキス粉体、顆粒、錠剤等として服用しても有効である。
【0014】
又、本発明の抗高脂血症剤は、熱水抽出せずに乾燥粉砕物又は焙煎粉砕物としてそのまま服用しても有効である。
【0015】
本発明の抗高脂血症剤の投与量は、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、通常、1日当たり乾燥物の重量として5〜25gを熱水抽出して服用しるか、若しくは焙煎後熱水抽出して服用するのが適当である。熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライし、エキス粉体、顆粒、錠剤等として服用する場合は3〜6gが適当である。
【0016】
熱水抽出を行なう際、上記乾燥物又は焙煎物をそのまま熱水抽出しても良いが、実用上の面から更に細かく粉砕したものから抽出を行なっても良い。また、抽出溶媒として用いる熱水と上記乾燥物又は焙煎物との重量比率は特に限定されないが、上記乾燥物又は焙煎物に対して、10〜50重量倍の熱水、特に抽出操作や効率の点で20〜40重量倍の熱水が好ましい。抽出温度は、高温が効率的であるが、低温でも十分に抽出を行うことができる。特に70〜95℃が良い。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば、長くても短くてもよく、抽出温度、抽出時間により適宜定めればよい。また、抽出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。特に好ましい抽出条件は、常圧下、抽出温度75〜90℃の範囲、抽出時間3〜5分の範囲とするのが好ましい。
【0017】
なお、焙煎方法については、麦麹、レモンバーム及びローズマリーの乾燥物をそのまま焙煎しても問題はないが、実用上の面から粗く粉砕した後、焙煎するのが好ましい。上記乾燥物を粗く粉砕するには、粉砕機等を用い一般的な方法で0.2〜2.0mm程度の大きさに粉砕すればよい。また、焙煎方法としては、一般的な方法、すなわち、砂焙り、網焙り、熱風焙煎等であれば如何なる方法でも問題ない。焙煎時間及び焙煎温度等の焙煎条件は、一度に焙煎する量等により適宜定めればよく、たとえば、100gの混合物を焙煎する場合、焙煎温度110〜130℃の範囲、焙煎時間10〜18分の範囲とするのが好ましい。
【0018】
本発明による抗高脂血症剤の麦麹は、水に浸漬し膨潤させ水分含量を10〜30重量%程度に調整した麦を30〜40分蒸煮し、蒸煮終了後品温が30℃以下となったところで、種麹を0.05〜0.2重量%接種し、約30℃で24〜72時間保持することで得られる。
【0019】
なお、本発明において種麹として使用する麹菌は、一般的に使用される麹菌であれば何れでも良いが、例えばAspergillus oryzae、Aspergillus sojae、Aspergillus kawachi、Aspergillus awamori等の麹菌から選択される。特に好ましくはAspergillus oryzaeを使用すると良い。
【0020】
本発明において使用される麦については、小麦、大麦等如何なる麦類であって良い。
【0021】
本発明の抗高脂血症剤は、更に、ハッカを含有させることで、抗高脂血症効果を補助することが可能である。また更に、本発明の抗高脂血症剤は、ステビアを含有させることで味を良くし、患者が飲みやすいようにしても良い。
【0022】
次に、本発明の飲食品は、例えば、スープ類、各種飲料(ジュース、酒、ミネラルウォータ、コーヒー、茶等)、菓子類(ガム、キャンディー、チョコレート、スナック、ゼリー等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)をはじめとする一般食品および、健康食品、栄養補助食品(栄養ドリンク等)に配合することができる。これによって、日常生活において抵抗なく抗高脂血症剤を摂取することが可能になり、高脂血症の日々の予防に役立つ。
【0023】
また、本発明の飲食品中の抗高脂血症剤濃度については、飲食品の種類によって適宜変更することが可能であるが、通常、熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライしたエキス粉体として混合する場合、1日当たりの摂取量が5〜10gより好ましくは3〜6gとなるように配合すると良い。なお、上記濃度については、一例であり、種々の状況に応じて適宜変更可能である。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0025】
[実施例1]抗高脂血症剤の調製
小麦麹の乾燥物45g、レモンバームの乾燥物45g及びローズマリーの乾燥物30gを混合後粗粉砕し、120℃にて15分間焙煎し、本発明の抗高脂血症剤を調製した。
【0026】
[実施例2]抗高脂血症剤の調製
小麦麹の乾燥物45g、レモンバームの乾燥物45g及びローズマリーの乾燥物30gを混合後粗粉砕し、本発明の抗高脂血症剤を調製した。
【0027】
[実施例3]抗高脂血症剤の調製
小麦麹の乾燥物3g、マジョラムの乾燥物2g、レモンバームの乾燥物3g、ローズマリーの乾燥物2g、ハッカの乾燥物1g及びステビアの乾燥物0.6gを混合後粗粉砕し、本発明の抗高脂血症剤を調製した。
【0028】
[比較例1]小麦麹単独焙煎物の調製
小麦麹の乾燥物100.0gを粗粉砕し、120℃にて15分間焙煎し、比較例1とした。
【0029】
[比較例2]レモンバーム単独焙煎物の調製
レモンバームの乾燥物100.0gを粗粉砕し、120℃にて15分間焙煎し、比較例2とした。
【0030】
[比較例3]ローズマリー単独焙煎物の調製
ローズマリーの乾燥物100.0gを粗粉砕し、120℃にて15分間焙煎し、比較例3とした。
【0031】
[試験例1]
本発明品の抗高脂血症効果を測定するための臨床試験は、以下のとおり行なった。
【0032】
高脂血症患者18例のうち3例に本発明の焙煎有りタイプの抗高脂血症剤である実施例1を、一日2回に分けて、100℃の熱水で35分間抽出し服用してもらい、3例に本発明の焙煎無しタイプの抗高脂血症剤である実施例2を、3例に本発明の焙煎有りタイプの別の実施の形態の抗高脂血症剤である実施例3を、残りの3例に比較例1を、残りの3例に比較例2を、残りの3例に比較例3を同様に服用してもらった。服用前及び服用期間一ヶ月後に採血を行い、それぞれの血液成分の分析を行った。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示すように、本発明の3成分の単独投与群(比較例1乃至3)では明らかな有効性が認められないものの、本発明品投与群(実施例1乃至3)では血中総コレステロール、中性脂肪、LDL及びLDHの濃度がいずれも有意に減少した。以上の結果は、本発明品が明らかに血液中の脂質成分を減少させる作用を有していることを示している。したがって、本発明品は、高脂血症の発症予防に極めて有効であることが判明した。
【0035】
次に、本発明の抗高脂血症剤を含有する飲食品の例を示す。
【0036】
[実施例4]
実施例1で得られた抗高脂血症剤を用い、以下の処方に従って常法にてスープを調製した。
【0037】
スープの処方
抗高脂血症剤 30.0重量%
緑豆 15.0重量%
ステビア 1.5重量%
食塩 1.0重量%
水 52.5重量%
合計 100重量%
【0038】
上記実施例の抗高脂血症剤を含有する飲食品により、日常の生活の中で容易に摂取することが可能となり、高脂血症を効果的に予防することが可能となった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品は、継続的使用により、高脂血症の発症予防に顕著な効果を示すものである。しかも食品素材を原料としているので、薬品に見られる重篤な副作用も無く、安全性が高い。また、本発明の飲食品によって、日常の生活の中で高脂血症を予防することが可能である。
Claims (5)
- 麦麹、レモンバーム及びローズマリー又はそれらの熱水抽出物からなる抗高脂血症剤。
- 麦麹、レモンバーム及びローズマリーのうちの少なくとも一つが乾燥状態であることを特徴とする請求項1記載の抗高脂血症剤。
- 麦麹、レモンバーム及びローズマリーのうちの少なくとも一つが更に焙煎されていることを特徴とする請求項1又は2記載の抗高脂血症剤。
- 麦麹、レモンバーム及びローズマリーの重量比率がそれぞれの乾燥状態で2〜5:2〜5:1〜4である請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の抗高脂血症剤。
- 請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の抗高脂血症剤を含有する飲食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003185974A JP2005015440A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003185974A JP2005015440A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 抗高脂血症剤及びそれを含む飲食品 |
Publications (1)
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